特許第6046658号(P6046658)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6046658
(24)【登録日】2016年11月25日
(45)【発行日】2016年12月21日
(54)【発明の名称】太陽電池
(51)【国際特許分類】
   H01L 31/0224 20060101AFI20161212BHJP
   H01L 31/05 20140101ALI20161212BHJP
【FI】
   H01L31/04 262
   H01L31/04 570
【請求項の数】14
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2014-99796(P2014-99796)
(22)【出願日】2014年5月13日
(65)【公開番号】特開2015-70260(P2015-70260A)
(43)【公開日】2015年4月13日
【審査請求日】2014年5月13日
(31)【優先権主張番号】10-2013-0115451
(32)【優先日】2013年9月27日
(33)【優先権主張国】KR
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】502032105
【氏名又は名称】エルジー エレクトロニクス インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100165191
【弁理士】
【氏名又は名称】河合 章
(74)【代理人】
【識別番号】100151459
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 健一
(72)【発明者】
【氏名】ハン ウォンスク
(72)【発明者】
【氏名】キム チンスン
(72)【発明者】
【氏名】チョ ヘチョン
【審査官】 佐竹 政彦
(56)【参考文献】
【文献】 特開2000−261012(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0224228(US,A1)
【文献】 特開2010−208317(JP,A)
【文献】 特開2013−179371(JP,A)
【文献】 国際公開第2012/121349(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 31/02−31/078、31/18−31/20、
51/42−51/48
H02S 10/00−10/40、30/00−50/15、99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光電変換部と、
前記光電変換部に接続される第1電極及び第2電極とを含み、
前記第1電極は、複数のフィンガー電極部を含むフィンガー電極と、前記複数のフィンガー電極部と交差する方向に形成されるメイン部分及び前記メイン部分から突出する突出部分を少なくとも一つ含むバスバー電極とを含み、
前記突出部分は、前記複数のフィンガー電極部のうち少なくとも2つ以上にわたって形成され、
前記フィンガー電極と平行な方向への前記突出部分の突出長さは、前記メイン部分の幅よりも小さく、
前記突出部分は、前記メイン部分の両方の端部にそれぞれ位置する複数の端部突出部と前記メイン部分の内部領域から突出する中央突出部を含み、
前記複数の端部突出部と前記中央突出部のそれぞれは、前記メイン部分両側に対称に配置し、
前記フィンガー電極と平行な方向への前記中央突出部の突出長さは、前記フィンガー電極と平行な方向の端部突出部のそれぞれの突出長さよりも短
前記フィンガー電極は、前記突出部分の外郭に対応する位置で前記フィンガー電極部と交差する方向に形成されるアライメントマーク部をさらに含む、太陽電池。
【請求項2】
前記突出部分の前記突出長さが0.1mm〜0.7mmである、請求項1に記載の太陽電池。
【請求項3】
前記メイン部分の長さ方向と平行な方向への前記突出部分の幅が2mm〜10mmである、請求項1に記載の太陽電池。
【請求項4】
前記突出部分が、前記複数のフィンガー電極部のうち2個〜10個のフィンガー電極にわたって形成される、請求項1に記載の太陽電池。
【請求項5】
前記フィンガー電極と平行な方向において前記突出部分を備えた前記バスバー電極の幅が、2.1mm〜3.4mmである、請求項1に記載の太陽電池。
【請求項6】
前記第1電極に接続されるリボンをさらに含み、
前記リボンは、前記バスバー電極上に位置する一側端部と、隣接する太陽電池に延びる他側部分を有し、
前記端部突出部は、前記バスバー電極に位置する前記リボンの端部と隣接する第1端部突出部と、前記第1端部突出部と反対の位置に位置する第2端部突出部とを含み、
前記第1端部突出部の幅が、前記第2端部突出部の幅と同一またはより広い、請求項1に記載の太陽電池。
【請求項7】
前記中央突出部と前記端部突出部が均一な間隔で規則的に配置される、請求項1に記載の太陽電池。
【請求項8】
前記第1電極に接続されるリボンをさらに含み、
前記フィンガー電極と平行な方向において前記突出部分を備えた前記バスバー電極の幅が、前記リボンの幅よりも広い、請求項1に記載の太陽電池。
【請求項9】
前記リボンの幅と前記バスバー電極の前記メイン部分の幅の比率が、1:0.80〜1:1.22である、請求項8に記載の太陽電池。
【請求項10】
前記光電変換部は、半導体基板及びエミッタ領域を含み、
前記光電変換部は、前記エミッタ領域上に形成される絶縁膜をさらに含み、
前記フィンガー電極は、前記絶縁膜を貫通して前記エミッタ領域に接触して形成され、
前記バスバー電極は、前記絶縁膜上に形成される、請求項1に記載の太陽電池。
【請求項11】
前記フィンガー電極は、前記光電変換部上に位置する第1層と、前記第1層上に位置する第2層とを含む二層構造を有し、
前記バスバー電極は、前記第2層と同一の物質及び厚さを有する単一層である、請求項1に記載の太陽電池。
【請求項12】
前記第1層と前記第2層とが互いに異なる物質で形成される、請求項11に記載の太陽電池。
【請求項13】
前記第2電極に接続されるリボンをさらに含み、
前記第2電極の幅は、前記リボンよりの幅より広い、請求項1に記載の太陽電池。
【請求項14】
光電変換部と、
前記光電変換部に接続される第1電極及び第2電極とを含み、
前記第1電極は、複数のフィンガー電極部を含むフィンガー電極と、前記複数のフィンガー電極部と交差する方向に形成されるメイン部分及び前記メイン部分から突出する突出部分を少なくとも一つ含むバスバー電極とを含み、
前記フィンガー電極と平行な方向において前記突出部分を備えた前記バスバー電極の幅は、2.1mm〜3.4mmであり、
前記フィンガー電極と平行な方向への前記突出部分の突出長さは、前記メイン部分の幅よりも小さく、
