特許第6046456号(P6046456)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6046456ボタンスイッチ構造およびそれを用いた表示装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6046456
(24)【登録日】2016年11月25日
(45)【発行日】2016年12月14日
(54)【発明の名称】ボタンスイッチ構造およびそれを用いた表示装置
(51)【国際特許分類】
   H01H 13/14 20060101AFI20161206BHJP
   H01H 9/16 20060101ALI20161206BHJP
   H01H 13/02 20060101ALI20161206BHJP
   H01H 21/00 20060101ALI20161206BHJP
【FI】
   H01H13/14 Z
   H01H9/16 A
   H01H13/02 A
   H01H21/00 330B
【請求項の数】9
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2012-249379(P2012-249379)
(22)【出願日】2012年11月13日
(65)【公開番号】特開2014-99277(P2014-99277A)
(43)【公開日】2014年5月29日
【審査請求日】2015年10月15日
(73)【特許権者】
【識別番号】000227205
【氏名又は名称】NECプラットフォームズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109313
【弁理士】
【氏名又は名称】机 昌彦
(74)【代理人】
【識別番号】100124154
【弁理士】
【氏名又は名称】下坂 直樹
(72)【発明者】
【氏名】内田 素光
【審査官】 出野 智之
(56)【参考文献】
【文献】 特開2000−215773(JP,A)
【文献】 特開2008−192407(JP,A)
【文献】 実開昭58−044717(JP,U)
【文献】 実開昭60−065935(JP,U)
【文献】 実開昭57−110823(JP,U)
【文献】 実開昭64−031637(JP,U)
【文献】 特開平10−199366(JP,A)
【文献】 特開2006−086099(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01H 13/14
H01H 9/16
H01H 13/02
H01H 21/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
スイッチ部と、前記スイッチ部を押圧する操作ボタン部を有し、
前記操作ボタン部は、
キートップ部と、
前記スイッチ部と当接するスイッチ押下部と、
前記キートップ部と前記スイッチ押下部とを連結するボタン支持部、とを備え、
前記ボタン支持部を底部とする溝形状であり、
前記スイッチ部は、表示部を備えた操作対象装置を制御する機能を有し、
前記操作ボタン部は、前記表示部の端部を収容する溝形状である
ボタンスイッチ構造。
【請求項2】
前記操作ボタン部は、前記ボタン支持部の側壁に設けられた凸状の摺動部を有し、前記摺動部に沿って前記スイッチ部に向かう方向に可動である
請求項1に記載したボタンスイッチ構造。
【請求項3】
前記操作ボタン部は、前記ボタン支持部の底面に設けられ、前記スイッチ部に向けて延伸する凹状のレール溝を有する
請求項1または2に記載したボタンスイッチ構造。
【請求項4】
前記キートップ部は、操作ボタンと、前記操作ボタンを装着する前面板部を有し、
前記前面板部は、回転機構を備える請求項1に記載したボタンスイッチ構造。
【請求項5】
表示部と、ボタンスイッチ構造と、筐体を有し、
前記ボタンスイッチ構造は、スイッチ部と前記スイッチ部を押圧する操作ボタン部を有し、
前記操作ボタン部は、
キートップ部と、
前記スイッチ部と当接するスイッチ押下部と、
前記キートップ部と前記スイッチ押下部とを連結するボタン支持部、とを備え、
前記ボタン支持部を底部とし、前記表示部の端部を収容する溝形状である
ボタンスイッチ構造を用いた表示装置。
【請求項6】
前記操作ボタン部は、前記ボタン支持部の側壁に設けられた凸状の摺動部を有し、前記摺動部に沿って前記スイッチ部に向かう方向に可動であり、
前記筐体は、前記摺動部を部分的に収容するガイドレールを有する
請求項に記載したボタンスイッチ構造を用いた表示装置。
【請求項7】
前記操作ボタン部は、前記ボタン支持部の底面に設けられ、前記スイッチ部に向けて延伸する凹状のレール溝を有し、
前記筐体は、前記レール溝と嵌合する凸状のレールを有する
請求項5または6に記載した表示装置。
【請求項8】
