特許第6046781号(P6046781)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6046781
(24)【登録日】2016年11月25日
(45)【発行日】2016年12月21日
(54)【発明の名称】タッチセンサ一体型表示装置
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/041 20060101AFI20161212BHJP
   G06F 3/044 20060101ALI20161212BHJP
   G02F 1/1343 20060101ALI20161212BHJP
   G02F 1/1368 20060101ALI20161212BHJP
   G02F 1/1333 20060101ALI20161212BHJP
   G09F 9/30 20060101ALI20161212BHJP
   G09F 9/00 20060101ALI20161212BHJP
【FI】
   G06F3/041 410
   G06F3/044 120
   G02F1/1343
   G02F1/1368
   G02F1/1333
   G09F9/30 338
   G09F9/00 366A
【請求項の数】10
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2015-158656(P2015-158656)
(22)【出願日】2015年8月11日
(65)【公開番号】特開2016-38918(P2016-38918A)
(43)【公開日】2016年3月22日
【審査請求日】2015年8月11日
(31)【優先権主張番号】10-2014-0103982
(32)【優先日】2014年8月11日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】501426046
【氏名又は名称】エルジー ディスプレイ カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100094112
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 讓
(74)【代理人】
【識別番号】100106183
【弁理士】
【氏名又は名称】吉澤 弘司
(74)【代理人】
【識別番号】100114915
【弁理士】
【氏名又は名称】三村 治彦
(74)【代理人】
【識別番号】100120363
【弁理士】
【氏名又は名称】久保田 智樹
(74)【代理人】
【識別番号】100125139
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 洋
(72)【発明者】
【氏名】李 得 秀
(72)【発明者】
【氏名】黄 ▲チョン▼ 喜
(72)【発明者】
【氏名】辛 承 録
(72)【発明者】
【氏名】金 泰 潤
【審査官】 若林 治男
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−198615(JP,A)
【文献】 特開2014−130350(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/041
G06F 3/044
G02F 1/1333
G02F 1/1343
G02F 1/1368
G09F 9/00
G09F 9/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに交差するように配列された複数のゲートライン及び複数のデータラインと、
前記複数のゲートラインと前記複数のデータラインとが交差することにより画定された複数の領域内にそれぞれ形成された複数の画素電極と、
それぞれが前記複数の画素電極のうちの少なくとも1つの画素電極と重なるように形成され、行方向と列方向に沿って配列された複数のタッチ電極と、
前記行方向及び列方向の一方である第1の方向に延在し、前記第1の方向に沿って配置された2以上の前記タッチ電極を共通に接続する第1タッチルーティング配線と、
前記行方向及び列方向の他方である第2の方向に延在し、前記第2の方向に沿って配置され且つ前記第1タッチルーティング配線に接続されていない2以上の前記タッチ電極を共通に接続する第2タッチルーティング配線と、
前記第2の方向に延在し、前記第1タッチルーティング配線及び前記第2タッチルーティング配線に接続されていない前記タッチ電極に接続された第3タッチルーティング配線とを有し、
前記第1タッチルーティング配線は、奇数行及び偶数行の一方の、奇数列及び偶数列の一方に配置された前記タッチ電極を共通に接続し、
前記第2タッチルーティング配線は、前記奇数行及び前記偶数行の他方の、前記奇数列及び前記偶数列の前記一方に配置された前記タッチ電極を共通に接続し、
前記第3タッチルーティング配線は、前記奇数行及び前記偶数行の前記一方の、前記奇数列及び前記偶数列の他方に配置された前記タッチ電極に個々に接続されており、
前記第1の方向に延在し、前記奇数行及び前記偶数行の前記他方の、前記奇数列及び前記偶数列の前記他方に配置された前記タッチ電極を共通に接続する第4タッチルーティング配線を更に有する
ことを特徴とするタッチセンサ一体型表示装置。
【請求項2】
前記第1タッチルーティング配線に接続された前記タッチ電極と、前記第3タッチルーティング配線に接続された前記タッチ電極とは、前記第1の方向に交互に配置され、
前記第2タッチルーティング配線に接続された前記タッチ電極と、前記第4タッチルーティング配線に接続された前記タッチ電極とは、前記第1の方向に交互に配置されている
ことを特徴とする請求項記載のタッチセンサ一体型表示装置。
【請求項3】
前記複数のゲートラインと前記複数のデータラインとの交差部に配置された複数の薄膜トランジスタをさらに含み、
前記画素電極は、前記複数の薄膜トランジスタを覆う絶縁膜上に形成され、前記薄膜トランジスタのドレイン電極に接続されており、
前記第2及び第3タッチルーティング配線は、前記画素電極を覆う第1パッシベーション膜上に互いに平行に形成されており、
前記第1及び第4タッチルーティング配線は、前記第2及び第3タッチルーティング配線を覆う第2パッシベーション膜上に互いに平行に形成されており、
前記複数のタッチ電極は、前記第1及び第4タッチルーティング配線を覆う第3パッシベーション膜上に形成されている
ことを特徴とする請求項又は記載のタッチセンサ一体型表示装置。
【請求項4】
前記第1タッチルーティング配線は、前記第3パッシベーション膜を貫通する第1コンタクトホールを介して前記タッチ電極に接続されており、
