特許第6046725号(P6046725)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6046725エンティティの位置に基づくユーザーインターフェースの調整
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6046725
(24)【登録日】2016年11月25日
(45)【発行日】2016年12月21日
(54)【発明の名称】エンティティの位置に基づくユーザーインターフェースの調整
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/0484 20130101AFI20161212BHJP
   G09G 5/00 20060101ALI20161212BHJP
   G09G 5/36 20060101ALI20161212BHJP
   G09G 3/20 20060101ALI20161212BHJP
【FI】
   G06F3/0484 120
   G09G5/00 550C
   G09G5/00 510A
   G09G5/00 510B
   G09G5/36 520E
   G09G3/20 660C
【請求項の数】14
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2014-531860(P2014-531860)
(86)(22)【出願日】2012年9月12日
(65)【公表番号】特表2014-531665(P2014-531665A)
(43)【公表日】2014年11月27日
(86)【国際出願番号】US2012054700
(87)【国際公開番号】WO2013043419
(87)【国際公開日】20130328
【審査請求日】2015年9月11日
(31)【優先権主張番号】13/237,416
(32)【優先日】2011年9月20日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】314015767
【氏名又は名称】マイクロソフト テクノロジー ライセンシング,エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100140109
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 新次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100075270
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 泰
(74)【代理人】
【識別番号】100101373
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 茂雄
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100153028
【弁理士】
【氏名又は名称】上田 忠
(74)【代理人】
【識別番号】100120112
【弁理士】
【氏名又は名称】中西 基晴
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100147991
【弁理士】
【氏名又は名称】鳥居 健一
(74)【代理人】
【識別番号】100119781
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 彰吾
(74)【代理人】
【識別番号】100162846
【弁理士】
【氏名又は名称】大牧 綾子
(74)【代理人】
【識別番号】100173565
【弁理士】
【氏名又は名称】末松 亮太
(74)【代理人】
【識別番号】100138759
【弁理士】
【氏名又は名称】大房 直樹
(72)【発明者】
【氏名】ホール,マイケル
(72)【発明者】
【氏名】バスマン,アレクサンダー・ティー
【審査官】 ▲高▼瀬 健太郎
(56)【参考文献】
【文献】 特開2003−271283(JP,A)
【文献】 特開2006−285157(JP,A)
【文献】 特開2010−004118(JP,A)
【文献】 特開2001−319217(JP,A)
【文献】 特開2007−272369(JP,A)
【文献】 特開2005−207783(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/0484
G09G 3/20
G09G 5/00
G09G 5/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
1又は複数のプロセッサーと、システムメモリーと、表示面を有する表示装置と、アプリケーションとを含んだコンピューターシステムにおいて、ユーザーインターフェースの提示を調整するための方法であって、
前記アプリケーションのユーザーインターフェースを表すユーザーインターフェースデータを、前記表示面における提示のために前記表示装置へ供給する動作と、
前記ユーザーインターフェースデータの提示の後に1又は複数のエンティティの位置が変化したことを表す近接度データにアクセスする動作であって、前記1又は複数のエンティティの位置の変化は、前記1又は複数のエンティティのそれぞれを前記表示装置に対して新たな位置に配置させる、動作と、
前記近接度データに基づいて前記ユーザーインターフェースのための調整されたユーザーインターフェースデータを構築する動作であって、前記調整されたユーザーインターフェースデータは、前記表示装置に対する前記1又は複数のエンティティの位置の変化に基づいて前記表示面に提示するのに相応しいものであると判定され、調整されたユーザーインターフェースデータを構築する前記動作は、前記ユーザーインターフェースデータを見る延長時間期間を前記1又は複数のエンティティに与えるために、前記ユーザーインターフェースデータから新たなユーザーインターフェースデータへ循環するタイミングを前記1又は複数のエンティティの前記新たな位置に基づいて変更する動作を含む、動作と、
前記1又は複数のエンティティの位置の変化に応答して、前記表示面における前記ユーザーインターフェースの提示を調整するために、前記調整されたユーザーインターフェースデータを前記表示装置へ供給する動作であって、前記調整されたユーザーインターフェースデータは、少なくとも、除去されるコンテンツに対応する新たな要約データで置換されるコンテンツを前記ユーザーインターフェースデータから除去することによって、前記表示装置に前に提示された前記ユーザーインターフェースデータを置換及び要約し、前記調整されたユーザーインターフェースデータは、前記ユーザーインターフェースデータに前に提示されて除去された1又は複数の他の用語を置換及び要約する少なくとも1つの新たな用語を含む、動作と、
