【文献】
矢島 竜児,トレンド 顧客接点は「停まってはいけない組織」センターを維持する”BCP”の策定ポイント,Computer TELEPHONY,日本,株式会社リックテレコム,2009年 7月20日,第12巻 第8号,26頁-27頁
【文献】
小林 秀雄,新人M男の営業日誌 最新製品/サービス用語解説 ITIL(ITインフラ・ライブラリ),日経システムプロバイダ,日本,日経BP社,2002年 5月10日,第151号
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
該災害復旧状態を感知することに応答してアラート通知を送信するステップを更に含む請求項1に記載の方法であって、該トリガーは、該アラート通知に応答したユーザー入力に応答して受信される方法。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本発明は、一般に災害復旧システム及び方法に関する。本システムは、本明細書においてメディア資源と呼ばれる、メディア資産を記憶するためのクラウドストレージ資源と非ストレージ資源とを含む、複数のクラウド資源を利用するクラウドコンピューティングシステムにおけるサービスとして実行されてもよい。メディア資源は、ディジタル・メディア・サプライ・チェーンにおいて動作することがある任意のクラウドコンピューティング資源(例えば、ハードウェア及び/又はソフトウェア)を含んでいてもよい。クラウドコンピューティング環境において、メディア資源は、シン・プロビジョニングされ、災害復旧状態に該当する1つ又は複数の障害発生資源を感知することに応答して、クライアントのメディアシステムにインテリジェントに割り当てられてもよい。地理的に分散した複数の同時災害は極めて起こりそうにないので、クラウド内のメディア資源のシン・プロビジョニングは、同一の又は異なる地理的位置に所在する複数のクライアントに単一の物理資源が売却されることを可能とする。
【0008】
メディア資源は、例えば資産のメタデータから判定されるように、メディア資産を把握することに基づいて、インテリジェントに割り当てられてもよい。例えば、所定のメディア資産に対するルールは、その所定のメディア資産について関連のメタデータから確定され得るメディア資産のタイプを把握することに基づいて選択されてもよい。更に、受信メディア資産は、データ復旧のために、例えば低下したデータレートへトランスコードされるように、修正されてもよい。修正された資産は、備えられたメモリ資源への記憶のために、又は、リアルタイム・プレイアウトのために、クラウドに配信されてもよい。クラウドストレージ資源は、各
契約者のサービスレベルにしたがって契約者のためにメディア資産を記憶するように十分供給されてもよい。
【0009】
当該技術における当業者によって理解されるように、本発明の部分は、方法、データ処理システム、又はコンピュータプログラム製品として実施されてもよい。したがって、本発明のこれら部分は、全てハードウェアの実施形態、全てソフトウェアの実施形態、又はソフトウェアとハードウェアとを組み合わせた実施形態の形を取ってもよい。更に、本発明の部分は、媒体上にコンピュータで読取り可能なプログラムコードを有する、コンピュータで使用可能なストレージ媒体に記憶されたコンピュータプログラム製品でもよい。任意の適切なコンピュータで読取り可能な媒体は、静的及び動的ストレージデバイス、ハードディスク、光学ストレージデバイス、並びに磁気ストレージデバイスを含んで利用されてもよい。
【0010】
本発明の特定の実施形態は、本明細書において、方法、システム、及びコンピュータプログラム製品のフローチャート図を参照しつつ記述されている。図のブロック及び図中のブロックの組合せは、コンピュータで実行可能な命令によって実行されてもよいことが理解される。これらのコンピュータで実行可能な命令は、機械を生産するために、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、又は他のプログラム可能なデータ処理装置(つまり、デバイスと回路との組合せ)に属する1つ又は複数のプロセッサに与えられて、プロセッサを介して実行する命令が、ブロック又はブロック群において特定された機能を実行するようにしてもよい。
【0011】
また、コンピュータ又は他のプログラム可能なデータ処理装置を固有の方法で機能するように指図することができるこれらのコンピュータで実行可能な命令は、コンピュータで読取り可能なメモリに記憶されて、コンピュータで読取り可能なメモリに記憶された命令が、フローチャートブロック又はブロック群において特定された機能を実行する命令を含む製品をもたらすようにしてもよい。また、コンピュータプログラム命令は、コンピュータ又は他のプログラム可能なデータ処理装置にロードされて、コンピュータ又は他のプログラム可能な装置上で実行されるべき一連の動作ステップをもたらし、コンピュータで実行されるプロセスを生成して、コンピュータ又は他のプログラム可能な装置上で実行する命令が、フローチャートブロック又はブロック群において特定された機能を実行するためのステップを提供するようにしてもよい。
