(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記機外のプロバイダーは、第1無線データリンクを介して前記携帯用小型装置に飛行計画を伝達するようになっている飛行計画サービスプロバイダーである請求項1記載のアビオニクスシステム。
前記飛行関連情報は飛行計画であり、前記1つ以上の機内飛行システムは飛行管理システムであり、前記携帯用小型装置は、第2無線データリンクが確立されたとき、前記飛行計画を自動的に飛行管理システムに転送するようになっている請求項1記載のアビオニクスシステム。
前記データ入力要素は、第2無線データリンクを介してコックピット・ディスプレイ・システムへ転送される指令を入力するために使用されるようになっているキーボードを備える請求項1記載のアビオニクスシステム。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、或る条件のもとでは、このような既存のデータ入力ツールを用いてデータを入力するパイロットや他の搭乗員の能力が著しく妨げられる。
【0004】
例えば、乱気流の条件下では、パイロットはカーソルやタッチスクリーンディスプレイを正確に操作することや、機内(on-board)のコックピット装置に物理的に接続されるか又はその装置の一部であるデータ入力ツールを用いてキーボードの指令を入力することができないことがある。他の例として、コックピットにおいて可読性に乏しい条件下では、例えば、航空機の方位が飛行ディスプレイシステムにおける図形印刷マークの可読性に太陽光が影響するような方位である状況では、パイロットは機内のコックピット装置に物理的に接続されるか又はその一部であるディスプレイに表示された情報をはっきりと認識することも、前記データ入力ツールを用いて或る指令を入力することによって反応することもできないことがある。この問題は、多くの場所を占める多目的フラットパネルディスプレイ(FPD)において特に明白であり、結果として、適切な画面上のデータを正しく見ること、および/又は適正な指令を正確に入力すること、又は正しいパラメータを操作することができないために、パイロットが十分に時間をかけて適切な画面上のデータを観察して速やかに正しい行動を取ることが難しくなる。
【0005】
飛行ディスプレイシステムから即座に確かめるべき情報が必要な場合、および異なる飛行位相間に即座に入力すべき指令や調整が必要なときなどの緊急時において、パイロットがデータを正確に迅速に読み取ってデータを入力することが困難であることによって、深刻な結果を招くことになるのは不幸なことである。
【0006】
従って、乱気流時にタイムリーで正確な方法で容易に操作できるか、又は乏しい可読性条件下で飛行ディスプレイシステムの代わりになるものとして使用できるか、又は飛行ディスプレイシステムを拡張するデータ入力/ディスプレイツールが必要とされる。
【0007】
さらに、手入力しなければならなかった飛行計画のような予め準備された指令やデータの機内飛行システムへの自動転送を可能にするデータ入力/ディスプレイツールも必要とされている。
【0008】
様々な実施形態において、この発明は、機内飛行システムおよび/又は機外サービスプロバイダーに関連するアビ
オニクス装置を使用するための方法、システムおよび装置を提供する。そのアビ
オニクス装置は、無線とデータ入力能力を有する携帯用小型装置であり、パイロットのような航空機の搭乗員によって使用され、指令/データの入力および/又は表示ツールとして働き、コックピットディスプレイシステムを拡張する。
【0009】
無線リンクがアビオニクス装置と機内飛行システムとの間に確立され、様々な航空機システムと連結することができる。アビオニクス装置で作動する1つ以上のモバイル・ソフトウェア・アプリケーションは、指令および/又はデータ(飛行計画やその要素のような飛行関連情報を含む)を飛行システムへ転送するため、および/又はアビオニクス装置とコックピット・ディスプレイ・システム間の表示を同期させるために用いることができる。航空機の機内で使用されるときには、アビオニクス装置は、いずれの飛行システムとも直接物理的に接触しないことが好ましく、従って、乱気流時や乏しい可読性条件のような通常の又は次善の条件のもとで容易に操作することができる。装置の様々なデータ入力要素(components)は、指令、飛行関連情報又は他の情報を入力すること、および/又はコックピット・ディスプレイ・システム(例えば、タッチスクリーン制御を介して)に示されるデータ項目(items)をタイムリーで正確な方法で操作するために使用できる。