前記操作ボタン部の前記キートップ部は、操作ボタンと、前記操作ボタンを装着する前面板部を有し、
前記前面板部は、回転軸を備え、
前記筐体は、前記回転軸と嵌合する軸受を有する
請求項に記載したボタンスイッチ構造を用いた表示装置。
【請求項9】
前記筐体は、前記スイッチ部を搭載するスイッチ基板と、前記スイッチ基板に搭載されたLED素子を有し、
前記スイッチ押下部は、前記LED素子の発光する光を透過する入光部を備える
請求項5から8のいずれか一項に記載したボタンスイッチ構造を用いた表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ボタンスイッチ構造およびそれを用いた表示装置に関し、特に、操作対象物と同一面に配置されるボタンスイッチ構造およびそれを用いた表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
車載するナビゲーション装置などの、操作対象物である画面ユニットと操作ボタンが同一面に配置される装置では、ユーザの操作性や視認性を向上させて商品性を高める必要がある。そのため、限られた筐体サイズの中で画面サイズを大きくすることが求められている。
【0003】
画面サイズを最大にするために、操作ボタンを含むボタンスイッチを画面ユニットの前部に重ねて配置する構成が一般に用いられている。
【0004】
しかしながら、この方法では、画面ユニットの前部にボタンスイッチが配置されるため、操作ボタンが画面ユニットの前方に大きく飛び出し外観を損ねるという課題がある。このとき、操作ボタンの飛び出しを抑えるためにボタンスイッチのスイッチ部にフレキシブル基板やシートキーを使用する方法があるが、操作ボタンの操作性が低下したり、部品が高価であるため製造コストが増大するという課題がある。また、スイッチ部が画面ユニットの前部に配置される構造では、操作ボタンの操作部から侵入する静電気がスイッチ部におよぼす影響を低減するため、操作部とスイッチ部との間に一定の空間距離を確保する必要がある。そのため、操作ボタンの外観形状はさらに飛び出した形状になってしまう、という課題がある。
【0005】
このような課題を解決する技術の一例が特許文献1に記載されている。特許文献1に記載されたプラズマディスプレイ装置では、パネルの下部に奥行方向に摺動可能な電源ボタンが配設され、パネルの背部には電源のON−OFFを行うプッシュ式の電源スイッチが電源ボタンの操作ストローク方向に対して直角方向の操作ストロークを有するように配置されている。さらに、この電源スイッチと電源ボタンとの間には、一端が電源ボタンの一端に当接するとともに他端が電源スイッチの操作レバーに当接する回動レバーが、軸により回動可能に軸支されて配設されている。このように構成したボタンスイッチ構造により、ユーザが押す電源ボタンの操作ストローク方向に対して、電源スイッチの操作ストローク方向を90°の位置に配置することが可能となる。これにより、回路上の電源スイッチとして特に小型のものを使用することなく、セットの奥行寸法を薄くすることができる、としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2004−71344号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1に記載されたボタンスイッチ構造では、電源ボタンがパネルの下部に配置されている。そのため、従来と同じ画面サイズを保とうとすると、筐体サイズが大きくなってしまう。一方、車載に用いる場合など、設置場所の高さに制限がある場合には画面サイズを小さくせざるを得ない、という課題があった。
【0008】
また、特許文献1に記載されたボタンスイッチ構造は回動レバーが必要であるため、構成が複雑になってしまう、という問題もあった。
【0009】
このように、関連するボタンスイッチ構造においては、表示装置などの操作対象装置の外観形状を阻害することなく、簡易な構成で操作対象装置の表示領域を最大化することが困難である、という課題があった。
【0010】
本発明の目的は、上述した、簡易な構成で表示装置などの操作対象装置の外観形状を阻害することなく、操作対象装置の表示領域を最大化することが困難である、という課題を解決するスイッチボタン構造およびそれを用いた表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明のスイッチボタン構造は、スイッチ部と、スイッチ部を押圧する操作ボタン部を有し、操作ボタン部は、キートップ部と、スイッチ部と当接するスイッチ押下部と、キートップ部とスイッチ押下部とを連結するボタン支持部、とを備え、ボタン支持部を底部とする溝形状である。
【0012】
