(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6046688
(24)【登録日】2016年11月25日
(45)【発行日】2016年12月21日
(54)【発明の名称】配線用遮断器の瞬時トリップ装置
(51)【国際特許分類】
H01H 73/36 20060101AFI20161212BHJP
【FI】
H01H73/36 E
【請求項の数】4
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2014-244814(P2014-244814)
(22)【出願日】2014年12月3日
(65)【公開番号】特開2015-118935(P2015-118935A)
(43)【公開日】2015年6月25日
【審査請求日】2014年12月3日
(31)【優先権主張番号】10-2013-0159510
(32)【優先日】2013年12月19日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】593121379
【氏名又は名称】エルエス産電株式会社
【氏名又は名称原語表記】LSIS CO.,LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100165191
【弁理士】
【氏名又は名称】河合 章
(74)【代理人】
【識別番号】100151459
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 健一
(72)【発明者】
【氏名】リ クァン ウォン
【審査官】
出野 智之
(56)【参考文献】
【文献】
実開昭62−070341(JP,U)
【文献】
特開平08−161996(JP,A)
【文献】
実開昭57−012647(JP,U)
【文献】
特開2001−068009(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2003/0053274(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01H 73/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電源供給時に磁気吸引力を発生させるマグネットと、
前記マグネットの対向側に設けられるサポータと、
前記マグネットと前記サポータ間で回動中心部を中心に回動部が回動可能に設けられるアーマチュアと、
前記アーマチュアの前記回動部を前記マグネットから遠ざかる方向に付勢するアーマチュアスプリングと、を含み、
前記サポータは、前記アーマチュアの前記回動中心部を支持するように、一側が開放された溝を備え、
前記アーマチュアの前記回動中心部には、前記溝に挿入されるように突起が形成され、
前記アーマチュアスプリングは、一端が前記サポータに備えられた第1係止部に支持され、他端が前記アーマチュアの前記回動部に備えられた第2係止部に支持される引張スプリングであり、
前記サポータは、前記アーマチュアスプリングと干渉しないように、前記第1係止部の近傍に前記サポータを貫通するように形成されるスプリング収容部をさらに備え、
前記第1係止部が前記第2係止部より前記溝に近接する位置に備えられ、付勢力が前記溝と前記突起の接触状態を維持する方向に加えられる、配線用遮断器の瞬時トリップ装置。
【請求項2】
電源供給時に磁気吸引力を発生させるマグネットと、
前記マグネットの対向側に設けられるサポータと、
前記マグネットと前記サポータ間で回動中心部を中心に回動部が回動可能に設けられるアーマチュアと、
前記アーマチュアの前記回動部を前記マグネットから遠ざかる方向に付勢するアーマチュアスプリングと、を含み、
前記サポータは、前記アーマチュアの前記回動中心部を支持するように、一側が開放された溝を備え、
前記アーマチュアの前記回動中心部には、前記溝に挿入されるように突起が形成され、
前記アーマチュアスプリングは、一端が前記サポータに備えられた第1係止部に支持され、他端が前記アーマチュアの前記回動部に備えられた第2係止部に支持される引張スプリングであり、
前記サポータは、前記アーマチュアスプリングと干渉しないように、前記第1係止部の近傍に前記サポータを貫通するように形成されるスプリング収容部をさらに備え、
前記溝の開放された一側は、前記回動部に向かって形成され、
前記第1係止部が前記第2係止部より前記溝に近接する位置に備えられ、付勢力が前記溝と前記突起の接触状態を維持する方向に加えられる、配線用遮断器の瞬時トリップ装置。
