特許第6046602号(P6046602)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 日本電信電話株式会社の特許一覧
<>
  • 特許6046602-表示装置、表示方法及び表示プログラム 図000004
  • 特許6046602-表示装置、表示方法及び表示プログラム 図000005
  • 特許6046602-表示装置、表示方法及び表示プログラム 図000006
  • 特許6046602-表示装置、表示方法及び表示プログラム 図000007
  • 特許6046602-表示装置、表示方法及び表示プログラム 図000008
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6046602
(24)【登録日】2016年11月25日
(45)【発行日】2016年12月21日
(54)【発明の名称】表示装置、表示方法及び表示プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/0485 20130101AFI20161212BHJP
   G09B 29/00 20060101ALI20161212BHJP
【FI】
   G06F3/0485
   G09B29/00 A
【請求項の数】5
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2013-266921(P2013-266921)
(22)【出願日】2013年12月25日
(65)【公開番号】特開2015-122039(P2015-122039A)
(43)【公開日】2015年7月2日
【審査請求日】2016年1月14日
(73)【特許権者】
【識別番号】000004226
【氏名又は名称】日本電信電話株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100129230
【弁理士】
【氏名又は名称】工藤 理恵
(72)【発明者】
【氏名】井元 麻衣子
(72)【発明者】
【氏名】渡邊 大喜
【審査官】 松田 岳士
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−214235(JP,A)
【文献】 特開2008−033695(JP,A)
【文献】 特開2010−237902(JP,A)
【文献】 特開2010−224726(JP,A)
【文献】 特開平08−339163(JP,A)
【文献】 特開2013−025051(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/01
G06F 3/048− 3/0489
G06F 3/14 − 3/153
G09B 23/00 −29/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示領域内のコンテンツの移動量を入力する入力手段と、
前記コンテンツ上の起点位置と現在の前記コンテンツの表示位置との距離が離れているほど大きくなる重みを算出し、当該重みが大きいほど前記移動量が小さくなるように前記移動量を調整する移動量調整手段と、
前記移動量調整手段が調整した前記移動量に応じて前記表示領域内において前記コンテンツを移動して表示する表示手段と、
を有することを特徴とする表示装置。
【請求項2】
前記入力手段は、前記コンテンツの移動方向を入力し、
前記移動量調整手段は、前記移動方向が前記起点位置から離れる方向になるほど大きくなるように前記重みを補正することを特徴とする請求項1記載の表示装置。
【請求項3】
コンピュータにより実行される表示方法であって、
表示領域内のコンテンツの移動量を入力するステップと、
前記コンテンツ上の起点位置と現在の前記コンテンツの表示位置との距離が離れているほど大きくなる重みを算出するステップと、
前記重みが大きいほど前記移動量が小さくなるように前記移動量を調整するステップと、
前記移動量を調整するステップで調整した前記移動量に応じて前記表示領域内において前記コンテンツを移動して表示するステップと、
を有することを特徴とする表示方法。
【請求項4】
前記入力するステップは、前記コンテンツの移動方向を入力し、
前記重みを算出するステップは、前記移動方向が前記起点位置から離れる方向になるほど大きくなるように前記重みを補正することを特徴とする請求項3記載の表示方法。
【請求項5】
請求項1又は2記載の表示装置の各部としてコンピュータを動作させることを特徴とする表示プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンテンツの表示領域を制御する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
