【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、一端が車体に揺動可能に支持され、他端に車輪を回転可能に支持する筒状の一対のトレーリングアームと、
該一対のトレーリングアームを連結するトーションビームとを備え、
前記各トレーリングアームは、その中心軸が同一平面上に存在するように曲げ加工して形成されていると共に、前記トーションビームと連結する連結部を有し、
前記トレーリングアームの中心軸が存在する平面をアーム基準面とし、前記一対のトレーリングアームの一端に設けられた筒状の車体取付部材の軸方向中間位置断面の中心である2つの車体側取付点と、前記一対のトレーリングアームの他端面の中心である2つの車輪側取付点のうちの1つの車輪側取付点とが存在する平面をアーム取付面とした場合、
前記トレーリングアームの前記連結部の軸方向中間位置断面において、前記アーム基準面の交線と前記アーム取付面の交線とが角度を有し、その角度αが15°以下であることを特徴とするトーションビーム式サスペンションにある(請求項1)。
【0009】
前記トーションビーム式サスペンションにおいて、前記トレーリングアームは、その中心軸が同一平面上に存在するように曲げ加工して形成されている。すなわち、中心軸が2次元的に変位するように曲げ加工したトレーリングアームを採用している。そのため、トレーリングアームの形状を単純化・簡略化することができる。これにより、生産性の向上を図ることができる。また、形状の単純化・簡略化により、強度の向上を図り、耐久性を高めることができる。
【0010】
また、トレーリングアームの連結部の軸方向中間位置断面において、アーム基準面の交線とアーム取付面の交線とが成す角度αが15°以下である。すなわち、トレーリングアームがアーム取付面に対して傾いた状態で配置され、その傾きの角度αを特定の範囲としている。そのため、形状を単純化・簡略化した2次元曲げ加工のトレーリングアームを採用した構成であっても、トーションビームに対してトレーリングアームの配設位置の調整が可能となる。これにより、トーションビームとトレーリングアームとの連結位置(接合位置)の調整が可能となる。
【0011】
また、これによって、従来のように、トーションビームの一部を車両上下方向にオフセットした形状としたり、3次元曲げ加工のトレーリングアームを採用したりする必要や、トーションビームをトレーリングアームの配設位置に対して車両上下方向にオフセットさせて配置する必要がなくなる。そのため、トーションビームとトレーリングアームとの接合強度を十分に確保することができる。また、両者の接合強度を補うための補強部材を設ける必要がないため、部品点数の削減、生産性の向上を図ることもできる。
【0012】
また、前述した構成とすることにより、トーションビーム式サスペンション全体の構造を単純化・簡略化することができる。そのため、全体として応力集中が生じにくい構造とすることができる。これにより、全体強度の向上、トーションビームとトレーリングアームとの接合強度の向上を図り、耐久性を高めることができる。
【0013】
このように、本発明によれば、生産性、耐久性に優れたトーションビーム式サスペンションを提供することができる。
前記トーションビーム式サスペンションにおいて、前記各トレーリングアームは、その中心軸が同一平面上に存在するように曲げ加工して形成されている。ここで、中心軸が同一平面上に存在するとは、中心軸が実質的に同一の平面(アーム基準面)上に存在していることをいう。
【0014】
また、前記車体側取付点は、筒状の車体取付部材の軸方向中間位置断面の中心である。すなわち、車体取付部材の軸方向中間位置断面とその車体取付部材の中心軸とが交わる点である。
【0015】
また、前記車輪側取付点は、トレーリングアームの他端面の中心である。すなわち、トレーリングアームの他端面とそのトレーリングアームの中心軸とが交わる点である。
また、前記アーム取付面は、2つの車体側取付点と、2つの車輪側取付点のうちの1つの車輪側取付点とが存在する平面である。したがって、2つの車体側取付点と一方の車輪側取付点とが存在するアーム取付面、2つの車体側取付点と他方の車輪側取付点とが存在するアーム取付面の2つのアーム取付面が存在することになる。いずれのアーム取付面においても、トレーリングアームの連結部の軸方向中間位置断面において、アーム基準面の交線とアーム取付面の交線とが成す角度αが15°以下であるという条件を満たす。
【0016】
また、前記トレーリングアームの前記連結部の軸方向中間位置断面において、前記アーム基準面の交線と前記アーム取付面の交線とが成す角度αが15°以下である。ここで、アーム基準面の交線とは、トレーリングアームの連結部の軸方向中間位置断面とアーム基準面との交線を意味する。また、アーム取付面の交線とは、トレーリングアームの連結部の軸方向中間位置断面とアーム取付面との交線を意味する。前記角度αが15°を超える場合には、前述したトーションビーム式サスペンションの奏する効果を十分に得ることができない。
【0017】
また、前記トレーリングアームの前記連結部の軸方向中間位置断面において、前記アーム基準面の交線は、前記アーム取付面の交線に対して車両内側に向かって車両下側に傾斜しており、前記トレーリングアームの前記アーム基準面に対する上端位置と前記トーションビームの上端位置とが略同じ位置であってもよい(請求項2)。この場合には、トーションビームとトレーリングアームとの接合強度をより一層高めることができる。また、両者の接合強度を補うための補強部材を設ける必要がないため、部品点数の削減、生産性の向上を図ることもできる。
【0018】
ここで、トレーリングアームのアーム基準面に対する上端位置とは、アーム基準面に直交する方向における上端位置を意味する。
また、略同じ位置であるとは、実質的に同じ位置であることを意味し、製造上の理由によって若干の隙間を設ける場合も含む。
【0019】
また、前記トレーリングアームは、一枚の板材を筒状に曲げ加工して形成されていてもよい(請求項3)。この場合には、トレーリングアームの断面形状の自由度を高めることができる。そのため、トレーリングアームにおいてより強度が必要となる部分、すなわち車輪を回転可能に支持する他端側部分の強度が高くなるような形状とすることが可能となる。これにより、耐久性をさらに高めることができる。
【0020】
また、前記トレーリングアームは、冷間プレスにより成形されていてもよい。この場合には、生産コストの低減や生産性の向上を図ることができる。
また、前記一対のトレーリングアームは、対称形状(例えば、左右対称形状等)であってもよい。この場合には、トレーリングアーム成形用の金型の共通化が可能となり、生産コストの低減や生産性の向上を図ることができる。
【0021】
また、前記トレーリングアームは、前記連結部から他端に向かって断面周長が徐々に長くなっていてもよい(請求項4)。この場合には、トレーリングアームにおいてより強度が必要となる部分、すなわち車輪を回転可能に支持する他端側部分の強度を効果的に高めることができる。これにより、耐久性をさらに高めることができる。
【0022】
ここで、断面周長とは、トレーリングアームの中心軸に直交する断面における周長をいう。