を含む方法。
【請求項2】
近接度データにアクセスする前記動作は、前記1又は複数のエンティティの位置データを含んだ1又は複数のメッセージを近接度フレームワークから受け取る動作を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記1又は複数のエンティティのそれぞれについて、
近接度フレームワークが、前記表示装置に対するエンティティの近接を検出するように構成された1又は複数のセンサーからセンサーデータを受け取る動作と、
前記近接度フレームワークが、前記センサーデータから前記エンティティについての近接度データを構築する動作と、
前記近接度フレームワークが、前記近接度データを含んだメッセージを前記アプリケーションへ送る動作と、
を更に含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
調整されたユーザーインターフェースデータを構築する前記動作は、平均化モデルを使用して、前記近接度データに基づいて前記ユーザーインターフェースデータの更新を提示するのに相応しい縮尺を決定する動作を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
調整されたユーザーインターフェースデータを構築する前記動作は、平均化モデルを使用して、前記近接度データに基づいて前記ユーザーインターフェースデータの更新に含ませるのに相応しいコンテンツを特定する動作を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記ユーザーインターフェースデータの提示の後に1又は複数のエンティティの位置が変化したことを表す近接度データにアクセスする前記動作は、前記ユーザーインターフェースデータの提示の後に前記表示面から少なくとも1つのエンティティへの角度が変化したことの指示を受け取る動作を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記位置の情報に基づいて前記アプリケーションのためのユーザーインターフェースデータの更新を構築する前記動作は、平均化モデルを使用して、前記1又は複数のエンティティの前記新たな位置に基づいて前記ユーザーインターフェースデータの更新を提示するのに相応しい縮尺を決定する動作を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
調整されたユーザーインターフェースデータを前記位置の情報に基づいて構築する前記動作は、平均化モデルを使用して、前記1又は複数のエンティティの前記新たな位置に基づいて前記ユーザーインターフェースデータの更新に含ませるのに相応しいコンテンツを特定する動作を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
調整されたユーザーインターフェースデータを構築する前記動作は、前記近接度データに基づいて前記ユーザーインターフェースデータの縮尺を変更する動作を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
コンピューティングシステムの1又は複数のプロセッサーによって実行可能なコンピューター実行可能命令を備えたコンピュータープログラムであって、前記コンピューター実行可能命令は、
1又は複数のエンティティの位置に関連する近接度データを取得するように構成された近接度フレームワークと、
前記コンピューティングシステムの表示装置にインターフェースデータを供給するように構成された提示モジュールと、
前記近接度データに少なくとも部分的に基づいて、前記表示装置に表示された前記インターフェースデータを調整するように構成された調整モジュールと、
をインスタンス化するように実行可能であり、
前記コンピューター実行可能命令は、更に、前記コンピューティングシステムに、
アプリケーションのユーザーインターフェースを表すユーザーインターフェースデータを、前記表示装置の表示面における提示のために前記表示装置へ供給するステップと、
前記ユーザーインターフェースデータの提示の後に1又は複数のエンティティの位置が変化したことを表す前記近接度データにアクセスするステップであって、前記1又は複数のエンティティの位置の変化は、前記1又は複数のエンティティのそれぞれを前記表示装置に対して新たな位置に配置させる、ステップと、
前記近接度データに基づいて前記ユーザーインターフェースのための調整されたユーザーインターフェースデータを構築するステップであって、前記調整されたユーザーインターフェースデータは、前記表示装置に対する前記1又は複数のエンティティの位置の変化に基づいて前記表示面に提示するのに相応しいものであると判定され、調整されたユーザーインターフェースデータを構築する前記動作は、前記ユーザーインターフェースデータを見る延長時間期間を前記1又は複数のエンティティに与えるために、前記ユーザーインターフェースデータから新たなユーザーインターフェースデータへ循環するタイミングを前記1又は複数のエンティティの前記新たな位置に基づいて変更する動作を含む、ステップと、
前記1又は複数のエンティティの位置の変化に応答して、前記表示面における前記ユーザーインターフェースの提示を調整するために、前記調整されたユーザーインターフェースデータを前記表示装置へ供給するステップであって、前記調整されたユーザーインターフェースデータは、少なくとも、除去されるコンテンツに対応する新たな要約データで置換されるコンテンツを前記ユーザーインターフェースデータから除去することによって、前記表示装置に前に提示された前記ユーザーインターフェースデータを置換及び要約し、前記調整されたユーザーインターフェースデータは、前記ユーザーインターフェースデータに前に提示されて除去された1又は複数の他の用語を置換及び要約する少なくとも1つの新たな用語を含む、ステップと、
を実施させるように構成される、コンピュータープログラム。
【請求項11】
前記コンピューター実行可能命令は、更に、前記コンピューティングシステムに、前記表示装置に対する前記複数のエンティティの全ての位置の間の距離を平均化する平均化モデルに基づいて、前記ユーザーインターフェースのための前記調整されたユーザーインターフェースデータを構築するステップを実施させるように前記1又は複数のプロセッサーによって実行可能である、請求項10に記載のコンピュータープログラム。
