(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
洋式便器には、ギヤードモータを便座の回転中心軸の一方の端部分に連結して便座を開閉する仕様の第1型の洋式便器と、ギヤードモータを便座の回転中心軸の他方の端部分に連結して便座を開閉する仕様の第2型の洋式便器がある。第1型の洋式便器に搭載するギヤードモータと第2型の洋式便器に搭載するギヤードモータとでは便座を開閉する際の回転方向が逆になるので、便座の開閉に用いられるギヤードモータには、便座の回転中心軸線の一方の端部分に連結される第1タイプのものと、他方の端部分に連結される第2タイプのものが存在する。
【0006】
ここで、第1タイプのギヤードモータを第2タイプのギヤードモータとして用いることができれば、2つのギヤードモータの間で部品を共通化できるので、装置の製造コストを抑制することができる。
【0007】
このような共通化の要求に対しては、制御装置とギヤードモータのモータとを電気的に接続している配線の接続を変更することによって制御装置からモータに供給される電力の極性を反転させ、これにより出力軸の回転方向を逆にして、共通化を図ることが考えられる。しかし、モータの回転方向を変更した場合には、角度検出機構からの信号がモータの回転方向を変更する前と同様に扱えなくなる。従って、制御装置の側で角度検出機構からの信号の処理方法を変更しなければならないという問題がある。すなわち、第1型の洋式便器に搭載する第1タイプのギヤードモータと第2型の洋式便器に搭載する第2タイプのギヤードモータの共通化を図るために、第1型の洋式便器に搭載する制御装置と第2型の洋式便器に搭載する制御装置を異なるものにしなければならないという問題が発生してしまう。
【0008】
以上の問題点に鑑みて、本発明の課題は、第1極性の電力をモータへ供給して出力軸を第1方向に回転させる場合と、極性を反転させた第2極性の電力をモータへ供給して出力軸を第1方向とは逆の第2方向に回転させる場合とで、同一の制御装置を用いることができるギヤードモータを提供することにある。また、そのようなギヤードモータを搭載する蓋体駆動装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明は、モータと、出力歯車と、前記モータの回転を前記出力歯車に伝達する輪列と、前記モータ、
前記出力歯車および
前記輪列を収納するケースと、前記出力歯車と一体に回転するとともに前記ケースに設けられた開口から一部分が外側に突出している出力軸とを有するギヤードモータにおいて、
外部の配線を着脱可能に接続するためのコネクタと、
前記出力軸の回転角度を検出するために前記ケース内に設置されたポテンショメータと、
前記モータおよび前記コネクタが搭載された基板と、を有し、
前記モータおよび前記ポテンショメータは、前記ケースの内で前記コネクタと電気的に接続されており、
前記ポテンショメータからの信号は、前記コネクタを介して外部に出力され、
前記コネクタに供給される電力の極性を反転させると、前記モータの回転方向が逆転して前記出力軸の回転方向が逆転するとともに、前記ポテンショメータに印加される電圧の
極性が反転
し、
前記ケースは、当該ケースの内部を軸線方向で一方側と他方側とに部分的に仕切る中間板部を備えており、
前記中間板部の前記一方側には、前記モータのモータ本体から突出した回転軸に取り付けられたピニオン、前記輪列において前記ピニオンと噛合している第1歯車、および、前記ポテンショメータが配置されており、
前記中間板部の前記他方側には、前記モータ本体、前記出力歯車、前記輪列において前記出力歯車と噛合している最終歯車、および、前記基板が配置されており、
前記ポテンショメータは、前記最終歯車に噛合するポテンショ歯車の回転角度を検出することを特徴とする。
【0010】
本発明では、コネクタを介してモータに供給される電力の極性を反転させると、出力軸の回転方向が逆転する。従って、例えば、ギヤードモータを洋式便器の便座の開閉駆動装置として用いる場合には、便座の回転中心軸線の一方の端部分に連結されるタイプのものとしても、他方の端部分に連結されるタイプのものとしても用いることができる。また、本発明では、出力軸の回転角度を検出する検出機構としてポテンショメータを用いており、コネクタに供給される電力の極性を反転させてモータの回転方向を逆転させると、ポテンショメータに印加される電圧の極性が反転するので、ポテンショメータから出力される信号を処理する制御装置の側では、信号に対する処理を変更することなく回転軸に回転角度を把握してモータを駆動制御することができる。従って、出力軸の回転方向を変更した場合でも同一の制御装置を用いることができる。すなわち、ポテンショメータから出力される信号はポテンショ歯車が回転する所定の角度範囲の一方端から他方端に向かって回転角度に伴って線形に変化する信号であり、原点位置(角度範囲の一方端)から出力軸の回転方向への回転角度を直接に示す信号である。また、モータへ供給される電力の極性を第1極性から第2極性に反転させて出力軸の回転方向を第1方向から第2方向に逆転させた場合には、ポテンショメータに印加される電力の極性も第1極性から第2極性に反転しているので、この際にも、ポテンショメータから出力される信号は原点位置(角度範囲の他方端)から出力軸の回転方向への回転角度を直接に示す信号となっている。従って、出力軸が第2方向に回転している場合でも、出力軸が第1方向に回転している場合に得られる信号と同様に原点位置を基準とした回転角度を示す信号が得られる。さらに、本発明では、ポテンショメータがケースの内部でコネクタと接続されており、モータへの電力の供給とポテンショメータへの電圧の印加がコネクタを介して行われている。従って、コネクタと制御装置の間を接続する配線を変更するだけで、モータへ供給される電力の極性およびポテンショメータへ印加される電圧の極性を同時に変更することができる。