Webコンテンツなどのデジタルコンテンツを閲覧する際、コンテンツが1画面内に表示されずに一部分のみ表示されているときは、閲覧者はマウス操作やタッチ操作により表示領域内のコンテンツをスクロールさせて所望の箇所を閲覧する。このとき、スクロール開始時の閲覧箇所などを再び閲覧するために、再び閲覧したい閲覧箇所に目印を表示させておくことができる場合もある。例えば、非特許文献1では、ブラウザに表示された地図上に任意の大きさの円を表示させることができる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】“地図に円を描く (Google Maps API V3版)”、[online]、[平成25年12月6日検索]、インターネット〈 URL:http://www.nanchatte.com/map/circleService.html〉
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えば、自宅や駅などの起点付近の複数店舗の中から1つの店舗を決定する場合、起点と店舗との位置関係は店舗を選択する際の決め手のひとつになる。ブラウザ上で地図を閲覧して店舗を決めるときは、起点と店舗との位置関係を把握するために、地図をスクロールさせたり拡大縮小する操作を頻繁に行うと考えられる。
【0005】
閲覧者がWebコンテンツをスクロールさせて閲覧していると、目印を表示した箇所が画面内に表示されなくなり、現在の閲覧箇所と目印を表示した箇所との位置関係が把握しづらくなることがある。現在の閲覧箇所と目印を表示した箇所との位置関係を把握していないと、目印を表示した箇所を画面内に表示させるために表示領域内のコンテンツをあちらこちらにスクロールさせたり、拡大縮小などの操作を繰り返す必要が生じ、操作回数が増加するという問題があった。広域地図などWebコンテンツの全体と現在の閲覧箇所との関係を画面上に重ねて表示することで、位置関係を把握しやすくなるが、Webコンテンツの表示領域が小さくなり、Webコンテンツが読みにくくなってしまうという問題があった。
【0006】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、コンテンツ上の所定の起点位置と現在の表示位置との位置関係を直感的に把握させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の本発明に係る表示装置は、表示領域内のコンテンツの移動量を入力する入力手段と、前記コンテンツ上の起点位置と現在の前記コンテンツの表示位置との距離が離れているほど大きくなる重みを算出し、当該重みが大きいほど前記移動量が小さくなるように前記移動量を調整する移動量調整手段と、前記移動量調整手段が調整した前記移動量に応じて前記表示領域内において前記コンテンツを移動して表示する表示手段と、を有することを特徴とする。
【0008】
上記表示装置において、前記入力手段は、前記コンテンツの移動方向を入力し、前記移動量調整手段は、前記移動方向が前記起点位置から離れる方向になるほど大きくなるように前記重みを補正することを特徴とする。
【0009】
第2の本発明に係る表示方法は、コンピュータにより実行される表示方法であって、表示領域内のコンテンツの移動量を入力するステップと、前記コンテンツ上の起点位置と現在の前記コンテンツの表示位置との距離が離れているほど大きくなる重みを算出するステップと、前記重みが大きいほど前記移動量が小さくなるように前記移動量を調整するステップと、前記移動量を調整するステップで調整した前記移動量に応じて前記表示領域内において前記コンテンツを移動して表示するステップと、を有することを特徴とする。
【0010】
上記表示方法において、前記入力するステップは、前記コンテンツの移動方向を入力し、前記重みを算出するステップは、前記移動方向が前記起点位置から離れる方向になるほど大きくなるように前記重みを補正することを特徴とする。
【0011】
第3の本発明に係る表示プログラムは、上記表示装置の各部としてコンピュータを動作させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、コンテンツ上の所定の起点位置と現在の表示位置との位置関係を直感的に把握させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本実施の形態における表示領域調整装置の構成を示す機能ブロック図である。
