(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで例えば、投票券販売会場等においても、公営競技における競技結果について、投票券の購入者の的中率等のランキングを知ることができれば、来場者により興奮と感動を与えることができ、来場者数のアップにも貢献できると考えられる。
【0006】
しかし、前述したインターネットによる予想的中率の公開技術は、特定の会場における来場者の投票行動に連動したものではなく、会場特有のサービス性のアップに貢献できるものではないという問題点を有していた。
【0007】
また、インターネット上でのランキングシステムでは、インターネット投票用の口座開設を開くことが条件となる場合が多く、誰でも気軽に参加することが難しかった。
【0008】
また、場内の出球のランキングを場内モニタに表示する技術は、場内のゲーム競技毎の出球数のランキングを単純に集計しているだけであり、公営競技のように、投票券の販売状況と競技結果に基づいて払戻金が決まるような複雑なシステムにおいて、精度の高いランキングを算出する目的には、適用することは困難であるという問題点を有していた。
【0009】
本発明は、公営競技の投票券販売会場等において、会場内での投票券の販売状況や競技結果に対する払戻金の状況等にリアルタイムかつ正確に連動したランキングの算出と公開を可能にすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
態様の一例では、
投票券販売会場を含む会場内に設置されたランキング装置であって、前記会場内
に設置され来場者が現金で投票券を購入する現金投票端末で購入された
、公営競技に対する
前記投票券に関する情報を示す投票データを
、前記現金投票端末から受信する投票データ受信部と、公営競技の競技結果に対する払戻金の情報を示す払戻金データを受信する払戻金データ受信部と、受信された投票データおよび払戻金データに基づいて、投票券の
来場した購入者毎の競技結果を算出し集計する集計部と、集計部での集計結果に基づいて
来場した購入者毎のランキングを示すランキングデータを算出するランキングデータ算出部と、
前記会場内に設置された表示装置に表示させる前記ランキングデータを
、前記会場内に設置された画像編集装置に出力するランキングデータ出力部と、を備える。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、公営競技の投票券販売会場等において、会場内での投票券の販売状況や競技結果に対する払戻金の状況等にリアルタイムかつ正確に連動したランキングの算出と公開を行うことが可能となる。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明によるトータリゼータシステムの実施形態の全体構成図である。
【0014】
現金投票端末105は、例えば場外馬券売場等の投票券販売会場(以下単に「会場」と記載する)内に設置され、来場者が現金を支払って投票券を購入する端末装置である。
【0015】
現金投票端末105で購入された投票券の内容を示す投票データは、例えば会場内に設置されているポイントサーバ102と、外部のデータセンタ等に設置されているホスト装置103に送信される。
【0016】
会場内のポイントサーバ102は、例えばサーバコンピュータ装置であり、来場者が現金投票端末105で読み込ませた会員カードの情報に基づいて、投票券の購入金額に応じたポインタを、ポイントサーバ102が保持する例えば会員データベースに記憶される会員レコード内のポイント項目に加算する。
【0017】
外部のホスト装置103は、公営競技の全体の運営を管理する例えばサーバコンピュータ装置であり、会場内の現金投票端末105から送られてきた投票データと、公営競技の競技結果に基づいて、各競技毎の払戻金等を算出する。
【0018】
画像編集装置104は、例えば会場内に設置され、ホスト装置103から公営競技のオッズデータや払戻金データを受信して、競技予定、競技結果、オッズ、払戻金等の情報を表示するための画像を生成し、例えば会場内に設置される表示装置である場内モニタ106に表示させる。
【0019】
ランキング装置101は、ポイントサーバ102から投票データを受信し、ホスト装置103から払戻金データを受信し、来場した投票券購入者の的中率および払戻金のランキングを示すランキングデータと、獲得ポイントを示すポイント付与データを算出する。この結果、画像編集装置104は、競技毎、一日単位、週単位、累計単位等での投票券購入者のランキングを場内モニタ106に表示する。
【0020】
図2は、本実施形態における
図1のランキング装置101のブロック図である。
ポイントサーバ通信部203は、会場内の例えばLAN(ローカルエリアネットワーク)を介して、
図1に示される会場内のポイントサーバ102と通信を行う、ネットワークインタフェース装置である。このポイントサーバ通信部203は、ポイントサーバ102から、会場内の現金投票端末105で購入された公営競技に対する投票券に関する情報を示す投票データを受信する投票データ受信部として動作する。
【0021】
ホスト通信部204は、専用デジタル回線またはインターネット回線等を介して、