【請求項12】
実行されると前記コンピューターシステムに調整されたユーザーインターフェースデータを構築させるコンピューター実行可能命令は、実行されると前記コンピューターシステムに前記ユーザーインターフェースデータの縮尺を減じさせるコンピューター実行可能命令を含む、請求項11に記載のコンピュータープログラム。
【請求項13】
実行されると前記コンピューターシステムに調整されたユーザーインターフェースデータを構築させるコンピューター実行可能命令は、実行されると前記コンピューターシステムに前記ユーザーインターフェースデータの縮尺を増大させるコンピューター実行可能命令を含む、請求項11に記載のコンピュータープログラム。
【請求項14】
アプリケーションのユーザーインターフェースを表すインターフェースデータを表示するための表示面を備えて構成された表示装置と、
1又は複数のエンティティの位置に関連する近接度データを取得するように構成された近接度フレームワークと、
前記表示装置にインターフェースデータを供給するように構成された提示モジュールと、
前記近接度データに少なくとも部分的に基づいて、前記表示装置に表示された前記インターフェースデータを調整するように構成された調整モジュールと、
1又は複数のプロセッサーと、
前記1又は複数のプロセッサーによって実行可能なコンピューター実行可能命令が格納された1又は複数の記憶装置と、
を備えたコンピューティングシステムであって、
前記コンピューター実行可能命令は、前記コンピューティングシステムに、
前記表示装置に前記ユーザーインターフェースデータを供給するステップと、
前記ユーザーインターフェースデータの提示の後に1又は複数のエンティティの位置が変化したことを表す前記近接度データにアクセスするステップであって、前記1又は複数のエンティティの位置の変化は、前記1又は複数のエンティティのそれぞれを前記表示装置に対して新たな位置に配置させる、ステップと、
前記近接度データに基づいて前記ユーザーインターフェースのための調整されたユーザーインターフェースデータを構築するステップであって、前記調整されたユーザーインターフェースデータは、前記表示装置に対する前記1又は複数のエンティティの位置の変化に基づいて前記表示面に提示するのに相応しいものであると判定され、調整されたユーザーインターフェースデータを構築する前記動作は、前記ユーザーインターフェースデータを見る延長時間期間を前記1又は複数のエンティティに与えるために、前記ユーザーインターフェースデータから新たなユーザーインターフェースデータへ循環するタイミングを前記1又は複数のエンティティの前記新たな位置に基づいて変更する動作を含む、ステップと、
前記1又は複数のエンティティの位置の変化に応答して、前記表示面における前記ユーザーインターフェースの提示を調整するために、前記調整されたユーザーインターフェースデータを前記表示装置へ供給するステップであって、前記調整されたユーザーインターフェースデータは、少なくとも、除去されるコンテンツに対応する新たな要約データで置換されるコンテンツを前記ユーザーインターフェースデータから除去することによって、前記表示装置に前に提示された前記ユーザーインターフェースデータを置換及び要約し、前記調整されたユーザーインターフェースデータは、前記ユーザーインターフェースデータに前に提示されて除去された1又は複数の他の用語を置換及び要約する少なくとも1つの新たな用語を含む、ステップと、
を実施させるように実行可能である、コンピューティングシステム。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
[0001] コンピューターシステムとその関連技術は、社会の多くの側面に影響を及ぼしている。まったくのところ、コンピューターシステムの情報処理能力は、我々の暮らし方や働き方を変貌させた。コンピューターシステムは、今では一般に、コンピューターシステムの出現以前には人手で行われた多数の作業(例えば、文書作成、スケジュール管理、会計処理等)を実施する。最近では、コンピューターシステムは、相互に、及び他の電子デバイスに結合されて、当該コンピューターシステムと他の電子デバイスが電子データを伝送することが可能な有線、無線両方のコンピューターネットワークを形成している。その結果、多くのコンピューティング作業の実施は、多数の異なるコンピューターシステム及び/又は多数の異なるコンピューティング環境にわたって分散している。
【0002】
[0002] ほとんどのアプリケーションは、ユーザーが当該アプリケーションと対話するのを可能にするある種類のユーザーインターフェースを表示デバイスに提示する。アプリケーションのユーザーインターフェースは、一般に、特定のユーザー距離に対して最適化される傾向にある。即ち、ユーザーインターフェースは、特定のユーザー体験とユーザー距離を念頭において(例えば、テレビは10フィート、電子書籍は2フィート、デジタルサイネージは30フィート等)開発される。
【0003】
[0003] いくつかのアプリケーションでは、固定サイズ構成のユーザーインターフェース要素、例えば車両のリアビューカメラ、又はスマートフォンのユーザーインターフェース表面を有効化/無効化するために、距離及び/又は近接度が用いられることが可能である。例えば、スマートフォンでは、ユーザーが近接センサーに近付いた時に、タッチ表面が無効化されることが可能である。これは、ユーザーが音声通話をすべくスマートフォンを彼らの顔の近くへ動かした時に、タッチ表面を無効化するために用いられることが可能である。
【発明の概要】
【0004】
[0004] 本発明は、エンティティの位置に基づいてユーザーインターフェースを調整するための方法、システム、及びコンピュータープログラム製品にわたる。ユーザーインターフェースデータが、表示面における提示のために表示装置へ供給される。ユーザーインターフェースデータは、アプリケーションのユーザーインターフェースを表す。近接度データがアクセスされる。近接度データは、ユーザーインターフェースデータの提示の後に1又は複数のエンティティの位置が変化したことを表す。1又は複数のエンティティの位置の変化は、1又は複数のエンティティのそれぞれを表示装置に対して新たな位置に配置させる。
【0005】
[0005] 調整されたユーザーインターフェースデータが、近接度データに基づいてユーザーインターフェースのために構築される。調整されたユーザーインターフェースデータは、1又は複数のエンティティの表示装置に対する新たな位置に基づいて表示面に提示するのに相応しいものであると判定される。1又は複数のエンティティの位置の変化に応答して、表示面におけるユーザーインターフェースの提示を調整するために、調整されたユーザーインターフェースデータが表示装置へ供給される。
