(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、実施の形態を、図面を参照して詳細に説明する。
[第1の実施の形態]
図1は、第1の実施の形態に係る飲料容器の斜視図である。
図1に示すように飲料容器は、飲料収容部10と筒部20とを有している。飲料収容部10と筒部20は、例えば、ガラスや強化プラスチックなどで形成される。飲料容器は、以下で説明するように、筒部20が飲料収容部10の底の部分から嵌め合わされて使用される。飲料容器は、例えば、ビールジョッキやマグカップ、グラスなどである。
【0012】
飲料収容部10は、底部11を備えた筒状の収容部12を有している。収容部12は、
図1に示す矢印Aの飲み口から注がれたビールやジュースなどの飲料を収容する。
【0013】
また、飲料収容部10は、収容部12を覆うように形成された外壁部13を有している。外壁部13と、収容部12の外側の側壁との間には、間隙14が設けられている。間隙14の飲み口側は、閉じられており、底部11側は、開口している。従って、使用者が飲料容器で飲料を飲むとき、収容部12に注がれた飲料は、飲み口側から間隙14に入らないようになっている。
【0014】
筒部20は、底部21と側壁部22とを備えた筒状の形状を有している。側壁部22は、筒状の中空部23を有している。中空部23の飲み口側は、水や保冷剤等が入れられるように開口しており、底部21側は、閉じられている。従って、中空部23に入れられる水や保冷剤は、筒部20の底から漏れないようになっている。
【0015】
また、筒部20は、柱状の孔部24を有している。筒部20が飲料収容部10に嵌め合わされるとき、飲料収容部10の収容部12は、孔部24の内部に収められる。孔部24の断面の大きさは、例えば、筒部20を飲料収容部10に嵌め合わせたとき、収容部12の外側の側壁と接する大きさである。
【0016】
筒部20が飲料収容部10に嵌め合わされるとき、筒部20の側壁部22は、飲料収容部10の間隙14に挿入される。また、筒部20が飲料収容部10に嵌め合わされるとき、収容部12の底部11は、筒部20の孔部24に挿入される。収容部12の底部11は、筒部20の底部21まで挿入される。
【0017】
筒部20の側壁部22の中空部23には、例えば、冷やした水を入れる。または、筒部20の側壁部22の中空部23には、例えば、水を入れて凍らせる。または、中空部23には、冷やした保冷剤または凍らせた保冷剤を入れる。なお、保冷剤は、例えば、筒部20の中空部23と同じ筒状の形状を有したプラスチックの中に封入されているのが好ましい。筒部20が飲料収容部10に嵌め合わされると、筒部20の側壁部22は、収容部12の側壁に位置する。従って、
図1の飲料容器は、中空部23の氷や保冷剤によって、収容部12に入れられた飲料を保冷したり、冷やしたりすることができる。また、例えば、収容部12に沸騰させたミルクを入れ、飲みやすい温度に冷ますことができる。なお、保冷剤は、筒部20の中空部23に直接入れられ、封入されていてもよい。ただし、保冷剤を筒部20の中空部23に封入した場合は、筒部20の中空部23に水を入れ、凍らせて使用することはできなくなる。
【0018】
図2は、
図1の飲料収容部の平面図である。
図2において
図1と同じものには、同じ符号が付してある。収容部12は、飲料を収容する空間を有している。従って、飲料収容部10の平面図である
図2では、収容部12の飲料を収容する空間を通して、収容部12の底部11が見えている。
【0019】
図3は、
図2のA−A断面図である。
図3において
図1および
図2と同じものには、同じ符号が付してある。
図3に示すように、飲料収容部10の外壁部13の内側は、底部11側に溝31を有している。溝31は、らせん状に形成され、筒部20とねじ式で固定されるようになっている。なお、間隙14の底部11側は、開口している。また、間隙14の飲み口側は、閉じられている。