前記突出部分は、前記メイン部分の両方の端部にそれぞれ位置する複数の端部突出部と前記メイン部分の内部領域から突出する中央突出部を含み、
前記複数の端部突出部と前記中央突出部のそれぞれは、前記メイン部分両側に対称に配置し、
前記フィンガー電極と平行な方向への前記中央突出部の突出長さは、前記フィンガー電極と平行な方向の端部突出部のそれぞれの突出長さよりも短
前記フィンガー電極は、前記突出部分の外郭に対応する位置で前記フィンガー電極部と交差する方向に形成されるアライメントマーク部をさらに含む、太陽電池。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、太陽電池に係り、より詳細には、電極構造を改善した太陽電池に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、石油や石炭のような既存エネルギー資源の枯渇が予想されながら、これらに代わる代替エネルギーへの関心が高まっている。その中でも、太陽電池は、太陽光エネルギーを電気エネルギーに変換する次世代電池として脚光を浴びている。
【0003】
太陽電池は、設計によって、基板に形成された様々な層、電極などを含む。隣り合う太陽電池は、バスバー電極に連結されるリボンによって互いに電気的に接続される。ところが、アライメント誤差、またはリボンとバスバー電極との幅の差などによって、リボンが付着された部分に隣接してバスバー電極に連結されたフィンガー電極の部分に断線が生じ得る。また、アライメント誤差のため、リボンとバスバー電極との接触面積が低下することがある。これによって、太陽電池モジュールの出力及び信頼性が低下することがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、高い効率及び信頼性を有する太陽電池を提供しようとする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の実施例に係る太陽電池は、光電変換部と、前記光電変換部に接続される第1及電極び第2電極と、を含む。前記第1電極は、複数のフィンガー電極部を含むフィンガー電極と、前記複数のフィンガー電極部と交差する方向に形成されるメイン部分及び前記メイン部分から突出する突出部分を少なくとも一つ含むバスバー電極とを含む。前記突出部分が、前記複数のフィンガー電極部のうち少なくとも2つ以上にわたって形成される。
【0006】
前記メイン部分の幅よりも前記突出部分の突出長さがさらに小さくてもよい。
【0007】
前記突出部分の突出長さが0.1mm〜0.7mmであってもよい。
【0008】
前記突出部分の幅が2mm〜10mmであってもよい。
【0009】
前記突出部分が、複数のフィンガー電極部のうち2個〜10個にわたって形成されてもよい。
【0010】
前記突出部分が位置した部分において前記バスバー電極の幅が、2.1mm〜3.4mmであってもよい。
【0011】
前記突出部分が、前記メイン部分の端部に位置する端部突出部を含むことができる。
【0012】
前記端部突出部は、前記メイン部分を基準として両側に対称に位置することができる。
【0013】
前記第1電極に接続されるリボンをさらに含み、前記リボンは、一側端部が前記バスバー電極上に位置するようになり、他側部分は隣接する太陽電池に延びることができる。前記端部突出部は、前記一側端部と隣接する第1端部突出部と、前記第1端部突出部と反対の位置に位置する第2端部突出部とを含むことができる。前記第1端部突出部の幅が、前記第2端部突出部の幅と同一またはこれより長くてもよい。
【0014】
前記突出部分が、前記メイン部分の内部領域から突出する中央突出部をさらに含むことができる。
【0015】
前記中央突出部の突出長さが、前記端部突出部の突出長さよりも小さくてもよい。
【0016】
前記中央突出部と前記端部突出部が均一な間隔を置いて規則的に配置されてもよい。
【0017】
前記第1電極に接続されるリボンをさらに含み、前記突出部分が位置した部分において前記バスバー電極の幅が、前記リボンの幅よりも大きくてもよい。
【0018】
前記リボンの幅:前記メイン部分が位置した部分において前記バスバー電極の幅の比率が、1:0.80〜1:1.22であってもよい。
【0019】
前記フィンガー電極は、前記突出部分の外郭に対応する位置で前記フィンガー電極部と交差する方向に形成されるアライメントマーク部をさらに含むことができる。
【0020】
前記光電変換部は、半導体基板及びエミッタ領域を含むことができる。前記太陽電池は、前記エミッタ領域上に形成される絶縁膜をさらに含むことができる。前記フィンガー電極は、前記絶縁膜を貫通して前記エミッタ領域に接触して形成され、前記バスバー電極は前記絶縁膜上に形成されてもよい。
【0021】
前記フィンガー電極は、前記光電変換部上に位置する第1層と、前記第1層上に位置する第2層とを含む二層構造を有することができる。前記バスバー電極は、前記第2層と同一の物質及び厚さを有する単一層構造を有することができる。
【0022】
前記第1層と前記第2層とが互いに異なる物質を有することができる。
【0023】
前記第2電極に接続されるリボンをさらに含み、前記第2電極は、全体的に前記リボンよりも大きい幅を有することができる。
【0024】
本発明の他の実施例に係る太陽電池は、光電変換部と;前記光電変換部に接続される第1及び第2電極と;を含む。前記第1電極は、複数のフィンガー電極部を含むフィンガー電極と、前記複数のフィンガー電極と交差する方向に形成されるメイン部分及び前記メイン部分から突出する突出部分を少なくとも一つ含むバスバー電極とを含む。前記突出部分が位置した部分において前記バスバー電極の幅が、2.1mm〜3.4mmである。
【発明の効果】
【0025】
本実施例では、バスバー電極がメイン部分から突出する突出部分を含むことで、リボンのミスアライメントが発生しても、バスバー電極とリボンとの接触面積の低下を補償することができ、リボンによるエミッタ領域、反射防止膜、フィンガー電極などの損傷を防止することができる。これによって、太陽電池モジュールの出力低下を防止し、信頼性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】本発明の一実施例に係る太陽電池を含む太陽電池モジュールの分解斜視図である。
図2図1のII−II線に沿って切断した本太陽電池モジュールの概略的な断面図である。
図3】本発明の実施例に係る太陽電池の部分断面図である。
図4】本発明の実施例に係る太陽電池の前面平面図である。
図5図4の第1電極を構成する第1層及び第2層を示す前面平面図である。
図6】本発明の実施例に係る太陽電池の後面平面図である。