本発明の表示装置は、表示部とボタンスイッチ構造と筐体を有し、ボタンスイッチ構造は、スイッチ部とスイッチ部を押圧する操作ボタン部を有し、操作ボタン部は、キートップ部と、スイッチ部と当接するスイッチ押下部と、キートップ部とスイッチ押下部とを連結するボタン支持部、とを備え、ボタン支持部を底部とし、表示部の端部を収容する溝形状である。
【発明の効果】
【0013】
本発明のスイッチボタン構造およびそれを用いた表示装置によれば、表示装置などの操作対象装置の外観形状を阻害することなく、簡易な構成で操作対象装置の表示領域を最大化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の第1の実施形態に係るボタンスイッチ構造の構成を示す断面図である。
図2】本発明の第2の実施形態に係るボタンスイッチ構造を用いた表示装置の構成を示す(a)正面図、(b)側面断面図である。
図3】本発明の第2の実施形態に係るボタンスイッチ構造を用いた表示装置の構成を示す(a)斜視図、(b)分解斜視図、(c)部分斜視図である。
図4】本発明の第2の実施形態に係るボタンスイッチ構造の動作を説明するための部分斜視図である。
図5】本発明の第3の実施形態に係るボタンスイッチ構造を用いた表示装置の(a)構成を示す側面断面図、(b)動作を説明するための側面断面図である。
図6】発明の第3の実施形態に係るボタンスイッチ構造を用いた表示装置の別の構成を示す断面図である。
図7】本発明の第4の実施形態に係るボタンスイッチ構造の構成を示す(a)側面断面図、(b)部分斜視図である。
図8】本発明の第5の実施形態に係るボタンスイッチ構造を用いた表示装置の構成を示す(a)斜視図、(b)断面図である。
図9】関連するボタンスイッチ構造を用いた表示装置の構成を示す(a)斜視図、(b)断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に、図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係るボタンスイッチ構造の構成を示す断面図である。本実施形態のボタン構造100は、スイッチ部10とスイッチ部10を押圧する操作ボタン部20を有する。操作ボタン部20は、キートップ部21と、スイッチ部10と当接するスイッチ押下部22と、キートップ部21とスイッチ押下部22とを連結するボタン支持部23とを備える。ここで操作ボタン部20は、キートップ部21とスイッチ押下部22が対向し、ボタン支持部23を底部とする溝形状である。
【0016】
また、スイッチ部10は表示部を備えた操作対象装置を制御する機能を有し、操作ボタン部20は表示部30の端部を収容することが可能な溝形状である。
【0017】
本実施形態によるスイッチボタン構造は、ボタン支持部23を介してキートップ部21とスイッチ部10とを連結する構成としているので、表示部30から突出する部分はキートップ部21だけとなる。しかも、操作ボタン部20が溝形状であることから表示部の端部を収容することができる。このように本実施形態のスイッチボタン構造によれいば、表示装置などの操作対象装置の外観形状を阻害することなく、簡易な構成で操作対象装置の表示領域を最大化することができる。
(第2の実施形態)
図2は、本発明の第2の実施形態に係るボタンスイッチ構造を用いた表示装置の構成を示す(a)正面図、(b)側面断面図である。図2(a)に示すように、本実施形態の表示装置200は表示部30とボタンスイッチ構造100と筐体40を有する。図2(a)のAA´線断面図である図2(b)に示すように、ボタンスイッチ構造100はスイッチ部10とスイッチ部10を押圧する操作ボタン部20を有する。操作ボタン部20は、キートップ部21と、スイッチ部10と当接するスイッチ押下部22と、キートップ部21とスイッチ押下部22とを連結するボタン支持部23とを備える。ここで、操作ボタン部20は、ボタン支持部23を底部とし、表示部30の端部を収容する溝形状である。
【0018】
以下では具体的に、表示装置200としてナビゲーション装置を例に挙げて構成を説明する。図3に、本発明の第2の実施形態に係るボタンスイッチ構造を用いた表示装置の構成を示す。図3(a)は斜視図、(b)は分解斜視図、(c)は部分斜視図である。
【0019】
ナビゲーション装置201は図3(a)に示すように、地図などを表示する表示部30と操作を行うためのボタンスイッチ構造100を有する操作パネルユニット41とナビゲーション機能の制御を行う基板を格納する本体ユニット42を備える。
【0020】
操作パネルユニット41には、図3(b)に示すように、操作パネル43の内部にタッチパネル31とLCD(Liquid Crystal Display:液晶パネル)32からなる表示エリアを最大化した表示部30と、ボタンスイッチ構造100を構成する操作ボタン部20が組み込まれる。さらに、操作ボタン部20の過剰な押し込みを防止するためのストッパー機能を有するホルダ50を組み込む構成としてもよい。
【0021】
