特許第6046757号(P6046757)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6046757基板処理装置、半導体装置の製造方法、プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6046757
(24)【登録日】2016年11月25日
(45)【発行日】2016年12月21日
(54)【発明の名称】基板処理装置、半導体装置の製造方法、プログラム
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/3065 20060101AFI20161212BHJP
【FI】
   H01L21/302 105A
   H01L21/302 101G
【請求項の数】9
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2015-32843(P2015-32843)
(22)【出願日】2015年2月23日
(65)【公開番号】特開2016-72596(P2016-72596A)
(43)【公開日】2016年5月9日
【審査請求日】2015年9月17日
(31)【優先権主張番号】特願2014-199910(P2014-199910)
(32)【優先日】2014年9月30日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000001122
【氏名又は名称】株式会社日立国際電気
(72)【発明者】
【氏名】須田 敦彦
(72)【発明者】
【氏名】島本 聡
(72)【発明者】
【氏名】大橋 直史
【審査官】 鈴木 聡一郎
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−258145(JP,A)
【文献】 特開平06−177056(JP,A)
【文献】 特開2009−081420(JP,A)
【文献】 特開平09−171953(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/3065
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
処理室と、
前記処理室にハードマスク形成ガスを供給するガス供給部と、
被エッチング膜が形成された第nロットの基板Wnが載置される基板載置部と、
前記基板載置部に内包された加熱部と、
前記第nロットより前に処理された第mロットの基板Wmのエッチング情報に基づいて前記加熱部の温度分布を制御する制御部とを有し、
前記基板Wmのエッチング情報が、基板の中心である中心面と前記中心面の外周である外周面とにおけるエッチングレート情報か、もしくは前記中心面と前記外周面とにおける被エッチング膜の幅の情報であって、
前記制御部は、
前記基板Wmのエッチング情報が、前記外周面のエッチングレートが前記中心面のエッチングレートよりも高いこと、もしくは前記外周面の被エッチング膜の幅が前記中心面よりも狭いこと、を示す情報である場合、
前記基板Wnに形成されるハードマスク膜の前記外周面の膜厚が、前記中心面の膜厚よりも厚くなるよう前記温度分布を制御し、
前記基板Wmのエッチング情報が、前記外周面のエッチングレートが前記中心面のエッチングレートよりも小さいことを示すこと、もしくは前記外周面の被エッチング膜の幅が前記中心面の幅よりも広いこと、を示す情報である場合、
前記基板Wnに形成されるハードマスク膜の前記中心面の膜厚が、前記外周面の膜厚よりも厚くなるよう前記温度分布を制御する
基板処理装置。
【請求項2】
前記加熱部は、前記中心面を加熱するセンターゾーンヒータと、前記外周面を加熱するアウトゾーンヒータとを有し、
前記基板Wmのエッチング情報が、前記外周面のエッチングレートが前記中心面のエッチングレートよりも高いこと、もしくは前記外周面の被エッチング膜の幅が前記中心面よりも狭いこと、を示す情報である場合、
前記温度分布を制御する際、前記アウトゾーンヒータの温度を前記センターゾーンヒータの温度よりも高くするよう制御する請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項3】
前記温度分布を制御する際、前記基板Wnのハードマスク膜を形成する際の前記アウトゾーンヒータの温度が、前記基板Wmでハードマスク膜を形成した際の温度よりも高くなるよう制御する請求項2に記載の基板処理装置。
【請求項4】
前記加熱部は、前記中心面を加熱するセンターゾーンヒータと、前記外周面を加熱するアウトゾーンヒータとを有し、
前記基板Wmのエッチング情報が、前記外周面のエッチングレートが前記中心面のエッチングレートよりも小さいことを示すこと、もしくは前記外周面の被エッチング膜の幅が前記中心面の幅よりも広いこと、を示す情報である場合、
前記温度分布を制御する際、前記センターゾーンヒータの温度を前記アウトゾーンヒータの温度よりも高くするよう制御する請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項5】
前記温度分布を制御する際、前記基板Wnのハードマスク膜を形成する際の前記センターゾーンヒータの温度が、前記基板Wmでハードマスク膜を形成した際の温度よりも高くなるよう制御する請求項4に記載の基板処理装置。
【請求項6】
前記ハードマスク膜はシリコン窒化膜である請求項1から5の内、いずれか一項に記載の基板処理装置。
【請求項7】
前記被エッチング膜は、ゲート電極層である請求項1から6の内、いずれか一項に記載の基板処理装置。
【請求項8】
処理室に内包された基板載置部に、被エッチング膜が形成された第nロットの基板Wnを載置する工程と、
前記第nロットより前に処理された第mロットの基板Wmのエッチング情報に基づいて、前記基板Wnの面内温度分布を制御する工程と、
前記処理室にハードマスク形成ガスを供給する工程とを有し、
前記基板Wmのエッチング情報が、基板の中心である中心面と前記中心面の外周である外周面とにおけるエッチングレート情報か、もしくは前記中心面と前記外周面とにおける被エッチング膜の幅の情報であって、
前記面内温度分布を制御する工程では、
前記基板Wmのエッチング情報が、前記外周面のエッチングレートが前記中心面のエッチングレートよりも高いこと、もしくは前記外周面の被エッチング膜の幅が前記中心面よりも狭いこと、を示す情報である場合、
前記基板Wnに形成されるハードマスク膜の前記外周面の膜厚が、前記中心面の膜厚よりも厚くなるよう前記温度分布を制御し、
前記基板Wmのエッチング情報が、前記外周面のエッチングレートが前記中心面のエッチングレートよりも小さいことを示すこと、もしくは前記外周面の被エッチング膜の幅が前記中心面の幅よりも広いこと、を示す情報である場合、
前記基板Wnに形成されるハードマスク膜の前記中心面の膜厚が前記外周面の膜厚よりも厚くなるよう前記温度分布を制御する
半導体装置の製造方法。
【請求項9】
処理室に内包された基板載置部に、被エッチング膜が形成された第nロットの基板Wnを載置する処理と、
前記第nロットより前に処理された第mロットの基板Wmのエッチング情報に基づいて、前記基板Wnの面内温度分布を制御する処理と、
前記処理室にハードマスク形成ガスを供給する処理とを有し、
前記基板Wmのエッチング情報が、基板の中心である中心面と前記中心面の外周である外周面とにおけるエッチングレート情報か、もしくは前記中心面と前記外周面とにおける被エッチング膜の幅の情報であって、
前記面内温度分布を制御する処理では、
前記基板Wmのエッチング情報が、前記外周面のエッチングレートが前記中心面のエッチングレートよりも高いこと、もしくは前記外周面の被エッチング膜の幅が前記中心面よりも狭いこと、を示す情報である場合、