【0011】
また、本発明では、前記モータおよび前記コネクタが搭載された基板を有し、前記ケースは、当該ケースの内部を軸線方向で一方側と他方側とに部分的に仕切る中間板部を備えており、前記中間板部の前記一方側には、前記モータのモータ本体から突出した回転軸に取り付けられたピニオン、前記輪列において前記ピニオンと噛合している第1歯車、および、前記ポテンショメータが配置されており、前記中間板部の前記他方側には、前記モータ本体、前記出力歯車、前記輪列において前記出力歯車と噛合している最終歯車、および、前記基板が配置されており、前記ポテンショメータは、前記最終歯車に噛合するポテンショ歯車の回転角度を検出する
。従って、ポテンショメータと輪列の最終歯車とを中間板部を挟んだ一方側と他方側に配置できるので、ポテンショメータを配置する際にポテンショメータと輪列との干渉を回避できる。
【0012】
この場合において、前記基板と前記ポテンショメータとを電気的に接続しているリード線を有し、前記中間板部には、前記ポテンショメータを前記他方側から前記一方側に通過させることが可能な挿通孔が設けられており、前記リード線は、前記挿通孔内を引き回されていることが望ましい。このようすれば、ギヤードモータを製造する際に、基板とポテンショメータの間をリード線で接続し、その後に、挿通孔を介してポテンショメータを中間板部の反出力側から出力側に通過させ、しかる後にポテンショメータを中間板部の出力側に設置することができる。すなわち、ポテンショメータをケース内に設置した後に、基板から延びるリード線とポテンショメータとをハンダ付けするのではなく、基板から延びるリード線とポテンショメータとをハンダ付けした後に、ポテンショメータをケース内の所定の位置に設置することができる。従って、ハンダ付けの作業が容易であり、ハンダがケース内に飛散することもない。
【0013】
この場合において、前記中間板部における前記一方側の面には、溝が形成されており、前記リード線は、前記溝内を引き回されており、前記溝は、軸線方向で前記第1歯車と重なる位置に設けられていることが望ましい。このようにすれば、ケース内を引き回されるリード線を第1歯車が噛み込んでしまうことを防止できる。
【0014】
また、この場合において、前記挿通孔は、前記軸線方向から見たときに、少なくとも一部分が前記第1歯車と重なっていることが望ましい。このようにすれば、前記第1歯車によってデッドスペースとなる部分に挿通孔を設けることができるので、挿通孔を設けるために装置が大型化することを抑制できる。
【0015】
この場合において、前記ケースは、前記中間板部を備える第1ケースと、前記第1ケースに積層されて前記中間板部の一方側を被う第2ケースとを備えており、前記第2ケースには、前記第1ケースに積層されたときに前記溝内に入り込んで前記リード線の浮き上がりを防止するリード線押さえ突起が設けられていることが望ましい。このようにすれば第1歯車やピニオンがリード線を噛み込んでしまうことを防止できる。
【0016】
次に、本発明の蓋体駆動装置は、前記ギヤードモータの前記ポテンショメータからの信号に基づいて前記ギヤードモータを駆動制御する制御装置と、前記コネクタを介して前記ギヤードモータと前記制御
装置とを電気的に接続しているケーブルと、を有し、前記ギヤードモータの前記出力軸は、予め定めた回転中心軸線回りに回動する蓋体に対して当該出力軸の軸線と当該回転中心軸線とを一致させた状態で当該蓋体に連結されることを特徴とする。
【0017】
本発明の蓋体駆動装置では、ギヤードモータの出力軸の回転方向を変更することが容易である。従って、蓋体駆動装置を蓋体の回転中心軸線の一方の端側に連結されるタイプのものとしても、他方の端側に連結されるタイプのものとしても用いることができる。
【0018】
