(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0012】
その全ての特徴を示す、本開示の或る実施形態が以下詳細に示される。「含む」「有する」「包含する」および「含む」の用語、並びに他のフォームは、意味上等価であることを意図するもののであり、更に、これらの用語の任意のものに続く項目若しくは複数の項目は、それら項目若しくは複数の項目の包括的なリストであることを意味しない、又はリストされた項目若しくは複数の項目にのみ限定されることを意味しない、という点で、オープンエンドであることを意図するものである。明細書や添付の請求項で用いられるように、別途を指示することが文脈から明白で無い限り単数形「a」「an」および「the」は複数の言及も含むことにも、留意しなければならない。本明細書に記載のシステム及び方法と類似の若しくは等価の任意のシステムおよび方法は、本開示の実施形態の実施若しくは試行にて用いられ得るが、例示のシステムおよび方法を以下記載する。開示される実施形態は本開示の例示に過ぎず、それらは種々の様式で組み込まれ得る。
【0013】
実施形態の種々の変更は当業者には容易に明白であり、ここでの一般的原理は他の実施形態にも適用可能である。しかしながら、本開示は例示の実施形態に限定されることを意図するもので無く、本明細書に記載の原理および特徴と一致する最広の範囲を認められるべきものであることは、当業者は容易に認識するであろう。
【0014】
本発明の主題は、一つ以上のセンサから捕獲される複数のデータセットのうちの一つのデータセットを圧縮するシステム及び方法を提供することである。テレマティックス適用例と関連する一つ以上のセンサは、複数のデータセットを生成し得る。システム及び方法は、データベース内に格納された所定の閾値の検出に基づいて、複数のデータセットからデータセットをフィルタするイベントを検出でき、該所定の閾値はイベントに関連し得る。一つの形態では、データセットは、データセットに関する解析を実行することにより統計的推測を導出するために、フィルタされ得る。一つの実施形態では、種々の保険商品のための保険料を導出するために、保険会社によりデータセットが利用され得る。
【0015】
例えば、保険会社は、テレマティックス適用例を用いることにより、乗物を運転するドライバに対して適用可能な保険料を導出するためにデータセットを利用し得る。保険料を導出するために、テレマティックス適用例は、乗物に配備される加速度計やタコメータなどの一つ以上のセンサから複数のデータセットを捕獲し得る。当然のことながら、保険料はドライバに関連するリスクスコアに基づいて判別され得る。リスクスコアは、ドライバにより運転される乗物の激しいコーナリング、激しい加速しくは激しい減速などの一つ以上のイベントの発生に基づいて、判別され得る。当然のことながら、一つ以上のイベントの発生は、一つ以上のイベントに関連する所定の閾値の検出に基づいて判別され得る。一つ以上のイベント(激しいコーナリング、激しい加速若しくは激しい減速)の発生により、データセットは、複数のデータセットからフィルタされ得る。フィルタに続いて、データセットは、ターゲットである情報のクオリティインデクス(QoI)に従って圧縮され、このことにより、統計的推測を導出する間データセットはデータセットの質に影響を及ぼすことはない。ターゲットQoIは、統計的推測を導出するのに要求されるデータセットの質の基準測定を示し得る。
【0016】
ターゲットQoIに従ってデータセットを圧縮するために、データセットに対する、ターゲットである情報のクオリティインデクス(QoI)は、QoI推定関数を用いて判別され得る。QoIインデクスは、データセットの質の測定を示し得る。一つの形態では、QoIインデクスを判別した後、QoIインデクスは、ルックアップテーブル内に格納されたQoIインデクスのリストと比較され得る。一つの形態では、データセットに対する、ターゲットQoIインデクスとQoIインデクスに対応する圧縮パラメータとを特定するために、QoIインデクスはQoIインデクスのリストと比較され得る。一つの形態では、ルックアップテーブルは、ターゲットQoIインデクスのリストでマップされたQoIインデクスのリストと、圧縮パラメータのリストを、含み得る。