【0012】
図1に移ると、例示的な災害復旧システム10は、本明細書においてグラウド12とも呼ばれるクラウドコンピューティング環境において実装されている。複数のメディア資源14は、クラウド12内で実装され、資源1ないし資源Nとして示される。ここでNは正の整数である。資源14は、例えば一次メディアシステム16に属するディジタル・メディア・サプライ・チェーンの部分として実行される任意の又は全てのオペレーションのように、リアルタイム放送オペレーションを実行するように構成されたソフトウェア、ハードウェア、又はハードウェアとソフトウェアとの組合せを含んでいてもよい。本明細書で使用されるように、用語「一次メディアシステム」は、所定のメディアプロバイダのためのディジタル・メディア・サプライ・チェーン(例えば、制作から伝送まで)の1つ又は複数の部分として動作するように構成された一連のアクティブな(及び場合により何らかのバックアップ)資源を言う。したがって、例として、メディア資源14は、アップリンク、ダウンリンク、トラフィック及び課金システム、広告挿入、ディジタル資産管理システム、メディア配信、プレイアウト・オートメーション、コンティンジェンシー(例えばバックアップ)メディア資産などを含むことができる。また、クラウド12は、任意の数の1つ又は複数のこのようなメディアシステム16のためのメディアを保持するべく、S_1ないしS_Mとして示されるクラウドストレージ資源17を含む。ここでMは資源の数量を指す正の整数である。
【0013】
更なる例として、メディア資源14の幾つかは、災害復旧状態の際にクラウド資源14への切替えを容易にするべく、一次メディアシステム16の正常オペレーションの間、アクティブであるように設定されてもよい。あるいは、資源は、スタンバイモードで動作するように設定され、監視及び復旧プロセス22が災害復旧状態を感知することに応答して作動されてもよい。
【0014】
正常(例えば非災害)オペレーション状態の間、1つ又は複数のコンテンツソース18は、例えば地上リンク(例えば光ファイバ)や無線リンク(例えば衛星)を介して、メディア資産を一次メディアシステム16に供給することができる。所定のメディア資産のソース及び場所は、例えばディジタル資産管理システムやオートメーションシステム(図示せず)のような、一次メディアシステム16の部分として実行される資源によって識別されてもよい。一次メディアシステム16は、そのような資産のためのスケジューリング及びオートメーションに応じて、メディア資産の対応するメディア・プレイアウトを提供することができる。メディア資産の固有の経路及び処理は、一次メディアシステム16によって実行されるワークフロー及びディジタル・メディア・サプライ・チェーンに応じて変わる。
【0015】
また、メディア資産は、コンテンツ・インテーク・モジュール20に供給されてもよい。かかる供給は、一次メディアシステム16に資産を提供するために用いられるのと同様でもよいし、あるいは、異なる供給が利用されてもよい。コンテンツ・インテーク・モジュール20は、例えばディジタル資産管理システムへのアプリケーション・インターフェイスを介して、一次メディアシステム16の該当する資源から供給場所データを取得してもよい。コンテンツ・インテーク・モジュール20は、メディア資産をクラウド12にリアルタイムで配信し、メディア資産は、資産のタイプに応じて、タイムシフト再生のためにクラウドストレージ資源17に記憶されてもよいし、リアルタイム・プレイアウトのために利用可能とされてもよい。したがって、コンテンツ・インテーク・モジュール20は、クラウドストレージ資源17をリアルタイムで連続的に供給する。利用可能なストレージ資源17の全プールは、(例えば
契約レベルによって規定された)ストレージ要件に応じて、それぞれのメディアプロバイダ16に供給されてもよい。例えば、インテーク・モジュール20は、コンティンジェンシーオペレーションのためのメディア資産の記憶のために、各プロバイダ16に対するストレージ資源17の割当てを制御することができる。また、インテーク・モジュール20は、記憶されたコンテンツの期間満了後に(例えばプレイアウトの後に、又は記憶時間に基づいて)、割り当てられた資源をプールに解放することができる。
【0016】
また、コンテンツ・インテーク・モジュール20は、データ資産を別の状態に修正するとともに、修正されたデータを割り当てられたストレージ資源17に記録することができる。例えば、コンテンツ・インテーク・モジュール20は、資産のメディアコンテンツを低下した災害復旧データレートへトランスコードするように構成されていてもよい。低下した災害復旧データレートは、クラウドストレージ資源要件を緩和するとともに、クラウド12における資源14のシン・プロビジョニングを容易にする。
【0017】
更なる例として、メディア資源14のシン・プロビジョニングは、適切な資源が
契約メディアプロバイダにとって利用可能であり続けることを、統計的に十分なレベル(例えば、予測される利用レベルの2標準偏差)に確保するように実行されてもよい。このことは、
