【文献】
NARANG U,MULTIANALYTE DETECTION USING A CAPILLARY-BASED FLOW IMMUNOSENSOR,ANALYTICAL BIOCHEMISTRY,ACADEMIC PRESS INC,1998年 1月 1日,V255 N1,P13-19
【文献】
MASTICHIADIS C,CAPILLARY-BASED IMMUNOASSAYS, IMMUNOSENSORS AND DNA SENSORS - STEPS TOWARDS INTEGRATION AND MULTI-ANALYSIS,TRENDS IN ANALYTICAL CHEMISTRY,NL,ELSEVIER,2008年10月 1日,V27 N9,P771-784
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
更に、コントロール毛細管チューブに沿った毛細管作用により下流領域へ移送するため、試料の一部が導入されるようになっている、コントロール毛細管チューブと、コントロール毛細管チューブの下流領域に運ばれた試料の、検出領域と、を含み、前記コントロール毛細管チューブには、第二結合パートナーが存在しない、請求項1〜11のいずれか1項に記載の装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
医療診断は、もちろん、かなり進んだ科学である。患者からの試料(例えば、血液、尿、CSF、組織、及び痰)の多くのそのような診断は、病院、医者、外科医院、及び他の医療センターによって、毎日、日常的に行われている。多くのそのような診断は、分析操作のために、試料を患者から採取し、研究所(医療センターの敷地内にある場合もある)に送ることが必要である。一例ではあるが、訓練されたスタッフによって集中化した研究所で使用される利用可能な方法は、PCRに基づいている。そのような方法は、得られる結果の解釈(これは、q−PCRがテストシステムの場合、特に当てはまる)を必要とすることが多く、もしこれが正しくなされなければ、いかなる核酸増幅システムも、一旦形成されると、増幅された陰性(不完全)シグナルとなるミスマッチを作り出す可能性があるので、間違った結果を生み出しうる。更にそのような方法は、しばしば、結果を得るために冗長なゲル形成ステップ又はカラム分離ステップを必要とし、また、それらの熟練した解釈も必要となる。その結果、試料が採取された時間と、その結果が必要な処置を処方することができる医療従事者に利用可能となるまでと、の間に、非常に長い時間が経過することもある。
【0004】
したがって、本発明の目的は、先に記載した問題を取り除く又は軽減することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の第一態様によれば、液体試料中に、存在する又は潜在的に存在する、被検体の、存在及び/又は量を、測定する分析装置であって、
(i)毛細管チューブに沿った毛細管作用により下流領域へ移送するため、分析すべき試料が導入される、上流領域を、有する毛細管チューブと、
(ii)毛細管チューブ内部に固定化された、被検体に特異的に結合することが可能な、第一結合パートナーの集団と、
(iii)前記第一結合パートナーの一部に置き換え可能に結合し、これによって毛細管チューブ内部に固定化された第一結合パートナーをなくし、標識を有し、検出すべき被検体によって第一結合パートナーから置き換え可能な、第二結合パートナーの集団と、
(iv)前記毛細管チューブの前記下流領域に運ばれた試料の、検出領域であって、下流領域に運ばれた、置き換えられた第二結合パートナーの、標識から、検出可能なシグナルを発生するようになっている、検出領域と、
を含む分析装置が、提供される。
【0006】
本発明の第二態様によれば、試料中に、存在する又は潜在的に存在する、被検体の、存在及び/又は量を、測定するために液体試料を分析する方法であって、
(a)被検体に特異的に結合することが可能な第一結合パートナーの集団が内部に固定化された、毛細管チューブを、提供するステップであって、前記毛細管チューブは、更に、第一結合パートナーの一部と置き換え可能に結合する第二結合パートナーの集団を導入し、これによって、毛細管チューブ内部に固定化された第一結合パートナーをなくしており、前記第二結合パートナーは、標識を有し、検出すべき被検体によって第一結合パートナーから置き換え可能である、ステップと、
(b)液体試料を、毛細管チューブの上流末端からその下流末端へ流す、ステップと、
(c)毛細管チューブの下流末端で標識の存在を検出する、ステップと、
を含む方法が、提供される。
【0007】
以下の説明で、本発明の分析装置(すなわち「第一態様」)に関連して記載された特徴は、本発明の方法(「第二態様」)にも必要な変更を加えて適用されると考えるべきであり、その逆も同様である。
【0008】
本発明の分析装置は、「偽陽性」を与えることなく、試料中に存在する又は潜在的に存在する、特定の被検体の、存在及び/又は量を、検出することが可能である。本発明の基本は、置き換え可能にそこに結合した、固定化された第一結合パートナー及び第二結合パートナーの使用にある。第一結合パートナーに関して、2つの重要な特徴がある。第一は、それらは、測定されるべき被検体に高特異的であることである。第二は、固定化された第一結合パートナーの一部(100%未満)は、標識された、置き換え可能にそこに結合された、第二結合パートナーを、有することである。分析すべき試料が目的の特定の被検体を含む場合、この被検体により、第二結合パートナーは、(固定化された)第一結合パートナーから取り外され、そしてそれらは(第二パートナー)は、毛細管流れによって検出領域に運ばれ、そこで、標識は検出可能なシグナルを発生させる。シグナルが検出されることは、特定の被検体が試料中に存在していたという確証である。反対に、もし特定の被検体が試料中に存在しなければ、(少なくとも理想化されたケースでは)、(固定化された)第一結合パートナーから第二結合パートナーが置き換えられることはなく、その結果、検出領域でシグナルは発生しえない。しかし、実際は、分析される試料(これは、調査中、他に特定の被検体を含んでいない)中の1以上の成分は、低い確率ではあるが、いつくかの第二結合パートナーとの置き換えが可能であるかもしれない。もしこのようなことが起これば、置き換えられた第二結合パートナーは、第一結合パートナーに結合した第二結合パートナーを有さない、固定化された第一結合パートナーの一部のどれかによって「捕捉」されるだろう。結果として、この場合、第二結合パートナーの初期の置き換えがあれば、何も検出領域に到達せず、したがって、シグナルは発生しない。今まで記載した理想的なケースにおいて、標識された第二結合パートナーは、標的被検体によって置き換えられれば、検出領域に到達するだけである、と考えられている。しかし、我々は、標識された標的被検体以外の試料中の種によって置き換えられた第二パートナーが、最終的に検出領域に到達する可能性を除外しない。この場合、2つの可能性が想定されるだろう。第一は、試料が標的被検体を
