(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6046498
(24)【登録日】2016年11月25日
(45)【発行日】2016年12月14日
(54)【発明の名称】携帯電子機器
(51)【国際特許分類】
H04M 1/02 20060101AFI20161206BHJP
【FI】
H04M1/02 C
【請求項の数】4
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2013-3937(P2013-3937)
(22)【出願日】2013年1月11日
(65)【公開番号】特開2014-135701(P2014-135701A)
(43)【公開日】2014年7月24日
【審査請求日】2015年12月15日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006633
【氏名又は名称】京セラ株式会社
(72)【発明者】
【氏名】石田 新
(72)【発明者】
【氏名】平岡 通明
(72)【発明者】
【氏名】三宅 貴士
(72)【発明者】
【氏名】一木 慎太郎
(72)【発明者】
【氏名】音羽 修平
(72)【発明者】
【氏名】水野 浩行
【審査官】
白川 瑞樹
(56)【参考文献】
【文献】
特開2014−045295(JP,A)
【文献】
特開2012−230678(JP,A)
【文献】
特開2006−293926(JP,A)
【文献】
特開2001−128278(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F1/00
1/16−1/18
H04M1/02−1/23
H05K5/00−5/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体と、
前記筐体の周縁部に接着される表示パネルと、
光センサと、を備え、
前記筐体は、
前記周縁部に、前記表示パネルと前記筐体とを接着する接着剤が塗布される第1塗布領域を有し、
挿脱手段が挿脱されるコネクタ部を露出させる開口部が設けられ、
前記第1塗布領域のうち、前記接着剤と前記表示パネルとの接着面積を大きくする領域が前記第1塗布領域の前記開口部近傍に形成され、
前記表示パネルを接着する接着剤が塗布される前記筐体表面の第2塗布領域は、前記光センサを囲うように形成される携帯電子機器。
【請求項2】
前記第2塗布領域に塗布される接着剤は、遮光性を有する請求項1に記載の携帯電子機器。
【請求項3】
前記筐体内に設けられた部品と、を有し、
前記筐体は、
前記表示パネルの前記部品に対向する位置に第2の開口部が設けられ、
前記第2の開口部の開口の周囲に、前記表示パネルを接着する接着剤が塗布される第3塗布領域を有し、
前記第2の開口部は、前記第3塗布領域に塗布される接着剤が前記開口へ流れ込むのを規制する規制部を有する請求項1又は2に記載の携帯電子機器。
【請求項4】
筐体と、
前記筐体の周縁部に接着される表示パネルと、を備え、
前記筐体は、
前記周縁部に、前記表示パネルと前記筐体とを接着する接着剤が塗布される第1塗布領域と、
前記筐体内に設けられた部品と、を有し、
挿脱手段が挿脱されるコネクタ部を露出させる開口部が設けられ、
前記第1塗布領域のうち、前記接着剤と前記表示パネルとの接着面積を大きくする領域が前記第1塗布領域の前記開口部近傍に形成され、
前記筐体は、
前記表示パネルの前記部品に対向する位置に第2の開口部が設けられ、
前記第2の開口部の開口の周囲に、前記表示パネルを接着する接着剤が塗布される第3塗布領域を有し、
前記第2の開口部は、前記第3塗布領域に塗布される接着剤が前記開口へ流れ込むのを規制する規制部を有する携帯電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯電話機、スマートフォン等の携帯電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、液晶モジュール等で構成される表示部を備えた携帯電子機器が知られている。例えば、特許文献1に示される携帯電話機の表示部は、筐体内に配される液晶モジュールと、該液晶モジュールの表示領域側を覆う透光性の表示パネルとを備えており、筐体の外部から、表示パネルを介して液晶モジュールの表示を視認するように構成されている。
【0003】