【0010】
無線リンクは、アビオニクス装置と、地上制御システム又はインターネット飛行計画サービスとの間に確立することができる。アビオニクス装置上で作動するモバイル・ソフトウェア・アプリケーションは、飛行計画サービスからの飛行データ(例えば、飛行計画)を受け入れて、それを予め準備した指令やデータと共に、コックピット飛行管理システムおよび/又はコックピット・ディスプレイ・システムへ入力又は自動的に転送するために使用できる。
【0011】
この発明の他の利点と特徴は、添付図と関連して述べた次の詳細な説明から明らかになる。しかしながら、図面は図示する目的のみで作成され、添付した特許請求の範囲に引用されるこの発明の限定の定義として作成されたものではない。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1〜6を引用して、以下に詳細を説明する。
図1は、この発明の一実施形態による、航空機のコックピットシステムおよび機外(off-board)のプロバイダーと共同して用いるためのアビオニクス(avionics)システムを示す。
図2〜4は、アビオニクス装置110の異なる実施形態を示す。この開示およびこの発明の説明の理解に基づいて、当業者であれば分かることであるが、システム100の一部である特定のハードウェアおよび装置又はアビオニクス装置110、および備えられる又は組込まれている一般的なディスプレイの機能性は、発明の異なる実施形態において変化する。従って、
図1〜
図4に示される特定のシステムの構成要素は、この発明の方法および装置の実施形態において実感されるように、この発明の様々な観点および特定の実施形態の機能性を全体的に、かつ、完全に理解し認識することを促進するための例証を目的とするものである。
【0017】
図5のフローチャートは、
図1〜
図4のアビオニクス装置110により実施することができる方法の一例であり、
図6のフローチャートは、アビオニクス装置110に相互作用する、
図1の1つ以上の航空機機内又はコックピットシステム120により実施される方法の一例である。熟慮され、意図されたことであるが、この発明の或る実施形態は、ソフトウェア・プログラミングによって実施され、特定の有利な機能性を与え、さらにそのようなプログラミングは、発明の範囲内で様々な形をとることができる。
図1〜
図6の説明を含む次の説明は、或る典型的な実施形態に特に関連するが、この発明は、そのような実施形態に限定されない。様々な特徴、変形や変更が、以下に述べる実施形態に含まれるか否かは当業者にとって明らかである。
【0018】
図1は、アビオニクス装置110、コックピットシステム120および機外(off-board)情報源140を含むシステム100を形成する様々な装置間の相互作用を示す。アビオニクス装置110は、航空機150の機内で使用されるとき、飛行システム(好ましくは、航空機のコックピット内の通常の飛行システム)と無線通信が可能で、飛行管理システム(FMS)124のようなコックピットシステム120にデータや指令を入力したり、または、自動的に情報を送ることが好ましい。パイロット、共同パイロット又は他のメンバーのような搭乗員によって航空機の機内で使用されるとき、アビオニクス装置110は、機内飛行システムの一部となり、コックピットシステム120を拡張するために使われる。例えば、機内装置へ直接物理的に接触するような、航空機への物理的な接続又は固定がなされないので、手で持てる装置110は乱気流時に操作が容易である。それは、また、コックピット内で読みにくい状態にあるときに、主飛行ディスプレイ(PFD)125、ナビゲーションディスプレイ(ND)127、又は多機能ディスプレイ(MFD)、又は電子航空計器システム(EFIS)のいずれかのディスプレイのような、飛行ディスプレイシステムに代わるものとして使用できる。装置110はまた、EFISディスプレイと全く同じか又は現在示されていない情報を与える追加のディスプレイとしても使用できる。アビオニクス装置110はまた、電子飛行バッグ(bag)(EFB)128のような他のコックピットシステムと共同で使用できる。アビオニクス装置110は、すべての飛行段階において、又は臨界飛行段階をのぞくすべてにおいて、飛行前後の航空機内で使用することができる。例えば、装置110が不正確な装置であると考えられる場合には、その作動が停止され(又は少なくともその無線通信能力/インターフェイスが無能にされ)、離陸および/又は着陸の間、しまい込まれることがある。
