(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1a電極及び前記第2a電極にはそれぞれ同一のまたは互いに異なる電圧が加えられ、前記第1b電極及び前記第2b電極にはそれぞれ同一のまたは互いに異なる電圧が加えられることを特徴とする請求項2に記載のエレクトロクロミック素子。
前記第1エレクトロクロミック物質及び前記第2エレクトロクロミック物質は互いに相違し、それぞれ独立的にnタイプ物質、pタイプ物質、またはこれらの組み合わせを含む物質であることを特徴とする請求項1に記載のエレクトロクロミック素子。
前記第1エレクトロクロミック物質及び前記第2エレクトロクロミック物質は、互いに相違し、それぞれ独立的にnタイプ金属酸化物、ビオロゲン系化合物、フタレート系化合物、ピリジン系化合物、アントラキノン系化合物、還元変色する導電性高分子化合物、及びこれらの組み合わせから選択される少なくとも1つを含むnタイプ物質、pタイプ金属酸化物、フェニルアミン系化合物、アミノキノン系化合物、希土類系有機化合物、フタロシアニン系化合物、フェノチアジン(phenothiazine)系化合物、フェノキサチイン(phenoxathiine)系化合物、ジベンゾジオキシン(dibenzodioxin)系化合物、染料系化合物、酸化変色する導電性高分子化合物、及びこれらの組み合わせから選択される少なくとも1つを含むpタイプ物質、及びこれらの組み合わせから選択される1つを含むことを特徴とする請求項4に記載のエレクトロクロミック素子。
第1電圧で前記第1エレクトロクロミック物質は透明を表し、第2電圧及び第3電圧で前記第1エレクトロクロミック物質は前記少なくとも二つの色のいずれか一つをそれぞれ表示することを特徴とする請求項1に記載のエレクトロクロミック素子。
前記第1電圧で前記第2エレクトロクロミック物質は透明を表し、前記第2電圧及び前記第3電圧で前記第2エレクトロクロミック物質は黒色及び黒色以外の少なくとも一つの色のいずれか一つをそれぞれ表示することを特徴とする請求項7に記載のエレクトロクロミック素子。
前記第2電圧で前記第1エレクトロクロミック物質が表示する色と前記第2エレクトロクロミック物質が表示する色とは互いに相違することを特徴とする請求項8に記載のエレクトロクロミック素子。
前記第3電圧で前記第1エレクトロクロミック物質が表示する色と前記第2エレクトロクロミック物質が表示する色とは互いに相違することを特徴とする請求項8に記載のエレクトロクロミック素子。
前記第2電圧及び前記第3電圧において、前記第1エレクトロクロミック物質が表示する色はそれぞれ赤色、緑色、及び青色のいずれか一つを含み、前記第2エレクトロクロミック物質が表示する色はそれぞれ赤色、緑色、青色、及び黒色のいずれか一つを含むことを特徴とする請求項8に記載のエレクトロクロミック素子。
前記第2電圧及び前記第3電圧において、前記第1エレクトロクロミック物質が表示する色はそれぞれシアン、マゼンタ、及びイエローのいずれか一つを含み、前記第2エレクトロクロミック物質が表示する色はそれぞれシアン、マゼンタ、イエロー、及び黒色のいずれか一つを含むことを特徴とする請求項8に記載のエレクトロクロミック素子。
前記第2電圧及び前記第3電圧において、前記第1エレクトロクロミック物質が表示する色は、それぞれシアン、マゼンタ、及びイエローのいずれか一つを含み、前記第2エレクトロクロミック物質が表示する色は、それぞれ赤色、緑色、青色、及び黒色のいずれか一つを含むことを特徴とする請求項8に記載のエレクトロクロミック素子。
前記第2電圧及び前記第3電圧において、前記第1エレクトロクロミック物質が表示する色は、それぞれ赤色、緑色、及び青色のいずれか一つを含み、前記第2エレクトロクロミック物質が表示する色は、それぞれシアン、マゼンタ、イエロー、及び黒色のいずれか一つを含むことを特徴とする請求項8に記載のエレクトロクロミック素子。
前記第1サブピクセル及び前記第2サブピクセルは、第1電圧で透明を表し、第2電圧及び第3電圧において、前記第1サブピクセルは前記少なくとも二つの色のいずれか一つをそれぞれ表示し、前記第2サブピクセルは黒色及び前記黒色以外の少なくとも一つの色のいずれか一つをそれぞれ表示し、
前記第2電圧で前記第1サブピクセルが表示する色と前記第2サブピクセルが表示する色は互いに相違し、前記第3電圧で前記第1サブピクセルが表示する色と前記第2サブピクセルが表示する色は互いに相違することを特徴とする請求項1に記載のエレクトロクロミック素子。
前記第1電解質は前記第1エレクトロクロミック層と相反するタイプの物質を含み、前記第2電解質は前記第2エレクトロクロミック層と相反するタイプの物質を含むことを特徴とする請求項1に記載のエレクトロクロミック素子。
前記第1サブピクセルは第1反射層をさらに含み、前記第1エレクトロクロミック層と前記第1反射層とは、前記第1電解質を介在して対向することを特徴とする請求項1に記載のエレクトロクロミック素子。
前記第2サブピクセルは第2反射層をさらに含み、前記第2エレクトロクロミック層と前記第2反射層とは、前記第2電解質を介在して対向することを特徴とする請求項1に記載のエレクトロクロミック素子。
前記少なくとも一対の電極を通じて前記第1サブピクセル及び前記第2サブピクセルに、同一のまたは相異なる電圧を加えるように設定された制御器をさらに含むことを特徴とする請求項21に記載のエレクトロクロミック素子。
前記基板は、ポリアクリレート(polyacrylate)、ポリエチレンエーテルフタレート(polyethylene ether phthalate)、ポリエチレンナフタレート(polyethylene naphthalate)、ポリカーボネート(polycarbonate)、ポリアリレート(polyarylate)、ポリエーテルイミド(polyetherimide)、ポリエーテルスルホン(polyethersulfone)、ポリエチレンテレフタレート(polyethylene terephthalate)、及びポリイミド(polyimide)より選択される少なくとも一つを含む透明高分子を含むことを特徴とする請求項28に記載のエレクトロクロミック素子。
前記第1エレクトロクロミック層及び前記第2エレクトロクロミック層は、それぞれ独立的にnタイプ金属酸化物、ビオロゲン系化合物、フタレート系化合物、ピリジン系化合物、アントラキノン系化合物、還元変色する導電性高分子化合物、及びこれらの組み合わせより選択される少なくとも一つを含むnタイプ物質、pタイプ金属酸化物、フェニルアミン系化合物、アミノキノン系化合物、希土類系有機化合物、フタロシアニン系化合物、フェノチアジン(phenothiazine)系化合物、フェノキサチイン(phenoxathiine)系化合物、ジベンゾジオキシン(dibenzodioxin)系化合物、染料系化合物、酸化変色する導電性高分子化合物、及びこれらの組み合わせより選択される少なくとも一つを含むpタイプ物質、及びこれらの組み合わせより選択される一つを含むことを特徴とする請求項34に記載の エレクトロクロミック素子。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、上記従来技術に鑑みてなされたものであって、本発明の目的は、解像度を高め、色特性を改善して、高効率、高純度の色を実現することができるエレクトロクロミック素子及びピクセル構造体並びに電子素子を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するためになされた本発明の一態様によるエレクトロクロミック素子は、電圧によって透明及び少なくとも
黒色以外の二つの色から選択されるそれぞれの色を表示する第1エレクトロクロミック物質を含む
1つの第1エレクトロクロミック層及び該第1エレクトロクロミック層に接触する第1電解質を含む第1サブピクセルと、電圧によって透明、黒色(black)、及び黒色以外の少なくとも一つの色から選択されるそれぞれの色を表示する第2エレクトロクロミック物質を含む
1つの第2エレクトロクロミック層及び該第2エレクトロクロミック層に接触する第2電解質を含
み、前記第1サブピクセルに並置される第2サブピクセルと、を有することを特徴とする。
【0006】
前記エレクトロクロミック素子は、前記第1サブピクセルの一面に位置する第1a電極と、前記第1サブピクセルの他の一面に位置する第1b電極と、前記第2サブピクセルの一面に位置する第2a電極と、前記第2サブピクセルの他の一面に位置する第2b電極と、をさらに含むことが好ましい。
前記第1a電極及び前記第2a電極にはそれぞれ同一のまたは互いに異なる電圧を加えられ、前記第1b電極及び前記第2b電極にはそれぞれ同一のまたは互いに異なる電圧を加えられることが好ましい。
