【文献】
Drugs of the Future,2007年,Vol. 32, No. 5,pp. 441-455
【文献】
ORGANIC LETTERS,2002年,Vol. 4, No. 25,pp. 4475-4478
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
1'-((5-(アミノメチル)-1-イソペンチル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)メチル)スピロ[シクロペンタン-1,3'-ピロロ[2,3-c]ピリジン]-2'(1'H)-オン;
1'-((5-(アミノメチル)-1-イソペンチル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)メチル)スピロ[シクロプロパン-1,3'-インドリン]-2'-オン;
1'-((1-イソペンチル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)メチル)スピロ[シクロプロパン-1,3'-インドリン]-2'-オン;
1'-((5-(アミノメチル)-1-イソペンチル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)メチル)スピロ[シクロペンタン-1,3'-インドリン]-2'-オン;
1'-((1-イソペンチル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)メチル)スピロ[シクロペンタン-1,3'-インドリン]-2'-オン;
1'-((5-(アミノメチル)-1-イソペンチル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)メチル)スピロ[シクロブタン-1,3'-インドリン]-2'-オン;
1'-((1-イソペンチル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)メチル)スピロ[シクロブタン-1,3'-インドリン]-2'-オン;
4-((5-(アミノメチル)-1-イソペンチル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)メチル)スピロ[ベンゾ[b][1,4]オキサジン-2,1'-シクロプロパン]-3(4H)-オン;
4-((1-イソペンチル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)メチル)スピロ[ベンゾ[b][1,4]オキサジン-2,1'-シクロプロパン]-3(4H)-オン;
1'-((5-(アミノメチル)-1-イソペンチル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)メチル)-1'H-スピロ[シクロプロパン-1,3'-キノリン]-2'(4'H)-オン;
1'-((1-イソペンチル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)メチル)-1'H-スピロ[シクロプロパン-1,3'-キノリン]-2'(4'H)-オン;
1'-((5-(アミノメチル)-1-イソペンチル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)メチル)-1'H-スピロ[シクロペンタン-1,3'-キノリン]-2'(4'H)-オン;
1'-((1-イソペンチル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)メチル)-1'H-スピロ[シクロペンタン-1,3'-キノリン]-2'(4'H)-オン;及び
1-((1-イソペンチル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)メチル)スピロ[ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン-3,1'-シクロプロパン]-2,5(1H,4H)-ジオン;
並びにそれらの医薬的に許容可能な塩から選択される請求項1に記載の化合物。
該酸が、塩化水素酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、ギ酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、プロピオン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、マレイン酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、エタンスルホン酸、アスパラギン酸及びグルタミン酸から選択される酸である請求項21に記載の製造法。
【実施例】
【0087】
すべての温度は、℃で表す、薄層クロマトグラフィー(TLC)は、Si60GでコートされたAlプレート上で、uv254インジケーター(ポリグラム(Polygram))を用いて実施した。他の明示がない限り、NMRスペクトルはすべて、CDCl
3中で、400MHzで取得した。
【0088】
分析LC-MS条件
試料は、陽-陰イオン同時検出付帯電子噴霧を用いて、マイクロマス クワトロ アルティマ(MicroMass Quattro Ultima)上で、測定した。
カラム: フェノメネックス ルナ RP(Phenomenex Luna RP) 50x3mm,3μM
溶出剤: A-H
2O,0.1%ギ酸; B-MeOH,0.1% ギ酸
【0089】
グラディエント %B 時間/分 流量 ml/分
5 0 2.25
37.5 2.5 2.2
95 3.0 2.2
95 3.5 2.3
5 3.51 2.3
5 4.00 2.25
【0090】
検出:HP1100 210-400nm
【0091】
分取HPLC条件
分析HPLC保持時間に応じて選択したグラディエント、すなわち、保持時間=3.4分
分取カラム:フェノメネックス ルナ RP(Phenomenex Luna RP)100x21.2mm,5μM
溶媒:A-HPLCグレードの水+0.1%ギ酸
B-アセトニトリル
【0092】
時間(分) 流速(ml/分) %A %B カーブ
イニシャル 20 45 55 イニシャル
0.10 20 45 55 6
7.00 20 3 97 6
10.0 20 3 97 6
10.10 20 45 55 6
12.00 20 45 55 6
【0093】
[略記]
DCM: ジクロロメタン
DIAD ジイソプロピルアゾジカルボキシレート
DIPEA: N,N-ジ-イソプロピルエチルアミン
DME: 1,2-ジメトキシエタン
DMF: N,N-ジメチルホルムアミド
DMSO: ジメチルスルホキシド
EtOAc: 酢酸エチル
EtOH: EtOH
HATU: O-(7-アザベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N’,N’-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート
HBTU: O-(ベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N’,N’-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート
HMDS: ヘキサメチルジシラザン
MeCN: アセトニトリル
MeOH: メタノール
NMM: N-メチルモルフォリン
rt: 室温
TBTU: O-(ベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N’,N’-テトラメチルウロニウムテトラフルオロボレート
TFA: トリフルオロ酢酸
THF: テトラヒドロフラン
TMEDA: N,N,N’,N’-テトラメチレンジアミン
【0094】
製造実施例1:2-(3-ニトロピリジン-4-イル)酢酸エチル
rtにて、乾燥フラスコ中で、窒素雰囲気下、THF(68 mL)中のカリウムt-ブトキシド(22.8 g, 203.4 mmol)を、速やかに撹拌しながら、その間3-ニトロピリジン (2.1 g, 16.95 mmol)とクロロ酢酸メチル(2.46 mL, 28.32mmol)のTHF (68 mL)溶液を滴下した。1時間後、25%塩化アンモニウム水を添加し、その混合物をEtOAcで抽出した。抽出物を合わせ、硫酸ナトリウム上で乾燥し、ろ過し、真空で濃縮した。シリカ(イソヘキサン中の20-50% EtOAc液)上で、クロマトグラフィーに付し、所望の化合物 (1.5 g, 7.63 mmol, 45%)を単離取得した。
【0095】
1H NMR (400 MHz): δ 3.75 (s, 3H), 4.09 (s, 2H), 7.36 (dd, 1H), 8.80 (dd, 1H), 9.32 (d, 1H). LC/MS 197 (MH
+).