表示パネルは、通常、筐体の周縁に対して接着されている。接着方法としては、両面テープによる方法や、接着剤による方法が広く用いられており、例えば、特許文献1では、熱活性接着剤を含有する両面テープを用いて、表示パネルを筐体に接着している。
【0004】
図10は、参考例に係る携帯電子機器の表示パネル接着部分を示す図であり、(a)は、参考例に係る携帯電子機器の側部における表示パネル接着部分を示す断面図、(b)は、参考例に係る携帯電子機器の上部における表示パネル接着部分を示す断面図である。
【0005】
一方、接着剤を用いて表示パネル101を筐体102に接着する場合は、
図10に示すように、筐体102の周縁に接着剤塗布面103を設け、ここに接着剤を塗布した後、筐体102に表示パネル101を重ね合わせる。このとき、表示パネル101で押圧された接着剤が、筐体102と表示パネル101との隙間から筐体外側にはみ出し、外観を低下させることがあった。特に、接着剤の塗布工程における始点と終点は、防水性を確保するために、必ずつながるように塗布する必要があるので、接着剤の塗布量が部分的に多くなり、筐体外側へのはみ出しが生じ易いという問題があった。
【0006】
そこで、
図10に示す参考例では、筐体102の接着剤塗布面103に、筐体内側に向かって低くなる斜面を構成するとともに、接着剤塗布面103の筐体内側に、急激に立ち下がる絶壁104や溝105を設けることにより、表示パネル101で押圧された接着剤を筐体内側に導き、筐体外側へのはみ出しを防止している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2011−205496号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、
図10に示すような絶壁104や溝105を設けると、筐体102において肉厚が薄くなる部分が発生し、部位によっては必要強度が満足できなくなる可能性がある。
【0009】
例えば、イヤホンプラグ、USBプラグ、SIMカードなどの挿脱手段が挿脱されるコネクタ部を備えた携帯電子機器では、コネクタ部を露出させるために筐体に開口部を有しており、挿脱手段の挿脱に際しては、筐体の開口部近傍に大きな挿脱操作力が作用するので、強度不足が発生する可能性があった。
【0010】
本発明は上記した課題を解決するためになされたものであり、表示パネルを接着剤で筐体に接着するものでありながら、接着剤の筐体外側へのはみ出しを防止しつつ、挿脱手段の挿脱操作力が作用する開口部近傍の強度を増加させる携帯電子機器の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記した課題を解決するために本発明は、筐体と、前記筐体の周縁部に接着される表示パネルと
、光センサと、を備え、前記筐体は、前記周縁部に、前記表示パネルと前記筐体とを接着する接着剤が塗布される第1塗布領域を有し、挿脱手段が挿脱されるコネクタ部を露出させる開口部が設けられ、前記第1塗布領域のうち、前記接着剤と前記表示パネルとの接着面積を大きくする領域が前記第1塗布領域の前記開口部近傍に形成され
、
前記表示パネルを接着する接着剤が塗布される前記筐体表面の第2塗布領域は、前記光センサを囲うように形成される。
【0012】
本発明において、
前記第2塗布領域に塗布される接着剤は、遮光性を有する。
【0013】
本発明において、
前記筐体内に設けられた部品と、を有し、前記筐体は、前記表示パネルの前記部品に対向する位置に第2の開口部が設けられ、前記第2の開口部の開口の周囲に、前記表示パネルを接着する接着剤が塗布される第3塗布領域を有し、前記第2の開口部は、前記第3塗布領域に塗布される接着剤が前記開口へ流れ込むのを規制する規制部を有する。
【0014】
本発明において、
筐体と、前記筐体の周縁部に接着される表示パネルと、を備え、前記筐体は、前記周縁部に、前記表示パネルと前記筐体とを接着する接着剤が塗布される第1塗布領域と、前記筐体内に設けられた部品と、を有し、
挿脱手段が挿脱されるコネクタ部を露出させる開口部が設けられ、前記第1塗布領域のうち、前記接着剤と前記表示パネルとの接着面積を大きくする領域が前記第1塗布領域の前記開口部近傍に形成され、