【0007】
前記第1エレクトロクロミック物質及び前記第2エレクトロクロミック物質は互いに相違し、それぞれ独立的にnタイプ物質、pタイプ物質、またはこれらの組み合わせを含む物質とすることが好ましい。
前記第1エレクトロクロミック物質及び前記第2エレクトロクロミック物質は、互いに相違し、それぞれ独立的にnタイプ金属酸化物、ビオロゲン系化合物、フタレート系化合物、ピリジン系化合物、アントラキノン系化合物、還元変色する導電性高分子化合物、及びこれらの組み合わせから選択される少なくとも1つを含むnタイプ物質、pタイプ金属酸化物、フェニルアミン系化合物、アミノキノン系化合物、希土類系有機化合物、フタロシアニン系化合物、フェノチアジン(phenothiazine)系化合物、フェノキサチイン(phenoxathiine)系化合物、ジベンゾジオキシン(dibenzodioxin)系化合物、染料系化合物、酸化変色する導電性高分子化合物、及びこれらの組み合わせから選択される少なくとも1つを含むpタイプ物質、及びこれらの組み合わせから選択される1つを含むことが好ましい。
【0008】
前記第1エレクトロクロミック層及び前記第2エレクトロクロミック層は、前記色を独立的に表示することが好ましい。
第1電圧で前記第1エレクトロクロミック物質は透明を表し、第2電圧及び第3電圧で前記第1エレクトロクロミック物質は前記少なくとも二つの色のいずれか一つをそれぞれ表示することが好ましい。
【0009】
前記第1電圧で前記第2エレクトロクロミック物質は透明を表し、前記第2電圧及び前記第3電圧で前記第2エレクトロクロミック物質は黒色及び黒色以外の少なくとも一つの色のいずれか一つをそれぞれ表示することが好ましい。
前記第2電圧で前記第1エレクトロクロミック物質が表示する色と前記第2エレクトロクロミック物質が表示する色とは互いに相違することが好ましい。また、前記第3電圧で前記第1エレクトロクロミック物質が表示する色と前記第2エレクトロクロミック物質が表示する色とは互いに相違することが好ましい。
【0010】
前記第2電圧及び前記第3電圧において、前記第1エレクトロクロミック物質が表示する色はそれぞれ赤色、緑色、及び青色のいずれか一つを含み、前記第2エレクトロクロミック物質が表示する色はそれぞれ赤色、緑色、青色、及び黒色のいずれか一つを含むことが好ましい。
前記第2電圧及び前記第3電圧において、前記第1エレクトロクロミック物質が表示する色はそれぞれシアン、マゼンタ、及びイエローのいずれか一つを含み、前記第2エレクトロクロミック物質が表示する色はそれぞれシアン、マゼンタ、イエロー、及び黒色のいずれか一つを含むことが好ましい。
【0011】
前記第2電圧及び前記第3電圧において、前記第1エレクトロクロミック物質が表示する色はそれぞれシアン、マゼンタ、及びイエローのいずれか一つを含み、前記第2エレクトロクロミック物質が表示する色はそれぞれ赤色、緑色、青色、及び黒色のいずれか一つを含むことが好ましい。
前記第2電圧及び前記第3電圧において、前記第1エレクトロクロミック物質が表示する色はそれぞれ赤色、緑色、及び青色のいずれか一つを含み、前記第2エレクトロクロミック物質が表示する色はそれぞれシアン、マゼンタ、イエロー、及び黒色のいずれか一つを含むことが好ましい。
【0012】
前記第1サブピクセル及び前記第2サブピクセルは、第1電圧で透明を表し、第2電圧及び第3電圧において、前記第1サブピクセルは前記少なくとも二つの色のいずれか一つをそれぞれ表示し、前記第2サブピクセルは黒色及び前記黒色以外の少なくとも一つの色のいずれか一つをそれぞれ表示し、前記第2電圧における前記第1サブピクセルが表示する色と前記第2サブピクセルが表示する色は互いに相違し、前記第3電圧における前記第1サブピクセルが表示する色と前記第2サブピクセルが表示する色は互いに相違することが好ましい。
【0013】
前記第1電解質は前記第1エレクトロクロミック層と相反するタイプの物質を含み、前記第2電解質は前記第2エレクトロクロミック層と相反するタイプの物質を含むことが好ましい。
前記エレクトロクロミック素子において、前記第1サブピクセルと前記第2サブピクセルは間隔材を介在して分離されることが好ましい。
【0014】
前記エレクトロクロミック素子において、前記第1サブピクセルは第1反射層をさらに含み、前記第1エレクトロクロミック層と前記第1反射層とは前記第1電解質を介在して対向することが好ましい。
前記エレクトロクロミック素子において、前記第2サブピクセルは第2反射層をさらに含み、前記第2エレクトロクロミック層と前記第2反射層とは前記第2電解質を介在して対向することが好ましい。
【0015】
前記エレクトロクロミック素子は複数のピクセルを含み、前記それぞれのピクセルは前記第1サブピクセル及び前記第2サブピクセルを含むことが好ましい。
前記エレクトロクロミック素子は、基板、及び前記基板上に位置する少なくとも一対の電極をさらに含み、前記第1サブピクセル及び前記第2サブピクセルを含むピクセルは前記少なくとも一対の電極の間に配置されることが好ましい。
【0016】
前記ピクセルは前記第1サブピクセルと前記第2サブピクセルとを分離する少なくとも一つの間隔材を含み、前記第1サブピクセル及び前記第2サブピクセルは、前記少なくとも一対の電極のいずれか一対の間に配置されることが好ましい。
前記エレクトロクロミック素子において、前記少なくとも一対の電極のうちの一対は不透明電極を含むことが好ましい。
【0017】
前記エレクトロクロミック素子において、前記不透明電極は反射層を含み、前記第1電解質及び前記第2電解質の少なくとも一つは、前記反射層の上に配置されることが好ましい。
前記エレクトロクロミック素子は、少なくとも一つの反射層をさらに含み、前記少なくとも一つの反射層は、前記少なくとも一対の電極のいずれか一対の電極のいずれか一つの電極上に配置されることが好ましい。
【0018】
前記エレクトロクロミック素子は、前記少なくとも一対の電極を通じて前記第1サブピクセル及び前記第2サブピクセルに、同一のまたは相異なる電圧を加えるように設定された制御器をさらに含むことが好ましい。
前記エレクトロクロミック素子において、前記ピクセルは二対の電極と連結されており、前記第1サブピクセルは前記二対の電極のいずれか一対の電極の間に配置され、前記第2サブピクセルは前記二対の電極のうちの他の一対の電極の間に配置されることが好ましい。
【0019】
前記エレクトロクロミック素子において、前記基板はガラス及び透明高分子から選択される一つを含むことが好ましい。
前記基板は、ポリアクリレート(polyacrylate)、ポリエチレンエーテルフタレート(polyethylene ether phthalate)、ポリエチレンナフタレート(polyethylene naphthalate)、ポリカーボネート(polycarbonate)、ポリアリレート(polyarylate)、ポリエーテルイミド(polyetherimide)、ポリエーテルスルホン(polyethersulfone)、ポリエチレンテレフタレート(polyethylene terephthalate)、及びポリイミド(polyimide)より選択される少なくとも一つを含む透明高分子を含むことが好ましい。
【0020】
上記目的を達成するためになされた本発明の一態様によるピクセル構造体は、下部電極層と、電圧によって透明及び少なくとも
黒色以外の二つの色から選択されるそれぞれの色を表示する第1エレクトロクロミック物質を含む
1つの第1エレクトロクロミック層及び該第1エレクトロクロミック層に接触する第1電解質を含み前記下部電極層と連結される第1サブピクセルと、電圧によって透明、黒色(black)、及び黒色以外の少なくとも一つの色から選択されるそれぞれの色を表示する第2エレクトロクロミック物質を含む
1つの第2エレクトロクロミック層及び該第2エレクトロクロミック層に接触する第2電解質を含み前記下部電極層と連結され
、前記第1サブピクセルに並置される第2サブピクセルと、前記第1サブピクセル及び前記第2サブピクセルの上に配置される上部電極層と、を有することを特徴とする。
【0021】
上記目的を達成するためになされた本発明の他の態様によるエレクトロクロミック素子は、前記ピクセル構造体を複数個有することを特徴とする。
【0022】
上記目的を達成するためになされた本発明の一態様による電子素子は、前記エレクトロクロミック素子を含み、スマートウィンドウ(smartwindow)、表示素子(display device)、及び透明表示素子(transparent display device)のうちの一つを有することを特徴とする。
