【文献】
森川 浩司他,階層回帰モデルとベイズ推定によるPOSデータの分析,日立TO技報 第16号,2010年10月25日,第16号,52〜57頁,【ISSN】1342-8217
【文献】
牛見 晋太郎,システム紹介、売場活性化のための店舗レイアウト 店舗レイアウト作成・分析支援システム「床POWER」,月刊流通ネットワーキング,2009年12月10日,通巻250号,58〜63頁,【ISSN】1343-5566
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0013】
−−−システム構成−−−
以下に本発明の実施形態について図面を用いて詳細に説明する。
図1は、本実施形態の企画効果分析システム100を含むネットワーク構成図である。
図1に示す企画効果分析システム100は、小売業における特売価格設定の各企画が周辺商品に及ぼした影響度を効率良く定量的に分析可能とするコンピュータシステムである。この企画効果分析システム100は、
図1にて例示するように、ネットワーク105を介して互いに通信可能に結ばれた、情報分析Web・APサーバ101、情報分析DBサーバ102、および特売サーバ103、が協働して構成される。勿論、こうした企画効果分析システム100の構成は一例であり、これらサーバ101〜103が一体のサーバ装置として実装されているとしてもいよい。一方、クライアント端末104は、小売業の商品部など特売企画を立案し、その企画効果の分析結果を認識したいユーザが利用する端末であり、上述のネットワーク105を介して、例えば情報分析Web・APサーバ101と通信可能である。
【0014】
続いて、企画効果分析システム100を構成する各サーバ101〜103のハードウェア構成について説明する。
図2は本実施形態における情報分析Web・APサーバ101のハードウェア構成例を示す図である。本実施形態における情報分析Web・APサーバ101は、ハードディスクドライブなど適宜な不揮発性記憶装置で構成される記憶装置201、RAMなど揮発性記憶装置で構成されるメモリ203、記憶装置201に保持されるプログラム210をメモリ203に読み出すなどして実行し装置自体の統括制御を行なうとともに各種判定、演算及び制御処理を行なうCPU202(演算装置)、ユーザの操作するクライアント端末104とネットワーク105を介して通信する通信装置205、を備える。なお、記憶装置201におけるプログラム210は、本実施形態の企画効果分析システム100として必要な機能である、カニバリゼーション分析機能216を十曽するプログラムである。
【0015】
図3は本実施形態における情報分析DBサーバ102のハードウェア構成例を示す図である。本実施形態における情報分析DBサーバ102は、ハードディスクドライブなど適宜な不揮発性記憶装置で構成される記憶装置301、RAMなど揮発性記憶装置で構成されるメモリ303、記憶装置301に保持されるプログラム310をメモリ303に読み出すなどして実行し装置自体の統括制御を行なうとともに各種判定、演算及び制御処理を行なうCPU302、ネットワーク105と接続し他装置との通信処理を担う通信装置305、を備える。なお、記憶装置301内には、プログラム310の他、販売実績(日別単品)テーブル311、客数マスタ312、商品階層マスタ313、特売企画商品マスタ314、特売企画店マスタ315を具備する。
【0016】
図4は本実施形態における特売サーバ103のハードウェア構成例を示す図である。本実施形態の特売サーバ103は、ハードディスクドライブなど適宜な不揮発性記憶装置で構成される記憶装置401、RAMなど揮発性記憶装置で構成されるメモリ403、記憶装置401に保持されるプログラム410をメモリ403に読み出すなどして実行し装置自体の統括制御を行なうとともに各種判定、演算及び制御処理を行なうCPU402、ネットワーク105と接続し他装置との通信処理を担う通信装置405を備える。なお、記憶装置410内には、プログラム410の他、特売企画商品マスタ411、特売企画店マスタ412を具備する。
【0017】
次に、本実施形態のクライアント端末104のハードウェア構成例についても説明する。