前記第4タッチルーティング配線は、前記第3パッシベーション膜を貫通する第2コンタクトホールを介して前記タッチ電極に接続されている
ことを特徴とする請求項記載のタッチセンサ一体型表示装置。
【請求項5】
前記第3タッチルーティング配線は、前記第2及び第3パッシベーション膜を貫通する第3コンタクトホールを介して前記タッチ電極に接続されており、
前記第2タッチルーティング配線は、前記第2及び第3パッシベーション膜を貫通する第4コンタクトホールを介して前記タッチ電極に接続されている
ことを特徴とする請求項又は記載のタッチセンサ一体型表示装置。
【請求項6】
前記複数のゲートラインと前記複数のデータラインとの交差部に配置された複数の薄膜トランジスタをさらに含み、
前記第1及び第4タッチルーティング配線は、前記ゲートラインと同一の層で前記ゲートラインと平行に配列して形成されており、
前記データラインは、基板上に形成された前記ゲートラインと前記第1及び第4タッチルーティング配線を覆うゲート絶縁膜上に形成されており、
前記画素電極は、前記データラインと同一の層に形成された前記薄膜トランジスタのドレイン電極に接続されており、
前記第2及び第3タッチルーティング配線は、前記画素電極を覆う第1パッシベーション膜上に互いに平行に形成されており、
前記複数のタッチ電極は、前記第1及び第4タッチルーティング配線を覆う第2パッシベーション膜上に形成され、
前記第1タッチルーティング配線は、第1コンタクトホールを介して前記タッチ電極に接続されており、
前記第4タッチルーティング配線は、第2コンタクトホールを介して前記タッチ電極に接続されており、
前記第3タッチルーティング配線は、第3コンタクトホールを介して前記タッチ電極に接続されており、
前記第2タッチルーティング配線は、第4コンタクトホールを介して前記タッチ電極に接続されている
ことを特徴とする請求項又は記載のタッチセンサ一体型表示装置。
【請求項7】
互いに交差するように配列された複数のゲートライン及び複数のデータラインと、
前記複数のゲートラインと前記複数のデータラインとが交差することにより画定された複数の領域内にそれぞれ形成された複数の画素電極と、
それぞれが前記複数の画素電極のうちの少なくとも1つの画素電極と重なるように形成され、行方向と列方向に沿って配列された複数のタッチ電極と、
前記行方向及び列方向の一方である第1の方向に延在し、前記第1の方向に沿って配置された2以上の前記タッチ電極を共通に接続する第1タッチルーティング配線と、
前記行方向及び列方向の他方である第2の方向に延在し、前記第2の方向に沿って配置され且つ前記第1タッチルーティング配線に接続されていない2以上の前記タッチ電極を共通に接続する第2タッチルーティング配線と、
前記第2の方向に延在し、前記第1タッチルーティング配線及び前記第2タッチルーティング配線に接続されていない前記タッチ電極に接続された第3タッチルーティング配線とを有し、
前記複数のタッチ電極のそれぞれは、第1タッチ電極と、前記第1タッチ電極を取り囲むように形成された第2タッチ電極とを有し、
前記第1のタッチルーティング配線は、奇数行及び偶数行の一方の、奇数列及び偶数列の一方に配置された前記タッチ電極の前記第2タッチ電極に接続されており、
前記第2のタッチルーティング配線は、奇数行及び偶数行の他方の、奇数列及び偶数列の他方に配置された前記タッチ電極の前記第2タッチ電極に接続されており、
前記第3タッチルーティング配線は、前記第1タッチ電極に接続されている
ことを特徴とするタッチセンサ一体型表示装置。
【請求項8】
前記複数のタッチ電極の前記第1タッチ電極は、複数のグループに分けられており、前記グループ毎にタッチリンク配線によって接続されており、
前記複数のグループの前記タッチリンク配線に、前記第3タッチルーティング配線がそれぞれ接続されている
ことを特徴とする請求項記載のタッチセンサ一体型表示装置。
【請求項9】
前記タッチリンク配線は、三角形、四角形、多角形、星型のいずれか1つの形状を有する
ことを特徴とする請求項記載のタッチセンサ一体型表示装置。
【請求項10】
ディスプレイ駆動期間に、前記複数のタッチ電極に共通電圧が供給され、
前記ディスプレイ駆動期間の前又は後のタッチ駆動期間に、前記複数のタッチ電極にタッチ駆動電圧が供給され、前記複数のゲートライン及び前記複数のデータラインに前記タッチ駆動電圧と同じ電圧が供給される
ことを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載のタッチセンサ一体型表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タッチセンサ一体型表示装置に関し、より詳細には、タッチルーティング(touch routing)配線数を減少しつつ、タッチ感度を向上することができるタッチセンサ一体型表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、マルチメディア(multimedia)の発達とともに、これを適切に表示することができる表示装置の必要性に応じて、大型化が可能で、価格が安く、高表示品質(動画表現力、解像度、明るさ、コントラスト(contrast)、及び色再現力など)を有する平面型表示装置(以下、単に「表示装置」と称する)の開発が進められている。これらの平面型表示装置には、キーボード、マウス、トラックボール(Trackball)、ジョイスティック(Joystick)、デジタイザ(digitizer)などの様々な入力装置(Input Device)がユーザーと表示装置との間のインタフェースを構成するために使用されている。
【0003】
しかし、前述のような入力装置を使用するためには、ユーザーはその使用方法を覚えなければならず、また、入力装置のための空間が必要であるなどの不便があり、製品の完成度を高めるのが難しかった。そのため、便利でありながらシンプルで誤作動の少ない表示装置用の入力装置への要求がますます増加している。このような要求に応じて、ユーザーが表示装置を見ながら手やペンなどを画面に直接タッチさせ或いは近接させて情報を入力することで、それを認識することができるタッチセンサ(touch sensor)が提案されている。
【0004】
タッチセンサは、簡単であり、誤作動が少なく、別の入力機器を使用せずに入力が可能なだけでなく、ユーザーが画面に表示される内容を介して迅速かつ容易に操作することができるという利便性があり、様々な表示装置に適用されている。
【0005】