契約メディアプロバイダのそれぞれに対して、クラウド12における一連の資源を仮想化することによって行われてもよい(すなわち、複数の異なる一次メディアシステム16があり得る)。このように、それぞれの
契約メディアプロバイダは、そのメディア・サプライ・チェーンの各側面に対する災害復旧を可能にするのに十分なクラウド12中の仮想資源を提供されるものの、災害復旧状態における実際の物理資源のオンデマンド割当ては、複数の
契約プロバイダの間で共有されることがある。
【0018】
監視及び復旧プロセス22は、一次メディアシステム16の動作を監視するとともに、災害復旧状態の発生を感知するようにプログラムされてもよい。災害復旧状態は、例えば天災又は人災による、一次メディアシステム16内の1つ又は複数の資源の障害に対応してもよい。かかる障害は、メディア・プレイアウトを含むリアルタイム放送オペレーションの即時停止をもたらしかねない。あるいは、かかる障害は、一次メディアシステムからのタイムシフトされた後続のメディア・プレイアウトを妨げるものとして、ワークフローにおける上流で発生するかもしれない。複数の資源が災害復旧状態において障害を生ずる例では、それら資源は、そのサプライチェーンのワークフローにおいて、隣接する又は隔てられた資源に該当し得る。
【0019】
また、災害復旧状態を感知することに応答して、監視及び復旧プロセス22は、一次メディアシステム16へ配信されている受信メディア資産に基づいて、選択されたクラウドコンピューティング資源14をインテリジェントに管理することができる。インテリジェントな管理は、一次メディアシステム16についてリアルタイム放送オペレーションを維持するために十分な相応のメディア資源14を準備することと、このようなメディア資源を割り当てることと、を含んでいてもよい。このことは、物理資源のマッピングを含んでもよく、例えばクラウド12内のノードとして実行されてもよい。また、このことは、クラウド12内の資源14を利用するべく、ソフトウェアアプリケーションをインスタンス化することと、ワークフローをリダイレクトすることと、を含んでいてもよい。所定の災害復旧状態のために利用される資源14は、全メディア・サプライ・チェーンのための資源に相当してもよいし、その一部分に相当してもよい。一例として、監視及び復旧プロセス22は、メディア・サプライ・チェーンのオートメーション機能と資産管理機能とを割り当てることができる。所定のメディアシステムに対してクラウドコンピューティング資源14が割り当てられているとき、割り当てられた資源は、決定的性能を発揮するために、その所定のメディアシステムのための災害復旧プロセスにのみ用いられる。
【0020】
また、システム10は、切替えコントロール24を含んでいてもよく、切替えコントロールは、割り当てられた資源14を、一次メディアシステム16のメディア・サプライ・チェーンにおけるリアルタイムオペレーションに接続する(例えば起動する)ようにプログラムされている。一例では、切替えコントロールは、トリガーに応答して切替えを実行することができる。トリガーは、切替えが進行すべきことを手動で確認する、例えば許可されたユーザー(例えばスーパーバイザ)による、ユーザー入力に応答して供給されてもよい。代替的な例として、確認のルール及び/又は他の自動化された方法は、実際の災害復旧状態の存在を確認するために実行されてもよい。
【0021】
したがって、トリガーに応答して、切替えコントロール24は、監視及び復旧プロセス22を介して割り当てられている資源14への切替えを実行することができる。切替えコントロール24は、一次メディアシステム16のうち障害を生じた部分を取り替えるために、割り当てられた資源14を利用することができる。例えば、割り当てられた資源14は、(例えばユニフォーム・リソース・ロケータ(URL)を介して)クラウド内のノードとしてマッピングされてもよく、また、その関連する方法及び機能は、相応のAPIを介してアクセスされてもよい。一次メディアシステム内の機能的資源は、クラウド内の選択された資源を利用するように命令されてもよく、クラウド資源は、障害の生じていない一次メディアシステムにおけるオペレーションと連絡するように、同様に命令されてもよい。メディア・サプライ・チェーンがクラウド資源の使用によって回復されれば、リアルタイム・メディア・ワークフロー・オペレーションは再開できる。一次メディアシステム16への適切な修復が行われた後、切替えコントロール20は、資源14をクラウド12に解放して、その資源が他の災害復旧オペレーションのために利用可能であるようにしてもよい。
【0022】
図2は、災害復旧システム(例えば、
図1のシステム10)において実行され得る監視及び復旧プロセス50の一例を示す。監視及び復旧プロセス50は、一次メディアシステムのオペレーションを監視するとともに災害復旧状態を感知するようにプログラムされたモニタ機能52を含んでいてもよい。監視及び復旧プロセス50は、ローカルエリアネットワークやワイドエリアネットワーク(例えば、インターネット)などのネットワークを通じて、及び/又は直接接続によって直接的に、一次メディアシステムと連絡してもよい。