【請求項3】
前記溝は、前記突起に押接される部位が半円形に形成され、
前記突起は、円柱形に形成され、
前記溝の半円形部位の曲率半径は、前記突起の半径以上である、請求項1に記載の配線用遮断器の瞬時トリップ装置。
【請求項4】
前記突起は、前記アーマチュアの回動軸上に前記アーマチュアを中心として対称に一対で備えられ、
前記溝は、一対の前記突起に対応して一対で備えられる、請求項1に記載の配線用遮断器の瞬時トリップ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、配線用遮断器の瞬時トリップ装置(instant trip device)に関し、特に、瞬時動作の信頼性を確保してコスト低減を可能にした瞬時トリップ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、配線用遮断器は、ハンドルを用いて電気回路を手動で開閉したり、短絡電流などの事故電流が発生した場合にそれを感知して自動で回路を遮断することにより、負荷機器及び回路を保護する電気機器の一種である。
【0003】
図6は従来の配線用遮断器を示す断面図であり、
図7は
図6の配線用遮断器の瞬時トリップ装置とクロスバーを示す要部断面図であり、
図8は
図7の瞬時トリップ装置の組立過程を示す斜視図であり、
図9は
図8の瞬時トリップ装置の組立完了状態を示す斜視図である。
【0004】
図6〜
図9に示すように、従来の配線用遮断器は、ケース10と、ケース10に固定配置される固定接触子20と、固定接触子20に接離できるように配置される可動接触子30と、可動接触子30を開閉する開閉機構40と、短絡電流などの事故電流が発生した場合にそれを感知して自動で開閉機構40が瞬間的にトリップする位置に動作するようにトリガする瞬時トリップ装置60とを含む。同図におけるケース10の上部には、開閉機構40を手動で開閉できるようにハンドル50がさらに備えられる。
【0005】
瞬時トリップ装置60は、励磁時に磁気吸引力を発生させるマグネット62と、マグネット62の一側に配置されてマグネット62により吸引されるアーマチュア66と、アーマチュア66を中心にマグネット62の反対側でアーマチュア66を回動可能に支持するサポータ64と、アーマチュア66をマグネット62から遠ざかる方向に付勢するアーマチュアスプリング68とを含む。
【0006】
アーマチュア66は、第1可動板部66aと、第1可動板部66aから略直角に折り曲げられた第2可動板部66bとを含む。第2可動板部66bには、回動軸69が挿入されるように回動軸孔66dが備えられる。
【0007】
サポータ64は、第1固定板部64aと、第1固定板部64aから略直角に折り曲げられた第2固定板部64bとを含む。第2固定板部64bには、アーマチュア66を回動可能に支持する回動支持部64cが備えられる。回動支持部64cには、回動軸69が挿入されるように回動軸挿入孔64dが形成される。
【0008】
アーマチュアスプリング68は、ダブルトーションスプリングであり、コイル部68dに回動軸69が貫通しており、一端がサポータ64に支持され、他端がアーマチュア66に支持されている。
【0009】
一方、アーマチュア66の一側には、マグネット62によりアーマチュア66が回動すると開閉機構40のラッチ(図示せず)の拘束を解除する機能(いわゆるトリガ機能)を実行するクロスバー71と、トリップシュータ73と、トリップバー75と、ラッチホルダ77とが備えられる。
【0010】
このような構成により、マグネット62に事故電流が通電すると、マグネット62が磁化して磁気吸引力が発生する。磁気吸入力がアーマチュアスプリング68の荷重より大きいと、アーマチュア66がマグネット62側に吸引されて回動する。アーマチュア66が回動してクロスバー71を回動させると、トリップシュータ73、トリップバー75及びラッチホルダ77が連動して回動することにより、開閉機構40のラッチ(図示せず)の拘束が解除される。ラッチ(図示せず)の拘束が解除されると、開閉機構40のトリップスプリング(図示せず)の付勢力により、可動接触子30が固定接触子20から迅速に分離する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかし、従来の配線用遮断器の瞬時トリップ装置60は、サポータ64の回動軸挿入孔64dと、アーマチュア66の回動軸孔66dと、アーマチュアスプリング68のコイル部68dとを同一軸上に一列に配置し、別途の回動軸69を挿入貫通させて締結しなければならない。よって、組立方式が複雑になり、組立性が低下する。