図1に示される外部のホスト装置103と通信を行う、ネットワークインタフェース装置である。このホスト通信部204は、ホスト装置103から、公営競技の競技結果に対する払戻金の情報を示す払戻金データを受信する払戻金データ受信部として動作する。
【0022】
画像編集装置通信部205は、会場内の例えばLANを介して、
図1に示される会場内の画像編集装置104と通信を行う、ネットワークインタフェース装置である。
【0023】
データ部202は、例えばハードディスク記憶装置であり、保持データとして、的中率および払戻金のランキング毎に付与されるポイントを登録したポイント付与設定データを記憶する。この場合、データ部202は、ポイント付与設定データ記憶部として機能する。また、データ部202は、入力データとして、ポイントサーバ通信部203が受信した投票データと、ホスト通信部204が受信した払戻金データを記憶する。さらに、データ部202は、出力データとして、ランキングデータ、ポイント付与データ、集計データを記憶する。
【0024】
演算部201は、例えばCPU(中央演算プロセッサ)と制御プログラムを記憶したROM(リードオンリーメモリ)またはRAM(ランダムアクセスメモリ)である。この演算部201は、ポイントサーバ通信部203およびホスト通信部204からデータ部202に受信された投票データおよび払戻金データに基づいて、ランキング装置101が設置される会場内における、投票券の購入者毎の競技結果の的中率および払戻金を算出し集計する集計部として動作する。この結果集計されるデータは、例えば購入者毎の的中率、払戻金(総額)等のである。
【0025】
また、演算部201は、上述の集計結果に基づいて購入者毎のランキングを示すランキングデータを算出するランキングデータ算出部として動作する。このランキングデータは例えば、的中率および払戻金からなり、データ部202に記憶される。
【0026】
さらに、演算部201は、画像編集装置通信部205と共に、
図1の画像編集装置104に、データ部202内のランキングデータを出力するランキングデータ出力部として動作する。
【0027】
図1の画像編集装置104は、このランキングデータに基づいて、購入者毎の的中率および払戻金のランキングを、表示装置である場内モニタ106に表示するための画像データを生成する。
【0028】
ここで、データ部202に記憶されるポイント付与設定データは、的中率および払戻金のランキング毎に付与されるポイントを登録したデータである。演算部201は、算出したランキングデータが示す的中率および払戻金のランキングと、ポイント付与設定データとに基づいて、購入者に付与するポイントを示すポイント付与データを算出し、データ部202に記憶するポイント付与データ算出部として動作する。
【0029】
さらに、演算部201は、ポイントサーバ通信部203と共に、
図1のポイントサーバ102に、データ部202内のポイント付与データを出力するポイント付与データ出力部として動作する。
【0030】
図1のポイントサーバは、上述のポイント付与データに基づいて、購入者毎のポイントを管理する。
【0031】
図3は、本実施形態において、
図2の演算部201が実行するランキング生成処理の例を示すフローチャートである。この処理は、演算部201が特には図示しないメモリに記憶されたランキング生成処理プログラムを実行する処理として実現される。以下の説明において、演算部201、データ部202、ポイントサーバ通信部203、ホスト通信部204、および画像編集装置通信部205は、
図2の各部分を指すものとする。
【0032】
まず、演算部201は、ポート145通信部203が
図1のポイントサーバ102から投票データを受信するのを待つ(
図3のステップS301の繰返し処理)。
【0033】
ステップS301の判定がYESとなると、演算部201は、ホスト通信部204が
図1のホスト装置103から払戻金データを受信するのを待つ(
図3のステップS302の繰返し処理)。
【0034】
ステップS302の判定がYESになると、演算部201は、投票データと払戻金データを集計して、投票券購入者である個人の的中率、払戻金等の集計データを算出し、データ部202に記憶する(
図3のステップS303)。
【0035】
図4は、投票データのデータ構成例(競馬の場合)を示す図である。投票券の購入者毎に、「会員番号」、「氏名」、「ニックネーム」等の個人情報のほかに、購入した投票券に関する「レース番号」「種別」「買い目」「金額」(購入金額)等の情報が保持される。
【0036】
図5は、払戻金データのデータ構成例(競馬の場合)を示す図である。レース(競技)毎に、「レース番号」「種別」「着順」「払戻金」等の情報が保持される。
【0037】
図6は、演算部201が
図3のステップS303で算出する集計データのデータ構成例を示す図である。個人(投票券購入者)毎に、「会員番号」「氏名」「ニックネーム」「的中率」「払戻金(総額)」等が保持される。「会員番号」「氏名」「ニックネーム」は、
図4に例示される投票データを参照して設定される。「的中率」「払戻金(総額)」は、
図4に例示される投票データ内容と
図5に例示される払戻金データの内容から算出することができる。
【0038】
図3のステップS303の集計処理の後、演算部201は、ランキングデータ算出の処理を実行する(
