特許第6046429号(P6046429)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6046429
(24)【登録日】2016年11月25日
(45)【発行日】2016年12月14日
(54)【発明の名称】離型リフタおよび離型装置
(51)【国際特許分類】
   B21D 45/04 20060101AFI20161206BHJP
【FI】
   B21D45/04 E
【請求項の数】6
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2012-208150(P2012-208150)
(22)【出願日】2012年9月21日
(65)【公開番号】特開2014-61533(P2014-61533A)
(43)【公開日】2014年4月10日
【審査請求日】2015年9月9日
(73)【特許権者】
【識別番号】000103644
【氏名又は名称】オイレス工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104570
【弁理士】
【氏名又は名称】大関 光弘
(72)【発明者】
【氏名】桐明 秀樹
(72)【発明者】
【氏名】店橋 純一
(72)【発明者】
【氏名】梅原 克樹
【審査官】 豊島 唯
(56)【参考文献】
【文献】 実公昭58−006591(JP,Y2)
【文献】 実公昭53−030045(JP,Y2)
【文献】 実開昭58−085437(JP,U)
【文献】 特開2000−170543(JP,A)
【文献】 実開昭60−131234(JP,U)
【文献】 特開2010−143160(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B21D 45/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プレス成形加工の際に一方の型に貼り付いたワークを当該型から突き離すためのリフトブロックを当該付き離す方向に付勢する離型リフタであって、
ボルト穴が形成された一方の端面に前記リフトブロックが取り付けられた筒状のスライドパイプと、
一方の端部が前記スライドパイプと当接して、当該スライドパイプを前記付き離す方向に付勢するコイルスプリングと、
前記スライドパイプが前記付き離す方向およびその反対方向に往復移動可能となるように前記スライドパイプおよび前記コイルスプリングを保持する筒状のホルダと、
前記ホルダの一方の端面側に取り付けられ、前記コイルスプリングの他方の端部と当接し、当該スプリングのばね座として機能する、貫通穴が形成されたエンドプレートと、
一方の端部に形成され、前記エンドプレートの前記貫通穴より大径のフランジと、他方の端部の端面に形成されたネジ穴と、を有し、当該他方の端部が前記エンドプレートの前記貫通穴を介して前記コイルスプリングに挿入されたシャフトと、
前記シャフトが挿入されたコイルスプリングをプリロードするプリロード手段と、を備え、
前記プリロード手段は、
前記シャフトより小さな直径を有し、前記スライドパイプの前記一方の端面に形成された前記ボルト穴に挿入されて、前記シャフトの前記他方の端部の端面に形成された前記ネジ穴と螺合するボルトと、
前記シャフトの前記他方の端部の端面に形成された前記ネジ穴の直径より大きくかつ前記シャフトの直径より小さな内径と、前記スライドパイプの前記一方の端面に形成された前記ボルト穴の直径より大きな外径を有し、前記ボルトが挿入された円筒状部材であるスプリングガイドリテーナと、を有し、
前記シャフトの前記他方の端部の端面に形成された前記ネジ穴に対する前記ボルトの締め込みにより、前記スライドパイプの前記一方の端面および前記エンドプレート間の最大離間距離が規制され
前記ボルトが挿入された前記スプリングガイドリテーナが、前記スライドパイプの前記一方の端面の内壁と前記シャフトの前記他方の端部の端面との間に介在して、前記シャフトの前記他方の端部の端面に形成された前記ネジ穴に対する前記ボルトの締め込み量を規制する
ことを特徴とする離型リフタ。
【請求項2】
プレス成形加工の際に一方の型に貼り付いたワークを当該型から突き離すためのリフトブロックを当該付き離す方向に付勢する離型リフタであって、
一方の端面に前記リフトブロックが取り付けられた筒状のスライドパイプと、
前記スライドパイプ内に配置され、ボルト穴が形成されたディスクと、
一方の端部が前記ディスクと当接して、当該ディスクとともに前記スライドパイプを前記付き離す方向に付勢するコイルスプリングと、
前記スライドパイプが前記付き離す方向およびその反対方向に往復移動可能となるように、前記スライドパイプ、前記ディスク、および前記コイルスプリングを保持する筒状のホルダと、
前記ホルダの一方の端面側に取り付けられ、前記コイルスプリングの他方の端部と当接し、当該スプリングのばね座として機能する、貫通穴が形成されたエンドプレートと、
一方の端部に形成され、前記エンドプレートの前記貫通穴より大径のフランジと、他方の端部の端面に形成されたネジ穴と、を有し、当該他方の端部が前記エンドプレートの前記貫通穴を介して前記コイルスプリングに挿入されたシャフトと、
前記シャフトが挿入されたコイルスプリングをプリロードするプリロード手段と、を備え、
前記プリロード手段は、