図2】本実施の形態における表示領域調整装置が発生したイベントを受け取ったときの処理の流れを示すフローチャートである。
図3】移動開始処理の流れを示すフローチャートである。
図4】移動処理の流れを示すフローチャートである。
図5】移動終了処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。
【0015】
図1は、本実施の形態における表示領域調整装置の構成を示す機能ブロック図である。同図に示す表示領域調整装置は、イベント判定部11、移動開始処理部12、移動処理部13、移動終了処理部14、出力部15、および蓄積部16を備える。本表示領域調整装置は、地図などのコンテンツをブラウザの表示領域内に表示し、閲覧者の操作によりコンテンツをスクロールさせる際、コンテンツ上に設定した起点位置と現在のコンテンツの表示位置との距離や起点位置に対するスクロール方向に基づいてコンテンツの移動量(スクロール量)を調整する装置である。なお、表示領域調整装置が備える各部は、演算処理装置、記憶装置等を備えたコンピュータにより構成して、各部の処理がプログラムによって実行されるものとしてもよい。このプログラムは表示領域調整装置が備える記憶装置に記憶されており、磁気ディスク、光ディスク、半導体メモリ等の記録媒体に記録することも、ネットワークを通して提供することも可能である。以下、各部について説明する。
【0016】
イベント判定部11は、発生したイベントを受け取って、受け取ったイベントに対応する処理を移動開始処理部12、移動処理部13、移動終了処理部14に通知する。発生するイベントとしては、例えば、マウスのボタンが押下された mousedown イベント、マウスが動かされた mousemove イベント、マウスのボタンが離された mouseup イベントなどがある。本実施の形態では、コンテンツを表示する表示領域において、mousedown イベントが発生したときはコンテンツの移動を開始すると判定して移動開始処理部12へ通知し、mousemove イベントが発生したときはコンテンツを移動すると判定して移動処理部13へ通知し、mouseup イベントが発生したときはコンテンツの移動を終了すると判定して移動終了処理部14へ通知する。つまり、イベント判定部11は、表示領域内のコンテンツに対する閲覧者のドラッグ操作で発生するイベントを処理する。
【0017】
移動開始処理部12は、表示領域内のコンテンツの移動が開始されたときの処理を行う。
【0018】
移動処理部13は、表示領域内でコンテンツを移動中の処理を行う。
【0019】
移動終了処理部14は、表示領域内のコンテンツの移動を終了するときの処理を行う。
【0020】
出力部15は、移動開始処理部12、移動処理部13、および移動終了処理部14の処理により算出されたコンテンツの移動量に基づいて表示領域内に表示されるコンテンツの部分を決定して、蓄積部16からコンテンツを読み出してディスプレイなどの表示装置に表示する。ネットワークを介したサーバからコンテンツを受信して表示してもよい。
【0021】
蓄積部16は、出力部15が表示するコンテンツを蓄積する。
【0022】
次に、本実施の形態における表示領域調整装置の処理の流れについて説明する。
【0023】
図2は、本実施の形態における表示領域調整装置が発生したイベントを受け取ったときの処理の流れを示すフローチャートである。同図では表示領域内のコンテンツの移動に関するイベントについてのみ示している。
【0024】
イベント判定部11はイベントを受け取ると、そのイベントが移動を開始するイベントか否か判定する(ステップS11)。
【0025】
移動を開始するイベントである場合(ステップS11のYES)、移動開始処理部12に通知し、移動開始処理部12が移動開始処理を実行する(ステップS12)。
【0026】
移動を開始するイベントでない場合(ステップS11のNO)、そのイベントが移動を終了するイベントか否か判定する(ステップS13)。
【0027】
移動を終了するイベントである場合(ステップS13のYES)、移動終了処理部14に通知し、移動終了処理部14が移動終了処理を実行する(ステップS14)。
【0028】
移動を終了するイベントでない場合(ステップS13のNO)、移動処理部13が移動処理を実行する(ステップS15)。
【0029】
続いて、移動開始処理について説明する。図3は、移動開始処理部12による移動開始処理の流れを示すフローチャートである。
【0030】
まず、移動開始処理部12は、起点座標(x,y)を取得する(ステップS21)。起点座標は、閲覧者がコンテンツをスクロール後に再度閲覧する可能性のある位置の座標であり、例えば、地図を表示する場合は閲覧者が指定したランドマークの座標、上下左右にスクロールして閲覧するWebページを表示する場合はイベント発生時の表示領域の左上端の座標が考えられる。