含む場合で、このケースでは、標的被検体によって置き換えられた、標識された第二結合パートナー、によって生成されたシグナルは、「非標的」被検体によって置き換えられた、標識された第二結合パートナー、によって生成されたいかなるシグナルよりもはるかに多いだろう。第二のケースでは、試料中に標的被検体が存在しない場合で、このケースでは、「非標的」被検体によって置き換えられた、いかなる標識された第二結合パートナーも、非常に低いシグナルしか生じさせない。特定の強度を超えるシグナルのみを検出すること及び/又はコントロール毛細管を運転する(後述を参照)ことによってこれらの2つのケースを考慮に入れることが可能であり、この場合、後者に関して、コントロール毛細管の検出領域からのシグナルは、「分析毛細管」の検出領域で生成されたシグナルから「差し引かれ」、正味シグナルが得られる。すなわち、「偽陽性」は回避される。
【0009】
本発明の分析装置は、特に、水性試料の分析に有用であり、試料を採取する患者が患っている特定の医学的状態を指示する標的被検体の、試料中での存在を、測定する、医療試料(例えば、血液、痰、CSF、又は尿)への特定の適用性を有する。必要であれば、特に標的被検体が核酸の場合、そのような医療試料は、分析に供する前に、標準溶解操作を施してもよい。後述を参照。これに代えて又はこれに加えて、試料を水又は緩衝液(例えば、PBS)で希釈してその粘度を減らし、毛細管流れを可能にする粘度としてもよい。
【0010】
本発明の好ましい実施形態では、装置は、更に、コントロール毛細管チューブに沿った毛細管作用により下流領域へ移送するため、試料の一部が導入されるようになっている、コントロール毛細管チューブを、含む。そのような実施形態では、更に、コントロール毛細管チューブに沿ってその下流領域に運ばれた試料の、検出領域を、含む。この実施形態では、コントロール毛細管チューブには第二結合パートナーが存在しない。分析結果を測定する目的で、「分析」毛細管チューブ及び「コントロール毛細管チューブ」の検出領域を比較し、前者から得られる正味シグナルを決定してもよい。
【0011】
好ましくは10〜90モル%の、より好ましくは50〜70モル%の、第一結合パートナーが、これに結合する第二結合パートナーを有する。
【0012】
毛細管チューブ内部には、一般的に、少なくとも10μモルの第一結合パートナーが存在するだろう。理想的には、毛細管内の第二結合パートナーの分子が、試料内の標的分子より多く存在し、そうでなければ、発生シグナルが頭打ちになる(下記の
図1に関連して説明するように)。
【0013】
第一結合パートナーは、毛細管チューブ内部に共有結合で固定化されるのが好ましい。
【0014】
第一及び第二結合パートナーは、数多くの形態をとる。したがって、本発明の一実施形態では、(固定化された)第一結合パートナーは、核酸配列を含み、標識された第二結合パートナーは、それにハイブリダイズされた核酸配列も含む。核酸配列は、DNA、RNA、mRNA、又はPNA(タンパク質核酸)配列を含む。固定化された核酸配列は、分析すべき試料中に潜在的に存在する(少なくとも一部の)標的核酸配列に、特異的にハイブリダイス可能であるように選択されたものである。したがって、第一結合パートナーは、標的核酸の特徴を示す配列に、理想的には完全に相補的な配列を有する。しかし、一般的には、固定化された核酸の配列と標識された核酸の配列との間に、ある程度のミスマッチが存在することが好ましい。これにより、標識された核酸が、標的核酸によって、固定化された核酸から置き換え可能となることが、確実になる。一般的に、固定化された核酸と標識された核酸との間に、少なくとも60%、しかし通常は100%未満の、配列相同性が存在する。
【0015】
患者からの試料(例えば、血液、尿CSF、又は痰)の場合、標的核酸は、患者に感染している特定の生命体(例えば、細菌、寄生生物、又はウィルス)の特徴を示すものであってもよい。したがって、この場合、テストは、患者がその生命体に冒されているかどうかの診断として、行われる。標的核酸配列は、例えば、染色体DNA又はプラスミドDNA中に存在するかもしれない。或いは、核酸は、悪性組織(腫瘍細胞)の特徴を示すものであってもよい。
【0016】
本発明の分析装置は、患者から採取した試料中に存在する特定の核酸配列(医学的状態の特徴を示す)の存在をテストすることにより、幅広い範囲の医学的状態の診断に適用可能である。純粋に例示として、分析装置は、生命体、髄膜炎、及び髄膜炎菌性疾患の他の形態での役割で知られている髄膜炎菌(Neisseria meningitides(ナイセリア・メニンギティディス))、の存在(その他)を、測定する装置であってもよい。この場合、固定化されたオリゴヌクレオチド(すなわち、「第一結合パートナー」)は、
から選択されてもよい。
【0017】
更なる例示として、分析装置は、患者のクラミジア(Chlamydia)を診断するための装置であってもよく、この場合、固定化されたオリゴヌクレオチドは、以下から選択されてもよい。
【0018】
核酸配列の使用に代わるものとして、第一結合パートナーは、抗体を含み、第二結合パートナーは、標識された抗原又は標識された抗原/抗体複合体を含んでもよい。第一結合パートナーを形成する固定化された抗体は、分析すべき試料中に潜在的に存在する標的抗原に特異的であろう。固定化された抗体として、例えば、モノクロナール抗体であってもよい。本発明の使用に適切なモノクロナール抗体の限定ではない例示を、以下に詳しく述べる。
【0019】
1.髄膜炎菌、クラミジア・トラコマチス(Chlamydia trachomatis)、又は他のナイセリア種、に対して反応性を示さない、ナイセリア・ゴノレア(Neisseria Gonorrhoeae)に対するフィッツジェラルド(Fitzgerald)からの、クローン番号M2110184。
【0020】
2.クラミジア・トラコマチスに対するフィッツジェラルドからの、10C13A。
【0021】
前記(2)の場合、第二結合パートナーは、例えば、抗原と標識されたモノクロナール抗体との複合体、例えば、標識されたモノクロナール抗体M4020311(Cat#10−C13A)であってもよい。この場合、標的被検体(もし試料中に存在する場合)によって置き換えられた第二結合パートナーは、抗原と標識されたモノクロナール抗体との複合体である。
【0022】
多くの他の抗体が、他の供給会社から市販され、様々な病原体をカバーしている。
【0023】
更なる可能性は、本発明の分析装置が、生命体の表面上の特定のグリカンの存在に基づいて、特定の生命体(例えば、細菌)の検出のために使用されることである。レクチンは、グリカン結合するタンパク質である。レクチンもグリカンも、細胞(哺乳類又は細菌の)表面、ウィルス、原生動物、シアノバクテリア類に、見いだされる。レクチン活性を持つタンパク質は、異なる名前;例えば、哺乳類の細胞については、ガレクチン、セレクチン、その他;細菌細胞についてはアドヘシン;ウィルスについてはヘマグルチニン;が付けられている。また、植物は、簡単に精製できて細胞グリコフェノタイプ用に使用することができるレクチン類(数千ものメンバー)の多様なファミリーの豊富な供給源である。
【0024】