図7】本発明の他の実施例に係る太陽電池を示す前面平面図である。
図8】本発明の更に他の実施例に係る太陽電池を示す前面平面図である。
図9】本発明の他の実施例に係る太陽電池を示す前面平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下では、添付の図面を参照して、本発明の実施例を詳細に説明する。しかし、本発明がこれらの実施例に限定されるものではなく、様々な形態に変形可能であることは勿論である。
【0028】
図面では、本発明を明確且つ簡略に説明するために、説明と関係のない部分の図示を省略し、明細書全体において同一又は極めて類似の部分に対しては同一の図面参照符号を使用する。そして、図面では、説明をより明確にするために、厚さ、幅などを拡大または縮小して示しており、本発明の厚さ、幅などは図面に示したものに限定されない。
【0029】
そして、明細書全体において、ある部分が他の部分を「含む」とするとき、特に反対の記載がない限り、他の部分を排除するのではなく、他の部分をさらに含むことができる。また、層、膜、領域、板などの部分が他の部分の「上に」あるとするとき、これは、他の部分の「直上に」ある場合のみならず、その中間に他の部分が位置する場合も含む。層、膜、領域、板などの部分が他の部分の「直上に」あるとするときは、中間に他の部分が位置しないことを意味する。
【0030】
以下、添付の図面を参照して、本発明の実施例に係る太陽電池を詳細に説明する。
【0031】
図1は、本発明の一実施例に係る太陽電池を含む太陽電池モジュールの分解斜視図であり、図2は、図1のII−II線に沿って切断した本太陽電池モジュールの概略的な断面図である。
【0032】
図1及び図2を参照すると、本発明の一実施例に係る太陽電池モジュール100は、太陽電池150と、太陽電池150の前面上に位置する前面基板210と、太陽電池150の後面上に位置する後面シート220とを含むことができる。また、太陽電池モジュール100は、太陽電池150と前面基板210との間の第1密封材131と、太陽電池150と後面シート220との間の第2密封材132とを含むことができる。
【0033】
まず、太陽電池150は、太陽エネルギーを電気エネルギーに変換する半導体素子であって、一例として、シリコン太陽電池(silicon solar cell)、化合物半導体太陽電池(compound semiconductor solar cell)、タンデム型太陽電池(tandem solar cell)、色素増感太陽電池などの様々な構造を有することができる。
【0034】
このような太陽電池150はリボン142を含む。リボン142によって、隣り合う太陽電池150を電気的に直列、並列または直並列に接続することができる。具体的に、リボン142は、太陽電池150の前面上に形成された第1電極(図3の参照符号24参照)と、隣接する他の太陽電池150の後面上に形成された第2電極(図3の参照符号34参照)とを接続することができる。すなわち、一つの太陽電池150の前面から他の太陽電池150の後面まで延びるリボン142を位置させた後、熱圧着すると、リボン142によって2つの太陽電池150を接続することができる。このような方式で、複数個の太陽電池150を接続することができる。
【0035】
リボン142は、電気的特性及び物理的特性に優れた様々な物質からなることができる。一例として、リボン142が、ソルダリング物質を含むことができ、Sn/Ag/Cu系、Sn/Ag/Pb系、Sn/Ag系、Sn/Pb系物質などを含むことができる。または、優れた伝導性の金属物質(一例として、アルミニウム)などを含んでもよい。または、リボン142が、ソルダ用物質上に酸化防止膜などが積層されて形成されてもよい。しかし、本発明がこれに限定されるものではない。
【0036】
詳細な説明などでは、“リボン142”という用語を使用したが、本発明がこれに限定されるものではない。すなわち、リボン142がソルダリング物質を含む場合だけでなく、様々な構造によって太陽電池150を連結する構造体を全て含むことができる。
【0037】
また、バスリボン145は、リボン142によって連結された一つの列の両端を交互に連結する。バスリボン145は、一つの列をなす太陽電池150の端部においてこれと交差する方向に配置することができる。このようなバスリボン145は、太陽電池150が生産した電気を集め、電気が逆流することを防止するジャンクションボックス(図示せず)と接続される。
【0038】
第1密封材131は、太陽電池150の前面に位置し、第2密封材132は、太陽電池150の後面に位置することができる。第1密封材131と第2密封材132とはラミネーションにより接着して、太陽電池150に悪影響を及ぼし得る水分や酸素を遮断し、太陽電池の各要素が化学的に結合できるようにする。
【0039】
このような第1密封材131及び第2密封材132は、エチレン酢酸ビニル共重合体樹脂(EVA)、ポリビニルブチラール、ケイ素樹脂、エステル系樹脂、オレフィン系樹脂などを使用することができる。しかし、本発明がこれに限定されるものではない。したがって、第1及び第2密封材131,132は、その他の様々な物質を用いて、ラミネーション以外の他の方法により形成することができる。
【0040】
前面基板210は、太陽光を透過するように第1密封材131上に位置し、外部の衝撃などから太陽電池150を保護するために強化ガラスであることが好ましい。また、太陽光の反射を防止し、太陽光の透過率を高めるために、鉄分が少なく含有された低鉄分強化ガラスであることがより好ましい。
【0041】
後面シート220は、太陽電池150の裏面で太陽電池150を保護する層であって、防水、絶縁及び紫外線遮断の機能をする。後面シート220は、TPT(Tedlar/PET/Tedlar)タイプであってもよいが、これに限定されるものではない。また、後面シート220は、前面基板210側から入射した太陽光を反射して再利用できるように、反射率に優れた材質であってもよい。しかし、本発明がこれに限定されるものではなく、後面シート220が、太陽光が入射できる透明材質で形成されて、両面太陽電池モジュール100を具現することもできる。
【0042】
本実施例において、複数の太陽電池150における一つの太陽電池150の構造の一例を、図3乃至図6を参照して詳細に説明する。
【0043】
図3は、本発明の実施例に係る太陽電池の部分断面図である。参考に、図3は、図4のIII −III 線に沿って切断した断面図である。
【0044】