【0031】
続いて、始点座標(x1,y1)を取得する(ステップS22)。始点座標は、起点座標に対するマウスの動きを検知するための座標であり、例えば、移動を開始するイベント発生時のマウスの座標値を用いることが考えられる。
【0032】
そして、表示領域の状態を移動中に設定する(ステップS23)。移動中であるか否かを示すフラグを用意しておき、そのフラグを移動中を示す値(TRUE)に設定する。
【0033】
以上の処理により、起点座標(x,y)、始点座標(x1,y1)が決められて、フラグが設定される。
【0034】
続いて、移動処理について説明する。図4は、移動処理部13による移動処理の流れを示すフローチャートである。
【0035】
まず、状態が移動中であるか否か判定し(ステップS31)、移動中でなければ処理を終了する。
【0036】
状態が移動中である場合(ステップS31のYES)、現在座標(x2,y2)を取得する(ステップS32)。現在座標は、表示領域を移動するイベント発生時のマウスの座標値を用いる。
【0037】
そして、起点座標、始点座標、現在座標から表示領域内におけるコンテンツの移動量を算出する(ステップS33)。
【0038】
移動量の算出する際、まず起点座標と現在座標との距離および起点座標に対するマウスの動きに基づいて重みwを算出する。始点を始点座標(x1,y1)、終点を起点座標(x,y)とするベクトルをv1、始点を始点座標(x1,y1)、終点を現在座標(x2,y2)とするベクトルをv2とする。ベクトルv1,v2のなす角度をθ(0°≦θ≦180°)とする。本実施の形態では、ベクトルv1の大きさが大きく、θの角度が大きいほど重みwが大きくなるように、重みwを例えば次式(1)で算出する。
【数1】
【0039】
ベクトルv1の大きさは起点座標と始点座標との間の距離を表し、θは起点座標に対するマウスの動き、つまりコンテンツの移動方向を表している。式(1)では、起点座標と始点座標との距離が離れるほど重みwが大きく、マウスが起点座標から遠ざかる方向に動いたときは重みwが大きくなる。なお、重みwの算出に起点座標と始点座標との間の距離のみを用いてもよい。
【0040】
続いて、マウスの移動量を示すベクトルv2の大きさに重みwを加味して表示領域の移動量dを算出する。移動量dは重みwが大きいほどに小さくなるように、例えば次式(2)で算出する。
【数2】
【0041】
そして、出力部15が、表示領域内のコンテンツをベクトルv2の方向に移動量d分移動し、表示領域内のコンテンツを再描画する(ステップS34)。
【0042】
始点座標(x1,y1)を現在座標(x2,y2)で更新する(ステップS35)。
【0043】
以上の処理により、始点座標と起点座標との間の距離および閲覧者がマウスを動かす方向に応じて、マウスを動かした距離に対する表示領域内のコンテンツの移動量が変化する。
【0044】
続いて、移動終了処理について説明する。図5は、移動終了処理部14による移動終了処理の流れを示すフローチャートである。
【0045】
まず、移動終了処理では、移動処理と同様に、移動中であるか否か確認し(ステップS41)、現在座標を取得し(ステップS42)、移動量を算出し(ステップS43)、表示領域を再描画する(ステップS44)。
【0046】
そして、表示領域の状態を移動中から解除する(ステップS45)。具体的には、フラグを移動中ではないことを示す値(FALSE)に設定する。
【0047】
以上説明したように、本実施の形態によれば、閲覧者の操作により表示領域内のコンテンツを移動する際に、コンテンツ上の起点位置と現在のコンテンツの表示位置との距離が離れるほど大きく、コンテンツの移動方向が起点位置から離れる方向になるほど大きくなる重みwを算出し、重みwが大きいほどコンテンツの移動量が小さくなるようにコンテンツの移動量を調整することで、閲覧者がコンテンツをスクロールさせるときに、起点位置から離れるほど操作に対するスクロール量が減るので、起点位置と現在の表示位置との関係を直感的に把握することが可能となる。
【0048】
なお、上記の実施例では、マウスのドラッグ操作によりコンテンツを移動させる例で説明したが、上下左右などのボタン操作によりコンテンツを移動する場合も、起点位置と現在の表示位置との関係や起点位置に対する移動方向に基づいてコンテンツの移動量を調節することができる。
【符号の説明】
【0049】
11…イベント判定部
12…移動開始処理部
13…移動処理部
14…移動終了処理部
15…出力部
16…蓄積部
図1
図2
図3
図4
図5