そのような装置では、その表面上の特異的なレクチン(例えば、細菌の場合にはアドヘシン)の存在によって、特定の生命体を検出するために、固定化された第一結合パートナーが、生命体の表面レクチンが結合することができる多糖体であってもよく、これに置き換え可能に結合する、標識された第二結合パートナーが、(例えば)多糖体に結合可能であるばかりでなく、細胞レクチンのより強い結合によりそれから置き換えられることも可能である植物レクチンであってもよい。
【0025】
第一結合パートナーから置き換えられた、且つ、検出領域に到達した、第二結合パートナー上の標識を、検出する目的のために、検出領域に、標識と相互作用して検出可能なシグナルを発生することができる試薬系が、提供されてもよい。第二結合パートナー上の標識は、酵素であってもよく、試薬系(検出領域における)は、酵素の基質を含んでもよい。代わりに(好ましさは劣るが)、試薬系は酵素を含んでもよく、標識は酵素の基質である。本発明の更なる実施形態では、標識は「直接」標識、すなわち、シグナルを展開する試薬系を必要とすることなく、シグナルそれ自身を提供する標識であってもよい。
【0026】
本発明の特に好ましい実施形態では、検出可能なシグナルは光シグナルであり、最も好ましくは色変化である。検出領域での色変化の検出は、それ自体が既知の種類の検出配置によって行ってもよい。この配置は、色変化を測定する目的で、反射光又は透過光を検出するものであってもよい。分析装置が関連する検出領域の「コントロール」毛細管を含む場合、検出配置は、「分析」毛細管チューブ及び「コントロール」毛細管チューブの両方の検出領域で測定を行い、結果を比較して、分析毛細管チューブにより生成された正味変化を決定してもよい。
【0027】
本発明の目的のために使用してもよい標識の例示を、以下の表(表1)に挙げる。
【0028】
【表1】
【0029】
本発明による装置は、一般的に、(覆われている場合)毛細管経路を提供する頂部開口型溝で作られた基材(好ましくは、ポリカーボネート)から、製造される。基材を処理して第一結合パートナーの固定化を行い、次いで、溝を覆い、毛細管経路を完成する。
【0030】
第一結合パートナーは、毛細管チューブ内部に共有結合で結合されているのが好ましい。
【0031】
種々の固定化化学を使用してよい。本発明の好ましい実施形態では、基材の表面は、該基材がリンカー基によって基材の表面に結合され、次いで、固定すべき結合パートナーのアミノ基と反応する遊離チオール基(−SH)を有するように処理される。基材がポリカーボネートの場合、(ポリカーボネートの芳香族基をニトロ化するように)最初にニトロ化反応、次いで、後続の、ニトロ基をアミノ基に変換する反応を、行ってもよい。続いて、これらは、一端がチオールで終わり且つ他端がアミノ基と反応し得る基で終わる、アルキレン基、を含む化合物と、反応させてもよい。この種の化学の例示は、例えば、米国特許公開公報2009/0181442号に開示されている。
【0032】
使用してもよい固定化化学の更なる例示は、米国特許第5910406号明細書(Tepnel)に開示されている。
【発明を実施するための形態】
【0034】
本発明を、添付の図面を用いて更に説明するが、該図面は、ほんの一例である。
【0035】
先ず、特定の塩基配列を持つ核酸(「標的核酸」)の試料中での存在を測定する、液体試料の分析のための本発明による分析装置1の、一実施形態を、模式的に示す、
図1について、説明する。液体試料は、例えば、患者からの体液試料(例えば、血液、尿CSF、痰、又はスメアで、どれも必要に応じて適正な粘度に希釈してもよい)でもよく、又は患者からの組織生検から製造される(例えば、均質化により)ものであってもよい。試料は、該生命体の特徴を示す特定の核酸配列を有する外来生命体(例えば、細菌、寄生生物、又はウィルス)の、存在の可能性を、テストされるものであってもよい。
【0036】
図示された装置1は、その上流末端で試料受取り部3に、及び、その下流末端で検出領域4に、つながる毛細管チューブ2(毛細管内腔2aを有する)を含む。毛細管内腔2aの断面寸法は、通常、0.1〜0.5mmの範囲である。試料受取り部3及び検出領域は、例えば、吸収材料のパッド、例えば、特定のpH特性を維持するための緩衝液、例えば、リン酸緩衝食塩水、で飽和されたWhatmanろ紙又はWhatmanグレイドのGF/Bガラス・マイクロファイバー・フィルターを、含む。分析装置で核酸の検出を意図する場合は、パッドは、ハイブリッド形成緩衝液(例えば、2X SSC(300mMの塩化ナトリウム、30mMのクエン酸ナトリウム)を含んでもよい。ホルムアミドを加えて、ハイブリッド形成のストリンジェンシーを減らす(例えば、<50%))ことができる。配置は、試料受取り部3で導入される液体試料が、毛細管内腔2aの上流末端に移行することができ、次いで、それに沿って毛細管作用によって運ばれて検出領域4に到達するようにされる。
【0037】
毛細管内腔2aの壁に共有結合で固定化された一本鎖オリゴヌクレオチド5(「第一結合パートナー」)の集団は、毛細管内腔2aの上流領域で入れられる。これらのオリゴヌクレオチドは、標的核酸における配列と100%の相同性を有し(したがって、標的核酸に特異的にハイブリダイズすることができる)、試料中で分析される配列を有する(例えば、特定の細菌又はウィルスの特徴を示す核酸)。簡単にするために、オリゴヌクレオチド5を、毛細管内腔2aの内部に沿って直線で配置されているように示すが、実際は、オリゴヌクレオチド5は、毛細管内腔2aの壁の周り及びそれに沿って長手方向にも配置されていることは当然であろう。一般的にオリゴヌクレオチドは、15〜40個の塩基の配列を含むだろう。オリゴヌクレオチドは、5末端又は3末端のどちらかで毛細管に結合することができる。核酸に特異的に結合することができて生命体の特徴を示す、このような多くのオリゴヌクレオチド配列が、知られており、Genbankのようなデータベースから入手可能であり、したがって、ここではこれ以上記載しないが、本明細書にはいくつかの特異的な例示が挙げられている。
【0038】
オリゴヌクレオチド5は、毛細管内腔2aの長さの最初の約25%を超えて存在してもよいが、他の値も可能であり、一般的に10〜90%の範囲内である。
【0039】
更に、標識された一本鎖オリゴヌクレオチド6(「第二結合パートナー」)の集団は、毛細管内腔2内部に提供され、該標識は、「
*」の記号で示される。
【0040】
標識されたオリゴヌクレオチド6は、固定化されたオリゴヌクレオチド5に関して、ある程度の配列相同性(普通少なくとも60%であるが、一般的には100%未満)を有し、
図1に示すように、固定化されたオリゴヌクレオチド5にハイブリダイズされている。とはいえ、標識されたオリゴヌクレオチド6の数は、固定化されたオリゴヌクレオチド5の数のほんの一部である。通常、この部分は、10〜90モル%比の範囲である。標識されたオリゴヌクレオチド6は、全て、固定化されたオリゴヌクレオチド5にハイブリダイズされる(装置内に遊離した標識オリゴヌクレオチド6は存在しない)が、固定化されたオリゴヌクレオチド5のサブ集団が存在し、ハイブリダイズされた標識オリゴヌクレオチド6を持たないという意味では、これらは「遊離」である。「偽陽性」を防ぐために装置において重要なものは、「遊離」固定化オリゴヌクレオチド5のこのつり合いである。以下、そのような「偽陽性」を回避するやり方をより詳しく記載する。
