【文献】
田副 佑典、外3名,“形状変形とパッチタイリングに基づく顔のエージングシミュレーション”,SSII2012 第18回画像センシングシンポジウム 講演論文集,日本,画像センシング技術研究会,2012年 6月 6日,pp.1-8
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記三次元マッピング手段は、前記正規化顔画像データの顔の向きに合わせた三次元顔モデルに、前記正規化顔画像データを投影した後、当該三次元顔モデルを所定の向きに合わせる
ことを特徴とする請求項1に記載の特徴点出力装置。
前記画像データベースの前記複数の画像データから、前記特徴点に基づいて前記対象ユーザの顔部を含む画像データを抽出し、前記対象ユーザの識別子と、抽出した前記画像データの識別子とを対応付けた画像人物対応データを記憶する画像人物対応付け手段をさらに備え、
前記検索手段は、前記画像データベースから、前記画像人物対応データにおいて前記対象ユーザの識別子に対応する画像データを検索する
ことを特徴とする請求項6に記載の検索装置。
【発明を実施するための形態】
【0020】
次に、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。以下の図面の記載において、同一または類似の部分には同一または類似の符号を付している。
【0021】
(実施の形態)
図1に示す本発明の実施の形態に係る特徴点出力装置1は、人物の顔部を含む入力画像データ21から、この人物の特徴点を抽出する。ここで、「特徴点」とは、人物の顔の特徴を決定するためのデータであって、例えば、顔のパーツの相対位置、目の内側の端と外側の端の相対位置などのデータである。特徴点データ25が保持する特徴点の種別は、特徴点データ25を利用するシステムに依存し、本発明の実施の形態においては問わない。
【0022】
特徴点出力装置1は、例えば、人物の特徴点の登録において用いられる。登録用の入力画像データ21が入力されると、特徴点出力装置1はこの入力画像データ21に基づいて、人物が様々な向きに向いた画像データを生成し、それぞれの画像データから抽出した複数の特徴点を出力する。特徴点出力装置1が出力した特徴点は、認証システムや検索システムなどにおいて参照される。例えば、認証システムは、認証対象ユーザの顔部の特徴点が、予め登録された特徴点と一致するか否かを検証する。検索システムは、検索対象ユーザの予め登録された顔部の特徴点に基づいて、複数の画像データから、検索対象ユーザを撮影した画像データを抽出する。
【0023】
図1を参照して、本発明の実施の形態に係る特徴点出力装置1を説明する。
【0024】
特徴点出力装置1は、中央処理制御装置10、記憶装置20および入出力制御装置30を備える一般的なコンピュータである。特徴点出力装置1は、所定の処理を実行するための特徴点出力プログラムを読み込み実行することにより、
図1に示す各手段として機能する。
【0025】
入出力制御装置20は、操作者が入力装置を操作して入力した指示を、中央処理制御装置10に入力するとともに、中央処理制御装置10の処理結果を表示装置に出力して、操作者に認識させる。入出力制御装置30は、LAN、インターネットなどの通信ネットワークで接続する情報端末を操作者が操作することにより、操作者の指示を入力し、処理結果を出力しても良い。
【0026】
記憶装置20は、入力画像データ21、顔画像データ22、正規化顔画像データ24、複数の投影顔画像データ24a、24b…および特徴点データ25を記憶する。本発明の実施の形態において、複数の投影顔画像データ24a、24b…を特に区別しない場合、単に投影顔画像データ24を記載する場合がある。
【0027】
入力画像データ21は、対象ユーザなどの人物の顔部を含む画像データである。入力画像データ21には、特徴点出力装置1が特徴点を出力する対象ユーザの顔部が撮影されている。入力画像データ21は、操作者の指示などにより、入出力制御装置30を介して、予め記憶装置20に記憶される。
【0028】
