(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6046548
(24)【登録日】2016年11月25日
(45)【発行日】2016年12月14日
(54)【発明の名称】充電装置
(51)【国際特許分類】
H02J 7/02 20160101AFI20161206BHJP
H02J 7/00 20060101ALI20161206BHJP
【FI】
H02J7/02 B
H02J7/00 B
【請求項の数】6
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2013-92717(P2013-92717)
(22)【出願日】2013年4月25日
(65)【公開番号】特開2014-217173(P2014-217173A)
(43)【公開日】2014年11月17日
【審査請求日】2015年8月3日
(73)【特許権者】
【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000604
【氏名又は名称】特許業務法人 共立
(72)【発明者】
【氏名】守田 昌弘
(72)【発明者】
【氏名】山本 健児
(72)【発明者】
【氏名】河村 秀樹
【審査官】
小池 堂夫
(56)【参考文献】
【文献】
特開昭56−076176(JP,A)
【文献】
特開2008−043186(JP,A)
【文献】
特開2008−067426(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 7/00−7/12
H02J 7/34−7/36
H01M 10/42−10/48
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電源からバッテリに電力を供給して前記バッテリを充電する充電回路(10、200)と、
前記充電回路に接続され、前記バッテリの容量が第1基準容量になるまで、前記バッテリへの供給電力が第1供給電力となるように前記充電回路を制御する第1充電モードを実施し、前記バッテリの容量が前記第1基準容量より大きくなると、前記バッテリへの供給電力が前記第1供給電力より小さい第2供給電力となるように前記充電回路を制御する第2充電モードを実施する制御回路(11、21)と、
を備えた充電装置において、
前記制御回路は、前記バッテリから電力が消費された場合、又は、前記バッテリから電力が消費される予定がある場合、前記バッテリからの電力消費が終了するまで前記第2充電モードを実施しないことを特徴とする充電装置。
【請求項2】
前記制御回路は、前記バッテリから基準消費電力以上の電力が消費された場合、又は、前記バッテリから前記基準消費電力以上の電力が消費される予定がある場合、前記バッテリからの電力消費が終了するまで前記第2充電モードを実施しないことを特徴とする請求項1に記載の充電装置。
【請求項3】
前記制御回路は、前記バッテリの容量が前記第1基準容量になった後は、前記第1基準容量より小さい第2基準容量になるまで前記第1充電モードを実施しないことを特徴とする請求項1又は2に記載の充電装置。
【請求項4】
前記制御回路(21)は、前記充電回路(200)の温度が基準温度以上になったとき、前記第1供給電力及び前記第2供給電力の値を下げることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の充電装置。
【請求項5】
前記制御回路に接続され、前記電源から前記バッテリに電力を供給するサブ充電回路(201)を有し、
前記制御回路は、前記充電回路の温度が基準温度以上になったとき、前記サブ充電回路による前記バッテリへの供給電力を上げるように前記サブ充電回路を制御することを特徴とする請求項4に記載の充電装置。
【請求項6】
前記制御回路は、前記充電回路による前記バッテリへの供給電力と前記サブ充電回路による前記バッテリへの供給電力の和が所定範囲内となるように、前記充電回路及び前記サブ充電回路を制御することを特徴とする請求項5に記載の充電装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、所定の供給電力で充電する第1充電モードと、第1充電モードより小さい供給電力で充電する第2充電モードとを実施する充電装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、所定の供給電力で充電する第1充電モードと、第1充電モードより小さい供給電力で充電する第2充電モードを実施する充電装置として、例えば特許文献1に開示されている充電装置がある。
【0003】