【0041】
純粋に説明の目的のために、ハイブリダイズされた標識オリゴヌクレオチド6を有しない、固定化オリゴヌクレオチド5のサブ集団を、下流に位置する残った固定化オリゴヌクレオチド(すなわち、ハイブリダイズされた標識オリゴヌクレオチド6を有するもの)として示す。
【0042】
前記検出領域4について簡単に説明する。この検出領域4では、検出可能なシグナルを生成するように、標識されたオリゴヌクレオチド6上の標識「
*」と相互作用する試薬Rが、提供される。すなわち、例えば、標識されたオリゴヌクレオチド6上の標識「
*」は酵素でもよく、検出領域が酵素の基質を取り込み、検出可能なシグナルを生成するように、酵素と基質とが組合わさる。
図1には示されていないが、検出部4は、検出領域4でオリゴヌクレオチド6上の標識と試薬との相互作用によって発生するシグナルの種類を検出し得る検出配置につながっているだろう。本発明の好ましい実施形態では、発生シグナルは、光シグナル、好ましくは色変化である。そのような色変化は、反射光、放出光、又は透過光によって、検出されてもよい。
【0043】
検出領域4は、様々な形態を取る。すなわち、例えば、該領域は、試薬Rが含浸された吸収材料を含んでもよい。しかし、本発明のより好ましい実施形態では、検出領域は、液体又は凍結乾燥試薬Rを含むウェルなどを含む。この好ましい実施形態では、装置は、任意の置き換えられた結合パートナー上の標識が試薬Rと反応して検出用の色変化を発生するように、毛細管経路の末端に到達した液体が、ウェルに排出されるように、構成される。
【0044】
以下、
図1に示す分析装置1が、特定の被検体(この場合、特定の配列の標的核酸)が分析すべき液体試料に存在するか否かを測定するように働く方法を、
図2を参照して説明する。
図2中、
図1と同じ番号は、同じ特徴を示すものである。
図2では、分析すべき液体試料10は、標的核酸が存在する特定の生命体に冒されている患者から採取され、分析装置1は、その核酸(参照番号11で模式的に示す)の存在を検出し、したがって該生命体によって患者の感染を確認するものと、仮定する。すなわち、固定化オリゴヌクレオチド5は、検出すべき核酸鎖11と配列相同性を有する。
【0045】
液体分析すべき試料は、
図2で、試料受取り部2に液滴として入れられ、ここから、矢印によって示されるように、毛細管チューブ2の上流末端に流れ、次いで、検出領域4に流れる。
【0046】
核酸鎖11は、オリゴヌクレオチド6がハイブリダイズされている固定化されたオリゴヌクレオチド5から、標識されたオリゴヌクレオチド6を置き換える。これは、標識されたオリゴヌクレオチド6は、固定化されたオリゴヌクレオチド5と100%配列相同性を有さず、したがって、固定化されたオリゴヌクレオチド5の配列と100%相同性のある配列を有さない、試料中に存在する標的核酸11によって、優先的に置き換えられるという事実によって、保証される。したがって、標的核酸鎖11は、図示するように、固定化オリゴヌクレオチド5にハイブリダイズし始める。
【0047】
固定化オリゴヌクレオチド5の集団の下流末端を超えた、置き換えられた、標識オリゴヌクレオチド6は、チューブ2内の毛細管流により、検出領域4へ運ばれ、ここで、標識(オリゴヌクレオチド6上の)及び検出領域4で提供される試薬(標識と相互作用することができる)と一緒になって、分析される試料中の核酸鎖10の存在を確認する検出可能なシグナルを、生成する。本発明の好ましい実施形態では、標識及び試薬は、一緒に相互作用して、符号12で示される光シグナルを生成し、その放射物又は生成は、診断の結果を電子的に確認するためにチェックしてもよい。
【0048】
発生シグナルの強度は、試料中の標的核酸の分子数と比較した標識されたオリゴヌクレオチド6の分子の数に依存し、但し、後者は、前者を超えることはない。簡単に説明するために、9個の標識されたオリゴヌクレオチド6がある、
図1に示す分析装置1について、説明する。被検体が、例えば、4個の標的核酸鎖を含むとすると、(理想的なケースでは)4個の標識されたオリゴヌクレオチド6が検出領域4に到達するだろう。同様に、分析すべき試料が、例えば、7個の標的核酸鎖を含むとすると、これに対応して、7個の標識されたオリゴヌクレオチド6が検出領域に到達し、試料中に4個の標的核酸鎖が存在する場合より、強いシグナルが得られる。同様に、9個の標的核酸鎖が試料中に存在すれば、9個の標識されたオリゴヌクレオチド6が検出領域に到達し、これにより、最初の2ケースより強いシグナルが発生する。試料が9個を超える標的核酸鎖を含む場合も、標識されたオリゴヌクレオチドの9個「だけ」が検出領域に到達する。したがって、特に分析装置が定量的な実験のために使用される場合は、予測される標的核酸鎖の最大の数を超えないように、標識されたオリゴヌクレオチド6の数を、「適合」させるべきであることは理解されるだろう。
【0049】
装置の非常に重要な特徴は、その「偽陽性」(すなわち、核酸が存在しない場合でも、結果は、分析される核酸が試料中に存在すると示唆している)を起こさない能力である。この重要な特徴は、これにハイブリダイズされた標識オリゴヌクレオチド6を有しない、固定化オリゴヌクレオチド5の存在(最初の分析装置内に)に、起因する。この利点を、
図3に模式的に示す。
図3では、分析される試料は、目的とする特定の核酸10ではない核酸12を含み、試料中には核酸10は存在しないと仮定する。この場合、核酸12が、オリゴヌクレオチド6が最初にハイブリダイズされていた固定化されたオリゴヌクレオチド5から、標識されたオリゴヌクレオチド6のいくつかを置き換える可能性がある。しかし、これらの置き換えられた標識オリゴヌクレオチド6は、最初は標識オリゴヌクレオチド6にハイブリダイズされていなかった、そのサブ集団内の固定化されたオリゴヌクレオチド5によって、捕捉されるだろう。統計的には、核酸12が標識されたオリゴヌクレオチド6を置き換える見込みは、比較的低い(しかし、0ではない)。したがって、全体として、置き換えられた標識ヌクレオチド6が、固定化オリゴヌクレオチド5によって再捕捉され、検出領域4に行かないようにそこに留まる可能性が、非常に高い。その結果、その領域でシグナルは発生せず、偽陽性は回避される。
【0050】
一般的に、分析される試料に存在することが予測される標的核酸配列10の鎖の数より数字的に多くの固定化されたオリゴヌクレオチド5が、存在する。通常、標識されたオリゴヌクレオチド6がハイブリダイズされた固定化されたオリゴヌクレオチド5の部分は、50〜90%であろう。
【0051】