入力画像データ21において、対象ユーザの顔部が撮影されていれば良く、表情や向き、顔部の大小は問わない。後述する三次元マッピング手段13が出力する投影顔画像データから抽出する特徴点が、認証システムや検索システムなどで要求される精度を満たすことができれば良く、入力画像データ21に、顔の全てが含まれていなくとも良い。
【0029】
顔画像データ22は、入力画像データ21から抽出した顔部のデータである。顔画像データ22は、顔画像抽出手段11により生成され記憶される。
【0030】
正規化顔画像データ24は、顔画像データ22を正規化したデータである。正規化顔画像データ24は、正規化手段12により生成され記憶される。
【0031】
投影顔画像データ24は、正規化顔画像データ24を三次元顔モデルにマッピングし、この三次元顔モデルを二次元に投影変換したデータである。投影顔画像データ24は、三次元マッピング手段13により生成され記憶される。三次元マッピング手段13が、三次元顔モデルの向きを変更する場合、向きを変更する度に、複数の投影顔画像データ24a、24b、…を生成する。
【0032】
特徴点データ25は、投影顔画像データ24から抽出した特徴点を含むデータである。ここで、一つの投影顔画像データ24から複数の特徴点を抽出しても良く、一つの投影顔画像データ24から抽出した複数の特徴点を「特徴点セット」と称する。複数の投影顔画像データ24a、24b、…からそれぞれ特徴点セットを抽出した場合、特徴点データ25は、一つの投影顔画像データ24に対応して一つの特徴点セットを有する。
【0033】
例えば、任意のユーザAの顔画像に基づいて、三次元顔モデルを3つの向きに変更することにより、3つの投影顔画像データ24が生成され、各投影顔画像データ24から複数の特徴点が抽出された場合を想定する。この3つの向きは、顔の正面、上α1度かつ右β1度および上α2度かつ右β2度である。この場合、特徴点データ25は、
図2に示すように3つの特徴点セットを有する。
図2に示す例では、一つの特徴点セットは、n個の特徴点を含む。認証システムや検索システムなどは、特徴点セットの各特徴点に基づいて、処理する。
【0034】
中央処理制御装置10は、顔画像抽出手段11、正規化手段12、三次元マッピング手段13および特徴点抽出手段14を備える。顔画像抽出手段11、正規化手段12、三次元マッピング手段13および特徴点抽出手段14を、特徴点出力手段113と称する場合もある。
【0035】
顔画像抽出手段11は、入力画像データ21から、対象ユーザの顔部を切り取り、顔画像データ22を生成する。
【0036】
正規化手段12は、顔画像データ22を正規化し、正規化顔画像データ24を生成する。ここで正規化とは、表情、年齢および向きのうち少なくともいずれかについて、前記三次元顔モデルと一致するように、顔画像データ22を変換することである。三次元顔モデルが無表情の場合、正規化手段12は、顔画像データ22を無表情に変換する。
【0037】
正規化手段12による正規化処理は、既存の技術に基づいて実現される。ここで、正規化手段12が、無表情の正規化顔画像データ24を生成する場合を説明する。
【0038】
正規化手段12はまず、顔画像データ22における対象ユーザの表情を推定する。正規化手段12は、表情を推定する技術として、例えば、「ポテンシャルネットを用いた顔領域の推定と表情認識」(別所 弘章,岩井 儀雄,谷内田 正彦,電子情報通信学会技術研究報告(PPMU),Vol.99(449),pp.43−48,1999−11−19)を用いることができる。正規化手段12はこの技術により、表情データベースを参照して、顔画像データ22の顔部から抽出した顔器官情報に基づいて表情を推定する。
【0039】
次に、正規化手段12は、表情データベースを参照して、推定された表情から無表情に変換するための、各顔器官の位置のずれを算出し、モーフィング処理によって、無表情の顔画像である正規化顔画像データ24を生成する。正規化手段12は、モーフィング技術として、例えば、「顔画像からの筋肉パラメータの推定とそれに基づく他人の表情生成」(AHN Seonju,小沢 愼治,電子情報通信学会論文誌,Vol.J88−D−II(10),pp.2081−2089,2005−10−01)を用いることができる。正規化手段12はこの技術により、表情のある顔から無表情の顔への顔器官の変異を事前に学習し、表情のある顔画像データ22から、無表情の正規化顔画像データ24を生成する。