図3を参照すると、本実施例に係る太陽電池150は、半導体基板110と、半導体基板110に形成される不純物領域20,30と、不純物領域20,30または半導体基板110に電気的に接続される電極24,34とを含むことができる。そして、太陽電池150は、隣接する太陽電池150との接続のために、電極24,34に電気的に接続されるリボン142を含むことができる。ここで、半導体基板110及び不純物領域20,30は、光電変換に寄与する領域であるので、光電変換部と定義することができる。不純物領域20,30は、エミッタ領域20と後面電界領域30を含むことができ、電極24,34は、エミッタ領域20に電気的に接続される第1電極24と、後面電界領域30に電気的に接続される第2電極34とを含むことができる。そして、半導体基板110の前面及び/または後面には、反射防止膜22、パッシベーション膜32などの絶縁膜を形成することができる。これについてより詳細に説明する。
【0045】
半導体基板110は、不純物領域20,30が形成される領域と、不純物領域20,30が形成されない部分であるベース領域10とを含む。ベース領域10は、一例として、第1導電型不純物を含むシリコンを含むことができる。シリコンとしては、単結晶シリコンまたは多結晶シリコンを使用することができ、第1導電型不純物は、p型またはn型であってもよい。
【0046】
ベース領域10がp型を有する場合には、ベース領域10が、3族元素であるボロン(B)、アルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)、インジウム(In)などがドープされた単結晶または多結晶シリコンからなることができる。ベース領域10がn型を有する場合には、ベース領域10が、5族元素であるリン(P)、ヒ素(As)、ビスマス(Bi)、アンチモン(Sb)などがドープされた単結晶または多結晶シリコンからなることができる。ベース領域10は、上述した物質以外の様々な物質を使用することができる。
【0047】
図示していないが、半導体基板110の前面及び/または後面は、テクスチャリング(texturing)されて、ピラミッドなどの形状の凹凸を有することができる。このようなテクスチャリングにより半導体基板110の前面などに凹凸が形成されて表面粗さが増加すると、半導体基板110の前面などを介して入射する光の反射率を低下させることができる。したがって、ベース領域10とエミッタ領域20との界面に形成されたpn接合まで到達する光量を増加させることができるので、光損失を最小化することができる。しかし、本発明がこれに限定されるものではなく、半導体基板110の前面及び後面にテクスチャリングによる凹凸が形成されないことも可能である。
【0048】
半導体基板110の前面側には、ベース領域10と反対の第2導電型を有するエミッタ領域20を形成することができる。エミッタ領域20がn型であるときには、リン、ヒ素、ビスマス、アンチモンなどがドープされた単結晶または多結晶シリコンからなることができ、p型であるときには、アルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)、インジウム(In)などがドープされた単結晶または多結晶シリコンからなることができる。
【0049】
図面では、エミッタ領域20が全体的に均一なドーピング濃度を有する均一な構造(homogeneous structure)を有することを例示した。しかし、本発明がこれに限定されるものではない。したがって、他の実施例として、エミッタ領域20が選択的構造(selective structure)を有することができる。選択的構造では、エミッタ領域20において第1電極24と隣接した部分で高いドーピング濃度及び低い抵抗を有し、その他の部分で低いドーピング濃度及び高い抵抗を有することができる。エミッタ領域20の構造としては、その他にも様々な構造を適用することができる。
【0050】
そして、本実施例では、半導体基板110の前面側に第2導電型不純物をドープして形成されたドーピング領域が、エミッタ領域20を構成する。しかし、本発明がこれに限定されるものではなく、エミッタ領域20が、半導体基板110の前面上に別途の層として構成されるなど、様々な変形が可能である。
【0051】
半導体基板110上に、より正確には、半導体基板110に形成されたエミッタ領域20上に反射防止膜22及び第1電極24が形成される。
【0052】
反射防止膜22は、第1電極24に対応する部分を除いて、実質的に半導体基板110の前面全体に形成することができる。反射防止膜22は、半導体基板110の前面に入射する光の反射率を減少させ、エミッタ領域20の表面またはバルク内に存在する欠陥を不動化させる。
【0053】
半導体基板110の前面を介して入射する光の反射率を低下させることによって、ベース領域10とエミッタ領域20との界面に形成されたpn接合まで到達する光量を増加させることができる。これによって、太陽電池150の短絡電流(Isc)を増加させることができる。そして、エミッタ領域20に存在する欠陥を不動化して、少数キャリアの再結合サイトを除去することで、太陽電池150の開放電圧(Voc)を増加させることができる。このように、反射防止膜22によって太陽電池150の開放電圧と短絡電流を増加させて、太陽電池150の効率を向上させることができる。
【0054】
反射防止膜22は、様々な物質で形成することができる。一例として、反射防止膜22は、シリコン窒化膜、水素含有シリコン窒化膜、シリコン酸化膜、シリコン酸化窒化膜、アルミニウム酸化膜、MgF2、ZnS、TiO2及びCeO2からなる群から選択されたいずれか一つの単一膜、または2つ以上の膜が組み合わされた多層膜構造を有することができる。しかし、本発明がこれに限定されるものではなく、反射防止膜22が様々な物質を含んでいてもよいことは勿論である。そして、半導体基板110と反射防止膜22との間にパッシベーションのための別途の前面パッシベーション膜(図示せず)をさらに備えてもよい。これもまた本発明の範囲に属する。
【0055】
第1電極24は、反射防止膜22に形成された開口部を通して(すなわち、反射防止膜22を貫通して)エミッタ領域20に電気的に接続される。このような第1電極24は、様々な物質によって様々な形状を有するように形成することができる。第1電極24の形状については、図4及び図5を参照して再び説明する。
【0056】
半導体基板110の後面側には、ベース領域10と同一の第1導電型を有し、ベース領域10よりも高いドーピング濃度で第1導電型不純物を含む後面電界領域30が形成される。
【0057】