図3のステップS304)。ここでは、ステップS303でデータ部202に得られた各個人の集計データを、的中率順および払戻金(総額)順で並び替え、
図6に例示される集計データに、「的中率順位」と「払戻金(総額)順位」の項目を加えて、
図7に例示されるデータ構成を有するランキングデータを生成し、データ部202に記憶する。
【0039】
演算部201は、生成したランキングデータを、
図1の画像編集装置104に送信する(
図3のステップS305)。この結果、画像編集装置104は、例えば
図8に示されるようなランキング表示データを作成し、場内モニタ106に表示させる。
【0040】
次に、演算部201は、ポイント付与データ算出の処理を実行する(
図3のステップS306)。いま、データ部202には、例えば
図9に示されるデータ構成例を有するポイント付与設定データが記憶されている。このデータは、「的中率」および「払戻金」の各項目毎に、「順位」と「ポイント」を記憶する。演算部201は、
図3のステップS304で生成した
図7に例示されるランキングデータ中の「的中率順位」と「払戻金(総額)順位」の各項目値によって、
図9に例示されるポイント付与設定データを参照し、「的中率」および「払戻金」毎のポイントを取得し、2つのポイントを加算する。この結果、演算部201は、
図10に例示されるデータ構成を有するポイント付与データを生成する。「会員番号」「氏名」「ニックネーム」の各項目は
図4に例示される投票データから取得でき、「ポイント付与」の項目には、上述の2つのポイントの加算結果が記憶される。
【0041】
演算部201は、
図3のステップS306で算出したポイント付与データを、
図1のポイントサーバ102に送信する(
図3のステップS307)。ポイントサーバ102は、このポイント付与データ内の「会員番号」項目の値に対応する会員データ中の会員レコードのポイント項目に、ポイント付与データ内の「ポイント付与」項目中のポイント値を累算する。
【0042】
その後、演算部201は、
図3のステップS301の待機処理に戻る。
以上のようにして、本実施形態では、会場への来場者の投票行動と競技結果に基づく払戻金に正確に連動して、会場でのランキングを算出することが可能となる。また、ポイントサーバ102という既存のポイントシステム(ポイント会員)を流用することにより、発売場毎に、払戻金(総額)、的中率をランキングし、場内モニタ106で表示することや、ランキングに応じたポイント付与等のサービスを実施することが可能となる。これにより、公営競技の楽しみ(発売場、発売地域内での的中率ナンバーワン、的中金額ナンバーワンを目指す(競争心を高める)。ポイントによるサービスを受けること)が増え、購買意欲促進、ファンサービスを向上させることが可能となる。さらに、口座開設を必要とせず、簡単な会員登録だけで、ランキングサービスを利用することが可能となる。
【0043】
図11は、
図2のランキング装置101のハードウェア構成例を示す図である。
図11に示されるコンピュータは、CPU1101、メモリ1102、入力装置1103、出力装置1104、外部記憶装置1105、可搬記録媒体1109が挿入される可搬記録媒体駆動装置1106、及び通信インタフェース1107を有し、これらがバス1108によって相互に接続された構成を有する。同図に示される構成は上記システムを実現できるコンピュータの一例であり、そのようなコンピュータはこの構成に限定されるものではない。
【0044】
CPU1101は、当該コンピュータ全体の制御を行う。メモリ1102は、プログラムの実行、データ更新等の際に、外部記憶装置1105(或いは可搬記録媒体1109)に記憶されているプログラム又はデータを一時的に格納するRAM等のメモリである。CUP1101は、プログラムをメモリ1102に読み出して実行することにより、全体の制御を行う。
【0045】
入力装置1103は、ユーザによるキーボードやマウス等による入力操作を検出し、その検出結果をCPU1101に通知する。
【0046】
出力装置1104は、CPU1101の制御によって送られてくるデータを表示装置や印刷装置に出力する。
【0047】
外部記憶装置1105は、例えばハードディスク記憶装置である。主に各種データやプログラムの保存に用いられる。
【0048】
可搬記録媒体駆動装置1106は、光ディスクやSDRAM、コンパクトフラッシュ(登録商標)等の可搬記録媒体1109を収容するもので、外部記憶装置1105の補助の役割を有する。
【0049】
通信インタフェース1107は、例えばLAN(ローカルエリアネットワーク)又はWAN(ワイドエリアネットワーク)の通信回線を接続するための装置であり、
図1のポイントサーバ通信部203、ホスト通信部204、画像編集装置通信部205を実現する。
【0050】
本実施形態によるシステムは、
図3のフローチャート等で実現される機能を搭載したプログラムをCPU1101が実行することで実現される。そのプログラムは、例えば外部記憶装置1105や可搬記録媒体1109に記録して配布してもよく、或いはネットワーク接続装置1107によりネットワークから取得できるようにしてもよい。
【0051】
以上の実施形態においては、1日の集計に基づいてランキングを算出しているが、集計データやランキングデータをレース、週、月単位に変更することで、レース、週間、月間等のランキングも可能となる。