(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6046692
(24)【登録日】2016年11月25日
(45)【発行日】2016年12月21日
(54)【発明の名称】第1及び第2流体を別個に包装する包装装置
(51)【国際特許分類】
B65D 81/32 20060101AFI20161212BHJP
【FI】
B65D81/32 T
【請求項の数】12
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2014-501682(P2014-501682)
(86)(22)【出願日】2012年3月5日
(65)【公表番号】特表2014-512314(P2014-512314A)
(43)【公表日】2014年5月22日
(86)【国際出願番号】FR2012050450
(87)【国際公開番号】WO2012131205
(87)【国際公開日】20121004
【審査請求日】2015年2月27日
(31)【優先権主張番号】1152650
(32)【優先日】2011年3月30日
(33)【優先権主張国】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】513231122
【氏名又は名称】カドリート アーゲー
【氏名又は名称原語表記】CADORIT AG
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(72)【発明者】
【氏名】ブルノ ギヨン
(72)【発明者】
【氏名】バンセン セビル
【審査官】
谿花 正由輝
(56)【参考文献】
【文献】
独国特許出願公開第19917942(DE,A1)
【文献】
特開2005−206237(JP,A)
【文献】
実開平02−011011(JP,U)
【文献】
実開平05−071194(JP,U)
【文献】
登録実用新案第3108004(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 81/32
B65D 51/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1流体(30)を包装する第1部分(1)及び第2流体(40)を包装する第2部分(2)を備えた装置(10)であって、前記第1部分(1)及び前記第2部分(2)を、前記第1流体(30)及び前記第2流体(40)が分離された第1位置から前記第1流体(30)及び前記第2流体(40)の混合を可能にする第2位置へ動くよう設計し、前記第1部分(1)に破断可能要素(14)を設け、該破断可能要素(14)は、前記第1部分(1)を前記第2部分(2)に対して前記第1位置から前記第2位置へ動かすことにより、前記第2部分(2)に接続した衝突要素(25)によって前記第1部分(1)を閉じる第1位置から前記第1部分(1)に収容した前記流体(30)を放出する第2位置へ動かされるよう設計し、前記第2部分(2)に第1保護層(26)を設け、該第1保護層(26)は、前記第1部分(1)を前記第2部分(2)に対して前記第1位置から前記第2位置へ動かすことにより、前記第1部分(1)に接続した穿孔要素(15)によって穿孔されるよう設計することで、前記第1流体(30)及び前記第2流体(40)を前記第2位置で混合することを可能にし、前記第2部分(2)は、第1プラスチック材料要素(22)及び第2プラスチック材料要素(23)とこれらの間の第2保護層(24)とを備える壁を有する、前記第1保護層(26)によって閉じられる容器を備え、前記第2部分(2)の前記第1要素(22)及び前記第2保護層(24)は、前記第2要素(23)でオーバーモールドされている、装置。
【請求項2】