本発明において、前記制御装置は、前記ケーブルを着脱可能に接続する制御装置側コネクタを備え、前記ケーブルは、一方の端が前記コネクタを介して前記ギヤードモータに接続され、他方の端が前記制御装置側コネクタを介して前記制御装置に接続されていることが望ましい。このようにすれば、ギヤードモータと制御装置を接続しているケーブルを交換することが容易となる。従って、例えば、モータへの給電を行う一対の給電ラインおよびポテンショメータへの給電を行う一対のラインがストレートとされているケーブルとクロスになっているケーブルとの間でケーブルを交換すれば、制御装置からモータへ供給される電力の極性およびポテンショメータへ印加される電圧の極性を容易に変更できる。ここで、モータへ供給される電力の極性およびポテンショメータへ印加される電圧の極性を変更した場合でも、制御装置では変更前と同様にギヤードモータを駆動制御できるので、蓋体の開閉方向(回転方向)を変更することが容易である。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、コネクタを介してモータに供給される電力の極性を反転させると、出力軸の回転方向が逆転する。従って、例えば、ギヤードモータを洋式便器の便座の開閉駆動装置として用いる場合には、便座の回転中心軸線の一方の端部分に連結されるタイプのものとしても、他方の端部分に連結されるタイプのものとしても用いることができる。また、コネクタに供給される電力の極性を反転させてモータの回転方向を逆転させると、ポテンショメータに印加される電圧の極性が反転するので、出力軸の回転方向を変更した場
合でも、ポテンショメータから出力される信号を処理する制御装置の側では、信号に対する処理を変更することなく回転軸に回転角度を把握して、モータを駆動制御することができる。よって、ギヤードモータを便座の回転中心軸線の一方の端部分に連結されるタイプのものとして用いた場合でも、他方の端部分に連結されるタイプのものとして用いた場合でも、同一の制御装置を用いることができる。さらに、ポテンショメータがケースの内部でコネクタと接続されており、モータへの電力の供給とポテンショメータへの電圧の印加がコネクタを介して行われているので、コネクタと制御装置の間を接続する配線を変更するだけで、モータへ供給される電力の極性およびポテンショメータへ印加される電圧の極性を同時に変更することができる。
また、ポテンショメータと輪列の最終歯車とを中間板部を挟んだ一方側と他方側に配置できるので、ポテンショメータを配置する際にポテンショメータと輪列との干渉を回避できる。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態のギヤードモータを説明する。
【0022】
(全体構成)
図1は本発明のギヤードモータの斜視図である。なお、以下の説明において、説明の便宜上、図の上下に従ってギヤードモータ1の上下を説明する。また、ギヤードモータ1を上方から見たときに、出力軸2が位置する長手方向の一方側をギヤードモータ1の装置前側(装置前方)、その反対側を装置後側(装置後方)とし、装置の前後方向と直交する方向を幅方向として説明する。
図1に示すように、ギヤードモータ1はケース10を備えている。ケース10の前側部分(長手方向の一方の端側部分)の上面10aに設けられた開口11からは、出力軸2が突出している。
【0023】
ケース10は、開口11が形成されている上面10a、出力軸2の軸線L方向で上面10aと対向して当該上面10aと平行に延びている下面10b、および、軸線L方向に延びて上面10aと下面10bの間を連結している側面を備えている。側面は、軸線Lと直交する方向で対向しており、互いに平行に延びている平坦な第1側面部分10cおよび第2側面部分10dと、これら一対の第1、第2側面部分10c、10dの前端を連結している第3側面部分10eおよび後端を連結している第4側面部分10fを備えている。第3側面部分10eは第2側面部分10dの前端から前方に向かって内側に傾斜する傾斜面部分10gと傾斜面部分10gの前端と第1側面部分10cの前端を連結している円弧面部分10hを備えている。第4側面部分10fは、平坦面であり、一対の第1、第2側面部分10c、10dと直交する方向に延びている。ここで、ケース10は、上下方向に積層された下ケース41、中ケース42、上ケース43から構成されている。
【0024】
ケース10において第2側面部分10dと第4側面部分10fによって形成される角部分には、上方から切り欠かれた切り欠き部10iが設けられている。切り欠き部10iの下方にはコネクタ搭載部12が設けられている。コネクタ搭載部12にはギヤードモータ1と外部の制御装置を電気的に接続するケーブル(配線)を接続するためのコネクタ13が配置されており、ケーブルが接続される接続部13aがケース10から露出している。
【0025】
(駆動系)
図2はギヤードモータ1から出力軸2を駆動する駆動系を取り出して示した斜視図である。
図3はギヤードモータ1に搭載されたポテンショメータに印加される電圧の極性と、ポテンショメータから出力される信号の関係を示す説明図である。なお、
図2では、各歯車の噛合関係を分かり易くするために、一部の歯車の歯部を2点鎖線で省略している。
図2に示すように、ケース10内には、出力軸2の駆動源となるモータ14、出力歯車15、第1モータ14の駆動力を減速して出力歯車15に伝達する輪列16、および、角度検出機構17が収納されている。モータ14はケース10の後端部分に収納されており、出力歯車15はケース10の前側部分に収納されている。
【0026】