図5は本実施形態におけるクライアント端末104のハードウェア構成例を示す図である。クライアント端末104は、ハードディスクドライブなど適宜な不揮発性記憶装置で構成される記憶装置501、RAMなど揮発性記憶装置で構成されるメモリ503、記憶装置501に保持されるプログラム510をメモリ503に読み出すなどして実行し装置自体の統括制御を行なうとともに各種判定、演算及び制御処理を行なうCPU502、ユーザからのキー入力や音声入力を受け付ける入力装置504、処理データの表示を行うディスプレイ等の出力装置505、ネットワーク105と接続し情報分析Web・APサーバ101らとの通信処理を担う通信装置507を備える。なお、記憶装置501内には、プログラム510の他、カニバリゼーション入力画面550、カニバリゼーション出力画面560の各画面データを具備する。
【0018】
続いて、本実施形態の企画効果分析システム100が備える機能について説明する。以下に説明する機能は、例えば企画効果分析システム100における情報分析Web・APサーバ101が備えるプログラム210を実行することで実装される機能である。勿論、他のサーバが同様の機能を備える場合や、サーバ間で機能を分割して保持して協働するとしてもよい。
【0019】
本実施形態の企画効果分析システム100は、ユーザが所定商品に関して立案した低価格販売企画の情報として、該当企画の識別情報と、該当企画における対象商品の識別情報および階層情報と、該当企画の実行期間の情報をクライアント端末104から受け付け、当該受け付けた各情報を企画情報として、記憶装置201に格納する機能を備えている。ここで取得する企画情報は、特売企画商品マスタ314および特売企画店マスタ315の格納情報となる。
【0020】
また、企画効果分析システム100は、クライアント端末104から得た企画情報が示す該当企画の実行以降において、該当企画の識別情報を含む分析要求をクライアント端末104から受け付け、当該受け付けた識別情報に対応する該当企画の企画情報を記憶装置201から取得し、該当企画の実行期間の情報に基づき、該当期間中における所定組織での客数と各商品の販売実績の各情報を、記憶装置201(情報分析DBサーバ102から販売実績テーブル311や客数マスタ312の各情報を得て格納しているとする)から取得する機能を備えている。
【0021】
また、企画効果分析システム100は、上述の処理で取得した企画情報が示す階層情報に基づき、該当企画における対象商品と同じ商品階層に属する他商品(定番商品)の情報を、記憶装置201(情報分析DBサーバ102から商品階層マスタ313の情報を得て格納しているとする)で検索し、当該検索した定番商品と、該当企画の対象商品とに関して、記憶装置201より得ている販売実績および客数の各情報を該当期間について集計する機能を備えている。
【0022】
また、企画効果分析システム100は、上述の集計の結果に基づいて、該当期間における、対象商品と定番商品とに関する購買指数値を算出し、当該購買指数値の情報をクライアント端末104に表示する機能を備えている。
【0023】
なお、企画効果分析システム100は、該当期間における対象商品と定番商品とに関する購買指数値を算出しクライアント端末104に表示する処理において、上述の集計の結果に基づいて、該当期間を構成する単位期間毎の、対象商品の売上数および売上高と、定番商品の売上数および売上高と、購買指数値の各情報を算出し、当該算出した各情報をクライアント端末104に表示する機能を備えているとしてもよい。
【0024】
また、企画効果分析システム100は、上述の分析要求が示す識別情報に対応する該当企画の企画情報を記憶装置201から取得し、該当企画の該当期間中、および同じ企画を過去実施した際の過去期間中、のそれぞれにおける所定組織での客数と各商品の販売実績の各情報を記憶装置201から取得する機能を備えているとしてもよい。この場合、企画効果分析システム100は、取得した企画情報が示す階層情報に基づき、該当企画における対象商品と同じ商品階層に属する定番商品の情報を記憶装置201で検索し、当該検索した定番商品と、該当企画の対象商品とに関して、記憶装置201より得ている販売実績および客数の各情報を該当期間および過去期間のそれぞれについて集計する機能を備えているとしてもよい。また、この場合、企画効果分析システム100は、上述の集計の結果に基づいて、該当期間および過去期間のそれぞれにおける、対象商品と定番商品とに関する購買指数値を算出しクライアント端末104に表示する機能を備えているとしてもよい。
【0025】