【0096】
製造実施例2:エチル1-(3-ニトロピリジン-4-イル)シクロペンタンカルボキシレート
乾燥フラスコ中で、窒素雰囲気下、2-(3-ニトロピリジン-4-イル)酢酸エチル(265 mg, 1.35 mmol, 製造実施例1)を、MeOH (2.7 mL)に溶解し、rtにて、1,5-ジヨードブタン (0.9 mL, 6.75 mmol)で処理した。rtにて、ナトリウムメトキシド(MeOH中の 0.5 M 溶液6.6 mL)を滴下した。得られた濃紫色溶液を、rtにて、16時間撹拌した。この混合物に水を添加し、その後真空で濃縮した。残渣をEtOAcと水の間で分配し、その後、EtOAcで、水相を抽出した。有機溶媒の抽出物を合わせ、硫酸ナトリウム上で乾燥し、ろ過し、次いで真空で濃縮した。シリカ上(100%イソヘキサン及びイソヘキサン中の25%EtOAc液)でクロマトグラフィーに付し、所望の化合物(110 mg, 0.44 mmol, 32%)を単離取得した。
【0097】
1H NMR (400 MHz): δ 1.75 (m, 2H), 1.975 (m, 2H), 2.05 (m, 2H), 2.575(m, 2H), 3.67 (s, 3H), 7.49 (d, 1H), 8.79 (d, 1H), 9.08 (s, 1H). LC/MS 251 (MH
+).
【0098】
製造実施例3:スピロ[シクロペンタン-1,3'-ピロロ[2,3-c]ピリジン]-2'(1'H)-オン
窒素雰囲気下、炭素(20 mg)上の10% パラジウムを乾燥フラスコに入れ、そこにEtOH (12 mL)中のエチル1-(3-ニトロピリジン-4-イル)シクロペンタンカルボキシレート(110 mg, 0.44 mmol, 製造実施例2)を加えた。このフラスコに水素を流し入れ、6時間水素雰囲気下で撹拌した。次いで、フラスコに窒素を流入した後、セライトでろ過し、真空で濃縮した。残渣を、Et
2O(10mL)中に加え、5mLの2M塩化水素水で処理し、16時間撹拌した。水相を分離し、真空で濃縮した。
【0099】
残渣を三塩化チタン(20-30%塩酸中の40%溶液2mL)で6時間に亘って処理した。固体状のNaHCO
3を添加して、混合物を中和し、水性部をEtOAcで抽出した。抽出物を合わせ、硫酸ナトリウム上で乾燥し、ろ過し、真空濃縮した。所望の生成物を、白色固体(75mg,91%)として、単離した。
【0100】
1H NMR (400 MHz): δ 1.77 (m, 2H), 1.95 (m, 6H), 7.35 (d, 1H), 8.05 (s, 1H), 8.21 (d, 1H), 10.5 (bs, 1H). LC/MS 189 (MH
+).
【0101】
製造実施例4:スピロ[シクロプロパン-1,3'-インドリン]-2'-オン
窒素雰囲気下、N-4-メトキシベンジル3-スピロシクロプロピルオキシインドール(837 mg, 3 mmol)をTFA(4.6 mL)に溶解し、アニソール(0.66 mL, 6 mmol)を加えた。この混合物を60℃で16時間加熱した。混合物をrtまで冷却し、真空で濃縮した。残渣をジクロロメタン(12 mL)に入れ、食塩水を加え、更にトリエチルアミン(2.5 mL)を加えた。水相をDCMで抽出した。抽出物を合わせ、硫酸ナトリウム上で乾燥し、ろ過し、次いで真空で濃縮した。シリカ上(イソヘキサン中の20-40%EtOAc液)でクロマトグラフィーに付し、所望のスピロシクロプロピルオキシインドールを、淡いピンク色固体(318 mg, 2 mmol, 67%)として、単離取得した。
【0102】
1H NMR (400 MHz): δ 1.57 (m, 2H), 1.79 (m, 2H), 6.83 (d, 1H), 7.01 (m, 2H), 7.21 (m, 1H), 9.18 (bs, 1H). LC/MS 160 (MH
+).
【0103】
製造実施例5:1-(4-メトキシベンジル)インドリン-2-オン
rtにて、N-(4-メトキシベンジル)イサチン(2.67 g)を少量ずつヒドラジン水和物(20 mL) に加えた。混合物を95℃で40時間加熱した。混合物を冷却し、EtOAcと水で分配した。有機相を食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、ろ過し、次いで真空で濃縮し、所望化合物を、オレンジ色の固体(1.82 g, 7.2 mmol, 72%)として、単離取得した。
【0104】
1H NMR (400 MHz): δ 3.53 (s, 2H), 3.70 (s, 3H), 4.78 (s, 2H), 6.66 (d, 1H), 6.76 (d, 2H), 6.95 (dd, 1H), 7.10 (dd, 1H), 7.37 (m, 3H). LC/MS 254 (MH
+).
【0105】
製造実施例6:1'-(4-メトキシベンジル)スピロ[シクロプロパン-1,3'-インドリン]-2'-オン
乾燥フラスコにおいて、窒素雰囲気下、DMF (1.5 mL)中の1-(4-メトキシベンジル)インドリン-2-オン(264 mg, 1.04 mmol,製造実施例5)を、1,2-ジブロモエタン(0.1 mL, 1.18 mmol)で処理し、この混合物を0℃まで冷却した。水素化ナトリウム(86 mg, 2.14 mmol)を、この温度で、少量ずつ添加した。冷却浴容器を取り除き、さらに水素化ナトリウム(43 mg, 1.07 mmol)を添加し、混合物を室温まで昇温した。混合物をrtにて、16時間撹拌した。氷をじっくり0℃で加え、得られた懸濁液をEtOAcと水で分配した。有機相を分離し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、ろ過し、次いで真空で濃縮した。シリカ上(イソヘキサン、次いでイソヘキサン中の50%EtOAc液)でクロマトグラフィーに付し、所望の生成物を無色固体(172 mg, 0.61 mmol, 61%)として、単離取得した。
【0106】
1H NMR (400 MHz): δ 1.56 (m, 2H), 1.82 (m, 2H), 3.79 (s, 3H), 4.95 (s, 2H), 6.86 (m, 4H), 7.01 (m, 1H), 7.16 (m, 1H), 7.28 (m, 1H). LC/MS 280 (MH
+).