【0006】
[0006] この概要は、詳細な説明において更に後述される概念からの選抜を簡略な形で導入するために提供される。この概要は、請求された主題の主要な特徴又は本質的な特徴を特定することを意図したものではなく、また、請求された主題の有効範囲を決定する際の助けとして用いられることを意図したものでもない。
【0007】
[0007] 本発明の更なる特徴と利点は、以下の説明に記載され、また当該説明からその一部が明白であり、又は、本発明の実践によって習得されることができる。本発明の特徴と利点は、添付された特許請求の範囲に特に指摘された手段と組み合わせを用いて、実現され取得されることができる。本発明のこれらの及び他の特徴は、以下の説明と添付された特許請求の範囲からより完全に明らかとなり、又は以下に記載される本発明の実践によって習得されることができる。
【0008】
[0008] 本発明の前述された及び他の利点と特徴が取得されることの可能なやり方を説明するために、上で簡潔に説明された本発明のより詳しい説明が、添付された図面に例示される本発明の特定の実施態様を参照して提供される。これらの図面は本発明の典型的な実施態様のみを表し、したがってその範囲を限定するものとみなされてはならない、ということを理解しながら、本発明は、添付図面の使用を通じて更に特定且つ詳細に記述され説明される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、エンティティの位置に基づくユーザーインターフェースの調整を容易化する例示的なコンピューターアーキテクチャーを示す。
図2図2は、エンティティの位置に基づくユーザーインターフェースの調整のための例示的な方法のフローチャートを示す。
図3図3は、エンティティの位置に基づくユーザーインターフェースの調整を容易化する例示的なコンピューターアーキテクチャーを示す。
図4A図4Aは、ユーザーインターフェースデータの縮小の例を示す。
図4B図4Bは、ユーザーインターフェースデータの拡大の例を示す。
図5図5は、近接度データをアプリケーションに供給するためのコンポーネントの例示的な構成を示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[0015] 本発明は、エンティティの位置に基づいてユーザーインターフェースを調整するための方法、システム、及びコンピュータープログラム製品にわたる。ユーザーインターフェースデータが、表示面における提示のために表示装置へ供給される。ユーザーインターフェースデータは、アプリケーションのユーザーインターフェースを表す。近接度データがアクセスされる。近接度データは、ユーザーインターフェースデータの提示の後に1又は複数のエンティティの位置が変化したことを表す。1又は複数のエンティティの位置の変化は、1又は複数のエンティティのそれぞれを表示装置に対して新たな位置に配置させる。
【0011】
[0016] 調整されたユーザーインターフェースデータが、近接度データに基づいてユーザーインターフェースのために構築される。調整されたユーザーインターフェースデータは、1又は複数のエンティティの表示装置に対する新たな位置に基づいて表示面に提示するのに相応しいものであると判定される。1又は複数のエンティティの位置の変化に応答して、表示面におけるユーザーインターフェースの提示を調整するために、調整されたユーザーインターフェースデータが表示装置へ供給される。
【0012】
[0017] 本発明の実施態様は、以下でより詳細に論じられるように、例えば1又は複数のプロセッサーとシステムメモリーなどのような、コンピューターハードウェアを含んだ専用若しくは汎用コンピューターを含み、又はそれらを利用することができる。本発明の範囲内にある実施態様はまた、コンピューター実行可能命令及び/又はデータ構造を伝搬又は格納するための、物理的なコンピューター読み取り可能媒体及び他のコンピューター読み取り可能媒体も含む。そのようなコンピューター読み取り可能媒体は、汎用又は専用コンピューターシステムによってアクセスされることのできる任意の利用可能な媒体であり得る。コンピューター実行可能命令を格納するコンピューター読み取り可能媒体は、コンピューター記憶媒体(装置)である。コンピューター実行可能命令を伝搬するコンピューター読み取り可能媒体は、伝送媒体である。このように、限定ではなく例として、本発明の実施態様は、少なくとも2つの明確に異なる種類のコンピューター読み取り可能媒体、即ちコンピューター記憶媒体(装置)及び伝送媒体を含むことが可能である。
【0013】
[0018] コンピューター記憶媒体(装置)は、RAM、ROM、EEPROM、CD−ROM若しくは他の光ディスク記憶装置、磁気ディスク記憶装置若しくは他の磁気記憶装置、又は、コンピューター実行可能命令若しくはデータ構造の形態による所望のプログラムコード手段を格納するのに使用可能であり、汎用若しくは専用コンピューターによってアクセス可能な任意の他の媒体を含む。
【0014】
[0019] 「ネットワーク」は、コンピューターシステム及び/又はモジュール及び/又は他の電子デバイス間で電子データの転送を可能にする1又は複数のデータリンクとして定義される。情報がネットワーク又は別の通信接続(有線、無線、又は有線若しくは無線の組み合わせの何れか)を介してコンピューターへ転送又は提供される時、当該コンピューターは、然るべく、その接続を伝送媒体として捉える。伝送媒体は、コンピューター実行可能命令若しくはデータ構造の形態による所望のプログラムコード手段を伝搬するのに使用可能であり、汎用若しくは専用コンピューターによってアクセス可能な、ネットワーク及び/又はデータリンクを含むことが可能である。上記の組み合わせも、コンピューター読み取り可能媒体の範囲内に含まれるべきである。
【0015】
[0020] 更に、様々なコンピューターシステムコンポーネントに到達すると、コンピューター実行可能命令又はデータ構造の形態によるプログラムコード手段は、伝送媒体からコンピューター記憶媒体(装置)へ(又はその反対に)自動的に転送されることが可能である。例えば、ネットワーク若しくはデータリンクを介して受信されたコンピューター実行可能命令又はデータ構造は、ネットワークインターフェースモジュール(例えば「NIC」)内のRAMにバッファリングされ、次いで最終的に、コンピューターシステムのRAM及び/又は揮発性のより低いコンピューターシステムのコンピューター記憶媒体(装置)へ転送されることが可能である。このように、コンピューター記憶媒体(装置)は、伝送媒体をも利用する(又は伝送媒体をまさに主として利用する)コンピューターシステムコンポーネントに含まれることが可能である、ということが理解されるべきである。