前述した表示装置に使用されるタッチセンサは、その構造に応じて、上板付着型(add-on type)、上板内蔵型(on-cell type)、及び内蔵型(integrated type又はin-cell type)に分けることができる。上板付着型は、表示装置とタッチセンサモジュールとを個別に製造した後、表示装置の上板にタッチセンサモジュールを取り付ける方式である。上板内蔵型は、表示装置の上部ガラス基板の表面にタッチセンサ素子を直接形成する方式である。内蔵型は、表示装置内部にタッチセンサ素子を内蔵して、表示装置の薄型化を達成し、耐久性を向上した方式である。
【0006】
これらのうち、内蔵型タッチセンサは、表示装置の共通電極をタッチ電極に共用することで厚さを薄くすることができ、また、表示装置の内部にタッチ素子を形成することで耐久性を向上することができる。
【0007】
このように、内蔵型タッチセンサは、耐久性を向上し、薄型化が可能であるという点で、上板付着型タッチセンサ及び上板内蔵型タッチセンサの欠点を解決することができるものであり、関心が集中している。内蔵型タッチセンサは、タッチされた部分を感知する方式に応じて、光方式と静電容量方式とに分類され、静電容量方式は、更に、自己静電容量方式(self capacitance type)と相互静電容量方式(mutual capacitance type)とに細分化される。
【0008】
自己静電容量方式タッチセンサは、タッチ感知パネルのタッチ領域に複数の独立パターンを形成し、それぞれの独立パターンの静電容量の変化を測定して、タッチされたかどうかを判断する方式である。相互静電容量方式タッチセンサは、タッチ感知パネルのタッチ電極の形成領域にX軸電極ライン(例えば、駆動電極ライン)とY軸電極ライン(例えば、センシング電極ライン)とを互いに交差させてマトリックス(matrix)を形成し、X軸電極ラインに駆動パルスを印加した後、Y軸電極ラインを介してX軸電極ラインとY軸電極ラインとの交差点で定義されるセンシングノードに示される電圧の変化を感知して、タッチされたかどうかを判断する方式である。
【0009】
しかし、相互静電容量方式のタッチセンサは、タッチ認識時に発生するX軸電極ラインとY軸電極ラインとの間の相互静電容量の大きさは非常に小さいのに対して、表示装置を構成するゲートラインとデータラインとによりX軸電極ラインとY軸電極ラインとの間に形成される寄生容量(parasitic capacitance)は非常に大きいため、寄生容量によってタッチ位置を正確に認識することが困難であった。
【0010】
また、相互静電容量方式のタッチセンサは、マルチタッチ認識のために、共通電極上にタッチ駆動のための複数のタッチ駆動ラインとタッチセンシングのための複数のタッチセンシングラインを形成しなければならないため、非常に複雑な配線構造が必要であった。
【0011】
自己静電容量方式のタッチセンサは、相互静電容量方式のタッチセンサに比べて簡単な配線構造で、タッチ精度を高めることができるので、必要に応じて広く使用されている。
【0012】
以下、図1を参照して、従来の自己静電容量方式のタッチセンサ内蔵型液晶表示装置(以下、「タッチセンサ一体型表示装置」と称する。)について説明する。図1は、従来のタッチセンサ一体型表示装置を示す平面図である。
【0013】
図1を参照すると、タッチセンサ一体型表示装置は、タッチ電極が形成され、データが表示されるアクティブ領域(AA)と、アクティブ領域(AA)の外側に配置され、各種の配線とタッチIC10とが形成されたベゼル領域(BA)とを含む。
【0014】
アクティブ領域(AA)は、互いに交差する第1方向(例えば、x軸方向)及び第2方向(例えば、Y軸方向)に分割された複数のタッチ電極(Tx11〜Tx14、Tx21〜Tx24、Tx31〜Tx34、Tx41〜Tx44、Tx51〜Tx54)と、複数のタッチ電極(Tx11〜Tx14、Tx21〜Tx24、Tx31〜Tx34、Tx41〜Tx44、Tx51〜Tx54)のそれぞれに接続され、第2方向に互いに並行するように配列された複数のタッチルーティング配線(TW11〜TW14、TW21〜TW24、TW31〜TW34、TW41〜TW44、TW51〜TW54)とを含む。
【0015】
アクティブ領域(AA)内の複数のタッチ電極(Tx11〜Tx14、Tx21〜Tx24、Tx31〜Tx34、Tx41〜Tx44、Tx51〜Tx54)は、表示装置の共通電極を分割して形成されたもので、データを表示するディスプレイモードの駆動時には共通電極として動作し、タッチ位置を認識するタッチ駆動時にはタッチ電極として動作する。
【0016】
ベゼル領域(BA)は、アクティブ領域(AA)の外側に配置され、タッチIC10及び各種の配線を含む。表示装置用駆動ICとタッチIC10は、ディスプレイ駆動時には、表示装置のゲートライン(図示せず)を駆動し、データラインに表示データを供給し、タッチ電極(共通電極)に共通電圧を供給する。タッチIC10は、タッチ駆動時には、タッチ電極にタッチ駆動電圧を供給し、タッチ前後のタッチ電極の静電容量の変化をスキャンして、タッチが実行されたタッチ電極の位置を決定する。各種配線は、タッチ電極(Tx11〜Tx14、Tx21〜Tx24、Tx31〜Tx34、Tx41〜Tx44、Tx51〜Tx54)に接続されたタッチルーティング配線(TW11〜TW14、TW21〜TW24、TW31〜TW34、TW41〜TW44、TW51〜TW54)、タッチIC10に接続されるゲート配線(図示せず)、データ配線(図示せず)を含む。
【0017】
前述した従来のタッチセンサ一体型表示装置のタッチ電極(Tx11〜Tx14、Tx21〜Tx24、Tx31〜Tx34、Tx41〜Tx44、Tx51〜Tx54)には、タッチルーティング配線(TW11〜TW14、TW21〜TW24、TW31〜TW34、TW41〜TW44、TW51〜TW54)がそれぞれ接続されている。したがって、タッチ電極ごとにタッチルーティング配線を接続しなければならず、表示装置が大型化すればするほど、タッチルーティング配線の数が増加することになる。たとえば、15.6インチの表示装置で4.3mmのピッチを有するようにタッチ電極を配置した場合、横方向80個、縦方向45個として、タッチ電極の総数が3600個になり、これらは3600本のタッチルーティング配線を介して個別にタッチIC10に接続されることになる。タッチIC10は、タッチ電極毎に駆動のための回路を含むため、タッチICが大型化し、製品コストを上昇させる要因となる。
【0018】
さらに、表示装置の大型化にともない、タッチルーティング配線の数が増加すると、タッチルーティング配線と表示装置のデータライン及びゲートラインとの間に形成される寄生容量(parasitic capacitance)も増加して、タッチ感度が低下することもあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0019】