オリゴヌクレオチド5及び6として、DNA、RNA、mRNA、又はPNAが挙げられるが、これらに限定されない。図示された装置は、患者から採取した試料中の特異的な核酸配列の存在を特徴とする種々の医学的状態の検出のために使用してもよい。すなわち、例えば、該装置は、特定の細菌が患者から採取した試料中に存在するか否かを測定するために、使用してもよい。この可能性の進展したものとして、該装置を、細菌が「生きた」形又は「死んだ」形で存在するかをテストするために、使用してもよい。固定化されたオリゴヌクレオチド5及び標識されたDNAオリゴヌクレオチド6の、適正な配列のDNAを使用することにより、細菌が試料中に存在するか否かを測定するために使用することができるが、細菌が「生きた」形又は「死んだ」形で存在するか否かは示さないだろう。固定化されたオリゴヌクレオチド5及び標識されたmRNAオリゴヌクレオチド6の、適正な配列のmRNAを使用することにより、mRNA捕獲から得られる陽性シグナルで細菌が生きていることが確認されるので、細菌が試料中に「生きた」形で存在するかどうかを測定するために使用することができる。すなわち、細菌はタンパク質を産生しているので、細菌の「生きた」形と「死んだ」形とを見分ける。ネガティブmRNAの結果は、細菌が生きていないことを示す。したがって、2つのテストから、細菌の存在、及びそれが活性かそうでないかを、決定することができる。
【0052】
以下、本発明による分析装置の代わりの実施形態を示す
図4について説明する。この実施形態は、患者から採取した試料中に特定の抗原が存在するかどうかの検出における使用を意図し、この目的のため、固定化されたオリゴヌクレオチド5(
図1の装置の)は、固定化された抗体45で置き換えられ、標識されたオリゴヌクレオチド6(
図1の装置の)は、標識された抗原46で置き換えられ、該装置41は、更に、毛細管チューブ42(毛細管内腔42aを持つ)と、試料受取り部43と、検出領域44と、を含み、これらは、それぞれ、
図1の装置の毛細管チューブ2、試料受取り部3、及び検出領域4に相当する。抗体46は、患者から採取した試料中の検出すべき抗原に特異的である。標識された抗原46(それらの標識を除く)は、検出すべき試料中の抗原と同一である。固定化された抗体45及び標識された抗原46の相対数は、固定化されたオリゴヌクレオチド5及び標識されたオリゴヌクレオチド6の相対数量に関して
図1で検討したように、同じであってもよい。
【0053】
図4に示す分析装置41は、患者から採取した試料中の特定の抗原(例えばウィルス)の存在を特徴とする特定の疾病を検出するために使用してもよい。
図1で示す装置の更なる使用として、特定の細菌又はウィルスに起因する感染を処置するために使用される特定の治療の実効性をモニターすることがある。この場合、該装置は、治験下の患者からある期間にわたって採取した試料中の特定の抗原の相対量(を超える、未満、その他)を決定するために定量的に、使用される。検出されたシグナルの強度が、時間とともに下降すれば、これは、時間の経過とともに抗原の量が減少することを示し、したがって、治療の実効性が認められる。
【0054】
本発明による装置によって分析すべき生物学的試料が、固定化されたオリゴヌクレオチド5及び標識されたオリゴヌクレオチド6(
図1の装置の場合)、又は、固定化された抗体45及び標識された抗原46(
図4の装置の場合)の、領域を通る前に除去される異物を取り込んでいる場合が、あるかもしれない。試料を試料受取り部に入れる前に、該試料をある調製に供することも可能であるが、
図5は、そのような別個の試料調製の必要を回避した、図示された装置に対する便利な修正法を示す。
図5の配置は、
図1の分析装置又は
図4の分析装置41のいずれに適用してもよい。しかし、便宜上、該配置は、主として、
図1に関して記載し、
図4に対応する部分は、括弧を付けている。
図5の装置1(41)には、試料受取り部3(43)と毛細管チューブ2(42)の上流末端との間に備えられた試料処理領域51がある。試料処理領域51は、試料受取り部1(41)から毛細管53及び54を介して毛細管チューブ2(42)に移動する試料に、特定の処理を施すように選択されたカラムマトリックス52を有する。「カラムマトリックス」としては、例えば、イオン交換樹脂(試料の性質に応じて、カラムマトリックスは、アニオン性交換樹脂又はカチオン性交換樹脂が可能である)、又は、単なる例示であるが、粒子及び塩類を保持するSephadex G10というサイズ排除マトリックスがある。
【0055】
図1〜5では、本発明の1本の毛細管チューブ2(
図1)又は42(
図4)に関して記載したが、そのような毛細管チューブは、固定化された「第一結合パートナー」(例えば、オリゴヌクレオチド5もしくは抗体45)、又は「標識された第二結合パートナー」(すなわち、標識されたオリゴヌクレオチド6又は標識された抗原46)を含まない「コントロール毛細管チューブ」につながることが一般的だろう。毛細管チューブ2又は42を使用して行われる分析は、「コントロール毛細管」と並行して行われ、両方の毛細管チューブの検出領域での結果を比較して、「分析」毛細管チューブ及び「コントロール」毛細管チューブによって提供されたシグナルにおける違いを定める。
【0056】
図6は、「分析」及び「コントロール」毛細管チューブの両方を持つ、本発明による分析装置の、製造に使用される成型体61を示す。成型体61は、一般的に、立方形の形状をしており、2個の頂部開口型溝62a及び62cと、1個のウェル63と、2個の更なるウェル64と、が形成された主要面(
図6で示された上面)を、有する。溝62aは、「分析」毛細管チューブを形成するためのものであり、溝62cは、「コントロール」毛細管チューブを形成するためのものである。ウェル63は、溝62a及び62cの上流末端に設けられ、これら2つの溝によって、ウェル64のそれぞれに連結されている。ウェル63及びウェル64は、試料受取り部3及び2つの検出領域4の形成の使用のためである(1つは「分析」毛細管チューブ用であり、もう1つは「コントロール」毛細管チューブ用である)ことは理解されるだろう。
【0057】
成型体61は、光学的に透明なプラスチック材料(好ましくはポリカーボネート)で構成される。ポリカーボネートを使用することにより、(先に示したように)検出領域の形成のために使用されるウェル64の位置に、成型プラスチック装置内の光学的に透明な領域があることを可能にする。
図1で示される成型体61から、本発明による装置を製造する第一ステップとして、最終的に頂部開口型溝62a及び62cから形成される毛細管チューブに沿った水性液の流れを妨げる可能性がある、残っている離型剤又は他の混入物(特に疎水性混入物)の、いかなるものも充分に洗浄して、取り除かれる必要がある。そのような洗浄には、水及び洗剤を使用してもよい。例えば、溝は、SDS(蒸留水中1〜10%)で洗浄し、チッ素雰囲気下で乾燥し、続いて水及び次いで無水エタノールで洗浄し、最後にチッ素雰囲気下で乾燥する。
【0058】
成型体61が充分洗浄されれば(及び
図1に示された種類の装置が製造されたと推測すれば)、頂部開口型溝に、固定化されたオリゴヌクレオチド5及び標識されたオリゴヌクレオチド6を提供する。この目的のため、溝62a(又は少なくともオリゴヌクレオチド5を固定化されるべきとする領域)の表面を処理し、該表面にエポキシ基を付与する。これは、例えば、式:
【0060】
(式中、Rは、炭素原子数1〜4のアルキル基であり、R
1は、アルキレン残基である)のグリシドキシ化合物による処理によって行ってもよい。最も好ましくは、Rはメチルであり、R
1は−(CH
2)
3−である。
【0061】
ほんの一例であるが、以下の操作を、その5’末端によるオリゴヌクレオチドの固定化のために使用してもよい。
【0062】