【0012】
また、従来の瞬時トリップ装置60は、サポータ64の回動軸挿入孔64dと、アーマチュア66の回動軸孔66dと、アーマチュアスプリング68のコイル部68dと、回動軸69との部品累積公差により、ばらつき問題、ねじれ問題及びアーマチュア遊動阻害問題が生じる。その結果、瞬時動作の信頼性が低下する。
【0013】
さらに、従来の瞬時トリップ装置60は、部品移動及び保管時に回動軸69が離脱するという問題が生じることがある。
【0014】
さらに、従来の瞬時トリップ装置60は、別途の回動軸69の使用により部品点数が増加し、高価なダブルトーションスプリングの使用によりコストが上昇する。
【0015】
そこで、本発明は、構造を単純化して組立性を向上させることのできる、配線用遮断器の瞬時トリップ装置を提供することを目的とする。
【0016】
また、本発明は、部品累積公差によるばらつき問題、ねじれ問題及びアーマチュア遊動阻害問題を解消して瞬時動作の信頼性を向上させることのできる、配線用遮断器の瞬時トリップ装置を提供することを目的とする。
【0017】
さらに、本発明は、回動軸離脱問題を解消することのできる、配線用遮断器の瞬時トリップ装置を提供することを目的とする。
【0018】
さらに、本発明は、部品点数を減少してコストを低減することのできる、配線用遮断器の瞬時トリップ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0019】
本発明は、上記目的を達成するために、電源供給時に磁気吸引力を発生させるマグネットと、前記マグネットの対向側に設けられるサポータと、前記マグネットと前記サポータ間で回動中心部を中心に回動部が回動可能に設けられるアーマチュアと、前記アーマチュアの前記回動部を前記マグネットから遠ざかる方向に付勢するアーマチュアスプリングとを含む、配線用遮断器の瞬時トリップ装置を提供する。
【0020】
前記サポータは、前記アーマチュアの前記回動中心部を支持するように、一側が開放された溝を備えて構成されてもよい。
【0021】
前記アーマチュアの前記回動中心部には、前記溝に挿入されるように突起が形成されてもよい。
【0022】
前記アーマチュアスプリングは、一端が前記サポータに備えられた第1係止部に支持され、他端が前記アーマチュアの前記回動部に備えられた第2係止部に支持される引張スプリングであってもよい。
【0023】
前記溝の開放された一側は、前記回動部に向かって形成されてもよい。
【0024】
前記第1係止部が前記第2係止部より前記溝に近接する位置に備えられ、付勢力が前記溝と前記突起の接触状態を維持する方向に加えられるように備えられてもよい。
【0025】
前記サポータは、前記アーマチュアスプリングと干渉しないように、前記第1係止部の近傍に前記サポータを貫通するように形成されるスプリング収容部をさらに備えて構成されてもよい。
【0026】
前記溝は前記突起に押接される部位が半円形に形成され、前記突起は円柱形に形成され、前記溝の半円形部位の曲率半径は前記突起の半径以上であってもよい。
【0027】
前記突起は、前記アーマチュアの回動軸上に前記アーマチュアを中心として対称に一対で備えられ、前記溝は、一対の前記突起に対応して一対で備えられてもよい。
【発明の効果】
【0028】
本発明による配線用遮断器の瞬時トリップ装置は、構造を単純化して組立性を向上させることができる。また、回動中心部の累積公差によるばらつき問題、ねじれ問題及びアーマチュア遊動阻害問題を解消して瞬時動作の信頼性を向上させることができる。さらに、従来の別途の回動軸の使用による部品移動及び保管時の回動軸離脱問題を解消することができる。さらに、従来に比べて部品点数を減少してコストを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図1】本発明による配線用遮断器の瞬時トリップ装置とクロスバーを示す要部断面図である。
【
図2】
図1の瞬時トリップ装置のアーマチュアアセンブリを示す要部断面図である。
【
図3】
図2のアーマチュアアセンブリの組立過程を示す斜視図である。
【
図4】
図3のアーマチュアアセンブリの組立完了状態を示す斜視図である。
【
図5】
図4のアーマチュアアセンブリをアーマチュア側から見た斜視図である。
【
図7】
図6の配線用遮断器の瞬時トリップ装置とクロスバーを示す要部断面図である。