【0019】
いずれの使用者(パイロット、共同パイロット又はその他のような搭乗員を含む)によって航空機の機内又は機外で使用されても、装置110によって、管制塔のような地上制御システムや地上局130からの、および/又は飛行計画サービスプロバイダーのようなサービスプロバイダー140からの飛行関連情報を受けることができる。例えば、装置110に適用するモバイル・ソフトウェア・アプリケーションを使用して、DUATのようなインターネット飛行計画サービスの援助を受けて飛行計画を手に入れるか、又は計算することができる。そのようなモバイルアプリケーションは、インターネットにアクセスできる標準閲覧ソフトであってもよいし、飛行計画活動に特に適応してもよいし(DUATモバイルアプリケーションのように)、又はアイパッド(iPad)用EFISアプリのようにより広範囲の飛行制御モバイルアプリケーションの一部であってもよいが、それは以下に説明する。
【0020】
航空機の機内で装置110を操作する使用者は、得られた飛行データ又は予め作成されたコマンド又はデータを、特に航空機コックピットシステム120のような機内システムへ伝達できる。そのような伝達は自動的に行われてもよい(例えば、装置110と個々のコックピットシステム120との間で無線データリンクを確立したり、又は伝達の開始や確認を行う動作が装置110において使用者により行われるとき)。装置110は、機内の航空機システムへ飛行データや指令を伝達させるモバイル・ソフトウェア・アプリケーションを作動させるように構成される。情報伝達に関連してここに説明するモバイルアプリケーションは、機外のプロバイダーからの飛行関連情報を得ることに関連して上述したものと同じか、又は異なるモバイルアプリケーションである。従って、飛行計画が飛行計画サービスを通じて得られたり又は計算されたりしたものであるかどうかにかかわらず、飛行管理システム(FMS)124又はGPSシステムへ飛行計画や要素を手で入力する代わりに、装置110を飛行計画を航空機システムへ自動的に伝達するために用いることができる。
【0021】
アビオニクス装置110は、無線通信能力をもつものであれば、どのような携帯装置であってもよい。或る実施形態では、装置110はタブレット、コンピュータ、ラップトップ、スマートフォン、PDA又は他の手で持てる装置であってもよい。装置110はメディアおよび/又はインターネットにアクセスするために搭乗員に所有されるか又は使用されるパーソナルタブレット又はスマートフォン装置であってもよく、それはラジオ周波数(RF)技術(アイパッド、アイフォン、アイポッドタッチなど、
図2参照)によって他の装置やネットワークと通信する。装置110は標準のコマーシャル・オフ・ザ・シェルフ(COTS)の携帯装置又は改変されたCOTSであってもよい。また、装置110はここに述べるすべての機能を実行する特別誂え又は特注の専用装置であってもよい。
【0022】
図2〜
図4に示すように、アビオニクス装置110はトランシーバ111、ディスプレイ112、データ入力要素116又は117又はそれらの組合せを備える。装置110は、1つ以上のプロセッサと物理的メモリ(図示しない)のような他の標準の、又は特別に設計された部品を備えてもよい。その装置のメモリは、そのプロセッサつまり装置110に、
図5をステップ300に関連して説明する或るステップを含み、ここに説明するいくつかの機能を実行させるようになっている指令を含むコンピュータ読み取り可能な記録媒体を格納する。装置110のコンピュータ読み取り可能記録媒体は、ここに説明するモバイル・ソフトウェア・アプリケーションのいずれかによって発せられる命令を含んでもよい。
【0023】
トランシーバ111は、装置110の片側に沿って配置される(例えば、
図4)1つ以上のアンテナを備えてもよいし、装置110のスチールフレーム(例えば、
図3)であってもよいし、ディスプレイ112のLCDフレーム(例えば、
図2)であってもよいし、装置110内のいずれかの他の適当な位置にはめ込まれてもよい。トランシーバ111は装置110と機内又は機外のシステム/ネットワーク間のラジオ周波数(RF)通信を扱ってもよい。さらに、あるいはまた、他のアンテナおよび/又はチップセットが、GPS通信およびモバイルネットワーク(つまり、セル)受信/送信を扱うために装置110に設けられてもよい。