【0017】
当然のことながら、統計的推測は、データセットに関する解析を実行することにより導出され得る。データセットは、特定された圧縮パラメータを用いて圧縮され得る。一つの実施形態では、ターゲットQoIインデクスは、ルックアップテーブル内に格納されたターゲットQoIインデクスのリストから特定され得る。一方で、圧縮パラメータは、ルックアップテーブル内に格納された圧縮パラメータのリストから特定され得る。
【0018】
ターゲットQoIインデクス及び圧縮パラメータの特定に続いて、圧縮パラメータは、圧縮アルゴリズム内にインプットされ得る。圧縮パラメータは、圧縮アルゴリズムを用いてデータセットを圧縮する際にターゲットQoIインデクスに到達することを促進し得る。圧縮アルゴリズムの例は、可逆データ圧縮、及び不可逆圧縮を含み得るが、これらに限定されない。このように、ターゲットQoIに基づいて、データセットに関する解析を実行することにより統計的推測が導出され得る。データセットの圧縮に続いて、乗物を運転するドライバに対して適用可能な保険料などの統計的推測を導出するために、保険会社に関連する中央サーバに、データセットが送信され得る。
【0019】
一つ以上のセンサから捕獲される複数のデータセットのうちの一つのデータセットを圧縮するための、記載のシステム及び方法の形態は、任意の数の様々なコンピュータシステム、環境、及び/又は、構成で、実装され得るが、以下の例示のシステムのコンテクストにて実施形態を記載する。
【0020】
図1を参照すると、本発明の主題の実施形態に係る、一つ以上のセンサから捕獲された複数のデータセットのうちの一つのデータセットを圧縮するシステム102のネットワーク実装100が、示される。一つの実施形態では、システム102は、イベントの発生に基づいて複数のデータセットからデータセットをフィルタし得る。データセットをフィルタする際、システム102は、データセットに対する情報のクオリティインデクス(QoI)を判別し得る。QoIインデクスの判別に続いて、システム102は、QoIインデクスを、ルックアップテーブル内に格納されるQoIインデクスのリストと比較し得る。一つの形態では、システム102は、ターゲットQoIインデクス、及びQoIインデクスに対応する圧縮パラメータを特定するために、QoIインデクスを、QoIインデクスのリストと比較し得る。特定に基づいて、システム102は、解析のためのターゲットQoIインデクスに到達するために、データセットを圧縮するアルゴリズムに圧縮パラメータをインプットし得る。
【0021】
システム102がサーバ上に実装されることを考慮して本発明の主題を説明したが、当然のことながら、システム102は、ラップトップコンピュータ、デスクトップコンピュータ、ノートブック、ワークステーション、メインフレームコンピュータ、ネットワークサーバなどの、種々のコンピュータシステム内でも実装され得る。ある実装では、システム102は、クラウドベース環境に実装され得る。当然のことながら、システムは、一つ以上のユーザデバイス104−1、104−2・・・104−N(これ以降、まとめてユーザデバイス104と称する)を介して、又はユーザデバイス104に常駐するアプリケーションを介して、多数のユーザによりアクセスされ得る。ユーザデバイス104の例は、ポータブルコンピュータ、パーソナルデジタルアシスタント、ハンドヘルドデバイス、及びワークステーションを含み得るが、これらに限定されるわけではない。ユーザデバイス104は、システム102とはネットワーク106を介して通信上結合する。
【0022】