前記基板Wnに形成されるハードマスク膜の前記外周面の膜厚が、前記中心面の膜厚よりも厚くなるよう前記温度分布を制御し、
前記基板Wmのエッチング情報が、前記外周面のエッチングレートが前記中心面のエッチングレートよりも小さいことを示すこと、もしくは前記外周面の被エッチング膜の幅が前記中心面の幅よりも広いこと、を示す情報である場合、
前記基板Wnに形成されるハードマスク膜の前記中心面の膜厚が前記外周面の膜厚よりも厚くなるよう前記温度分布を制御する
コンピュータによって基板処理装置に実行させるプログラム。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板処理装置、半導体装置の製造方法、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、半導体装置は高集積化の傾向にある。それに伴い、半導体装置に採用されるトランジスタのパターンサイズが著しく微細化されている。例えばトランジスタのゲート電極を形成する際に実施する。ゲート電極の幅は、45nm世代トランジスタの場合、例えば40nm未満が求められている。これらのパターンは、ハードマスクやレジストの形成工程、リソグラフィ工程、エッチング工程等で形成している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところでトランジスタを複数採用する半導体装置の場合、性能のばらつきを抑えるため各トランジスタの性能を均一にすることが求められている。性能を均一にするためには、トランジスタの特性を左右するチャネル長さに相当するゲート電極幅を均一にすることが望ましい。ゲート電極幅のばらつきの許容値は、例えばゲート電極幅の約10%程度と言われている。
【0004】
そこで本発明は、トランジスタの特性のばらつきを抑制することが可能な構成を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様によれば、処理室と、前記処理室にハードマスク形成ガスを供給するガス供給部と、被エッチング膜が形成された第nロットの基板Wnが載置される基板載置部と、前記基板載置部に内包された加熱部と、前記第nロットより前に処理された第mロットの基板Wmのエッチング情報に基づいて前記加熱部の温度分布を制御する制御部とを有する構成が提供される。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、ゲート電極幅のばらつきを抑制することが可能な構成を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明の一実施形態に係るゲート電極の形成方法を説明する説明図である。
図2】本発明の一実施形態に係る枚葉式の成膜装置の概略構成図である。
図3】本発明の一実施形態に係る枚葉式の成膜装置のシャワーヘッドを説明する説明図である。
図4】本発明の一実施形態に係る成膜工程を説明するフロー図である。
図5】本発明の一実施形態に係るエッチング装置を説明する説明図である。
図6】エッチング工程を実施した基板を説明する説明図である。
図7】エッチング工程を実施した基板を説明する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
<本発明の第一実施形態>
以下に、本発明の一実施形態の半導体製造方法(基板処理方法とも呼ぶ)について、図面を参照しながら説明する。
本実施形態では、処理対象となる基板としては、例えば、半導体装置(半導体デバイス)が作り込まれる半導体ウエハ基板(以下、単に「ウエハ」という。)が挙げられる。
【0009】
(1)ゲート電極形成工程
本実施形態におけるゲート電極形成工程を、図1を用いて説明する。
【0010】
(ハードマスク膜形成工程)
図1(A)(B)を用いて説明する。図1(A)に記載のウエハ200上に形成されたPoly−Si膜101上に、後述する成膜装置を用いた成膜工程により、図(B)に記載のようにハードマスク膜としてのシリコン窒化膜(SiN膜)102を形成する。Poly−Si膜101は後にゲート電極となる層であり、被エッチング膜とも呼ぶ。ハードマスク膜102は反射防止膜としての役割も有する。
【0011】
ここで、ハードマスク層を形成する理由を説明する。近年の微細化に伴い、後述するレジスト形成工程ではレジストの薄膜化が求められている。然しながら、薄膜化に伴ってレジストのエッチング耐性が劣化するため、エッチング工程中にレジストが消失してしまうことがある。そこで、レジストの下部に位置する反射防止膜等に、エッチング耐性の高いハードマスクを用いる手法がとられている。
【0012】
(レジスト膜形成工程)
図1(C)を用いて説明する。ハードマスク膜102上に、レジスト塗布装置を用いてレジスト膜103を形成する。
【0013】
(露光工程)
図1(D)を用いて説明する。レジスト膜103上にエッチングマスク103を形成した後、露光装置にて所望のパターンを露光する。
【0014】
(エッチング工程)
図1(E)を用いて説明する。露光工程の後、後述するエッチング装置を用いてプラズマによるドライエッチング処理を行いPoly−Si膜101に溝を形成する。溝には、後の工程において、例えばシリコン酸化膜等で構成される絶縁膜が埋め込まれる。
【0015】
(レジスト膜・ハードマスク膜除去工程)
図1(F)を用いて説明する。エッチング工程の後、Poly−Si膜101の上方にあるレジスト膜103、ハードマスク膜102を除去する。
【0016】
以上のようにしてウエハ200上に複数のPoly−Si膜101を形成する。
【0017】
(2)基板処理装置(成膜装置)の構成
続いて、ハードマスク膜を形成する基板処理装置2000を説明する。基板処理装置は、成膜装置とも呼ぶ。
本実施形態に係る基板処理装置は、処理対象となる基板に対して一枚ずつ処理を行う枚葉式の基板処理装置として構成されている。
【0018】
以下、本実施形態に係る基板処理装置の構成について、図2を参照しながら説明する。図2は、本実施形態に係る枚葉式の基板処理装置の概略構成図である。
【0019】
(処理容器)
図2に示すように、基板処理装置2000は処理容器202を備えている。処理容器202は、例えば横断面が円形であり扁平な密閉容器として構成されている。また、処理容器202は、例えばアルミニウム(Al)やステンレス(SUS)などの金属材料により構成されている。処理容器202内には、基板としてのシリコンウエハ等のウエハ200を処理する処理空間201と、ウエハ200を処理空間201に搬送する際にウエハ200が通過する搬送空間203とが形成されている。処理容器202は、上部容器202aと下部容器202bで構成される。上部容器202aと下部容器202bの間には仕切り板204が設けられる。
【0020】
上部容器202aの内部の外周端縁近傍には、排気バッファ室209が設けられている。
【0021】
下部容器202bの側面には、ゲートバルブ205に隣接した基板搬入出口206が設けられており、ウエハ200は基板搬入出口206を介して図示しない搬送室との間を移動する。下部容器202bの底部には、リフトピン207が複数設けられている。
【0022】
(基板載置部)
処理空間201内には、ウエハ200を支持する基板載置部210が設けられている。基板載置部210は、ウエハ200を載置する基板載置面211と、基板載置面211を表面に持つ基板載置台212と、基板載置台212に内包された加熱源としてのヒータ213と、を主に有する。基板載置台212には、リフトピン207が貫通する貫通孔214が、リフトピン207と対応する位置にそれぞれ設けられている。