また、企画効果分析システム100は、上述の該当期間および過去期間のそれぞれにおける対象商品と定番商品とに関する購買指数値を算出しクライアント端末104に表示する処理において、集計の結果に基づいて、該当期間および過去期間を構成する単位期間毎の、対象商品の売上数および売上高と、定番商品の売上数および売上高と、購買指数値の各情報を算出し、当該算出した各情報をクライアント端末104に表示する機能を備えているとしてもよい。
【0026】
また、企画効果分析システム100は、上述の該当期間および過去期間を構成する単位期間毎の、対象商品の売上数および売上高と、定番商品の売上数および売上高と、購買指数値の各情報のうち、単位期間毎の対象商品及び定番商品の売上数および売上高の情報を棒グラフに生成し、単位期間毎の購買指数値の情報を線グラフに生成し、棒グラフおよび線グラフをクライアント端末104に表示する機能を備えているとしてもよい。
【0027】
−−−データ構成例−−−
次に、本実施形態の企画効果分析システム100を構成するサーバらが保持するデータの構成例について説明する。
図6は、情報分析DBサーバ102が具備する販売実績(日別単品)テーブル311のデータ構成例を示す図である。この販売実績テーブル311は、例えば情報分析DBサーバ102が、商品販売を行う各店舗におけるPOSシステム等から随時取得したPOSデータを格納して生成するテーブルであり、テーブル項目として以下の項目を有する。
【0028】
すなわち、組織階層1(601)、組織階層2(602)、組織階層3(603)、商品階層1(604)、商品階層2(605)、商品階層3(606)、販売した年(607)、販売した週(608)、販売した日(609)、該当商品の商品コードまたはJANコード(610)、標準売単価(611)、標準原単価(612)、該当商品の特売時と通常時(定番商品として販売した時)の合計売上高(614)、該当商品の通常時の売上高たる通常売上高(615)、該当商品の特売時の売上高たる特売売上高(616)、該当商品の特売時及び通常時の合計売上数(617)、該当商品の定番時の売上数たる通常売上数(618)、該当商品の特売時の売上数たる特売売上数(619)、該当店舗における該当商品の在庫数(620)、および在庫高(621)である。 この販売実績テーブル311では、商品を販売する組織について、その概念の大きいものから、店舗運営企業に対応する組織階層1、店舗所在エリアに対応する組織階層2、各店舗に対応する組織階層3、といった階層分類がなされている。また同様に、当該販売実績テーブル311では、各店舗で販売される商品について、その概念に関する階層化(カテゴリ化)がなされており、例えば「コーヒー」などといった大きな商品カテゴリに対応する商品階層1、「コーヒー」の下位概念にあたる「インスタントコーヒー」、「レギュラーコーヒー」などといった中位の商品カテゴリに対応する商品階層2、「インスタントコーヒー」らの下位概念にあたる「瓶入り」、「詰替え」、「少量瓶入り」などといった下位の商品カテゴリに対応する商品階層3、などと定義している。
【0029】
ユーザがクライアント端末104において、カニバリゼーション分析情報入力画面550(詳細は
図13で説明)を介して条件入力した際、情報分析DBサーバ102は、この販売実績(日別単品)テーブル311を、情報分析WEB・APサーバ101へ送信することとなる。
【0030】
図7は、情報分析DBサーバ102が具備する客数マスタ312のテーブル構造である。この客数マスタ312は、例えば情報分析DBサーバ102が、商品販売を行う各店舗におけるPOSシステム等から随時取得したPOSデータに基づいて客数をカウントし、その値を格納して生成するテーブルであり、テーブル項目として以下の項目を有する。すなわち、組織階層1(701)、組織階層2(702)、組織階層3(703)、商品階層1(704)、商品階層2(705)、商品階層3(706)、客数のカウント期間である年(707)、客数のカウント期間である週(708)、客数のカウント期間である日(709)、および総客数(710)である。組織階層や商品階層に関する定義は販売実績テーブル311のものと同様である。
【0031】
ユーザがクライアント端末104において、カニバリゼーション分析情報入力画面550を介して条件入力した際、情報分析DBサーバ102は、この客数マスタ312を、情報分析WEB・APサーバ101へ送信することとなる。