【0107】
製造実施例7:スピロ[シクロペンタン-1,3'-インドリン]-2'-オン
乾燥フラスコにおいて、窒素雰囲気下、n-ブチルリチウム(2.5 M ヘキサン4.2 mL,0.5mmol中)を、インドリンオン(0.665 mg, 5 mmol)とTMEDA (1.5 mL, 10 mmol)をTHF(20 mL)中に懸濁させた懸濁液に、-78℃にて、滴下した。-78℃に保持して、1時間後、1,4-ジヨードブタン(3.3 mL, 25 mmol)を滴下し、混合物をゆっくりrtまで昇温した。rtに12時間保持後、飽和塩化アンモニウム水溶液を混合物に添加し、得られた混合物をEtOAcで抽出した。有機相を合わせ、水と食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、ろ過し、次いで真空で濃縮した。シリカ上(イソヘキサン中の10-30%EtOAc液)でクロマトグラフィーに付し、所望の化合物を淡いピンク色固体(393 mg, 2.1 mmol, 42%)として、単離取得した。
【0108】
1H NMR (400 MHz): δ 1.90 (m, 2H), 2.03 (m, 2H), 2.10 ( m, 2H), 2.21 (m, 2H), 6.94 ( m, 1H), 7.04 ( m, 1H), 7.20 (m, 2H), 8.75 ( bs, 1H). LC/MS 188 (MH
+).
【0109】
製造実施例8:N'-フェニールシクロブタンカルボヒドラジド
乾燥フラスコ中で、窒素雰囲気下、トリエチルアミン(5.4 mL, 48 mmol)を、rtにて、フェニールヒドラジン塩酸塩(3.92 mL, 40 mmol)をDCM (80 mL)に加えた混合物に滴下した。この混合物を、氷/塩浴中で、冷却し、シクロブタンカルボニルクロライド(4.8 mL, 42 mmol)を、内部温度が-10℃以下に保つような速度で、滴下した。-10℃で、1.5時間保持した後、混合物をrtまで昇温し、このままさらに16時間撹拌した。混合物を真空で濃縮し、薄いNaHCO
3水溶液を加えた。得られた混合物をろ過し、固状物をNaHCO
3, Et
2Oで洗浄し、その後ポンプで乾燥して、所望の化合物を、ビスシクロブタンカルボヒドラジド(5.33 g)との2.3-1混合物として得た。
LC/MS 191 (MH
+)
【0110】
製造実施例9: スピロ[シクロブタン-1,3'-インドリン]-2'-オン
カルシウムオキサイド(12.6 g, 124mmol)をキノリン(26 mL)に懸濁させた液に、撹拌下、N'-フェーニルシクロブタンカルボヒドラジド(4.88 g, 25.6 mmol, 製造実施例8)を添加した。この混合物を270-310℃まで加熱し、75分間保持した。混合物を、rtまで冷却し、2M 塩化水素水溶液を添加した。この混合物をEtOAcで抽出し、抽出液を合わせ、2M 塩酸及び食塩水で洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥した。ろ過し、次いで真空で濃縮した後、シリカ上(ヘキサン中の40-60%EtOAc液)でクロマトグラフィーに付し、所望の化合物をオレンジ色固体(1.92g,11.1mmol,43%)として、単離取得した。
【0111】
1H NMR (400 MHz): δ2.18 (m, 1H), 2.28 (m, 3H), 2.61 (m, 2H), 6.79 (d, 1H), 7.01 (dd, 1H), 7.12 (dd, 1H), 7.41 (d, 1H ), 7.95 (bs, 1H). LC/MS 174 (MH
+).
【0112】
製造実施例10: 1'-(4-メトキシベンジル)-1'Hスピロ[シクロプロパン-1,3'-キノリン]-2'(4'H)-オン
工程1: -78℃にて、THF (10 mL)中の1-(4-メトキシベンジル)-3,4-ジヒドロキノリン-2(1H)-オン(2.678 g,10 mmol)を、調製したてのLiHMDS (4.8 mLの2.5Mブチルリチウムを含むヘキサンと2.1 mLのHMDSを用いて調製)のTHF(10 mL)溶液に添加した。-78℃で1時間保持後、-78℃にて、このアニオン溶液を、カニューレを経て、1-ブロモ-2-クロロエタン(3eq,2.5 mL)のTHF(10 mL)溶液に、撹拌下滴下した。一晩反応させて、rtまで昇温させ、その後NH
4Cl(水溶液)を添加して、反応を止め、EtOAcで抽出した。有機相を乾燥し、ろ過し、濃縮した後、シリカ上で、溶出液として、ヘキサン/EtOAc9:1次いで同4:1の液を用いて、クロマトグラフィーに付して精製し、クロロエチル化合物をオレンジ色の油状物(1.65g,約70%の純度)として得た。
【0113】
工程2: 未精製の3-(2-クロロエチル)-1-(4-メトキシベンジル)-3,4-ジヒドロキノリン-2(1H)-オン(1.65 g)のアセトン(20 mL)溶液をNaI(3.0 g, 4 eq)で処理し、次いで加熱して12時間還流した。反応液を冷却後、濃縮し、水とEtOAcで分配した。チオ硫酸ナトリウムを加え、有機相を分離した。濃縮して、ヨウ素化合物を、オレンジ色の油状物(2.05g, 約70%の純度)として得た。
【0114】
工程3: 3-(2-ヨードエチル)-1-(4-メトキシベンジル)-3,4-ジヒドロキノリン-2(1H)-オン(2.05 g, 4.8 mmol)のTHF(10 mL)溶液を、-78℃にて、調製したてのLiHMDS (1.95 mL の2.5M BuLi 1 eqと1.02 mLのHMDS 1 eqから調製)のTHF(10 mL)溶液に滴下した。混合物を1時間撹拌後、一晩でrtまで昇温させた。食塩水を加え、EtOAc (2x25ml)で抽出し、乾燥し、ろ過し、その後濃縮して、褐色油状物(1.05 g, 75%)を得た。
【0115】
1H NMR (400 MHz): δ 7.26 (s, 1H), 7.11 (m, 5H), 6.90 (m, 5H), 5.30 (d, J = 1.0 Hz, 1H), 5.12 (s, 2H), 5.02 (s, 2H), 3.76 (s, 3H), 2.87 (s, 2H), 1.32 (m, 2H), 0.77 (m, 2H). LC/MS 294.5 (MH
+).