この充電装置は、バッテリの電圧が所定電圧になるまで、定電流でバッテリを充電する定電流充電モードを実施する。その後、バッテリの電圧が所定電圧より大きくなると、定電流充電モードよりも小さい定電流でバッテリを充電する多段定電流充電モードを実施する。ここで、定電流充電モードよりも小さい定電流でバッテリを充電するのは、バッテリの内部抵抗による影響を抑え、より満充電に近い状態まで充電するためである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第3767438号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、前述したように、多段定電流充電モードは、バッテリの内部抵抗による影響を抑え、より満充電に近い状態まで充電するために、定電流充電モードよりも小さい定電流でバッテリを充電する充電モードである。そのため、定電流モードに比べ充電効率が悪い。
【0006】
バッテリに接続された負荷が動作を開始し、バッテリから電力が消費されると、バッテリの電圧が低下する。バッテリの電圧が所定電圧より小さくなると、充電装置は定電流充電モードを実施する。その後、バッテリの電圧が所定電圧より大きくなると、充電装置は多段定電流充電モードを実施する。しかし、バッテリから消費される電力が多段定電流充電モードによって供給される電力より大きいと、バッテリの電圧が低下し所定電圧より小さくなる。その結果、定電流充電モードと多段定電流充電モードが、所定電圧を挟んで頻繁に繰り返し実施されることになる。つまり、充電効率の悪い多段定電流充電モードが頻繁に繰り返し実施されることになる。そのため、充電装置の充電効率を向上させることが困難であった。
【0007】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、充電効率の悪い充電モードの実施回数を抑え、充電効率を向上させることができる充電装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するためになされた本発明は、電源からバッテリに電力を供給してバッテリを充電する充電回路と、充電回路に接続され、バッテリの容量が第1基準容量になるまで、バッテリへの供給電力が第1供給電力となるように充電回路を制御する第1充電モードを実施し、バッテリの容量が第1基準容量より大きくなると、バッテリへの供給電力が第1供給電力より小さい第2供給電力となるように充電回路を制御する第2充電モードを実施する制御回路と、を備えた充電装置において、制御回路は、バッテリから電力が消費された場合、又は、バッテリから電力が消費される予定がある場合、バッテリからの電力消費が終了するまで第2充電モードを実施しないことを特徴とする。
【0009】
バッテリから電力が消費された場合、バッテリの容量が低下し、第1充電モードと第2充電モードが、第1基準容量を挟んで頻繁に繰り返し実施されることになる。また、バッテリから電力が消費される予定がある場合も、バッテリから電力が消費されるとバッテリの容量が低下し、第1充電モードと第2充電モードが、第1基準容量を挟んで頻繁に繰り返し実施されることになる。しかし、この構成によれば、制御回路は、バッテリから電力が消費された場合、又は、バッテリから電力が消費される予定がある場合、バッテリからの電力消費が終了するまで第2充電モードを実施しない。そのため、第1充電モードに比べ充電効率の悪い第2充電モードが頻繁に繰り返されることはない。従って、充電効率の悪い第2充電モードの実施回数を抑え、充電効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】第1実施形態における充電装置の回路図である。
【
図2】
図1の充電装置の動作を説明するためのフローチャートである。
【
図3】
図1の充電装置において、バッテリから電力が消費された場合のバッテリへの供給電力及びバッテリの容量の波形図である。
【
図4】
図1の充電装置において、バッテリから電力が消費される予定がある場合のバッテリへの供給電力及びバッテリの容量の波形図である。
【
図5】第2実施形態における充電装置の回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
次に、実施形態を挙げ、本発明をより詳しく説明する。本実施形態では、本発明に係る充電装置を、電気自動車やハイブリッド車に搭載されたバッテリを充電する充電装置に適用した例を示す。
【0012】
(第1実施形態)
まず、
図1を参照して第1実施形態の充電装置の構成について説明する。
【0013】
図1に示す充電装置1は、電源PS1からバッテリB1に電力を供給してバッテリB1を充電する装置である。ここで、電源PS1は、車両外部に設けられた商用交流電源や直流電源、又は、車両に搭載された太陽光発電装置である。また、バッテリB1は、車両に搭載され、車両に搭載された高電圧対応又は低電圧対応のエアコン等の補機S1に電力を供給するための高電圧又は低電圧の電源である。充電装置1は、充電回路10と、制御回路11とを備えている。