【0032】
図8は、情報分析DBサーバ301が具備する商品階層マスタ313のテーブル構造である。この商品階層マスタ313は、例えば情報分析DBサーバ102が、クライアント端末104から受信したユーザ入力値を格納して生成するテーブルであり、テーブル項目として以下の項目を有する。
【0033】
すなわち、商品階層1(801)、商品階層1名称(802)、商品階層2(803)、商品階層2名称(804)、商品階層3(805)、および商品階層3名称(806)である。商品階層の概念については既に上述した通りであり、
図8で例示した構成では、最上位概念となる「商品階層1」を「コーヒー」、この商品階層1の下位概念となる「商品階層2」を「インスタントコーヒー」、「レギュラーコーヒー」、この商品階層2の下位概念となる「商品階層3」を「瓶入り」、「詰替え」、「少量瓶入り」などと定義している。また、各商品階層には識別情報「111」、「1112」、「11121」が付与されている。ユーザがクライアント端末104において、カニバリゼーション分析情報入力画面550を介して条件入力した際、情報分析DBサーバ102は、この商品階層マスタ313を、情報分析WEB・APサーバ101へ送信することとなる。
【0034】
図9は、情報分析DBサーバ102および特売サーバ103が具備する特売企画商品マスタ314、411のテーブル構造である。この特売企画商品マスタ314、411は、例えば情報分析DBサーバ102が、クライアント端末104から受信した特売企画に関するユーザ入力値を格納して生成するテーブルであり、テーブル項目として以下の項目を有する。
【0035】
すなわち、特売企画の対象商品を商品階層にて特定する商品階層2(901)、該当企画の識別情報たる企画コード(902)、企画名(903)、企画種類(904)、対象商品の商品コード(905)、特売企画の実行期間に対応した販売開始日(906)および販売終了日(907)である。
【0036】
ユーザがクライアント端末104において、カニバリゼーション分析情報入力画面550を介して条件入力した際、特売サーバ103は特売企画商品マスタ411を情報分析DBサーバ102に送信する。情報分析DBサーバ102は、特売サーバ103から受信した特売企画商品マスタ411を特売企画商品マスタ314として格納する。また、情報分析DBサーバ102における特売企画商品マスタ314の格納後、情報分析DBサーバ102は特売企画商品マスタ314を情報分析WEB・APサーバ101へ送信する。
【0037】
図10は、情報分析DBサーバ102および特売サーバ103が具備する特売企画店マスタ314、412のテーブル構造である。特売企画店マスタ314、412は、例えば情報分析DBサーバ102ないし特売サーバ103が、クライアント端末104から受信した特売企画に関するユーザ入力値を格納して生成するテーブルであり、テーブル項目として以下の項目を有する。すなわち、特売企画の対象商品を商品階層にて特定する商品階層2(1001)、特売企画を実行する店舗を組織階層にて特定する組織階層3(1002)、該当特売企画の企画コード(1003)、企画名(1004)、企画種類(1005)、特売企画の実行期間に対応した販売開始日(1006)、および販売終了日(1007)である。
【0038】
ユーザがクライアント端末104において、カニバリゼーション分析情報入力画面550を介して条件入力した際、特売サーバ103は、特売企画店マスタ412を、情報分析DBサーバ102に送信する。また、情報分析DBサーバ102は、特売サーバ103から受信した特売企画店マスタ412を特売企画商品マスタ315として格納する。また、情報分析DBサーバ102における特売企画店マスタ315の格納後、情報分析DBサーバ102は、この特売企画店マスタ315を情報分析WEB・APサーバ101へ送信する。
【0039】
−−−処理手順例1−−−
以下、本実施形態における企画効果分析方法の実際手順について図に基づき説明する。以下で説明する企画効果分析方法に対応する各種動作は、企画効果分析システム100を構成する各サーバらが各メモリ等に読み出して各々実行するプログラムによって実現される。そして、このプログラムは、以下に説明される各種の動作を行うためのコードから構成されている。
【0040】