前記シャフトより小さな直径を有し、前記ディスクに形成された前記ボルト穴に挿入されて、前記シャフトの前記他方の端部の端面に形成された前記ネジ穴と螺合するボルトと、
前記シャフトの前記他方の端部の端面に形成された前記ネジ穴の直径より大きくかつ前記シャフトの直径より小さな内径と、前記ディスクに形成された前記ボルト穴の直径より大きな外径を有し、前記ボルトが挿入された円筒状部材であるスプリングガイドリテーナと、を有し、
前記シャフトの前記他方の端部の端面に形成された前記ネジ穴に対する前記ボルトの締め込みにより、前記ディスクおよび前記エンドプレート間の最大離間距離が規制され、
前記ボルトが挿入された前記スプリングガイドリテーナが、前記ディスクと前記シャフトの前記他方の端部の端面との間に介在して、前記シャフトの前記他方の端部の端面に形成された前記ネジ穴に対する前記ボルトの締め込み量を規制する
ことを特徴とする離型リフタ。
【請求項3】
請求項1または2に記載の離型リフタであって、
前記コイルスプリングは、
一方の端部が前記スライドパイプの前記一方の端面の内壁と当接し、他方の端部が前記スライドパイプの他方の端面側から突出するようにして、前記スライドパイプに収容されている
ことを特徴とする離型リフタ。
【請求項4】
請求項1または2に記載の離型リフタであって、
前記コイルスプリングは、
一方の端部が前記スライドパイプの他方の端面と当接し、他方の端部が前記エンドプレートと当接するように、前記スライドパイプおよび前記エンドプレート間に配置されている
ことを特徴とする離型リフタ。
【請求項5】
請求項1ないしのいずれか一項に記載の離型リフタであって、
前記エンドプレートは、前記ホルダと一体的に形成されている
ことを特徴とする離型リフタ。
【請求項6】
プレス成形加工の際に一方の型に貼り付いたワークを当該型から離型させる離型装置であって、
請求項1ないしのいずれか一項に記載の離型リフタと、
前記離型リフタの前記スライドパイプの前記一方の端面に設置され、プレス成形加工の際に前記一方の型に貼り付いた前記ワークを当該型から突き離すためのリフトブロックと、
前記離型リフトの作動開始のタイミングを調整するディスタンスピースと、を備え、
前記ディスタンスピースは、
他方の型に連動して移動し、前記他方の型が基準位置に対して所定値以上前記付き離す方向と反対方向に移動した場合に、前記リフトブロックと当接して当該リフトブロックを前記付き離す方向と反対方向に移動させる
ことを特徴とする離型装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プレス成形加工されたワークを突き上げて、ワークを下型から離型させるために用いられる離型リフタおよびこの離型リフタを用いてワークを下型から離型させる離型装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、プレス成形加工の際に下型に貼り付いた薄板金属等のワークを突き上げて、ワークを下型から離型させる離型装置が知られている。
【0003】
図6(A)、図6(B)、および図6(C)は、従来の離型装置8の動作原理を説明するための図(断面図)である。ここで、図6(A)は、プレス成形加工前の上死点における離型装置8の各構成要素の配置関係を示しており、図6(B)は、下死点における離型装置8の各構成要素の配置関係を示しており、図6(C)は、プレス成形加工後の上死点における離型装置8の各構成要素の配置関係を示している。
【0004】
図示するように、従来の離型装置8は、プレス成形加工の際に下型91に貼り付いたワーク90のフランジ901を突き上げるためのリフトブロック80と、リフトブロック80を上方向に付勢する離型リフタ81と、上型92と連動する曲げ刃93の下限位置を規制して、ワーク90の縁部に形成されるフランジ901の長さを設定するためのネストブロック82と、離型装置8の作動開始のタイミングを調整するためのディスタンスピース83と、を備えて構成される。
【0005】
リフトブロック80は、フランジ801を備えたL字形状を有しており、フランジ801を下型91の側面911と摺動させながら上下移動する。
【0006】
離型リフタ81は、リフトブロック80が載置されて固定されたスライドパイプ811と、スライドパイプ811を上方向に付勢するコイルスプリング812と、スライドパイプ811が上下方向に移動可能となるようにスライドパイプ811およびコイルスプリング812を保持するホルダ813と、コイルスプリング812のばね座として機能するエンドプレート814と、スライドパイプ811の上限位置を規制するストップブロック815と、ホルダ813の下端面にエンドプレート814を固定するための複数のボルト816と、を備えている。
【0007】
スライドパイプ811は、上面8111を有する円筒状部材であり、上面8111にはリフトブロック80が取り付けられている。スライドパイプ811とともに、リフトブロック80は、フランジ801を下型91の側面911と摺動させながら上下方向に移動する。
【0008】
コイルスプリング812は、スライドパイプ811内に収容されており、一方の端部8121がスライドパイプ811の上面8111の内壁と当接し、他方の端部8122がスライドパイプ811の下端側開口部8113から突出する。
【0009】
ホルダ813は、円筒状部材であり、下端側にエンドプレート814がボルト816で固定されている。スライドパイプ811はホルダ813内に収容され、スライドパイプ811に収容されたコイルスプリング812の他方の端部8122はエンドプレート814の上面と当接する。