【特許文献1】特開2015−106411号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0020】
本発明の目的は、前述した従来の課題を解消するためのものであって、タッチルーティング配線の数を減少して、表示装置の大型化に伴うタッチICの大型化を防止し、タッチルーティング配線とゲートライン及びデータラインとの間に形成される寄生容量を低減してタッチ感度を向上することができるタッチセンサ一体型表示装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0021】
前記の目的を達成するための一例のタッチセンサ一体型表示装置は、互いに交差するように配列された複数のゲートライン及び複数のデータラインと、前記複数のゲートラインと前記複数のデータラインとが交差することにより画定された複数の領域内にそれぞれ形成された複数の画素電極と、それぞれが前記複数の画素電極のうちの少なくとも1つの画素電極と重なるように形成され、行方向と列方向に沿って配列された複数のタッチ電極と、前記行方向及び列方向の一方である第1の方向に延在し、前記第1の方向に沿って配置された2以上の前記タッチ電極を共通に接続する第1タッチルーティング配線と、前記行方向及び列方向の他方である第2の方向に延在し、前記第2の方向に沿って配置され且つ前記第1タッチルーティング配線に接続されていない2以上の前記タッチ電極を共通に接続する第2タッチルーティング配線と、前記第2の方向に延在し、前記第1タッチルーティング配線及び前記第2のタッチルーティング配線に接続されていない前記タッチ電極に接続された第3タッチルーティング配線とを有することを特徴とする。
【0022】
また、前記構成において、前記第1タッチルーティング配線を、奇数行及び偶数行の一方の、奇数列及び偶数列の一方に配置された前記タッチ電極を共通に接続し、前記第2タッチルーティング配線を、前記奇数行及び前記偶数行の他方の、前記奇数列及び前記偶数列の前記一方に配置された前記タッチ電極を共通に接続し、前記第3タッチルーティング配線を、前記奇数行及び前記偶数行の前記一方の、前記奇数列及び前記偶数列の他方に配置された前記タッチ電極に個々に接続し、前記第1の方向に延在し、前記奇数行及び前記偶数行の前記他方の、前記奇数列及び前記偶数列の前記他方に配置された前記タッチ電極を共通に接続する第4タッチルーティング配線を更に有するようにしてもよい。
【0023】
また、前記構成において、前記第1タッチルーティング配線に接続された前記タッチ電極と、前記第3タッチルーティング配線に接続された前記タッチ電極とは、前記第1の方向に交互に配置し、前記第2タッチルーティング配線に接続された前記タッチ電極と、前記第4タッチルーティング配線に接続された前記タッチ電極とは、前記第1の方向に交互に配置することができる。
【0024】
また、上記構成において、前記複数のゲートラインと前記複数のデータラインとの交差部に配置された複数の薄膜トランジスタをさらに含み、前記画素電極を、前記複数の薄膜トランジスタを覆う絶縁膜上に形成し、前記薄膜トランジスタのドレイン電極に接続し、前記第2及び第3タッチルーティング配線を、前記画素電極を覆う第1パッシベーション膜上に互いに平行に形成し、前記第1及び第4タッチルーティング配線を、前記第2及び第3タッチルーティング配線を覆う第2パッシベーション膜上に互いに平行に形成し、前記複数のタッチ電極を、前記第1及び第4タッチルーティング配線を覆う第3パッシベーション膜上に形成することができる。
【0025】
また、前記構成において、前記第1タッチルーティング配線は、前記第3パッシベーション膜を貫通する第1コンタクトホールを介して前記タッチ電極に接続し、前記第4タッチルーティング配線は、前記第3パッシベーション膜を貫通する第2コンタクトホールを介して前記タッチ電極に接続することができる。
【0026】
また、上記構成において、前記第3タッチルーティング配線は、前記第2及び第3パッシベーション膜を貫通する第3コンタクトホールを介して前記タッチ電極に接続し、前記第3タッチルーティング配線は、前記第2及び第3パッシベーション膜を貫通する第4コンタクトホールを介して前記タッチ電極に接続することができる。
【0027】
また、前記構成において、前記複数のゲートラインと前記複数のデータラインとの交差部に配置された複数の薄膜トランジスタをさらに含み、前記第1及び第4タッチルーティング配線は、前記ゲートラインと同一の層で前記ゲートラインと平行に配列して形成し、前記データラインは、基板上に形成された前記ゲートラインと前記第1及び第4タッチルーティング配線を覆うゲート絶縁膜上に形成し、前記画素電極は、前記データラインと同一の層に形成された前記薄膜トランジスタのドレイン電極に接続し、前記第2及び第3タッチルーティング配線は、前記画素電極を覆う第1パッシベーション膜上に互いに平行に形成し、前記複数のタッチ電極は、前記第1及び第4タッチルーティング配線を覆う第2パッシベーション膜上に形成し、前記第1タッチルーティング配線は、第1コンタクトホールを介して前記タッチ電極に接続し、前記第4タッチルーティング配線は、第2コンタクトホールを介して前記タッチ電極に接続し、前記第3タッチルーティング配線は、第3コンタクトホールを介して前記タッチ電極に接続し、前記第2タッチルーティング配線は、第4コンタクトホールを介して前記タッチ電極に接続することができる。
【0028】
また、上記構成において、前記複数のタッチ電極のそれぞれは、第1タッチ電極と、前記第1タッチ電極を取り囲むように形成された第2タッチ電極とを有し、前記第1のタッチルーティング配線は、奇数行及び偶数行の一方の、奇数列及び偶数列の一方に配置された前記タッチ電極の前記第2タッチ電極に接続し、前記第2のタッチルーティング配線は、奇数行及び偶数行の他方の、奇数列及び偶数列の他方に配置された前記タッチ電極の前記第2タッチ電極に接続し、前記第3タッチルーティング配線は、前記第1タッチ電極に接続することができる。
【0029】
また、上記構成において、前記複数のタッチ電極の前記第1タッチ電極を、複数のグループに分け、前記グループ毎にタッチリンク配線によって接続し、前記複数のグループの前記タッチリンク配線に、前記第3タッチルーティング配線をそれぞれ接続することができる。
【0030】
前記構成において、第1タッチ電極を接続するタッチリンク配線は、三角形、四角形、多角形、星型の内、いずれか1つの形状を有するように形成することができる。