図11は、本実施形態における企画効果分析方法の処理手順例1を示すフロー図であり、具体的には、企画効果分析システム100を成す情報分析Web・APサーバ101、情報分析DBサーバ102、特売サーバ103らが、カニバリゼーション分析情報入力画面550を介してクライアント端末104から各種要求を受け、最終的にカニバリゼーション分析情報出力画面560への分析結果を出力する流れを示すシーケンス図である。
【0041】
この場合、小売店舗を管理する所定ユーザ等により、所定の対象商品に関して立案した特売企画の情報が、クライアント端末104から特売サーバ103ないし情報分析DBサーバ102に送信され(1000)、特売企画商品マスタや特売企画店マスタに登録されているとする(1001)。また、そうして登録された企画は該当期間中、該当店舗にて実行され、そうした特売時における特売企画の対象商品に関する販売実績等が該当店舗のPOSシステムから情報分析DBサーバ102に送られ、販売実績テーブル311に蓄積されているものとする(1002)。
【0042】
そうしたタイミング以降において、クライアント端末104が、ユーザからの所定指示を入力装置504で受けて、所定のログイン用画面を出力装置505に表示させ、該当画面にて利用者ID、パスワードの入力を受け付けるものとする。クライアント端末104は、この利用者IDおよびパスワードを、ネットワーク105を介して情報分析DBサーバ102に送信する(1101)。
【0043】
一方、情報分析DBサーバ102は、クライアント端末104からログインIDおよびパスワードを受信し、これらを所定のログインテーブル(記憶装置301にて各ユーザについて保持する認証用情報)に照合して認証処理を実行する(1102)。この認証処理自体は既存技術によるものとなる。
【0044】
情報分析DBサーバ102は、認証処理(1102)の結果が、認証不成功であった場合はエラー画面を生成してクライアント端末104へ返信し、処理を終了する。一方、認証結果が認証成功であった場合、情報分析DBサーバ102は、クライアント端末104にカニバリゼーション分析情報入力画面550を返す。このため、特に図示していないが、情報分析DBサーバ102は記憶装置301にて、カニバリゼーション分析情報入力画面550の画面データを予め保持している。
【0045】
他方、クライアント端末104は、カニバリゼーション分析情報入力画面550において、ユーザから分析要求に関する条件入力を受け付け、これを情報分析Web・APサーバ101に送信することとなる(1103)。このカニバリゼーション分析情報入力画面550にて受け付ける条件としては、
図13にて例示するように、企画コード1301、組織階層2(該当店舗の所在エリア)1302、組織階層3(対象店舗)1303、商品階層2(商品カテゴリ)1304、商品階層3(商品カテゴリ)1305の各項目を想定できる。なお、企画コード1301の値は入力必須項目であり、組織階層2(エリア)〜商品階層3(1304)は入力任意項目である。
【0046】
上述の入力条件をクライアント端末104から受けた情報分析Web・APサーバ101は、カニバリゼーション分析機能216を実行し(1104)、まずは、情報分析DBサーバ102に対し、本実施形態の企画効果分析の処理に必要な情報の取得指示を行う。他方、情報分析DBサーバ102は、この取得指示を受け(1105)、特売サーバ103に、特売企画商品マスタ411及び特売企画店マスタ412の各情報を要求し、特売サーバ103から該当情報を取得する(1107、1109)。この時、情報分析DBサーバは、特売サーバ103から得た特売企画商品マスタ411及び特売企画店マスタ412の各情報を、特売企画商品マスタ314及び特売企画店マスタ315へセットする。また、特売サーバ103は要求に応じて特売企画商品マスタ411及び特売企画店マスタ412の各情報を情報分析DBサーバ102に送信するものとする(1106、1108)。
【0047】
また、情報分析DBサーバ102は、自身の記憶装置301に保持する販売実績(日別単品)テーブル311、客数マスタ312、および商品階層マスタ313と、上述のように特売サーバ103から得てセットした特売企画商品マスタ314及び特売企画店マスタ315の各情報を、情報分析WEB・APサーバ101へ送信する(1110)。
【0048】