前記筐体は、前記表示パネルの前記部品に対向する位置に第2の開口部が設けられ、前記第2の開口部の開口の周囲に、前記表示パネルを接着する接着剤が塗布される第3塗布領域を有し、前記第2の開口部は、前記第3塗布領域に塗布される接着剤が前記開口へ流れ込むのを規制する規制部を有する。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、表示パネルを接着剤で筐体に接着するものでありながら、接着剤の筐体外側へのはみ出しを防止しつつ、挿脱手段の挿脱操作力が作用する開口部近傍の強度を増加させる携帯電子機器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明の第1実施形態に係る携帯電子機器を下側から見た斜視図である。
【
図2】本発明の第1実施形態に係る携帯電子機器を上側から見た斜視図である。
【
図3】本発明の第1実施形態に係る携帯電子機器の第1筐体を示す斜視図である。
【
図6】本発明の第2実施形態に係る携帯電子機器を下側から見た斜視図(表示パネルなし)である。
【
図8】
図7のB−B断面図(表示パネルあり)である。
【
図9】
図6のC−C断面図(表示パネルあり)である。
【
図10】参考例に係る携帯電子機器の表示パネル接着部分を示す図であり、(a)は、参考例に係る携帯電子機器の側部における表示パネル接着部分を示す断面図、(b)は、参考例に係る携帯電子機器の上部における表示パネル接着部分を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、添付図面を参照して本発明を実施するための実施の形態(以下、単に本実施形態という)について詳細に説明する。
[第1実施形態]
まず、本発明の第1実施形態に係る携帯電子機器について、
図1〜
図5を参照して説明する。
【0018】
図1は、本発明の第1実施形態に係る携帯電子機器を下側から見た斜視図である。
【0019】
この図に示すように、本発明の第1実施形態に係る携帯電子機器1Aは、スマートフォンであって、筐体2の内部には、スマートフォンを構成するための基板(図示せず)や各種の電子部品が配置され、筐体2の前面には、表示部3および操作部4が構成されている。
【0020】
表示部3は、筐体2の内部に配される液晶モジュール5と(
図6、
図8、
図9参照)、液晶モジュール5の表示領域側を覆う透光性の表示パネル6とを備えており、筐体2の外部から、表示パネル6を介して液晶モジュール5の表示を視認するように構成されている。なお、本実施形態では、表示パネル6の裏面側にタッチパネル7を設けることにより(
図8、
図9参照)、表示部3を入力部に兼用している。
【0021】
操作部4は、筐体2の前面下部に接着されるボタンパネル8と、ボタンパネル8に形成される孔を介して前方に突出する複数の押しボタン9とを備えており、押しボタン9を押し操作すると、筐体2の内部に配置されるスイッチが押圧され、対応する所定の機能が実行されるようになっている。
【0022】
図2は、本発明の第1実施形態に係る携帯電子機器を上側から見た斜視図である。
【0023】
この図に示すように、筐体2の上面には、イヤホンプラグ(挿脱手段)を挿脱するための開口部10aが形成されている。つまり、筐体2の内部には、イヤホンプラグが挿脱されるイヤホンジャック(コネクタ部)が設けられており、該イヤホンジャックの挿脱口が開口部10aを介して露出されるようになっている。
【0024】
図3は、本発明の第1実施形態に係る携帯電子機器の第1筐体を示す斜視図である。
【0025】
図1〜
図3に示すように、筐体2は、携帯電子機器1Aの前面を構成する第1筐体10と、携帯電子機器1Aの後面を構成する第2筐体11とを備え、基板は、第1筐体10と第2筐体11で覆われる。
【0026】
図3に示すように、第1筐体10の前面は、液晶モジュール5(
図6参照)を収容するための凹部10bと、押しボタン9を収容するために、凹部10bの下側に複数形成される開口部10cと、筐体2の内部に配置される光センサ12、ストロボ13、レシーバ14およびカメラ15(
図6〜
図9参照)の前方を開放するために、凹部10bの上側にそれぞれ形成される開口部10d、10e、10f、10gとを備えている。また、第1筐体10の上面は、前述したイヤホンプラグ挿脱用の開口部10aを備えており、その位置は、光センサ12に対応する開口部10dの近傍である。
【0027】
図4は、
図3の要部拡大斜視図である。
【0028】
図3および