【0023】
上記目的を達成するためになされた本発明の更に他の態様によるエレクトロクロミック素子は、少なくとも一対の電極と連結されるピクセル構造体を含み、前記ピクセル構造体は、電圧によって透明及び少なくとも
黒色以外の二つの色から選択されるそれぞれの色を表示する
1つの第1エレクトロクロミック層及び該第1エレクトロクロミック層に接触する第1電解質を含む第1サブピクセルと、電圧によって透明、黒色(black)、及び黒色以外の少なくとも一つの色から選択されるそれぞれの色を表示する
1つの第2エレクトロクロミック層及び該第2エレクトロクロミック層に接触する第2電解質を含
み、前記第1サブピクセルに並置される第2サブピクセルと、を有することを特徴とする。
【0024】
前記エレクトロクロミック素子において、前記第1エレクトロクロミック層は前記第2エレクトロクロミック層とは異なる物質を少なくとも一つ含み、前記第1エレクトロクロミック層及び前記第2エレクトロクロミック層は、それぞれ独立的にnタイプ物質、pタイプ物質、及びこれらの組み合わせより選択される一つを含むことが好ましい。
前記第1エレクトロクロミック層及び前記第2エレクトロクロミック層は、それぞれ独立的にnタイプ金属酸化物、ビオロゲン系化合物、フタレート系化合物、ピリジン系化合物、アントラキノン系化合物、還元変色する導電性高分子化合物、及びこれらの組み合わせより選択される少なくとも一つを含むnタイプ物質、pタイプ金属酸化物、フェニルアミン系化合物、アミノキノン系化合物、希土類系有機化合物、フタロシアニン系化合物、フェノチアジン(phenothiazine)系化合物、フェノキサチイン(phenoxathiine)系化合物、ジベンゾジオキシン(dibenzodioxin)系化合物、染料系化合物、酸化変色する導電性高分子化合物、及びこれらの組み合わせより選択される少なくとも一つを含むpタイプ物質、及びこれらの組み合わせより選択される一つを含むことが好ましい。
【0025】
前記第1エレクトロクロミック層は、下記の化学式1で表される化合物、下記の化学式2で表される化合物、及びこれらの組み合わせより選択される一つを含む第1エレクトロクロミック物質を含むことが好ましい。
【化1】
【化2】
【0026】
前記第2エレクトロクロミック層は、下記の化学式3で表される化合物、下記の化学式4で表される化合物、及びこれらの組み合わせより選択される一つを含む第2エレクトロクロミック物質を含むことが好ましい。
【化3】
【化4】
【0027】
前記第1エレクトロクロミック層は、下記の化学式1−1及び1−2で表される化合物を含むエレクトロクロミック物質対、または下記の化学式2−1及び2−2で表される化合物を含むエレクトロクロミック物質対を含むことが好ましい。
【化1-1】
【化1-2】
【化2-1】
【化2-2】
【0028】
前記第2エレクトロクロミック層は、下記の化学式3−1及び3−2で表される化合物を含むエレクトロクロミック物質対、または下記の化学式4−1及び4−2で表される化合物を含むエレクトロクロミック物質対を含むことが好ましい。
【化3-1】
【化3-2】
【化4-1】
【化4-2】
【発明の効果】
【0029】
本発明のエレクトロクロミック素子によれば、カラーフィルタ、三原色のサブピクセル、または三原色パネルの積層構造を採用しなくても、電圧を変化させながら多様な色を表現することができる。このことにより、工程を単純化することができるだけではなく、カラーフィルタによって損失する光を減少させて効率を改善することができ、解像度を高めることによって色特性も改善することができる。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、図面を参照しながら、本発明を実施するための形態の具体例を、詳細に説明する。しかし、本発明は種々の異なる形態に実現でき、ここで説明する実現形態に限られない。
【0032】
図面において、種々の層及び領域を明確に表現するために厚さを拡大して示した。明細書の全体にわたって類似する部分に対しては、同一の図面符号を付けた。層、膜、基板などの部分が他の構成要素の「上」にあるという場合、これは他の構成要素の「すぐ上」にある場合だけでなく、その中間に他の構成要素がある場合も含む。一方、ある部分が他の部分の「すぐ上」にあるという場合には、中間に他の部分がないことを意味する。
本明細書で別途の定義がない限り、「組み合わせ」とは、一般には混合、化学結合または共重合を意味する。ここで、「共重合」とは、ブロック共重合、ランダム共重合またはグラフト共重合を意味する。
【0033】
本発明の一実施形態によるエレクトロクロミック素子は、電圧によって透明及び少なくとも二つの色から選択されるそれぞれの色を表示する第1エレクトロクロミック物質を含む第1エレクトロクロミック層と、第1エレクトロクロミック層に接触する第1電解質を含む第1サブピクセルと、電圧によって透明、黒色(black)、及び黒色以外の少なくとも一つの色から選択されるそれぞれの色を表示する第2エレクトロクロミック物質を含む第2エレクトロクロミック層と、第2エレクトロクロミック層に接触する第2電解質とを含む第2サブピクセルとを有する。
【0034】
以下、本発明の一実施形態によるエレクトロクロミック素子について、
図1を参照して説明する。
図1は、本発明の一実施形態によるエレクトロクロミック素子を示す断面図である。
【0035】
図1を参照すると、本実施形態によるエレクトロクロミック素子100は、互いに対向して、間隔材40によって固定されている下部基板10及び上部基板20と、下部基板10及び上部基板20のそれぞれの一面に位置する下部電極12及び上部電極22と、下部電極12と上部電極22の間で間隔材40によって分離されている第1サブピクセル71及び第2サブピクセル73を含み、エレクトロクロミック素子100のピクセルは第1サブピクセル71と第2サブピクセル73を含む。
【0036】
図1において、下部電極12が第1サブピクセル71及び第2サブピクセル73の下部で一つに連結された形態を示したが、これに限定されるものではなく、下部電極は、第1サブピクセル71の下部に位置する第1下部電極及び前記第2サブピクセル73の下部に位置する第2下部電極に、分離されていることも可能である。この場合、第1下部電極及び第2下部電極には、それぞれ同一のまたは互いに異なる電圧が加えられる。エレクトロクロミック素子は、制御器(図示せず)を含んでもよく、及び/または制御器と連結されていてもよい。ここで、制御器は第1下部電極及び第2下部電極に電圧の印加を制御するために備えることができる。
【0037】
同様に、
図1において、上部電極22が第1サブピクセル71及び第2サブピクセル73の上部で一つに連結された形態を示したが、これに限定されるものではなく、上部電極は第1サブピクセル71の上部に位置する第1上部電極及び第2サブピクセル73の上部に位置する第2上部電極に分離されていることも可能である。この場合、第1上部電極及び第2上部電極にはそれぞれ同一のまたは互いに異なる電圧が加えられる。エレクトロクロミック素子は、制御器(図示せず)を含んでもよく、及び/または制御器と連結されていてもよい。ここで、制御器は、第1上部電極及び第2上部電極に電圧の印加を制御するために備えることができる。
【0038】
第1サブピクセル71は、下部電極12と上部電極22の間を満たしている第1電解質31と、上部電極22の一面に位置し、第1電解質31と接触している第1エレクトロクロミック層51と、下部電極12の一面に位置し、第1電解質31と接触している第1反射層61と、を含み、第1エレクトロクロミック層51は、印加される電圧によって透明及び少なくとも二つの色から選択されるそれぞれの色を表示する。
【0039】
第2サブピクセル73は、下部電極12と上部電極22の間を満たしている第2電解質33と、上部電極22の一面に位置し、第2電解質33と接触している第2エレクトロクロミック層53と、下部電極12の一面に位置し、第2電解質33と接触している第2反射層63と、を含み、第2エレクトロクロミック層53は、印加される電圧によって透明、黒色、及び黒色以外の少なくとも一つの色から選択されるそれぞれの色を表示する。
これによって、エレクトロクロミック素子100は、印加される電圧によって透明、黒色、及び黒色以外の色の少なくとも三つから選択されるそれぞれの色を表示することができる。
【0040】