【0020】
図4は、
図1の筒部の平面図である。
図4において
図1と同じものには、同じ符号が付してある。筒部20は、飲み口側が開口しており、飲料収容部10の収容部12が収まる孔部24を有している。従って、筒部20の平面図である
図4では、孔部24を通して、筒部20の底部21が見えている。
【0021】
図5は、
図4のA−A断面図である。
図5において
図4と同じものには、同じ符号が付してある。
図5に示すように、筒部20の側壁部22の外側は、底部21側に山32を有している。山32は、らせん状に形成され、飲料収容部10とねじ式で固定されるようになっている。なお、中空部23の飲み口側は、円状に開口している。また、中空部23の底部21側は、底部21によって閉じられている。中空部23の開口部分からは、例えば、上記した水や筒状の保冷剤を入れることができる。
【0022】
図6は、飲料収容部に筒部を嵌め合わせている様子を示した断面図である。
図6において
図3および
図5と同じものには、同じ符号が付してある。飲料収容部10と筒部20とを一体化し、使用者が希望する温度に保つことができる飲料容器にするには、
図6に示すように、筒部20の側壁部22を、飲料収容部10の底部11側から、飲料収容部10の間隙14に挿入する。そして、挿入された状態で底部11と底部21とを接近させる。
【0023】
図7は、飲料収容部に筒部を嵌め合わせたときの様子を示した断面図である。
図7において
図6と同じものには、同じ符号が付してある。
図6で説明したように、筒部20を、飲料収容部10に対し、飲み口側方向へ押し上げると、筒部20の山32が飲料収容部10の溝31に接触する。そして、筒部20を、例えば、飲料収容部10に対して時計回りに回せば、筒部20は、ねじ式によって飲料収容部10に固定される。
【0024】
筒部20の側壁部22の飲み口側の端部は、筒部20が飲料収容部10にねじ式で固定されると、
図7の矢印Bに示すように、飲料収容部10の間隙14の飲み口側の端部に接触する。これによって、例えば、筒部20の中空部23に入れられた保冷剤は、中空部23内でぐらつくことがない。また、筒部20の中空部23に入れられ、凍らせられた水は、融けても外にこぼれることがない。なお、
図7では、飲料収容部10の間隙14の飲み口側の端部に接触する例を示したが、接触していなくてもよい。
【0025】
筒部20の側壁部22は、筒部20が飲料収容部10に固定されると、
図7に示すように、飲料収容部10の収容部12の側壁部分に位置する。これにより、飲料容器は、収容部12の底部11から飲み口部分まで注がれた飲料をむらなく保冷することができる。また、使用者の希望する温度に冷ますことができる。
【0026】
このように、飲料容器の飲料収容部10は、有底筒状の収容部12と、収容部12と外側の側壁との間に間隙14を有し、側壁を覆うように設けられた外壁部13とを有するようにした。また、飲料容器の筒部20は、有底であって、中空部23を備えた側壁部22を有し、側壁部22が収容部12の側壁と外壁部13との間の間隙14に挿入されるようにした。
【0027】
これによって、例えば、筒部20の中空部23に水を入れて凍らせたり、保冷剤を入れたりして、筒部20の側壁部22を飲料収容部10の間隙14に挿入すると、中空部23の氷や保冷剤が、収容部12の側壁に位置する。そして、収容部12に注がれた飲料を使用者の希望する温度に保つことができる。例えば、飲料容器に注がれたビールを冷やすことができる。また、沸騰したミルクを飲みやすい温度に冷ますことができる。
【0028】
また、飲料容器は、最初、筒部20の中空部23に水を入れて凍らせ、氷が解けたらその水を捨てて、中空部23に冷やした保冷剤を入れることができる。これによって、飲料の保冷時間を長くすることができる。
【0029】