図面では、後面電界領域30が全体的に均一なドーピング濃度を有する均一な構造(homogeneous structure)を有することを例示した。しかし、本発明がこれに限定されるものではない。したがって、他の実施例として、後面電界領域30が選択的構造(selective structure)を有することができる。選択的構造では、後面電界領域30において第2電極34と隣接した部分で高いドーピング濃度及び低い抵抗を有し、その他の部分で低いドーピング濃度及び高い抵抗を有することができる。更に他の実施例として、後面電界領域30が局部的構造(local structure)を有することができる。局部的構造では、後面電界領域30が、第2電極34と隣接した部分でのみ局部的に形成され得る。後面電界領域30の構造としては、その他にも様々な構造を適用することができる。
【0058】
そして、本実施例では、半導体基板110の後面側に第1導電型不純物をドープして形成されたドーピング領域が、後面電界領域30を構成する。しかし、本発明がこれに限定されるものではなく、後面電界領域30が、半導体基板110の後面上に別途の層として構成されるなど、様々な変形が可能である。
【0059】
パッシベーション膜32は、第2電極34に対応する部分を除いて、実質的に半導体基板110の後面全体に形成することができる。パッシベーション膜32は、後面電界領域30の表面またはバルク内に存在する欠陥を不動化させる。
【0060】
パッシベーション膜32は、後面電界領域30に存在する欠陥を不動化して、少数キャリアの再結合サイトを除去することで、太陽電池150の開放電圧(Voc)を増加させることができる。このように、パッシベーション膜32によって太陽電池150の開放電圧を増加させて、太陽電池150の効率を向上させることができる。
【0061】
パッシベーション膜32は、様々な物質で形成することができる。一例として、パッシベーション膜32は、シリコン窒化膜、水素含有シリコン窒化膜、シリコン酸化膜、シリコン酸化窒化膜、アルミニウム酸化膜、MgF2、ZnS、TiO2及びCeO2からなる群から選択されたいずれか一つの単一膜、または2つ以上の膜が組み合わされた多層膜構造を有することができる。しかし、本発明がこれに限定されるものではなく、パッシベーション膜32が様々な物質を含んでいてもよいことは勿論である。そして、半導体基板110とパッシベーション膜32との間、またはパッシベーション膜32上に別途の膜(図示せず)をさらに備えてもよい。これもまた本発明の範囲に属する。
【0062】
第2電極34は、パッシベーション膜32に形成された開口部を通して(すなわち、パッシベーション膜32を貫通して)後面電界領域30に電気的に接続される。このような第2電極34は、様々な物質によって様々な形状を有するように形成することができる。第2電極34の形状については、図6を参照して再び説明する。
【0063】
第1電極24の上にはリボン142が位置して、隣接する太陽電池150の第2電極34と接続され、第2電極34の上には他のリボン142が位置して、他側において隣接する太陽電池150の第1電極24と接続される。
【0064】
以下では、第1電極24、第2電極34及びリボン142の構造についてより詳細に説明する。
【0065】
図4は、本発明の実施例に係る太陽電池の前面平面図であり、図5は、図4の第1電極24を構成する第1層及び第2層を示す前面平面図である。具体的に、図5の(a)には、第1電極24の第1層240を示し、図5の(b)には、第1電極24の第1層240及び第2層241を共に示した。
【0066】
図4を参照すると、本実施例の第1電極24は、複数のフィンガー電極部242を含むフィンガー電極24aと、複数のフィンガー電極部242と交差する方向に形成される少なくとも一つのバスバー電極24bとを含む。本実施例において、バスバー電極24bは、複数のフィンガー電極部242と交差する方向に形成されるメイン部分246、及びメイン部分246から突出する突出部分248を少なくとも一つ含む。これをより詳細に説明する。
【0067】
フィンガー電極24aの複数のフィンガー電極部242は、第1ピッチP1をもって互いに平行に配置することができる。各フィンガー電極部242の幅は1μm〜300μmであればよい。フィンガー電極部242の幅が1μm未満であると、製造が難しく、抵抗が高くなることがあり、幅が300μmを超えると、シェーディング損失が増加することがある。抵抗及びシェーディング損失をさらに考慮すると、フィンガー電極部242の幅が30μm〜120μmであってもよい。そして、第1ピッチP1は500μm〜3mmであればよい。第1ピッチP1が500μm未満であると、シェーディング損失が増加することがあり、3mmを超えると、キャリアを効果的に収集しにくいことがある。シェーディング損失の防止及びキャリアの効率的な収集のために、第1ピッチP1は1mm〜2.6mmであればよい。しかし、本発明がこれに限定されるものではなく、フィンガー電極部242の幅及び第1ピッチP1などは多様に変形可能である。
【0068】
本実施例において、フィンガー電極24aは、バスバー電極24b(より正確には、バスバー電極24bの突出部分248)の外郭に対応する位置でフィンガー電極部242と交差する方向に形成されるアライメントマーク部244をさらに含むことができる。このようなアライメントマーク部244は、バスバー電極24bを形成するとき、突出部分248をアライメントするのに使用することができ、これについてはより詳細に後述する。このように、フィンガー電極24aがアライメントマーク部244を含む場合、フィンガー電極24aを形成する工程でアライメントマーク部244を形成することによって、バスバー電極24bとのアライメントを精密に行うことができる。これによって、工程を追加しなくても、バスバー電極24bのアライメント特性を向上させることができる。
【0069】
そして、バスバー電極24bは、フィンガー電極部242と交差する方向に形成されて、フィンガー電極24aを連結することができる。このようなバスバー電極24bは、一つのみ備えられてもよく、図4に示すように、第1ピッチP1よりさらに大きい第2ピッチP2をもって複数個備えられてもよい。図面では、一つのバスバー電極24bが太陽電池150の中心に位置し、2つのバスバー電極24bが、中心に位置したバスバー電極24bに対称をなすように配置されることを例示した。しかし、本発明がこれに限定されるものではなく、様々な変形が可能であることは勿論である。
【0070】
本実施例において、バスバー電極24bは、第1幅T1をもってフィンガー電極24aと交差する方向(図面の縦方向)に長く延びたメイン部分246と、メイン部分246からメイン部分246と交差する方向(一例として、フィンガー電極部242と平行な方向(図面の横方向))に突出する突出部分248とを含むことができる。これによって、バスバー電極24bは、突出部分248が形成された部分において、第1幅T1より大きい第2幅T2を有するようになる。
【0071】
ここで、メイン部分246とは、フィンガー電極24aによって収集されたキャリアを、リボン142を介して外部に伝達できるように、リボン142が付着されるように設計された部分である。