【
図8】
図7の瞬時トリップ装置の組立過程を示す斜視図である。
【
図9】
図8の瞬時トリップ装置の組立完了状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態について詳細に説明する。
【0031】
図1は本発明による配線用遮断器の瞬時トリップ装置とクロスバーを示す要部断面図であり、
図2は
図1の瞬時トリップ装置のアーマチュアアセンブリを示す要部断面図であり、
図3は
図2のアーマチュアアセンブリの組立過程を示す斜視図であり、
図4は
図3のアーマチュアアセンブリの組立完了状態を示す斜視図であり、
図5は
図4のアーマチュアアセンブリをアーマチュア側から見た斜視図である。
【0032】
図1〜
図5に示すように、本発明による瞬時トリップ装置160は、電源供給時に磁気吸引力を発生させるマグネット162と、マグネット162の対向側に設けられるサポータ164と、マグネット162とサポータ164間で回動中心部RCを中心に回動部RMが第1方向及び第2方向に回動可能に設けられるアーマチュア166と、アーマチュア166の回動部RMをマグネット162から遠ざかる方向に付勢するアーマチュアスプリング168とを備えて構成される。
【0033】
なお、サポータ164と、アーマチュア166と、アーマチュアスプリング168とから構成される機構をアーマチュアアセンブリという。
【0034】
マグネット162は、固定接触子(図示せず)に通電可能に接続される。
【0035】
サポータ164は、第1固定板部164aと、第1固定板部164aから略直角に折り曲げられた第2固定板部164bとを備えて構成される。
【0036】
第1固定板部164aは、第1係止部164cと、スプリング収容部164eとを備えて構成される。
【0037】
第1係止部164cは、同図における第1固定板部164aの下部に、アーマチュアスプリング168の一端が係止されるように溝状に形成される。すなわち、第1係止部164cは、第1固定板部164aの後述する突起収容溝164dに隣接する位置に、アーマチュアスプリング168の一端が係止されるように溝状に形成される。
【0038】
スプリング収容部164eは、アーマチュアアセンブリが組み立てられたときに第1固定板部164aとアーマチュアスプリング168が互いに干渉しないように、第1係止部164cの近傍に第1固定板部164aを貫通する貫通孔状に形成される。
【0039】
第2固定板部164bには、一側が開放された一対の溝(以下、「突起収容溝」という)164dが備えられる。
【0040】
突起収容溝164dにアーマチュア166の後述する突起166dが挿入され、突起収容溝164dの内部にアーマチュア166の回動中心部RCが形成される。ここで、突起収容溝164dは、回動中心部RCから回動部RMに向かって一側が開放され、突起166dに押接される部位が半円形をなすU字状に形成される。
【0041】
第1係止部164cは、後述する第2係止部166cを基準に、同図における第1固定板部164aの下部に備えられる。すなわち、第1係止部164cは、後述する第2係止部166cより突起収容溝164dに近接し、突起収容溝164dを中心にマグネット162の反対側となる位置に備えられる。
【0042】
アーマチュア166は、回動部RMの第1可動板部166aと、第1可動板部166aから略直角に折り曲げられた第2可動板部166bとを備えて構成される。
【0043】
第1可動板部166aの一側には、アーマチュアスプリング168の他端が係止されるように、溝状に形成された第2係止部166cが備えられる。
【0044】
第2可動板部166bには、サポータ164の突起収容溝164dに挿入され、回動中心部RCをなすように円柱状に形成される一対の突起166dが備えられる。
【0045】
ここで、アーマチュア166を円滑に回動させるために、突起166dは円柱状に形成され、突起収容溝164dは突起166dに押接される部位が半円形をなすU字状に形成され、突起収容溝164dの半円形部位の曲率半径は突起166dの円形断面の半径以上となるように形成される。しかし、アーマチュア166を回動させることができるものであれば、突起166dや突起収容溝164dは異なる形状に形成してもよい。
【0046】
また、一対の突起166dはアーマチュア166の回動軸上にアーマチュア166を中心として対称に備えられ、一対の突起収容溝164dは一対の突起166dに対応してアーマチュア166の回動軸上にサポータ164を中心として対称に備えられる。