請求項1記載の装置(10)において、前記第2部分(2)の前記第1要素(22)と前記第2要素(23)との間の前記第2保護層(24)は、アルミニウムを含む装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の装置(10)において、前記第2部分(2)の前記第1要素(22)と前記第2要素(23)との間の前記第2保護層(24)は、ポリオレフィン、アルミニウム、及びポリオレフィンの多層構造を含む装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載の装置(10)において、前記第1部分(1)に実質的に円筒形の外壁(11)を設け、該外壁(11)の一端を、その内部に前記装置(10)の前記第2部分(2)を収納するよう設計した装置。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項に記載の装置(10)において、前記第2部分(2)内の前記流体(40)を保護する前記第1保護層(26)は、アルミニウムを含有する装置。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1項に記載の装置(10)において、前記破断可能要素(14)を、前記衝突要素(25)によって第1位置から第2位置へ動かされるよう設計し、前記第2位置において、前記破断可能要素(14)を、その円周の少なくとも一部にわたって前記装置(10)の前記第1部分(1)に接続した装置。
【請求項7】
請求項6に記載の装置(10)において、前記第1部分(1)の前記破断可能要素(14)及び前記第2部分(2)に接続した前記衝突要素(25)を、前記破断可能要素(14)を開放の前記第2位置に保つことにより、前記第1部分(1)が前記第2位置で再閉鎖することを防止するよう設計した装置。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか1項に記載の装置(10)において、前記第1部分(1)の前記破断可能要素(14)と、前記第2部分(2)に接続した前記衝突要素(25)と、前記第2部分(2)の前記第1保護層(26)と、前記第1部分(1)に接続した前記穿孔要素(15)とを、前記装置(10)の前記第1部分(1)が前記第2要素(23)に対して前記部分及び要素の前記第1位置からそれらの前記第2位置へ動かされるという点で、前記衝突要素(25)が前記破断可能要素(14)に接触する前に前記装置(10)が前記穿孔要素(15)によって前記第1保護層(26)の穿孔を開始することを可能にするよう設計した装置。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか1項に記載の装置(10)において、該装置(10)の前記第1部分(1)に液体(30)が収容されており、前記第2部分(2)に粉末(40)が収容されている装置。
【請求項10】
請求項1に記載の装置(10)を得る方法であって、
プラスチック材料射出プロセスによって、第2流体(40)を収容するよう設計した前記装置(10)の第2部分(2)を形成する第1要素(22)を作製するステップと、
冷間成形プロセスによって、前記第2部分(2)の前記第1要素(22)に接続されるよう設計した第2保護層(24)を形成するステップと、
前記第2部分(2)の前記第1要素(22)及び前記第2保護層(24)を金型に導入するステップと、
「オーバーモールド」プロセスによって、前記第1要素(22)及び前記第2保護層(24)と共に前記装置(10)の前記第2部分を形成するよう設計した第2要素(23)を作製するステップと
を含む方法。
【請求項11】
請求項10に記載の方法において、前記第1部分(2)の前記第1要素(22)と前記第2要素(23)との間に位置決めした前記第2保護層(24)は、アルミニウムを含有する方法。
【請求項12】
請求項10又は11に記載の方法において、前記第2保護層(24)は、ポリオレフィン及びアルミニウムを含有する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、第1流体及び第1流体とは別個の第2流体を包装するパッケージであって、第1流体を包装する第1部分及び第2流体を包装する第2部分を備え、第1部分及び第2部分を、第1部分及び第2部分が分離された第1位置から第1流体及び第2流体の混合を可能にする第2位置へ動くよう設計したパッケージに関する。
【背景技術】
【0002】
使用前の2つの流体の混合を防止することを可能にする第1流体及び第2流体を包装する装置は、従来技術からすでに知られている。製品を使用する際、流体が上記パッケージ内で混ざり合うことを可能にするようパッケージを操作することで、ユーザが2つの流体の混合物をパッケージ外に露出させることを可能にする。
【0003】