【0072】
このようなメイン部分246は、フィンガー電極24aによって収集されたキャリアを、リボン142を介して外部に伝達する役割を果たすもので、フィンガー電極24aの幅よりも大きい第1幅T1を有することができる。これによって、低い抵抗によって容易にキャリアが移動できるようにすることができる。メイン部分246の第1幅T1は、フィンガー電極24aの幅と同一であるか、またはこれより小さくなる等、様々な変形が可能である。したがって、本発明がこれに限定されるものではない。
【0073】
このように、メイン部分246は、リボン142が付着されるように設計された部分であるので、メイン部分246の第1幅T1とリボン142の第3幅T3とを互いに同一またはほぼ同一にする(一定の範囲内で小さいか又は大きい)ことが好ましい。一例として、リボン142の第3幅T3:メイン部分246の第1幅T1の比率が、1:0.80〜1:1.22であればよい。前記比率が1:0.8未満であると、メイン部分246の幅がリボン142に比べてかなり小さいため、メイン部分246を逸脱したリボン142によって、反射防止膜22またはエミッタ領域20に損傷を与えることがある。前記比率が1:1.22を超えると、メイン部分246の幅に比べてリボン142の幅が小さくなるため、バスバー電極24bを介して収集されたキャリアを、リボン142を介して外部に伝達する効率が低下することがある。反射防止膜22またはエミッタ領域20の損傷を効果的に防止すると共に、キャリアをより効果的に伝達するために、前記比率は1:0.90〜1:1.11であればよい。しかし、本発明がこれに限定されるものではない。
【0074】
メイン部分246から突出する突出部分248は、リボン142のアライメント特性が低下する場合(すなわち、ミスアライメント(misalignment)が発生する場合)に、これを補完するための部分である。また、アライメント工程中にスクラッチまたは亀裂などの問題が発生して反射防止膜22またはエミッタ領域20を損傷させることを防止する役割を果たす。これをより詳細に説明する。
【0075】
リボン142のミスアライメントが発生すると、リボン142がバスバー電極24bから外れた位置に位置するようになる。ミスアライメントは、リボン142を基準として左側または右側にシフトされて発生する場合もあり、リボン142に対して傾斜するように発生する場合もあり、これらが複合的に発生する場合もある。
【0076】
このように、リボン142のミスアライメントが発生すると、リボン142とバスバー電極24bとの接触面積が小さくなるため、抵抗成分が増加するようになり、これによって、太陽電池モジュール(図1の参照符号100)の出力が低下する。
【0077】
また、ミスアライメントされたリボン142が、太陽電池150を損傷させる問題を発生させることもある。より具体的に、図1を共に参照して説明すると、図1に示した太陽電池モジュール100は、別々に作製された前面基板210、第1密封材131、リボン142が付着された太陽電池150、第2密封材132及び後面シート220を積層した後、これらをラミネートして製造される。ところが、リボン142のミスアライメントが発生すると、リボン142の端部が、ラミネーション過程中に反射防止膜22またはエミッタ領域20が位置した部分を加圧するようになるため、これらに損傷を与えて、スクラッチまたは亀裂を発生させる。また、リボン142がフィンガー電極部242に接触すると、相対的に薄い幅を有するフィンガー電極部242が熱衝撃、物理的衝撃によって断線することがある。このような現象を、ソルダリングによるグリッドインターラプション(grid interruption caused by soldering、GICS)と呼ぶ。このようなGICSによって、バスバー電極24bに接続されなければならないフィンガー電極24aの一部が断線しながら、キャリアがバスバー電極24bに伝達されない。すると、キャリアは、遠くに位置した他のバスバー電極24bまで移動するか、またはバスバー電極24bに到達できなくなる。そのため、太陽電池モジュール100の出力が減少する。
【0078】
このように、リボン142のミスアライメントは、太陽電池150の性能、効率などに大きな影響を及ぼすことがあるので、本実施例では、バスバー電極24bに突出部分248を形成することで、リボン142のミスアライメントが発生する場合にもこれに対応できるようにする。すなわち、リボン142のミスアライメントが発生しても、バスバー電極24の突出部分248とリボン142とが接触できるようにする。これによって、太陽電池モジュール100の出力減少を補償することができる。
【0079】
このとき、突出部分248は、バスバー電極24b(またはメイン部分246)の端部に位置する端部突出部248a,248bを含むことができる。メイン部分246の端部は、ミスアライメントによるアライメント誤差が最も大きく発生し得る領域である。すなわち、ミスアライメントが、バスバー電極24bに対して傾斜する形態で発生すると、メイン部分246の端部で最も大きい幅のアライメントミスが発生するようになる。これを考慮して、突出部分248をメイン部分246の端部に位置させて、ミスアライメントによるリボン142とバスバー電極24bとの接触面積の低下を効果的に補償することができる。また、上述したように、圧着工程中にリボン142の端部において反射防止膜22、エミッタ領域20、フィンガー電極24aが損傷しやすいため、この部分に突出部分248を広く形成することで、ミスアライメントが発生しても、リボン142がこれらに接触しないように防止することができる。
【0080】
より具体的に、本実施例では、端部突出部248a,248bは、リボン142の端部が位置する部分に位置する第1端部突出部248aと、第1端部突出部248aの反対位置であって、リボン142が延びて隣接する太陽電池150に延びる部分に位置する第2端部突出部248bとを含むことができる。これによって、バスバー電極24bの両端部で発生し得るミスアライメントに効果的に対応することができる。そして、第1及び第2端部突出部248a,248bはそれぞれ、メイン部分246を基準として両側に対称に位置する。これによって、ミスアライメントが両側のいずれかに発生しても、これを効果的に補償することができる。これによって、一例として、端部突出部248a,248b及びメイン部分246によって、バスバー電極24bが“I”字状を有することができる。しかし、本発明がこれに限定されるものではなく、様々な変形が可能であることは勿論である。
【0081】