図1において、エレクトロクロミック素子100は、第1サブピクセル71と第2サブピクセル73の間に間隔材40を含み、第1反射層61及び第2反射層63を含むことを示したが、これに限定されるものではなく、第1サブピクセル71と第2サブピクセル73の間の間隔材40、第1反射層61、及び第2反射層63は選択的に省略することができる。例えば、第1サブピクセル71と第2サブピクセル73の間の間隔材40が省略される場合、第1反射層61と第2反射層63は互いに連結された構造とすることができ、第1反射層61と第2反射層63の下部に下部電極12を形成することができる。
【0041】
下部基板10及び上部基板20は、透明ガラスまたは高分子で形成でき、当該高分子としては、例えば、ポリアクリレート(polyacrylate)、ポリエチレンエーテルフタレート(polyethylene ether phthalate)、ポリエチレンナフタレート(polyethylene naphthalate)、ポリカーボネート(polycarbonate)、ポリアリレート(polyarylate)、ポリエーテルイミド(polyetherimide)、ポリエーテルスルホン(polyethersulfone)、ポリエチレンテレフタレート(polyethylene terephthalate)、及びポリイミド(polyimide)よりなる群から選択される一つ以上を含むことができるが、これに限定されるものではない。
【0042】
下部電極12及び上部電極22の少なくとも一つは、透明導電体、例えば透明導電性酸化物で形成することができるが、これに限定されるものではない。下部電極12及び上部電極22は、それぞれ、例えば、インジウムティンオキサイド(indium tin oxide ITO)、フッ素含有ティンオキサイド(fluorine tin oxide、FTO)またはアンチモン含有ティンオキサイド(antimony doped tin oxide、ATO)のような無機導電性物質や、ポリアセチレンまたはポリチオフェンのような有機導電性物質を含むことができるが、これらに限定されるものではない。下部電極12及び上部電極22は、上記導電性物質を単独または二つ以上を混合して積層あるいは塗布することによって形成することができる。 また、エレクトロクロミック素子を反射型で構成し、上部電極22を通じて表示を認知する場合には、下部電極12は透明でないことがある。
【0043】
第1電解質31及び第2電解質33は、エレクトロクロミック物質の酸化もしくは還元反応を促進する物質を供給し、エレクトロクロミック物質が溶解されている場合には、上部電極22の酸化もしくは還元電位によって追加的な色を表現するか、または第1エレクトロクロミック層51及び第2エレクトロクロミック層53の色を補正することができる。
【0044】
第1電解質31及び第2電解質33は、液体電解質または固体高分子電解質であることが好ましい。
液体電解質としては、例えば、LiOHまたはLiClO
4のようなリチウム塩、KOHのようなポタシウム塩、及びNaOHのようなソジウム塩、テトラブチルアンモニウムヘキサフルオロホスフェート(tetrabutyl ammonium hexafluorophosphate)、テトラブチルアンモニウムパークロレート(tetrabutyl ammonium perchlorate)などのアンモニウム塩を電解質溶媒に溶解して用いることができるが、これに限定されるものではない。
この時、電解質溶媒としては、例えば、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ポリエチレングリコール、N−メチルピロリドン、トルエン、キシレン、プロピレングリコールベンゼン、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン、アセトニトリルなどの有機溶媒、イオン性液体などを用いることができるが、これに限定されるものではない。
【0045】
固体高分子電解質としては、例えば、ポリ(2−アクリルアミノ−2−メチルプロパンスルホン酸)(poly(2−acrylamino−2−methylpropane sulfonic acid)またはポリエチレンオキサイド(poly(ethyleneoxide))、ポリビニルピロリドン、ポリアクリレートなどを電解質溶媒に溶解したものを用いることができるが、これに限定されるものではない。
【0046】
間隔材40は、絶縁材(insulating material)またはシーリング材(sealing material)を含むことができるが、これに限定されるものではない。
【0047】
第1エレクトロクロミック層51と第2エレクトロクロミック層53は、互いに異なるエレクトロクロミック物質を含む。
エレクトロクロミック物質は、電圧が印加された時、電界方向により電気化学的変化によって可逆的に色を表示できる化合物であって、物質により固有色を表示することができる。
第1エレクトロクロミック層51及び第2エレクトロクロミック層53は、それぞれ独立的にnタイプ物質、pタイプ物質、またはこれらの組み合わせを含む物質とすることができ、第1エレクトロクロミック層51と第2エレクトロクロミック層53は、それぞれ独立的にnタイプエレクトロクロミック物質、pタイプエレクトロクロミック物質、またはnタイプ−pタイプエレクトロクロミック物質を含むことができる。さらに具体的には、第1エレクトロクロミック層51と第2エレクトロクロミック層53は、それぞれ独立的にpタイプ−nタイプエレクトロクロミック物質を含むことができる。
【0048】
nタイプエレクトロクロミック物質は、還元状態で色を表示し、酸化状態で透明になる還元発色(cathodic coloration)物質とすることができる。この時、nタイプエレクトロクロミック物質は還元状態の程度により互いに異なる色を表示する物質とすることも可能である。例えば、nタイプエレクトロクロミック物質は、第1還元電圧と第2還元電圧で互いに異なる色を表示することが可能であり、このようなエレクトロクロミック物質を使用する場合、さらに多様な色を具現することができる。
【0049】
pタイプエレクトロクロミック物質は、酸化状態で色を表示し、還元状態で透明になる酸化発色(anodic coloration)物質とすることができる。この時、pタイプエレクトロクロミック物質は、酸化状態の程度により互いに異なる色を表示する物質とすることも可能である。例えば、pタイプエレクトロクロミック物質は、第1酸化電圧と第2酸化電圧で互いに異なる色を表示することが可能であり、このようなエレクトロクロミック物質を使用する場合、さらに多様な色を具現することができる。
一方、nタイプ−pタイプエレクトロクロミック物質は、還元状態ではnタイプセグメントの色を表示し、酸化状態ではpタイプセグメントの色を表示し、中性状態では透明になる物質とすることができる。
【0050】
第1エレクトロクロミック層51が、nタイプエレクトロクロミック物質、pタイプエレクトロクロミック物質、またはnタイプ−pタイプエレクトロクロミック物質を含む場合、第1電解質31は第1エレクトロクロミック層51と相反するタイプの物質を含むことによって安定した電気化学反応を引き起こすことができる。例えば、第1エレクトロクロミック層51がnタイプエレクトロクロミック物質を含む場合、第1電解質31はpタイプ物質を含み、第1エレクトロクロミック層51がpタイプエレクトロクロミック物質を含む場合、第1電解質31はnタイプ物質を含み、第1エレクトロクロミック層51がnタイプ−pタイプエレクトロクロミック物質を含む場合、第1電解質31はpタイプ−nタイプ物質を含むことができる。
【0051】
同様に、第2エレクトロクロミック層53がnタイプエレクトロクロミック物質、pタイプエレクトロクロミック物質、またはnタイプ−pタイプエレクトロクロミック物質を含む場合、第2電解質33は第2エレクトロクロミック層53と相反するタイプの物質を含むことによって安定した電気化学反応を起こすことができる。例えば、第2エレクトロクロミック層53がnタイプエレクトロクロミック物質を含む場合、第2電解質33はpタイプ物質を含み、第2エレクトロクロミック層53がpタイプエレクトロクロミック物質を含む場合、第2電解質33はnタイプ物質を含み、第2エレクトロクロミック層53がnタイプ−pタイプエレクトロクロミック物質を含む場合、第2電解質33はpタイプ−nタイプ物質を含むことができる。
【0052】
第1エレクトロクロミック物質は、電圧によって透明及び少なくとも二つの色から選択されるそれぞれの色を表示でき、第2エレクトロクロミック物質は電圧によって透明、黒色、及び黒色以外の少なくとも一つの色から選択されるそれぞれの色を表示することができる。具体的には、第1エレクトロクロミック物質と第2エレクトロクロミック物質は透明を表わす場合以外には、同一の電圧で同一の色を表示しないように選択することが好ましい。