【0023】
基板載置台212は、シャフト217によって支持される。シャフト217は、処理容器202の底部を貫通しており、更には処理容器202の外部で昇降機構218に接続されている。昇降機構218を作動させてシャフト217及び基板載置台212を昇降させることにより、基板載置面211上に載置されるウエハ200を昇降させることが可能となっている。なお、シャフト217の下端部の周囲はベローズ219により覆われており、処理容器202内は気密に保持されている。
【0024】
基板載置台212は、ウエハ200の搬送時には、基板載置面211が基板搬入出口206に対向する位置(ウエハ搬送位置)まで下降し、ウエハ200の処理時には、図1で示されるように、ウエハ200が処理空間201内の処理位置(ウエハ処理位置)となるまで上昇する。
【0025】
具体的には、基板載置台212をウエハ搬送位置まで下降させた時には、リフトピン207の上端部が基板載置面211の上面から突出して、リフトピン207がウエハ200を下方から支持するようになっている。また、基板載置台212をウエハ処理位置まで上昇させたときには、リフトピン207は基板載置面211の上面から埋没して、基板載置面211がウエハ200を下方から支持するようになっている。なお、リフトピン207は、ウエハ200と直接触れるため、例えば、石英やアルミナなどの材質で形成することが望ましい。
【0026】
ヒータ213は、ウエハ200の中心である中心面と、その中心面の外周である外周面をそれぞれ個別に加熱制御可能な構成である。例えば、基板載置面211の中心に設けられ、上方から見て周状のセンターゾーンヒータ213aと、同じく周状であり、アウトゾーンヒータ213aの外周に設けられたアウトゾーンヒータ213bを有する。センターゾーンヒータ213aはウエハの中心面を加熱し、アウトゾーンヒータ213bはウエハの外周面を加熱する。
【0027】
センターゾーンヒータ213a、アウトゾーンヒータ213bは、それぞれヒータ電力供給線を介してヒータ温度制御部215に接続される。ヒータ温度制御部215は各ヒータへの電力供給を制御することで、ウエハ200の中心面、外周面の温度を制御する。
【0028】
基板載置台213には、ウエハ200の温度を計測する温度計測器216aと温度計測器216bが内包される。温度計測器216aはセンターゾーンヒータ213a近傍の温度を計測するよう、基板載置台212の中心部に設けられる。温度計測器216bはアウトゾーンヒータ213b近傍の温度を計測するよう、基板載置台212の外周部に設けられる。温度計測器216a、温度計測器216bは温度情報受信部216cに接続される。各温度計測器で計測した温度は、温度情報受信部216cに送信される。温度情報受信部216cは受信した温度情報を後述するコントローラ260に温度情報を送信する。コントローラ260は受信した温度情報や後述するエッチング情報に基づきヒータ温度を制御する。なお、温度計測器216a、温度計測器216b、温度情報受信部216cをまとめて温度検出部216とする。
【0029】
(シャワーヘッド)
処理空間201の上部(ガス供給方向上流側)には、ガス分散機構としてのシャワーヘッド230が設けられている。シャワーヘッド230の蓋231にはガス導入口231a、231bが設けられる。ガス導入口231a、231bには後述するガス供給系が接続される。ガス導入孔231a、231bから導入されるガスは、シャワーヘッド230のバッファ空間232に供給される。
【0030】
バッファ空間232は、第一のバッファ空間232aと第二のバッファ空間232bとを有する。第一のバッファ空間232aは分散板234に内包される。第二のバッファ空間232bは、蓋231と分散板234の間に構成される。
【0031】
シャワーヘッド230は、分散板234を備えている。分散版234は、ガス導入孔231a、231bから供給されるガスを分散させる。この分散板234の上流側がバッファ空間232bであり、下流側が処理空間201である。分散板234には、後述するように複数の貫通孔234c、貫通孔234dが設けられている。分散板234は、基板載置面211と対向するように配置されている。
【0032】
(ガス供給系)
シャワーヘッド230の蓋231に設けられたガス導入孔231aには第一ガス供給管としてのガス供給管243aが貫通されている。ガス導入孔231bには第二ガス供給管としてのガス供給管242が接続されている。ガス供給管243aは後述するシャワーヘッド234に内包されたバッファ空間232aに接続される。ガス供給管242は、231bへの接続によって、バッファ空間232bに連通する。
【0033】
ガス供給管242には、リモートプラズマユニット(RPU)244eを介してガス供給管244aが接続される。
【0034】
第一ガス供給管243aを含む第一ガス供給系243からは第一のガスが主に供給され、第二ガス供給管242、ガス供給管244aを含む第二ガス供給系242からは第二のガスが主に供給される。
【0035】
(第一ガス供給系)
第一ガス供給管243aには、上流方向から順に、第一ガス供給源243b、流量制御器(流量制御部)であるマスフローコントローラ(MFC)243c、及び開閉弁であるバルブ243dが設けられている。そして、第一ガス供給管243aからは、第一ガスが、MFC243c、バルブ243dを介して、バッファ室232a内に供給される。
【0036】
第一ガスは、処理ガスの一つであり、例えばSi(シリコン)元素を含む原料であるヘキサクロロジシラン(SiCl、略称:HCDS)ガスである。なお、第一ガスとしては、常温常圧で固体、液体、及び気体のいずれであっても良い。第一ガスが常温常圧で液体の場合は、第一ガス供給源243bとマスフローコントローラ243cとの間に、図示しない気化器を設ければよい。ここでは気体として説明する。
【0037】
主に、第一ガス供給管243a、MFC243c、バルブ243dにより、第一ガス供給系243が構成される。なお、第一ガス供給系243は、第一ガス供給源243b、後述する第一不活性ガス供給系を含めて考えてもよい。また、第一ガス供給系243は、処理ガスの一つである第一ガスを供給するものであることから、処理ガス供給系の一つに該当する。
【0038】
第一ガス供給管243aのバルブ243dよりも下流側には、第一不活性ガス供給管246aの下流端が接続されている。第一不活性ガス供給管246aには、上流方向から順に、不活性ガス供給源246b、流量制御器(流量制御部)であるマスフローコントローラ(MFC)246c、及び開閉弁であるバルブ246dが設けられている。そして、第一不活性ガス供給管246aからは、不活性ガスが、MFC246c、バルブ246d、第一ガス供給管243aを介して、バッファ空間232a内に供給される。
【0039】
不活性ガスは、第一ガスのキャリアガスとして作用するもので、第一ガスとは反応しないガスを用いることが好ましい。具体的には、例えば、窒素(N)ガスを用いることができる。また、Nガスのほか、例えばヘリウム(He)ガス、ネオン(Ne)ガス、アルゴン(Ar)ガス等の希ガスを用いることができる。
【0040】
主に、第一不活性ガス供給管246a、MFC246c及びバルブ246dにより、第一不活性ガス供給系が構成される。なお、第一不活性ガス供給系は、不活性ガス供給源246b、第一ガス供給管243aを含めて考えてもよい。また、第一不活性ガス供給系は、第一ガス供給系243に含めて考えてもよい。
【0041】
(第二ガス供給系)