【0031】
また、本発明に係るタッチセンサ一体型表示装置は、ディスプレイ駆動期間に、前記複数のタッチ電極に共通電圧が供給され、前記ディスプレイ駆動期間の前又は後のタッチ駆動期間に、前記複数のタッチ電極にタッチ駆動電圧が供給され、前記複数のゲートライン及び前記複数のデータラインに前記タッチ駆動電圧と同じ 電圧が供給されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0032】
本発明に係るタッチセンサ一体型表示装置によれば、タッチ電極に接続されるタッチルーティング配線の数を大幅に減少することができるので、表示装置の大型化に伴うタッチICの大型化を防止し、装置コストを削減することができる効果を得ることができる。
【0033】
また、タッチ駆動期間にタッチ駆動のため、タッチ電極に供給されるタッチ駆動電圧と同じ周波数、同じ大きさの電圧をゲートライン及びデータラインにも供給することにより、タッチルーティング配線とゲートラインとの間及びタッチルーティング配線とデータラインとの間の寄生容量による影響を防止することができる。したがって、この寄生容量に起因するタッチ感度の低下を防止することができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0034】
図1】従来のタッチセンサ一体型表示装置を示す平面図である。
図2】本発明の実施の形態に係るタッチセンサ一体型表示装置を概略的に示す一部の解斜視図である。
図3】本発明の第1の実施の形態に係るタッチセンサ一体型表示装置の平面図である。
図4図3に示された領域R1を拡大して示した平面図である。
図5図4に示された領域R2を具体的に示す平面図である。
図6図5に示された1つの画素電極に対応する領域の例を示す平面図である。
図7A図6の構造において、図5の第1−1及び第1−2タッチルーティング配線が第1−1及び第1−2タッチ電極に接続される構成を示す断面図である。
図7B図6の構造において、図5の第2−1及び第2−2タッチルーティング配線が第2−1及び第2−2タッチ電極に接続される構成を示す断面図である。
図8図5に示された1つの画素電極に対応する領域の他の例を示す平面図である。
図9A図8の構造において、図5の第1−1及び第1−2タッチルーティング配線が第1−1及び第1−2タッチ電極に接続される構成を示す断面図である。
図9B図8の構造において、図5の第2−1及び第2−2タッチルーティング配線が第2−1及び第2−2タッチ電極に接続される構成を示す断面図である。
図10】本発明の第2の実施の形態に係るタッチセンサ一体型表示装置の平面図である。
図11図10に示された領域R3を拡大して示した平面図である。
図12】本発明の第1及び第2の実施の形態に係るタッチセンサ一体型表示装置において、ディスプレイ駆動期間とタッチ駆動期間の動作を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下、添付図面を参照して、本発明のタッチセンサ一体型表示装置の好ましい実施の形態を詳細に説明する。明細書全体にわたって同じ参照番号は、同じ構成要素を意味する。以下の説明では、タッチセンサ一体型表示装置の一例として自己静電容量方式タッチセンサの内蔵型液晶表示装置(以下、「タッチセンサ一体型表示装置」と称する。)を挙げて具体的に説明する。
【0036】
まず、図2及び図3を参照して、本発明の第1の実施の形態に係るタッチセンサ一体型表示装置について説明する。図2は、本発明の実施の形態に係るタッチセンサ一体型表示装置を概略的に示す一部分解斜視図であり、図3は、本発明の第1の実施の形態に係るタッチセンサ一体型表示装置の平面図である。
【0037】
図2を参照すると、本発明の実施の形態に係るタッチセンサ一体型表示装置は、液晶層(図示せず)を間に置いて配置された薄膜トランジスタアレイ(TFTA)とカラーフィルタアレイ(CFA)とを備えた液晶表示パネル(LCP)を含む。
【0038】
薄膜トランジスタアレイ(TFTA)は、第1基板(SUB1)上に第1方向(例えば、x方向)に沿って平行に形成された複数のゲートライン(G1、G2)、複数のゲートライン(G1、G2)と交差するように第2方向(例えば、y方向)に沿って平行に形成された複数のデータライン(D1、D2)、ゲートライン(G1、G2)とデータライン(D1、D2)とが交差する領域に形成された薄膜トランジスタ(TFT)、液晶セルへデータ電圧を充電させるための複数の画素電極(Px)、及び複数の画素電極(Px)と対向するように配置された共通電極(図示せず)を含む。
【0039】
カラーフィルタアレイ(CFA)は、第2基板(SUB2)上に形成されたブラックマトリックスとカラーフィルタ(図示せず)とを含む。液晶表示パネル(LCP)の第1基板(SUB1)と第2基板(SUB2)との外面には、偏光板(POL1、POL2)がそれぞれ貼着、液晶と接する第1及び第2の基板(SUB1、SUB2)の内面には、液晶のプレチルト角を設定するための配向膜(図示せず)がそれぞれ形成されている。液晶表示パネル(LCP)のカラーフィルタアレイ(CFA)と薄膜トランジスタアレイ(TFTA)との間には、液晶セルのセルギャップ(cell gap)を維持するためのカラムスペーサー(column spacer)を形成してもよい。
【0040】
一方、共通電極は、TN(Twisted Nematic)モードやVA(Vertical Alignment)モードのような垂直電界駆動方式の液晶表示パネルにおいては、第2の基板(SUB2)に形成される。また、IPS(In Plane Switching)モードやFFS(Fringe Field Switching)モードのような水平電界駆動方式の液晶表示パネルにおいて、画素電極(Px)と共に第1の基板(SUB1)上に形成される。以下の本発明の実施の形態では、水平電界駆動方式の液晶表示パネルを例に挙げて説明する。
【0041】
図3を参照すると、本発明の第1の実施の形態に係るタッチセンサ一体型表示装置は、アクティブ領域(AA)とベゼル領域(BA)とを含む。アクティブ領域(AA)は、共通電極兼用タッチ電極が形成され、データが表示される領域である。ベゼル領域(BA)は、アクティブ領域(AA)の外側に配置され、タッチIC100と、アクティブ領域(AA)から延伸するルーティング配線とを含む各種配線が形成される領域である。
【0042】