【0024】
例えば、装置110のトランシーバ111を用いて、
図5のステップ310に示すように、プロバイダーから飛行関連情報を受取るために、機外のプロバイダーと無線データリンクを確立することができる。
図1に見られるように、トランシーバ111によって、装置110が通信ネットワーク160を介してプロバイダーと無線で通信し、
図5のステップ320に示されるように、飛行関連情報のようなプロバイダーからの情報又はデータを装置110に受け取らせる無線データリンクをラジオ接続の形で確立することが可能になる。機外のプロバイダーは、
図1に示される例のような機外に設置される、どのような情報源でもよく、遠隔サービスプロバイダー140(飛行計画サービスプロバイダーのような)又は地上局130(管制塔のような)を含む。機外のプロバイダーから通信ネットワーク160を介して受け取る飛行関連データは飛行計画又はその要素であり、
図5のステップ330に示されるように、装置110のメモリに格納されることが好ましい。他の飛行関連データや情報は、ステップ330において受け入れられ、航空機取り扱いマニュアル、飛行搭乗員取り扱いマニュアル、航空図、又はパイロットや搭乗員の次の飛行に関連するか又は通常の電子飛行バッグに格納されているすべての情報を含む。
【0025】
図1の通信ネットワーク160を介して受け取られる飛行関連データは、装置110が次の関連飛行の前および直前に航空機150の機内で使用される間に、又は装置110が物理的に航空機150の機内にない時はいつでも、受け取られる。通信ネットワーク160は、インターネットを含んでもよく、モバイルネットワーク、ローカルエリアネットワーク、直接の臨時のツーウェイ又はワンウェイチャネル、他の無線又は部分有線ネットワーク、又はどのような無線接続であってもよい。そのように、機外のプロバイダーによって確立された無線リンクは、セルラー(cellular)ネットワークリンク又はWi-Fiネットワークリンクであってもよい。また、装置110は、ネットワーク160又は公用接続を介してサービスプロバイダーと通信するどのような他の装置にでも物理的に接続できる。
【0026】
装置110のトランシーバ111は、
図5のステップ340および
図6のステップ410に示されるように、好ましくは1つ以上のトランシーバを装備した1つ以上の機内飛行システムと共に無線データリンクを確立するために用いられてもよい。従って、装置110は、標準の通信プロトコルを用いる無線データインターフェイスを装備した又はそれに接続した一般の飛行システムと結合および通信を行う。例えば、飛行管理システム124、電子飛行バッグ128および/又は主飛行ディスプレイ125および/又はナビゲーションディスプレイ127のような
図1に示すディスプレイ、および/又はEID又はMFDのようなEFISの一部である他のディスプレイが、Wi-Fi又はブルートゥース(Bluetooth(登録商標))を可能にする無線データインターフェイスを備えてもよいし、それと結合してもよい。従って、装置110とコックピットシステム120との間のデータリンクは、Wi-Fi接続又はブルートゥースの標準を満たすもののような、
近距離ラジオ波(short-length radio wave
)接続であってもよい。そのような無線接続を確立する1つの目的は、
図5のステップ350に示され、かつ、
図6のステップ420により一般的に示されるように、プロバイダーから受取られ装置のメモリに格納される飛行関連データを転送することである。特定のコックピットシステムに送信される以前から存在するか又は予め作成された情報の特定な例は、
図5の352に列挙されている。例えば、データリンクが或るコックピットシステム(