モータ14は、ブラシ付きDCモータであり、モータ本体20と、モータ本体20から上方に突出する回転軸21を備えている。モータ本体20の下端面からは2本の端子(不図示)が突出しており、これらの端子が剛性基板22に直接ハンダ付けされている。なお、モータ本体20の上端面にはネジ穴20aが設けられており、中ケース42を上方から下方に向かって貫通する有頭ネジ42a(
図7参照)によって中ケース61に固定されている。
【0027】
剛性基板22にはコネクタ13が搭載されており、コネクタ13とモータ14とは剛性基板22に形成された配線パターンを介して電気的に接続されている。モータ14にはコネクタ13に接続されるケーブルを介して外部の制御装置(
図8参照)から電力が供給される。コネクタ13に供給される電力の極性を第1極性から当該第1極性とは反対の第2極性に反転させると、モータ14の回転方向は第1方向から当該第1方向とは逆の第2方向に逆転する。モータ14の回転方向が逆転すると、この逆転に伴って出力歯車15の回転方向が逆転するので、出力軸2の回転方向が逆となる。
【0028】
出力歯車15は、外周面に歯部を備える歯車部25と、歯車部25よりも小径で歯車部25と同軸に形成された筒部26を備えている。筒部26の中心孔は出力軸2の下端部分に設けられた被装着部27が挿入される装着孔28となっており、出力歯車15は、装着孔28がケース10の開口11と同軸上に位置するように配置されている。ここで、出力軸2の被装着部27は、軸線Lを挟んだ両側を平行に切り欠いた一対の切り欠き部27aと、各切り欠き部27aに設けられたリブ27bを備える。リブ27bは軸線L方向に延びている。出力歯車15の装着孔28は、出力軸2の被装着部27と嵌合する形状をしており、出力軸2は、被装着部27が装着孔28に挿入されることにより出力歯車15に着脱可能に装着されて、出力歯車15と一体に回転する状態となる。歯車部25の周方向の一部分からは、当該出力歯車が回転する角度範囲を規制するための回転範囲規制突起29が上方に突出している。
【0029】
輪列16は、モータ14の回転軸21に取り付けられたピニオン30、ピニオン30と噛合する第1複合歯車31、第1複合歯車31と噛合する第2複合歯車32、第2複合歯車32と噛合する第3複合歯車33、第3複合歯車33と噛合する第4複合歯車34を備えており、第4複合歯車34が出力歯車15と噛合している。より具体的には、第1複合歯車31は、第1大径歯車31aと第1大径歯車31aよりも小径で第1大径歯車31aと同軸に設けられた第1小径歯車31bを備えており、第1大径歯車31aがピニオン30と噛合している。第2複合歯車32は、第2大径歯車32aと第2大径歯車32aよりも小径で第2大径歯車32aと同軸に設けられた第2小径歯車32bを備えており、第2大径歯車32aが第1複合歯車31の第1小径歯車31bと噛合している。第3複合歯車33は、第3大径歯車33aと第3大径歯車33aよりも小径で第3大径歯車33aと同軸に設けられた第3小径歯車33bを備えており、第3大径歯車33aが第2複合歯車32の第2小径歯車32bと噛合している。第4複合歯車34は、第4大径歯車34aと第4大径歯車34aよりも小径で第4大径歯車34aと同軸に設けられた第4小径歯車34bを備えており、第4大径歯車34aが第3複合歯車33の第3小径歯車33bと噛合し、第4小径歯車34bが出力歯車15と噛合している。第4小径歯車34bには、出力軸2の角度位置を検出するためのポテンショ歯車35が噛合している。
【0030】
第1複合歯車31は第1支軸36に回転可能に支持されており、第2複合歯車32は第2支軸37に回転可能に支持されている。第3複合歯車33は第3支軸38に回転可能に支持されており、第4複合歯車34は第4支軸39(
図7参照)に回転可能に支持されている。第2複合歯車32の第3大径歯車33aにはラチェットを用いたトルクリミッタ(不図示)が組み込まれている。トルクリミッタは、出力軸2の側から作用する力が出力歯車15を介して輪列16に入力され、所定のトルクを超えたときに、輪列16の伝達を遮断することでその力がモータ14にまで伝達されることを防止するものである。
【0031】
角度検出機構17は、出力軸2の回転角度を検出するためのものであり、ポテンショ歯車35とポテンショ歯車35の回転角度を検出するポテンショメータ40を備えている。ポテンショ歯車35が噛合している第4小径歯車34bは、輪列16を構成する歯車のうち、出力歯車15と噛合する最終歯車である。ポテンショメータ40からはポテンショ歯車35の回転角度に対応する信号が出力される。
【0032】
ポテンショメータ40は、リード線40aを介して剛性基板22と接続されており、剛性基板22に形成された配線パターンを介してコネクタ13と電気的に接続されている。ポテンショメータ40にはコネクタ13に接続されるケーブルを介して外部の制御装置(
図8参照)から電力が供給される。ここで、コネクタ13からポテンショメータ40に供給される電力の極性が第1極性から第2極性に反転すると、ポテンショメータ40に印加される電圧の極性も反転する。より詳細には、
図3(a)に示すように、ポテンショメータ40は第1端子部V1、第2端子部V2および第3端子部Sを備えている。また、ポテンショメータ40には、第1端子部V1と第2端子部V2を介して電圧が印加されるようになっており、コネクタ13に供給される電力の極性が第1極性から第2極性に反転すると、