このタイプの装置は、特に特許文献1に記載されている。当該文献は、例えば流体形態の第1流体を収容するよう設計した第1部分を備えたパッケージを開示している。この装置は、例えば粉末形態の第2流体を収容するよう設計した第2部分を備える。
【0004】
ユーザがパッケージ内の製品混合物の使用を望む場合、ユーザは、パッケージの第1部分に対して第2部分を動かすことにより、2つの区画間の障害物を除去してパッケージに収容した2つの流体間の混合を可能にする。
【0005】
特許文献1によれば、第2部分に収容した第2流体を保護層で覆う。パッケージの第1部分に収容した流体は、閉鎖の第1位置から開放の第2位置へ動かされるよう設計した取り外し可能要素により保護する。
【0006】
この閉鎖要素の下側には、第1部分を容器の第2部分に対して動かすと第2部分の内容物を保護する保護層を穿孔することができる穿孔器を設ける。
【0007】
特許文献1による装置の主な欠点は、パッケージの第1部分を閉じる要素が非固定要素であり、使用後に取り外し可能であることでパッケージを貫通することにある。このパッケージ内では、取り外し可能要素は、一方では第1流体及び第2流体の最適な混合を妨害し、他方ではパッケージからの上記流体の適切な放出を妨害する可能性のある障害物を形成し得る。
【0008】
第1の欠点に関連した第2の欠点は、第2部分の開口が有効になる前に第1区画の閉鎖要素を第2位置へ動かした場合、2つの区画を開放するプロセスが確実とならないことにある。
【0009】
さらに、特許文献1による容器は、装置に収容した2つの流体を当該装置の第1位置で適切に分離するよう設計されている。上記装置の第2位置では、装置に収容した流体を混合することができる。
【0010】
従来技術の装置は、主に装置内の2つの区画を開放する機構を提供するために開発されたものである。装置に収容した流体が理想的に充填されることを確実にする措置は講じられていなかった。換言すれば、特許文献1による装置の保管中、当該装置に収容した流体は、装置の容器内に浸透し得る酸素O
2及びH
2Oの影響に曝され得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】独国特許第19917942号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明の目的は、既知の従来技術の装置に関連する欠点を回避しつつ、ユーザの選択時に2つの流体の混合を可能にする機構を設けた、2つの流体を別個の区画内に包装することを可能にする包装装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明によれば、本装置は、それぞれが各自の別個の区画で当該装置に収容した流体を、装置に収容した流体がユーザの選択時に混合されるまで適切に保護するよう設計する。
【0014】
本発明は、第1流体を包装する第1部分及び第2流体を包装する第2部分を備えた装置であって、第1部分及び第2部分を、第1部分及び第2部分が分離された第1位置から第1流体及び第2流体の混合を可能にする第2位置へ動くよう設計し、第1部分に破断可能要素を設け、破断可能要素は、第1部分を第2部分に対して第1位置から第2位置へ動かすことにより、第2部分に接続した衝突要素によって第1部分を閉じる第1位置から第1部分に収容した流体を放出する第2位置へ動かされるよう設計し、第2部分に第1保護層を設け、第1保護層は、第1部分を第2部分に対して第1位置から第2位置へ動かすことにより、第1部分に接続した穿孔要素によって穿孔されるよう設計することで、第1流体及び第2流体をこの第2位置で混合することを可能にし、第2部分は、少なくとも第1プラスチック材料要素及び第2プラスチック材料要素とこれらの間の第2保護層とを備えた壁を有する容器を含む装置に関する。
【0015】
説明において、「流体」という用語の使用は、液体、ガス、粉末、及びペースト等の製品を指す。
【0016】
本発明による装置により、2つの流体を装置の第1位置で分離されるよう包装することができる。少なくとも容器の第2部分は、容器の外側を形成するプラスチック材料要素を有する壁を含み、当該壁に第2保護層を設ける。
【0017】
レセプタクルを閉じる第1保護層に関連したこの第2保護層は、第2部分に収容した製品の理想的な充填を提供する。これは、第2部分内にある製品の品質が、本発明による装置の保管中に変わらないので最適に維持されることを意味する。
【0018】