第二ガス供給管242に接続されるガス供給管244aには、下流にRPU244eが設けられている。上流には、上流方向から順に、第二ガス供給源244b、流量制御器(流量制御部)であるマスフローコントローラ(MFC)244c、及び開閉弁であるバルブ244dが設けられている。そして、ガス供給管244aからは、第二ガスが、MFC244c、バルブ244d、RPU244e、ガス供給管242を介して、シャワーヘッド230内に供給される。第二ガスは、リモートプラズマユニット244eによりプラズマ状態とされ、ウエハ200上に照射される。
【0042】
第二ガスは、処理ガスの一つであり、例えばアンモニア(NH)ガスが用いられる。
【0043】
主に、第二ガス供給管242、ガス供給管244a、MFC244c、バルブ244dにより、第二ガス供給系244が構成される。なお、第二ガス供給系244は、第二ガス供給源244b、RPU244e、後述する第二不活性ガス供給系を含めて考えてもよい。また、第二ガス供給系244は、処理ガスの一つである第二ガスを供給するものであることから、処理ガス供給系の他の一つに該当することになる。
【0044】
ガス供給管244aのバルブ244dよりも下流側には、第二不活性ガス供給管247aの下流端が接続されている。第二不活性ガス供給管247aには、上流方向から順に、不活性ガス供給源247b、流量制御器(流量制御部)であるマスフローコントローラ(MFC)247c、及び開閉弁であるバルブ247dが設けられている。そして、第二不活性ガス供給管247aからは、不活性ガスが、MFC247c、バルブ247d、ガス供給管244a、RPU244e、第二ガス供給管242を介して、シャワーヘッド230内に供給される。
【0045】
不活性ガスは、第二ガスのキャリアガス又は希釈ガスとして作用するものである。具体的には、例えば、窒素(N)ガスを用いることができる。また、Nガスのほか、例えばヘリウム(He)ガス、ネオン(Ne)ガス、アルゴン(Ar)ガス等の希ガスを用いてもよい。
【0046】
主に、第二不活性ガス供給管247a、MFC247c、及びバルブ247dにより、第二不活性ガス供給系が構成される。なお、第二不活性ガス供給系は、不活性ガス供給源247b、第二ガス供給管243a、RPU244eを含めて考えてもよい。また、第二不活性ガス供給系は、第二ガス供給系244に含めて考えてもよい。
【0047】
主に、第一ガス供給系、第二ガス供給系によりガス供給部が構成される。なお、不活性ガス供給系、シャワーヘッドをガス供給部に含めて考えてもよい。更には、第一ガスと第二ガスをまとめてハードマスク形成ガスと呼んでも良い。
【0048】
(ガス排気系)
処理容器202の雰囲気を排気する排気系は、処理容器202に接続された排気管222を有する。排気管222は、排気バッファ室209の上面又は側方に設けられた排気孔221を介して、排気バッファ室209内に接続される。排気管222には、排気バッファ室209に連通する処理空間201内を所定の圧力に制御する圧力制御器であるAPC(Auto Pressure Controller)223が設けられる。APC223は、開度調整可能な弁体(図示せず)を有し、後述するコントローラ260からの指示に応じて排気管222のコンダクタンスを調整する。排気管222において、APC223の下流側には、排気ポンプ224が設けられる。排気ポンプ224は、排気管222を介して、排気バッファ室209及びこれに連通する処理空間201の雰囲気を排気する。また、排気管222において、APC223の下流側若しくは上流側、またはこれらの両方には、図示しないバルブが設けられる。主に、排気管222、APC223、排気ポンプ224、及び図示せぬバルブによって、ガス排気系が構成される。
【0049】
(シャワーヘッド)
続いて、図3を用いてシャワーヘッド230の詳細構造を説明する。
シャワーヘッド230は、第一のバッファ空間232aと第二のバッファ空間232bを有し、それぞれのバッファ空間の雰囲気は隔離されている。具体的には、第一のバッファ空間232aは分散板234に内包されており、分散板234の一部である上壁234aを境界として、バッファ空間232bと分けられている。
【0050】
分散板234は処理空間201と接する下壁234bを有する。下壁234bには、第一のバッファ空間232aと連通する複数の貫通孔234cが設けられている。更には、第二のバッファ空間232bと連通する複数の貫通孔234dが設けられている。貫通孔234cと貫通孔234dは、径方向に交互に設けられており、それぞれの貫通孔から供給されるガスが、均一にウエハ200上に供給されるよう構成されている。なお、貫通孔234dは上壁234aと下壁234bを接続する柱234eに内包されている。
【0051】
第一のガス供給管243aは、ガス導入孔231a、バッファ空間232bを介して上壁234aに接続される。接続されることで、第一のガス供給管243aは第一のバッファ空間232aに連通される。
【0052】
第一のバッファ空間232aは、貫通孔234dを内包する柱234eを有すると共に、径方向に連通した空間である。第一ガス供給管243aから供給されたガスは第一のバッファ空間232aで分散され、複数の分散孔234cを介して処理空間201に供給される。
【0053】
第二のバッファ空間232bは、上壁234aと天井231との間に構成される。上壁234aには貫通孔234dが設けられており、ガス供給管242と貫通孔234dは連通されている。ガス供給管242から供給されたガスは貫通孔234dを介して処理空間201に供給される。
【0054】
(コントローラ)
成膜装置2000は、成膜装置2000の各部の動作を制御するコントローラ260を有している。コントローラ260は、演算部261及び記憶部262を少なくとも有する。コントローラ260は、上記した各構成に接続され、上位コントローラや使用者の指示に応じて記憶部262からプログラムやレシピを呼び出し、その内容に応じて各構成の動作を制御する。具体的には、コントローラ260は、ゲートバルブ205、昇降機構218、ヒータ213、MFC243c、244c、246c、247c、バルブ243d、244d、246d、247d、APC223、排気ポンプ224等の動作を制御する。
【0055】
コントローラ260は、工場内の上位装置に接続されている。コントローラ260は、本成膜装置とは異なる装置であるエッチング装置でのエッチング工程の基板処理に関する情報等を受信可能としている。コントローラ260は、本成膜装置の情報に基づいたスタンドアローンの制御だけでなく、他の工程で使用した装置の情報に基づいて各構成の動作を制御可能とする。
【0056】
なお、コントローラ260は、専用のコンピュータとして構成してもよいし、汎用のコンピュータとして構成してもよい。例えば、上述のプログラムを格納した外部記憶装置(例えば、磁気テープ、フレキシブルディスクやハードディスク等の磁気ディスク、CDやDVD等の光ディスク、MO等の光磁気ディスク、USBメモリやメモリカード等の半導体メモリ)を用意し、その外部記憶装置263を用いて汎用のコンピュータにプログラムをインストールすることにより、本実施形態に係るコントローラ260を構成することができる。
【0057】
また、コンピュータにプログラムを供給するための手段は、外部記憶装置263を介して供給する場合に限らない。例えば、インターネットや専用回線等の通信手段を用い、外部記憶装置263を介さずにプログラムを供給するようにしてもよい。なお、記憶部262や外部記憶装置263は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体として構成される。以下、これらを総称して、単に記録媒体ともいう。なお、本明細書において記録媒体という言葉を用いた場合は、記憶部262単体のみを含む場合、外部記憶装置263単体のみを含む場合、又は、その両方を含む場合がある。