【0016】
[0021] コンピューター実行可能命令は、例えば、プロセッサーにおいて実行された場合に、汎用コンピューター、専用コンピューター、又は専用処理デバイスに、ある機能又はある一群の機能を実施させる命令及びデータを含む。コンピューター実行可能命令は、例えば、バイナリーデータ、アセンブリー言語などの中間フォーマット命令、又はソースコードであることすらあり得る。構造的な特徴及び/又は方法論的行為に特有の言い回しで本主題が説明されてきたが、添付された特許請求の範囲において定義される本主題は必ずしも上述された説明された特徴又は行為に限定されるものではない、ということは理解されなければならない。それどころか、当該説明された特徴及び行為は、特許請求の範囲を具体化する例示的な形として開示されているのである。
【0017】
[0022] 本発明は、パーソナルコンピューター、デスクトップコンピューター、ラップトップコンピューター、メッセージ処理装置、携帯型デバイス、マルチプロセッサーシステム、マイクロプロセッサーベースの又はプログラム可能な家庭用電子機器、ネットワークPC、ミニコンピューター、メインフレームコンピューター、携帯電話端末、PDA、ページャー、ルーター、スイッチ、デジタル標識、ビデオゲームコンソール等を含む多くの種類のコンピューターシステム構成によって、ネットワークコンピューティング環境において実践されることができる、ということを当業者は認識するだろう。本発明はまた、ネットワークを通じて(有線データ接続、無線データ接続、又は有線及び無線データ接続の組み合わせの何れかによって)接続されたローカル及びリモートのコンピューターシステムの両方がタスクを実施する、分散システム環境において実践されることもできる。分散システム環境では、プログラムモジュールは、ローカル及びリモート両方のメモリー記憶装置に配置されることができる。
【0018】
[0023] 本発明の実施態様は、アプリケーション(又はオペレーティングシステム)にエンティティの距離/近接度データを提供する。アプリケーションは、次いで、近接度データに基づいてコンテンツを適切に縮尺変更することが可能である。オペレーティングシステムは、距離/近接度認識ハードウェアセンサー(IR、レーダー、静電容量、カメラ、その他)のための距離/近接度ドライバーフレームワークを保有する。装置は、近接度フレームワークに入力を与える1又は複数のセンサーと一緒に出荷されることが可能である。あるセンサーは、固定位置(例えばデジタルサイネージ)に対してより相応しい場合がある。他のセンサーは、移動位置(ロボット工学/モバイル装置)に対してより相応しい場合がある。近接度フレームワークは、センサーデータから、距離/近接度/閲覧者数の計算を実施する。
【0019】
[0024] こうして、オペレーティングシステムの近接度フレームワークは、近接度データを実行中のアプリケーションに提供することが可能である。近接度データは、メッセージ、イベントとして、又は他のメカニズムを通じて公開されることが可能である。近接度データを公開しているメッセージ/イベントと共に縮尺データが提供されることが可能である。あるいはまた、アプリケーションが、近接度データに基づいて縮尺データを決定することが可能である。縮尺データは、純粋な距離(インチ/フィート/メートル)として、又は装置からの相対距離として、及び/又は、センサーが単一の距離点(1ユーザー)若しくは複数のユーザー(カメラ、レーダー)に関する入力を供給できるかどうかに基づくセンサー情報の配列として、提供/決定されることが可能である。アプリケーション内のUI要素の縮尺変更は、アプリケーションの種類/コンテンツに基づくことが可能である。例えば、あるアプリケーションは、ユーザー体験を縮尺変更しないことを選ぶことができ、他のアプリケーションは、この機能をアプリケーションUI(例えばデジタルサイネージ)のコア要素として実装することができる。
【0020】
[0025] 図1は、エンティティの位置に基づくユーザーインターフェースの調整を容易化する例示的なコンピューターアーキテクチャー100を示す。図1を参照すると、コンピューターアーキテクチャー100は、コンピューターシステム101と外部センサー112を含む。コンピューターシステム101と外部センサー112のそれぞれは、例えばローカルエリアネットワーク(「LAN」)、ワイドエリアネットワーク(「WAN」)、更にはインターネットといったようなネットワークを介して相互に接続されている(又はその一部分である)。したがって、コンピューターシステム101及び外部センサー112のみならず、任意の他の接続されたコンピューターシステムとそのコンポーネントは、メッセージ関連データを生成し、ネットワークを介してメッセージ関連データ(例えば、インターネットプロトコル(「IP」)データグラム、及びIPデータグラムを利用する他のより上位レイヤーのプロトコル、例えばトランスミッションコントロールプロトコル(「TCP」)、ハイパーテキストトランスファープロトコル(「HTTP」)、シンプルメールトランスファープロトコル(「SMTP」)等)を交換することが可能である。
【0021】
[0026] 図示されているように、コンピューターシステム101は、近接度フレームワーク102と、アプリケーション103と、表示装置107と、内部センサー111とを含む。近接度フレームワーク102は、(例えば内部センサー111及び/又は外部センサー112のうちの1又は複数のセンサーから)センサー出力を受け取るように構成されている。センサー出力から、近接度フレームワーク102は、1又は複数のエンティティ(例えば、1又は複数の人、1又は複数の車両、1又は複数の他の物体等、又はそれらの組み合わせ)についての近接度データを構築することが可能である。近接度データは、表示装置107に対する当該1又は複数のエンティティの角度及び/又は位置を表すことが可能である。近接度フレームワーク102は、利用可能な近接度データをアプリケーション(例えばアプリケーション103)に公開することが可能である。近接度データは、メッセージ、イベントの形で、又は他のメカニズムを通じて公開されることが可能である。
【0022】