【0053】
第1エレクトロクロミック物質及び第2エレクトロクロミック物質はそれぞれ独立的に、酸化タングステン(WO
3)、酸化モリブデン(MoO
3)、酸化チタン(TiO
2)等のnタイプ金属酸化物、ビオロゲン系化合物、イソフタレート等のフタレート系化合物、ピリジン系化合物、アントラキノン系化合物、還元変色する導電性高分子化合物、及びこれらの組み合わせから選択される少なくとも1つを含むnタイプ物質、酸化バナジウム(V
2O
5)、酸化イリジウム(IrO
2)、酸化ニオビウム(Nb
2O
5)、酸化ニッケル(NiO)等のpタイプ金属酸化物、フェニルアミン系化合物、アミノキノン系化合物、希土類系有機化合物、フタロシアニン系化合物、フェノチアジン(phenothiazine)系化合物、フェノキサチイン(phenoxathiine)系化合物、ジベンゾジオキシン(dibenzodioxin)系化合物、ロイコ(Leuco)染料などの染料系化合物、酸化変色する導電性高分子化合物、及びこれらの組み合わせから選択される少なくとも1つを含むpタイプ物質、及びこれらの組み合わせから選択される1つを含むことができる。
【0054】
第1エレクトロクロミック物質は、下記の化学式1、化学式1−1、化学式1−2、化学式2、化学式2−1、化学式2−2で表される化合物またはこれらの組み合わせを含むことができるが、これに限定されるものではない。
化学式1で表される化合物は、中性状態では透明で、酸化時に赤色に変色し、還元時に緑色に変色する。化学式1−1で表される化合物は、中性状態で透明で、酸化時に赤色に変色する。化学式1−2で表される化合物は、中性状態で透明で、還元時に緑色に変色する。
【0055】
【化1】
【化1-1】
【化1-2】
【0056】
化学式2で表される化合物は、中性状態では透明で、酸化時に赤色に変色し、還元時に青色に変色する。化学式2−1で表される化合物は、中性状態で透明で、酸化時に赤色に変色する。化学式2−2で表される化合物は、中性状態で透明で、還元時に青色に変色する。
【0057】
【化2】
【化2-1】
【化2-2】
【0058】
第2エレクトロクロミック物質は、下記の化学式3、化学式3−1、化学式3−2、化学式4、化学式4−1、化学式4−2で表される化合物、またはこれらの組み合わせを含むことができるが、これに限定されるものではない。
化学式3で表される化合物は、中性状態で透明で、酸化時に黒色に変色し、還元時に緑色に変色する。化学式3−1で表される化合物は、中性状態で透明で、酸化時に黒色に変色する。化学式3−2で表される化合物は、中性状態で透明で、還元時に緑色に変色する。
【0059】
【化3】
【化3-1】
【化3-2】
【0060】
化学式4で表される化合物は、中性状態で透明で、酸化時に青色に変色し、還元時に黒色に変色する。化学式4−1で表される化合物は、中性状態で透明で、還元時に黒色に変色する。化学式4−2で表される化合物は、中性状態で透明で、酸化時に青色に変色する。
【0061】
【化4】
【化4-1】
【化4-2】
【0062】
第1エレクトロクロミック層51は上記のようなエレクトロクロミック物質を含み、第2エレクトロクロミック層53は上記のような第2エレクトロクロミック物質を含み、第1エレクトロクロミック層51と第2エレクトロクロミック層53は互いに分離しているので、第1エレクトロクロミック層51は第1エレクトロクロミック物質から表示される固有色を独立的に表示でき、第2エレクトロクロミック層53は第2エレクトロクロミック物質から表示される固有色を独立的に表示できる。また、第1エレクトロクロミック層51が表示する色は第1サブピクセル71が表示する色となり、第2エレクトロクロミック層53が表示する色は第2サブピクセル73が表示する色となる。
【0063】
これについて、
図2及び
図3を
図1と共に参照して説明する。
図2は、本発明の一実施形態によるエレクトロクロミック素子における電圧の印加による電気化学的反応により第1エレクトロクロミック層51及び第2エレクトロクロミック層53で表示される色の例を示す図である。
図2において、第1列(column)は、第1エレクトロクロミック層51′が電圧によって色表示が変化することを示し、第2列は、第2エレクトロクロミック層53′が電圧によって色表示が変化することを示す。
【0064】
図2において、第1エレクトロクロミック物質としては、電圧が印加されない時に透明状態であり、プラス電圧が印加されると酸化されて赤色(R)に変色し、マイナス電圧が印加されると還元されて緑色(G)に変色する変色材料を使用する。第2エレクトロクロミック物質としては、電圧が印加されない時に透明状態であり、プラス電圧が印加されると酸化されて黒色(black)に変色し、マイナス電圧が印加されると還元されて青色(B)に変色する変色材料を使用する。
【0065】
また、下記の説明において、説明の便宜上、電圧は上部電極22を基準として電圧の大きさを表したものであり、マイナス(−)電圧は上部電極22にマイナス電圧を加えたことを意味する。この時、下部電極12にはプラス電圧が加えられるようになる。このことにより、上部電極22は電子を供給するカソード(cathode)となり、下部電極12は電子を受けるアノード(anode)となる。
プラス(+)電圧は上部電極22にプラス電圧を加えたことを意味する。この時、下部電極12にはマイナス電圧が加えられるようになる。このことにより、上部電極22は電子を受けるアノード(anode)となり、下部電極12は電子を供給するカソード(cathode)となる。
【0066】
図2を参照すると、電圧を印加しない場合、第1エレクトロクロミック層51´と第2エレクトロクロミック層53´は、どちらも透明(T)を表すことができる。この場合、第1サブピクセル71及び第2サブピクセル73は色表示なしで透明(T)を表すことができる。第1サブピクセル71及び第2サブピクセル73が透明(T)を表わす場合、約40%以上の高い反射率を有する白色を表現することができる。
【0067】
プラス電圧が印加される場合、第1エレクトロクロミック層51´の第1エレクトロクロミック物質は酸化されて、プラス電圧が増加するほど濃くなる赤色(R)を表示し、第2エレクトロクロミック層53´の第2エレクトロクロミック物質は酸化されて、プラス電圧が増加するほど濃くなる黒色(black)を表示することができる。この場合、第1サブピクセル71は赤色(R)を表示し、第2サブピクセル73は黒色(black)を表示することができる。結果的に、第1サブピクセル71と第2サブピクセル73の組み合わせによって、ピクセルは赤色系の色を表示でき、プラス電圧の大きさにより多様な中間階調(gray scale)特性の赤色を表示することができる。
【0068】
一方、マイナス電圧が印加される場合、第1エレクトロクロミック層51´の第1エレクトロクロミック物質は還元されて、マイナス電圧が増加するほど濃くなる緑色(G)を表示し、第2エレクトロクロミック層53´の第2エレクトロクロミック物質は還元されて、マイナス電圧が増加するほど濃くなる青色(B)を表示することができる。この場合、第1サブピクセル71は緑色(G)を表示し、第2サブピクセル73は青色(B)を表示することができる。結果的に、第1サブピクセル71と第2サブピクセル73の組み合わせによって、ピクセルは緑色と青色の反射スペクトル範囲を表現するシアン(Cyan)系の色を表示でき、マイナス電圧の大きさにより多様な中間階調特性のシアン(Cyan)系の色を表示することができる。
【0069】
第1反射層61及び第2反射層63は、それぞれ第1エレクトロクロミック層51´及び第2エレクトロクロミック層53´を透過した光を反射して色を外部に表示するようにできるので、エレクトロクロミック素子100は反射型素子として用いることができる。
第1反射層61及び第2反射層63は、TiO
2、凹凸のあるAl電極、白色反射特性に優れた多孔性フィルム材料、またはこれらの組み合わせを含むことができるが、これに限定されるものではない。
また、第1反射層61及び第2反射層63はエレクトロクロミック素子100の必須構成要素ではなく、必要によって省略することも可能である。第1反射層61及び第2反射層63が省略される場合、エレクトロクロミック素子100は透明表示素子として用いることができる。
【0070】
図3は、本発明の一実施形態によるエレクトロクロミック素子における電圧の印加による電気化学的反応によって第1エレクトロクロミック層51″及び第2エレクトロクロミック層53″で表示される色の例を示す図である。
説明の便宜のために、