本体ユニット42には、図3(b)に示すように、操作ボタン部20で押下するスイッチ部10を搭載したスイッチ基板11が組み込まれている。スイッチ基板11が本体ケース44に固定されて本体ユニット42を構成し、本体ユニット42は表示部30の背面側に配置される。図示していないが、本体ケース44はナビゲーション装置としての機能を制御するための各種基板が組み込まれる。
【0022】
ここで、操作ボタン部20について図3(c)を用いて詳細に説明する。操作ボタン部20は、ユーザ操作によって押下されるキートップ部21と、スイッチ部10を押下するためのスイッチ押下部22と、キートップ部21で受けたユーザのボタン操作による変位をスイッチ押下部22へ伝達するためのボタン支持部23で形成される。ボタン支持部23はキートップ部21とスイッチ押下部22の底部を連結する構成とすることができるので、このボタン支持部23の上部に表示部30を配置することで、表示部30のサイズを大きくすることが可能となる。なお、通常用いられる操作パネルユニット41ではタッチパネル31から出ているフレキケーブルを、LCD32の背面まで通すために表示部30と操作パネル43との間には数mmの隙間が存在している。そこで、ボタン支持部23をこの隙間に配置する構成とすることもできる。
【0023】
なお、図3(c)に示すように、操作ボタン部20は、ボタン支持部23の側壁に設けられた凸状の摺動部24を有し、摺動部24に沿ってスイッチ部10に向かう方向に可動である構成とすることができる。また、操作ボタン部20は、ボタン支持部23の底面に設けられ、スイッチ部10に向けて延伸する凹状のレール溝25を有する構成としてもよい。なお、レース溝25は、数設けてもよい。
【0024】
このとき、操作パネル43は図4に示す様に、摺動部24を覆うように設けられたガイドレール45と、レール溝25と嵌合する凸状のレール46を有する構成とすればよい。
【0025】
次に、図4を用いて、本発明のスイッチボタン構造100の動作について説明する。図4は、本発明の第2の実施形態に係るボタンスイッチ構造の動作を説明するための部分斜視図である。
【0026】
図4に示すように、操作ボタン部20は、操作パネル43に形成したガイドレール45で上下方向を規制され前後に摺動させるための摺動部24と、操作パネル43に形成したレール46で左右方向を規制され前後に摺動させるためのレール溝25を備える。操作ボタン部20の摺動部24とレール溝25を操作パネル43のガイドレール45とレール46に沿って挿し込むことにより、摺動方向が前後方向のみに規制された状態となり、摺動部24とレール溝25に沿ってスイッチ部10に向かう方向にのみ可動となる。
【0027】
そして図2に示すように、キートップ部21とスイッチ押下部22の間で、かつ、レール溝25と嵌合するレール46の上部に表示部30を配置する。このとき、ボタン支持部23は、表示部30と操作パネル43の間にもともと存在する隙間に形成することができるので、表示部30として表示エリアが最大のユニットを選定することができる。
【0028】
また、操作パネル43のガイドレール45をボタン支持部23より高い位置に形成し、ガイドレール45と表示部30が当接する構成としてもよい。このような構成とすることで、操作ボタン部20が表示部30と接触することを回避でき、ユーザのボタン操作に伴う操作ボタン部20の摺動が表示部30によって阻害されることがなくなる。
【0029】
なお、操作ボタン部20のスイッチ押下部22は、スイッチ部10にプリテンションが掛かる位置に配置すればよい。
【0030】
以上により、キートップ部21がユーザによって押下されると、ボタン支持部23を通じてスイッチ押下部22がスイッチ部10を押すことになる。これにより、操作ボタンスイッチとして機能するスイッチボタン構造100が構成される。
【0031】
なお、図2に示すように、キートップ部21とボタン支持部23との連結部26、及び、ボタン支持部23とスイッチ押下部22との連結部27の2箇所に、スイッチの押下力(一般的には1〜2N程度)に耐えられる補強構造を設ける構成としてもよい。これにより、ボタン支持部23の厚さを薄くした場合でも部品強度を維持でき、ユーザのボタン操作時の押下げ力による破損を防ぐことができる。もしくは、ボタン支持部23を構成する材料自体を十分に強度の高い材料にすることとしてもよく、また、その両方を行うこととしてもよい。
【0032】
以上述べたように、本実施形態のスイッチボタン構造およびそれを用いた表示装置によれば、スイッチ部10およびスイッチ基板11を表示部30の背面側に配置できるようになる。そのため、表示部30の前面側には必要なボタン構造だけを最小化して設けることができる。従って、操作パネル外観における操作部の突出を最小限に抑えることができ、操作パネルの外観としてフラットな面を提供することができる。このとき、スイッチ基板11がユーザ操作部(キートップ部21近傍)から物理的に距離が離れることになるため、ユーザから放出される静電気に対してもスイッチ基板11が影響を受けにくくなるという効果を得られる。