【0023】
モニタ機能52は、一次メディアシステムを形成するメディア・サプライ・チェーンに属する様々な箇所で情報にアクセスして取得するべく、1つ又は複数のインターフェイス54を含んでいてもよい。例えば、インターフェイス54は、障害と同時にメディア資産のプレイアウトを危うくし得る、一次メディアシステムにおいて動いている各アプリケーションプログラムのオペレーション・パラメータ(例えば診断情報)を取得するようにプログラムされたAPIを含んでいてもよい。オペレーション・パラメータは、継続的に又は周期的に取得され、ローカルメモリに記憶されてもよい。災害状態に対応する特定タイプの障害では、インターフェイスは、メディア・サプライ・チェーンにおける1つ又は複数の箇所からオペレーション・パラメータを全く取得できないことがある。また、インターフェイス54がメディア・サプライ・チェーンにおけるオペレーション情報を受信できないことや、そうでない場合でも(例えば、そのようなオペレーションによる応答がないことによって)オペレーションにアクセスできないことは、監視及び復旧プロセス50による評価のためにローカルメモリに記憶されてもよい。
【0024】
また、監視及び復旧プロセス50は、モニタ52によって取得されたオペレーション・パラメータに基づいて災害復旧状態の発生を感知するようにプログラムされた災害ディテクタ56を含む。災害ディテクタ56は、例えば、一次メディアシステムオペレーションのために取得されたオペレーション・パラメータ情報を集約し、災害復旧状態が存在するかどうかを判定するようにプログラムされた災害メトリクスを利用することができる。
【0025】
一例として、災害ディテクタ56は、取得されたオペレーション・パラメータを、予めプログラムされた予測(例えば正常)オペレーション・パラメータと比較することができる。災害ディテクタ56は、感知された障害が災害復旧を要するほど十分に重大であることを確保するべく、所定のメトリクスを利用して取得済みパラメータを評価することができる。このことは、少なくとも所定の期間、メディア・サプライ・チェーンにおけるミッションクリティカルな箇所からオペレーション・パラメータを取得しないことを含んでいてもよい。例えば、もしインターフェイスが、事業オペレーションのためのオペレーション・パラメータ、及び/又は過去に利用可能であったメディアを取得できなくなれば、災害ディテクタ56は、そのような事業オペレーションに対する障害を推測することができる。代替的に又は追加的に、メディア・サプライ・チェーンにおける所定のオペレーションは、それ自体、機能的であってもよいが、その予測される命令もメディア資産もサプライチェーンの別部分から受信することはない。サプライチェーンにおける1つ又は複数のオペレーションの断続的な障害は、好ましくは、災害状況に該当しない。したがって、災害メトリクスもまた、取得されたオペレーション・パラメータが、少なくとも所定の期間、予測オペレーション・パラメータの外であったかどうかを分析することができる。したがって、災害ディテクタ56は、オペレーション・パラメータを経時的に評価して、災害復旧状態が存在するかどうかを確かめることができる。
【0026】
アラートジェネレータ58は、災害復旧状態の発生を(例えば、災害ディテクタ56によって)判定することに応答して、1つ又は複数のアラートを供給するようにプログラムされてもよい。一例では、アラートは、メッセージングシステム(例えば、電子メール、テキストメッセージ、電話呼出しなど)を使用する、1人又は複数の予め特定された個人に送信されてもよい。別の例では、アラート通知は、災害復旧サービスが該当のクラウド資源への切替えを実行できるように、例えばユーザー入力の形で、1人又は複数の許可された者から応答を要求することができる。応答は多くの方法で実行されてもよい。一例として、アラートジェネレータ58は、電子メール又は他のメッセージング技術によって、許可されたユーザー(群)にアラートメッセージを送信することができる。(例えば、モニタ52によって取得されたオペレーション情報から得られた)1つ又は複数の障害の記述を与えることに加えて、メッセージは、災害復旧クラウドへの切替えが起こるべきかを確認するべく、許可フォームへのリンクを含んでいてもよい。また、幾つかの例では、許可されたユーザーは、災害復旧オペレーションの一部分として実行されることがある1つ又は複数のクラウドベース資源を制御するためのパラメータを設定したり確認したりすることができる場合がある。また、ユーザーは、災害復旧が実行されないようにすることを選ぶことができる。(例えば、災害復旧を許可したり阻止したりするための)応答は、災害復旧記録の一部分としてメモリに記憶されてもよい。
【0027】
また、監視及び復旧プロセス50は、選択されたメタデータを受信メディア資産から取得するようにプログラムされたメタデータ・エクストラクタ60を含んでいてもよい。選択されたメタデータは、資産のタイプを記述する1つ又は複数の選択されたメタデータフィールドに対応してもよい。メタデータは、受信メディア資産から直接取得されてもよいし、あるいは、例えばディジタル資産管理、トラフィック、オートメーション、及びコンテンツ配信システムからのように、メディア・サプライ・チェーンにおける別オペレーションから取得されてもよい。