図3において、第一列(column)は、第1エレクトロクロミック層51″が電圧によって色表示が変化することを示し、第二列は、第2エレクトロクロミック層53″が電圧によって色表示が変化することを示す。
【0071】
図3において、例として、第1エレクトロクロミック物質として電圧の未印加時は透明状態であるが、プラス電圧で酸化されて赤色(R)に変色し、マイナス電圧で還元されて青色(B)に変色する変色材料を使用する。第2エレクトロクロミック物質としては電圧の未印加時は透明状態であり、プラス電圧で酸化されて黒色(black)に変色し、マイナス電圧で還元されて緑色(G)に変色する変色材料を使用する。
【0072】
また、下記の説明において、説明の便宜上、電圧は上部電極22を基準として電圧の大きさを示したものであり、マイナス(−)電圧は上部電極22にマイナス電圧を加えたことを意味する。この時、下部電極12にはプラス電圧が加わるようになる。したがって、上部電極22は電子を供給するカソード(cathode)となり、下部電極12は電子を受けるアノード(anode)となる。
プラス(+)電圧は上部電極22にプラス電圧を加えたことを意味する。この時、下部電極12にはマイナス電圧が加わるようになる。したがって、上部電極22は電子を受けるアノードとなり、下部電極12は電子を供給するカソードとなる。
【0073】
図3を参照すれば、電圧を印加しない場合、第1エレクトロクロミック層51″と第2エレクトロクロミック層53″は、どちらも透明(T)を表すことができる。この場合、第1サブピクセル71及び第2サブピクセル73は色表示なしで透明(T)を表すことができる。この時、第1サブピクセル71及び第2サブピクセル73が透明(T)を表す場合、約40%以上の高い反射率を有する白色を表現することができる。
【0074】
プラス電圧が印加される場合、第1エレクトロクロミック層51″の第1エレクトロクロミック物質は酸化されてプラス電圧が増加するほど濃くなる赤色(R)を表示し、第2エレクトロクロミック層53″の第2エレクトロクロミック物質は酸化されてプラス電圧が増加するほど濃くなる黒色を表示することができる。この場合、第1サブピクセル71は赤色(R)を表示し、第2サブピクセル73は黒色を表示することができる。結果的に、第1サブピクセル71と第2サブピクセル73の組み合わせによってピクセルは赤色系の色を表示でき、プラス電圧の大きさによって多様な中間階調(gray scale)特性の赤色を表示することができる。
【0075】
一方、マイナス電圧が印加される場合、第1エレクトロクロミック層51″の第1エレクトロクロミック物質は、還元されてマイナス電圧が増加するほど濃くなる青色(B)を表示し、第2エレクトロクロミック層53″の第2エレクトロクロミック物質は還元されてマイナス電圧が増加するほど濃くなる緑色(G)を表示することができる。この場合、第1サブピクセル71は青色(B)を表示し、第2サブピクセル73は緑色(G)を表示することができる。結果的に、第1サブピクセル71と第2サブピクセル73の組み合わせによってピクセルは青色と緑色の反射スペクトル範囲を表現するシアン(Cyan)系の色を表示でき、マイナス電圧の大きさによって多様な中間階調特性のシアン系の色を表示することができる。
【0076】
次に、本発明のの一実施形態によるエレクトロクロミック素子について、
図4を参照して説明する。
図4は、本発明の他の実施形態によるエレクトロクロミック素子を示す断面図である。
【0077】
図4を参照すると、本実施形態によるエレクトロクロミック素子200は、互いに対向して、間隔材40aにより固定されている下部基板10及び上部基板20と、下部基板10の一面に位置して、互いに分離される第1下部電極12a及び第2下部電極12bと、上部基板20の一面に位置して、互いに分離される第1上部電極22a及び第2上部電極22bと、第1下部電極12aと第1上部電極22aの間に位置する第1サブピクセル71と、第2下部電極12bと第2上部電極22bの間に位置する第2サブピクセル73と、を含む。この時、第1下部電極12aと第2下部電極12b、第1上部電極22aと第2上部電極22b、及び第1サブピクセル71と第2サブピクセル73は、間隔材40によって分離することができる。間隔材40aに用いられる物質は、上述の間隔材40に用いる物質と同一とすることができる。
以下で他の説明がない限り、エレクトロクロミック素子、間隔材、下部基板、上部基板、下部電極、上部電極、第1サブピクセル、第2サブピクセル、及びエレクトロクロミック素子の作動原理に対する説明は、上述の説明の通りである。
【0078】
第1下部電極12a及び第2下部電極12bには、それぞれ同一のまたは互いに異なる電圧が加えられることが可能である。
同様に、第1上部電極22a及び第2上部電極22bには、それぞれ同一のまたは互いに異なる電圧が加えられることが可能である。
このように、第1サブピクセル71に隣接した第1下部電極12aと第2サブピクセル73に隣接した第2下部電極12bが互いに分離されるように形成し、第1サブピクセル71に隣接した第1上部電極22aと第2サブピクセル73に隣接した第2上部電極22bが互いに分離されるように形成する場合には、第1エレクトロクロミック層51と第2エレクトロクロミック層53に加えられる電圧をそれぞれ独立的に調節することができ、これによって第1エレクトロクロミック層51及び第2エレクトロクロミック層53が表示する色の組み合わせをさらに多様に具現することができる。
【0079】
図4において、第1下部電極12a及び第2下部電極12b、そして第1上部電極22a及び第2上部電極22bが、それぞれ分離されていることとして示しているが、これに限定されるものではない。例えば、第1下部電極12aと第2下部電極12bが互いに接続されていて、同一の電圧が加えられることも可能である。また、第1上部電極22aと第2上部電極22bが互いに接続されていて、同一の電圧が加えられることも可能である。
【0080】
次に、
図4に示したように、下部電極が互いに分離されており、上部電極が互いに分離されているエレクトロクロミック素子の色表示について、例を挙げて説明する。
一例を挙げれば、第1エレクトロクロミック物質として、電圧が印加されない時に透明状態であるが、プラス電圧で酸化されて赤色(R)に変色し、マイナス電圧で還元されて青色(B)に変色する変色材料を使用し、第2エレクトロクロミック物質としては、電圧が印加されない時に透明状態であるが、プラス電圧で酸化されて黒色(black)に変色し、マイナス電圧で還元されて緑色(G)に変色する変色材料を使用する。
【0081】
以下で他の説明がない限り、エレクトロクロミック物質、第1エレクトロクロミック物質、第2エレクトロクロミック物質、プラス電圧、及びマイナス電圧に対する説明は、上述の説明の通りである。
この時、第1エレクトロクロミック層51に電圧を印加せずに、第2エレクトロクロミック層53にプラス電圧が印加される場合、第1エレクトロクロミック層51は透明(T)を表し、第2エレクトロクロミック層53は黒色(black)を表示することができる。この場合、第1サブピクセル71は透明(T)を表し、第2サブピクセル73は黒色(black)を表示することができる。結果的に、第1サブピクセル71と第2サブピクセル73の組み合わせによってピクセルは黒色(black)を表示することができる。また、プラス電圧の大きさにより第2エレクトロクロミック層53が中間階調(grayscale)を有する黒色を表示することができるので、ピクセルは多様な中間階調の黒色の表示が可能である。
【0082】
第1エレクトロクロミック層51にプラス電圧を印加し、第2エレクトロクロミック層53にプラス電圧を印加する場合、すなわち、第1サブピクセル71にはプラス電圧が印加され、第2サブピクセル73にもプラス電圧が印加される場合、第1エレクトロクロミック層51はプラス電圧が大きくなるほど濃くなる赤色(R)を表示し、第2エレクトロクロミック層53はプラス電圧が大きくなるほど濃くなる黒色(black)を表示することができる。この場合、第1サブピクセル71は、赤色(R)を表示し、第2サブピクセル73は黒色(black)を表示することができる。結果的に、第1サブピクセル71と第2サブピクセル73の組み合わせによって、ピクセルはプラス電圧の大きさにより多様な中間階調の特性を有する赤色(Red)を表示することができる。
【0083】