図3(b)、
図3(c)に示すように、第1端子部V1と第2端子部V2がグラウンド電極とプラス電極の間で入れ替わる。ポテンショメータ40からの信号は、第3端子部Sを介して出力され、リード線40aおよびコネクタ13を介して外部に取り出されて、制御装置に入力される。
【0033】
制御装置からモータ14へ第1極性の電力が供給されると、モータ14の駆動力は輪列16を介して出力歯車15に伝達され、出力歯車15が軸線L回りの第1方向に回転する。出力歯車15と一体に回転する出力軸2からは第1方向の回転が出力される。また、この際には、ポテンショメータ40にはモータ14へ供給される電力と対応する極性の電力、すなわち第1極性の電力が供給され、ポテンショメータ40からは第4小径歯車34bの回転角度の絶対位置を示す信号が出力さる。この信号は、出力軸2の回転角度を示す信号となる。一方、制御装置によってモータ14へ第1極性とは逆となる第2極性の電力が供給されると、モータ14の駆動力は輪列16を介して出力歯車15に伝達される。出力歯車15と一体に回転する出力軸2からは第2方向の回転が出力される。また、この際には、ポテンショメータ40にはモータ14へ供給される電力と同一の極性の電力、すなわち第2極性の電力が供給され、ポテンショメータ40からはポテンショ歯車35(第4小径歯車34b)の回転角度の絶対位置を示す信号が出力さる。この信号は、出力軸2の回転角度を示す信号となる。
【0034】
ここで、
図3(b)、
図3(c)に示すように、ポテンショメータ40から出力される信号(電圧)はポテンショ歯車35が回転する所定の回転可能角度範囲の一方端から他方端に向かって回転角度に伴って線形に変化する信号であり、原点位置(回転可能角度範囲の一方端:電圧が0となる位置)から出力軸2の回転方向への回転角度を直接に示す信号である。また、モータ14へ供給される電力の極性を第1極性から第2極性に反転させて出力軸2の回転方向を第1方向から第2方向に逆転させた場合には、ポテンショメータ40に印加される電力の極性も第1極性から第2極性に反転しているので、この際にも、ポテンショメータ40から出力される信号は原点位置(回転可能角度範囲の他方端:電圧が0となる位置)から出力軸2の回転方向への回転角度を直接に示す信号となっている。従って、出力軸が第2方向に回転している場合でも、出力軸2が第1方向に回転している場合に得られる信号と同様に原点位置を基準とした回転角度を示す信号が得られる。よって、ポテンショメータ40からの信号が入力される制御装置の側では、出力軸2の回転方向が変更された場合でも、ポテンショメータ40から出力される信号に対する処理を変更することなく、出力軸2の回転角度を把握して、モータ14を駆動制御することができる。
【0035】
(ケース)
次に、
図1、
図4〜
図6を参照して、ケース10を詳細に説明する。
図4は下ケース41を上方から見た斜視図である。
図5(a)は中ケース42を上方から見た斜視図であり、
図5(b)は中ケース42を下方から見た斜視図である。
図6は上ケース43を下方から見た斜視図である。
図1に示すように、ケース10は上方から上方に積層された下ケース41、中ケース(第1ケース)42、上ケース(第2ケース)43を備えている。ケース10内には、
図3に示すように、モータ14と、出力歯車15と、輪列16が収納されている。
【0036】
図4に示すように、下ケース41は、その下面がケース10の下面10bとなっている底板部44と、底板部44の外周縁から上方に延びる周壁部45を備えている。底板部44の後端部分には、中ケース42に取り付けられたモータ本体20およびモータ本体20の端子に接続された剛性基板22を配置するモータ配置スペース46と、剛性基板22に搭載された状態のコネクタ13を載置するコネクタ搭載部12が幅方向に並んで設けられている。底板部44の前端部分には出力歯車15を回転可能に支持する出力歯車支持部47が設けられている。出力歯車支持部47は底板部44から軸線方向に突出する円柱部を備えており、この円柱部が出力歯車15の下端面に設けられた円形凹部(不図示)に挿入された状態で出力歯車15を支持する。出力歯車支持部47の円柱部47aは出力歯車15のラジアル軸受として機能し、出力歯車支持部78の底板部44は、出力歯車15のスラスト軸受として機能する。モータ配置スペース46および出力歯車支持部47の間には、第1支軸36、第2支軸37、第3支軸38、第4支軸39の下端をそれぞれ保持する第1支軸下端保持部48a、第2支軸下端保持部48b、第3支軸下端保持部48c、第4支軸下端保持部48dが設けられている。
【0037】
図5に示すように、中ケース42は、その前端部分が出力歯車15を回転可能に保持する出力歯車保持部50となっている。
図5(a)に示すように、出力歯車保持部50は、出力歯車15の筒部26が摺動可能な状態で内側に挿入される保持孔51を備えている。また、