図1の飛行管理システムのような)によって確立された後は、以前に格納されていた飛行計画は図示された飛行管理システム124へ送信される。また、他の種類のデータのロードを行うことができる(空気伝送(airborne)のソフトウェアやデータベース等)。例えば、飛行計画の構成要素の形でプロバイダーから受け取る飛行関連データは、確立された無線データリンクを介して飛行管理システム124へ伝達される。そのような構成要素は飛行管理システムに一般的に見られ、かつ、飛行計画の立案に使用されるナビゲーションデータベース(NDB)に関連する情報を含むことができる。例えば、ナビゲーションデータベースの構成要素は、航路の座標(waypoints)、航空路(airways)、ラジオナビゲーション航路標識(radio navigation aids)、空港(airports)、滑走路(runways)、標準計器出発(standard instrument departure)、標準ターミナル到着(standard terminal arrival)、着陸パターンの保持(holding patterns)などを含むことができる。そのような構成要素や書き込まれる他のデータは、プロバイダーから受け入れられなかったか、もしくは装置110で使用者によって格納されなかったかも知れないが、その代わりに、装置の使用者に知られることになる(例えば、前の飛行に基づいて、又はパイロットと管制塔又はアビオニクス装置110を備えないが存在する航空機の装備を介してなされる他の地上局との間の直接通信に基づいて)。このような状況において、使用者は、
図2〜
図4のデータ入力要素116/117を使用して、コックピットシステム120との確立された接続を介して
図1の飛行管理システム124へ関連データを入力する。
【0027】
従って、機内飛行システムによって無線データリンクを確立する他の目的は、
図5のステップ354に示すように、さらに一般的には
図6のステップ420に示すように、および飛行計画要素に関連してここに説明するように、主飛行ディスプレイ125および/又はナビゲーションディスプレイ127のように
図1に示されるEFIS要素に相互に作用して、又は飛行電子バッグ128に関連して、コックピットシステム120へリアルタイムのデータ又はコマンドの形で情報を入力することである。例えば、装置110は、ナビゲーションディスプレイ127に表示されるアプローチプレート(approach plate)を選択するため、又は電子飛行バッグ128上で作動するアプリケーションを制御するために用いられる。或る実施形態では、周期的代理機能性チェック(CRC)又は他のチェックの値が、無線伝送データ(例えば、リアルタイム情報又は以前から利用可能な飛行関連データ)に添付されて完全性を保証する(従って、装置上で作動するモバイルアプリケーション、および、装置が直接通信を行う機内飛行機器は、通信エラーを捕らえるように設計された適当なデータエンコーダ/デコーダを備える)。装置110は、検定規格を厳守することによってその機能の安全性の臨界性の要求にあうように修正され、他の航空機システムとの干渉を引き起こすことがない。
【0028】
装置110は、CDU122が別のやり方で行う処理の一部又はすべてを行うためにある程度用いられる。この目的に対して装置110は、ボタンを表示することによって、CDU、又は他の固定キーパッドやキーボード/カーソル制御装置を模倣したり、CDU122(例えば、iPad用のCDUアプリケーションソフト)において他のやり方で利用可能なディスプレイを模倣するモバイル・ソフトウェア・アプリケーションを作動させるようになっている。また、装置110は、トリガーや計器やアイコン、又は主飛行ディスプレイ125、ナビゲーションディスプレイ127(又はMFD)および/又はエンジン計器ディスプレイ(EID)、例えばEFISアプリケーションソフト、PFD単独アプリケーションソフト、ND単独アプリケーションソフト、PFD/ND結合アプリケーションソフト、EIDアプリケーションソフト、iPad用MFDアプリケーションソフトにおいて示される他のアイテムを表示することによって、EFISを模倣するモバイル・ソフトウェア・アプリケーションを作動させるようになっている。装置110は電子飛行バッグ128(例えば、iPad用EFBアプリケーションソフト)の機能を実行するモバイルソフトウェアアプリケーションを作動させるように構成される。これらのアプリケーションには、静的なアプリケーション(印刷物鑑賞のような)、電子チェックリスト、マニュアル、飛行効率計算、電子アプローチチャート(対話式か否か)、天候関連情報ディスプレイ、ヘッドダウンディスプレイ又はビデオカメラ等を備えるものもある。情報や指令の入力に関連してここで説明するモバイルアプリケーションは、機外のプロバイダーからの飛行関連情報を得ること、および/又は機内の航空機システムへ情報を伝達することに関連して上述したものであるというよりも、同じ又は異なる/分離したモバイルアプリケーションであってもよい。
【0029】
図2〜