【0010】
ストップブロック815は、ホルダ813の上端側に配置され、コイルスプリング812によって上方向に付勢されたスライドパイプ811の側面に形成された当接部8112と当接することにより、スライドパイプ811の上限位置を規制する。
【0011】
ネストブロック82は、リフトブロック80上に載置されて固定されており、ワーク90を受けることにより、曲げ刃93に対してワーク90を位置決めする。これによりワーク90の縁部に形成されるフランジ901の長さが定まる。
【0012】
ディスタンスピース83は、円柱状部材であり、曲げ刃93が下降した際に、ネストブロック82の上面821の中央部に当接するように曲げ刃93の下面931に固定されている。ディスタンスピース83の長さは、離型装置8の作動開始のタイミング(ディスタンスピース83がネストブロック82の上面821に当接するタイミング)に応じて決定される。
【0013】
ここで、図6(A)に示すように、上死点において、ディスタンスピース83はネストブロック82に当接しておらず、その結果、スライドパイプ811は、コイルスプリング812の復元力により、当接部8112がストップブロック815と当接する位置まで、ホルダ813から上方向に押し出されている。また、リフトブロック80のフランジ801は、下型91上に配置されたワーク90と僅かな隙間を形成している。
【0014】
この状態で、上型92が下降を開始すると、これに伴い、曲げ刃93も下降を開始する。そして、下型91上に配置されたワーク90と上型92との当接に先立って、曲げ刃93の下面931に固定されているディスタンスピース83がネストブロック82と当接し、コイルスプリング812をさらに圧縮しながら、ネストブロック82およびスライドパイプ811を押し下げる。これにより、リフトブロック80は、曲げ刃93と一定の間隔を保ちながら下降する。
【0015】
その後、上型92は、ワーク90と接触して、下型91との間にワーク90を挟み込む。これにより、上型92は下降を停止するが、曲げ刃93は引き続き下降して、ワーク90の縁部を下方に折り曲げる。これにより、ワーク90の縁部にフランジ901がプレス成形加工される。その後、図6(B)に示すように、下死点において、スライドパイプ811がエンドプレート814と当接することにより、曲げ刃93は下降を停止する。
【0016】
つぎに、上型92が上昇を開始すると、これに伴い、曲げ刃93も上昇を開始してワーク90から離れる。また、リフトブロック80は、リフトブロック80上に載置されているネストブロック82と曲げ刃93の下面931に固定されているディスタンスピース83との当接により曲げ刃93と一定の間隔を保ちながら、コイルスプリング812の復元力によって上昇する。そして、リフトブロック80のフランジ801がワーク90のフランジ901を突き上げて、ワーク90を下型91から離型させる。
【0017】
さらに、上型92とともに曲げ刃93が上昇すると、スライドパイプ811の当接部8112がストップブロック815と当接し、これにより、リフトブロック80が上昇を停止して、ディスタンスピース83がネストブロック82から離れる。そして、図6(C)に示すように、上死点において、上型92および曲げ刃93が上昇を停止する。
【0018】
なお、特許文献1には、ワークのフランジを突き上げてワークを下型から離型させる際のリフトストローク(突き上げ長)の短縮化を可能とするプレス金型の離型装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0019】
【特許文献1】特開2000−051978号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0020】
ところで、従来の離型装置8において、プレス金型への離型リフタ81の組み付けは次の要領で行っていた。すなわち、ホルダ813の下端側にエンドプレート814をボルトで固定する。また、コイルスプリング812をスライドパイプ811内に収容する。このとき、コイルスプリング812の一方の端部8121はスライドパイプ811の上面8111の内壁と当接し、他方の端部8122はスライドパイプ811の下端側から露出する。そして、コイルスプリング812の他方の端部8122がエンドプレート814の上面と当接するように、コイルスプリング812およびスライドパイプ811をホルダ813に収容する。それから、スライドパイプ811の側面に形成されている当接部8112がホルダ813の内部に位置するまで、スライドパイプ811をホルダ813内に押し込みながら、その状態でホルダ813の上端側にストップブロック815を取り付ける。以上のようにして作成した離型リフタ81を図示していない冶具等を利用して下型91に固定する。
【0021】
このように、離型リフタ81は、コイルスプリング812の復元力に抗ってスライドパイプ811をホルダ813内に押し込みながら、ホルダ813の上端側にストップブロック815を取り付ける必要があり、作業性が悪い。特に、この作業を人手で行う場合、人力でスライドパイプ811をホルダ813内に押し込むことになるため、コイルスプリング812のプリロード(スライドパイプ811の当接部8112がストップブロック815に当接した状態でコイルスプリング812に加わる荷重)を高くすることが困難である。このため、例えば、車体パネル等の大型のワーク90を下型91から離型させるためには、多くの離型装置8を設置しなければならず煩雑である。