【0028】
一例では、インターフェイス54は、メタデータ・エクストラクタ60がメディア資産のための十分なメタデータを取得することを可能にするようにプログラムされ、資産定義がそれぞれの受信資産について生成されるようにしてもよい。メディア資産の可能な資産定義の数は、所定のメディア資産について得られているメタデータの範囲のほかに、メタデータ・エクストラクタ60によって取得されたメタデータの数及びタイプにもよって、変わってもよい。メタデータを取得するために利用される方法は、メタデータのフォーマットに応じて変わってもよく、標準プロトコルか独自仕様のプロトコルかに関わる場合がある。一例として、放送メディア資産について、メタデータは、ブロードキャスト・エクスチェンジ・フォーマット(BXF)にしたがって供給されてもよいが、他の標準又は独自仕様のメタデータフォーマットが利用されてもよい。所定の資産(例えば、メディアコンテンツ又はマテリアルの要素)に関連付けられたメタデータのより豊富なセットは、より豊富でより簡便な資産定義の機会を提供することができ、このことは更に、追加のより専門的なサービス(例えば、広告挿入、コンティンジェンシー資産選択)が災害復旧クラウドサービス内の資源によって実現されるようにしてもよいことが理解されるべきである。
【0029】
監視及び復旧プロセスは、ルールエンジン62を利用して、災害復旧プロセスをインテリジェントに制御することができる。例えば、ルールエンジン62は、受信メディア資産のタイプに応じて、異なるルール64を利用して、災害復旧オペレーションを管理することができる。資産のタイプは、例えば抽出されたメタデータから生成され得る、資産定義として実行されてもよい。所定の資産に対する資産定義を生成するべく問い合わせされてもよいメタデータフィールドの幾つかの例は、幾つか挙げれば、TYPE、SUB-TYPE、及びPROGRAM CATEGORYを含む。資産定義は、メタデータフィールドからの1つの記述を含んでもよいし、あるいは、記述群が統合されて対応の資産定義値がそれぞれの受信資産に対して与えられてもよい。
【0030】
一例として、資産定義は、ライブイベントかタイムシフトイベントか、日常のプログラムかどうか、シンジケート化されているかどうか、販売促進イベントかどうかに応じて、メディア資産を区別してもよい。メディア資産を広告として識別することに加え、定義は、地方、地域又は全国の広告であるかを、更に特定することができる。したがって、抽出されたメタデータのより豊富なセットは、定義資産のより包括的なセットを許容することができ、このことによって、災害復旧オペレーションに対してより精緻な精度の制御を与えることができる。資産定義の数及びタイプは、例えば、ユーザーインターフェイス74を介してユーザーにプログラム可能であってもよい。
【0031】
ルールセレクタ66は、資産定義に基づいて一連の適切なルール64を選択するようにプログラムされてもよい。ルールセットは、災害復旧オペレーションのための資源の準備及び割当てを制御するために使用されてもよい。例えば、ルールセレクタ66は、異なるタイプの資産を異なるように調整するべく、異なるルールを選択することができる。例えば、リアルタイムメディア資産を把握することに基づいてルールを選択することによって、ルールは、エンドユーザー及び広告主に対する災害復旧の影響を緩和するように実行されてもよい。更なる例として、もし受信ライブイベントの供給が災害復旧状態の間に障害を生じれば、ルールは、そのイベントに固有の臨時バックアップコンテンツを選択するように実行されてもよい。同様に、もしシンジケート化された受信シチューエーションコメディ・プログラムの供給が喪失されたとすると、ルールエンジンは、ルールを利用して、例えば、利用可能性に応じて、同じプログラムの別エピソードや、類似ジャンルの別プログラムを選択することができる。ルールエンジンは受信メディア資産のタイプに応じてルールを異なるように適用するので、クラウドにおける資源のシン・プロビジョニングはよりインテリジェントになり得る。
【0032】
また、資産定義及び障害の程度に応じて、ルールエンジン62は、臨時メディア資産の場所を特定することができる。このことは、クラウドストレージへロード済みの資産や、利用可能なフィードを介して取得されてリアルタイムでクラウドへ配信され得る資産の場所を含むことがある。本明細書において開示されるように、割り当てられたクラウド資源への実際のオペレーション切替えは個別のトリガー(例えば、ユーザー入力や自動トリガー)を要することがある。
【0033】