【0116】
1-(4-メトキシベンジル)-3,4-ジヒドロキノリン-2(1H)-オンは、ウィンター,D.K.ら(Winter, D.K. et al,)(Journal of Organic Chemistry, 75(8),2610-2618; 2010)の方法により、調製した。
【0117】
1H NMR (400 MHz): δ 7.07 (m, 4H), 6.83 (m, 4H), 5.04 (s, 2H), 3.70 (s, 3H), 2.89 (dd, J = 8.7, 6.0 Hz, 2H), 2.70 (m, 2H)
【0118】
製造実施例11: 1'H-スピロ[シクロプロパン-1,3'-キノリン]-2'(4'H)-オン
1'-(4-メトキシベンジル)-1'H-スピロ[シクロプロパン-1,3'-キノリン]-2'(4'H)-オン(1.05 g,製造実施例10)を、アニソール (1 eq)とTFA (3 mL)で、65℃にて3時間処理した。混合物を冷却し、濃縮し、食塩水/DCMに入れ、Et
3N(3 mL)を加えた。水相を、DCM (3 x 10 mL)で抽出し、有機相を合わせ、乾燥し、濃縮し、黄色ガム状物を得た (1.5 g)。シリカ上で、溶出液として、ヘキサン/EtOAc9:1次いで4:1の液を用いて、クロマトグラフィーに付して精製し、標題化合物を白色の固体(465mg)として得た。これをイソヘキサンを用いて研和し、ろ過して標題化合物を白色の固体(301mg,48%)として得た。
【0119】
1H NMR (400 MHz): δ 8.20 (br s, 1H), 7.21 (m, 1H), 7.11 (m, 1H), 7.01 (td, J = 7.5, 1.1 Hz, 1H), 6.78 (dd, J = 7.8, 1.2 Hz, 1H), 2.89 (s, 2H), 1.39 (m, 2H), 0.79 (m, 2H). LC/MS 173.95 (M
+), 205.95.
【0120】
製造実施例12: 3-(4-ヨードブチル)-1-(4-メトキシベンジル)-3,4-ジヒドロキノリン-2(1H)-オン
1-(4-メトキシベンジル)-3,4-ジヒドロキノリン-2(1H)-オン(1.995 g, 7.4 mmol)を含むTHF(5 mL)液を、調製したてのLDA(3.58 mLの2.5Mブチルリチウム含有ヘキサン液と1.25 mLのジイソプロピルアミンを用いて調製)のTHF(5 mL)溶液に、-78℃で添加した。-78℃で1時間経過後、このアニオン溶液をカニューレサイフォンを通じて、撹拌下の1,4 ジヨードブタン(2.95 mL, 22.2 mmol, 3 eq)のTHF (5 mL)溶液に、-78℃で滴下した。反応させて、一晩でrtまで昇温させた後、NH
4Cl(水溶液)を添加して、反応を止め、EtOAcで抽出した。有機相を乾燥し、ろ過し、濃縮し、その後シリカ上で、溶出液として、ヘキサン/EtOAc9:1から4:1の液を用いて、クロマトグラフィーに付して精製し、標題化合物を青白色の油状物(2.01 g, 60%)として得た。
【0121】
1H NMR (400 MHz): δ 7.16 (4H, m), 6.98 (1H, t), 6.93(1H, d), 6.86 (2H, d), 5.12(2H, s), 3.79(3H, s) , 3.22 (2H, m), 3.08(1H, dd), 2.78(1H, dd), 2.68(1H, m), 1.9(3H, m), 1.62(5H, m). LC/MS 450.3.
【0122】
製造実施例13:1'-(4-メトキシベンジル)-1'Hスピロ[シクロペンタン-1,3'-キノリン]-2'(4'H)-オン
3-(4-ヨードブチル)-1-(4-メトキシベンジル)-3,4-ジヒドロキノリン-2(1H)-オン(2g, 4.4 mmol,製造実施例12)のTHF(10 mL)溶液を、LiHMDS (ブチルリチウム1.1eqとHMDS1.1 eqから調製)のTHF (10 mL)溶液に、-78℃で、滴下した。冷却浴容器を除き、混合物を、rtで、2時間撹拌した。食塩水を加え、EtOAcで抽出した。有機相を合わせ、乾燥し、濃縮して、オレンジ色の油状物を得た。これを、シリカ上で、溶出液として、ヘキサン/ Et
2O(3:1から1:1)の液を用いて、クロマトグラフィーに付して精製し、標題化合物を、若干の不純物を含む黄色の油状物(812 mg, 57%)として得た。
【0123】
1H NMR (400 MHz): δ 7.10 (m 3H), 6.94 (t, 1H), 6.84 (m, 3H), 5.09 (s, 2H), 3.76 (s, 3H), 2.85 (s, 2H), 2.13 (m, 2H), 1.75 (m, 5H), 1.52 (m, 2H). LC/MS 322 (MH
+)
【0124】
製造実施例14: 1'H-スピロ[シクロペンタン-1,3'-キノリン]-2'(4'H)-オン
1'-(4-メトキシベンジル)-1'H-スピロ[シクロペンタン-1,3'-キノリン]-2'(4'H)-オン(810 mg, 2.5 mmol, 製造実施例13)とアニソール(1 eq)をTFA(1.9 mL)に加えた混合物を65℃で、3時間加熱した。この混合物を冷却し、真空で濃縮した後、DCM(10 mL)に加え、Et
3N(2 mL)を添加した。この混合物を食塩水で洗浄した。水相を、更にDCM(2 x 10 mL)で抽出し、有機相を合わせ、乾燥し、濃縮して淡褐色の固体を得た。これを、シリカ上で、ヘキサン/Et
2O(3:1から1:1)の液を用いて、クロマトグラフィーに付して、標題化合物を、クリーム色の固体(373 mg, 74%)として得た。
【0125】
1H NMR (400 MHz): δ 7.75 (br s, 1H), 7.04 (m, 4H), 3.80 (m, 2H), 2.86 (s, 2H), 2.12 (m, 2H), 1.75 (m, 4H), 1.54 (m, 1H). LC/MS 202 (MH
+)
【0126】
製造実施例15: 1-(2-(((1-イソペンチル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)メチル)アミノ)ベンズアミド)シクロプロパンカルボン酸
DIAD(0.9 mL, 1 eq)のTHF(2 mL)液を、THF(30 mL)中に1-イソペンチル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)メタノール(1.0 g)、PPh
3(1.2 g, 1 eq)及びイサト酸無水物(748 mg, 1eq)を含む溶液に、撹拌しながら滴下し、一晩撹拌した。反応液を濃縮し、淡褐色の残渣を得、これをDMF(20 mL)に入れ、エチル1-アミノシクロプロパンカルボキシレート塩酸塩 (1.05 g, 1.5 eq)で処理し、75℃で48時間加熱した。Et
2Oと水で分配し、水相から褐色の泡状物(|1.2 g)を得た。この粗製エステルを2M NaOH/EtOH (4:1, 10 mL)に溶解し、5時間で70℃に昇温した。反応液を冷却し、濃縮した後、2M NaOHに加え、Et
2Oで洗浄した。水相を、2M HClを用いて、pH4に酸性化し、EtOAc(2 x 25 mL)で抽出した。得られた不純物を含む褐色泡状物を、シリカ上で、溶出液としてイソヘキサン/EtOAc(3:1から1:1)の液を用いて、クロマトグラフィーに付して精製し、所望の酸を、より極性の成分として、クリーム色の固体(279mg, 15%)として得た。
【0127】
1H NMR (400 MHz, DMSO): δ 8.85 (1H, s), 8.8 (1H, t), 7.58 (1H, d), 7.48 (1H, d), 7.349 (1H, dd), 7.18 (3H, m), 6.93 (1H, d), 6.55 (1H, t), 4.68 (2H, d), 4.29 (2H, m), 1.67 (1H, sept), 1.578 (2H, m), 1.085 (2H, m), 0.94 (8H, d). LC/MS 421.5 (MH
+).