第1エレクトロクロミック層51に電圧を印加せずに、第2エレクトロクロミック層53にマイナス電圧を印加する場合、すなわち、第1サブピクセル71には電圧が印加されず、第2サブピクセル73にはマイナス電圧が印加される場合、第1エレクトロクロミック層51は透明で、第2エレクトロクロミック層53はマイナス電圧が大きくなるほど濃くなる緑色(Green)を表示することができる。この場合、第1サブピクセル71は透明で、第2サブピクセル73は緑色(Green)を表示することができる。結果的に、第1サブピクセル71と第2サブピクセル73の組み合わせによって、ピクセルは第2サブピクセルのマイナス電圧の大きさにより多様な中間階調の特性を有する緑色(Green)を表示することができる。
【0084】
第1エレクトロクロミック層51にマイナス電圧を印加し、第2エレクトロクロミック層53にプラス電圧を印加する場合、すなわち、第1サブピクセル71にはマイナス電圧が印加され、第2サブピクセル73にはプラス電圧が印加される場合、第1エレクトロクロミック層51はマイナス電圧が大きくなるほど濃くなる青色(B)を表示し、第2エレクトロクロミック層53はプラス電圧が大きくなるほど濃くなる黒色(Black)を表示することができる。この場合、第1サブピクセル71は透明(T)から青色(B)を表示し、第2サブピクセル73は透明(T)から黒色を表示することができる。結果的に、第1サブピクセル71と第2サブピクセル73の組み合わせによって、ピクセルは青色(B)を表示することができ、第1サブピクセル71のマイナス電圧の大きさ及び第2サブピクセル73のプラス電圧の大きさにより多様な中間階調の青色も表示することが可能である。
【0085】
第1エレクトロクロミック層51にプラス電圧を印加し、第2エレクトロクロミック層53にマイナス電圧を印加する場合、すなわち、第1サブピクセル71にはプラス電圧が印加され、第2サブピクセル73にはマイナス電圧が印加される場合、第1エレクトロクロミック層51はプラス電圧が大きくなるほど濃くなる赤色(R)を表示し、第2エレクトロクロミック層53はマイナス電圧が大きくなるほど濃くなる緑色(G)を表示することができる。この場合、第1サブピクセル71は赤色(R)を表示し、第2サブピクセル73は緑色(G)を表示すことができる。結果的に、第1サブピクセル71と第2サブピクセル73の組み合わせによって、ピクセルは黄色を表示することができ、各サブピクセルの電圧の大きさにより多様な中間階調の黄色を表示することが可能である。
【0086】
上述の説明では、透明(T)、黒色(black)、赤色(R)、緑色(G)、及び青色(B)を例として示したが、このような駆動原理は、透明(T)、黒色(black)、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)、シアン(cyan)、マゼンタ(magenta)、及びイエロー(yellow)からなる群より選択される多様な組み合わせにも同様に適用することができる。また、これらの色に限定されず、エレクトロクロミック物質の電気化学反応によりさらに多くの色を表示することも可能である。
【0087】
上述した実施形態によるエレクトロクロミック素子は、カラーフィルタがなくても多様な色を表現できるだけでなく、白色及び黒色の表示も可能である。また、一般に赤色、緑色、及び青色を表示するために三つ以上のサブピクセルを備えなければならないが、上述した実施形態によるエレクトロクロミック素子は、二つのサブピクセルで電圧を変化させることにより多様な色を表示することができる。したがって、二つのサブピクセルを使用して赤色、緑色、青色、及び黒色の表示が可能であるだけでなく、これらが表示されない透明(あるいは白色)状態の表示も可能である。そのために、工程を単純化できるだけでなく、カラーフィルタによって損失する光を減少して効率を改善することができ、二つのサブピクセルで、赤色、緑色、及び青色を表示することができるので、例えば三つのサブピクセルでそれぞれ赤色、緑色、及び青色を表示する場合と比べ、解像度を高めることができ、色特性も改善することができる。
【0088】
一方、第1エレクトロクロミック層51及び第2エレクトロクロミック層53は、上述した第1エレクトロクロミック物質及び第2エレクトロクロミック物質をナノ粒子(nano−particle)に担持された形態で含むことができる。ナノ粒子は半導体物質を用いることができ、例えば酸化チタン(TiO
2)、酸化亜鉛(ZnO
2)、酸化タングステン(WO
3)、またはこれらの組み合わせを用いることができる。ナノ粒子の形態は、球形、正四面体、円筒形、三角形、円板形、トリポッド(tripod)、テトラポッド(tetrapod)、キューブ、ボックス、スター、チューブなど多様にすることができ、ナノ粒子の大きさは約1nm乃至約100nmとすることができる。
【0089】
このように、上述したエレクトロクロミック物質をナノ粒子に担持された状態で使用することによって、表面積を大きくしてエレクトロクロミック物質をさらに多く塗布することができるので、エレクトロクロミック素子の効率を上げることができる。
また、第1エレクトロクロミック層51及び第2エレクトロクロミック層53は、上述した第1エレクトロクロミック物質及び第2エレクトロクロミック物質を高分子化合物と混合して含むことができる。この時、使用可能な高分子化合物は、例えばポリビニルピロリドン、ポリビニルブチルアルコール、またはこれらの組み合わせとすることができ、第1エレクトロクロミック層51または第2エレクトロクロミック層53の総含有量に対して、例えば、上述したエレクトロクロミック物質は約50重量%〜約99重量%で含むことができ、高分子化合物は約1重量%〜約50重量%で含むことができる。エレクトロクロミック物質及び高分子化合物が上述の範囲で含まれることによって、エレクトロクロミック素子の効率を上げることができる。
【0090】
上述の実施形態によるエレクトロクロミック素子は、第1サブピクセル及び第2サブピクセルを一つずつ備えた素子を例として説明したが、これに限定されず、上述の実施形態によるエレクトロクロミック素子は第1サブピクセル及び第2サブピクセルを含むピクセルを複数個含む素子とすることも可能である。
第1エレクトロクロミック物質及び第2エレクトロクロミック物質、そして2個のサブピクセルで多数の色を表現できる駆動原理は、上述した実施形態によるエレクトロクロミック素子に適用されるだけでなく、電気泳動表示素子(electrophoretic display device)、電気湿潤表示素子(electrowetting display device)、ツイストボール表示素子(twist ball display device)などにも適用することができる。
【0091】
図5は、本発明の他の実施形態によるエレクトロクロミック素子を示す断面図である。
図5を参照すれば、本実施形態によるエレクトロクロミック素子300は互いに対向し、間隔材40及び中間間隔材40bによって互いに対向して固定されている下部基板10及び上部基板20と、それぞれ下部基板10及び上部基板20の一面に配置される下部電極12及び上部電極22と、そして下部電極12及び上部電極22の間に配置され、少なくとも一つの中間間隔材40bによって分離されている第1サブピクセル75及び第2サブピクセル77と、を含む。エレクトロクロミック素子300のピクセルは第1サブピクセル75及び第2サブピクセル77を含む。
【0092】
第1サブピクセル75は、下部電極12及び上部電極22の間に満たされた第1電解質31、そして上部電極22の一面に配置され、第1電解質31と接触している第1エレクトロクロミック層51を含む。第2サブピクセル77は、下部電極12及び上部電極22の間に満たされた第2電解質33、そして上部電極22の一面に配置され、第2電解質33と接触している第2エレクトロクロミック層53を含む。
【0093】
図5において、エレクトロクロミック素子300は、第1サブピクセル75及び第2サブピクセル77に共通した少なくとも一つの反射層65を含むことができる。反射層65は下部電極層12の上に配置してもよい。第1電解質31及び第2電解質33は反射層65の上に配置され、中間間隔材40bによって分離されていることができる。反射層65に用いられる物質は、第1反射層61及び第2反射層63に用いられる物質と同一とすることができる。中間間隔材40bに用いられる物質は、間隔材40に用いられる物質と同一とすることができる。
以下、他の説明がない限り、エレクトロクロミック素子、下部基板、上部基板、下部電極、上部電極、第1サブピクセル、第2サブピクセル、及びエレクトロクロミック素子の作動原理に対する説明は、上述の説明と同一である。
【0094】
図6は、本発明の他の実施形態によるエレクトロクロミック素子を示す断面図である。