また、監視及び復旧プロセス50は、資源マネージャ70を利用して、災害復旧状態のための資源を管理することができる。資源マネージャ70は、適用されているルールに基づいて資源を管理することができ、ルールは、本明細書において開示されるような受信リアルタイムメディア資産の資産定義に応じて変わってもよい。一例として、資源マネージャ70は、(例えば災害ディテクタ56によって)災害復旧状態を感知することに応答してクラウドにおける資源の準備及び割当てを開始するようにプログラムされた、割当て/マッピング機能72を含んでもよい。このことは、クラウドからのメディア資源を割り当てること及び/又はインスタンス化することや、そのような資源を各メディアプロバイダのための切迫した災害復旧プロセスに投じることを含んでもよい。また、準備及び割当ては、クラウド内の物理資源(例えばノード)への供給済み仮想資源の物理的マッピングを含んでもよく、また、メディア・サプライ・チェーンにおける障害の生じているオペレーションを再開するための対応のソフトウェア資源に、対応のAPIを介してプログラムでアクセスすることを含んでもよい。例えば、資源マネージャ70は、それぞれの
契約メディアシステムについて、マッピングテーブルを利用して、クラウドにおける仮想資源の供給を制御することができる。資源マネージャが、所定のメディアプロバイダについて、感知された災害復旧状態に対して資源を割り当ててインスタンス化すると、以前に仮想的に供給された資源は、その所定のメディアプロバイダのために固有のオペレーションを行うことについて確定的になる。すなわち、資源の将来的な状態が幾分ランダムと考えられるように、このような割当ての前に、メディア資源は、任意の
契約メディアプロバイダに利用可能である。
【0034】
また、資源マネージャ70は、クラウド中の資源に関連付けられた他のオペレーションを制御するようにプログラムされてもよい。例えば、ユーザーインターフェイス74は、災害復旧制御パラメータ76をプログラムするための設定機能にアクセスすることができる。パラメータは、クライアントメディアシステムによって購入された災害復旧サービスのレベルにしたがってそのクライアントメディアシステムに利用可能なサービスを設定することを許容してもよい。パラメータ76は、各チャネルについてクラウドサービスに記憶され得るメディア資産の期間及びデータレートを制御することができる。また、サービスのレベルは、異なるクライアントメディアシステムに対する資源の優先度を判定するために利用されてもよく、このことは、クラウドにおける資源のシン・プロビジョニングを更に容易にすることができる。資源マネージャ70は監視及び復旧プロセス50内に図示されているものの、資源マネージャは、監視及び復旧プロセスによって対応のAPIを介してアクセスされ得る、1つ又は複数の別個の方法として実行されてもよいことが理解される。
【0035】
説明の簡略化のため、監視及び復旧プロセス50に属する別個の構成要素は、異なる機能を実行するものとして図示され記述されている。しかし、当該技術において通常の知識を有する者は、上述した構成要素の機能が異なる構成要素によって実行されてもよいこと、また、幾つかの構成要素の機能性が結合されて単一の構成要素上で実行されてもよいことを理解し認識するであろう。構成要素は、例えば、ソフトウェア(例えばコンピュータで実行可能な命令)やハードウェア(例えば特定用途集積回路又はデバイス)として、又は両者の組合せとして実現されてもよい。他の例では、構成要素は、(例えば、災害復旧サービスの対応する機能として)クラウドにわたってリモートデバイス間に分散されてもよい。
【0036】
図3は、クラウド104中の選択されたメディア資源102及びストレージ資源103にリアルタイムメディア資産を配信するために利用され得るコンテンツ・インテーク・サービス100の一例を示す。コンテンツ・インテーク・サービス100は、1つ又は複数のコンテンツ資源108から、概略的に106で示される、対応する一次メディアシステムに供給されている受信リアルタイムメディア資産のミラーを持つようにプログラムされてもよい。例えば、コンテンツ資源108は、地上又は無線通信リンクを介してコンテンツを提供することができる。コンテンツ資源108は一般に、利用可能な最高のデータレートで、資産中のメディアコンテンツを提供する。
【0037】
コンテンツ・インテーク・サービス100は、インテークプロセスを制御するためにルール112を利用するルールエンジン110を含んでいてもよい。ルール112は、それぞれの
契約メディアシステム106
の契約サービスの条件に応じて変わり得る一連の事業ルールを含んでいてもよい。ルール112は、
契約メディアシステム106に割り当てられた所定のストレージ資源103に記憶されているコンテンツの有効期間(例えば、合計時間)を含む、コンテンツ・インテークのためのパラメータを制御するように(例えば、図示しないユーザーインターフェイスを介して)プログラムされてもよい。また、ルール112は、あるタイプの資産(例えば、ライブメディア)を、例えば所定のメディアプロバイダのための災害復旧プロセスの間に、その所定のメディアプロバイダに対して割り当てられたメディア資源102へ直接的に配信することを制御する場合がある。
【0038】