【0128】
実施例1: 1'-((5-(アミノメチル)-1-イソペンチル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)メチル)スピロ[シクロペンタン-1,3'-ピロロ[2,3-c]ピリジン]-2'(1'H)-オン
乾燥フラスコに、窒素雰囲気下、水素化ナトリウム(42 mg, 1.05 mmol)とDMF(0.5 mL)を入れ、この懸濁液をすばやく撹拌しながら、氷/水浴を用いて0℃まで冷却し、スピロ[シクロペンタン-1,3'-ピロロ[2,3-c]ピリジン]-2'(1'H)-オン(66 mg, 0.35 mmol, 製造実施例1)をDMF (1.2 mL)溶液にして、滴下した。15分間、氷/水浴容器をどけ、その後、再度0℃に冷却し、tert-ブチル((2-(クロロメチル)-1-イソペンチル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-イル)メチル)カルバメート塩酸塩(143 mg, 0.39 mmol)をDMF(1.3 mL)溶液として、滴下した。この混合物を、rtまで昇温し、1.5時間撹拌した。
【0129】
この混合物を、0℃まで冷却し、氷を慎重に、加えた。EtOAcと水で分配した後、分離し、乾燥し、その後真空濃縮した。得られた残渣を、rtにて、4M塩酸のジオキサン(8 mL)溶液で、16時間処理した。この混合物を酢酸エチルと水で分配し、水相をEtOAcで洗浄した。水相を、固体状のNa
2CO
3で中性化し、次いでEtOAcで抽出し、抽出液を合わせ、乾燥(Na
2SO
4)し、真空で濃縮した。シリカ上(DCM/EtOH/NH
3水, 100/8/1から50/8/1)で、クロマトグラフィーに付して精製し、標題の化合物を、無色油状物として単離した。その後、MeCN/H
2O(2 mL/1 mL)から凍結乾燥し、無色固体(75 mg, 51%)を得た。
【0130】
1H NMR (400 MHz): δ 1.01 (d, 6H), 1.58 ( m, 2H), 1.71 (m, 1H), 1.90 (m, 2H), 2.02 (m, 2H), 2.15 (m, 2H), 2.16 (m, 2H), 3.99 (s, 2H), 4.26 (m, 2H), 5.26 (s, 2H), 7.13 (d, 2H), 7.27 (m, 2H), 7.70 (d, 1H), 8.37 ( d, 1H), 8.77 (s, 1H).LCMS 418 (MH
+).
【0131】
実施例2:1'-((5-(アミノメチル)-1-イソペンチル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)メチル)スピロ[シクロプロパン-1,3'-インドリン]-2'-オン
実施例1で上記したのと同様な方法により、スピロ[シクロペンタン-1,3'-インドリン]-2'-オン(160 mg, 1 mmol, 製造実施例4)を、tert-ブチル ((2-(クロロメチル)-1-イソペンチル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-イル)メチル)カルバメート塩酸塩(366 mg, 1 mmol)と反応させて、85 mg(0.22 mmol, 22%)の所望化合物を、無色固体として得た。
【0132】
1H NMR (400 MHz): δ 0.90 (d, 6H), 1.46 ( m, 2H), 1.59 (m, 2H), 1.69 (m, 2H), 1.82 (m, 2H), 3.99 (s, 2H), 4.24 (m, 2H), 5.34 (s, 2H), 6.83 (d, 1H), 7.01 (d, 1H), 7.26 (m, 2H), 7.45 ( d, 1H), 7.73 (s, 1H). LC/MS 389 (MH
+).
【0133】
実施例3 :1'-((1-イソペンチル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)メチル)スピロ[シクロプロパン-1,3'-インドリン]-2'-オン
乾燥フラスコに、窒素雰囲気下、水素化ナトリウム(120 mg, 3.0 mmol)とDMF(1 mL)を入れ、この懸濁液をすばやく撹拌しながら、氷/水浴を用いて0℃まで冷却し、スピロ[シクロプロパン-1,3'-インドリン]-2'-オン(160 mg, 1.0 mmol, 製造実施例4)をDMF(2mL)溶液にして、滴下した。15分間、氷/水浴容器をどけ、その後再度0℃に冷却し、2-(クロロメチル)-1-イソペンチル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール塩酸塩(236 mg, 1.0 mmol)をDMF(2.1mL)溶液として、滴下した。混合物を、rtまで昇温し、16時間撹拌した。
【0134】
この混合物を0℃まで冷却し、氷をじっくりと加えた。EtOAcと水で分配した後、分離し、乾燥し、真空で濃縮した。分取HPLCにかけ、所望の化合物(110 mg, 0.31 mmol, 31%)を単離した。
【0135】
1H NMR (400 MHz): δ 0.96 (d, 6H), 1.45 ( m, 2H), 1.60 (m, 2H), 1.69 (m, 1H), 1.82 (m, 2H), 4.26 (m, 2H), 5.35 (s, 2H), 6.83 (d, 1H), 7.02 (dd, 1H), 7.19 (dd, 1H), 7.29 (m, 3H), 7.47 (d, 1H), 7.81 (m, 1H). LC/MS 360 (MH
+).
【0136】
実施例4:1'-((5-(アミノメチル)-1-イソペンチル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)メチル)スピロ[シクロペンタン-1,3'-インドリン]-2'-オン 実施例1で上記した方法と同様な方法で、スピロ[シクロペンタン-1,3'-インドリン]-2'-オン(187 mg, 1 mmol)を、tert-ブチル((2-(クロロメチル)-1-イソペンチル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-イル)メチル)カルバメート塩酸塩(366 mg, 1 mmol)と反応させて、65 mg(0.22 mmol, 22%)の所望化合物を、無色固体として得た。
【0137】
1H NMR (400 MHz): δ 1.00 (d, 6H), 1.55 ( m, 2H), 1.70 (bs, 2H), 1.74 (m, 1H), 1.88 (m, 2H), 2.03 ( m, 2H), 2.13 (m,2H), 2.22 (m, 2H), 3.99 (s, 2H), 4.25 (m, 2H), 5.25 ( s, 2H), 7.03 (m, 1H), 7.19 ( m, 2H), 7.28 (m, 2H), 7.46 ( d, 1H), 7.72 (s, 1H). LC/MS 417 (MH
+).