各突出部分248は、複数のフィンガー電極部242のうち少なくとも2つ以上にわたって形成することができる。これによって、突出部分248を十分な幅(バスバー電極24bの長手方向に測定される幅)Wをもって形成できるので、リボン142のミスアライメントに効果的に対応することができる。一例として、突出部分248が一つのフィンガー電極部242にのみ対応するように形成されると、幅Wがフィンガー電極部242の第1ピッチP1よりも小さくなるため、リボン142との接触面積の低下を防止する効果を発揮しにくい。したがって、突出部分248が十分な幅Wを有することができるように、2つ以上のフィンガー電極部242にわたって形成することができる。一例として、突出部分248は、2個ないし10個のフィンガー電極部242にわたって形成されてもよい。10個を超えるフィンガー電極部242にわたって形成される場合には、幅Wが過度に大きくなってシェーディング損失が増加することがある。シェーディング損失をさらに考慮すると、突出部分248は、2個ないし6個のフィンガー電極部242にわたって形成されてもよい。または、突出部分248の幅Wが2mm〜10mmであってもよい。突出部分248の幅Wが2mm未満であると、リボン142のミスアライメントに効果的に対応しにくく、10mmを超えると、シェーディング損失が増加することがある。シェーディング損失をさらに考慮すると、突出部分248の幅Wは2mm〜6mmであってもよい。しかし、本発明がこれに限定されるものではなく、様々な変形が可能であることは勿論である。
【0082】
ここで、上述したように、第1端部突出部248aは、リボン142が始まる一側端部に位置するようになり、リボン142は、半導体基板110の端部から一定の距離(例えば、2mm〜3mm)だけ離隔して位置する。反面、第2端部突出部248bに隣接し、他の太陽電池150に延びるリボン142の部分では、半導体基板110と離隔しない。これを考慮すると、第1端部突出部248aの幅Wを、第2端部突出部248bの幅Wと同一またはこれより長くして、リボン142が始まる部分においてリボン142によるエミッタ領域20などの損傷をより効果的に防止することができる。
【0083】
そして、各突出部分248(メイン部分246の一側に突出した部分)の突出長さ(メイン部分246の長手方向と交差する方向に測定される長さ)Lは、メイン部分246の第1幅T1よりも小さくすることができる。突出長さLは、アライメント工程時の公差などを考慮して決定することができ、一般に、アライメント工程時の公差は、メイン部分246の第1幅T1よりも小さい範囲を有するからである。より具体的には、突出部分248の突出長さLが0.1mm〜0.7mmであればよい。突出長さLが0.1mm未満であると、リボン142のミスアライメントに効果的に対応しにくく、0.7mmを超えると、シェーディング損失が増加し、アライメントの公差よりも大きい値を有するからである。しかし、本発明がこれに限定されるものではなく、様々な変形が可能である。
【0084】
このように、本実施例では、一定の幅W及び突出長さLを有する突出部分248を、メイン部分246から突出するように形成する。このような突出部分248によって、突出部分248が形成された部分においてバスバー電極24bの第2幅T2は、2.1mm〜3.4mmの値を有することができる。これによって、第2幅T2が、リボン142の第3幅T3よりも大きくなり得る。このような第2幅T2によって、上述したようにミスアライメントが発生しても、バスバー電極24bとリボン142との接触面積の低下を補償し、リボン142によるエミッタ領域20、反射防止膜22、フィンガー電極24aなどの損傷を防止することができる。そして、メイン部分246のみが位置した部分では、突出部分248が位置した部分よりも小さい第1幅T1を有するようにして、シェーディング損失を最小化することができる。
【0085】
上述したフィンガー電極24a及びバスバー電極24bを含む第1電極24は、単一層または複数の層で構成することができる。本実施例では、第1電極24が、半導体基板110上に順に積層される第1層240及び第2層241を含むことを例示した。このように、第1層240及び第2層241を含む場合、第1電極24の厚さを十分に確保することができ、所望の様々な特性を満たすように第1層240及び第2層241の物質、形状などを最適化することができる。
【0086】
一例として、本実施例では、フィンガー電極24aが、第1層240及び第2層241を含む二層構造を有し、バスバー電極24bが、第2層241を含む単一層構造を有することを例示した。すなわち、図5の(a)に示すように、第1層240は、フィンガー電極24aを構成するフィンガー電極部242及びアライメントマーク部244を含むように形成し、図5の(b)に示すように、第2層241は、フィンガー電極24a及びバスバー電極24bの形状を有するように形成することができる。このような第1層240及び第2層241は、様々な方法により形成することができ、一例として、印刷、蒸着、メッキなどにより形成することができる。
【0087】
これによれば、相対的に小さい幅を有して厚さが相対的に小さく形成され得るフィンガー電極24aを、バスバー電極24bよりも多い層数で形成して、フィンガー電極24aの厚さを十分に確保することができる。一例として、フィンガー電極24aの厚さが、バスバー電極24bの厚さよりも大きくてもよい。そして、相対的に大きい幅を有するバスバー電極24bは単一層構造で形成して、材料コストなどを低減することができる。
【0088】
第1層240と第2層241は互いに同一の物質を有してもよく、互いに異なる物質を有してもよい。一例として、第1層240は、熱処理などによってファイアースルー(fire through)が起こる物質で構成し、第2層241は、ファイアースルーが起こらない物質で構成することができる。すると、第1層240を含むフィンガー電極24aは、絶縁膜である反射防止膜22を貫通してエミッタ領域20に接触して形成されて、エミッタ領域20のキャリアを収集できるようになる。そして、第2層241のみで構成されたバスバー電極24bは、反射防止膜22を貫通できず、反射防止膜22を挟んでエミッタ領域20上に位置するようになる。すると、バスバー電極24bの下部に位置した部分で反射防止膜22またはパッシベーション膜の固定電荷(fixed charge)特性を維持するようになるので、キャリアの収集に役に立つことができる。
【0089】
しかし、本発明がこれに限定されるものではなく、第1電極24の積層構造などは多様に変形可能である。
【0090】
図6は、本発明の実施例に係る太陽電池の後面平面図である。
【0091】