【0022】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、プレス金型への組み付け作業の作業性がよく、かつより高いプリロードを設定可能な離型リフタおよび離型装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0023】
上記課題を解決するために、本発明では、一方の型からワークを剥がす力を発生させるコイルスプリングに挿入されたシャフトと、コイルスプリングをプリロードするプリロード手段と、を設ける。シャフトおよびプリロード手段には、互いに螺合する雄ネジおよび雌ネジが形成され、これらの雄ネジおよび雌ネジを締め込むことによりコイルスプリングがプリロードされる。
【0024】
例えば、本発明の離型リフタの一態様は、
プレス成形加工の際に一方の型に貼り付いたワークを当該型から突き離すためのリフトブロックを当該付き離す方向に付勢する離型リフタであって、
ボルト穴が形成された一方の端面に前記リフトブロックが取り付けられた筒状のスライドパイプと、
一方の端部が前記スライドパイプと当接して、当該スライドパイプを前記付き離す方向に付勢するコイルスプリングと、
前記スライドパイプが前記付き離す方向およびその反対方向に往復移動可能となるように前記スライドパイプおよび前記コイルスプリングを保持する筒状のホルダと、
前記ホルダの一方の端面側に取り付けられ、前記コイルスプリングの他方の端部と当接し、当該スプリングのばね座として機能する、貫通穴が形成されたエンドプレートと、
一方の端部に形成され、前記エンドプレートの前記貫通穴より大径のフランジと、他方の端部の端面に形成されたネジ穴と、を有し、当該他方の端部が前記エンドプレートの前記貫通穴を介して前記コイルスプリングに挿入されたシャフトと、
前記シャフトが挿入されたコイルスプリングをプリロードするプリロード手段と、を備え、
前記プリロード手段は、
前記シャフトより小さな直径を有し、前記スライドパイプの前記一方の端面に形成された前記ボルト穴に挿入されて、前記シャフトの前記他方の端部の端面に形成された前記ネジ穴と螺合するボルトと、
前記シャフトの前記他方の端部の端面に形成された前記ネジ穴の直径より大きくかつ前記シャフトの直径より小さな内径と、前記スライドパイプの前記一方の端面に形成された前記ボルト穴の直径より大きな外径を有し、前記ボルトが挿入された円筒状部材であるスプリングガイドリテーナと、を有し、
前記シャフトの前記他方の端部の端面に形成された前記ネジ穴に対する前記ボルトの締め込みにより、前記スライドパイプの前記一方の端面および前記エンドプレート間の最大離間距離が規制され
前記ボルトが挿入された前記スプリングガイドリテーナが、前記スライドパイプの前記一方の端面の内壁と前記シャフトの前記他方の端部の端面との間に介在して、前記シャフトの前記他方の端部の端面に形成された前記ネジ穴に対する前記ボルトの締め込み量を規制する
また、本発明の離型リフタの他の態様は、
プレス成形加工の際に一方の型に貼り付いたワークを当該型から突き離すためのリフトブロックを当該付き離す方向に付勢する離型リフタであって、
一方の端面に前記リフトブロックが取り付けられた筒状のスライドパイプと、
前記スライドパイプ内に配置され、ボルト穴が形成されたディスクと、
一方の端部が前記ディスクと当接して、当該ディスクとともに前記スライドパイプを前記付き離す方向に付勢するコイルスプリングと、
前記スライドパイプが前記付き離す方向およびその反対方向に往復移動可能となるように、前記スライドパイプ、前記ディスク、および前記コイルスプリングを保持する筒状のホルダと、
前記ホルダの一方の端面側に取り付けられ、前記コイルスプリングの他方の端部と当接し、当該スプリングのばね座として機能する、貫通穴が形成されたエンドプレートと、
一方の端部に形成され、前記エンドプレートの前記貫通穴より大径のフランジと、他方の端部の端面に形成されたネジ穴と、を有し、当該他方の端部が前記エンドプレートの前記貫通穴を介して前記コイルスプリングに挿入されたシャフトと、
前記シャフトが挿入されたコイルスプリングをプリロードするプリロード手段と、を備え、
前記プリロード手段は、
前記シャフトより小さな直径を有し、前記ディスクに形成された前記ボルト穴に挿入されて、前記シャフトの前記他方の端部の端面に形成された前記ネジ穴と螺合するボルトと、
前記シャフトの前記他方の端部の端面に形成された前記ネジ穴の直径より大きくかつ前記シャフトの直径より小さな内径と、前記ディスクに形成された前記ボルト穴の直径より大きな外径を有し、前記ボルトが挿入された円筒状部材であるスプリングガイドリテーナと、を有し、
前記シャフトの前記他方の端部の端面に形成された前記ネジ穴に対する前記ボルトの締め込みにより、前記ディスクおよび前記エンドプレート間の最大離間距離が規制され、
前記ボルトが挿入された前記スプリングガイドリテーナが、前記ディスクと前記シャフトの前記他方の端部の端面との間に介在して、前記シャフトの前記他方の端部の端面に形成された前記ネジ穴に対する前記ボルトの締め込み量を規制する。
【発明の効果】
【0025】