【0040】
以上説明したように、正規化手段12が、正規化により無表情の正規化顔画像データ24を生成する場合を説明したが、年齢や顔の向きも正規化しても良い。例えば、三次元マッピング手段13において、所定の年齢に対応する三次元顔モデルを使って処理する場合、正規化手段12は、顔画像データ22を、三次元顔モデルの年齢にあうように変換して正規化顔画像データ24を生成することが好ましい。この場合、正規化手段12は、三次元顔モデルの年齢に一致するように、顔画像データ22を変化させて、正規化顔画像データ24を生成する。正規化手段12は、年齢に応じた顔画像の生成技術として、例えば、「統計情報を用いた年齢変化顔画像の生成」(磯野 勝宣,橋本 隆之,堀 雅和,電子情報通信学会論文誌,Vol.45,pp.10−14,2004−06−15)を用いることができる。正規化手段12は、この技術で開示された年齢変化に伴う顔器官の位置のデータベースに基づいて、顔画像データ22から、所定の年齢に対応する正規化顔画像データ24を生成する。
【0041】
また正規化手段12は、顔画像データ22を正面の画像に変換して正規化顔画像データ24を生成しても良い。さらに正規化手段12は、表情および年齢を正規化するなど、表情、年齢および向きなどを任意に組み合わせて、正規化しても良い。
【0042】
三次元マッピング手段13は、正規化顔画像データ24と表情、年齢などが一致するこの三次元顔モデルのデータを用いて、複数の投影顔画像データ24を生成する。例えば、三次元マッピング手段13は、年齢別の三次元顔モデルを保持している場合、正規化顔画像データ24におけるユーザの年齢に対応する三次元顔モデルを用いることが好ましい。
【0043】
三次元マッピング手段13は、まず、正規化顔画像データ24の顔の向きに合わせた三次元顔モデルに、正規化顔画像データ24を投影する。その後三次元マッピング手段13は、所定の向きに合わせた三次元顔モデルを投影変換した投影顔画像データ24を生成する。三次元マッピング手段13は、三次元顔モデルの向きを変更して、複数の投影顔画像データ24a、24b…を生成する。
【0044】
ここで三次元マッピング手段13は、テクスチャマッピングを用いて、二次元の正規化顔画像データ24を、三次元顔モデルにマッピングする。これにより、任意の方向から三次元顔モデル上に二次元の絵を投射した時の絵の見え方を再現することが可能となる。
【0045】
三次元マッピング手段13は、まず、正規化顔画像データ24における対象ユーザの顔の向きを推定する。三次元マッピング手段13は、対象ユーザの顔の向きを推定する技術として、「耳と顔の特徴の位置関係に基づく顔画像からの視線方向の推定」(Vol.97(596), pp.113−120, 1998−03−13)を用いることができる。三次元マッピング手段13は、この技術により、正規化顔画像データ24における耳や目などの位置関係から、正規化顔画像データ24中の対象ユーザの顔方向や視線方向を推定する。三次元マッピング手段13は、三次元顔モデルを推定した顔方向に向かせて、正規化顔画像データ24のテクスチャを、三次元顔モデルに投影する。
【0046】
テクスチャマッピングで描画された三次元モデルを用いて、別の向きからの見え方も再現できる。これに基づいて三次元マッピング手段13は、正規化顔画像データ24をマッピングした三次元顔モデルを利用して、別の向きで見た場合の三次元顔モデルを生成する。ここで、三次元顔モデルに与える向きは、顔の正面、上±α度、右±β度、上±α度かつ右±β度などである。
【0047】
さらに三次元マッピング手段13は、向きの異なる複数の三次元顔モデルを二次元平面に変換して、複数の投影顔画像データ24を生成する。具体的には三次元マッピング手段13は、コンピュータグラフィックスの分野における投影変換を行うことにより、三次元顔モデルから、複数の投影顔画像データ24を生成する。