ある実装では、ネットワーク106は、無線ネットワークでも、有線ネットワークでも、それらの組み合わせでもよい。ネットワーク106は、イントラネット、ローカルエリアネットワーク(LAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)、インターネットなどの、様々なタイプのネットワークの一つとして実装され得る。ネットワーク106は、専用ネットワークでも共有ネットワークでも、いずれでもよい。共有ネットワークは、例えば、ハイパーテキスト転送プロトコル(HTTP)、伝送制御プロトコル/インターネットプロトコル(TCP/IP)、ワイヤレスアプリケーションプロトコル(WAP)などの、相互に通信するための、種々のプロトコルを利用する様々なタイプのネットワークの接続を表す。更に、ネットワーク106は、ルータ、ブリッジ、サーバ、コンピュータデバイス、ストレージデバイスなどの、種々のネットワークデバイスを含み得る。
【0023】
図2を参照すると、本発明の主題の実施形態に係る、システム102が示される。一つの実施形態にて、システム102は、少なくとも一つのプロセッサ202、インプット/アウトプット(I/O)インターフェース204、及びメモリ206を含み得る。少なくとも一つのプロセッサ202は、一つ以上のマイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、マイクロコントローラ、デジタルシグナルプロセッサ、中央処理装置、状態機械、論理回路、及び/又は、操作命令に基づいて信号を操作する任意のデバイスとして、実装され得る。他の能力の中でも、少なくとも一つのプロセッサ202は、メモリ206に格納されたコンピュータ読み取り可能命令をフェッチして実行するように構成されている。
【0024】
I/Oインターフェース204は、例えば、ウェブインターフェース、グラフィカルユーザインターフェースなどの、種々のソフトウエア及びハードウエアインターフェースを含み得る。I/Oインターフェース204により、システム102はユーザと直接に又はクライアントデバイス104を介して相互作用し得る。更に、I/Oインターフェース204により、システム102は、ウエブサーバ及び外部データサーバ(図示せず)などの、他のコンピュータデバイスと通信し得る。I/Oインターフェース204は、例えば、LAN、ケーブルなどの有線ネットワークや、WLAN、セルラー、サテライトなどの無線ネットワークを含む、多種多様のネットワーク及びプロトコルタイプの範囲内での多重通信を促進し得る。I/Oインターフェース204は、複数のデバイスを相互に、又は他のサーバに、接続する一つ以上のポートを含み得る。
【0025】
メモリ206は、例えば、静的ランダムアクセスメモリ(SRAM)や動的ランダムアクセスメモリ(DRAM)などの揮発性メモリ、並びに/又は、リードオンリメモリ(ROM)、消去可能PROM、フラッシュメモリ、ハードディスク、光学ディスク、及び磁気テープなどの不揮発性メモリを含む、周知のコンピュータ読み取り可能媒体を含み得る。メモリ206は、モジュール208及びデータ210を含み得る。
【0026】
モジュール208は、特定のタスク、関数を実行し、若しくは特定の抽象データ型を実装する、ルーティン、プログラム、オブジェクト、コンポーネント、データ構造などを含む。一つの実装では、モジュール208は、データフィルタモジュール212、判別モジュール214、比較モジュール216、データ圧縮モジュール218、及び他のモジュール220を含み得る。他のモジュール220は、システム102のアプリケーション及び関数を補完するプログラム若しくはコード化命令を含み得る。
【0027】
データ210は、とりわけ、モジュール208の一つ以上により処理され、受信され、及び生成されるデータを格納するためのリポジトリとして機能する。データ210は、データベース222,及び他のデータ223も含み得る。他のデータ224は、他のモジュール220内の一つ以上のモジュールの実行の結果として生成されるデータを含み得る。
【0028】
一つの実装では、最初に、ユーザは、I/Oインターフェース204を介してシステム102にアクセスするクライアントデバイス104を利用し得る。ユーザは、システム102を利用するために、I/Oインターフェース204を用いて自分自身を登録し得る。システム102の動作は、以下に述べる
図3及び