情報分析WEB・APサーバ101は、情報分析DBサーバ102から上述のステップ1110で送信された各情報を得て、カニバリゼーション分析機能216によるカニバリゼーション分析を実行する(1104)。情報分析Web・APサーバ101は、このカニバリゼーション分析の結果を、カニバリゼーション分析情報出力画面560を介してクライアント端末104に送信することとなる。クライアント端末104では、このカニバリゼーション分析情報出力画面560にてカニバリゼーション分析の結果を表示する(1111)。
【0049】
−−−処理手順例2−−−
図12は、本実施形態における企画効果分析方法の処理手順例2を示すフロー図であり、具体的には、情報分析WEB・APサーバ101が有するカニバリゼーション分析機能216が実行するフローチャートである。ここで、上述のステップ1104、すなわちカニバリゼーション分析の処理の詳細について説明する。
【0050】
この場合、情報分析Web・APサーバ101は、ステップ1201において、クライアント端末104より、カニバリゼーション分析情報入力画面550にて入力された、企画コード1301、組織階層2(エリア)1302、組織階層3(店舗)1303、商品階層2(商品カテゴリ)1303、および商品階層3(商品カテゴリ)の各値を含む分析要求を受信する。
【0051】
続いてステップ1202において、情報分析Web・APサーバ101は、既に情報分析DBサーバ102から得て記憶装置201に保持している特売企画商品マスタ314から、上述の分析要求が示す企画コード1301をキーに、商品階層2(901)、企画コード902、企画名903、企画種類904、商品コード905、販売開始日906、販売終了日907の各値を抽出する。
【0052】
次に、ステップ1203において、情報分析Web・APサーバ101は、既に情報分析DBサーバ102から得て記憶装置201に保持している客数マスタ312から、上述の分析要求が示す「組織階層3:店舗」の値と、販売開始日906および販売終了日907が示す企画の実行期間の値をキーに、該当期間での商品階層2(カテゴリ)705ごとの総客数710を抽出する。
【0053】
続いてステップ1204において、情報分析Web・APサーバ101は、上述のステップ1202、ステップ1203で取得した商品階層、企画の実行期間(販売開始日から販売終了日の間)、および店舗(組織階層3)の各値に基づき、販売実績テーブル311の商品階層2(カテゴリ)毎に、データ611〜621といった販売実績を抽出する。
【0054】
また、ステップ1205において、情報分析Web・APサーバ101は、上述の、販売実績(日別単品)テーブル311の各レコードから、分析要求が示す商品階層すなわち「商品階層2」(例:1112、インスタントコーヒー)の値をキーとして、該当商品階層に属する商品コード610の値を抽出し、ここで値を抽出した該当商品を、特売商品(例えばステップ1202で企画コード1301をキーに抽出した商品コード905と一致する商品コード610のもの)と、定番商品(商品階層2であるが、企画コード1301をキーに抽出した商品コード905以外の他商品)とに分類し、それぞれについて販売実績(ステップ1204で得ている)に基づいた売上数と売上高の集計を行う。特売商品に関する売上数は販売実績テーブル311における該当期間での特売売上数619の集計処理で算定し、同じく売上高は販売実績テーブル311における該当期間での特売上高616の集計処理で算定出来る。また、定番商品に関する売上数は販売実績テーブル311における該当期間での通常売上数618の集計処理で算定し、同じく売上高は販売実績テーブル311における該当期間での通常売上高615の集計処理で算定出来る。
【0055】
続いてステップ1206において、情報分析Web・APサーバ101は、上述のステップ1205で集計した、特売商品と定番商品のそれぞれの売上高および総客数(ステップ1203で抽出したもの)から、金額PI、粗利PIを計算する。また情報分析Web・APサーバ101は、上述のステップ1205で集計した、特売商品と定番商品のそれぞれの売上数および総客数(ステップ1203で抽出したもの)から数量PIを計算する。ここで、PI(Purchase Index)は購買指数値であり、店舗におけるレジ通過1000人あたりの購買指数となる。数量PIは、“(販売数量/客数)×1000”の算定式で、また、金額PIは、“(売上高/客数)×1000”の算定式で計算できる。
【0056】