また、飲料容器は、飲料収容部10の収容部12に飲料を入れたまま、筒部20を交換することができる。これによって、例えば、飲料収容部10の収容部12に飲料を入れたままの状態で、解けた氷の水を捨て、冷やした保冷剤を中空部23に入れることができる。また、例えば、飲料収容部10の収容部12に飲料を入れたままの状態で、筒部20の中空部23に入れた保冷剤を交換することができる。
【0030】
また、飲料が注がれる収容部12を備えた飲料収容部10は、例えば、保冷剤が入った筒部20と別々にして持ち運ぶことができる。これにより、例えば、飲料収容部10は、きれいな入れ物に入れて持ち運び、筒部20はクーラボックスに入れて持ち運ぶことができ、飲料収容部10の衛生を保つことができる。
【0031】
[第2の実施の形態]
次に、第2の実施の形態を、図面を参照して詳細に説明する。第1の実施の形態では、筒部20の側壁部22は、筒状の中空部23を1つ有していた。第2の実施の形態では、筒部20は、2以上の中空部を有し、2以上の中空部に入れる保冷剤などの数を調整して、むらなく温度調整できるようにする。
【0032】
なお、第2の実施の形態の飲料収容部は、第1の実施の形態の飲料収容部10と同様であり、その説明を省略する。
【0033】
図8は、第2の実施の形態に係る筒部の一部を示した斜視図である。
図8において、
図1、
図4、および
図5に示した筒部20と同じものには同じ符号が付してある。
【0034】
図8に示す筒部20は、側壁部22に複数の孔部41を有している。
図8の例では、筒部20は、8個の孔部41を有している。
【0035】
孔部41の形状は、例えば、後述する直方体のカートリッジの形状に対応する形状をなしている。孔部41は、
図8に示すように、飲み口側が開口しており、図示していない底部まで伸びている。そして、孔部41の底部側は、閉じている。従って、孔部41に入れられた水や保冷剤は、筒部20の底部から漏れないようになっている。
【0036】
孔部41は、開口部から、例えば、水が入れられる。孔部41に入れられた水は、例えば、冷凍庫などで凍らせる。または、孔部41には、例えば、以下で説明するカートリッジの保冷剤が入れられる。
【0037】
これにより、飲料収容部10の収容部12に注がれた飲料を、使用者の希望する温度に保つことができる。例えば、収容部12に注がれた飲料を、十分に冷えた状態で飲みたいならば、8個の孔部41の全てに水や保冷剤を入れる。または、ある程度冷えた状態で飲料を飲みたいならば、例えば、8個の孔部41のうち、4個の孔部41に水や保冷剤を入れるようにする。
【0038】
図9は、
図8の筒部の平面図である。
図9において
図8と同じものには、同じ符号が付してある。筒部20の平面図である
図9では、孔部24を通して、筒部20の底部21が見えている。
【0039】
図10は、保冷剤が封入されたカートリッジを示した図である。
図10において
図8および
図9と同じものには、同じ符号が付してある。
【0040】
図10には、保冷剤が封入されたカートリッジ51が示してある。カートリッジ51の形状は、例えば、略直方体形状であり、孔部41と同様の形状を有している。すなわち、カートリッジ51は、孔部41と嵌合する形状を有している。カートリッジ51は、例えば、プラスチックなどで形成され、孔部41と同様の形状を維持している。
【0041】
カートリッジ51は、
図10の矢印Cに示すように、孔部41の開口部分から挿入される。カートリッジ51の長手方向の長さは、孔部41の底部側から、飲み口側の開口までの(深さ方向の)長さとなっている。従って、カートリッジ51を孔部41に挿入すると、カートリッジ51の飲み口側の面は、側壁部22の飲み口側の面と揃うようになっている。
【0042】
もちろん上記で説明したように、孔部41には、水を入れて凍らせてもよい。
【0043】
図11は、飲料容器の斜視図である。
図11において、
図1および
図10と同じものには同じ符号が付してある。
【0044】
なお、
図11の筒部20の孔部41には、カートリッジ51が挿入されている。また、