好適な実施形態によれば、上記パッケージの第1部分に実質的に円筒形の外壁を設け、外壁の一端を、その内部に装置の第2部分を収納するよう設計する。
【0019】
好適な実施形態によれば、第2部分の壁は、第1プラスチック材料要素及び第2プラスチック材料要素とこれらの間の第2保護層とを備える。
【0020】
好適な実施形態では、第2部分の第1要素、第2保護層、及び第2要素を、オーバーモールドプロセスによって得る。
【0021】
好適な実施形態によれば、第2部分の第1要素と第2要素との間の第2保護層は、アルミニウムを含む。
【0022】
好適な実施形態によれば、第2部分の第1要素と第2要素との間の第2保護層は、ポリオレフィン、アルミニウム、及びポリオレフィンの多層構造を含む。
【0023】
好適な実施形態によれば、上記パッケージの第1部分に実質的に円筒形の外壁を設け、外壁の一端を、その内部に装置の第2部分を収納するよう設計する。
【0024】
好適な実施形態によれば、破断可能要素を、衝突要素によって第1位置から第2位置へ動かされるよう設計し、この第2位置において、破断可能要素をその円周の少なくとも一部にわたって装置の第1部分に接続する。
【0025】
好適な実施形態によれば、第1部分の破断可能要素と第2部分に接続した衝突要素とは、破断可能要素をその開放の第2位置に保つことにより、第1部分がこの第2位置で再閉鎖することを防止するよう設計する。
【0026】
好適な実施形態によれば、第1部分の破断可能要素と、第2部分に接続した衝突要素と、第2部分の第1保護層と、第1部分に接続した穿孔要素とは、装置の第1部分が第2要素に対して上記部分及び要素の第1位置からそれらの第2位置へ動かされるという点で、衝突要素が破断可能要素に接触する前に上記装置が穿孔要素によって第1保護層の穿孔を開始することを可能にするよう設計する。
【0027】
好適な実施形態によれば、装置の第1部分を液体を包装するよう設計し、第2部分を粉末を包装するよう設計する。
【0028】
本発明の第2態様は、操作前に混合することができない第1流体及び第2流体を包装する装置を得る方法であって、第1製品を収容する装置の第1部分を作製するステップを含み、この第1部分は、穿孔要素によって第1位置から第2位置へ動かされることで第2位置において第1部分に収容した流体を放出するよう設計した破断可能要素の形態の要素を含み、本方法は、以下のステップ:
プラスチック材料射出プロセスによって、第2流体を収容するよう設計した装置の第2部分を形成する第1要素を作製するステップと、
冷間成形プロセスによって、第2部分の第1要素に接続されるよう設計した第2保護層を形成するステップと、
第2部分の第1要素及び第2保護層を金型に導入するステップと、
「オーバーモールド」プロセスによって、第1要素及び第2保護層と共に装置の第2部分を形成するよう設計した第2要素を作製するステップと
を含む方法に関する。
【0029】
好適な実施形態によれば、第2部分の第1要素と第2要素との間に位置決めした第2保護層は、アルミニウムを含有する。
【0030】
好適な実施形態によれば、第2保護層はポリオレフィン及びアルミニウムを含有する。
【0031】
本発明及びその利点は、図面を参照した以下の説明を読めばよりよく理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【
図1】操作前の第1位置にある本発明による装置の実施形態の断面図である。
【
図2】操作後の第2位置にある
図1に示す装置の一部の断面図である。
【
図3】
図1及び次2に示す装置の第2部分の斜視図である。
【
図4】組み立て前の
図1及び
図2に示す装置の第1部分及び第2部分の斜視図である。
【
図5】
図1及び
図2に示す装置の第2部分の作製の第1ステップを示す。
【
図6】
図1及び
図2に示す装置の第2部分の作製の第2ステップを示す。
【
図7】
図1及び
図2に示す装置の第2部分の作製の最終ステップを示す。
【発明を実施するための形態】
【0033】
図1は、2つの製品を別個に包装するための本発明による装置10を示し、当該装置10は、ユーザの選択時にこれら2つの製品の混合を可能にするよう設計したものである。
【0034】
装置10は、第1部分1及び第2部分2を備える。第1部分1は、液体30等の第1流体を収容するよう設計する。第1部分1には、例えば円筒形の壁11を設ける。第1端をストッパ12によって閉じる。