[0027] 内部センサー111及び外部センサー112は、限定ではないが、赤外(「IR」)センサー、レーダー、静電容量センサー、カメラ、全地球測位システム(「GPS」)センサー、超音波センサー、レーザーセンサー、及び光検知測距(「LIDAR」)センサーを含む、任意の数の様々な種類のセンサーを含むことが可能である。内部センサー111は、コンピューターシステム101のところに、又は、更にはコンピューターシステム101の内部に、物理的に配置されることが可能である。例えば、コンピューターシステム101は、表示面108の近傍の方向を向いたカメラを有することが可能である。外部センサー112は、コンピューターシステム101からある距離だけ離れて物理的に配置されることが可能である。例えば、GPSセンサーが、表示面108の前を通り過ぎる車両の内部に配置されることが可能である。
【0023】
[0028] 図示されているように、アプリケーション103は、UI提示モジュール104とUI調整モジュール106を含む。概して言えば、UI提示モジュール104は、ユーザーインターフェースデータを、表示面108上に表示するために表示装置107へ送るように構成されている。UI調整モジュール106は、現在のユーザーインターフェースデータにアクセスすると共に、近接度フレームワーク102からの近接度データにアクセスすることが可能である。現在のユーザーインターフェースデータ及び近接度データから、UI調整モジュール106は、表示面108に提示するその後のユーザーインターフェースデータをどのように適切に調整するかを決定することが可能である。例えば、UI調整モジュール106は、アクセスされた近接度データに基づいて、表示面108に提示されるユーザーインターフェースデータの縮尺、内容、及びタイミングのうちの1又は複数を調整することが可能である。
【0024】
[0029] 表示装置107は、コンピューターモニター、テレビ、若しくはデジタル標識などの汎用又は専用表示装置であり得る。表示装置107は、コンピューターシステム101に物理的に統合されることが可能であり、又は、外部接続(例えば映像ケーブル)を通じてコンピューターシステム101に接続されることが可能である。ユーザーインターフェースデータは、例えば、コンピューターモニターの画面、テレビの画面、デジタル標識の画面などの表示面108に提示される。表示面108は、表示装置107及び/又はコンピューターシステム101の他のコンポーネントに対して特定方向に向けられることが可能である。
【0025】
[0030] いくつかの実施態様では、表示面108はまた、特定表示エリアを有することも可能である。この特定表示エリアは、提示されたUIデータが人に認知可能である表示面108からの距離範囲及び/又は角度範囲を表すことが可能である。特定表示エリアの中では、提示されたUIデータをエンティティが位置を変えるにつれて調整するように、近接度データが用いられることが可能である。表示面108の特定表示エリア内にエンティティが存在しない場合、表示面108におけるUIデータの提示を停止するように、UIの調整が用いられることが可能である。
【0026】
[0031] 図2は、エンティティの位置に基づくユーザーインターフェースの調整のための例示的な方法200のフローチャートを示す。方法200は、コンピューターアーキテクチャー100のコンポーネント及びデータに関して説明される。
【0027】
[0032] 方法200は、アプリケーションのユーザーインターフェースを表すユーザーインターフェースデータを表示面に提示する動作を含む(動作201)。エンティティ121(例えば人又は車両)は、表示装置107に関して相対位置131に存在することが可能である。エンティティ121が相対位置131に存在する時に、UI提示モジュール104は、UIデータ141を表示装置107へ送ることが可能である。表示装置107は、UIデータ141(アプリケーション103のユーザーインターフェース)を表示面108に表示することが可能である。
【0028】
[0033] UI提示モジュール104はまた、UIデータ141をUI調整モジュール106へも送ることが可能である。
[0034] UIデータ141の提示の後、エンティティ121は、(例えば歩行による移動又は車両による移動に伴って)位置の変化122を経験することが可能である。位置の変化122によって、エンティティ121は、表示装置107に関して相対位置132に存在することになる。位置の変化122は、相対位置131からの距離及び/又は角度の変化であり得る。内部センサー111及び/又は外部センサー112のうちの1又は複数のセンサーは、位置の変化122、及び/又はエンティティ121が相対位置132に存在することを検出することが可能である。当該1又は複数のセンサーは、センサー出力を近接度フレームワーク102へ供給することが可能である。このセンサー出力から、近接度フレームワーク102は、近接度データ142を構築することが可能である。
【0029】
[0035] 方法200は、ユーザーインターフェースデータの提示の後に1又は複数のエンティティの位置が変化したことを表す近接度データにアクセスする動作を含み、当該1又は複数のエンティティの位置の変化は、当該1又は複数のエンティティのそれぞれを表示装置に対して新たな位置に配置させる(動作202)。例えば、UI調整モジュール106は、近接度データ142にアクセスすることが可能である。近接度データ142は、UIデータ141の提示の後にエンティティ121が相対位置131から相対位置132へ移動したことを、UI調整モジュール106に示す。
【0030】
[0036] 方法200は、近接度データに基づいてアプリケーションのためにユーザーインターフェースデータの更新を構築する動作を含み、ユーザーインターフェースデータの更新は、1又は複数のエンティティの表示装置に対する新たな位置に基づいて表示面に提示するのに相応しいものである(動作203)。例えば、UI調整モジュール106は、UIデータ141をどのように調整するか(例えば、縮尺を変更する、コンテンツを追加する、コンテンツを除去する、一時停止する等)をUI提示モジュール104に示すことが可能である。UIデータ141をどのように調整するかの指示から、UI提示モジュール104は、調整されたUIデータ143を構築することが可能である。調整されたUIデータ143は、相対位置132に存在しているエンティティ121に基づいて表示面108に提示するのに相応しいものとなることが可能である。
【0031】
[0037] 図示されているように、エンティティ121は、位置の変化122の後に幾分表示装置107に近付いている。それ故、UIデータ141に対する相応しい調整は、UIデータ141のサイズを縮小することであり得る。即ち、エンティティ121は今や表示装置107に近付いているので、エンティティ121は、より小さい縮尺で提示されたUIデータを認知することが可能である。UIデータをより小さい縮尺で提示することの副作用は、より多くのUIデータが提示可能であることである。即ち、UIデータをより小さい縮尺で提示することで、表示面108にスペースが空く。このように、調整されたUIデータ143は、UIデータ141をより小さい縮尺で提示するように構成されることが可能である。