【0138】
実施例5: 1'-((1-イソペンチル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)メチル)スピロ[シクロペンタン-1,3'-インドリン]-2'-オン
実施例3で記載した方法と同様な方法により、スピロ[シクロペンタン-1,3'-インドリン]-2'-オン(187mg, 1mmol, 製造実施例7)を、2-(クロロメチル)-1-イソペンチル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール塩酸塩(238 mg, 1 mmol)と反応させて、60 mg(0.22 mmol, 22%)の所望化合物を、無色固体として得た。
【0139】
1H NMR (400 MHz): δ 0.91 (d, 6H), 1.58 ( m, 2H), 1.65 (m, 1H), 1.9-2.15 (m, 6H), 4.18 (m, 2H), 5.15 ( s, 2H), 6.93 (m, 1H), 7.10 ( m, 2H), 7.19 (m, 2H), 7.21 ( m, 1H), 7.38 ( m, 1H), 7.71 ( m, 1H). LC/MS 388 (MH
+).
【0140】
実施例6: 1'-((5-(アミノメチル)-1-イソペンチル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)メチル)スピロ[シクロブタン-1,3'-インドリン]-2'-オン
実施例1で上記したのと同様な方法で、スピロ[シクロブタン-1,3'-インドリン]-2'-オン (173 mg, 1 mmol、製造実施例9)を、tert-ブチル((2-(クロロメチル)-1-イソペンチル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-イル)メチル)カルバメート塩酸塩(366 mg, 1 mmol)と反応させて、72mg(0.22 mmol, 18%)の所望化合物を、無色固体として得た。
【0141】
1H NMR (400 MHz): δ 0.98 (d, 6H), 1.49 ( m, 2H), 1.72 ( m, 1H), 1.75 ( bs, 2H), 2.35 (m, 4H), 2.74 ( m, 2H), 3.99 (s, 2H), 4.25 (m, 2H), 5.22 ( s, 2H), 7.08 (m, 1H), 7.20 ( m, 1H ), 7.26 (m, 2H), 7.40 ( d, 1H), 7.51 ( dd, 1H), 7.71 (s, 1H). LC/MS 403 (MH
+).
【0142】
実施例7: 1'-((1-イソペンチル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)メチル)スピロ[シクロブタン-1,3'-インドリン]-2'-オン
実施例3で上記した方法と同様な方法で、スピロ[シクロブタン-1,3'-インドリン]-2'-オン (126 mg, 0.58 mmol、製造実施例9)を、2-(クロロメチル)-1-イソペンチル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール塩酸塩(122 mg, 1 mmol)と反応させて、69 mg (0.18 mmol, 32%)の所望化合物を、無色固体として得た。
【0143】
1H NMR (400 MHz): δ 0.99 (d, 6H), 1.52 ( m, 2H), 1.72 (m, 1H), 2.39 (m, 4H), 2.74 ( m, 2H), 4.28 (m, 2H), 5.24 ( s, 2H), 7.09 ( dd, 1H ), 7.21 ( dd, 2H ), 7.28 ( m, 3H ), 7.51 (d, 1H), 7.52 ( d, 1H ), 7.80 ( m, 1H). LC/MS 374 (MH
+).
【0144】
実施例8:4-((5-(アミノメチル)-1-イソペンチル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)メチル)スピロ[ベンゾ[b][1,4]オキサジン-2,1'-シクロプロパン]-3(4H)-オン
実施例1で記載した方法と同様な方法で、スピロ[ベンゾ[b][1,4]オキサジン-2,1'-シクロプロパン]-3(4H)-オン(125 mg, 0.71 mmol)を、tert-ブチル((2-(クロロメチル)-1-イソペンチル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-イル)メチル)カルバメート塩酸塩(0.7 mmol)と反応させて、標題化合物を、クリーム色固体(149 mg, 49%)として得た。
【0145】
1H NMR (400 MHz): δ 7.65 (m, 2H), 7.27 (m, 2H), 6.99 (dt, J= 7.6, 1.5 Hz, 2H), 6.86 (dd, J = 7.8, 1.6 Hz, 1H), 5.55 (s, 2H), 4.19 (m, 2H), 3.98 (s, 2H), 1.75 (dp, J = 13.2, 6.6 Hz, 1H), 1.59 (m, 6H), 1.47 (m, 2H), 1.29 (m, 2H), 1.02 (d, J = 6.6 Hz, 6H), ). LC/MS 405 (MH
+).
【0146】
スピロ[ベンゾ[b][1,4]オキサジン-2,1'-シクロプロパン]-3(4H)-オンは、パウエルら(Powell et al, J.Med.Chem 15 (2007) 5912)の方法により、調製した。
1H NMR (400MHz): δ 8.53 (s, 1H), 6.91 (m, 4H), 1.46 (m, 2H), 1.26 (m, 2H)
【0147】
実施例9: 4-((1-イソペンチル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)メチル)スピロ [ベンゾ[b][1,4]オキサジン-2,1'-シクロプロパン]-3(4H)-オン
実施例3と同様な方法で、スピロ[ベンゾ[b][1,4]オキサジン-2,1'-シクロプロパン]-3(4H)-オン(125 mg, 0.71 mmol)を、2-(クロロメチル)-1-イソペンチル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール塩酸塩(0.7mmol)と反応させ後、RP HPLCにより精製して標題化合物を、白色固体(46 mg, 17%)として得た。
【0148】
1H NMR (400 MHz): δ 7.74 (m, 1H), 7.64 (dd, J = 8.0, 1.6 Hz, 1H), 7.26 (m, 3H), 6.98 (dtd, J = 27.6, 7.6, 1.6 Hz, 2H), 6.84 (dd, J= 7.9, 1.6 Hz, 1H), 5.54 (s, 2H), 4.19 (m, 2H), 1.73 (m, 2H), 1.58 (m, 1H), 1.47 (q, J = 5.2 Hz, 2H), 1.27 (q, J = 5.1 Hz, 2H), 1.00 (d, J= 6.6 Hz, 6H). ). LC/MS 376 (MH
+).