タッチセンサ一体型表示装置のアクティブ領域(AA)は、互いに交差する第1方向(例えば、x軸方向)及び第2方向(例えば、Y軸方向)に分割された複数の共通電極兼用タッチ電極(以下、単に「タッチ電極」という。)(Tx11〜Tx19、Tx21〜Tx29、Tx31〜Tx39、Tx41〜Tx49、Tx51〜Tx59、Tx61〜Tx69、Tx71〜Tx79、Tx81〜Tx89)を含む。
【0043】
これらのタッチ電極のうち、奇数番目の行の奇数番目の列に対応する第1−1タッチ電極(Tx11、Tx13、Tx15、Tx17、Tx19;Tx31、Tx33、Tx35、Tx37、Tx39;Tx51、Tx53、Tx55、Tx57、Tx59;Tx71、Tx73、Tx75、Tx77、Tx79)は、第1方向に配列された第1−1タッチルーティング配線(TWX1、TWX3、TWX5、TWX7)に行(row)単位で接続され、奇数番目の行の偶数番目の列に対応する第2−1タッチ電極(Tx12、Tx14、Tx16、Tx18;Tx32、Tx34、Tx36、Tx38;Tx52、Tx54、Tx56、Tx58;Tx72、Tx74、Tx76、Tx78)は、第2方向に配列された第2−1タッチルーティング配線(TWP12、TWP14、TWP16、TWP18;TWP32、TWP34、TWP36、TWP38;TWP52、TWP54、TWP56、TWP58;TWP72、TWP74、TWP76、TWP78)にそれぞれ接続されている。第2−1タッチルーティング配線(TWP12、TWP14、TWP16、TWP18;TWP32、TWP34、TWP36、TWP38;TWP52、TWP54、TWP56、TWP58;TWP72、TWP74、TWP76、TWP78)は、互いに平行に配列されている。
【0044】
また、偶数番目の行の奇数番目の列に対応する第2−2タッチ電極(Tx21、Tx41、Tx61、Tx81;Tx23、Tx43、Tx63、Tx83;Tx25、Tx45、Tx65、Tx85;Tx27、Tx47、Tx67、Tx87;Tx29、Tx49、Tx69、Tx89)は、第2方向に配列される第2−2タッチルーティング配線(TWY1、TWY2、TWY3、TWY4、TWY5)に列(column)単位で接続され、偶数番目の行の偶数番目の列に対応する第1−2タッチ電極(Tx22、Tx24、Tx26、Tx28;Tx42、Tx44、Tx46、Tx48;Tx62、Tx64、Tx66、Tx68;Tx82、Tx84、Tx86、Tx88)は、第1方向に配列された第1−2タッチルーティング配線(TWX2、TWX4、TWX6、TWX8)にそれぞれ接続されている。第1−2タッチルーティング配線(TWX2、TWX4、TWX6、TWX8)は、第1−1タッチルーティング配線(TWX1、TWX3、TWX5、TWX7)と交互に配置され、互いに平行に配列されている。また、第2−2タッチルーティング配線(TWY1、TWY2、TWY3、TWY4、TWY5)は、第2−1タッチルーティング配線(TWP12、TWP14、TWP16、TWP18;TWP32、TWP34、TWP36、TWP38;TWP52、TWP54、TWP56、TWP58;TWP72、TWP74、TWP76、TWP78)と、互いに平行に配列されている。
【0045】
図3の実施の形態に係るタッチセンサ一体型表示装置によれば、従来のように15.6インチ表示装置の全体タッチ電極の数を横80個、縦45個、総数3600個で形成した場合、第1−1タッチルーティング配線数が40本、第1−2タッチルーティング配線数が40本、第2−1タッチルーティング配線数が920本(40×23)、第2−2タッチルーティング配線数が22本になるので、タッチルーティング配線の総数は1,022本となり、従来のタッチセンサ一体型表示装置のタッチルーティング配線数の3,600本に比べて約65%程度のタッチルーティング配線数を省略することができるようになる。
【0046】
一方、タッチ電極に接続されるタッチルーティング配線の配列は、図3の実施の形態とは異なるように構成することもできる。例えば、第1方向に配列される第1−1タッチルーティング配線を奇数番目の行の偶数番目の列に配列されたタッチ電極に接続されるようにし、第1−2タッチルーティング配線を偶数番目の行の奇数番目の列に配列されたタッチ電極に接続されるようにすることができる。この場合、奇数番目の行の奇数番目の列に配列されたタッチ電極は、第2−1タッチルーティング配線のように、第2方向に平行に配列された第2−3タッチルーティング配線にそれぞれ接続し、偶数番目の行の偶数番目の列に配列されたタッチ電極は、第2−2タッチルーティング配線のように、同じ列に配置されたタッチ電極が1つのタッチルーティング配線に共に接続されるように第2−4ルーティング配線に接続する。
【0047】
次に、図4及び図5を参照して、本発明の第1の実施の形態に係るタッチセンサ一体型表示装置において、タッチ電極と画素電極との関係の一例について説明する。図4は、図3に示された領域R1を拡大図示した平面図であり、図5は、図4に示された領域R2を具体的に示した平面図である。
【0048】
図4及び図5を参照すると、本発明の実施の形態に係るタッチセンサ一体型表示装置においては、1つのタッチ電極(Tx11;Tx12;Tx21;Tx22)に対応して、3行3列に配置された9つの画素電極(P11〜P33;P14〜P36;P41〜P63;P44〜P66)が配置されている。画素電極(P11〜P33;P14−P36;P41〜P63;P44〜P66)は、第1方向(例えば、x軸方向)に配列された複数のゲートライン(GL1〜GL6)と、第1方向と交差する第2方向(例えば、Y軸方向)に配列された複数のデータライン(DL1〜DL6)とによって画定される複数の領域にそれぞれ配置されている。図5の実施の形態では、それぞれのタッチ電極に対応して、9つの画素電極が配置される場合の例を示しているが、1つのタッチ電極に対応して配置される画素電極の数は、必要に応じて調整することができるもので、本発明の範囲を制限するものではない。
【0049】
次に、図6図7Bを参照して、本発明の実施の形態に係るタッチセンサ一体型表示装置のタッチルーティング配線とタッチ電極との接続構造についてさらに詳細に説明する。図6は、図5に図示された1つの画素電極に対応する領域の例を示す平面図であり、図7Aは、図6の構造において、図5の第1−1タッチルーティング配線(または第1−2タッチルーティング配線)が第1−1タッチ電極(または第1−2タッチ電極)に接続される構成を示した断面図であり、図7Bは、図6の構造において、図5の第2−1タッチルーティング配線(または第2−2タッチルーティング配線)が第2−1タッチ電極(または第2−2タッチ電極)に接続される構成を示した断面図である。以下の説明では、説明の便宜のために1つのピクセル領域を中心に説明する。
【0050】