【0032】
[0038] 空いたスペースは、表示面108に既に提示されているよりも多くのものを提示するのに用いられることが可能である。例えば、もしUIデータ141が文章の段落の一部分であるなら、その段落のより多く及びできる限り全てが提示されることが可能である。このように、調整されたUIデータ143は、より小さい縮尺でより多くのUIデータ141を提示するように構成されることも可能である。あるいはまた、空いたスペースは、異なる及び/又は追加のコンテンツを表示面108に提示するのに用いられることが可能である。例えば、既に提示された文章の中に図形を含ませることが可能である。このように、調整されたUIデータ143は、UIデータ141を補うための他のUIデータ要素を提示するように構成されることも可能である。
【0033】
[0039] あるいはまた、もしエンティティ121が表示装置107からより遠くへ移動したなら、UIデータ141に対する相応しい調整は、UIデータ141のサイズを拡大することであり得る。即ち、エンティティ121は今や表示装置107からより遠くにあるので、エンティティ121は、前に用いられた縮尺で提示されているUIデータをもう認知することができない。UIデータをより大きい縮尺で提示することの副作用は、より少ないUIデータしか提示可能でないことである。即ち、UIデータをより大きい縮尺で提示する場合、提示された各要素は、表示面108でより多くのスペースを消費する。このように、調整されたUIデータ143は、UIデータ141の一部分をより大きい縮尺で提示するように構成されることが可能である。これに代えて、又は組み合わせて、調整されたUIデータ143は、他の前のUIデータ要素(例えば図形)を除去するように構成されることが可能である。
【0034】
[0040] UI提示モジュール104は、調整されたUIデータ143を表示装置107へ送ることが可能である。
[0041] 方法200は、1又は複数のエンティティの位置の変化に応答して、ユーザーインターフェースを更新するためにユーザーインターフェースデータの更新を表示面に提示する動作を含む(動作204)。例えば、表示装置107は、位置の変化122に応答して、アプリケーション103のユーザーインターフェースを更新するために表示面108に調整されたUIデータ143を提示することが可能である。図示されているように、調整されたUIデータ143に対しては、UIデータ141に対してよりも多くの文章が表示される。エンティティ121は位置の変化122の後に幾分表示装置107に近付いているので、エンティティ121は、UIデータをより小さい縮尺で認知できる可能性がより高い。
【0035】
[0042] 複数のエンティティが表示面に対する表示エリア内に存在する場合、UIデータを縮尺変更するのに、最も遠いエンティティの距離が用いられることが可能であり、最も近いエンティティの距離が用いられることが可能であり、又は平均化(例えば平均化モデル)が用いられることが可能である。平均化を用いると、UIデータは、どの1つのエンティティに対しても最適に縮尺変更されることができないが、複数のエンティティに対しては十分に縮尺変更されることが可能である。例えば、エンティティ151(例えば、人、車両、又は他の物体)は、表示装置107に関して相対位置152に存在することが可能である。相対位置132においてエンティティ121を検出することに加えて、内部センサー111及び/又は外部センサー112のうちの1又は複数のセンサーは、エンティティ151が相対位置152に存在することを検出することも可能である。当該1又は複数のセンサーは、エンティティ121及びエンティティ151の両方についてのセンサー出力を近接度フレームワーク102へ供給することが可能である。エンティティ121及びエンティティ151の両方についてのセンサー出力から、近接度フレームワーク102は、近接度データ142を構築することが可能である。
【0036】
[0043] UI調整モジュール106は、近接度データ142にアクセスすることが可能である。近接度データ142は、UIデータ141の提示の後にエンティティ121が相対位置132に存在し、エンティティ151が相対位置152に存在することを、UI調整モジュール106に示す。UI調整モジュール106は、相対位置132及び152によって表される距離を平均化して、UI調整を構築するのに用いるための距離を決定することが可能である。UI調整モジュール106は、この平均化距離に基づいてUIデータ141をどのように調整するか(例えば、縮尺を変更する、コンテンツを追加する、コンテンツを除去する、一時停止する等)をUI提示モジュール104に示すことが可能である。UIデータ141をどのように調整するかの指示から、UI提示モジュール104は、調整されたUIデータ143を構築することが可能である。調整されたUIデータ143は、相対位置132に存在しているエンティティ121及び位置152に存在しているエンティティ151に基づいて表示面108に提示するのに相応しい(必ずしも、どの1つのエンティティに対しても最適ではないが)ものとなることが可能である。
【0037】
[0044] 例えば、エンティティ121は表示装置108から10フィートに存在し、エンティティ151は表示装置108から20フィートに存在するかもしれない。それ故に、UI調整モジュール106は、UIデータが15フィート(即ち(10+20)/2)に存在するエンティティに対して縮尺変更されるべきであることを示すことが可能である。エンティティ121又はエンティティ151のいずれに対しても最適ではないが、15フィートに存在するエンティティに対して縮尺変更することによって、エンティティ121及び151の両方が、調整されたUIデータ143を適切に認知することを可能にすることができる。
【0038】