【0149】
スピロ[ベンゾ[b][1,4]オキサジン-2,1'-シクロプロパン]-3(4H)-オンは、パウエルら(Powell et al, J.Med.Chem 15 (2007) 5912)の方法により、調製した。
1H NMR (400MHz): δ 8.53 (s, 1H), 6.91 (m, 4H), 1.46 (m, 2H), 1.26 (m, 2H)
【0150】
実施例10: 1'-((5-(アミノメチル)-1-イソペンチル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)メチル)-1'H-スピロ[シクロプロパン-1,3'-キノリン]-2'(4'H)-オン;
実施例1と同様な方法で、1'H-スピロ[シクロプロパン-1,3'-キノリン]-2'(4'H)-オン
(150 mg, 0.85 mmol, 製造実施例11)を、tert-ブチル((2-(クロロメチル)-1-イソペンチル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-イル)メチル)カルバメート塩酸塩(348 mg)と反応させて、標題化合物を、クリーム色泡状物(93 mg, 27%)として得た。
【0151】
1H NMR (400 MHz): δ7.65 (m, 2H), 7.25 (m, 3H), 7.04 (m, 2H), 5.54 (s, 2H), 4.21 (m, 2H), 3.96 (s, 2H), 2.86 (s, 2H), 1.85 (br m, 4H), 1.70 (m, 2H), 1.41 (q, J = 4.0 Hz, 2H), 1.02 (d, J = 6.5 Hz, 6H), 0.82 (m, 3H). LC/MS 403 (MH
+).
【0152】
実施例11: 1'-((1-イソペンチル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)メチル)-1'H-スピロ[シクロプロパン-1,3'-キノリン]-2'(4'H)-オン
実施例3と同様な方法で、1'H‐スピロ[シクロプロパン-1,3'-キノリン]-2'(4'H)-オン(154 mg, 0.8 mmol, 製造実施例11)を、2-(クロロメチル)-1-イソペンチル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール塩酸塩(0.8mmol)と反応させ後、RP HPLCにより精製して標題化合物を、白色固体(52 mg, 17%)として得た。
【0153】
1H NMR (400 MHz): δ7.74(1H, m), 7.67 (1H, d), 7.278 (4H, m), 7.074 (1H, d), 7.017 (1H, t), 5.56 (2H, s), 4.23(2H, m), 2.86 (2H, s), 1.77 (1H, sept), 1.65 (|4H, m), 1.41 (2H, m), 1.03 (6H, d), 0.82(2H, m). LC/MS 374 (MH
+).
【0154】
実施例12: 1'-((5-(アミノメチル)-1-イソペンチル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)メチル)-1'H-スピロ[シクロペンタン-1,3'-キノリン]-2'(4'H)-オン
実施例1と同様な方法で、1'H-スピロ[シクロペンタン-1,3'-キノリン]-2'(4'H)-オン(125 mg, 0.62 mmol, 製造実施例14)を、tert-ブチル((2-(クロロメチル)-1-イソペンチル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-イル)メチル)カルバメート塩酸塩(1 eq)と反応させて、標題化合物を、青白色泡状物(101 mg, 38%)として得た。
【0155】
1H NMR (400 MHz): δ 7.65 (s, 1H), 7.58 (d, 1H), 7.25 (m, 4H), 7.12 (dd, J = 7.4, 1.5 Hz, 1H), 6.98 (td, J = 7.4, 1.0 Hz, 1H), 5.52 (s, 2H), 4.24 (m, 2H), 3.96 (s, 2H), 2.86 (s, 2H), 2.16 (m, 2H), 1.76 (m, 5H), 1.63 (m, 8H), 1.53 (m, 2H), 1.02 (d, J = 6.5 Hz, 6H). LC/MS 431.5(MH
+)
【0156】
実施例13: 1'-((1-イソペンチル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)メチル)-1'H-スピロ[シクロペンタン-1,3'-キノリン]-2'(4'H)-オン
実施例3と同様な方法で、1'H‐スピロ[シクロペンタン-1,3'-キノリン]-2'(4'H)-オン(125 mg, 0.62 mmol)を、2-(クロロメチル)-1-イソペンチル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール塩酸塩(0.62mmol)と反応させ後、RP‐HPLCにより精製して、標題化合物を、青白色泡状物(80 mg, 32 mg)として得た。
【0157】
1H NMR (400 MHz): δ7 .64 (m, 1H), 7.51 (d, J = 8.2 Hz, 1H), 7.16 (m, 4H), 7.02 (dd, J = 7.3, 1.6 Hz, 1H), 6.89 (td, J = 7.4, 1.1 Hz, 1H), 5.44 (s, 2H), 4.15 (m, 2H), 2.76 (s, 2H), 2.06 (m, 2H), 1.58 (m, 9H), 0.93 (d, J = 6.5 Hz, 6H). LC/MS 402.4 (MH
+).
【0158】
実施例14: 1-((1-イソペンチル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)メチル)スピロ[ベンゾ[e][1,4]ジアゼピン-3,1'-シクロプロパン]-2,5(1H,4H)-ジオン
1-(2-(((1-イソペンチル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)メチル)アミノ)ベンズアミド)シクロプロパンカルボン酸(279 mg, 製造実施例15)のDMF(5 mL)溶液を、TBTU(284 mg, 1.2 eq)及びDIPEA(190 μL, 1.3 eq)で処理し、その後12時間、rtで撹拌した。真空で濃縮した後、残渣を、Et
2Oと2M NaOHで分配した。Et
2O相を分離し、乾燥し、濃縮し、その後Siゲル上で、溶出液としてイソヘキサン/EtOAC (4:1)を用いて、クロマトグラフィーに付して精製し、標題化合物を、ガム状物として得た。その後、MeCN水溶液から凍結乾燥し、灰色粉末(42 mg, 16%)を得た。
【0159】
1H NMR (400 MHz) δ 8.3(1H, t), 7.2 (1H, dd), 7.68 (1H, m), 7.24 (4H, m), 6.91 (1H, dm), 6.67 (1H, ddd), 4.68 (2H, d), 4.11 (2H, m), 1.75 (2H, m), 1.72 (2H, m), 1.58 (2H, m), 0.88 (6H, d). LC/MS 403.2 (MH
+).