図5(b)に示すように、出力歯車保持部50における保持孔51の外周側には上方に窪む円弧溝52が設けられている。円弧溝52の円弧中心は保持孔51の中心と一致しており、円弧溝52内には出力歯車支持部47に支持された出力歯車15の回転範囲規制突起29が挿入される。出力歯車15は、回転範囲規制突起29が円弧溝52の周方向の端に当接することによって回転範囲が規制される。
【0038】
出力歯車保持部50よりも後側には、中間板部53と、中間板部53の外周縁から上下方向に延びる周壁部54が設けられている。中間板部53は出力歯車保持部50の軸線L方向の途中から後方に向かって延びており、ケース10の内部を軸線L方向で上側(一方側)と下側(他方側)に部分的に仕切っている。中間板部53は、上段部分55と、上段部分55の下面から下方に後退した下段部分56を備えている。下段部分56は、中間板部53の幅方向で第1側面部分10cに近い側の部位であって、出力歯車保持部50に隣接する部位に設けられている。上段部分55の下面と下段部分56の上面の軸線L方向の間には、開口部57が設けられている。
【0039】
図5(b)に示すように、上段部分55の下面側には、後端部分にモータ保持部58が設けられている。モータ保持部58はモータ本体20の上端面を当接させる保持面58aと、モータ14の回転軸21を中間板部53よりも上方に突出させるための貫通孔58bを備えている。モータ本体20の上端面には、上端面より突出した筒状の軸受部20b(
図2参照)が構成されており、軸受部20bが貫通孔58bに勘合することでモータ14の径方向の位置が規定される。モータ保持部58の側方であってケース10の切り欠き部10iの前方には、矩形の挿通孔59が設けられている。モータ保持部58と挿通孔59の間には、第1複合歯車31の第1小径歯車31bを挿通させるための第1複合歯車貫通孔60が設けられている。上段部分55の下面における第1複合歯車貫通孔60の前側には、第2支軸37の上端を保持する第2支軸上端保持部61aと、第4支軸39の上端を保持する第4支軸上端保持部61bが前方に向かってこの順番で設けられている。下段部分56の下面には、第3支軸38の上端を保持する第3支軸上端保持部61cが設けられている。
【0040】
図5(a)に示すように、上段部分55の上面側の前側部分には凹部が設けられている。凹部は、ポテンショメータ40が搭載されるポテンショメータ搭載部62となっている。また、上段部分55の上面の後側部分であって、ケース10の切り欠き部10iの前側位置には挿通孔59が設けられている。ポテンショメータ搭載部62と挿通孔59は、ケース10の第1側面部分10dを規定している周壁部54に沿って設けられた溝63によって連通している。挿通孔59の側方にはモータ14の回転軸21を上方に突出させる貫通孔58bが位置している。挿通孔59および貫通孔58bの前方には第1複合歯車貫通孔60が位置している。下段部分56の上面には、ポテンショ歯車35を回転可能に支持するポテンショ歯車支持部64が設けられている。
【0041】
上ケース43は、中ケース42に積層されて、中間板部53の上方を被う。
図6に示すように、上ケース43は、上面がケース10の上面10aとなっている蓋板部70と、蓋板部70の外周縁から下方に延びる周壁部71を備えている。蓋板部70には第1支軸36の上端を保持する第1支軸上端保持部72aと、ポテンショ歯車35の回転中心軸を回転可能な状態で保持するポテンショ歯車保持部72bが形成されている。また、蓋板部70において、中ケース42に被せられたときに溝63と対向する位置にはリード線押さえ突起73が設けられている。リード線押さえ突起73は、上ケース43が中ケース42に被せられると、その下端部分が溝63の中程まで挿入される。
【0042】
(ギヤードモータの組立て)
図7はギヤードモータの組立て手順の説明図である。ギヤードモータ1を組み立てる際には、
図4、
図7(a)に示すように、下ケース41の出力歯車支持部47に出力歯車15を載置する。また、下ケース41の第1支軸下端保持部48a、第2支軸下端保持部48b、第3支軸下端保持部48c、第4支軸下端保持部48dにそれぞれ第1支軸36、第2支軸37、第3支軸38、第4支軸39を保持させる。そして、第2支軸37、第3支軸38、第4支軸39に、それぞれ第2複合歯車32、第3複合歯車33、第4複合歯車34を回転可能に支持させる。
【0043】
次に、モータ14およびコネクタ13を剛性基板22に搭載するとともに、剛性基板22とポテンショメータ40をリード線40aによって電気的に接続した状態として、モータ14を中ケース42にネジを用いて取付ける。そして、この中ケース42を上方から下ケース41に被せ、出力歯車15の筒部26を出力歯車保持孔51に挿入する。また、第2支軸37、第3支軸38、第4支軸39のそれぞれの上端を、中ケース42の第2支軸上端保持部61a、第3支軸上端保持部61c、第4支軸上端保持部61bによって保持する。さらに、中ケース42の周壁部71の下端縁で剛性基板22の縁を押えた状態とする。また、この際に、ポテンショメータ40を、中間板部53の後側部分に形成された挿通孔59を通過させる。これにより、ポテンショメータ40を中間板部53においてモータ14、コネクタ13および剛性基板22とは反対側に位置させるとともに、ポテンショメータ40と剛性基板22とを接続しているリード線40aを、挿通孔59を介して引き回す。さらに、回転軸21にピニオン30を圧入によって取り付ける。