図6を参照すれば、本実施形態によるエレクトロクロミック素子400は、互いに対向し、間隔材40によって互いに対向して固定されている下部基板10及び上部基板20と、それぞれ下部基板10及び上部基板20の一面に配置される反射層67及び上部電極22と、反射層67と上部電極22との間に配置され、少なくとも一つの間隔材40によって分離されている第1サブピクセル76及び第2サブピクセル78を含み、エレクトロクロミック素子400のピクセルは第1サブピクセル76及び第2サブピクセル78を含む。
【0095】
第1サブピクセル76は、反射層67及び上部電極22の間に満たされた第1電解質31、そして上部電極22の一面に配置され、第1電解質31と接触している第1エレクトロクロミック層51を含む。第2サブピクセル77は、反射層67及び上部電極22の間に満たされた第2電解質33、そして上部電極22の一面に配置され、第2電解質33と接触している第2エレクトロクロミック層53を含む。
【0096】
図6において、エレクトロクロミック素子400は、第1サブピクセル76及び第2サブピクセル78に共通した反射層67を含むことができる。反射層67は凹凸構造を有する金属電極(例えば、Al電極)であってもよいが、これに限定されるものではない。第1電解質31及び第2電解質33は反射層67の上に配置され、少なくとも一つの間隔材40によって分離されていることができる。反射層67は、エレクトロクロミック素子400で下部電極の役割を果たすことができる。
以下、他の説明がない限り、エレクトロクロミック素子、下部基板、上部基板、上部電極、第1サブピクセル、第2サブピクセル、及びエレクトロクロミック素子の作動原理に対する説明は、上述の説明と同一である。
【0097】
以下、本発明を実施例及び比較例を通じてさらに詳細に説明するが、下記の実施例及び比較例は説明を目的とするもので、本発明を制限するものではない。
【0098】
〔実施例1〕エレクトロクロミック素子の製造
ガラス基板を用意し、互いに分離された二つのITO電極を形成する。二つのITO電極間に絶縁性フォトレジスト(SU−8)を利用して間隔材を形成する。次に、間隔材を基準としてITO電極の一側に化学式2で表されるエレクトロクロミック物質を塗布し、ITO電極の他側に化学式3で表されるエレクトロクロミック物質を塗布する。エレクトロクロミック物質の塗布はインクジェット方法によって行った。 また、他のガラス基板を用意し、その上に予め形成したITO電極の分離された位置と一致するように互いに分離されたITO電極を形成する。分離するように形成されたそれぞれのITO電極上に、平均粒径25nmのTiO
2層を7μmの厚さに形成する。
次に、二つのガラス基板を対向するように配置した後、間隔材で密封して、その間にLiClO
40.1モル、フェロセン0.05モル、及びベンゾキノン0.05モルをガンマブチロラクトンに溶解した電解質を注入してエレクトロクロミック素子を製作する。
【0099】
この時、化学式2で表されるエレクトロクロミック物質を塗布して形成したピクセルを第1サブピクセルとし、化学式3で表されるエレクトロクロミック物質を塗布して形成したピクセルを第2サブピクセルとした。
【化2】
【化3】
【0100】
上記のように製造したエレクトロクロミック素子に酸化及び還元電圧を順次に印加しながら電圧の大きさによる色表示を確認した。 その結果について、
図7〜
図12を参照して説明する。
【0101】
図7は、実施例1によるエレクトロクロミック素子における第1サブピクセルの印加電圧による色変化を示す写真である。具体的に、
図7は、0Vの中性状態、+1.6Vの酸化状態、及び−1.6Vの還元状態での色変化を示す。
図8は、実施例1によるエレクトロクロミック素子における第1サブピクセルの印加電圧による光の反射率を示すグラフである。
【0102】
図9は、実施例1によるエレクトロクロミック素子における第1サブピクセルの印加電圧によって変化する色座標である。
図9において、x(D65)[SCE]は、D65標準光(D65standard illuminant)下で測定したSCE(specular component excluded)データである色座標のうちx座標を意味し、y(D65)[SCE]は、D65標準光(D65 standard illuminant)下で測定したSCE(specular component excluded)データである色座標のうちy座標を意味する。
【0103】
図7を参照すると、実施例1によるエレクトロクロミック素子の第1サブピクセルは、電圧が印加されない時には透明で、+1.6Vの酸化状態では赤色を表示し、−1.6Vの還元状態では青色を表示することが確認できる。
図8及び
図9を参照すると、実施例1によるエレクトロクロミック素子の第1サブピクセルは、0V、+1V、+1.2V、+1.4V、及び+1.6Vに印加電圧が大きくなるほど、約580nm〜750nmの赤色波長領域における反射率が他の可視光線領域における反射率に比べてより高く、より鮮明な赤色の色座標を表すことが分かる。
【0104】
また、
図8及び
図9を参照すると、実施例1によるエレクトロクロミック素子の第1サブピクセルは、0V、−0.8V、−1V、−1.2V、−1.4V、及び−1.6Vに印加電圧が負に大きくなるほど、約410nm〜510nmの青色波長領域における反射率が他の可視光線領域における反射率に比べてより高く、より鮮明な青色の色座標を表すことが分かる。
【0105】
図10は、実施例1によるエレクトロクロミック素子における第2サブピクセルの印加電圧による色変化を示す写真である。具体的に、
図10は、0Vの中性状態、+2.6Vの酸化状態、及び−1.6Vの還元状態での色変化を示す。
図11は、実施例1によるエレクトロクロミック素子における第2サブピクセルの印加電圧による光の反射率を示すグラフであり、
図12は、実施例1によるエレクトロクロミック素子における第2サブピクセルの印加電圧によって変化する色座標である。
図12おいて、x(D65)[SCE]及びy(D65)[SCE]の意味は、
図9で説明した通りである。
【0106】
図10を参照すると、実施例1によるエレクトロクロミック素子の第2ピクセルは、電圧が印加されない時には透明で、+2.6Vの酸化状態では黒色を表示し、−1.6Vの還元状態では緑色を表示すことが確認できる。
図11を参照すると、実施例1によるエレクトロクロミック素子の第2ピクセルは、0V、+1.8V、+2V、+2.2V、+2.4V、及び+2.6Vに印加電圧が大きくなるほど、全ての波長領域で反射率が低くなって、黒色を表示することが分かる。
【0107】
また、
図11及び
図12を参照すると、実施例1によるエレクトロクロミック素子の第2ピクセルは、0V、−0.8V、−1V、−1.2V、−1.4V、及び−1.6Vに印加電圧が負に(還元電位が)大きくなるほど、約500nm〜600nmの緑色波長領域における反射率が他の可視光線領域における反射率に比べてより高く、より鮮明な緑色の色座標を表すことが分かる。
【0108】
〔実施例2〕エレクトロクロミック素子の製造
化学式2で表されるエレクトロクロミック物質を塗布する代わりに、化学式2−1で表されるエレクトロクロミック物質及び化学式2−2で表されるエレクトロクロミック物質を順次に塗布し、化学式3で表されるエレクトロクロミック物質を塗布する代わりに、化学式3−1で表されるエレクトロクロミック物質及び化学式3−2で表されるエレクトロクロミック物質を順次に塗布したことを除いては、実施形態1と同様の方法でエレクトロクロミック素子を製作した。
【0109】
この時、化学式2−1及び2−2で表されるエレクトロクロミック物質を塗布して形成したピクセルを第1サブピクセルとし、化学式3−1及び3−2で表されるエレクトロクロミック物質を塗布して形成したピクセルを第2サブピクセルとした。
【化2-1】
【化2-2】
【化3-1】
【化3-2】
【0110】
上記のように製造したエレクトロクロミック素子に酸化電圧を順次に印加しながら電圧の大きさによる色表示を確認し、還元電圧を順次に印加しながら電圧の大きさによる色表示を確認した。
その結果、実施例2によるエレクトロクロミック素子の第1ピクセルは、電圧が印加されない時には透明で、0V超過+1.6V以下の酸化状態では赤色を表示し、−1.6V以上0V未満の還元状態では青色を表示することが分かった。
また、実施例2によるエレクトロクロミック素子の第2ピクセルは、電圧が印加されない時には透明で、0V超過+3V以下の酸化状態では黒色を表示し、−1.6V以上0V未満の還元状態では緑色を表示することが分かった。
【0111】
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されず、特許請求の範囲、発明の詳細な説明及び図面の範囲内で種々に変形して実施することが可能である。