【0014】
充電回路10は、制御回路11によって制御され、電源PS1からバッテリB1に電力を供給してバッテリB1を充電する回路である。充電回路10は、制御回路11に接続されている。また、電源PS1及びバッテリB1にそれぞれ接続されている。そして、バッテリB1が補機S1に接続されている。
【0015】
制御回路11は、外部から入力される充電要求信号、バッテリ情報及び補機情報に基づいて充電回路10を制御する回路である。制御回路11は、マイクロコンピュータを備えている。制御回路11は、充電要求信号が入力されると、バッテリ情報によって得られるバッテリB1の容量が第1基準容量になるまで、バッテリB1への供給電力が第1供給電力となるように充電回路10を制御する第1充電モードを実施する。そして、バッテリB1の容量が第1基準容量より大きくなると、バッテリB1への供給電力が第1供給電力より小さい第2供給電力となるように充電回路10を制御する第2充電モードを実施する。しかし、バッテリ情報によって、バッテリB1から基準消費電力以上の電力が消費されたと認識した場合、又は、補機情報によって、補機S1が動作してバッテリB1から基準消費電力以上の電力が消費される予定があると認識した場合、バッテリB1からの電力消費が終了するまで第2充電モードを実施しない。また、バッテリB1の容量が第1基準容量になった後は、第1基準容量より小さい第2基準容量になるまで第1充電モードを実施しない。制御回路11は、充電回路10に接続されている。
【0016】
次に、
図2に示すフローチャートを参照して第1実施形態の充電装置の動作について説明する。
【0017】
制御回路11は、
図2に示すように、充電要求信号に基づいて充電要求があるか否かを判定する(S100)。ステップS100において、充電要求ありと判定した場合、制御回路11は、バッテリ情報に基づいてバッテリB1が満充電状態であるか否かを判定する(S101)。ステップS101において、バッテリB1が満充電状態でないと判定した場合、制御回路11は、バッテリ情報及び補機情報に基づいて、バッテリB1から基準消費電力以上の電力が消費されたか、又は、バッテリB1から基準消費電力以上の電力が消費される予定があるか否かを判定する(S102)。ステップS102において、バッテリB1から基準消費電力以上の電力が消費されておらず、かつ、バッテリB1から基準消費電力以上の電力が消費される予定もないと判定した場合、制御回路11は、バッテリ情報に基づいてバッテリB1の容量が第1基準容量以下であるか否かを判定する(S103)。
【0018】
ステップS103において、バッテリB1の容量が第1基準容量以下であると判定した場合、制御回路11は、バッテリB1への供給電力が第1供給電力となるように充電回路10を制御する第1充電モードを実施する(S104)。そして、スタートに戻る。
【0019】
一方、ステップS103において、バッテリB1の容量が第1基準容量より大きいと判定した場合、制御回路11は、バッテリB1への供給電力が第1供給電力より小さい第2供給電力となるように充電回路10を制御する第2充電モードを実施する(S105)。そして、スタートに戻る。
【0020】
一方、ステップS102において、バッテリB1から基準消費電力以上の電力が消費されたか、又は、バッテリB1から基準消費電力以上の電力が消費される予定があると判定した場合、制御回路11は、バッテリ情報に基づいてバッテリB1の容量が第1基準容量以下であるか否かを判定する(S106)。ステップS106において、バッテリB1の容量が第1基準容量以下であると判定した場合、制御回路11は、バッテリB1の容量が第1基準容量より小さい第2基準容量以下であるか否かを判定する(S107)。
【0021】
ステップS107において、バッテリB1の容量が第2基準容量以下であると判定した場合、制御回路11は、第1充電モードを実施する(S108)。そして、スタートに戻る。
【0022】
一方、ステップS107において、バッテリB1の容量が第2基準容量より大きい判定した場合、制御回路11は、前回実施した充電回路10の制御動作を継続して実施する(S109)。そして、スタートに戻る。
【0023】
一方、ステップS100において、充電要求なしと判定した場合、ステップS101において、バッテリB1が満充電状態であると判定した場合、又は、ステップS106において、バッテリB1の容量が第1基準容量より大きいと判定した場合、制御回路11は、充電回路10を制御して電源PS1からバッテリB1への充電を停止する(S110)。
【0024】
次に、