本発明の離型リフタによれば、一方の型からワークを剥がす力を発生させるコイルスプリングに挿入されたシャフトおよびコイルスプリングをプリロードするプリロード手段に形成された、互いに螺合する雄ネジおよび雌ネジを締め込むことにより、コイルスプリングがプリロードされる。このため、プレス金型への組み付け作業の作業性がよい。また、人力でもより高いプリロードをかけることができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1図1は、本発明の一実施の形態に係る離型装置1の断面図である。
図2図2(A)は、離型リフタ2の上面図であり、図2(B)は、図2(A)に示す離型リフタ2のA−A断面図であり、図2(C)は、離型リフタ2の底面図である。
図3図3(A)、図3(B)、および図3(C)は、離型装置1の動作原理を説明するための図(断面図)である。
図4図4(A)および図4(B)は、離型リフタ2の他の構成例を説明するための図である。
図5図5(A)および図5(B)は、離型リフタ2の他の構成例を説明するための図である。
図6図6(A)、図6(B)、および図6(C)は、従来の離型装置8の動作原理を説明するための図(断面図)である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下に、本発明の一実施の形態について、図面を参照して説明する。
【0028】
図1は、本実施の形態に係る離型装置1の断面図である。ここでは、プレス成形加工後の上死点における離型装置1の各構成要素の配置関係を示している。
【0029】
図示するように、離型装置1は、プレス成形加工の際に下型61に貼り付いた薄型金属等のワーク60のフランジ601を突き上げるためのリフトブロック3と、リフトブロック3を上方向に付勢する離型リフタ2と、上型62と連動する曲げ刃63の下限位置を規制して、ワーク60の縁部に形成されるフランジ601の長さを設定するためのネストブロック4と、離型装置1の作動開始のタイミングを調整するためのディスタンスピース5と、を備えて構成される。
【0030】
リフトブロック3は、フランジ31を備えたL字形状を有しており、離型リフタ2が備える後述のスライドパイプ21のリストブロック取付面211にネジ止めされて、フランジ31を下型61の側面611と摺動させながらスライドパイプ21とともに上下方向に移動する。
【0031】
ネストブロック4は、リフトブロック3上に載置された状態で固定されており、ワーク60の縁部602と当接することで、曲げ刃63に対してワーク60を位置決めする(図3(A)参照)。これにより、ワーク60の縁部602に形成されるフランジ601の長さL1が決定される。
【0032】
ディスタンスピース5は、円柱状部材であり、曲げ刃63が下降した際にネストブロック4の上面41の中央部に当接するように曲げ刃63の下面631上の所定の位置に固定されている。ディスタンスピース5の長さL2は、ワーク60に依存する離型装置1の作動開始のタイミング(ディスタンスピース5がネストブロック4に当接するタイミング)に応じて決定される。
【0033】
離型リフタ2は、リフトブロック3を押し上げて、プレス成形加工の際に下型61に貼り付いたワーク60のフランジ601を突き上げる。
【0034】
図2(A)は、離型リフタ2の上面図であり、図2(B)は、図2(A)に示す離型リフタ2のA−A断面図であり、図2(C)は、離型リフタ2の底面図である。
【0035】
図示するように、離型リフタ2は、上面211にリフトブロック3が載置されて固定されるスライドパイプ21と、スライドパイプ21を上方向に付勢するコイルスプリング22と、スライドパイプ21およびコイルスプリング22を保持し、スライドパイプ21を上下方向に案内するホルダ23と、コイルスプリング21のばね座として機能するエンドプレート24と、スライドパイプ21の上限位置を規制するシャフト25と、コイルスプリング22にプリロードを加えるための調整用の六角穴付きボルト26と、ホルダ23の下端面231にエンドプレート24を固定するための複数のボルト27と、六角穴付きボルト26の締め込み量を規制するスプリングガイドリテーナ28と、を備えている。
【0036】
スライドパイプ21は、上端にリフトブロック取付面211を有する円筒状部材であり、そのリフトブロック取付面211には、リフトブロック3をネジ止めするためのネジ穴212が形成されている。このネジ穴212と不図示の固定ネジとの締結により、リフトブロック3は、スライドパイプ21のリフトブロック取付面211に固定され、スライドパイプ21に連動して、フランジ31を下型61の側面611と摺動させながら上下方向に移動する。また、スライドパイプ21のリフトブロック取付面211の中央部には、六角穴付きボルト26用のボルト穴213が形成されている。
【0037】
コイルスプリング22はスライドパイプ21内に収容されており、一方の端部221がスライドパイプ21のリフトブロック取付面211の内壁215と当接し、他方の端部222がスライドパイプ21の下端側開口部214から突出している。
【0038】
ホルダ23は、円筒状部材であり、その下端面231に、エンドプレート24をボルト27でネジ止めするための複数のネジ穴232が形成されている。
【0039】
