特許第6046355号(P6046355)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6046355
(24)【登録日】2016年11月25日
(45)【発行日】2016年12月14日
(54)【発明の名称】ベーカリー食品用ミックス
(51)【国際特許分類】
   A21D 13/08 20060101AFI20161206BHJP
   A21D 13/00 20060101ALI20161206BHJP
   A21D 2/18 20060101ALI20161206BHJP
   A21D 2/36 20060101ALI20161206BHJP
【FI】
   A21D13/08
   A21D13/00
   A21D2/18
   A21D2/36
【請求項の数】2
【全頁数】5
(21)【出願番号】特願2012-43568(P2012-43568)
(22)【出願日】2012年2月29日
(65)【公開番号】特開2013-179841(P2013-179841A)
(43)【公開日】2013年9月12日
【審査請求日】2014年7月24日
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】312015185
【氏名又は名称】日清製粉プレミックス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002170
【氏名又は名称】特許業務法人翔和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】岩田 恭一
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 隆行
(72)【発明者】
【氏名】柳下 隆弘
【審査官】 白井 美香保
(56)【参考文献】
【文献】 特開2004−321182(JP,A)
【文献】 特開2003−000170(JP,A)
【文献】 特表2002−538799(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2007/0039612(US,A1)
【文献】 国際公開第2008/143144(WO,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0052780(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2006/0233931(US,A1)
【文献】 特開2012−034606(JP,A)
【文献】 実開平07−030686(JP,U)
【文献】 シリーズ<食品の科学>小麦の科学,株式会社朝倉書店,1998年,p.93
【文献】 四訂食品成分表,女子栄養大学出版部,1994年,pp.66-67
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A21D 2/00−17/00
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
PubMed
CiNii
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
原料粉としてもち種馬鈴薯澱粉を48〜85質量%含有し、ミックス全体の蛋白含量が0〜2.0質量%であることを特徴とするベーカリー食品用ミックス。
【請求項2】
請求項1記載のベーカリー食品用ミックスを用いてベーカリー食品を製造する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ベーカリー食品用ミックス、および該ミックスを用いて得られる新規な外観および食感を有するベーカリー食品に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、消費者の嗜好は多様化し、既存の概念にとらわれない新しいタイプの食品、あるいはこれまでにない食感の食品が求められる傾向にある。ベーカリー食品においても同様に新規な食感や外観を有するベーカリー食品が求められている。
従来より、ベーカリー食品に新規な食感や外観などを付与するために種々の方法が提案されている。例えば、特許文献1には、「生地を圧延することなく調製する食パンのようなベーカリー製品の製造に際して、主原料として、小麦粉に、酸化澱粉及び/又は酸化アセチル化澱粉、或いは、酸化澱粉及び/又は酸化アセチル化澱粉とα化澱粉質を配合した原料粉を用いることにより、調製されたベーカリー製品に、ソフトでしっとりとし、かつ、歯切れ感と口溶け感の良さを付与する技術」が記載されている。
【0003】
しかし、このような従来の技術で得られるベーカリー食品は、従来あるベーカリー食品の食感や外観の改良程度にとどまっており、既存の概念にとらわれない新しいタイプのベーカリー食品といえるものではなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−273421号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、既存のベーカリー食品の概念から外れた従来にない外観および食感を有するベーカリー食品が得られるベーカリー食品用ミックスを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、種々検討した結果、原料粉として、もち種馬鈴薯から製造した澱粉を用いることにより、上記目的を達成するベーカリー食品が得られることを知見した。