【0058】
(3)成膜工程
次に、成膜装置2000を用いたハードマスク膜の成膜工程(図1(B))の詳細について図4を用いて説明する。対象とするウエハには、被エッチング膜であるポリシリコン膜が成膜されている。なお、以下の説明において、成膜装置2000を構成する各部の動作はコントローラ260により制御される。
【0059】
ここでは、第一ガス(第一の処理ガス)としてHCDSガスを用い、第二ガス(第二の処理ガス)としてNHガスを用いて、ウエハ200上にシリコン含有膜としてSiN(シリコン窒化)膜を形成する例について説明する。なお、SiN膜はハードマスク層102として形成される。
【0060】
(基板搬入載置工程:S102)
成膜装置2000では、先ず、基板載置台212をウエハ200の搬送位置まで下降させることにより、基板載置台212の貫通孔214にリフトピン207を貫通させる。その結果、リフトピン207が、基板載置台212表面よりも所定の高さ分だけ突出した状態となる。続いて、ゲートバルブ205を開いて搬送空間203を移載室(図示せず)と連通させる。そして、この移載室からウエハ移載機(図示せず)を用いてウエハ200を搬送空間203に搬入し、リフトピン207上にウエハ200を移載する。これにより、ウエハ200は、基板載置台212の表面から突出したリフトピン207上に水平姿勢で支持される。
【0061】
処理容器202内にウエハ200を搬入したら、ウエハ移載機を処理容器202の外へ退避させ、ゲートバルブ205を閉じて処理容器202内を密閉する。その後、基板載置台212を上昇させることにより、基板載置台212に設けられた基板載置面211上にウエハ200を載置させ、さらに基板載置台212を上昇させることにより、前述した処理空間201内の処理位置までウエハ200を上昇させる。
【0062】
ウエハ200が搬送空間203に搬入された後、処理空間201内の処理位置まで上昇すると、ガス排気系におけるバルブを開き、排気バッファ室209とAPC223の間を連通させるとともに、APC223と排気ポンプ224の間を連通させる。APC223は、排気管222のコンダクタンスを調整することで、排気ポンプ224による排気バッファ室209の排気流量を制御し、排気バッファ室209に連通する処理空間201を所定の圧力に維持する。なお、他の排気系のバルブは閉状態を維持する。また、第一ガス排気系におけるバルブを閉じるときは、TMPの上流側に位置するバルブを閉状態とした後、TMPの下流側に位置するバルブを閉状態とすることで、TMPの動作を安定に維持する。
【0063】
(基板加熱工程:S104)
基板載置台212の内部に埋め込まれたセンターゾーンヒータ213a、アウトゾーンヒータ213bに電力を供給し、ウエハ200の表面が所定の温度分布となるよう制御される。この際、センターゾーンヒータ213a、アウトゾーンヒータ213bの温度は温度検出部216a、温度検出部216bで検出された温度情報やエッチング工程(E)後の膜情報等に基づいてヒータ213への通電具合を制御することによって調整される。このときのウエハ200の温度が、例えば250から700℃、好ましくは300から650℃、より好ましくは350から600℃の範囲内となるよう、センターゾーンヒータ213a、アウトゾーンヒータ213bを制御する。
【0064】
このようにして、ウエハ200の表面温度が所定の範囲内となるように制御する。
尚、ここでは基板搬入載置工程(S102)と基板加熱工程(S104)を別工程として説明したが、それに限るものではなく、この二つの工程を平行して行っても良い。
【0065】
(成膜工程:S106)
基板加熱工程(S104)の後は、次に、処理ガス供給工程(S106)を行う。
【0066】
処理ガス供給工程(S106)では、先ず、バルブ243dを開とすると共に、MFC243cを制御して、所定流量の第一のガスであるHCDSガスを供給する。それと並行して、バルブ244dを開とすると共に、MFC243cを制御して、所定流量の第二のガスを供給する。このとき、事前に起動したRPU244eを介することから、第二のガスであるアンモニアガスはプラズマ状態で処理空間201に供給される。
【0067】
具体的には、第一の処理ガス(HCDS)を供給する際は、バルブ243dを開くとともに、第一ガスの流量が所定流量となるようにマスフローコントローラ243cを調整することで、処理空間201内への第一ガスの供給を開始する。第一ガスの供給流量は、例えば100〜500sccmである。第一ガスは、シャワーヘッド230により分散されて処理空間201内のウエハ200上に均一に供給される。このとき、第一の処理ガスは、熱エネルギーの影響が支配的なガスを用いることが望ましい。熱エネルギーが支配的なため、後述する温度分布制御による膜厚制御が容易なためである。
【0068】
このとき、第一不活性ガス供給系のバルブ246dを開き、第一不活性ガス供給管246aから不活性ガス(Nガス)を供給する。不活性ガスの供給流量は、例えば500〜5000sccmである。なお、パージガス供給系の第三ガス供給管245aから不活性ガスを流してもよい。
【0069】
第二の処理ガス(NHガス)を供給する際は、バルブ244dを開けて、リモートプラズマユニット244e、シャワーヘッド230を介して、処理空間201内への第二ガスの供給を開始する。このとき、第二ガスの流量が所定流量となるように、MFC244cを調整する。第二ガスの供給流量は、例えば1000〜10000sccmである。
【0070】
プラズマ状態の第二ガスは、シャワーヘッド230により分散されて処理空間201内のウエハ200上に均一に供給され、ウエハ200上のHCDSと反応し、ウエハ200上にハードマスク膜としてのSiN膜を生成する。
【0071】
このとき、第二不活性ガス供給系のバルブ247dを開き、第二不活性ガス供給管247aから不活性ガス(Nガス)を供給する。不活性ガスの供給流量は、例えば500〜5000sccmである。
【0072】
このときの処理空間201内の処理温度、処理圧力は、第一のガスと第二のガスが反応し、SiN膜が形成可能な範囲に制御される。このときの処理室201内の圧力は、例えば1〜13300Pa、好ましくは20〜1330Paの範囲内の圧力とする。
【0073】
(基板搬出工程:S108)
被エッチング膜であるポリシリコン膜上にハードマスク膜としてのSiN膜を形成したら、搬入・載置工程102と逆の手順によりウエハ200を搬出する。搬出後、被エッチング膜が形成された未処理のウエハ200を処理室に搬入し、同様の処理を行う。
【0074】
(処理枚数判定工程:S110)
以上の各工程からなる成膜工程の後、処理ガス供給工程(S106)で処理したウエハ200が所定の枚数に到達したか否かを判定する(S110)。
【0075】
処理ガス供給工程(S106)で処理したウエハ200が所定の枚数に到達していなければ、その後は、次に待機している新たなウエハ200の処理を開始するため、基板搬入載置工程(S102)に移行する。また、所定の枚数のウエハ200に対して処理ガス供給工程(S106)を実施した場合には1ロットの基板処理を終了する。
【0076】
前述のゲート電極形成工程で説明したように、ハードマスク膜を成膜工程で形成した後、レジスト膜形成工程、露光工程を経て、エッチング装置にてエッチング工程を実施する。
【0077】
ところで、エッチング工程終了後に柱状のポリシリコン膜の幅を確認したところ、基板面内においてPoly−Si膜で構成されるゲート電極の幅が、ウエハの中心とその外周とでばらつくことを発見した。発明者による鋭意研究の結果、エッチング工程において、ウエハの中心とその外周とでエッチングレートが異なることが、ばらつきの原因の一つであることがわかった。