図4に示すように、ストッパ12は、壁11に接続され、
図1に示すような閉位置から
図4に示すような開位置へ動かされることにより、装置10内の2つの製品が混合されると上記装置10の内容物を放出することができる。
【0035】
壁11は、反対側に、液体30を収容する区画を閉じる閉鎖要素13を含む。この要素13は、破断可能要素の形態の壁14を含み、壁14は、
図1に示すような第1部分内に液体30を収容するよう設計した開始位置から、
図2に示すような流体30を第2部分2に収容した製品と混合させることを可能にする使用位置へ動かすことができる。
【0036】
したがって、第1部分1の閉鎖要素13には穿孔要素15を設ける。この穿孔要素15は、第1部分1の壁11の内側に直接接続する。穿孔要素15は、第2部分2に収容した製品を保護する要素を穿孔するよう設計され、装置10に収容した2つの製品を混合させるためにこの保護を開くことを可能にする。
【0037】
第1部分1が無菌環境で充填されるよう設計され得ることに留意されたい。さらに、第1部分1は、内容物30を第1部分1内で無菌に保つよう設計しなければならない。
【0038】
図1は、粉末40等の流体を収容するよう設計した第2部分2も示す。第2部分には外壁21を設け、外壁21はさらに、第1部分の壁11の内側に収納されるよう設計する。壁21及び壁11の寸法は、第1部分1及び第2部分2に収容した製品の混合前、混合中、又は混合後のいずれにおいても、壁11の内側と壁21の外側との間に完全な密封接触を提供するよう設計する。
【0039】
図2により詳細に示すように、第2部分2は、第1要素22及び第2要素23を備える。保護層24を第1要素22と第2要素23との間に取り付ける。この保護層24の存在は、粉末40が第2部分2内に充填されることを確実にするので特に重要である。保護層24は、酸素O
2及びH
2Oの不透過性を提供する。
【0040】
保護層24は、アルミニウムシートを含んでいてもよく、ポリオレフィン及びアルミニウム、例えば、ポリオレフィンの第1層、アルミニウムの第2層、及びポリオレフィンのさらに別の層の多層構造の形態であってもよい。
【0041】
第2部分2を作製する1つの実施形態を、
図5、
図6、及び
図7を参照して開示する。
【0042】
図1に示すように、第2部分2には衝突要素25を設ける。衝突要素25は、第2部分2の下壁に接続され、破断可能要素の形態を有する壁14に圧力を加えることにより、破断可能要素の形態を有するこの壁14をその開始位置から
図2に示すようなその使用位置へ動かすことを可能にすることができる。
【0043】
第2部分2内の粉末40の形態の第2製品の最適な充填のために、この第2部分2に保護層、例えばアルミニウムシート26を設ける。
【0044】
本発明による装置10の動作は、
図1及び
図2を比べるとよりよく理解されるであろう。
図1において、液体30の形態の第1製品を第1部分1に収容する。第1部分1内の液体30の充填は、壁11、ストッパ12、及び閉鎖要素13の組み合わせによって確保される。これら種々の要素により、第1部分1内に位置する液体30はその完全性を完全に維持する。
【0045】
同時に、粉末40の形態の第2製品は、この第2部分2の種々の要素22及び23を保護層24及び26と組み合わせて用いて、第2部分2内に最適に充填される。
図1に示すように、2つの製品30及び40は、2つの製品間の混合を可能とせずに装置10に収容される。
【0046】
製品30及び40を放出する、したがって2つの部分間で混合を可能にするために、ユーザは、第1部分及び第2部分を押すことにより第2部分2を壁11内に収納させなければならない。第2部分に対する第1部分のこの運動は、第2部分を支持体上に置いてからストッパ12を押すことによって達成することができる。任意の他の適当な方法を用いて、第2部分が壁11に入り込むことを確実にしてもよい。
【0047】
第2部分2が第1部分1の壁11に入り込んだら、
図2に示す状況が得られる。第2部分2に対する第1部分の運動には、穿孔要素15によって保護層26を穿孔する効果があった。
図4と組み合わせて
図2に示すように、穿孔要素15は、保護層26の周縁の一部を切断するような形状になっている。換言すれば、保護層26は、第2部分に部分的に固定されたままである。