【0048】
ここで、複数の三次元顔モデルを生成する際の向きや向きを決定する角度の変化量に関する情報は、特徴点出力装置1が出力する特徴点データ25を参照するシステムで求められる精度や仕様などに依存する。従って、三次元マッピング手段13が参照可能な設定ファイルデータなどに、複数の三次元顔モデルを生成する際の向きや、向きを決定する角度の変化量に関する情報が、予め設定される。三次元マッピング手段13は、設定ファイルデータの設定に従って、三次元顔モデルを、所定の軸を基準に所定角度で回転させることにより、三次元顔モデルの向きを変更して、複数の三次元顔モデルを生成する。
【0049】
例えば、斜め上18度を向いた入力画像データ21から、特徴点を抽出する場合を想定する。三次元マッピング手段13は、斜め上18度を向いた入力画像データ21から得られた正規化顔画像データ24を、斜め上18度を向いた三次元顔モデルにテクスチャマッピングする。これにより三次元マッピング手段13は、対象ユーザが斜め上18度を向いたことを示す三次元顔モデルのデータを生成する。
【0050】
三次元マッピング手段13は、三次元顔モデルの向きを正面に変更して、対象ユーザが正面を向いたことを示す三次元顔モデルのデータを生成する。また三次元マッピング手段13は、下30度から上30度までの10度刻み、右30度から左30度までの10度刻み、またこれらの角度を組み合わせなどに、三次元顔モデルの向きを変更する。三次元マッピング手段13は、対象ユーザがそれぞれの向きに向いたことを示す三次元顔モデルのデータを生成し、投影変換により複数の投影顔画像データ24を生成する。
【0051】
このように、入力画像データ21において対象ユーザが斜め上18度を向いていたとしても、三次元マッピング手段13により、一つの入力画像データ21から、対象ユーザの顔が様々な向きに向いた複数の投影顔画像データ24を、効率的に生成することができる。これにより、様々な顔の向きの顔認証にも対応するので、精度の高い特徴点を効率的に出力することができる。
【0052】
特徴点抽出手段14は、投影顔画像データ24から、特徴点を抽出し、特徴点データ25を生成する。特徴点抽出手段14は、投影顔画像データ24が複数の場合、それぞれの投影顔画像データ24から特徴点を抽出する。ここで、特徴点抽出手段14が抽出する特徴点は、特徴点データ25を参照するシステムが用いる特徴点である。特徴点データ25は、
図2に示すように、投影顔画像データ24の数、具体的には三次元顔モデルに与えた向きに対応して、複数の特徴点セットを含む。ここで特徴点抽出手段14は、三次元顔モデルのデータを用いずに、正規化顔画像データ24から抽出した特徴点セットも、特徴点データ25に含めても良い。
【0053】
なお
図1に示す例では、三次元マッピング手段13が、複数の投影顔画像データ24a、24b、…を生成した後、特徴点抽出手段14が、それぞれの投影顔画像データ24a、24b、…について特徴点を抽出する場合を説明したが、これに限られない。例えば、三次元マッピング手段13が、投影顔画像データ24を生成する度に、特徴点抽出手段14が、この投影顔画像データ24から特徴点を抽出しても良く、処理順序は問わない。
【0054】
図3を参照して、本発明の実施の形態に係る特徴点出力手段113による、特徴点出力処理を説明する。
【0055】
まずステップS1において顔画像抽出手段11は、記憶装置20から入力画像データ21を読み出し、ステップS2において、入力画像データ21から顔画像データ22を抽出する。顔画像データ22を抽出できなかったと判定された場合、そのまま処理を終了する。その後ステップS3において正規化手段12は、特徴点出力手段113は顔画像データ22を正規化し、正規化顔画像データ24を生成する。ステップS3において、顔画像データ22を正規化できなかったと判定された場合、そのまま処理を終了する。
【0056】
ステップS4において三次元マッピング手段13は、正規化顔画像データ24の顔方向を推定し、推定した顔方向に合わせた三次元顔モデルに、正規化顔画像データ24をマッピングする。その後特徴点出力手段113は、設定ファイルデータで設定された各向きに基づいて、ステップS4でマッピングされた三次元顔モデルについて、ステップS5ないしステップS8の処理を繰り返す。