図4に関して上述したように、装置110は、ディスプレイ112および/又はデータ入力要素116又は117を備えることが好ましい。典型的なディスプレイはタッチパネル付きであり、使用者の指やペン状の器具を用いてスクリーンに表示される項目や情報(
図2〜
図4の項目116によって示される)を操作するために用いることができる。例えば、装置110はカーソル制御装置として使用できるようにモバイルアプリケーションを実行するように構成される一方、無線データリンクがコックピットシステムに確立され(
図1に示す飛行管理システム124、主飛行ディスプレイ125、ナビゲーションディスプレイ127および/又は電子飛行バッグ128のように)、それによって、データ入力要素116および/又は117(例えば、ボタン、タッチスクリーン又はキーボード)が使用者によって作動され、コックピット・ディスプレイ・システムに表示されるカーソルを実質的にリアルタイムで操作するようになっている。従って、データ入力部は、カーソルを操作するために用いられるようになっているタッチスクリーンディスプレイ112を備える。データ入力部はまた、キーボード(
図3のような画像をシミュレートしたキーパッドであるものか、又は
図4のような物理的なもの)を備えてもよく、そのキーボードは、使用者が機内に居て航空機150を制御するときに
図1のコックピットシステム120に伝送される指令、又は(使用者が航空機の機内又は機外に居るときに)飛行関連情報を要求して受取るために通信ネットワーク160を介して送られる指令を入力するために用いられるようになっている。
【0030】
表示されたキーおよびアイテム116は、物理的なキー117と同様に、データ入力に使用でき、飛行パラメータの変換(例えば、
図2の主飛行ディスプレイ112上で)、各種の選択、および地図やチャート(chart)の操作(例えば、
図4のナビゲーションディスプレイ)などを行うことができる。地図やチャートの操作は、画面の拡大又は縮小、画面の移動、スクロール又は他の領域への移動などにより行われる。この目的に対して、装置110上で作動するモバイルアプリケーションによって、装置110は関連するディスプレイによって確認される、入力および操作ツールとして使用できる(例えば、それによって装置110上の地図の操作は、ナビゲーションディスプレイ(ND)127又は電子飛行バッグ(EFB)128にリアルタイムで表示されるものと同期している)。従って、リアルタイムで、装置110は、前述のデータ要素(例えば、キーボード、制御パネル、タッチパッド)のいずれにも頼るいずれのデータ/指令入力のために用いることができる。この目的に対して、コックピットシステム120のいずれか1つ(例えば、飛行管理システム124、主飛行ディスプレイ125、ナビゲーションディスプレイ127および/又は電子飛行バッグ128)は、処理装置(プロセッサ)および物理的メモリ(図示しない)を有し、それによってそのメモリは、処理装置および関連するコックピットシステム120に、
図6とステップ400に関連して説明したものを含む様々な機能を行わせるようになっている指令を含むコンピュータ読み取り可能な媒体を格納することができる。例えば、コックピットシステム120のいずれか1つと装置110との間のリンク(上述した無線データリンクが好ましい)がステップ410で確立されると、情報はステップ420において装置110から受け取られ、ステップ430において処理され(例えば、受け取った要素から飛行計画を作成すること、又は飛行関連情報に対する変更を計算することにより)、ステップ440において適当なコックピットディスプレイに伝達され、更新された飛行関連情報が表示される。
【0031】
図5と
図6に示すように、
図5の処理300がアビオニクス装置110の回路によって実行され、
図6の処理400が装置110とつながっているコックピットシステム120の回路によって実行されるという、これらの図に示されるステップの各々においてステップ間に重複がみられる。例えば、ステップ340と410は、もしそれらがアビオニクス装置110の全体とコックピットシステムの1つ以上の各々とからリンクを確立することを示すならば、それらは互いに関連する。他の例として、ステップ350と420は、もしそれらがアビオニクス装置110の全体とコックピットシステム120の1つ以上の各々とからの情報の授受を示すならば、それらは互いに関連する。同様に、
図5と
図6の処理の各々は、アビオニクス装置110のディスプレイとコックピットシステム120の1つ以上のディスプレイとが同期することを保証するための追加のステップを含むことができる。特に、