【0048】
この動作を行うために、穿孔要素15は、保護層26の周縁の3/4を開くカラーの形態であり得る。第2部分2に対する保護層26の周縁の残りの1/4の接続を維持することにより、上記保護層26が第1部分1内に入り込んで障害物を形成することが防止される。
【0049】
さらに、保護層26と第2部分2との間に設けられる部分的な接続は、保護層が装置10から排出されることを防止することで、混合物を装置10から放出することを可能にする。
【0050】
穿孔要素15が保護層26を穿孔するのと同時に、破断可能要素の形態の壁14が、衝突要素25によって
図1に示すようなその初期位置から
図2に示すようなその使用位置へ動かされる。
【0051】
保護層26と同様に、破断可能要素の形態のこの壁14は、その周縁の一部が装置10の第1部分に接続されたままである。これは、第1部分1を第2部分に対して動かした後に、壁14がいかなる状況でも本発明による装置10内の障害物となり得ないか、又は上記装置10から排出され得ないことを意味する。
【0052】
図2に示すように、第2部分が第1部分1の壁11内に入り込んだら、2つの製品30及び40が接触することにより、これら2つの製品30及び40の混合物を得ることができる。
【0053】
液体30及び粉末40の最適な混合物を得るために、ストッパ12を開く前に装置10を振ることにより、混合物30/40を装置10から放出することができる。
【0054】
図3は、本発明による装置10の第2部分を示す。この
図3は、実質的に4つの肢を有する十字の形態である衝突要素25を詳細に示す。
【0055】
図3は、第2部分2の外側に壁11の内側の溝と協働するよう設計した溝27を設けて、装置10内の2つの製品を混合させたら第1部分1と第2部分2との間の密封を確保することも示す。
【0056】
図4は、組み立て前の装置10を示し、第1部分1の底部、より詳細には穿孔器15の形状を説明することを可能にする。
図4に示すように、穿孔器15は実質的にカラーの形態である。これは、一続きの円を形成するのではなく、2つの機能を有するセクタ16が設けられる。
【0057】
セクタ16の第1機能は、穿孔器15を押すことによって周縁の3/4に制限された保護シート26の穿孔をもたらすことである。セクタ16が位置する点では、保護層26が維持されて変わらない。
【0058】
セクタ16の他方の機能は、第1部分1の壁11に固定した破断可能要素の形態の要素14をその開放後に保つことである。
【0059】
図5、
図6、及び
図7は、本発明による装置の第2部分2を製造する方法を段階的に詳細に示す。
図5に示すように、第2部分2の第1要素22を、例えば回転成形又はトランスファー成形を用いて実行したプラスチック材料射出プロセスによって得る。
図5に明確に示すように、第1要素22は、特に衝突要素25を備える。
【0060】
プロセスの第2部を
図6に示す。保護シート24を冷間成形プロセスによって整形し、続いてロボットによって第1要素22に取り付ける。前述のように、保護層24は、任意の適当な材料を含み得るが、好ましくは、ポリオレフィン、次にアルミニウム、次にさらなるポリオレフィンといった多層構造で形成される。保護層24は、金型50によって第2部分2の第1要素22に直径方向に型締めすること(diametral clamping)によって保持される。
【0061】
第2要素23は、「オーバーモールド」プロセスを用いた第2プラスチック材料射出によって形成する。このプロセスは、第2部分2の第1要素22と第2要素23との間の化学的及び機械的接着を可能にする。これは、第1要素22と第2要素23との間に完全な接続が提供されること、及び保護シート24が正しく固定されることを意味する。
図7に示す第2部分2が得られると、この第2部分2内の空間を粉末40の投入に用いることができる。粉末40を第2要素2に収納したら、保護層26を用いて上記要素を閉じることができる。換言すれば、この粉末40は、酸素又はH
2Oの導入に対して抵抗性がある完全に密着した層によって保護される。
【0062】
本発明による装置10の利点は、第1部分1及び第2部分2を組み立て前に個別に準備できることにある。2つの容器1及び2は、異なる環境で充填できることで、2つの容器に収容した製品の一方(液体)又は他方(粉末)に固有のものである可能性がある。