【0057】
まずステップS5において、ステップS4でマッピングされた三次元顔モデルを、所定の向きに設定する。この所定の向きは、設定ファイルデータで設定された複数の向きの一つである。ステップS6において三次元マッピング手段13は、ステップS5において所定の向きに設定された三次元顔モデルのデータから、投影変換により二次元の投影顔画像データ24を生成する。
【0058】
ステップS7において特徴点抽出手段14は、ステップS6で生成した投影顔画像データ24から特徴点を抽出し、ステップS8においてステップS7で抽出した特徴点のデータを特徴点データ25に保存する。特徴点抽出手段14は、予め設定ファイルデータにおいて設定された特徴点の種別に対応する特徴点のデータを算出する。ステップS7で抽出する特徴点は、
図2に示す特徴点データ25の一つの特徴点セットに対応し、ステップS8の処理により、特徴点データ25に1レコードが追加される。
【0059】
設定ファイルデータで設定された各向きについて、ステップS5ないしステップS7の処理が終了すると、特徴点出力手段113は、処理を終了する。
【0060】
図3で示す例では、投影顔画像データ24を生成する度に特徴点を抽出する処理を説明したが、矛盾が生じない限り、処理の順序は問わない。
【0061】
このように本発明の実施の形態に係る特徴点出力装置1は、対象ユーザの顔画像データを正規化することにより、表情や年齢などに依存することなく、特徴点を抽出することができる。
【0062】
また特徴点出力装置1は、正規化した顔画像を三次元顔モデルにマッピングするとともに、所定の向きに設定した三次元顔モデルを投影変換して、対象ユーザが様々な向きを向いた投影顔画像データ24を生成する。これにより特徴点出力装置1は、1枚の入力画像データ21から、様々な向きの顔部の特徴点を効率的に抽出することができる。従って、認証システムや検索システムなどにおいて、様々な向きの顔画像に対応することができるので、各システムの精度を向上させることができる。
【0063】
さらに、入力画像データ21における対象ユーザの向きに三次元顔モデルを合わせてから、正規化顔画像データ24を三次元顔モデルにマッピングする。これにより、入力画像データ21において対象ユーザが正面を向いていなくとも、正面やそのほかの向きを向いた投影顔画像データ24を生成することができる。
【0064】
(適用例)
図4を参照して、本発明の実施の形態に係る特徴点出力装置1が出力した特徴点データを、検索システム300に適用した例を説明する。検索システム300は、特徴点出力装置1が出力した特徴点に基づいて、予め登録された複数の画像データから、所定のユーザが含まれる画像データを検索したり、画像データに含まれるユーザの氏名を特定したりする。
【0065】
検索システム300は、検索装置100、ユーザ端末200a、200bおよび200cを備える。検索装置100は、インターネットなどの通信ネットワーク301を介して、ユーザ端末200a、200bおよび200cと相互に通信可能に接続される。ユーザ端末200a、200bおよび200cを区別しない場合、単にユーザ端末200と記載する場合がある。
【0066】
ユーザ端末200は、検索システム300における検索サービスを享受するユーザによって、利用される。ユーザ端末200は、画像を表示する表示装置、指示を入力する入力装置、通信ネットワーク301に接続するための通信制御装置、これらの各装置とデータを送受信し処理するコントローラなどを備える情報処理端末である。ユーザ端末200は、例えば、パーソナルコンピュータ、携帯電話機、スマートフォンなどである。
【0067】
検索装置100は、本発明の実施の形態に係る特徴点出力手段113が出力した特徴点に基づいて、複数の画像データを含む画像データベース124から、対象ユーザの画像データなどを検索する。検索装置100は、中央処理制御装置110、記憶装置120および入出力制御装置130を備える一般的なコンピュータである。検索装置100は、所定の処理を実行するための検索プログラムを読み込み実行することにより、