【0044】
その後、出力歯車15を回転させ、出力歯車15の回転範囲規制突起29を円弧溝52の周方向端部に当接させる。この状態で、ポテンショ歯車35をポテンショ歯車載置部64に載置して第4複合歯車34の小径歯車に噛合させ、ポテンショメータ40をポテンショメータ搭載部62に設置し、ポテンショメータ40によって第4小径歯車34bの回転角度を検出可能な状態とする。また、この際に、ポテンショメータ40と剛性基板22とを接続しているリード線40aを溝63内に配置する。
【0045】
しかる後に、第1支軸36に第1複合歯車31を支持させる。これにより、第1複合歯車31の第1大径歯車31aとピニオン30が噛合した状態となり、第1複合歯車31の第1小径歯車31bは貫通孔58bから中間板部53よりも下方に突出して、第2複合歯車32の第2第径歯車と噛合した状態となる。またポテンショメータ40と剛性基板22とを接続しているリード線40aは、挿
通孔
59から第1小径歯車31bの軸線L方向の下方を通過して溝63内をポテンショメータ搭載部62に至るように引き回された状態となる。この状態が
図7(b)に示す状態である。
【0046】
図7(b)に示す状態では、中間板部53の上段部分55の上側には、モータ14の回転軸21に取り付けられたピニオン30と第1複合歯車31の第1大径歯車31aが配置されている。また、溝63はポテンショメータ搭載部62から第1大径歯車31aの下側を経由して挿通孔59に達している。挿通孔59と第1大径歯車31aとは軸線L方向から見たときに一部分が重なっている。さらに、中間板部53の上段部分55にはポテンショメータ40が配置され、下段部分56にはポテンショ歯車35が配置されている。ポテンショメータ40と剛性基板22を接続するリード線40aは、溝63内および挿通孔59内を引き回されており、第1大径歯車31aの軸線L方向の下側を通過している。
【0047】
その後に、上ケース43を上方から中ケース42に被せ、第1支軸36上端を上ケース43の第1支軸上端保持部72aよって保持する。また、ポテンショ歯車35の中心軸をポテンショ歯車保持部72bによって回転可能に保持する。ここで、上ケース43を上方から中ケース42に被せる際に、上ケース43のリード線押さえ突起73が中ケース42の溝63の中程まで挿入されるので、溝63内を引き回されているリード線40aはリード線押さえ突起73によって上方から抑えられ、浮き上がらない状態となる。
【0048】
(蓋体駆動装置)
次に、ギヤードモータ1を搭載する蓋体駆動装置を説明する。
図8は本発明を適用したギヤードモータ1を搭載する蓋体駆動装置の説明図である。本例の蓋体駆動装置100は、ギヤードモータ1と、ギヤードモータ1を駆動制御する制御装置101と、ギヤードモータ1と制御装置101との間を電気的に接続しているコネクタケーブル102を備えている。制御装置101はコネクタケーブル102を介してポテンショメータ40から送られてくる信号に基づいて、ギヤードモータ1のモータ14への給電を制御する。制御装置101はコネクタケーブル102が着脱可能に接続される制御装置側コネクタ101aを備えている。ギヤードモータ1は、その出力軸2が、予め定めた回転中心軸線L1回りに回動する蓋体105に対して当該出力軸2の軸線Lと当該回転中心軸線L1とを一致させた状態で当該蓋体105に連結される。
【0049】
コネクタケーブル102は、一方の端にギヤードモータ1のコネクタ13と接続可能な第1コネクタ102aを備え、他方の端に、制御装置側コネクタ101aと接続可能な第2コネクタ102bを備えている。コネクタケーブル102は、モータ14への給電を行うための一対の給電ライン、ポテンショメータ40への給電を行うための一対の給電ライン、および、ポテンショメータ40からの信号を取得するための信号ラインを備えるものである。ポテンショメータ40への給電を行うための一対の給電ラインは、ポテンショメータ40の第1端子部V1と第2端子部V2に電気的に接続されるものであり、信号ラインはポテンショメータ40の第3端子部Sに電気的に接続されるものである。
【0050】
また、コネクタケーブル102としては、第1コネクタケーブル102(1)と、第2コネクタケーブル102(2)が用意されている。第1コネクタケーブル102(1)はモータ14への給電を行う一対の給電ラインおよびポテンショメータ40への給電を行う一対の給電ラインのそれぞれがストレートとされているケーブルであり、第2コネクタケーブル102(2)はモータ14への給電を行う一対の給電ラインおよびポテンショメータ40への給電を行う一対の給電ラインのそれぞれがクロスになっているケーブルである。
【0051】
ここで、
図8(a)に示すように、ギヤードモータ1が蓋体105の一方側に連結されている場合には、コネクタケーブル102として第1のコネクタケーブル102(1)が用いられている。ギヤードモータ1が蓋体105の他方側に連結されている場合には、コネクタケーブル102として第2のコネクタケーブル102(2)が用いられている。