図11では、図示を省略しているが、飲料収容部10の外壁部13の内側は、
図3で説明した溝31を有している。また、筒部20の側壁部の外側は、
図5で説明した山32を有している。すなわち、飲料収容部10と筒部20は、ねじ式で固定される。
【0045】
筒部20が飲料収容部10に嵌め合わされるとき、筒部20の側壁部22は、飲料収容部10の間隙14に挿入される。また、飲料収容部10の収容部12は、筒部20の孔部24に挿入される。筒部20を飲料収容部10の飲み口側に押し込み、例えば、筒部20を時計回りに回すと、筒部20は、飲料収容部10に固定される。
【0046】
筒部20の高さは、飲料収容部10の間隙14の高さと同じ高さを有している。従って、筒部20が飲料収容部10に固定されたとき、側壁部22とカートリッジ51の飲み口側の面は、間隙14の飲み口側の閉じた面に接するようになっている。
【0047】
これによって、カートリッジ51は、例えば、コップを上下逆さまにしても、筒部20の孔部41から出てぐらついたりすることを防ぐことができる。また、カートリッジ51の代わりに、孔部41に水を入れて凍らせた場合、氷が解けても、水が孔部41から漏れるのを防ぐことができる。
【0048】
このように、筒部20の側壁部22は、2以上の孔部41を備えるようにした。これによって、使用者は、飲料を希望する温度に保つことができる。例えば、複数の孔部41に入れる水や保冷剤の数を調整することにより、使用者は、飲料を希望する温度に保つことができる。
【0049】
また、保冷剤を封入したカートリッジ51を用いる場合、例えば、孔部41に入れた水を凍らすために、冷凍庫に筒部20を入れなくて済む。また、第1の実施の形態で説明した筒状の保冷剤を冷凍庫に入れなくて済む。すなわち、略直方体形状の複数のカートリッジ51を冷凍庫に入れて凍らすことにより、冷凍庫内の場所をとらなくて済む。
【0050】
また、筒部20に設けられた孔部41の数以上のカートリッジ51を冷やしておくことにより、カートリッジ51が冷たくなくなっても、容易に交換することができる。また、カートリッジ51は、持ち運びの際、場所をとらない。
【0051】
[第3の実施の形態]
次に、第3の実施の形態を、図面を参照して詳細に説明する。第2の実施の形態では、カートリッジ51を筒部20の飲み口側から入れるようにした。第3の実施の形態では、筒部の底部から入れられるようにする。
【0052】
図12は、第3の実施の形態に係る筒部の底面図である。
図12において
図8〜
図11と同じものには、同じ符号が付してある。
【0053】
図12に示す筒部20の孔部41は、底部11側が開口し、飲み口側が閉じている。すなわち、
図12に示す筒部20は、底部11側から、保冷剤が封入されたカートリッジが挿入される。
【0054】
図12に示すように、筒部20の底部21は、蓋61を有している。蓋61は、孔部41ごとに設けられている。
図12の例では、8個の孔部41に対し、8個の蓋が設けられている。蓋61は、例えば、プラスチックによって形成される。
【0055】
蓋61は、蝶番62によって、孔部41の開口を開閉できるようになっている。カートリッジを筒部20に装着する場合、蓋61を開けてカートリッジを挿入し、蓋61を占める。なお、
図12の最下部に示してある蓋61は、開いた状態を示している。他の蓋は、閉じた状態を示している。
【0056】
蓋61は、2つの鍔63を有している。筒部20の底部21は、蓋61を閉めたとき、鍔63が嵌合するための孔を有している。従って、鍔63を底部21に設けられた孔に嵌合させた場合、孔部41に挿入されたカートリッジは、底部21を下に向けても出てこないようになっている。
【0057】
蓋61は、切欠き部64を有している。閉められた蓋61を開けるには、例えば、切欠き部64に爪を入れて開く。
【0058】
このように、底部21側に、孔部41の開口部を設け、底部21側からカートリッジを挿入することもできる。