図4に示す各手段として機能する。
【0068】
記憶装置120は、ユーザ画像データ121、特徴点データベース122、画像人物対応データ123および画像データベース124を記憶する。画像データベース124は、複数の画像データを含む。
【0069】
中央処理制御装置110は、ユーザ画像取得手段111、ユーザ特徴点登録手段112、画像人物対応付け手段114および検索手段115を備える。ここで、ユーザ画像取得手段111、ユーザ特徴点登録手段112および画像人物対応付け手段114は、検索に必要な特徴点などの情報を登録するための処理手段である。検索手段115は、ユーザ画像取得手段111、ユーザ特徴点登録手段112および画像人物対応付け手段114によって登録された情報に基づいて、画像データなどを検索する。
【0070】
ユーザ画像取得手段111は、ユーザ端末200が送信したユーザ画像データ121を受信し、記憶装置120に記憶する。このユーザ画像データ121は、特徴点を抽出する対象となる対象ユーザの顔部を含む。ユーザ画像取得手段111は、ユーザ画像データ121を、対象ユーザの識別子に対応付けて記憶しても良い。
【0071】
ユーザ特徴点登録手段112は、ユーザ画像データ121を特徴点出力手段113に入力するとともに、特徴点出力手段113によって出力された特徴点データを取得する。ユーザ特徴点登録手段112は、取得した特徴点データを、対象ユーザの識別子に対応付けて特徴点データベース122に記憶する。特徴点出力手段113は、
図1等を参照して説明した本発明の実施の形態に係る特徴点出力装置1の各手段に相当する。
【0072】
ユーザ特徴点登録手段112は、ユーザ画像データ121を特徴点出力手段113に入力する。特徴点出力手段113は、ユーザ画像データ121の対象ユーザの顔部を正規化して三次元顔モデルに投影し、所定の向きに向いた三次元顔モデルを投影変換して、投影顔画像データ24を生成する。特徴点出力手段113は、三次元顔モデルの向きを様々に変化させて、各向きの投影顔画像データ24を生成する。特徴点出力手段113は、複数の投影顔画像データ24のそれぞれから特徴点を抽出して特徴点セットを生成し、特徴点データ25を生成する。
【0073】
ユーザ特徴点登録手段112は、対象ユーザの識別子に、一つの投影顔画像データ24から生成した特徴点セットを対応付けて、特徴点データベース122に登録する。ユーザ特徴点登録手段112は、特徴点出力手段113において生成された投影顔画像データ24の数に対応したレコードを、特徴点データベース122に登録する。
【0074】
画像人物対応付け手段114は、画像データベース124に登録された画像データの識別子と、この画像データに含まれるユーザの識別子とを対応付けて、画像人物対応データ123を生成する。画像人物対応データ123は、
図5に示すように、ユーザの識別子と、このユーザの顔部を含む画像データの識別子とを対応付けたデータである。
【0075】
画像人物対応付け手段114は、画像データベース124の複数の画像データから、対象ユーザの特徴点データの特徴点に基づいて対象ユーザの顔部を含む画像データを抽出する。ここで、対象ユーザの特徴点データは、様々な向きに対応する特徴点セットを含む。従って、画像データにおいて対象ユーザがどのような向きで撮られていても、画像人物対応付け手段114は、対象ユーザの顔部を含む画像データを抽出し、画像人物対応データ123を生成することができる。
【0076】
検索手段115は、画像データベース124から、対象ユーザの特徴点データの特徴点に基づいて、対象ユーザの顔部を含む画像データを検索する。検索手段115による検索処理は、様々な形態が考えられる。検索手段115が検索時に参照する特徴点の種別などは、特徴点出力手段113が参照可能な設定ファイルデータに記憶される。
【0077】