ルールエンジン110は、クラウド104からのコンテンツの自動削除を制御するべく、ルール112を利用することができる。例えば、ルールエンジン110は、コンテンツの期間満了後に、クラウド104のクラウドストレージ103からコンテンツを自動的に削除することができる。コンテンツが期間満了を迎えたかどうか(例えば、コンテンツが一次メディアシステムでプレイアウトされたか)を判定するために、ルールエンジン110は、例えばディジタル資産管理システム114及びオートメーションシステム116からのように、
契約メディアシステム106のサプライチェーンにおける1つ又は複数の箇所から(例えば、1つ又は複数のAPIを介して)情報を取得することができる。また、ルールエンジン110は、コンテンツが記録されている合計時間を確立するルールに基づいて、クラウドストレージ103からコンテンツを自動的に削除することができる。また、ルールエンジン110は、クライアントの
契約レベルに紐付いたルールに基づいてインテークのための相応のメディア資産を検索するべく、
契約メディアシステム106から取得されたオペレーション情報を利用することがある。また、ルール112は、異なるコンテンツ資源108の間の優先度を特定するようにプログラムされ、もし所定のメディア資産があるソースから利用可能でなければ、ルールエンジン110が、代わりのソースからそのような資産を取得するようにインテーク・サービスに命令できるようにされてもよい。
【0039】
また、コンテンツ・インテーク・サービス100は、クラウドストレージ資源103における効率的な記憶を容易にするべく、資産を別のフォームに修正することができる。一例として、コンテンツ・インテーク・サービス100は、受信メディア資産を、例えばコンテンツソース108から受信された元の資産に対して低下したビットレートを有するような、相応の災害復旧資産へトランスコードするためのトランスコーダ120を含むことができる。更に、所定の資産に対する災害復旧ビットレートは、ルール112によって規定されてもよく、例えば
契約プロバイダの
契約サービスレベルに応じて変わることがある。このことは、バックアップコンテンツが
契約メディアシステム106に供給されたものと同一になりがちである他のアプローチと対照的である。
【0040】
図4は、本明細書で開示されたシステム及び方法(例えば、
図1−
図3及び
図5を含む)が複数のメディアシステムをサポートすることを意図していることを示す、災害復旧システム150の一例を示す。この例において、システムは、一次サイト1ないし一次サイトPとして図示される、複数の一次サイト152を示す。ここでPはサイトの数を表す正の整数である。各サイト152は、メディアをプレイアウトするように構成された様々なハードウェア及びソフトウェアコンポーネントを実装する相応のメディア・サプライ・チェーンを含んでもよく、例えば、物理的及び/又は無線技術によるビデオ、オーディオ、電子看板などのリアルタイム放送を含んでもよい。ハードウェア及びソフトウェアコンポーネントのうちの幾つかは、もし共通の事業システムの一部分であれば、異なるサイト間で共有されてもよいことが理解される。この例において、各サイトは、災害復旧サービス1ないし災害復旧サービスPとして図示された該当の災害復旧サービス154に加入し、このサービスを実行する。
【0041】
災害復旧サービス154のそれぞれは、本明細書において開示されるように、資源1ないし資源N(Nは正の整数である)として図示された一連のメディア資源156と、クラウド160において実装されているストレージ資源158と、を利用するようにプログラムされている。災害復旧サービス154はクラウド160の外部にあるものとして図示されているものの、このようなサービスはクラウドの一部分と考えられてもよいことが理解される。本明細書において開示されるように、災害復旧サービス154は、それぞれのメディアサイト152に対する災害復旧状態とともに、メディア資源156及びストレージ資源158を利用するための切替えオペレーションのプロセスを感知することができる。更なる例として、
契約サービスに対する請求モデルは、メディアオペレーションのための災害復旧を提供するべく、
契約サービスに対する継続チャージに、資源の利用に応じた利用料を加えたものを含んでいてもよい。他の請求手配が可能である。
【0042】
上述した構造上及び機能上の特徴を考慮すると、ある方法は、
図5に示された例示的方法200を参照することでより良く理解される。図示された動作は、他の実施形態では、異なる順序で生じたり、他の動作と同時に生じたりする場合があることが理解され認識されるべきである。更に、
図5に示された全ての特徴が方法を実施するために要求されるわけではない。
【0043】
図5は、クラウドベースの資源を使用する自動災害復旧を実行するための方法の一例を示す。方法200は、本明細書において開示されるように、任意の数の一次メディアシステムに対して災害復旧保護を提供するように実行されてもよい。方法200は202で始まり、202においてルール及び他の災害復旧パラメータが設定される。このルール及びパラメータは、例えばそれぞれの一次メディアシステム