【0047】
アーマチュアスプリング168は、引張スプリングであり、一端が第1係止部164cに支持され、他端が第2係止部166cに支持される。
【0048】
図中の従来と同じ部分に対しては同じ符号を付した。
【0049】
以下、本発明による配線用遮断器の瞬時トリップ装置160の作用効果について説明する。
【0050】
本発明による配線用遮断器の瞬時トリップ装置160は、次の過程を経て順次組み立てられる。まず、アーマチュア166に一体型に形成された突起166dがサポータ164の突起収容溝164dに挿入されて収容されることにより、アーマチュア166がサポータ164に回動可能に結合される。次に、アーマチュアスプリング168の一端部が第1係止部164cに係止され、他端部が第2係止部166cに係止されることにより、アーマチュア166とサポータ164の結合状態が維持され、別途に備えられたマグネット162が結合される。
【0051】
このように組み立てられた瞬時トリップ装置160は、平常時には、アーマチュアスプリング168の付勢力により、サポータ164の突起収容溝164dとアーマチュア166の突起166dの接触状態が維持される。すなわち、瞬時トリップ装置16は、平常時には、アーマチュアスプリング168の付勢力により、サポータ164とアーマチュア166の回動可能な結合状態が維持される。また、瞬時トリップ装置16は、平常時には、アーマチュアスプリング168の付勢力により、アーマチュア166の回動部RMがマグネット162から遠ざかり、サポータ164の第1固定板部164aに支持される状態が維持される。
【0052】
一方、回路に短絡電流などの事故電流が発生すると、マグネット162が磁化して磁気吸引力が発生する。磁気吸引力がアーマチュアスプリング168の荷重より大きいと、アーマチュア166の第1可動板部166aがマグネット162側に吸引されて回動する。すなわち、磁気吸引力がアーマチュアスプリング168の荷重より大きいと、アーマチュア166の回動部RMが
図1の時計方向に回動する。アーマチュア166が
図1の時計方向に回動すると、開閉機構(図示せず)のラッチ(図示せず)の拘束が解除される。ラッチ(図示せず)の拘束が解除されると、可動接触子(図示せず)が固定接触子(図示せず)から迅速に分離される。
【0053】
ここで、本発明による配線用遮断器の瞬時トリップ装置160は、一側が開放されたサポータ164の突起収容溝164dと、アーマチュア166に一体型に形成された突起166dとによりアーマチュア166の回動中心部RCが実現される。また、本発明による配線用遮断器の瞬時トリップ装置160は、アーマチュア166がアーマチュアスプリング168によりマグネット162から遠ざかる方向に付勢され、サポータ164とアーマチュア166の回動可能な締結状態がアーマチュアスプリング168により維持される。
【0054】
このような構成により、本発明による配線用遮断器の瞬時トリップ装置は、構造を単純化して組立性を向上させることができる。また、回動中心部の累積公差によるばらつき問題、ねじれ問題及びアーマチュア遊動阻害問題を解消して瞬時動作の信頼性を向上させることができる。さらに、従来の別途の回動軸の使用による部品移動及び保管時の回動軸離脱問題を解消することができる。さらに、従来に比べて部品点数を減少してコストを低減することができる。
【0055】
本発明による瞬時トリップ装置160以外の配線用遮断器の他の構成要素及び作用効果は従来と同様であるので説明を省略する。
【符号の説明】
【0056】
10 ケース
20 固定接触子
30 可動接触子
40 開閉機構
50 ハンドル
60 瞬時トリップ装置
62 マグネット
64 サポータ
64a 第1固定板部
64b 第2固定板部
64c 回動支持部
64d 回動軸挿入孔
66 アーマチュア
66a 第1可動板部
66b 第2可動板部
66d 回動軸孔
68 アーマチュアスプリング
68d コイル部
69 回動軸
71 クロスバー
73 トリップシュータ
75 トリップバー
77 ラッチホルダ
160 本発明による瞬時トリップ装置
162 マグネット
164 サポータ
164a 第1固定板部
164b 第2固定板部
164c 第1係止部
164d 突起収容溝
164e スプリング収容部
166 アーマチュア
166a 第1可動板部
166b 第2可動板部
166c 第2係止部
166d 突起
168 アーマチュアスプリング
RC 回動中心部
RM 回動部