【0033】
すなわち、本実施形態のスイッチボタン構造およびそれを用いた表示装置によれば、表示装置などの操作対象装置の外観形状を阻害することなく、簡易な構成で操作対象装置の表示領域を最大化することができる。
【0034】
なお、本実施形態では、スイッチ部10とボタン操作部20を複数設けた例を示したが、スイッチ部10とボタン操作部20の個数に制限はない。
(第3の実施形態)
図5に、本発明の第3の実施形態に係るボタンスイッチ構造を用いた表示装置を示す。図5(a)はその表示装置の構成を示す断面図、(b)はその表示装置の動作を説明するための側面断面図である。図5(a)に示すように、本実施形態の表示装置300は表示部30とボタンスイッチ構造400と筐体を有する。ボタンスイッチ構造400はスイッチ部410とスイッチ部410を押圧する操作ボタン部420を有する。操作ボタン部420は、キートップ部421と、スイッチ部410と当接するスイッチ押下部422と、キートップ部421とスイッチ押下部422とを連結するボタン支持部423、とを備える。ここで、操作ボタン部420はボタン支持部423を底部とする溝形状であり、表示部30の端部を収容する。さらに、キートップ部421は、操作ボタン426と、操作ボタン426を装着する前面板部427を有し、前面板部427は回転機構428を備えている。第2の実施形態とは、キートップ部の構成が異なり、ボタンスイッチ構造がスイッチ部方向へ摺動するためのレール構造の代わりに回転機構428を備える点が異なる。
【0035】
図5(a)と(b)を用いて、回転機構428の構成及び動作について詳細に説明する。前面板部427の上部に回転軸429を設け、筐体を構成する操作パネル343に回転軸429を嵌合させる軸受347を設ける。回転軸429と軸受347を嵌合させ、操作ボタン部420を操作パネル343に固定する。第2の実施形態と同様に、操作ボタン部420のボタン支持部423を底部とする溝形状部に表示部30を配置し、その背面にスイッチ基板311を固定する。このような構成とすることにより、操作ボタン426が押下げられると、回転軸429を中心として操作ボタン部420が変位する。これにより、スイッチ押下部422がスイッチ部410を押下げることができる。
【0036】
このように本実施形態によれば、第2の実施形態で述べたレール構造を有するボタンスイッチ構造と同等な操作ボタンスイッチの機能を有するスイッチボタン構造を構成することができる。したがって、本実施形態のボタンスイッチ構造およびそれを用いた表示装置によれば、摺動部とガイドレール、および、レールとレール溝を設ける必要がない。そのため、表示装置などの操作対象装置の外観形状を阻害することなく、より簡易な構成で操作対象装置の表示領域を最大化することができる。
【0037】
また、図6に示すように、キートップ部421の前面板部427とボタン支持部423を別部材として形成し、回転軸430で連結する構成としてもよい。図6は、本発明の第3の実施形態に係るボタンスイッチ構造を用いた表示装置の別の構成を示す断面図である。このような構成とすることにより、ユーザがキートップ部421を押下したとき、操作ボタン部420が回転軸430を介して滑らかに動作することが可能となるので、ユーザの操作感をさらに向上させることができる。
(第4の実施形態)
図7は、本発明の第4の実施形態に係るボタンスイッチ構造を示す(a)側面断面図、(b)部分斜視図である。本実施形態のボタンスイッチ構造500はスイッチ部510と、スイッチ部510を押圧する操作ボタン部520を有する。操作ボタン部520は、キートップ部521と、スイッチ部510と当接するスイッチ押下部522と、キートップ部521とスイッチ押下部522とを連結するボタン支持部523とを備える。ここで、操作ボタン部520は、ボタン支持部523を底部とする溝形状である。さらに、スイッチ部510の下方にLED(Light Emitting Diode:発光ダイオード)15を有する。第2の実施形態とは、LED15を付加した点が異なる。このような構成としたことにより、操作ボタン部520のキートップ部521に描画されたキートップ文字を照光することができる。なお、LED15はスイッチ部510とともにスイッチ基板511上に搭載した構成とすることができる。
【0038】