図4で詳細に説明し得る。システム102は一つ以上のセンサから捕獲される複数のデータセットのうちの一つのデータセットを圧縮し得る。データセットを圧縮するために、システム102は、最初に、複数のデータセットを生成し得る複数のセンサからデータセットをフィルタするが、一つ以上のセンサは乗物に装備され得る。当然のことながら、データセットは、イベントの発生に基づいてデータフィルタモジュール218により、フィルタされ得る。
【0029】
図3を参照すると、本発明の主題の実施形態に係る、システム102のコンポーネントの詳細な動作が示される。システム102は、データフィルタモジュール212は、データフィルタモジュール212、判別モジュール214、比較モジュール216、及びデータ圧縮モジュール218を含み得る。一つの実装では、一つ以上のセンサ(302−1、302−2、302−3、以下、センサ302と称する)により生成される複数のデータセットからデータセットをフィルタするために、データフィルタモジュール212は、一つ以上のイベント(以下、イベント304と称する)の発生に基づいて複数のデータセットからデータセットをフィルタし得る。イベント304の発生は、データベース222内に格納された所定の閾値の検出に基づいて判別され得るが、所定の閾値はイベント304に関連するものである。イベント304の発生により、データセットは、データセットに関する解析を実行することで統計的推測を導出するために、複数のデータセットからフィルタされ得る。
【0030】
前述のフィルタモジュール212の動作を理解するために、データセットが複数のデータセットからフィルタされ得る例を考察する。データセットは、乗物を運転するドライバに対して適用可能な保険料を計算する保険会社により利用され得る。一つの形態では、保険料はテレマティックス適用例により計算され得る。当然のことながら、テレマティックス適用例を用いて、乗物を運転するドライバのための保険料を計算するために、(加速度計やタコメータなどの)センサ304が乗物に装備され得る。ドライバが乗物を運転する際、複数のデータセットがセンサ304により生成され、それら複数のデータセットはドライバの運転パターンを示す。複数のデータセットの生成に続いて、データフィルタモジュール212は、イベント304の発生に基づいて複数のデータセットからデータセットをフィルタするのであるが、このイベント304はイベント304に対応する所定の閾値の検出で発生し得る。保険料を計算するためのテレマティックス適用例に対応するイベント304の例は、激しいコーナリング、激しい加速、若しくは激しい減速を含み得るが、これらに限定されるものではない。
【0031】
一つの実施形態では、イベント304は、乗物のドライバに関するリスクスコアを判別することを促進し得る。リスクスコアは、保険料を計算するために保険会社に利用され得る。ドライバについての特定の運転パターンに関するリスクスコアを評価するために、加速度計などのセンサ302を用いて、20Hzのサンプルレートで、3軸加速が継続して計測され得る。当然のことながら、イベント304(即ち、激しいコーナリング、激しい加速、若しくは激しい減速)に対応する所定の閾値は、リスクスコアを判別するために、データベース222内で予め規定され得る。一つの形態では、加速値に関して所定の閾値を適用することによりイベント304が検出され、該加速値は乗物に装備されたセンサ302を用いることにより判別され得る。一つの実施形態では、イベント304の発生は以下のように定義され得る。
【0032】
一つの例では、激しいコーナリングは、乗物の横方向の力学に関連し得る。当然のことながら、輸送中の乗物に対する横転限界の観点からは、質量「M」を伴う乗物は、「a
x(メートル/秒
2)」の横加速度でカーブを切る。横加速度に基づいて、最大横加速度は以下のようになる。
【数1】
【0033】
ここで、μは摩擦係数である。一つの形態において、「μ」=1ならば、乗物の横転を引き起こし得る最大横加速度は以下のようになる。
【数2】
【0034】
当然のことながら、「静的安定係数」は「1」より大きい。よって、上記数式(1)及び(2)からの観察に基づいて、道路と乗物のタイヤとの間の摩擦係数により、横転が判別され得る。一つの形態では、横加速度値は、「g」に関して正規化され得る。計測されるコーナリングは、以下のようになる