【0078】
以下にエッチングレートがウエハの中心とその外周で異なる理由を説明する。
まず、一般的なエッチング装置を説明する。エッチング工程においてプラズマによるドライエッチングを実施する場合、例えば図5のようなエッチング装置5000を用いる。エッチング装置5000は容器501内に平行平板型プラズマ電極を有し、供給されたエッチングガスはそれによってプラズマ状態とされる。図5においては、ウエハ200を載置する載置部を兼ねた下部電極502と、ガスを供給するシャワーヘッドを兼ねた上部電極503が平行平板電極として構成される。電極にはそれぞれ電源が接続されている。
【0079】
図5において、504は下部電極501を支持する円筒状の支持部であり、506は容器501内の雰囲気を排気するための排気管である。排気管506にはバルブ等で構成される排気制御部507が設けられ、排気量を制御している。排気管506の先端にはポンプが接続され、容器501内の雰囲気を排気している。下部電極502と容器501との間には流路508が形成される。流路508は上方から見た場合に周状に構成されている。
【0080】
上部電極503は、内部にガス流路が設けられると共に、ウエハ200と向かい合う面には分散孔が設けられている。ガス流路は、ガス供給管509が接続されている。ガス供給管にはガス供給を制御するバルブやマスフローコントローラ等のガス供給制御部510が設けられている。ガス供給制御部510は、図示しないエッチングガス源から供給されたガスの流量等を制御する。矢印で示されるガス511は上部電極503を介して上部電極503と下部電極502の間の空間に供給される。供給されたエッチングガスは上部電極503、下部電極502によってプラズマ状態とされ、ウエハ200上の膜をエッチングする。
【0081】
エッチングに使用されたガスは流路508を介して排気管506から排気される。継続してエッチングする際は、ガス供給制御部510と排気制御部507との協働により処理容器501内の圧力を所望の圧力に調整し、エッチング処理を行う。
【0082】
エッチング装置5000のような枚葉装置で基板を処理する場合に、処理容器501内の圧力やガス流量、排気量等を調整して所定の処理条件に調整するが、次の問題が起きる場合がある。
【0083】
第一の問題を説明する。エッチング装置5000の場合、構造上の問題からエッチングガスはウエハ200の外周である流路508を介して排気管506から排気される。例えばエッチング時間を短くするために、ウエハ200にアタックするエッチングガスのボリュームを増やしてエッチング効率を高める場合、処理容器501内の圧力を高くしたり、ガス供給/排気する際の流速を高くしたりしてガスを拡散容易としている。このような場合、ウエハ外周面200b上では、ウエハ中心面200a上よりもガスが高速で供給される。従って、ウエハ外周面のエッチングガスの供給量は、ウエハ中心面よりも多い。即ち、ウエハ外周面のプラズマ密度はウエハ中心面のプラズマ密度よりも高い。このような状況であることから、ウエハ外周面200bのエッチングレートは、ウエハ中心面200aよりも高いことが考えられる。
【0084】
第二の問題を説明する。例えばエッチング時間を短くするため、プラズマ密度を高めてエッチング効率を高める場合、電極への電力供給量を増やすことが考えられる。しかしながら、上部電極503中央部の下方の空間(すなわちウエハ中心面200a上方空間)に磁界が集まるため、上部電極503中央部の下方の空間のプラズマ密度は、上部電極503の外周の下方の空間(すなわちウエハ外周面200bの上方空間)のプラズマ密度よりも高くなってしまう。このような状況であることから、ウエハ中心面200aのエッチングレートは、ウエハ外周面200bよりも高いことが考えられる。
【0085】
次に、ウエハの中心とその外周とでエッチングレートが異なった場合の問題点について図6図7を用いて説明する。
【0086】
図6は第一の問題であるウエハ外周面200bのエッチングレートが、ウエハ中心面200aよりも高い場合を説明した図である。ここではウエハ中心面200aのエッチングレートをRa1、ウエハ外周面のエッチングレートをRb1とする。更には、ウエハ中心面200a上に形成されたpoly-Si膜を101a、ハードマスクを102a、レジストを103aと呼ぶ。ウエハ外周面200b上に形成されたpoly-Si膜を101b、ハードマスクを102b、レジストを103bと呼ぶ。
【0087】
ウエハ中心面200a上にエッチング残渣が残らないように、中心側エッチングレートRa1のエッチング時間に合わせてエッチングする場合、外周側エッチングレートRb1のエッチングレートが高いため、ウエハ外周面200b上ではエッチングガスの供給量が中心側に比べて多くなる。
【0088】
前述したように、近年の微細化に伴いレジストが薄膜化されており、大量のエッチングガスに曝されると、レジストもエッチングされてしまうことがある。更には、レジストそのものがエッチングされてしまうため、レジストの下方に形成されたハードマスクの上部がエッチングガスに曝される。ハードマスクはある程度のエッチング耐性を有するが、大量のエッチングガスに曝された場合はエッチングされてしまう。その結果、ハードマスク102bの幅方向の一部がエッチングされてしまい、所望の幅を維持できないことがある。そのため、ハードマスク102bの下方では、複数の柱状で構成されるPoly−Si膜101bがエッチングされ、それぞれの柱が所望の幅よりも細くなってしまう。更には、エッチングガスを長時間さらすことで、Poly−Si膜101bにアンダーカットが起きてしまい、所望の幅を維持することができない。
【0089】
以上の説明のように、ウエハ外周面200bではウエハ中心面200aのPoly−Si膜101aよりも細いPoly−Si膜101bが形成される。従って、ウエハ200の中心面と外周面とでゲート電極の幅にばらつきが出てしまう。
【0090】
図7は第二の問題であるウエハ中心面200aのエッチングレートが、ウエハ外周面200bよりも高い場合を説明した図である。ここではウエハ中心面200aのエッチングレートをRa2、ウエハ外周面のエッチングレートをRb2とする。更には、ウエハ中心面200a上に形成されたpoly-Si膜を101a、ハードマスクを102a、レジストを103aと呼ぶ。ウエハ外周面200b上に形成されたpoly-Si膜を101b、ハードマスクを102b、レジストを103bと呼ぶ。
【0091】
ウエ外周200b上にエッチング残渣が残らないように、外周側エッチングレートRb2に合わせてエッチングする場合、中心側エッチングレートRa2のエッチングレートが高いため、ウエハ中心面200a上では外周側に比べてエッチングガスの供給量が多くなる。
【0092】
前述したように、近年の微細化に伴いレジストが薄膜化されており、大量のエッチングガスに曝されると、レジストもエッチングされてしまうことがある。更には、レジストそのものがエッチングされてしまうため、レジストの下方に形成されたハードマスクの上部がエッチングガスに曝さる。ハードマスクはある程度のエッチングガス耐性を有するが、大量のエッチングガスに曝された場合はエッチングされてしまう。その結果、ハードマスク102aの幅方向の一部がエッチングされてしまい、所望の幅を維持できないことがある。そのため、ハードマスク102aの下方に形成されたPoly−Si膜101aも削られ、所望の幅よりも細くなってしまう。更には、プラズマ密度の高いエッチングガスに曝されるので、Poly−Si膜101aにアンダーカットが起きてしまい、各柱は所望の幅を維持することができない。
【0093】