エンドプレート24は、中央部にシャフト25挿入用の貫通穴241が形成された円板状部材であり、ホルダ23の外径と略同じ外径を有する。また、エンドプレート24には、ホルダ23の下端面231のネジ穴232に対応する位置にそれぞれボルト穴244が形成されている。ボルト27がこれらのボルト穴244を介してホルダ23の下端面231のネジ穴232に締結されることにより、エンドプレート24は、ホルダ23の一方の開口(下端面231側の開口)をふさぐようにホルダ23の下端面231に固定される。
【0040】
ここで、コイルスプリング22を収容したスライドパイプ21は、リフトブロック取付面211がホルダ23の他方の開口(上端面233側の開口)から突出した状態でホルダ23内に収容され、スライドパイプ21の下端側開口部214から突き出したコイルスプリング22の他方の端部222は、ホルダ23の下端面231に固定されたエンドプレート24の上面243に当接している。ホルダ23の下端面231に固定されたエンドプレート24の上面243とスライドパイプ21のリフトブロック取付面211の内壁215との間隔は、後述するように、スプリンガイドリテーナ28を介在させた六角穴付きボルト26のネジ部261およびシャフト25のネジ穴252の締め込みによって、コイルスプリング22の自然長さよりも短くなるように調整されている。これにより、スライドパイプ21に収容されたコイルスプリング22は、スライドパイプ21のリフトブロック取付面211の内壁215とホルダ23の下端面231に取り付けられたエンドプレート24の上面243との間で圧縮されてプリロードされている。
【0041】
シャフト25は、エンドプレート24の貫通穴241にスライド可能に挿入され、さらにホルダ23内のコイルスプリング22に挿入されている。シャフト25がエンドプレート24の貫通穴241からスライドパイプ21側に抜け出さないように、シャフト25の一方の端部の外周には、この貫通穴241よりも大径のフランジ251が設けられている。また、シャフト25の他方の端面には、六角穴付きボルト26と螺合するネジ穴252が形成されている。
【0042】
六角穴付きボルト26は、スライドパイプ21のリフトブロック取付面211のボルト穴213に挿入され、そのネジ部261が、コイルスプリング22内に位置するシャフト25の他方の端面のネジ穴252に螺合する。これにより、コイルスプリング22にプリロードが加わる。
【0043】
スリングガイドリテーナ28は、シャフト15に設けられたネジ穴252の穴径より大きく且つシャフト25の直径より小さな内径と、スライドパイプ21のリフトブロック取付面211に設けられたボルト穴213の内壁215側の穴径より大きな外径と、を有する円筒状部材であり、六角穴付きボルト26のネジ部261が挿入される。スプリングガイドリテーナ28が六角穴付きボルト26の頭部の下面とシャフト25のネジ穴252が設けられた端面との間に介在することにより、六角穴付きボルトのネジ部261とシャフトのネジ穴252との締め込み量が規制されて、エンドプレート24に対するスライドパイプ21の上下方向の位置が調整され、エンドプレート24の上面243とスライドパイプ21のリフトブロック取付面211の内壁215との間の最大離間距離、つまり、コイルスプリング22の圧縮量を規定することができる。これにより、コイルスプリング22に加わるプリロードおよびスライドパイプ21の上限位置を規定することができる。
【0044】
なお、本実施の形態では、エンドプレート24の上面243でコイルスプリング22の他方の端部222を受けているが、エンドプレート24の上面243に、図示していないコイルスプリング22の他方の端部222を受けるワッシャを配置してしてもよい。また、図示していないワッシャを介してエンドプレート24にシャフト25のフランジ251を当接させ、例えば、ワッシャの厚さ、枚数等により、補助的に、コイルスプリング22のプリロードおよびスライドパイプ21の上限位置を調整できるようにしてもよい。
【0045】
つぎに、上記構成の離型装置1の動作を説明する。
【0046】
図3(A)、図3(B)、および図3(C)は、離型装置1の動作原理を説明するための図(断面図)である。ここで、図3(A)は、プレス成形加工前の上死点における離型装置1の各構成要素の配置関係を示しており、図3(B)は、下死点における離型装置1の各構成要素の配置関係を示しており、図3(C)は、プレス成形加工後の上死点における離型装置1の各構成要素の配置関係を示している。
【0047】
図3(A)に示すように、上死点において、ディスタンスピース5はネストブロック4に当接しておらず、その結果、スライドパイプ21は、コイルスプリング22の復元力により、シャフト25のフランジ251がエンドプレート24と当接する位置まで、ホルダ23の上端面233側の開口から上方向に押し出されている。このとき、リフトブロック3のフランジ31の端面が下型61の上面(ワーク60が配置される面)と面一となるように調整されている。
【0048】
この状態で、上型62が下降を開始すると、これに伴い曲げ刃63も下降を開始する。そして、上型62と下型61上に配置されたワーク60との当接に先立って、曲げ刃63の下面631に固定されているディスタンスピース5がネストブロック4と当接し、コイルスプリング22を圧縮しながら、ネストブロック4、リフトブロック3およびスライドパイプ21を一体として押し下げる。これにより、リフトブロック3は、曲げ刃63と一定の間隔を保ちながら下降する。
【0049】