【数3】
【0035】
数式(3)に基づいて、0.5より大きい、激しいコーナリング(MCT)値に対する所定の閾値は、イベント304として記録される。
【0036】
別の例では、激しい加速若しくは激しい減速は、乗物の縦方向の力学に関連し得る。一つの形態では、傾斜の危険に加えて摩擦限度により与えられる縦加速度に到達する限度は、以下の式で判別され得る。
【数4】
一つの形態にて、「μ」=1と考えると、縦加速度のための限度は、以下の、計測される加速度により与えられる。
【数5】
【0037】
上式にて、最大値は「1」である。一つの実施形態では、MCT及びMATに対する所定の閾値は「0.5g」である。当然のことながら、センサ302から判別される加速度が「0.5g」より大きいときは常に、そのデータセットは関連するものと考えられ、よってフィルタモジュール212により複数のデータセットからフィルタされ得る。乗物を運転するドライバに適用可能な保険料などの、リスクスコアに基づいて、統計的推測を導出するために、データセットは続いて保険会社の中央サーバに送信される。
【0038】
当然のことながら、中央サーバに送信されたデータセットは、ターゲットである情報のクオリティインデクス(QoI)に従って圧縮され、よって、統計的干渉を導出する間データセットの圧縮はデータセットのクオリティに影響を与えない。一つの実施形態では、ターゲットであるQoIインデクスに従ってデータセットを圧縮するために、判別モジュール214は、データセットに対する、情報のクオリティインデクス(QoI)を判別し得る。QoIインデクスは、データセットのクオリティの計測を示し得る。当然のことながら、QoIインデクスはQoI評価関数に基づいて判別され得る。一つの実施形態では、QoI評価関数は以下のように定義され得る。
【数6】
【0039】
ここで「i」は、QoIが判別されるべき、複数のデータセットのうちのデータセットを示し、「w
i」は、QoIを正規化するのに選択されるウエイトを示し、「f
i[a(z)]」は、乗物の計測される加速度の変化率のインジケータを導出するために計算され得る。ここで数式(6)を用いてQoIの判別を理解するために、長期間の、サスペンションの信頼性を計測すべき適用例を考察する。一つの形態では、長期間のサスペンションの信頼性は、計測される鉛直加速度「f
i[a(z)]」から、乗物に関するQoI
ジャークエネルギを計算することにより計測され得る。
【0040】
ある実施形態では、以下のようになる。
【数7】
【0041】
ここで、f
i[a(z)]=J
2siであり、「J
2si」は「ジャークエネルギ」である。一つの形態では、ジャークエネルギは次のように定義され得る。
【0042】
「a
1」「a
2」...「a
n」は時間「t
1」「t
2」...「t
n」における乗物の計測される加速度サンプルであるとする。Δt=t
n−t
n−1は一様のサンプリングレートである。
【0043】
上記記載に基づいて、「ジャークエネルギ」は以下のように定義される。
【数8】
【0044】
ここで、「n」は、計測される加速度サンプルの全体数を示す。数式(7)に基づいて、計測される加速度サンプルの全体数の「QoI」は、以下のように判別され得る。
【数9】
【0045】
一つの形態では、数式(9)で示されるように、個々のデータセットに関連するウエイト(w
1、w
2、.......w
19)は、QoIが0から1の範囲内となるように少なくとも一つの算術/数学操作を実行することにより、正規化され得る。当然のことながら、「s」は「1秒」の時間ウインドウを示す(従って、計測される加速度の20サンプルが捕獲される)。一つの形態では、乗物のサスペンションへのダメージに対して、極値として「ジャークエネルギ」J
2s1=1500m
2/s
6ならば、「ジャークエネルギ」シーケンス{J
2s1、J
2s2、.....J
2s19}は1500m
2/s
6に関して正規化され、QoI