図5図7Bを参照すると、本発明の実施の形態に係るタッチセンサ一体型表示装置は、薄膜トランジスタアレイ(TFTA)の基板(SUB1)上に互いに交差するように形成されたゲートライン(GL1〜GL6)及びデータライン(DL1〜DL6)と、ゲートライン(GL1〜GL6)とデータライン(DL1〜DL6)との交差領域に形成された薄膜トランジスタ(TFT)と、ゲートライン(GL1〜GL6)とデータライン(DL1〜DL6)とが交差することによって画定される領域に形成された画素電極(P11〜P66)と、画素電極(P11〜P66)に対向して配置された共通電極兼用タッチ電極(Tx11、Tx12、Tx21、Tx22)とを備える。この共通電極兼用タッチ電極(Tx11、Tx12、Tx21、Tx22)は、ディスプレイ駆動時には、共通電極の機能を実行し、タッチ駆動時には、タッチ電極の機能を実行する。
【0051】
前記構成において、基板(SUB1)上には複数のゲートライン(GL1〜GL6)が互いに平行に形成され、その上部には、複数のゲートライン(GL1〜GL6)を覆うようにゲート絶縁膜(GI)が形成される。ゲート絶縁膜(GI)上には、薄膜トランジスタ(TFT)を構成する活性層(A)、ソース電極(SE)及びドレイン電極(DE)が形成される。
【0052】
つまり、薄膜トランジスタ(TFT)は、基板(SUB1)上に形成されたゲートライン(GL1〜GL6)からそれぞれ延長されるゲート電極(GE)と、ゲートライン(GL1〜GL6)とゲート電極(GE)とを覆うゲート絶縁膜(GI)上のゲート電極(GE)に対応する領域に形成された活性層(A)と、活性層(A)の一部を露出するようにゲート絶縁膜(GI)上で分離して形成されたソース電極(SE)及びドレイン電極(DE)とを含む。ソース電極(S)は、データライン(DL1〜DL6)のそれぞれから延長される。
【0053】
前記実施の形態において、薄膜トランジスタは、ゲート電極がソース/ドレイン電極の下層に形成されるボトムゲート構造(gate bottom structure)の薄膜トランジスタを例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、ゲート電極がソース/ドレイン領域の上部に形成されるトップゲート構造(gate top structure)の薄膜トランジスタも含むものと理解しなければならない。トップゲート構造の薄膜トランジスタの構成は、既に知られているため、それに対する詳細な説明は省略する。
【0054】
薄膜トランジスタ(TFT)とデータライン(DL1〜DL6)とが形成されたゲート絶縁膜(GI)上には、これらを覆う第1絶縁膜(INS1)と、平坦化のための第2絶縁膜(INS)とが形成され、第1及び第2絶縁膜を貫通するコンタクトホールを介して薄膜トランジスタ(TFT)のドレイン電極(DE)とそれぞれ接続されるように、画素電極(P11〜P66)が形成されている。
【0055】
そして、画素電極(P11〜P66)を覆う第1パッシベーション膜(PAS1)が形成されている。第1パッシベーション膜(PAS1)上には、第2−1タッチ電極(Tx12、Tx14、Tx16、Tx18;Tx32、Tx34、Tx36、Tx38;Tx52、Tx54、Tx56、Tx58;Tx72、Tx74、Tx76、Tx78)にそれぞれ接続された第2−1タッチルーティング配線(TWP12、TWP14、TWP16、TWP18;TWP32、TWP34、TWP36、TWP38;TWP52、TWP54、TWP56、TWP58;TWP72、TWP74、TWP76、TWP78)が互い平行に形成され、第2−2タッチ電極(Tx21、Tx41、Tx61、Tx81;Tx23、Tx43、Tx63、Tx83;Tx25、Tx45、Tx65、Tx85;Tx27、Tx47、Tx67、Tx87;Tx29、Tx49、Tx69、Tx89)に接続された第2−2タッチルーティング配線(TWY1、TWY2、TWY3、TWY4、TWY5)が互いに平行に形成されている(図7Bには、第2−1タッチルーティング配線のうちTWP12のみ示されており、第2−2タッチルーティング配線のうち、TWY1のみ図示されている)。第2−2タッチルーティング配線(TWY1、TWY2、TWY3、TWY4、TWY5)は、第2−1タッチルーティング配線とは異なり、1つの第2−2タッチルーティング配線が同じ列に位置する第2−2タッチ電極をすべて接続するように形成されている。
【0056】
第1パッシベーション膜(PAS1)上には、第2−1タッチルーティング配線(TWP12、TWP14、TWP16、TWP18;TWP32、TWP34、TWP36、TWP38;TWP52、TWP54、TWP56、TWP58;TWP72、TWP74、TWP76、TWP78)と第2−2タッチルーティング配線(TWY1、TWY2、TWY3、TWY4、TWY5)とを覆うように、第2パッシベーション膜(PAS2)が形成されている。第2パッシベーション膜(PAS2)上には、同じ行に配置される第1−1タッチ電極(Tx11、Tx13、Tx15、Tx17、Tx19;Tx31、Tx33、Tx35、Tx37、Tx39;Tx51、Tx53、Tx55、Tx57、Tx59;Tx71、Tx73、Tx75、Tx77、Tx79)を行単位で接続する第1−1タッチルーティング配線(TWX1、TWX3、TWX5、TWX7)と、同じ行に配置される第1−2タッチ電極(Tx22、Tx24、Tx26、Tx28;Tx42、Tx44、Tx46、Tx48;Tx62、Tx64、Tx66、Tx68;Tx82、Tx84、Tx86、Tx88)を行単位で接続する第1−2タッチルーティング配線(TWX2、TWX4、TWX6、TWX8)が形成されている(図7Aには、第1−1タッチルーティング配線のうちTWX1のみ示されており、第1−2タッチルーティング配線のうちTWX2のみ図示されている)。
【0057】
第2パッシベーション膜(PAS2)上には、第1−1タッチルーティング配線(TWX1、TWX3、TWX5、TWX7)と第1−2タッチルーティング配線(TWX2、TWX4、TWX6、TWX8)とを覆うように、第3パッシベーション膜(PAS3)が形成されている。第3パッシベーション膜(PAS3)上には、図3に示すように、第1−1タッチ電極(Tx11、Tx13、Tx15、Tx17、Tx19;Tx31、Tx33、Tx35、Tx37、Tx39;Tx51、Tx53、Tx55、Tx57、Tx59;Tx71、Tx73、Tx75、Tx77、Tx79)、第1−2タッチ電極(Tx22、Tx24、Tx26、Tx28;Tx42、Tx44、Tx46、Tx48;Tx62、Tx64、Tx66、Tx68;Tx82、Tx84、Tx86、Tx88)、第2−1タッチ電極(Tx12、Tx14、Tx16、Tx18;Tx32、Tx34、Tx36、Tx38;Tx52、Tx54、Tx56、Tx58;Tx72、Tx74、Tx76、Tx78)及び第2−2タッチ電極(Tx21、Tx41、Tx61、Tx81;Tx23、Tx43、Tx63、Tx83;Tx25、Tx45、Tx65、Tx85;Tx27、Tx47、Tx67、Tx87;Tx29、Tx49、Tx69、Tx89)が形成されている。