【0160】
実施例15: 生物学試験
前出の実施例の記載に従って調製された本発明化合物を、以下の生物学的分析に付した。
プラーク減縮分析
実施例1-13の化合物を、予めそれぞれの分子量の100倍に相当する量を計りとり、分析に供した。1.00mLの100%細胞培養グレードのジメチルスルホキシド(DMSO)を加え、10mM濃度の保存溶液を得た。必要により、溶解のため、補助的に、室温にての音波処理乃至はピペットによる吸引下の穏やかな加熱(<40℃)を施した。
【0161】
その後、DMSO保存溶液から、一定分量を取り除き、所望の濃度になるように、分析に適した緩衝液を添加して希釈し、最終濃度として、0.5%以上DMSOを含有するようにした。100% DMSO保存溶液を、必要により、光や外部湿度を断つように保護しながら、4℃で保存した。一晩で、徐々に温まるようにし、もし固まったことが確認できれば、吸引やその他の方法で、再可溶化し、その後一定分量取り除いた。
【0162】
プラーク減縮分析:
ベロ細胞を、1ウエル当たり4x104細胞の濃度で、3%FCSを加えたオプティメム(Optimem)を100μL容量用い、96-ウエルプレートに播いた。37℃で、加湿した5%CO
2の雰囲気下で一晩培養した後に、細胞の単層は、ほぼ90%融合しているはずである。抗ウイルス化合物を、U型底の96-ウエルプレートに入れ、予め加温した、血清を含まない(SF)オプティメム中で、滴定した。DMSO溶液中の化合物につき、最初に100%DMSOでの滴定を行い、それぞれ、SF培地中における4%DMSOでの最終濃度x2まで各濃度量加え、その後、最終のウイルスを含むDMSO濃度として2%となるように、ウイルスと混合した。次いで、培地を細胞から取り除き、PBS (100μl/well)で置き換えた。保存したRSVを、自然に解かし、SFオプティメム培地に、4000PFU/mLになるように希釈した。等量のウイルスを滴定プレート上の化合物に加えた。細胞から、PBSを取り除いた後、ウイルス/化合物の溶液(50μL/well)で、接種した。細胞を、37℃で、加湿した5%CO
2の培養器で、2時間培養し、感染させた。接種材料を取り除き、培地(オプティメム+1%FCS)を、細胞(100μl/well)に加えた。細胞は、その後48時間、37℃で、5%CO
2を入れた加湿培養器で培養した。
【0163】
免疫染色手順:
培地を細胞から取り除き、単層をPBSで洗浄した。細胞を、20分間、−20℃で、氷冷したPBS(100μl/well)中の氷冷80%アセトンを用いて、定着処理した。定着剤を取り除き、細胞を反転したプレートで、30分間乾燥した。細胞(150μL/well)に、ブロッキング溶液(PBS-T中に5%スキムミルク粉末含有)を加え、プレートを、室温で、30分間培養した。ブロッキング溶液を除去し、プレートを、PBS-Tで一度洗浄した。ブロッキング溶液中の第一抗体を、プレート(50μl/well)に加え、37℃で、1時間培養した。その後プレートを、PBS-Tで3回洗浄した。ブロッキング溶液中の第二抗体をプレート(50μL/well)に加え、暗がりで、37℃で1時間培養した。このプレートを洗浄し、10分間乾燥した。プレートを、オディッセイイメージャー(Odyssey Imager)(Li-Cor Biosciences)を用い、800nMチャンネルで、中適度の品質の42μMの解像度、レベル5の強度でスキャンした。
【0164】
データ解析:
取得したイメージを保存し、コンピューターイメージングソフトウエアを用いて、プラーク数を計測した。各化合物のEC
50値は、グラフパッドプリズム(Graphpad Prism)ソフトウエアを用いて得た投与量応答性曲線[3つの変数のlog(阻害剤)対応答性]から誘導した。
結果:
試験した全ての化合物は、80μM以下のEC
50をもつことが、見出された。
【0165】
実施例16:水性製剤
実施例10の化合物を、以下の手順に従い、pH4で、30%w/vカプチゾール(即ち、スルホブチルエーテル‐ベーター‐シクロデキストリン)溶液として製剤化する。
所定量のカプチゾールを適当な容器に量りとり、水を、最終容量のほぼ80%相当量、添加し、溶液が形成されるまで磁気的に撹拌して、30%w/vカプチゾール(即ち、スルホブチルエーテル‐ベーター‐シクロデキストリン)の担体を調製する。その後、所定量まで、水を調整して加え、該担体を仕上げる。
【0166】
実施例10の化合物を175mg適当な容器に量りとり、所定量の担体のほぼ80%の担体を加えて、該化合物の水溶液を調製する。塩化水素水溶液を用いて、pHをpH2に調整し、得られた混合物を、溶液が形成されるまで磁気的に撹拌する。その後担体を、量を調整するように加えて、製剤を仕上げ、水酸化ナトリウム水溶液を用いて、pHをpH4に調整する。
【0167】
実施例17:錠剤組成物
本発明化合物を25mg含有する、それぞれの重量が0.15gの錠剤を以下のようにして製造する:
【0168】
10,000錠の組成物
本発明化合物(250g)
乳糖(800g)
トウモロコシデンプン(415g)
タルク粉末(30g)
ステアリン酸マグネシウム(5g)
【0169】
本発明化合物、乳糖、トウモロコシデンプン半量を混合する。この混合物を0.5mmメッシュサイズの篩にかける。トウモロコシデンプン(10g)を、温水(90mL)に懸濁する。得られたペーストを用いて、粉末を粒状化し、粒状物を乾燥し、1.4mmメッシュサイズの篩上で、小さい断片につぶす。残りの量のデンプン、タルク、マグネシウムを加え、丁寧に混合し、錠剤化する。
【0170】
実施例18:注射用製剤
本発明化合物 200mg
塩酸溶液0.1M又は
水酸化ナトリウム溶液0.1M (pH4.0から7.0へ調整できる)適量
滅菌水 (10mLになる)適量
【0171】
本発明化合物を、水(35℃-40℃)のほとんどを使用して溶解し、塩酸又は水酸化ナトリウムを適量用いて、pHを4.0から7.0に調整する。これらに、所定量になるように水を添加して、バッチを仕上げ、滅菌マイクロポアフイルターを用いて、滅菌10mLアンバーガラスバイアル(タイプ1)中にろ過し、滅菌した栓とその上のシールで密閉する。
【0172】
実施例19:筋肉内注射剤
本発明化合物 200mg
ベンジルアルコール 0.10g
グリコフロール75(Glycofurol 75) 1.45g
注射用水 (3.00mlになる)適量
【0173】
本発明化合物を、グリコフロールに溶解する。その後、ベンジルアルコールを添加して溶解し、水を、3mlになるように添加する。混合物を、滅菌マイクロポアフイルターを用いてろ過し、その後滅菌した3mLガラスバイアル(タイプ1)に充填密封する。
【0174】
実施例20:シロップ製剤
本発明化合物 250 mg
ソルビトール溶液 1.50 g
グリセロール 2.00 g
安息香酸ナトリウム 0.005 g
香味料 0.0125 mL
精製水 (5.00 mLになる)適量
【0175】
本発明化合物を、グリセロールと精製水のほとんどを用いた混合物に溶解する。この溶液に、安息香酸ナトリウム水溶液を添加し、次いでソルビトール溶液を添加し、最後に香味料を加える。精製水の残りを所定量に合わせて加え、よく混合する。