図3に示す波形図を参照してバッテリから電力が消費された場合の第1実施形態の充電装置の動作について説明する。
【0025】
図3に示すように、時刻t0で充電要求があると、バッテリB1の容量が第1基準容量より小さいことから、第1充電モードが実施される。その後、第1充電モードの実施中の時刻t1で補機S1が動作を開始し、バッテリB1から基準消費電力以上の電力が消費された場合、バッテリB1からの電力消費が終了する時刻t8まで第2充電モードは実施されない。この時刻t1〜t8の間、バッテリB1の容量に基づいて第1充電モードが実施される。しかし、バッテリB1の容量が第1基準容量になった時刻t2、t4、t6後は、第1基準容量より小さい第2基準容量になる時刻t3、t5、t7まで第1充電モードは実施されない。そして、時刻t8以降であって、バッテリB1の容量が第1基準容量より大きくなる時刻t9の直後に第2充電モードが実施される。そして、バッテリB1が時刻t10で満充電状態となる。
【0026】
次に、
図4に示す波形図を参照してバッテリから電力が消費される予定がある場合の第1実施形態の充電装置の動作について説明する。
【0027】
図4に示すように、時刻t11で充電要求があると、バッテリB1の容量が第1基準容量より小さいことから、第1充電モードが実施され、バッテリB1の容量は時刻t12で第1基準容量になる。第1充電モードの実施後である時刻t13で補機S1が動作を開始し、バッテリB1から基準消費電力以上の電力が消費される予定があるため、バッテリB1からの電力消費が終了する時刻t15まで第2充電モードは実施されない。この時刻t13〜t15の間、バッテリB1の容量に基づいて第1充電モードが実施される。しかし、バッテリB1の容量が第1基準容量になった時刻t12後は、第1基準容量より小さい第2基準容量になる時刻t14まで第1充電モードは実施されない。そして、時刻t15以降であって、バッテリB1の容量が第1基準容量より大きくなる時刻t16の直後に第2充電モードが実施される。そして、バッテリB1が時刻t17で満充電状態となる。
【0028】
次に、第1実施形態の効果について説明する。
【0029】
バッテリB1から電力が消費された場合、バッテリB1の容量が低下し、第1充電モードと第2充電モードが、第1基準容量を挟んで頻繁に繰り返し実施されることになる。また、バッテリB1から電力が消費される予定がある場合も、バッテリB1から電力が消費されるとバッテリB1の容量が低下し、第1充電モードと第2充電モードが、第1基準容量を挟んで頻繁に繰り返し実施されることになる。しかし、第1実施形態によれば、制御回路11は、バッテリB1から電力が消費された場合、又は、バッテリB1から電力が消費される予定がある場合、バッテリB1からの電力消費が終了するまで第2充電モードを実施しない。そのため、第1充電モードに比べ充電効率の悪い第2充電モードが頻繁に繰り返されることはない。従って、充電効率の悪い第2充電モードの実施回数を抑え、充電効率を向上させることができる。
【0030】
バッテリB1から電力が消費されても、その消費電力が小さい場合、バッテリB1の容量は緩やかに低下する。そのため、第1充電モードと第2充電モードが、第1基準容量を挟んで頻繁に繰り返し実施される事態がすぐに発生するわけではない。第1実施形態によれば、制御回路11は、バッテリB1から基準消費電力以上の電力が消費された場合、又は、バッテリB1から基準消費電力以上の電力が消費される予定がある場合、バッテリB1からの電力消費が終了するまで第2充電モードを実施しない。そのため、第2充電モードの無駄な実施制限を抑えることができる。
【0031】
第1実施形態によれば、制御回路11は、バッテリB1の容量が第1基準容量になった後は、第1基準容量より小さい第2基準容量になるまで第1充電モードを実施しない。そのため、第1充電モードが頻繁に繰り返し実施される事態を抑えることができる。
【0032】
(第2実施形態)
次に、第2実施形態の充電装置について説明する。第2実施形態の充電装置は、第1実施形態の充電装置に対して充電回路の内部構成を変更するとともに、温度に基づいて制御の仕方を変更したものである。
【0033】
まず、
図5を参照して第2実施形態の充電装置の構成及び動作について説明する。
【0034】
図5に示す充電装置2は、電源PS2からバッテリB2に電力を供給してバッテリB2を充電する装置である。ここで、電源PS2は、車両外部に設けられた商用交流電源や直流電源、又は、車両に搭載された太陽光発電装置である。また、バッテリB2は、車両に搭載され、車両に搭載された低電圧対応のエアコン等の補機S2に電力を供給するための低電圧の電源である。充電装置2は、充電回路20と、制御回路21とを備えている。
【0035】