溝には、5〜20μlの3−グリシドキシプロプロピルトリメトキシシランを塗布し、これをチッ素下50℃で3時間保持する。続いて、溝を乾燥メタノール及び乾燥エーテルを用いてチッ素下で洗浄する。次いで、チッ素下、50℃で2時間を超える時間架橋を行う。遊離水酸基を、ピリジン又は類似の無水溶剤中の20μlのトリメチルクロロシランを用いて、室温で2時間で、仕上げてもよい。次いで、溝を先に記載したように洗浄する。DMF中で5’−ヨード−5’−デオキシチミジンを持つオリゴヌクレオチドが、ナトリウムトリフェニルメチルメルカプチルと反応し、S−トリチル化合物を生成する。これを更に、DCM中でジイソプロピルアミノテトラゾリド及び2−シアノエトキシビスN,N−ジイソプロピルアミノホスフェートと反応させ、シアノエチルを生成する。S−トリチル基を、当該分野で公知の還元方法により除去し(Connolly,Nucleic acid Research,16,9,1988)、その後水素化ナトリウムを用いてエポキシ置換された溝と結合する。無水DMF中で、オリゴヌクレオチドのエポキシ基への縮合を行う。
【0063】
或いは、以下の操作を使用して、オリゴヌクレオチドをその3’末端により固定化してもよい。
【0064】
DMTオリゴヌクレオチドのナトリウム塩は、チッ素下、オリゴヌクレオチドを無水DMF(P
20
5で乾燥)に溶解し、水素化ナトリウム(1グラム/10ml)を添加することによって調製することができる。次いで、水素化ナトリウムをフィルタで取り除き、オリゴヌクレオチドのナトリウム塩を溝のエポキシ基と反応させる。無水DMF中。
【0065】
先に記載した固定化化学の更なる詳細は、例えば、米国特許第5910406号明細書(Tepnel)に開示されている。
【0066】
3’−固定化又は5’−固定化のいずれの場合も、次いで溝を蒸留水続いて無水エタノールで洗浄し、チッ素下乾燥してもよい。
【0067】
第二結合パートナーを、ハイブリッド形成緩衝液2XSSC(300mMの塩化ナトリウム、30mMのクエン酸ナトリウム)に溶解し、第二溝を0.1〜0.9モル比(固定化されたオリゴヌクレオチドに対して)とし、20〜40℃で2時間インキュベートする。次いで、溝を、チッ素下、蒸留水及びエタノールで洗浄する。吸収材料のパッド(例えば、WhatmanグレイドのGF/Bガラス・マイクロファイバー・フィルターのようなWhatmanろ紙)を試料ウェルに置く。望ましい場合、パッドは、分析に必要な任意の試薬を前含浸させてもよい。本発明のある実施形態のために、標識からシグナルを展開するための試薬系を含浸させた吸収性パッド(例えば、先に記載した種類のもの)を、ウェル64a及び64cに導入し、装置の検出領域を形成してもよい。つまり、標識が酵素を必要とする基質の場合、酵素の基質を含浸させたWhatmanろ紙のパッドを、更に、毛細管の末端で、ウェル64a及び64cに導入する。本発明の他の実施形態に関し、例えば、蛍光発光又は化学発光検出の場合、ウェル64a及び64cは、紙がないまま、シグナル検出を可能にする。つまり、例えば、標識がホース・ラディッシュ・パーオキシダーゼである場合、酵素の基質としてその場で乾燥したルミノールを含んでもよい。標識がアクリジニウムエステルの場合、ウェルは空のままで、シグナルはアクリジニウムエステル自身によって提供される。次いで、UV硬化性接着剤を持つテープ又はプラスチックのテープで溝を密封し、閉じた毛細管を形成する。
【0068】
図7の配置は、3個の分析装置71の集まりを含み、該分析装置は、それぞれ、
図6で示される種類の成型体61から製造され、光学的に透明なプラスチック材料で作られている。これらの分析装置71は、それぞれ、分析毛細管チューブ72aと、コントロール毛細管チューブ72cと、試料受取り部(
図7では図示されていないが、便宜上、符号73とする)と、それぞれ、分析毛細管チューブ72a及びコントロール毛細管チューブ72c用の検出領域74a及び74cと、を含む。各分析毛細管72aは、特定の試料の異なる(潜在的な)特徴を分析するようなものである。すなわち、例えば、1個の装置71の分析毛細管72aは、試料中の特定の核酸配列の存在を分析する、固定化オリゴヌクレオチド5にハイブリダイズされた標識オリゴヌクレオチド7を持つ固定化オリゴヌクレオチド5を、有してもよい(
図1に関連して記載したように)。該分析装置の他のもの71は、その分析毛細管72a内に、固定化抗体45に結合された標識抗原46を持つ固定化抗体45を、有してもよい(
図4に関連して記載したように)。残りの分析装置71は、例えば、異なる核酸配列、異なる抗原又は記載したような他の特徴を、テストするようなものであってもよい。分析装置71で使用される標識は、検出領域74a及び74cで、存在する試薬で光シグナルを生成するようなものである。
【0069】
更に、
図7で示される配置は、試料分配部80と検出部90とを含む。試料分配部80は、3個の分析装置71を受け止め、支持することができるように組み立てられる。装置71は、
図7に示すように、それらの試料受取り部73が分配部80の内部に密封されるように、それらの上流末端で分配部80内に受け止められる。試料分配部80は、試料入口81を有し、内部は、入口81から導入された液体試料が3個の分析装置71の全ての試料受取り部73に運ばれるように、構成されている(図示せず)。更に、分配部80には、試料の分配部への導入により生じる過剰の圧力を放出するように、通気孔82が備えられる。
【0070】
検出部90は、4本の光ファイバ光導体91a〜dを3組(1組だけ図示)有し、それぞれの組は、分析装置71の1つとつながっている。便宜上、4本の光導体91a〜dの1組のみを示し、これは、
図1に示された3個の分析装置71の一番上のものである。光導体91a及び91bは、それぞれ、検出ゾーン74a及び74cの上部域に導かれる。光導体91a及び91bは、光をこれらの光導体91a及び91bに沿って検出領域74a及び74bの頂部に通す検出器内の光源(図示せず)につながる。一方、光導体91c及び91dは、検出器90から、一番上の分析装置71の検出領域74a及び74cの下面に導かれる。光導体91c及び91dは、それぞれ、装置内に備えられる光検出器(図示せず)につながる。
【0071】
分析を行う目的で、液体試料が分配部80の入口81から導入され、分析装置71は先に記載したように作動する。光導体91a及び91bから検出領域74a及び74bを通った光は、それぞれ、光導体91c及び91dにより収集され、検出器90にフィードバックされる。検出器90は、ライトチューブ91aに沿って通り、ライトチューブ91cによって収集された光における任意の色変化を検出するようにプログラムされる。該色変化を、検出領域74c(コントロール)から得られた結果と比較する。検出領域74a(分析)と検出領域74c(コントロール)との間に色変化の違いがあれば、これは、分析の「陽性」結果である。
【0072】
図7では、光の透過によるシグナル検出に関して記載している(検出領域は、光学的に透明である)が、シグナル検出は、反射率により、特に、検出領域が酵素用の基質を含浸した吸収性パッドを組み込む場合もよいことは、理解されるであろう。
【0073】
図示した実施形態について、数多くの変更を行ってもよい。例えば、