図5のステップ360および
図6のステップ450は、情報がコックピットシステムから伝送されてアビオニクス装置110によって受け取られることを示している。そのような情報は、ステップ440における処理の結果として得られる情報(例えば、飛行関連情報の変更や更新)、更新された飛行関連情報、未処理情報等又は初期設定情報である。この方法では、搭乗員(例えば、パイロット又は共同パイロット)はアビオニクス装置110を介してデータ又は指令を入力することができ、その搭乗員又は他の搭乗員は、これらのデータ又は指令が、コックピットシステム120又はアビオニクス装置110それ自体のディスプレイを見ることによって、入力されたことを確認することができる。同様に、搭乗員は、いずれの機内のコックピットシステムにも、直接データ又は指令を入力することができ、いずれのディスプレイに対するどのような関連変更も、アビオニクス装置110のディスプレイを見ることによって確認することができる。
【0032】
ディスプレイ112に表されデータ入力部116/117(タッチ感知式の場合はディスプレイ自体を含む)により操作されるアイテム(データ項目)は飛行関連データを含む。飛行関連データとは、例えば、航空機の制御を維持するためにパイロットによっていつも観察され使用されるのに必要な主データおよび/又は例えば、燃料積載量、電子システムの状況、油圧圧力および途中の運行行程や到着予定時刻のようなデータである。他の例は、方角、速度、高度および機首方位のような主飛行ディスプレイ125において示され操作される情報、ナビゲーション関連情報のようなナビゲーションディスプレイ127において示され操作される情報、および/又はN1、N2および/又はN3%RPM、EPR、オイルの温度、圧力および量のようなエンジン計器ディスプレイにおいて示され操作される情報を含む。そのようなディスプレイの一部は、表示されたアイテムを選択したり、表示されたものを拡大することなどによって操作される。さらに他の例は、航空データ、飛行性能計算、ナビゲーションチャートなどのような電子飛行バッグにおいて示され操作される情報を含む。装置110に表示される情報の一部又はすべては、関連するコックピットディスプレイシステムに表示されるものに同期又はその表示されるものを再現し、逆もまた同様である。
【0033】
図1を再び参照すると、アビオニクス装置110が航空機150の機内で使用されるとき、装置110は航空機内のいずれの飛行システムにも直接物理的に接触することを必要としない。その代わり、装置110は手にその装置を持った使用者により操作される。この方法により、乱気流状態にあっても、パイロット又は他の使用者は、コックピットシステムに作用する同じ量又は大きさの揺れに影響されることなく
図2〜
図4に示すデータ入力要素(例えば、ボタン、タッチスクリーン又はキーボード)のいずれをも正確に操作して、
図1のコックピットシステム120を制御するデータおよび/又は指令を入力することができる。なお、さらに、コックピットにおいてディスプレイの情報を読むことが難しい状況では、例えば、航空機の方角が太陽光によってディスプレイ125および/又は127上の表示が読みにくい方角である場合、パイロット又は他の使用者は、装置110の向きを容易に変えてそのディスプレイ又はパイロットの頭を太陽光の外へ移動させ、アビオニクス装置110のディスプレイに表示された情報を明確に見分けることができる。
【0034】
特定の実施形態に適用されたこの発明の様々な新しい特徴が示され、説明され、指摘されたが、説明された方法および図示された装置の形や詳細およびそれらの操作における種々の省略および置換および変更は、この発明の精神から離れることなく当業者によってなし得ることは理解されるであろう。例えば、同じ結果を達成する実質的に同じ方法で、実質的に同じ機能を発揮するこれらの装置および/又は方法のすべての組合せは、この発明の範囲内にあることは、はっきりと意図されたことである。さらに、この発明のすべての開示された形又は実施形態に関連して示され、又は説明された構成および/又は要素および/又は方法は、いくつかのケースにおいて、一般的なデザイン選択の問題である、他の開示又は教示又は示唆された形又は実施形態に組込まれ得ることは、認識されるべきである。従って、この発明は、ここに添付された特許請求の範囲によって示され、それによってのみ限定される。