次にステップ1207において、情報分析Web・APサーバ101は、過去のPI値として例えば昨年度のPI値を計算する。この場合、情報分析Web・APサーバ101は、上述のステップ1203〜1205と同様の処理を、同じ企画コードに関して、販売開始日906、販売終了日907の各値が昨年度のものについて実行し、昨年度に実施した同一企画に関する、特売商品と定番商品のそれぞれの売上高および総客数から、昨年度の金額PI、粗利PIを計算し、特売商品と定番商品のそれぞれの売上数および総客数から数量PIを計算する。
【0057】
この時、情報分析Web・APサーバ101は、
図14に例示する如き、カニバリゼーション分析情報出力画面560の画面データ1400を生成する。この例では、企画効果分析の対象となった商品階層として、商品分類中コード1401、商品分類中名称1402をキーとして表示し、これら商品分類中コード1401、商品分類中名称1402に対して、カニバリゼーション分析機能216での処理結果たる、特売売上数(対象商品の売上数)1404、特売外売上数(他商品すなわち定番商品の売上数)1405、合計売上数(特売売上数1404+特売外売上数1405)1406、特売売上高(対象商品の売上高)1407、特売外売上高(他商品すなわち定番商品の売上高)1408、合計売上高(特売売上高1407+特売外売上高1408)1409、粗利高1410.総客数1411、数量PI1412、金額PI1413、粗利PI1414、特売数量PI基準値(昨年度のPI)1415、特売金額PI基準値(昨年度のPI)1416の各値を対応付けたテーブルを構成している。なお、情報分析Web・APサーバ101は、この画面1400において、各分析値を、特売の実行期間を月単位で切り分け、すなわち年週1403単位で表示する。
【0058】
また、情報分析Web・APサーバ101は、
図15に示すように、カニバリゼーション分析情報出力画面560として、グラフ表示データ1500を生成する。このため情報分析Web・APサーバ101は、今次と昨年度における該当企画の各実行期間を構成する週(単位期間)毎の、特売商品の売上数および売上高と、定番商品の売上数および売上高と、数量PI値の各情報のうち、週毎の特売商品及び定番商品の売上数および売上高の情報を棒グラフ(横軸を各月すなわち年週1403とし、通常売上数1501:定番商品の売上数と特売売上数1502:特売商品の売上数、を合わせて縦軸に描画)に生成し、週毎の数量PI値の情報を線グラフ(数量PI1503、特売数量PI基準値(昨年度の数量PI)1504を縦軸に描画)に生成する。同様に
図16のグラフ表示データ1550に示すように、情報分析Web・APサーバ101は、縦軸を金額、横軸を週として、棒グラフに特売売上高、特売外(通常)売上高の表示、線グラフに金額PI1505、特売金額PI基準値(昨年度の金額PI値)1506を表示する。なお、情報分析Web・APサーバ101は、
図14の画面データ1400と合わせ
図15、16の各グラフ1500、1550らを一画面表示するとしてもよい。
【0059】
次にステップ1208において、情報分析Web・APサーバ101は、以上の処理によりカニバリゼーション分析機能216で得た計算結果を、クライアント端末104に送信し、カニバリゼーション分析情報出力画面560にて表示させる。出力画面560をクライアント端末104で閲覧するユーザは、
図14〜
図16の画面内容から、例えば棒グラフの通常売上数1501と特売売上数1502に基づき、特売商品の売上と特売外商品(定番商品)の売上数の比較、推移を確認することが可能となる。また、特売数量PI基準値に対して数量PIを週ごとの折れ線グラフで閲覧することにより、ユーザは、特売数量PI基準値が数量PI値よりも高い場合は、特売商品による企画が失敗している、PI値が特売数量PI基準値よりも高い場合は特売商品の企画が成功している、といった状況を一目で認識し、効率的な分析業務を行うことが可能となる。また同様に、売上数、数量PIの表示と売上高を金額PIの表示を閲覧したユーザは、売上数量や商品単価によって左右されない公平な視点で商品分析を行うことが可能である。
【0060】
以上、本発明を実施するための最良の形態などについて具体的に説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
【0061】