図4に示すように、第1筐体10の周縁部には、表示パネル6を接着する接着剤を塗布するための第1塗布領域10hが設けられている。つまり、表示パネル6を第1筐体10に接着する工程では、第1筐体10の第1塗布領域10hに接着剤を塗布した後、第1筐体10に表示パネル6を重ね合わせる。このとき、表示パネル6で押圧された接着剤が、第1筐体10と表示パネル6との隙間から筐体外側にはみ出すと、外観を低下させることになる。特に、接着剤の塗布工程における始点と終点は、防水性を確保するために、必ずつながるように塗布する必要があるので、接着剤の塗布量が部分的に多くなり、筐体外側へのはみ出しが生じ易い。
【0029】
本実施形態の第1筐体10は、第1塗布領域10hに塗布された接着剤のはみ出しを防止するために、
図10に示す参考例と同様のはみ出し防止構造を備える。以下、本実施形態のはみ出し防止構造を
図10(本実施形態の符号は括弧書きとする)を参照して説明する。
【0030】
本実施形態の第1筐体10は、第1塗布領域10hのうち、凹部10bの周縁部に沿う部分(表示パネル6の側縁部および下縁部を接着する部分)では、
図10の(a)に示す構造を備え、凹部10bの周縁部に沿わない部分(表示パネル6の上縁部を接着する部分)では、
図10の(b)に示す構造を備える。
【0031】
図10の(a)、(b)に示すように、第1筐体10の周縁部には、表示パネル6を位置決めする面10iが形成されており、その内側の一段下がった位置に第1塗布領域10hとなる接着剤塗布面10jが形成されている。接着剤塗布面10jは、筐体内側に向かって低くなる斜面となっており、接着剤塗布面10jの筐体内側には、急激に立ち下がる絶壁10kや溝10mが設けられる。これにより、表示パネル6で押圧された接着剤を筐体内側に導き、筐体外側へのはみ出しを防止している。接着剤塗布面10jは、第1筐体10の周縁を囲むように環状となっている。
【0032】
しかしながら、絶壁10kや溝10mは、第1筐体10において肉厚が薄くなる部分を発生させ、部位によっては必要強度が満足できなくなる可能性があり、本実施形態の第1筐体10では、イヤホンプラグの挿脱に際して大きな挿脱操作力が作用する可能性がある開口部10aの近傍部位がこれに相当する。
【0034】
図4および
図5に示すように、第1筐体10には、接着剤と表示パネル6との接着面積を大きくする領域10nが第1塗布領域10hの開口部10a近傍に形成されている。例えば、本実施形態の第1筐体10では、開口部10a近傍における接着剤塗布面10jの内側に、絶壁10kや溝10mを設けず、接着剤塗布面10jに連続する斜面(接着剤塗布面10jと逆向きの緩やかな斜面)を形成し、この斜面を領域10nとしている。なお、本実施形態でいう「接着面積」とは、環状の接着剤塗布面10jの周方向において単位長さあたりの接着面積をいい、「接着面積が大きくする」とは、単位長さあたりの接着面積が他の部位に比し大きいことをいう。
【0035】
このような領域10nを第1筐体10に設けると、第1塗布領域10hの全域では、接着剤の筐体外側へのはみ出しを防止しながらも、イヤホンプラグの挿脱操作力が作用する開口部10a近傍では、表示パネル6との接着面積を大きくしたり、絶壁10kや溝10mを設けずに肉厚を確保することにより、強度を増加させることが可能になる。
【0036】
また、本実施形態では、第1塗布領域に接着剤を塗布する際に、その始点および終点となる位置に領域10nを形成している。つまり、接着剤の塗布工程における始点と終点は、防水性を確保するために、必ずつながるように塗布する必要があるため、接着剤の塗布量が部分的に多くなり、筐体外側へのはみ出しが生じ易いのであるが、多く塗布された接着剤を領域10nに導くことにより、接着剤の筐体外側へのはみ出しを防止しつつ、開口部10a近傍における表示パネル6との接着面積を大きくすることができる。
[第2実施形態]
つぎに、本発明の第2実施形態に係る携帯電子機器について、
図6〜
図9を参照して説明する。ただし、第1実施形態と共通する部分は、第1実施形態と同じ符号を用いることにより、第1実施形態の説明を援用する。
【0037】
図6は、本発明の第2実施形態に係る携帯電子機器を下側から見た斜視図(表示パネルなし)である。
【0038】
この図に示すように、第2実施形態に係る携帯電子機器1Bは、表示パネル6を接着する接着剤が塗布される領域として、第1筐体10の前面に第2塗布領域10pを備える点が前記第1実施形態と相違している。
【0039】
図7は、
図6の要部拡大斜視図である。
【0040】