【0052】
(作用効果)
本例では、コネクタ13を介してモータ14に供給される電力の極性を反転させると、出力軸2の回転方向が逆転する。従って、ギヤードモータ1を洋式便器の便座や便蓋や洗濯機の上面に設けられた蓋などの蓋体駆動装置100として用いる場合には、蓋体105の回転中心軸線の一方の端部分に連結されるタイプものとしても、他方の端部分に連結されるタイプのものとしても用いることができる。
【0053】
また、本例では、出力軸2の回転角度を検出する角度検出機構17としてポテンショメータ40を用いているとともに、モータ14へ供給される電力の極性を反転させて出力軸2の回転方向を変更させる際には、ポテンショメータ40に印加される電圧の極性も反転する。従って、ポテンショメータ40からの信号が入力される制御装置101の側では、出力軸2の回転方向が変更された場合でも、ポテンショメータ40から出力される信号に対する処理を変更することなく、出力軸2の回転角度を把握して、モータ14を駆動制御することができる。
【0054】
さらに、本例では、ポテンショメータ40がケース10の内部でコネクタ13と接続されており、制御装置101からモータ14への電力の供給とポテンショメータ40への電圧の印加がコネクタ13を介して行われている。従って、コネクタ13と制御装置101の間を接続するコネクタケーブル102を変更することによって、モータ14へ供給される電力の極性およびポテンショメータ40へ印加される電圧の極性を同時に変更することができる。すなわち、モータ14およびポテンショメータ40への給電を行う各給電ラインがストレートとされている第1コネクタケーブル102(1)と、これらがクロスになっている第2コネクタケーブル102(2)との間でケーブルを交換すれば、制御装置101からモータ14へ供給される電力の極性およびポテンショメータへ印加される電圧の極性を容易に変更でき、ギヤードモータ1の出力軸2の回転方向を変更することができる。
【0055】
また、本例では、中ケース42は、ケース10内を軸線L方向で部分的に仕切る中間板部53を備えており、中間板部53の上側(一方側)には、ポテンショメータ40が配置されており、下側(他方側)には、出力歯車15、輪列16において出力歯車15と噛合している第4小径歯車34bが配置されている。また、ポテンショメータ40は、第4小径歯車34bに噛合するポテンショ歯車35の回転角度を検出している。従って、ポテンショメータ40と出力歯車15および第4小径歯車34bが干渉することがない。
【0056】
さらに、中間板部53には、ポテンショメータ40を中間板部53の下側から上側に通過させることが可能な挿通孔59が設けられており、リード線40aは挿通孔59内を引き回されている。すなわち、本例では、ギヤードモータ1を組み立てる際に、剛性基板22とポテンショメータ40の間をリード線40aで接続した後に、挿通孔59を介してポテンショメータ40を中間板部53の下側から上側に通過させ、しかる後にポテンショメータ40を中間板部53のポテンショメータ40搭載部62に設置している。ここで、ポテンショメータ40をポテンショメータ40搭載部62に設置した後に、剛性基板22から延びるリード線40aとポテンショメータ40とをハンダ付けするのではハンダ付けを行う作業を行うことが容易ではなく、ハンダがケース10内に飛散してしまう可能性があるが、本例では、剛性基板22から延びるリード線40aとポテンショメータ40とをハンダ付けした後に、ポテンショメータ40をケース10内の所定の位置に設置しているので、ハンダ付けが容易であり、ハンダがケース10内に飛散することもない。
【0057】
また、本例では、リード線40aは軸線L方向から見たときに第1大径歯車31aと重なる位置に設けられた溝63内を引き回されているので、第1大径歯車31aがリード線40aを噛み込むことが防止されている。
【0058】
さらに、本例では、挿通孔59が軸線L方向から見たときに第1大径歯車31aと部分的に重なる位置に設けられている。すなわち、中間板部53において第1大径歯車31aにより隠れてデッドスペースとなる部分に挿通孔59を設けているので、挿通孔59を設けることによりギヤードモータ1が大型化することを抑制できる。
【0059】
ここで、洋式便器の便座および便蓋の開閉装置として本例の蓋体駆動装置100を2つ用いる場合には、便座の回転中心軸と便蓋の回転中心軸線とが近い位置で平行に配列されるので、各蓋体駆動装置100のギヤードモータ1の双方を便座および便蓋の回転中心軸線方向の一方側に配置することができないことがある。すなわち、各ギヤードモータ1のケース10が互いに干渉してしまい、一方のギヤードモータ1の出力軸2を便座の回転中心軸と同軸に配置したときに、他方のギヤードモータ1の出力軸2を便蓋の回転中心軸と同軸に配置することができなくなることがある。このような場合に、本例の蓋体駆動装置100では、出力軸2の回転方向を変更することが容易なので、一方の蓋体駆動装置100のギヤードモータ1を便座および便蓋の回転軸線方向の他方側に配置することが可能であり、同一の蓋体駆動装置100を2つ用いて便座と便蓋を駆動できる。