図7の配置では、検出部90は、分離したユニットとして示されている。しかし、検出部を組み込んだ本発明による分析装置を製造することも可能である。そのような「オンボード」検出部用の動力は、例えば、電池によって提供されてもよい。或いは、そのような装置のための動力源は、国際公開公報第00/33063号(Moorlodge Biotech Ventures社)に記載されるようなものでもよく、このケースでは、動力源は、装置に備えられ、電極間の水性液体試料の移動により、検出配置を作動させるために発生させるべき電流を作るように配置された、少なくとも1組の異質材料の電極を含む。異質材料は、炭素又は1種以上の金属、例えば、銅及び亜鉛を含んでもよい。1種類の材料の電極を、液体試料の存在下で、電流が1つの電極からもう1つの電極に流れるように、他の異質材料の電極と組み合わせてもよい。
【0074】
更に、提案されている変法では、再び
図7で示す配置を適用して、試料受け取り領域73を発光させ、毛細管チューブ62a及び62cは、それらの上流末端で単に開いていてもよい。この場合、液体分配配置80は、その内部の裏面に備えられたスポンジ(又は他の吸収材料)を含んでもよい。分析装置7を分配8に挿入すると、分析装置71の上流末端は、スポンジ又は他の弾性材料に入り込み、それを圧縮し、毛細管チューブ62a及び62cの上流末端をそれに接触させる。分析を行うためには、スポンジを分析すべき液体試料で含浸し、先に充分に記載したように、この液体試料は分析用の毛細管チューブ62a及び62cを流れる。
【0075】
図8に、本発明による分析装置の更なる実施形態の平面図及び側面図を示す。この装置は、ポリカーボネートで作られ、2本の蛇行毛細管(5つの線状部位を持つ)を有し、それぞれ、上流試料ウェルから、先に充分記載した種類の試薬系を含むそれぞれの集団ウェルへ走る。光導体は、目的のシグナル検出の集団につながる。
【0076】
例として、各毛細管の全長は、約342mmであってもよい。個々の毛細管は、各辺の長さが0.4mmの三角形断面をしていてもよい。各毛細管の体積は、約30μlである。
【0077】
本発明を、特に、1本の「分析毛細管」及び1本の「コントロール毛細管」を有する分析装置に関連して説明してきたが、該装置は、2本以上の「分析毛細管」を含むことができ、必要な場合は、2本以上の「コントロール毛細管」を含むことができることは理解されるだろう。そのような各「分析毛細管」は、同じ又は異なる試料の分析を行うようにすることができる。
【0078】
本発明は、感染の広がりが測定できる及び/又は感染を扱う医療用品を調整できる、医療の権威者(数多くの地域から提供されたデータから)に、送るために、電子的に収集された結果に関する試料及びデータの、集団スクリーニングに適用されてもよい。
【実施例】
【0079】
本発明を、以下の限定ではない実施例を用いて説明する。
【0080】
[実施例1]
この実施例は、結合パートナーが固定化されてもよい、アミノ基を有するポリカーボネート基材の、調製を、記載する。
この実施例の操作は、その長さ方向に形成された2本の頂部開口型三角断面毛細管溝を持つ、約75mm×25mm×3mmの寸法の、ポリカーボネート基質(「プラットフォーム」)上で行ない、毛細管溝のそれぞれの蛇行形状は、蛇行部の上流末端と下流末端との間に5本の線状毛細管経路を有し、三角断面溝の各辺は0.4mmの長さであった。各溝の全長は約342mmであり、容積は約30μlであった。
最初に、プラットフォームを、30%硝酸水溶液に、80℃で3時間完全に浸すことによってニトロ化した。このニトロ化反応の後、プラットフォームを蒸留水で充分に洗浄し、風乾した。
操作の次のステップで、プラットフォームを、10w/v%のNaBH
4エタノール溶液を用い、室温で一晩処理し、ニトロ基のアミノ基への還元を行った。
次いで、プラットフォームを、蒸留水、エタノール及びレクチン緩衝液(4MのNaCl、10mMのTris、pH7.2、10mMのCaCl
2、10mMのMnCl
2)で数回洗浄し、洗浄と洗浄との間は風乾した。最後に、プラットフォームを風乾した。
【0081】
[実施例2]
この実施例では、酵母マンノプロテインがポリカーボネート基材の毛細管内に固定化され、標識ConcavalinAがこれに置き換え可能に結合されている、本発明による分析装置の、製造を、記載する。
【0082】
(ステップ1)
実施例1の操作に従って調製されたアミノ化ポリカーボネートプラットフォームを、0.1MのMES緩衝液pH6.5中の、5mMのN−(3−ジメチルアミノプロピル)−N−エチルカルボジイミド塩酸塩)、0.33mMのN−ヒドロキシスルホスクシンイミドナトリウム塩、及び5mMの11−メルカプトウンデカン酸の、水溶液と3時間反応させ、次いでレクチン緩衝液で洗浄した(MESは、化合物2−(N−モルホリノ)エタンスルホン酸の略語である)。
風乾後、1mg/mlの酵母マンノプロテイン(レクチン緩衝液中)を湿潤雰囲気下、4℃で毛細管に加え、該基材を一晩放置した。次いで、プラットフォームをレクチン緩衝液で洗浄した。
この操作により、酵母マンノプロテインが毛細管内に固定化されたポリカーボネートプラットフォームを、調製した。
【0083】
(ステップ2)
このステップでは、先のステップで製造されたポリカーボネートプラットフォームの固定化された酵母マンノプロテインへの標識ConcavalinAの置き換え可能な結合を、記載する。使用された標識は、ホースラディッシュパーオキシダーゼ(HRP)であった。
ConcavalinAを、製造者の指示書(BiotinTagミクロビオチン化キット、Sigma)に従って、ビオチン化した。Avidin−HRPは該キットの一部であった。ビオチン化ConcavalinA/avidin−HRP/レクチン緩衝液の、10/5/85比の、30μl混合物を、加湿雰囲気下、室温で2時間かけて毛細管に加えた。次いで、処理されたプラットフォームをレクチン緩衝液で洗浄し、風乾した。
接着剤プラスチックテープ(耐水性接着剤)を毛細管溝の上部に貼り付け、装置用の毛細管チューブを完成することによって、本発明による分析装置を、調製した。
【0084】
[実施例3]
この実施例では、酵母マンノプロテインがポリカーボネート基材の毛細管内に固定化され、標識ConcavalinAがこれに置き換え可能に結合されている、本発明による分析装置の、製造を、記載する。
【0085】
(ステップ1)
実施例1の操作に従って調製されたアミノ化ポリカーボネートプラットフォームを、0.1MのMES緩衝液pH6.5中の、5mMのN−(3−ジメチルアミノプロピル)−N−エチルカルボジイミド塩酸塩)、0.33mMのN−ヒドロキシスルホスクシンイミドナトリウム塩、及び5mMの11−メルカプトウンデカン酸の、水溶液と3時間反応させ、次いでレクチン緩衝液で洗浄した。
風乾後、0.1MのMES緩衝液pH6.5中の、1mg/mlの酵母マンノプロテイン(5mMのN−(3−ジメチルアミノプロピル)−N−エチルカルボジイミド塩酸塩の水溶液中)、及び0.33mMのN−ヒドロキシスルホスクシンイミドナトリウム塩を、湿潤雰囲気下、4℃で毛細管に加え、プラットフォームを一晩放置した。
処理プラットフォームをレクチン緩衝液で洗浄し、風乾した。
このステップでは、酵母マンノプロテインが毛細管に固定化されたポリカーボネートプラットフォームを、製造した。