例えば、ユーザ端末200から、対象ユーザの識別子が入力されると、検索手段115は、画像データベース124から、画像人物対応データ123において対象ユーザの識別子に対応する画像データを検索する。検索手段115は、対象ユーザの顔部を含む画像データを検索すると、検索した画像データを、ユーザ端末200に送信する。
【0078】
また検索手段115は、ユーザ端末200から、ユーザの顔部を含むクエリ画像データが入力されると、このクエリ画像データに含まれるユーザの識別子を出力したり、このユーザの映り込んだ画像データを出力したりすることができる。例えば、検索手段115は、入力されたクエリ画像データから特徴点を抽出し、特徴点データベース122から、抽出した特徴点と一致する特徴点を有するユーザの識別子を抽出し、出力する。特徴点データベース122には、予め様々な向きのユーザの特徴点が登録されているので、検索手段115は、入力されたクエリ画像データにおけるユーザの向きにかかわらず、このユーザを識別することができる。検索手段115はさらに、クエリ画像データに含まれるユーザの識別子を特定すると、画像人物対応データ123から、特定されたユーザの識別子に対応付けられた画像の識別子を取得し、この画像の識別子に対応する画像データを出力しても良い。
【0079】
ここで検索手段115は、ユーザ端末200からクエリ画像データが入力されると、このクエリ画像データに含まれるユーザの顔部を正規化した後、特徴点を抽出しても良い。検索手段115は、クエリ画像データを特徴点データベース122に登録された表情などと同じ条件に変換することにより、精度を向上させることができる。
【0080】
図4に示す例において、検索装置100が、一つのコンピュータで実装される場合を説明したが、これに限られない。例えば、検索装置100は、複数の画像データを管理する画像データベースサーバや、
図1で参照して説明した特徴点出力装置1などと連携しても良い。このように検索装置100による検索サービスは、いわゆるクラウドサービスを経由してユーザ端末200に提供されても良い。
【0081】
図6ないし
図8を参照して、本発明の実施の形態に係る検索システム300の処理の一例を説明する。
【0082】
図6を参照して、検索システム300において、ユーザの特徴点を登録する処理を説明する。この処理は、
図4のユーザ画像取得手段111、ユーザ特徴点登録手段112および画像人物対応付け手段114の処理に対応する。
【0083】
まずステップS101において、ユーザ端末200が、登録リクエストを送信する。この登録リクエストは、ユーザAの顔部を含むユーザ画像データと、このユーザAの識別子を含む。
【0084】
検索装置100は、ユーザ端末200から登録リクエストを受信すると、ステップS102において、ユーザAの顔部を含むユーザ画像データ121に基づいて、ユーザAの顔の特徴点を取得し、特徴点データベース122に登録する。ここでユーザAが様々な向きに向いた画像における複数の特徴点セットが、特徴点データベース122に登録される。
【0085】
ステップS103において検索装置100は、ユーザAの様々な向きに対応する特徴点に基づいて、画像データベース124からユーザAの顔部が含まれる画像データを特定する。ステップS104において検索装置100は、ステップS101で取得したユーザAの識別子と、ステップS103で特定されたユーザAの顔部が含まれる画像データの識別子とを対応付けて、画像人物対応データ123に登録する。
【0086】
登録が完了すると検索装置100は、ステップS101の登録リクエストに対応して、ユーザ端末200に登録応答を返す。
【0087】
図6に示す例では、ユーザAについて画像人物対応データ123への登録が完了したタイミングで登録応答を返す場合を説明するが、これに限られない。検索装置100は例えば、登録リクエストを受信した後、応答を返し、ステップS102ないしステップS104などの処理は、登録リクエストの受信とは非同期に、バッチ処理などで処理されても良い。
【0088】
図7を参照して、検索システムにおいて、ユーザの識別子から、このユーザの顔部を含む画像データを検索する処理を説明する。まずステップS201において、ユーザ端末200が、取得リクエストを送信する。この取得リクエストは、ユーザAの識別子を含む。