このような状況であるので、図7に記載のように、ウエハ中心面200aには、ウエハ外周面200bのPoly−Si膜101bよりも細い柱状のPoly−Si膜101aが形成される。従って、ウエハ200の中心面と外周面でゲート電極の幅にばらつきが出てしまう。
【0094】
以上説明したように、ドライエッチングを行う場合に、ウエハ面内においてゲート電極の幅を均一にすることは困難である。
【0095】
そこで本実施形態においては、新たに処理するロット(第nロットと呼ぶ)のウエハWnの成膜工程でハードマスクを形成する際に、エッチング工程が終了した処理済みロット(第mロットと呼ぶ)のウエハのエッチング情報に応じて、ハードマスクの膜厚をウエハ200の中心面と外周面とで異ならせるよう膜厚分布を制御する。ここでエッチング情報とは、ウエハ200の中心面、外周面におけるエッチングレート、エッチング後の被エッチング膜(Poly−Si膜101)の柱の幅やその分布を言う。ウエハ200の中心面、外周面におけるエッチングレートについては、例えばロットmのエッチング結果を見て算出する。被エッチング膜の柱の幅については、エッチング処理後に、既存の測定装置を用いて測定する。
【0096】
以下に、ハードマスクの膜厚をウエハ200の中心面と外周面とで異ならせる具体的方法と膜厚を異ならせる理由について説明する。ロットnから見て、ロットmのウエハを「他の基板」もしくは「基板Wm」と呼ぶ。これに対して、新たに処理するロットのウエハを単に「基板」もしくは「基板Wn」と呼ぶ。
【0097】
エッチング工程が終了したロットmの他の基板(基板Wm)のエッチング情報が、図6のようにPoly−Si膜101aの幅がPoly−Si膜101bよりも広いことを示す情報である場合、もしくは基板外周200bのエッチングレートがウエハ中心面200aのエッチングレートよりも高いことを示す情報である場合、ロットnの処理では、ウエハ外周面200bのハードマスク102bをハードマスク102aよりも厚くするよう成膜装置2000を制御する。
【0098】
具体的な制御としては、成膜装置2000のアウトゾーンヒータ213bの温度をセンターゾーンヒータ213aの温度よりも高くした状態で処理ガス供給工程(S106)を実施する。より良くは、Wnを処理する際のヒータ231bの温度は、Wmを処理した際の温度よりも高くする。また、Wnを処理する際のヒータ231aの温度は、Wmを処理した際の温度を維持する。
【0099】
ウエハ温度が高いとガスの反応が促進され、ハードマスク102の成膜レートが高くなる。従ってハードマスク102bの厚みはハードマスク102aより厚くなる。このとき、ハードマスク101a、ハードマスク101bの厚さは、少なくとも所定のエッチング時間においてPoly−Si膜101が露出しない程度の厚みとする。
【0100】
好ましくは、ハードマスク102aの厚みをHa1、ハードマスク102bの厚みをHb1、エッチング処理時間をtとしたとき、「Ha1 > Ra1 × t」、「Hb1 > Rb1 × t」の関係となることが望ましい。このような関係とすることで、ウエハ外周面のエッチングレートが外周面より高いとしても、より確実にハードマスクのオーバーエッチングやアンダーカットを防ぐことができる。従って、ウエハ面内において、均一なゲート電極幅とすることができる。
【0101】
また、エッチング工程が終了したロットmの他の基板(基板Wm)のエッチング情報が、図7のようにPoly−Si膜101bの幅がPoly−Si膜101aよりも広いことを示す情報である場合、もしくは基板外周面のエッチングレートが基板外周のエッチングレートよりも高いことを示す情報である場合、ロットnの処理にて、ウエハ中心面200aのハードマスク102aをハードマスク102bよりも厚くするよう制御する。
【0102】
具体的な制御としては、成膜装置2000のセンターゾーンヒータ213aの温度をアウトゾーンヒータ213bの温度よりも高くした状態で処理ガス供給工程(S106)を実施し、膜厚分布が所定の範囲内となるよう温度分布を制御する。より良くは、Wnを処理する際のアウトゾーン231bの温度は、Wmを処理した際の温度を維持する。また、Wnを処理する際のセンターゾーンヒータ231aの温度は、Wmを処理した際の温度よりも高くする。
【0103】
前述のように、ウエハ温度が高いとガスの反応が促進され、ハードマスク102の成膜レートが高くなる。従ってハードマスク102aの厚みはハードマスク102bより厚くなる。このとき、ハードマスク101a、ハードマスク101bの厚さは、少なくとも所定のエッチング時間においてPoly−Si膜101が露出しない程度の厚みとする。
【0104】
好ましくは、ハードマスク102aの厚みをHa2、ハードマスク102bの厚みをH2、エッチング処理時間をtとしたとき、「Ha2 > Ra2 × t」、「Hb2 > Rb2 × t」の関係となることが望ましい。このような関係とすることで、ウエハ中心面のエッチングレートが外周より高いとしても、より確実にハードマスクのオーバーエッチングやアンダーカットを防ぐことができる。従って、ウエハ面内において、均一なゲート電極幅とすることができる。
【0105】
このように、本発明によれば、前のロット(ロットm)でエッチング工程後のPoly−Si膜の幅にばらつきがあったとしても、後のロット(ロットn)ではロットmのエッチング情報に基づいてハードマスクの膜厚を調整するので、Poly−Si膜の幅を所望の範囲内に収めることができる。
【0106】
尚、以上の実施例では、ウエハ200の中心面、外周面に分けて説明したが、それに限るものではなく、径方向に対してより細分化した領域でウエハ温度を制御しても良い。例えば、基板中心、外周、中心と外周の間等、3つの領域に分けても良い。
【0107】
また、ここではハードマスクとして、シリコン窒化膜を例に説明したが、それに限るものではなく、例えばシリコン酸化膜でも良い。
【0108】
また、シリコンを含むガスとしては、本実施例の説明で用いたHCDSのような熱エネルギーの影響が支配的なガスを用いることが望ましい。熱エネルギーが支配的なため、温度分布制御による膜厚制御が容易なためである。
【0109】
また、シリコンを含むガスとしては、HCDSの他、DCS(ジクロロシラン)、アミノシラン系の4DMAS(テトラキスジメチルアミノシラン、Si[N(CH3)2]4)、3DMAS(トリスジメチルアミノシラン、Si[N(CH3)2]3H)、2DEAS(ビスジエチルアミノシラン、Si[N(C2H5)2]2H2)、BTBAS(ビスターシャリーブチルアミノシラン、SiH2[NH(C4H9)]2)などの有機原料を用いてもよい。また、TCS(テトラクロロシラン、SiCl4)、SiH4(モノシラン)、Si2H6(ジシラン)等を用いてもよい。
【0110】
また、窒素含有ガスとしては、NH3ガス以外に、N2ガス、N2H4ガスやN3H8ガス等を用いてもよい。
【0111】
また、ロットmの処理として製品化する基板で説明したが、それに限らず製品化しないダミー基板等を用いても良い。
【0112】
また、本実施形態では二種類のガスを基板上で反応させて膜を形成する手法を例にして説明したがそれに限るものではなく、成膜が可能であれば例えば1種類のガス、もしくは3種類以上のガスを用いても良い。
【0113】
更には、本実施形態では二種類のガスが処理空間内に同時に存在するようにガスを供給していたが、それに限るものではなく、例えば処理空間に交互にガスを供給しても良い。
【0114】
<本発明の好ましい態様>
以下、本発明の好ましい態様について付記する。
<付記1>
本発明の一態様によれば、
処理室と、
前記処理室にハードマスク形成ガスを供給するガス供給部と、
被エッチング膜が形成された第nロットの基板Wnが載置される基板載置部と、