図6を参照すると、本実施例において、半導体基板110の後面に形成される後面電極である第2電極34は、フィンガー電極34a及びバスバー電極34bを含むことができる。このとき、本実施例において、第2電極34のフィンガー電極34aは複数のフィンガー電極部342のみで構成し、バスバー電極34bはメイン部分346のみで構成することができる。フィンガー電極部342及びメイン部分346などについては、上述した第1電極24での説明と同一または類似しているので、詳細な説明を省略する。
【0092】
このとき、メイン部分346の幅W4が、全体的にリボン142の第3幅W3よりも大きくすることができる。これによって、リボン142のミスアライメントが発生しても、これを十分に補償することができる。これは、半導体基板110の後面に位置する第2電極34の場合には、シェーディング損失に対する負担が前面に位置する第1電極24より小さいので、幅を全体的にリボン142よりも大きくすることができるからである。これによって、リボン142のミスアライメントに効果的に対応することができる。しかし、本発明がこれに限定されるものではなく、第2電極34もまた、上述した第1電極24と同一の構造を有することができ、これもまた本発明の範囲に属する。その他にも、第2電極34は、公知の様々な構造を有してもよい。
【0093】
上述したように、本実施例によれば、第1電極24及び/または第2電極34の構造を改善して、リボン142のミスアライメント時に発生し得る太陽電池モジュール100の出力低下及び太陽電池150の損傷などを効果的に防止することができる。これによって、太陽電池モジュール100の出力及び信頼性を向上させることができる。
【0094】
上述した実施例では、前面電極である第1電極24のバスバー電極24bが突出部分248を含むことを例示したが、本発明がこれに限定されるものではない。第1及び第2電極24,34のうち少なくとも一つのバスバー電極24b,34bが突出部分248を含むことができる。その他にも、様々な変形が可能である。
【0095】
以下、図7乃至図9を参照して、本発明の他の実施例に係る太陽電池を詳細に説明する。上述した実施例で説明した部分と同一または類似の部分については詳細な説明を省略し、互いに異なる部分についてのみ詳細に説明する。
【0096】
図7は、本発明の他の実施例に係る太陽電池を示す前面平面図である。
【0097】
図7を参照すると、本実施例に係る太陽電池150の第1電極24の突出部分248は、第1端部突出部248aと第2端部突出部248bとの間でメイン部分246の内部領域から突出する中央突出部248cを含む。中央突出部248cは一つまたは複数個備えてもよい。
【0098】
本実施例において、第1端部突出部248a、第2端部突出部248b及び中央突出部248cは、均一な間隔を置いて規則的に配置され、均一な大きさを有することができる。ここで、均一な間隔、均一な大きさなどは、誤差などを考慮するとき、一般的に同一の間隔、大きさと見なすことができる間隔、大きさなどを意味し、一例として、10%以内の誤差範囲を有する間隔、大きさなどを意味することができる。これは、リボン142をバスバー電極24bに付着する工程で、リボン142の付着のための装置によって太陽電池150が損傷することを防止するためである。
【0099】
より具体的に、リボン142をタビング(tabbing)などによりバスバー電極24b上に接合することができる。このとき、リボン142をバスバー電極24b上に位置させた状態で固定するために、一定の間隔を置いて離隔した複数個のホールドピン(hold pin)をリボン142上に位置させた後、ホールドピンの間に位置したノズルなどによってホットエア(hot air)を加えることによってタビングを行うことができる。このとき、複数個のホールドピンによって、太陽電池150の絶縁膜、エミッタ領域などが損傷することがある。これを考慮して、本実施例では、ホールドピンの間隔に対応するように突出部分248を形成することで、ホールドピンがリボン142に接触する部分で太陽電池150を損傷させることを防止するようにすることができる。
【0100】
これによれば、本実施例では、リボン142の接合工程時に発生し得る問題を防止できるようにして、太陽電池150の損傷を効果的に防止することができる。
【0101】
図8は、本発明の更に他の実施例に係る太陽電池を示す前面平面図である。
【0102】
図8を参照すると、本実施例に係る太陽電池150の第1電極24の突出部分248は、第1端部突出部248aと第2端部突出部248bとの間でメイン部分246の内部領域から突出する中央突出部248cを含む。中央突出部248cは一つまたは複数個備えてもよい。
【0103】
このとき、本実施例では、中央突出部248cの突出長さを、端部突出部248a,248bの突出長さよりも小さくすることができる。中央突出部248cが複数個備えられる場合には、端部突出部248a,248bと近い位置に位置するほど突出長さを長くすることができる。すなわち、端部突出部248a,248bの近くに位置する中央突出部248cよりも、中央部分の近くに位置した中央突出部248cの突出長さを短くすることができる。これは、リボン142のミスアライメントがバスバー電極24bに対して傾斜した形態で発生したとき、中央側ではアライメント誤差が小さく、端部側ではアライメント誤差が大きくなることを考慮したものである。すなわち、アライメント誤差が大きい端部側に位置する端部突出部248a,248bの突出長さを大きくして、ミスアライメントに対応できるようにし、中央側に位置する中央突出部284cの突出長さは相対的に小さくして、アライメント誤差に対応しながらもシェーディング損失を最小化することができる。
【0104】
図9は、本発明の更に他の実施例に係る太陽電池を示す前面平面図である。
【0105】
図9を参照すると、本実施例に係る太陽電池150の第1電極24の突出部分248は、第1端部突出部248aと第2端部突出部248bとの間でメイン部分246の内部領域から突出する中央突出部248cを含む。中央突出部248cは一つまたは複数個備えてもよい。
【0106】
このとき、本実施例では、中央突出部248cが、第1及び第2端部突出部248a,248bと異なる幅を有し、様々な間隔を有しながら配置されてもよい。このように、突出部分248の配置は多様に変形することができる。
【0107】
上述したような特徴、構造、効果などは、本発明の少なくとも一つの実施例に含まれ、必ずしも一つの実施例にのみ限定されるものではない。さらに、各実施例で例示した特徴、構造、効果などは、実施例の属する分野における通常の知識を有する者によって、他の実施例に対しても組み合わせ又は変形して実施可能である。したがって、このような組み合わせ及び変形に係わる内容は、本発明の範囲に含まれるものと解釈しなければならない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9