【0007】
本発明は、上記知見に基づいてなされたもので、主原料粉としてもち種馬鈴薯澱粉を含有し、ミックス全体の蛋白含量が0〜4.0質量%であることを特徴とするベーカリー食品用ミックス、および該ミックスを用いて得られるベーカリー食品を提供するものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明のベーカリー食品用ミックスによれば、既存のベーカリー食品の概念からは外れた従来にない外観および食感を有するベーカリー食品、特に、透明感のある外観を有するベーカリー食品が得られる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明のベーカリー食品用ミックスは、主原料粉としてもち種馬鈴薯澱粉を含有する。このもち種馬鈴薯澱粉とは、アミロペクチンほぼ100%の馬鈴薯を原料とした澱粉及びその加工澱粉である。このもち種馬鈴薯澱粉としては、「エリアンVC120」(松谷化学工業製)などの市販品があり、これらの市販品を用いることができる。
【0010】
もち種馬鈴薯澱粉の含有量は、ミックス中、好ましくは3〜85質量%、より好ましくは10〜80質量%、さらに好ましくは20〜80質量%である。もち種馬鈴薯澱粉の含有量が少なすぎると、本発明の効果が得られず、またもち種馬鈴薯澱粉の含有量が多すぎると、好ましい食感が得られない。
【0011】
本発明のベーカリー食品用ミックスは、ミックス全体の蛋白含量が0〜4.0質量%、好ましくは0〜2.0質量%である。蛋白含量が4.0質量%より多いと、ベーカリー食品の透明感がなくなり、また食感が硬くなりやすい。
なお、上記のもち種馬鈴薯澱粉は、蛋白をほとんど含有しておらず、蛋白含量はほぼ0質量%である。
【0012】
本発明のベーカリー食品用ミックスには、上記のもち種馬鈴薯澱粉の他に、原料粉として、小麦粉(強力粉、準強力粉、中力粉、薄力粉など)、ライ麦粉、米粉、とうもろこし粉などの穀粉、コーンスターチ、ワキシーコーンスターチ、ハイアミロースコーンスターチ、馬鈴薯澱粉、小麦澱粉、タピオカ澱粉、緑豆澱粉、サゴ澱粉、米澱粉、エンドウ豆澱粉、およびこれらの加工澱粉などの澱粉、大豆粉、小豆粉、えんどう豆粉などの豆粉などを、目的とするベーカリー食品の種類に応じて適宜配合することができる。これらの原料粉を配合する場合、ミックス全体の蛋白含量が4.0質量%を超えないように配合する必要がある。
【0013】
また、本発明のベーカリー食品用ミックスには、目的とするベーカリー食品の種類に応じて、砂糖、グルコース、フルクトース、マルトース、トレハロース、アラビノース、キシロース、リボース、ガラクトース、ガラクツロン酸、ウロン酸、ラムノース、フコース、マンノース、又はこれらを構成成分とする還元糖を有する物質や混合物である水あめなどの糖類、食塩、調味料、香辛料、ビタミン類、ミネラル類、色素、香料、粉末油脂などの油脂類、乳化剤、増粘剤、イースト、膨張剤などの副原料を適宜配合することができる。なお、これらの副原料は、ベーカリー食品用ミックスを用いてベーカリー食品を作製する際に、該ミックスと混合してもよい。
【0014】
本発明のベーカリー食品用ミックスが用いられるベーカリー食品としては、プルマン、イギリス食パンなどのパン類、バケット、パリジャンなどのフランスパン、菓子パン、バンズ、テーブルロールなどの各種ロール類、スポンジケーキなどのケーキ類、ピザ、トルティーヤ、シュー皮、焼き饅頭、クレープ、ワッフル、どら焼き、たい焼き、今川焼き、大判焼き、たこ焼き、お好み焼きなどが挙げられる。
本発明のベーカリー食品用ミックスは、従来のベーカリー食品用ミックスと同様にして用いられる。すなわち、本発明のベーカリー食品用ミックスは、目的とするベーカリー食品の種類に応じて他の原料を適宜混合し、常法に従ってベーカリー食品を製造することができる。
【実施例】
【0015】
本発明を具体的に説明するために実施例および比較例を挙げるが、本発明は以下の実施例によって制限されるものではない。尚、実施例4および5は参考例である。
【0016】
実施例1〜5および比較例1〜2
表1に示す配合により、表1に示す蛋白含量のベーカリー食品用ミックスをそれぞれ調製した。ミックスの蛋白含量は、表1に示す量の活性グルテンを配合することにより調整した。
各ミックス100質量部にそれぞれ水65質量部を加え、下記の〔製造条件〕にて、まんじゅう様のベーカリー食品をそれぞれ製造した。
〔製造条件〕
ミキシング 低速2分
分割 20g
包餡 餡20g
焼成温度 170℃
焼成時間 17分
【0017】
実施例1〜5および比較例1〜2で製造したベーカリー食品について、外観の透明感および食感を下記の評価基準によりパネラー10名に評価させた。その結果(10名の平均点)を表1に示す。
【0018】
外観の透明感の評価基準
5点 透明感に優れている。
4点 透明感がやや優れている。
3点 透明感がある。
2点 透明感がやや劣る。
1点 透明感がない。
【0019】
食感の評価基準
5点 やわらかい。
4点 やややわらかい。
3点 ふつう。
2点 やや硬い。
1点 硬い。
【0020】
【表1】