照光機能を付加した操作ボタン部520は、操作ボタン部520の内部を光が透過できるよう透明な材料もしくは拡散剤入りの乳白色の材料で形成する。また、操作ボタン部520の表面全体には、内部を透過する光が外部へ漏れないように塗装を施しておくことが望ましい。但し、LED15から操作ボタン部520の内部への光の入光部14は光を透過させるため、透明性の塗装材料を用いるか、または塗装を施さない構成としてもよい。また、キートップ文字を照光させるため、キートップ文字部の塗装はレーザーエッチング等で剥がしておく。さらに、操作ボタン部520の摺動の妨げにならないように、摺動部524とレール溝525も塗装しないことが望ましい。
【0039】
図7(b)では、レール溝525がボタン支持部523の両端部に形成された場合を示す。しかし、レール溝525の位置はこれに限らず、照光の輝度を確保するため、キートップ文字とLED15の配置に基づいて光の導光の妨げにならない位置に配置すればよい。
【0040】
LED15とスイッチ部510を搭載したスイッチ基板511は、操作ボタン部520の背面側に、操作ボタン部520のボタン押下部522に設けられた入光部14とLED15が対向するように配置する。このような構成とすることにより、LED15から発せられた光が、操作ボタン部520の入光部14から操作ボタン部520の中に入光し、光漏れをすることなく操作ボタンのキートップ部521まで導光され、キートップ文字を照光することが可能となる。
【0041】
以上述べたように、本実施形態に係るボタンスイッチ構造を用いると、表示装置などの操作対象装置の外観形状を阻害することなく、簡易な構成で操作対象装置の表示領域を最大化することができる。さらに、本実施形態のスイッチボタン構造を用いた表示装置によれば、ナビゲーション装置等で一般的に採用される照光機能を簡易かつ安価な構成で付加することができる。
(第5の実施形態)
図8は、本発明の第5の実施形態に係るボタンスイッチ構造を用いた表示装置の構成を示す断面図である。図8(a)に示すように、本実施形態の表示装置600は表示部30とボタンスイッチ構造700と筐体40を有する。図8(b)は表示装置600の上面と平行方向で切断した断面図である。同図に示すように、ボタンスイッチ構造700はスイッチ部710とスイッチ部710を押圧する操作ボタン部720を有する。操作ボタン部720は、キートップ部721と、スイッチ部710と当接するスイッチ押下部722と、キートップ部721とスイッチ押下部722とを連結するボタン支持部723とを備える。ここで、操作ボタン部720は、ボタン支持部723を底部とした溝形状であり、表示部30の端部を収容している。第2の実施形態とは、ボタンスイッチ構造700が表示部30の下部でなく、左右に配置されている点が異なる。
【0042】
表示部30の左右にボタンスイッチ構造700を配置する構成とした場合、図9に示した関連するボタンスイッチ構造では操作パネル外観の突出21が大きいため、表示範囲Bに対して画面視野角Dが大幅に狭くなってしまう。そのため、画面全体を有効に活用するために、画面サイズを小さくして、外観形状における突出量の影響を低減できる表示装置を採用する必要があった。しかしながら、本実施形態のボタンスイッチ構造700を用いると、操作パネル外観における突出量を最小に抑えることができるため、画面の表示範囲Bを最大範囲である図9と同様の画面サイズとした場合であっても、画面視野角Cを拡大することができ、製品品質として必要な角度まで広げることができる。
【0043】
なお、上述の説明では、ボタン構造700を表示部の左右に配置した場合について説明したが、これに限らず、ボタンスイッチ構造700は表示部30の周囲の任意の位置に配置することができる。
【0044】
以上述べたように本実施形態に係るボタンスイッチ構造およびそれを用いた表示装置によれば、画面視野角の低減を招くことなく、ボタンスイッチ構造を表示部の周囲の所望の位置に配置することができる。
【0045】
本発明は上記実施形態に限定されることなく、特許請求の範囲に記載した発明の範囲内で、種々の変形が可能であり、それらも本発明の範囲内に含まれるものであることはいうまでもない。
【符号の説明】
【0046】
10、410、510、710 スイッチ部
11、311、511 スイッチ基板
14 入光部
15 LED
20、420、520、720 操作ボタン部
21、421、521、721 キートップ部
22、422、522、722 スイッチ押下部
23、423、523、723 ボタン支持部
24、524 摺動部
25、525 レール溝
26、27 連結部
30 表示部
31 タッチパネル
32 LCD
40 筐体
41 操作パネルユニット
42 本体ユニット
43、343 操作パネル
44 本体ケース
45 ガイドレール
46 レール
50 ホルダ
100、400、500、700 ボタンスイッチ構造
200、300、600 表示装置
201 ナビゲーション装置
347 軸受
426 操作ボタン
427 前面板部
428 回転機構
429、430 回転軸
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9