前記基板載置部に内包された加熱部と、
前記第nロットより前に処理された第mロットの基板Wmのエッチング情報に基づいて前記加熱部の温度分布を制御する制御部と
を有する基板処理装置が提供される。
【0115】
<付記2>
本発明の他の態様によれば、
前記基板Wmのエッチング情報が、基板の中心である中心面と、前記中心面の外周である外周面とにおけるエッチングレート情報か、もしくは前記中心面と前記外周面とにおける被エッチング膜の幅の情報である付記1に記載の基板処理装置が提供される。
【0116】
<付記3>
本発明の更に他の態様によれば、
前記基板Wmのエッチング情報が、前記外周面のエッチングレートが前記中心面のエッチングレートよりも高いことを示す情報である場合、前記基板Wnに形成されるハードマスク膜の前記外周面の膜厚が、前記中心面の膜厚よりも厚くなるよう前記温度分布を制御する
付記2に記載の基板処理装置が提供される。
【0117】
<付記4>
本発明の更に他の態様によれば、
前記加熱部は、前記中心面を加熱するセンターゾーンヒータと、前記外周面を加熱するアウトゾーンヒータとを有し、
前記温度分布を制御する際、前記アウターゾーンヒータの温度をセンターゾーンヒータの温度よりも高くするよう制御する付記3に記載の基板処理装置が提供される。
【0118】
<付記5>
本発明の更に他の態様によれば、
前記温度分布を制御する際、前記基板Wnのハードマスク膜を形成する際の前記アウターゾーンヒータの温度を、前記基板Wmでハードマスク膜を形成した際の温度よりも高くなるよう制御する付記4記載の基板処理装置が提供される
【0119】
<付記6>
本発明の更に他の態様によれば、
前記温度分布を制御する際、前記センターゾーンヒータの温度が前記基板Wmでハードマスク膜を形成した際の温度を維持するよう制御する付記5記載の基板処理装置が提供される。
【0120】
<付記7>
本発明の更に他の態様によれば、
前記基板Wmのエッチング情報が、前記外周面における被エッチング膜の幅が前記中心面よりも狭いことを示す情報である場合、前記基板Wnに形成されるハードマスク膜の基板外周の膜厚が、基板外周面の膜厚よりも厚くなるよう前記温度分布を制御する
付記2記載の基板処理装置が提供される。
【0121】
<付記8>
本発明の更に他の態様によれば、
前記加熱部は、前記中心面を加熱するセンターゾーンヒータと、前記外周面を加熱するアウトゾーンヒータとを有し、
前記温度分布を制御する際、前記アウトゾーンヒータの温度を前記センターゾーンヒータの温度よりも高くするよう制御する付記7記載の基板処理装置が提供される。
【0122】
<付記9>
本発明の更に他の態様によれば、
前記温度分布を制御する際、前記アウトゾーンヒータ温度が前記基板Wmでハードマスク膜を形成した際の温度よりも高くなるよう制御する
付記8記載の基板処理装置が提供される。
【0123】
<付記10>
本発明の更に他の態様によれば、
前記温度分布を制御する際、前記センターゾーンヒータの温度が、前記基板Wmでハードマスク膜を形成した際の温度を維持するよう制御する付記9記載の基板処理装置が提供される。
【0124】
<付記11>
本発明の更に他の態様によれば、
前記基板Wmのエッチング情報が、前記外周面におけるエッチングレートが前記中心面におけるエッチングレートよりも小さいことを示す情報である場合、前記基板Wnに形成されるハードマスク膜の前記中心面の膜厚が前記外周面の膜厚よりも厚くなるよう前記温度分布を制御する付記2に記載の基板処理装置が提供される。
【0125】
<付記12>
本発明の更に他の態様によれば、
前記加熱部は、前記中心面を加熱するセンターゾーンヒータと、前記外周面を加熱するアウトゾーンヒータとを有し、
前記温度分布を制御する際、前記センターゾーンヒータの温度をアウトゾーンヒータの温度よりも高くするよう制御する付記11に記載の基板処理装置が提供される。
【0126】
<付記13>
本発明の更に他の態様によれば、
前記温度分布を制御する際、前記センターゾーンヒータの温度が、前記基板Wmでハードマスク膜を形成した際の温度よりも高くなるよう制御する付記12に記載の基板処理装置が提供される。
【0127】
<付記14>
本発明の更に他の態様によれば、
前記温度分布を制御する際、前記アウターゾーンヒータの温度が、前記基板Wmでハードマスク膜を形成した際の温度を維持するよう制御する請求項13に記載の基板処理装置が提供される。
【0128】
<付記15>
本発明の更に他の態様によれば、
前記基板Wmのエッチング情報が、前記外周面における被エッチング膜の幅が前記中心面における幅よりも広いことを示す情報である場合、前記基板Wnに形成されるハードマスク膜の前記中心面の膜厚が前記外周面の膜厚よりも厚くなるよう前記温度分布を制御する
付記2に記載の基板処理装置が提供される。
【0129】
<付記16>
本発明の更に他の態様によれば、
前記温度分布を制御する際、前記センターゾーンヒータの温度を前記アウターゾーンヒータの温度よりも高くするよう制御する付記15に記載の基板処理装置が提供される。
【0130】
<付記17>
本発明の更に他の態様によれば、
前記温度分布を制御する際、前記センターゾーンヒータの温度が、前記基板Wmでハードマスク膜を形成した際の温度よりも高くなるよう制御する付記17に記載の基板処理装置が提供される。
【0131】
<付記18>
本発明の更に他の態様によれば、
前記温度分布を制御する際、前記アウターゾーンヒータの温度が、前記基板Wmでハードマスク膜を形成した際の温度を維持するよう制御する付記17に記載の基板処理装置が提供される。
【0132】
<付記19>
本発明の更に他の態様によれば、
前記ハードマスク膜はシリコン窒化膜である付記1から18の内、いずれか一項に記載の基板処理装置が提供される。
【0133】
<付記20>
本発明の更に他の態様によれば、
前記被エッチング膜は、ゲート電極層である請求項1から19の内、いずれか一項に記載の基板処理装置。
【0134】
<付記21>
本発明の更に他の態様によれば、
処理室に内包された基板載置部に、被エッチング膜が形成された第nロットの基板Wnを載置する工程と、
前記第nロットより前に処理された第mロットの基板Wmのエッチング情報に基づいて、前記基板Wnの面内温度分布を制御する工程と、
前記処理室にハードマスク形成ガスを供給する工程と、
を有する半導体装置の製造方法が提供される。
【0135】
<付記22>
本発明の更に他の態様によれば、
処理室に内包された基板載置部に、被エッチング膜が形成された第nロットの基板Wnを載置する工程と、
前記第nロットより前に処理された第mロットの基板Wmのエッチング情報に基づいて、前記基板Wnの面内温度分布を制御する工程と、
前記処理室にハードマスク形成ガスを供給する工程と
をコンピュータに実行させるプログラムが提供される。
【0136】
<付記23>
本発明の更に他の態様によれば、
処理室に内包された基板載置部に、被エッチング膜が形成された第nロットの基板Wnを載置する工程と、
前記第nロットより前に処理された第mロットの基板Wmのエッチング情報に基づいて、前記基板Wnの面内温度分布を制御する工程と、
前記処理室にハードマスク形成ガスを供給する工程と
をコンピュータに実行させるプログラムが格納されたコンピュータ読み取り可能な記憶媒体が提供される。
【符号の説明】
【0137】
2000・・・基板処理装置
200・・・ウエハ(基板)
201・・・処理空間
209・・・排気バッファ室
211・・・基板載置面
222・・・排気管
230・・・シャワーヘッド
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7