こうした本実施形態によれば、例えば小売業の商品部が立案した特売企画により、結果として店舗等の全体利益を向上させることに成功したか否か、を所定の担当者らが容易かつ確実に把握することが可能となる。また、該当担当者は、該当特売企画の成否結果を、次回以降の同内容の企画立案の参考情報として活用し、特売商品の売上や粗利の向上だけでなく、該当商品カテゴリ(商品階層)の売上や粗利の向上も図ることが期待できる。すなわち特売企画を立案する際、特売商品の設定だけでなく定番商品も合わせて意識した企画立案をするための補助情報として、本実施形態の企画効果分析の情報を活用できる。
【0062】
従って、小売業における特売価格設定の各企画が周辺商品に及ぼした影響度を効率良く定量的に分析可能となる。
【0063】
本明細書の記載により、少なくとも次のことが明らかにされる。すなわち、本実施形態の企画効果分析システムにおいて、前記演算装置は、前記該当期間における前記対象商品と前記他商品とに関する購買指数値を算出し出力装置ないし前記他端末に表示する処理において、前記集計の結果に基づいて、前記該当期間を構成する単位期間毎の、対象商品の売上数および売上高と、他商品の売上数および売上高と、購買指数値の各情報を算出し、当該算出した各情報を出力装置ないし前記他端末に表示するものである、としてもよい。
【0064】
これによれば、特売実施期間中における、例えば1日毎あるいは1週間毎といった単位期間毎に、特売商品と定番商品(他商品)とを対照させた、売上数や売上高、購買指数値の変遷を明確に出力することが可能である。
【0065】
また、本実施形態の企画効果分析システムにおいて、前記演算装置は、前記分析要求が示す前記識別情報に対応する該当企画の企画情報を、記憶装置から取得し、該当企画の前記該当期間中、および同じ企画を過去実施した際の過去期間中、のそれぞれにおける前記所定組織での客数と各商品の販売実績の各情報を記憶装置から取得する処理と、前記取得した企画情報が示す階層情報に基づき、該当企画における対象商品と同じ商品階層に属する他商品の情報を、記憶装置で検索し、当該検索した他商品と、前記該当企画の対象商品とに関して、前記記憶装置より得ている前記販売実績および前記客数の各情報を前記該当期間および前記過去期間のそれぞれについて集計する処理と、前記集計の結果に基づいて、前記該当期間および前記過去期間のそれぞれにおける、前記対象商品と前記他商品とに関する購買指数値を算出し出力装置ないし前記他端末に表示する処理を更に実行するものである、としてもよい。
【0066】
これによれば、同じ特売企画について、例えば前年比での購買指数値の変化を特売商品と定番商品(他商品)とで対照させ、ユーザに提示することが可能となり、ユーザは各特売企画に関する有効度の期間変化を容易かつ明確に認識可能となる。
【0067】
また、本実施形態の企画効果分析システムにおいて、前記演算装置は、前記該当期間および前記過去期間のそれぞれにおける前記対象商品と前記他商品とに関する購買指数値を算出し出力装置ないし前記他端末に表示する処理において、前記集計の結果に基づいて、前記該当期間および前記過去期間を構成する単位期間毎の、対象商品の売上数および売上高と、他商品の売上数および売上高と、購買指数値の各情報を算出し、当該算出した各情報を出力装置ないし前記他端末に表示するものである、としてもよい。
【0068】
これによれば、今次の特売実施期間および過去の期間における、例えば1日毎あるいは1週間毎といった単位期間毎に、特売商品と定番商品(他商品)とを対照させた、売上数や売上高、購買指数値の変遷を明確に出力することが可能である。
【0069】
また、本実施形態の企画効果分析システムにおいて、前記演算装置は、前記該当期間および前記過去期間を構成する単位期間毎の、対象商品の売上数および売上高と、他商品の売上数および売上高と、購買指数値の各情報のうち、前記単位期間毎の前記対象商品及び前記他商品の売上数および売上高の情報を棒グラフに生成し、前記単位期間毎の前記購買指数値の情報を線グラフに生成し、前記棒グラフおよび前記線グラフを出力装置ないし前記他端末に表示する処理を更に実行するものである、としてもよい。
【0070】
これによれば、同じ特売企画について、例えば前年比での売上数、売上高、および購買指数値の変化を、特売商品と定番商品(他商品)とを対照させてユーザに提示することが可能となり、ユーザは各特売企画に関する有効度の期間変化を容易かつ明確に認識可能となる。