その後、上型62は、ワーク60と接触して、下型61との間にワーク60を挟み込む。これにより、上型62は下降を停止するが、曲げ刃63は引き続き下降して、ネストブロック4、リフトブロック3、スライドパイプ21、六角穴付きボルト26、スプリングガイドリテーナ28およびシャフト25を一体として押し下げながら、ワーク60の縁部602を下方に折り曲げる。これにより、ワーク60の縁部602にフランジ601がプレス成形加工される。その後、図3(B)に示すように、下死点において、スライドパイプ21の下端面216がエンドプレート24の上面243と当接することにより、曲げ刃63は下降を停止する。
【0050】
つぎに、上型62が上昇を開始すると、これに伴い、曲げ刃63も上昇を開始してワーク60から離れる。また、曲げ刃63の上昇に伴いディスタンスピース5が上昇すると、スライドパイプ21は、コイルスプリング22の復元力によってリフトブロック3およびネストブロック4を押し上げながら上昇するとともに、六角穴付きボルト26の頭部262とスライドパイプ21のリフトブロック取付面211のボルト穴213との係合により、シャフト25および六角穴付きボルト26を引き上げる。このとき、リフトブロック3上に載置されているネストブロック4と曲げ刃63の下面631に固定されているディスタンスピース5との当接により、リフトブロック3は、曲げ刃63と一定の間隔を保ちながら上昇する。そして、上昇中のリフトブロック3のフランジ31がワーク60のフランジ601を突き上げて、ワーク60を下型61から離型させる。
【0051】
さらに、上型62とともに曲げ刃63が上昇すると、シャフト25のフランジ251がエンドプレート24と当接し、スライドパイプ21の上昇を阻止する。これにより、リフトブロック3の上昇も停止して、ディスタンスピース5がネストブロック4から離れる。そして、図3(C)に示すように、上死点において、上型62および曲げ刃63が上昇を停止する。
【0052】
以上、本発明の一実施の形態について説明した。
【0053】
本実施の形態に係る離型リフタ2において、ホルダ23の下端面231に固定されたエンドプレート24の上面243と、リフトブロック3を載せてホルダ23内を上下方向に移動するスライドパイプ21のリフトブロック取付面211の内壁215との間にコイルスプリング22が配置されており、シャフト25のネジ穴252と六角穴付きボルト26のネジ部261との締め込み量をスプリングガイドリテーナ28によって規制することにより、スライドパイプ21のリフトブロック取付面211とスライドパイプ21のリフトブロック取付面211の内壁215との最大離間距離が調整可能とされている。
【0054】
すなわち、エンドプレート24の貫通穴241内に、この貫通穴241よりも大径のフランジ251が一方の端部の外周に形成されたシャフト25を挿入して、このシャフト25をコイルスプリング22に挿入するとともに、スライドパイプ21のリフトブロック取付面211のボルト穴213に六角穴付きボルト26を挿入して、この六角穴付きボルト26のネジ部261をスプリングガイドリテーナ28に挿入する。それから、このシャフト25の他方の端面に形成されたネジ穴252に六角穴付きボルト26のネジ部261を締め込む。このため、シャフト25のネジ穴252と六角穴付きボルト26のネジ部261との締め込み量をスプリングガイドリテーナ28によって規制することにより、エンドプレート24とスライドパイプ21のリフトブロック取付面211とを挟み込むシャフト25のフランジ251と六角穴付きボルト26の頭部262との間隔が規定され、コイルスプリング22のプリロードを所定の値に調整することができ、プレス金型への組み付け作業の作業性がよい。また、人力でも、シャフト25のネジ穴252に六角穴付きボルト26のネジ部261を締め込むことによって、コイルスプリング22に、より高いプリロードをかけることできるので、下型61からワーク60を剥がす十分な力を発生させることができる。また、シャフト25のフランジ251がエンドプレート24と当接することにより、スライドパイプ21の上限位置が規制されるため、ホルダ23の上端側にストップブロックを取り付ける必要がなく、このストップブロックと当接する当接部をスライドパイプ21の側面に形成する必要もない。
【0055】
なお、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で数々の変形が可能である。
【0056】
上記実施の形態においては、一方の端部の外周にフランジ251が形成され、他方の端部にネジ穴252が形成されたシャフト25と、シャフト25のネジ穴252に螺合する六角穴付きボルト26とを用いて、シャフト25のネジ穴252と六角穴付きボルト26との締め込みにより、下型61からプレス成形後のワーク60を離型させる復元力を発生させるコイルスプリング22をプリロードしているが、雌雄ネジ部の締め込みにより、コイルスプリング22の圧縮量を調整可能であれば、必ずしも、このような構成とする必要はない。
【0057】
例えば、図4(A)に示すように、一方の端部253の外周にフランジ255が形成され、他方の端部254にネジ部256が形成されたシャフト25Aと、シャフト25Aのネジ部256に螺合する調整用ナット28と、を用いて、シャフト25Aのネジ部256と調整用ナット28との締め込みによりコイルスプリング22をプリロードするようにしてもよい。この場合、例えば、スライドパイプ21のリフトブロック取付面211の中央部に、シャフト25Aが挿入される座繰り貫通穴217を形成し、この座繰り貫通穴217に挿入されたシャフト25Aのフランジ255が座繰り貫通穴217に係合するようにする。そして、スプリングコイル22内を通過してエンドプレート24の貫通穴241から突き出したシャフト25Aのネジ部256に調整用ナット28を締め込む。