【0089】
検索装置100は、ユーザ端末200から取得リクエストを受信すると、ステップS202において、画像人物対応データ123から、ユーザAの識別子に対応付けられた画像の識別子を取得する。さらに検索装置100は、ステップS203において、画像データベース124から、ステップS202で取得した画像の識別子に対応する画像データを取得する。ここで取得する画像データは、ユーザAの顔部を含む。ステップS204において検索装置100は、ステップS201の取得リクエストに対応して、ユーザ端末200に取得応答を返す。この取得応答は、ステップS203で取得した画像データを含む。
【0090】
図8を参照して、クエリ画像データから、このクエリ画像データのユーザの顔部を含む画像データを検索する処理を説明する。まずステップS301において、ユーザ端末200が、取得リクエストを送信する。この取得リクエストは、クエリ画像データを含み、クエリ画像データは、ユーザBの顔部を含む。
【0091】
検索装置100は、ユーザ端末200から取得リクエストを受信すると、ステップS302において、クエリ画像データの特徴点を特定し、この特徴点に基づいて、特徴点データベース122から、このクエリ画像データに含まれるユーザの識別子を抽出する。ステップS304において、ユーザの識別子が抽出されなかった場合、ステップS308に進む。ステップS308において検索装置100は、ステップS301の取得リクエストに対応して、ユーザ端末200に、エラーの応答を返す。
【0092】
一方、ステップS303においてユーザの識別子、具体的には、「ユーザB」の識別子を抽出できた場合、ステップS305に進む。ステップS305において検索装置100は、画像人物対応データ123から、ユーザBの識別子に対応付けられた画像の識別子を取得する。さらに検索装置100は、ステップS306において、画像データベース124から、ステップS305で取得した画像の識別子に対応する画像データを取得する。ここで取得する画像データは、ユーザBの顔部を含む。ステップS307において検索装置100は、ステップS301の取得リクエストに対応して、ユーザ端末200に取得応答を返す。この取得応答は、ステップS306で取得した、クエリ画像データに含まれるユーザであるユーザBの識別子と、ユーザBの顔部を含む画像データを含む。
【0093】
図8に示す例において検索装置100は、ステップS303で抽出したユーザの識別子をユーザ端末200に返しても良い。これによりユーザ端末200は、クエリ画像データに映り込んだユーザの名前を特定することができる。また
図8に示す例において、検索装置100が予め画像データを保持し特徴点が抽出されている場合を説明するが、ユーザから取得リクエストが送信されたタイミングで、画像データベースの画像データの特徴点を抽出しても良い。
【0094】
図4ないし
図8を参照して、本発明の実施の形態に係る特徴点出力装置1が出力した特徴点データを、画像検索に用いる場合を説明したがこれに限られず、顔認証システムなどの様々なシステムに適用しても良い。
【0095】
(その他の実施の形態)
上記のように、本発明の実施の形態によって記載したが、この開示の一部をなす論述および図面はこの発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例および運用技術が明らかとなる。
【0096】
例えば、本発明の実施の形態においては、画像データは静止画である場合を説明したが、動画データから取得した1フレームの画像データであっても良い。また、本発明の実施の形態に係る特徴点出力装置1が出力する特徴点データを用いて、入力された複数の写真について、同一人物が写っているか否かを判定しても良い。またこれ以外の活用方法も考えられる。
【0097】
本発明はここでは記載していない様々な実施の形態等を含むことは勿論である。従って、本発明の技術的範囲は上記の説明から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められるものである。