この図に示すように、第2塗布領域10pは、光センサ12を囲うように形成される。具体的には、光センサ12の前方を開放するために第1筐体10に形成された開口部10dを囲うように第1筐体10の前面に第2塗布領域10pが形成されている。この開口部10dは、前方が表示パネル6で覆われるため、本来、開口部10dの周囲には防水用の接着が不要であるが、敢えて開口部10dの周囲に第2塗布領域10pを形成している。なお、開口部10dの開口の周囲と第2塗布領域10pの間には、第2塗布領域10pに塗布される接着剤が開口部10dの開口へ流れ込むのを規制するリブ10qが立設されている。
【0041】
このような第2塗布領域10pによれば、第1筐体10における表示パネル6との接着面積を増加させるので、第1筐体10の強度を高めることができる。特に、本実施形態の第2塗布領域10pは、イヤホンプラグの挿脱操作力が作用する開口部10a近傍に形成されるので、第1実施形態の領域10nと同様に、開口部10aの近傍部位において第1筐体10の強度が高められるという効果を奏する。なお、第2実施形態では、第1実施形態の領域10nに代えて第2塗布領域10pを備えるが、両方の領域10n、10pを備えるようにしてもよい。
【0042】
第2塗布領域10pに対する接着剤の塗布は、第1塗布領域10hに対する接着剤の塗布と別の工程で行なうことも可能であるが、第1塗布領域10hに対する接着剤の塗布と同じ工程で行なうことが好ましい。例えば、本実施形態の第2塗布領域10pは、第1塗布領域10hと連続しており、第1塗布領域10hと同じ工程で接着剤を一筆書き状に塗布することができる。
【0043】
図8は、
図7のB−B断面図(表示パネルあり)である。
【0044】
この図に示すように、第1筐体10の前面における開口部10dの周囲と表示パネル6の裏面との間には隙間があり、これを光路として液晶モジュール5の光が光センサ12に入り込み、光センサ12の検出精度を低下させる可能性がある。そこで、本実施形態では、第2塗布領域10pに塗布される接着剤として、遮光性を有する遮光性接着剤を用いる。例えば、不透明な有色の接着剤を用いる。このようにすると、前記光路から開口部10dを介して光センサ12に入り込もうとする光を、第2塗布領域10pに塗布される接着剤で遮光することが可能になる。
【0045】
図9は、
図6のC−C断面図(表示パネルあり)である。
【0046】
図6および
図9に示すように、携帯電子機器1Bでは、レシーバ14の前方を開放するために第1筐体10に形成された開口部10fを囲うように第1筐体10の前面に第3塗布領域10rが形成されている。この開口部10fは、表示パネル6に形成されるレシーバ用開口部6aと連通するので、開口部10dの周囲には防水用の接着が必要となる。なお、第1実施形態の説明では省略したが、第1実施形態の携帯電子機器1Aにも第3塗布領域10rが設けられる。
【0047】
本実施形態では、開口部10fの周囲に第3塗布領域10rを形成するにあたり、開口部10fの開口の周囲と第3塗布領域10rの間に、第3塗布領域10rに塗布される接着剤が開口部10fへ流れ込むのを規制するリブ10s(規制部)を立設している。このようにすると、接着剤の流れ込みによるレシーバ14の機能不全を防止できるだけでなく、リブ10sによる表示パネル6と第1筐体10との間隔規定により、レシーバ14の前面容積Yを安定させ、音響特性のバラツキを抑制することができる。
【0048】
以上、本発明の好ましい実施形態について詳述したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されないことは言うまでもない。上記実施形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。またその様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0049】
例えば、前記実施形態では、挿脱手段としてイヤホンプラグを例示したが、イヤホンプラグ以外の挿脱手段、例えば、USBプラグ、SIMカードなどであってもよい。
【符号の説明】
【0050】
1A、1B…携帯電子機器、2…筐体、3…表示部、6…表示パネル、10…第1筐体、10a…開口部(コネクタ用)、10d…開口部(光センサ用)、10f…開口部(レシーバ用)、10h…第1塗布領域、10n…領域、10p…第2塗布領域、10r…第3塗布領域、10s…リブ、11…第2筐体、12…光センサ、14…レシーバ