ジャークエネルギは数式(7)により判別され得る。同様にして、QoI
激しい加速インデクス、QoI
激しい減速インデクス、及びQoI
激しいコーナリングインデクスも、数式(7)を用いて判別され得る。
【0046】
QoIインデクスの判別に基づいて、比較モジュール216は、QoIインデクスを、ルックアップテーブル内に格納されたQoIインデクスのリストと比較し得る。ルックアップテーブルは、ターゲットQoIインデクスのリスト及び圧縮パラメータのリストによりマップされたQoIインデクスのリストを含む。データセットに対するターゲットQoIインデクス及び圧縮パラメータを特定するために、比較モジュール216は、QoIインデクスを、データベース222に格納されたQoIインデクスのリストと比較し得る。ターゲットQoIインデクスは、圧縮パラメータを用いることで圧縮されたデータセットに関して実行された解析に基づいて統計的推測を導出するための、データセットのクオリティの基準測定を示し得る。一つの実施形態では、ターゲットQoIインデクスは、ターゲットQoIインデクスのリストから特定され得る。一方で、圧縮パラメータは、圧縮パラメータのリストから特定され得る。当然のことながら、ターゲットQoIインデクス及び圧縮パラメータのリストは、データベース222内に配置されるルックアップテーブルに格納される。
【0047】
データセットに対応するターゲットQoIインデクス及び圧縮パラメータの特定に基づいて、データ圧縮モジュール218は、圧縮アルゴリズム内に圧縮パラメータをインプットし得る。圧縮パラメータの例は、ウエーブレット変換、変換係数の数に関する閾値、及び量子化器決定境界を含み得る。圧縮アルゴリズムの例は、データセットのために計算されたウエーブレット変換係数のハフマンコーディングに基づく不可逆圧縮を含む。一つの実施形態では、データセットを圧縮するために、不可逆圧縮は、少なくとも一つの変換技法を用いることによりデータセットの変換係数を計算することを含み得る。少なくとも一つの変換技法の例は、ウエーブレット変換、離散コサイン変換、若しくはフーリエ変換を含み得る。変換係数の計算に続いて、変換係数の数及び変換係数の量子化に関する閾値は、ひずみを最小化するために、従来の量子化器を用いて実行され得る。従来の量子化器の例は、スカラー量子化器やベクトル量子化器を含み得るが、これらに限定されない。変換係数を量子化した後、変換係数は可逆符号化技法を用いることによりエンコード化され得る。可逆符号化技法の例は、ハフマンコーディングや算術符号化を含み得る。
【0048】
一つの実施形態では、QoIインデクスがターゲットQoIインデクスよりも小さいとき、圧縮パラメータはデータセットを圧縮するのに用いられ得る。当然のことながら、圧縮パラメータは、以下のファクタに基づいてデータセットを圧縮し得る。
【0049】
QoI
激しい加速インデクス>ターゲット
激しい加速インデクス、QoI
激しい加速インデクス>ターゲット
激しい減速インデクス、及びQoI
激しいコーナリングインデクス>ターゲット
激しいコーナリングインデクスのとき、圧縮パラメータ、即ち、ウエーブレット変換のスケール、変換係数を選択するための閾値、及び量子化サイズは、QoI
激しい加速インデクス、QoI
激しい加速インデクス、及びQoI
激しいコーナリングインデクスの夫々に対応するルックアップテーブルから、特定され得る。一方で、QoI
激しい加速インデクス<ターゲット
激しい加速インデクス、QoI
激しい加速インデクス<ターゲット
激しい減速インデクス、及びQoI
激しいコーナリングインデクス<ターゲット
激しいコーナリングインデクスのときは、データセットは、圧縮され得ない、若しくは、デフォルトの圧縮パラメータを用いることにより圧縮され得る。デフォルトの圧縮パラメータは、データセットが所定の圧縮パラメータを用いることにより圧縮され得ることを、示し得る。
【0050】
一つの実施形態では、ターゲットQoIインデクスに従ってデータセットを圧縮する際、データセットは中央サーバに送信され得、よって、データセットの圧縮が統計的推測を導出する間データセットのクオリティに影響を及ぼし得ない。