充電回路20は、制御回路21によって制御され、電源PS2からバッテリB2に電力を供給してバッテリB2を充電する回路である。充電回路20は、メイン充電回路200と、サブ充電回路201とを備えている。
【0036】
メイン充電回路200は、制御回路21によって制御され、電源PS2からバッテリB2に電力を供給してバッテリB2を充電する回路である。メイン充電回路200は、第1コンバータ回路200aと、バッテリ200bと、第2コンバータ回路200cとを備えている。
【0037】
第1コンバータ回路200aは、制御回路21によって制御され、電源PS2から供給される電力を高電圧の直流電力に変換してバッテリ200bに供給し、バッテリ200bを充電する回路である。第1コンバータ回路200aは、回路部の温度情報を制御回路21に対して出力する。第1コンバータ回路200aは、制御回路21に接続されている。また、電源PS2及びバッテリ200bにそれぞれ接続されている。
【0038】
バッテリ200bは、第1コンバータ回路200aによって充電され、第2コンバータ回路200cに電力を供給するための高電圧の電源である。
【0039】
第2コンバータ回路200cは、制御回路21によって制御され、バッテリ200bから供給される高電圧の直流電力を低電圧の直流電力に変換してバッテリB2に供給し、バッテリB2を充電する回路である。第2コンバータ回路200cは、回路部の温度情報を制御回路21に対して出力する。第2コンバータ回路200cは、制御回路21に接続されている。また、バッテリ200b及びバッテリB2にそれぞれ接続されている。
【0040】
サブ充電回路201は、制御回路21によって制御され、メイン充電回路200の温度が基準温度以上になったときに、電源PS2からバッテリB2に電力を供給してバッテリB2を充電する回路である。サブ充電回路201は、制御回路21に接続されている。また、電源PS2及びバッテリB2にそれぞれ接続されている。
【0041】
制御回路21は、外部から入力される充電要求信号、バッテリ情報及び補機情報、並びに、充電回路20から入力される温度情報に基づいて充電回路20を制御する回路である。制御回路21は、第1実施形態の制御回路11と同様の制御の仕方でメイン充電回路200を制御する。そのため、メイン充電回路200によるバッテリB2の充電動作は、第1実施形態の充電装置1と同一である。制御回路21は、温度情報によって得られるメイン充電回路200の温度が基準温度以上になったとき、具体的には、第1コンバータ回路200aの温度又は第2コンバータ回路200cの温度が基準温度以上になったとき、メイン充電回路200の第1供給電力及び第2供給電力の値を下げる。そして、サブ充電回路201によるバッテリB2への供給電力を上げるようにサブ充電回路201を制御する。しかも、メイン充電回路200によるバッテリB2への供給電力とサブ充電回路201によるバッテリB2への供給電力の和が所定範囲内となるように、メイン充電回路200及びサブ充電回路201を制御する。例えば、メイン充電回路200によるバッテリB2への供給電力とサブ充電回路201によるバッテリB2への供給電力の和が、基準温度以上になる前の状態におけるメイン充電回路200によるバッテリB2への供給電力と等しくなるように、メイン充電回路200及びサブ充電回路201を制御する。
【0042】
次に、第2実施形態の効果について説明する。
【0043】
第2実施形態によれば、充電回路20は、制御回路21に接続され、電源PS2からバッテリB2に電力を供給するメイン充電回路200及びサブ充電回路201を備えている。そして、
制御回路21は、メイン充電回路200の温度が基準温度以上になったとき、メイン充電回路200の第1供給電力及び第2供給電力の値を下げる。
そのため、メイン充電回路200の温度上昇を抑えることができる。
【0044】
第2実施形態によれば、制御回路21は、メイン充電回路200の温度が基準温度以上になったとき、サブ充電回路201によるバッテリB2への供給電力を上げるようにサブ充電回路201を制御する。そのため、メイン充電回路200の温度上昇に伴うバッテリB2への供給電力の減少を、サブ充電回路201によって補うことができる。従って、メイン充電回路200の温度が上昇しても、バッテリB2を確実に充電することができる。
【0045】
第2実施形態によれば、制御回路21は、メイン充電回路200によるバッテリB2への供給電力とサブ充電回路201によるバッテリB2への供給電力の和が所定範囲内となるように、メイン充電回路200及びサブ充電回路201を制御する。そのため、メイン充電回路200の温度が上昇しても、バッテリB2に所定の電力を安定して供給することができる。
【符号の説明】
【0046】
1・・・充電装置、10・・・充電回路、11・・・制御回路、PS1・・・電源、B1・・・バッテリ、S1・・・補機