【0058】
また、上記の実施の形態においては、スライドパイプ21のリフトブロック取付面211にボルト穴213を形成し、このボルト穴213に六角穴付きボルト26を挿入しているが、図4(B)に示すように、スライドパイプ21内でコイルスプリング22の一方の端部221を受けるディスク29として、六角穴付きボルト26用のボルト穴291が形成されたディスク29をコイルスプリング22の一方の端部221上に配置し、六角穴付きボルト26のネジ部262を、ディスク29のボルト穴291を介して、コイルスプリング22内に位置するシャフト25の他方の端面のネジ穴252に螺合させてから、コイルスプリング22の一方の端部221側をスライドパイプ21内に収容してもよい。
【0059】
また、シャフト25の一方の端部の外周にフランジ251を形成する代わりに、エンドプレート24の貫通穴241を通過しない他の部材をシャフト25の一方の端部に固定してもよい。例えば、シャフト25の一方の端面に、エンドプレート24の貫通穴241よりも大径のディスクをネジ等で固定してもよい。また、シャフト25の一方の端部の外周にフランジ251を形成する代わりにネジ溝を形成して、このネジ溝に係合用ナットを螺合させ、この係合用ナットをスライドパイプ21の上端面211のボルト穴213と係合させるようにしてもよい。あるいは、スライドパイプ21の上面211の内壁215にネジ穴を形成するとともに、シャフト25の一方の端部にフランジ251の代わりにネジ溝を形成し、両者を締結することにより、シャフト25をスライドパイプ21に係合させるようにしてもよい。
【0060】
また、上記の実施の形態においては、一端221がスライドパイプ21の上端面211の内壁215と当接し、他端222がスライドパイプ21の下端面216から突き出してエンドプレート24の上面243と当接するように、コイルスプリング22をスライドパイプ21内に収容しているが、図5(A)に示すように、一端221aがスライドパイプ21aの下端面216と当接し、他端22aがエンドプレート24の上面243と当接するように、コイルスプリング22aをスライドパイプ21aとエンドプレート24との間に介在させもよい。なお、スライドパイプ21aは、コイルスプリング22aによってスライドパイプ21aがホルダ23の端面233から最大限押し出された場合でも、ホルダ23からスライドパイプ21aが完全に抜け出さない長さとする。また、この場合、図5(B)に示すスライドパイプ21bのように、内径を小さくしてスライドパイプ21aの下端面216の面積を大きくすることにより、コイルスプリング22aの一端221aがより確実にスライドパイプ21aの下端面216と当接できるようにしてもよい。
【0061】
また、上記の実施の形態において、ホルダ23をエンドプレート24と一体的に形成して、底付き円筒状部材としてもよい。
【0062】
また、上記の実施の形態において、ネストブロック4を省略して、ディスタンスピース5がリフトブロック3と直接当接するようにしてもよい。
【0063】
また、上記の実施の形態において、シャフト25の、エンドプレート24の貫通穴241から突き出した部分に埃が付着しないようにするために、エンドプレート24にキャップを被せるようにしてもよい。
【0064】
また、上記の実施の形態において、スライドパイプ21およびホルダ23の形状は円筒状に限らず、筒状であればよい。
【0065】
また、上記の実施の形態では、ワーク60の縁部602に形成されたフランジ601をリフトブロック3で突き上げることにより、プレス成形加工の際に下型61に貼り付いたワーク60を下型61から離型させる離型装置1を例にとり説明したが、本発明はこれに限定されない。本発明は、プレス成形加工の際に型に貼り付いたワークをこの型から突き離す方向にリフトフロックを付勢する離型リフタおよびこの離型リフタを用いた離型装置に広く利用可能である。
【符号の説明】
【0066】
1:離型装置、 2:離型リフタ、 3:リフトブロック、 4:ネストブロック、 5:ディスタンスピース、 21、21a、21b:スライドパイプ、 22、22b:コイルスプリング、 23:ホルダ、 24:エンドプレート、 25:シャフト、 26:六角穴付きボルト、 27:ボルト、 28:スプリングガイドリテーナ、 29:ディスク、 31:フランジ、 60:ワーク、 61:下型、 62:上型、 63:曲げ刃、 211:スライドパイプの上面、 212:ネジ穴、 213:ボルト穴、 214:スライドパイプの下端側開口部、 215:スライドパイプの上面の内壁、 216:スライドパイプの下端面、 221、221a:コイルスプリングの一方の端部、 222、222a:コイルスプリングの他方の端部、 231、233:ホルダの端面、 232:ネジ穴、 241:貫通穴、 243:エンドプレートの上面、 244:ボルト穴、 251:フランジ、 252:ネジ穴、 253、254:シャフトの端部、 261:六角穴付きボルトのネジ部、 262:六角穴付きボルトの頭部、 601:フランジ、 631:曲げ刃の下面
図1
図2
図3
図4
図5
図6