【0051】
上述の例示の実施形態は、幾つかの利点を呈する。開示の実施の形態には要求されないが、これら利点は以下の特徴によりもたらすものを含み得る。
【0052】
或る実施形態により、限定された容量を有し得るデータ格納媒体の格納容量を最適化するために、イベントの発生に基づいて複数のデータセットから一つのデータセットをフィルタするシステム及び方法が可能になる。
【0053】
或る実施形態により、最終目的物のデータセットに適用可能な情報のクエリオリティ(QoI)に関して計測し、その計測をデータ圧縮アルゴリズムの再設定可能性に結び付けるシステム及び方法が可能になる。
【0054】
図4を参照すると、本発明の主題の実施形態に係る、複数のセンサから捕獲された複数のデータセットのうち一つのデータセットを圧縮する方法400が示される。方法400は、コンピュータ実行可能命令の一般的表記で記載され得る。概略、コンピュータ実行可能命令は、特定の関数を実行し若しくは特定の抽象データ型を実装する、ルーティン、プログラム、オブジェクト、コンポーネント、データ構造、プロシジュア、モジュール、関数などを、含み得る。方法400は、通信ネットワークを介してリンクされる遠隔処理装置により機能が実行される分散コンピュータ環境でも実行され得る。分散コンピュータ環境では、コンピュータ実行可能命令は、メモリストレージデバイスを含む、ローカル及びリモートのコンピュータストレージ媒体の両方に配置され得る。
【0055】
方法400が記載される順序は、制限として解釈されることを意図するものでなく、開示の方法のブロックの任意の個数が、方法400若しくは別途の方法を実装するのに任意の順序で組み合わされ得る。更に、個々のブロックは、本明細書に記載の主題の精神及び範囲から乖離すること無く方法400から削除され得る。更に、方法は、任意の適切なハードウエア、ソフトウエア、ファームウエア、若しくはそれらの組み合わせで、実装され得る。しかしながら、説明を簡易にするため、以下に記載する実施形態では、方法400は、前述のシステム102で実装されることを想定するものとする。
【0056】
ブロック402では、データセットは、イベントの発生により複数のデータセットからフィルタされ得る。一つの実装では、データセットは、データフィルタモジュール212によりフィルタされ得る。
【0057】
ブロック404では、データセットのための情報のクオリティインデクス(QoI)が、QoI評価関数に基づいて判別され得る。一つの形態では、QoIインデクスは、データセットのクオリティの計測を示し得る。一つの実装では、QoIインデクスは、判別モジュール214により判別され得る。
【0058】
ブロック406では、QoIインデクスは、ルックアップテーブル内に格納されるQoIインデクスのリストと比較され得る。一つの形態では、QoIインデクスは、QoIインデクスに対応するターゲットQoIインデクス及び圧縮パラメータを特定するため、QoIインデクスのリストと比較され得る。ターゲットQoIインデクスは、データセットに関して実行される解析に基づいて統計的推測を導出するのに適用可能である、データセットのクオリティの基準測定を示し得る。一つの実装では、ターゲットQoIインデクス及び圧縮パラメータは、比較モジュール216により特定され得る。
【0059】
ブロック408では、圧縮パラメータは、圧縮アルゴリズムにインプットされ得る。一つの形態では、圧縮パラメータは、解析のためターゲットQoIインデクスに到達するためにデータセットを圧縮するべく、インプットされ得る。一つの実装では、圧縮パラメータは、データ圧縮モジュール218によりインプットされ得る。
【0060】
一つ以上のセンサから捕獲される複数のデータセットのうちのデータセットを圧縮する方法及びシステムの実装を、構造的特性及び/又は方法に固有の表現で記載したが、当然のことながら、添付の請求項は、記載した固有の特性若しくは方法に必ずしも限定されない。むしろ、固有の特性及び方法は、一つ以上のセンサから捕獲される複数のデータセットのうちのデータセットを圧縮する実装の例として、開示されるものである。