の契約サービスレベルに基づいて、災害復旧サービスのレベルを確立することができる。例えば、クラウドストレージは、それぞれの
契約メディアシステムについてメディアコンテンツを記憶するために割り当てられてもよく、また、シン・プロビジョニングされたメディア資源が仮想的に割り当てられてもよい。
【0044】
ルール及び災害復旧パラメータが決まると、方法は204に進む。204で、オペレーション及びデータが監視されてもよい。オペレーションは、
契約メディアシステムのためのメディア・サプライ・チェーン内の任意のオペレーション情報及びデータに対応してもよい。例えば、1つ又は複数のインターフェイス(例えば、
図1のインターフェイス54)が、オペレーション情報及びデータを取得するために利用されてもよい。
【0045】
206で、災害復旧が求められているかどうかについて判定が行われる。この判定は、経時的に収集され記憶され得る、監視されたオペレーション及びデータに基づいて(例えば、
図1の災害ディテクタ56によって)行われてもよい。もし災害復旧が必要とされなければ、方法は204に戻って、監視プロセスを再開してもよい。もし災害復旧が適切と判定されれば、方法は208に進むことができる。208で、メディア資源が(例えば、
図1の資源マネージャ70によって)割り当てられて、切替えのために準備されてもよい。このことは、クラウド資源をメディア・サプライ・チェーンにおける対応箇所とともにマッピングすることのほか、災害復旧状態のためにメディア資産のフローを制御するべくルールにアクセスすることをも含んでもよい。また、資源の割当て及び切替えの準備は、受信メディア資産のタイプを記述するメタデータに基づいて制御されてもよい。210で、アラートは、(例えば、
図1のアラートジェネレータ58を介して)1人又は複数の所定の受取人へ送信されてもよく、受取人は、ユーザー及び/又はアプリケーションを含んでもよい。アラートは、情報通知を提供するとともに、受取人による応答又は他の動作を要求することができる。
【0046】
212で、災害復旧オペレーションへの切替えを始動させるかどうかについて判定が行われてもよい。この判定は、例えば許可されたユーザー又は自動化された方法によって受信され得る、トリガーに基づいて行われてもよい。切替えが始動されない場合、方法は、214へ進み、例えば感知されたパラメータ、計算の結果、及び災害メトリクス、並びに切替えを阻止することに関連して受信された応答(群)を含むような、災害復旧データのログを取ってもよい。214から、方法は、204へ戻って、オペレーション及びデータを監視することを再開してもよい。切替えが始動された場合、方法は、割り当てられているクラウドベースのメディア資源への切替え作業216へ進む。このことは、
契約メディアシステムのメディア・サプライ・チェーンへ割当て資源をマッピングすることを含んでもよい。また、対応する災害復旧データはメモリに記録されてもよい。また、システムが災害復旧モードで動作する合計時間に基づいて、追加のチャージが
契約メディアシステムによって負担させられてもよい。
【0047】
オペレーションは、終了して
契約メディアシステムオペレーションへスイッチバックされるまで、災害復旧モードを維持してもよい。スイッチバックは、(例えば、許可されたユーザーによる)ユーザー入力に応答して、又は、
契約メディアシステムについて災害復旧状態がもはや存在しないことを(例えば、204で、再開された監視を介して)自動的に感知することに応答して、実行されてもよい。災害復旧モードの間、受信リアルタイムメディア資産からメタデータが抽出されてもよく、また、予測されるリアルタイムメディア資産を取り替えるためのコンティンジェンシーメディア資産が、抽出されたメタデータに基づいて選択されてもよい。
【0048】
上述したことを考慮すれば、複数の
契約者を同時に受け入れることのできる、仮想化された災害復旧サービスを提供するためのシステム及び方法が開示されている。更に、地理的に分散した同時災害の蓋然性は低いので、クラウド内の資源は、全国にわたって異なる
契約者にシン・プロビジョニングされてもよい。資源のこのようなシン・プロビジョニングは、利用可能なストレージ要件を超えるものを含むとともに、メディア・サプライ・チェーンにおいて実行される他のハードウェア資源を含むことができる。
【0049】
上述したのは例示である。構成要素又は方法の考え得る全ての組合せを記述することはもちろん可能ではないが、当該技術において通常の知識を有する者は、多くの更なる組合せ及び置換が可能であることを認識するであろう。したがって、本発明は、請求の範囲を含む本願の範囲内に属するこのような変更、修正及び変形の全てを包含するものとする。更に、本開示又は請求の範囲が、「1つの」、「第1の」若しくは「別の」要素、又はその均等物を引用する場合、それは、1つ又は1つより多いそのような要素を含むように解釈されるべきであり、2つ又は複数のそのような要素を要するものでも排除するものでもない。本明細書で使用されたように、用語「含む」は、含むが制限されない、を意味する。用語「に基づいて」は、少なくとも部分的に基づいて、を意味する。