[0045] 図3は、エンティティの位置に基づくユーザーインターフェースの調整を容易化する例示的なコンピューターアーキテクチャー300を示す。図3を参照すると、コンピューターアーキテクチャー300は、デジタル標識301と、近接度フレームワーク302と、センサー311を含む。デジタル標識301、近接度フレームワーク302、及びセンサー311のそれぞれは、例えばローカルエリアネットワーク(「LAN」)、ワイドエリアネットワーク(「WAN」)、更にはインターネットといったようなネットワークを介して相互に接続されている(又はその一部分である)。したがって、デジタル標識301、近接度フレームワーク302、及びセンサー311のみならず、任意の他の接続されたコンピューターシステムとそのコンポーネントは、メッセージ関連データを生成し、ネットワークを介してメッセージ関連データ(例えば、インターネットプロトコル(「IP」)データグラム、及びIPデータグラムを利用する他のより上位レイヤーのプロトコル、例えばトランスミッションコントロールプロトコル(「TCP」)、ハイパーテキストトランスファープロトコル(「HTTP」)、シンプルメールトランスファープロトコル(「SMTP」)等)を交換することが可能である。
【0039】
[0046] アプリケーション303は、タイマー間隔に基づいて表示面308(例えば広告掲示板サイズのデジタルスクリーン)上で多数の広告の提示をループ(循環)する広告アプリケーションであり得る。タイマー間隔は、当該多数の広告のそれぞれがある特定の時間期間の間表示面308に提示されるように、設定されることが可能である。
【0040】
[0047] 道路309上の車両が表示面308に接近することが可能である。例えば、図示されているように、車両321、331、及び341が表示面308に接近中である。センサー311のうちの1又は複数が、車両321、331、及び341の接近を検出し、車両321、331、及び341のそれぞれについてのセンサー出力を近接度フレームワーク302へ供給することが可能である。このセンサー出力から、近接度フレームワーク302は、車両321、331、及び341に対する近接度データを構築することが可能である。近接度データから、UI調整モジュール306は、表示面における広告の提示をどのように調整するかを決定することが可能である。次いで、UI提示モジュール104は、調整されたUIデータを提示することが可能である。
【0041】
[0048] いくつかの実施態様では、受け取られた近接度データに基づいて、UI調整モジュール306は、車両321、331、及び341のうちの1又は複数が、現在提示されている広告を完全に読み取るのに十分な時間を有しなかったと判定する。これに応答して、UI調整モジュール306は、(たとえもう次の広告の時間であるとタイマー間隔が示しているとしても、)現在提示されている広告を読み取る追加時間を車両321、331、及び341に与えるために、ループが一時停止される(これにより上記特定の時間期間を延長する)べきであることを決定することが可能である。これに代えて、又は組み合わせて、車両321、331、及び341が表示面308へ近付くにつれて、表示面308に提示されるコンテンツが、より多くのコンテキストを提供するように縮小されることが可能である。
【0042】
[0049] いくつかの実施態様では、UI調整モジュール306は、距離322、332、及び342に基づいてUIデータをどのように縮尺変更するかを決定するための平均化モデルを使用する。他の実施態様では、調整モジュール306は、距離322(最も近い車両の距離)に基づいてUIデータをどのように縮尺変更するかを決定することが可能である。更なる実施態様では、調整モジュール306は、距離342(最も遠い車両の距離)に基づいてUIデータをどのように縮尺変更するかを決定することが可能である。ある特定の距離内に表示面308へ接近する車両が存在しない場合、UI調整モジュール306は、表示面308が非アクティブになるべきであることを決定することが可能である。
【0043】
[0050] 図4Aは、ユーザーインターフェースデータの縮小の例を示す。図示されているように、UI401からUI402へ縮小する場合、更なる文章が追加されると共にワシントン記念塔の実際の写真が含まれることが可能である。図4Bは、ユーザーインターフェースデータの拡大の例を示す。図示されているように、UI411からUI412へ拡大する場合、コルベットの写真が除去され、文章が要約される。
【0044】
[0051] 図5は、近接度データをアプリケーションに供給するためのコンポーネント500の例示的な構成を示す。図示されているように、ハードウェア501は、前述されたセンサーのいずれかを含む1又は複数のセンサーを含むことが可能である。センサーは、USB、シリアル、イーサーネット(登録商標)、(例えば自動車ネットワークからの)外部バス、及びICを含む、様々なメカニズムのいずれかを用いてカーネル502(例えばオペレーティングシステムカーネル)に接続されることが可能である。ハードウェア501内のセンサーは、センサー出力をカーネル502へ送ることが可能である。
【0045】
[0052] ドライバー503A、503B、503C、及び503Dは、ハードウェア501内のベンダー固有センサーと相互動作するのに用いられるベンダー固有ドライバーであり得る。ドライバー503Aは、クラウドサービス507と対話して、ハードウェア506からセンサー入力を取得する。全てのドライバーは、出力を近接度フレームワーク504へ与えることが可能である。近接度フレームワーク504は、ドライバー出力から近接度データ542を構築することが可能である。その後、近接度データ542はアプリケーション508A、508B、及び508Cに利用可能となり、これらのアプリケーションは、近接度データ542を用いてUIデータに対する調整を行うことが可能である。
【0046】
[0053] アプリケーションは、様々な方法で近接度データにアクセスすることが可能である。いくつかの実施態様では、アプリケーションは、(例えば照会APIを用いて)近接度フレームワーク504に近接度データを照会する。他の実施態様では、近接度フレームワーク504が、構築後の近接度データをあらゆる既知のアプリケーションに通知する。更なる実施態様では、近接度データは、パブリッシュ/サブスクライブ(「pub/sub」)メカニズムを用いて提供される。アプリケーションは、関心のある近接度データに登録する。関心のある近接度データが変化した場合、近接度フレームワーク504が、登録されたアプリケーションに当該変化を通知する。
【0047】
[0054] 本発明は、その趣旨又は本質的特徴から逸脱することなく他の特定の形態で具現化されることができる。説明された実施態様は、あらゆる点において例示的で非限定的なものとしてのみ見做されなければならない。したがって、本発明の範囲は、前述の説明によってではなく、添付された特許請求の範囲によって示される。特許請求の範囲の均等の意義及び射程の中に入るあらゆる変更は、それらの範囲内に包含されなければならない。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5