【0086】
(ステップ2)
実施例2のステップ2の操作を使用して、HRP−標識ConcavalinAを、実施例のステップ1に従って製造されたプラットフォームの固定化された酵母マンノプロテインに置き換え可能に結合した。
接着剤プラスチックテープ(耐水性接着剤)を毛細管溝の上部に貼り付け、装置用の毛細管チューブを完成することによって、本発明による分析装置を調製した。
【0087】
[実施例4]
この実施例では、酵母マンノプロテインがポリカーボネート基材の毛細管内に固定化され、標識ConcavalinAがこれに置き換え可能に結合されている、本発明による分析装置の、製造を、記載する。
【0088】
(ステップ1)
実施例1の操作に従って製造されたアミノ化ポリカーボネートプラットフォームを、0.1MのMES緩衝液pH6.5中の、5mMのN−(3−ジメチルアミノプロピル)−N−エチルカルボジイミド塩酸塩)、0.33mMのN−ヒドロキシスルホスクシンイミドナトリウム塩、5mMの11−メルカプトウンデカン酸、及び1mg/mlの酵母マンノプロテイン、を含む水溶液と、加湿雰囲気、4℃で反応させ、一晩放置した。
次いで、処理プラットフォームをレクチン緩衝液で洗浄し、風乾した。
このステップの操作により、酵母マンノプロテインが毛細管内に固定化されたポリカーボネートプラットフォームを、製造した。
【0089】
(ステップ2)
実施例2のステップ2の操作を使用して、HRP−標識ConcavalinAを、毛細管内の酵母マンノプロテインに置き換え可能に結合した。
接着剤プラスチックテープ(耐水性接着剤)を毛細管溝の上部に貼り付け、装置用の毛細管チューブを完成することによって、本発明による分析装置を調製した。
【0090】
[実施例5]
この実施例では、(i)レクチン緩衝液溶液としての20mg/mlの酵母マンノプロテイン、又は、(ii)酵母マンノプロテインが固定化された2mg/mlのポリスチレンビーズ(レクチン緩衝液中)の、いずれかによるConcavalinAの置き換えについて、実施例2、3及び4に従って製造された分析装置(置き換え可能に結合されたHRP−標識ConcavalinAを持つ)の試験を、記載する。
【0091】
テスト(ii)用のビーズは、以下の操作によって調製した。
【0092】
(カルボキシル化ポリスチレンビーズ上のタンパク質固定化)
液体に対して10%の固形のカルボキシル化ポリスチレン5ミクロンビーズ(Polymer labs)溶液50μlを、1mlのレクチン緩衝液で1回洗浄し、次いで、遠心した(13,000rpm、5分間)。上澄液を除去し、ビーズを、75mMのN−(3−ジメチルアミノプロピル)−N−エチルカルボジイミド塩酸塩)、15mMのNHSS(N−ヒドロキシスルホスクシンイミドナトリウム塩)、及び50mMのPBSの、1ml水溶液中、pH7.3で、2mg/mlの酵母マンノプロテインを用いて、希釈した。混合物を室温で3時間振盪し、次いで、洗浄した。上澄液を除去し、ビーズを更にレクチン緩衝液で洗浄し、その後、遠心分離(13,000rpm、5分間)した。ビーズを、1mlのレクチン緩衝液に入れ、4℃で保持した。
【0093】
(分析操作)
試料(i)20mg/mlの酵母マンノプロテイン及び(ii)酵母マンノプロテインが結合した2mg/mlのビーズ(両方ともレクチン緩衝液中)を、実施例2、3及び4に従って製造したプラットフォーム上を毛細管作用によって走らせた。
液体を毛細管系に沿って走らせ、毛細管の末端から5μlを集め、エッペンドルフ中の30μlのHRP基質(DRG DiagnosticsエストラジオールELISAキットから)に加えた。色を発色させ、試料を分光光度計で読み取った。
結果を以下の表に示す。
【0094】
【表2】
【0095】
この結果は、分析された試料(すなわち、試料(i)及び(ii))中の酵母マンノプロテインが、毛細管経路に固定化された酵母マンノプロテインに結合された、表示サンプリングであるConcavalinAを置き換えることが可能であったこと、を示している。総合的に言えば、実施例4に従って製造したポリカーボネートプラットフォームで最も良好な結果が得られた。特に、酵母を結合したビーズを使用してこのプラットフォームで行った分析が、試験した6つの組合せの全ての中で最も良好なシグナルを提供した。シグナルは、20mg/mlの酵母マンノプロテイン溶液を使用して、プラットフォームで行った分析に比較して、大きく改良され、シグナルの増幅が示された。
【0096】
[実施例6]
この実施例では、更なるシグナル増幅を行った。
【0097】
数多くの分析装置を実施例4に記載するように調製し、HRP基質で飽和し、風乾したろ紙を、毛細管の末端に置いた。
【0098】
以下の5種のテスト被検体を、分析を使用して装置上を走らせた。
1.実施例5で記載するように調製された、固定化された酵母マンノプロテインを持つ、2mg/mlのポリスチレンビーズ。
2.酵母マンノプロテインを2mg/mlのConcavalinAに置き換えた以外は実施例5に記載するように調製された、固定化されたConcavalinAを持つ、2mg/mlのポリスチレンビーズ。
3.2mg/mlの遊離酵母マンノプロテイン。
4.2mg/mlの遊離ConcavalinA。
5.2mg/mlの非結合ビーズ。
6.レクチン緩衝液。
【0099】
マンノプロテイン及びConcavalinA結合ビーズ(すなわち、テスト被検体1及び2)は両方とも可視青色シグナルをろ紙上に生成したが、一方、遊離酵母マンノプロテイン、遊離ConcavalinA、非結合ビーズ、及びレクチン緩衝液は、生成しなかった。
【0100】
[実施例7]
この実施例では、オリゴヌクレオチドが毛細管内に固定化され、これに結合する標識オリゴヌクレオチドを有するポリカーボネートプラットフォームの、製造を、示す。
ポリカーボネートプラットフォームは、実施例1に記載された操作を使用して調製した。
アミノ化プラットフォームを、ビーカー中で、5v/v%グルタルアルデヒド(0.1MのPBS、pH6.5)及び5%トリメチルアミノボランの溶液に浸し、超音波浴中に室温で2時間置いた。次いで、プラットフォームをエタノールで広範囲にわたって洗浄し、風乾した。
髄膜炎菌5’NH ATTTTAATTACGAAGGCTACGCATT3’を、0.1Mの炭酸緩衝液pH9.0に溶解した(0.1〜10um)。溶液を20μl、プラットフォーム上の毛細管に入れ、湿潤雰囲気下、室温で4時間反応させた。
次いで、プラットフォームをPBSで1回洗浄し、風乾した。
固定化されたオリゴヌクレオチドの存在を、髄膜炎菌に関して、酵素(アルカリホスファターゼ)標識された第2オリゴヌクレオチドを提供して測定した。
5’アルカリホスファターゼGGAATTAATGCGTAGCCTTCGTAATTAAAAT3’を試料プラットフォームに加えた。等モルの第2オリゴヌクレオチドを毛細管内で、1XSSC中、室温で10分間インキュベートした。次いで、プラットフォームを1XSSCで洗浄した(20倍の原液は、3Mの塩化ナトリウムと300mMのクエン酸3ナトリウム(HClでpH7.0に調整)を含む)。
アルカリホスファターゼ用の基質(NBT/BCIP)を毛細管に加え、発色させ、反応が完了するのを示した(架橋及びハイブリッド形成)。