【0058】
第1−1タッチ電極(Tx11、Tx13、Tx15、Tx17、Tx19;Tx31、Tx33、Tx35、Tx37、Tx39;Tx51、Tx53、Tx55、Tx57、Tx59;Tx71、Tx73、Tx75、Tx77、Tx79)は、第3パッシベーション膜(PAS3)を貫通するコンタクトホール(CH11)を介して、第2パッシベーション膜(PAS2)上に、第1方向に互いに平行に配列して形成された第1−1タッチルーティング配線(TWX1;TWX3;TWX5;TWX7)に行単位で接続されている(図3及び図7Aを参照)。第1−2タッチ電極(Tx22、Tx24、Tx26、Tx28;Tx42、Tx44、Tx46、Tx48;Tx62、Tx64、Tx66、Tx68;Tx82、Tx84、Tx86、Tx88)は、第3パッシベーション膜(PAS3)を貫通するコンタクトホール(CH22)を介して、第2パッシベーション膜(PAS2)上に、第1方向に平行に配置して形成された第1−2タッチルーティング配線(TWX2、TWX4、TWX6、TWX8)に行(row)単位で接続されている(図3及び図7Aを参照)。
【0059】
第2−1タッチ電極(Tx12、Tx14、Tx16、Tx18;Tx32、Tx34、Tx36、Tx38;Tx52、Tx54、Tx56、Tx58;Tx72、Tx74、Tx76、Tx78)は、第2及び第3パッシベーション膜(PAS2、PAS3)を貫通するコンタクトホール(CH12)を介して、第1パッシベーション膜(PAS1)上に、第1方向と交差する第2方向に互いに平行に配列して形成された第2−1タッチルーティング配線(TWP12、TWP14、TWP16、TWP18;TWP32、TWP34、TWP36、TWP38;TWP52、TWP54、TWP56、TWP58;TWP72、TWP74、TWP76、TWP78)にそれぞれ接続されている(図3及び図7Bを参照)。第2−2タッチ電極(Tx21、Tx41、Tx61、Tx81;Tx23、Tx43、Tx63、Tx83;Tx25、Tx45、Tx65、Tx85;Tx27、Tx47、Tx67、Tx87;Tx29、Tx49、Tx69、Tx89)は、第2及び第3パッシベーション膜(PAS2、PAS3)を貫通するコンタクトホール(CH21)を介して、第1パッシベーション膜(PAS1)上に、第2方向に互いに平行に配列して形成された第2−2タッチルーティング配線(TWY1;TWY2;TWY3;TWY4;TWY5)に列(column)単位で接続されている(図3及び図7Bを参照)。
【0060】
次に、図8図9Bを参照して、本発明の実施の形態に係るタッチセンサ一体型表示装置のタッチルーティング配線とタッチ電極との接続構造の他の例についてさらに詳細に説明する。図8は、図5に示された1つの画素電極に対応する領域の他の例を示す平面図であり、図9Aは、図8の構造において、図5の第1−1及び第1−2タッチルーティング配線が第1−1及び第1−2タッチ電極に接続される構成を示した断面図であり、図9Bは、図8の構造において、図5の第2−1及び第2−2タッチルーティング配線が第2−1及び第2−2タッチ電極に接続される構成を示した断面図である。以下の説明では、説明の便宜のために1つのピクセル領域を中心に説明する。
【0061】
図8図9Bに示された例は、第1−1及び第1−2タッチルーティング配線が形成される位置と、これらが第1−1及び第1−2タッチ電極に接続される構成と、第3パッシベーション膜が除去されていることを除き、図6図7Bに図示された例と実質的に同一である。したがって、以下では、図6図7Bに示された例と異なる点についてのみ説明する。
【0062】
図8図9Bを参照すると、本発明の実施の形態に係るタッチセンサ一体型表示装置において、第1−1及び第1−2タッチルーティング配線(TWX1、TWX3、TWX5、TWX7;TWX2、TWX4、TWX6、TWX8)は、第1方向に互いに平行に配列されるが、ゲートライン(GL)とは重畳しておらず、ゲートライン(GL)と同じ層によって基板上に形成されている。したがって、第1−1及び第1−2タッチルーティング配線(TWX1、TWX3、TWX5、TWX7;TWX2、TWX4、TWX6、TWX8)がゲートライン(GL)と重畳して形成されてる図6図7Bに示された例とは異なっている。
【0063】
一方、第1−1タッチルーティング配線(TWX1、TWX3、TWX5、TWX7)は、ゲート絶縁膜(GI)、第1及び第2絶縁膜(INS1、INS2)、第1〜第3パッシベーション膜(PAS1、PAS2、PAS3)を貫通するコンタクトホールを介して、奇数番目の行の奇数番目の列に配置された第1−1タッチ電極(Tx11、Tx13、Tx15、Tx17、Tx19;Tx31、Tx33、Tx35、Tx37、Tx39;Tx51、Tx53、Tx55、Tx57、Tx59;Tx71、Tx73、Tx75、Tx77、Tx79)を行単位で接続する。また、第1−2タッチルーティング配線(TWX2、TWX4、TWX6、TWX8)は、ゲート絶縁膜(GI)、第1及び第2絶縁膜(INS1、INS2)、第1及び第2パッシベーション膜(PAS1、PAS2)を貫通するコンタクトホールを介して、偶数番目の行の偶数番目の列に配置された第1−2タッチ電極(Tx22、Tx24、Tx26、Tx28;Tx42、Tx44、Tx46、Tx48;Tx62、Tx64、Tx66、Tx68;Tx82、Tx84、Tx86、Tx88)を行単位で接続する。
【0064】
残りの第2−1及び第2−2タッチ電極と第2−1及び第2−2タッチルーティング配線との接続関係は、図6図7Bとその関連の説明で十分に説明したので、これ以上の説明は省略する。
【0065】
次に、図10及び図11を参照して、本発明の第2の実施の形態に係るタッチセンサ一体型表示装置について説明する。図10は、本発明の第2の実施の形態に係るタッチセンサ一体型表示装置の平面図であり、図11は、図10に図示された領域R3を拡大示した平面図である。
【0066】
図10を参照すると、本発明の第2の実施の形態に係るタッチセンサ一体型表示装置は、アクティブ領域(AA)とベゼル領域(BA)とを含む。アクティブ領域(AA)は、共通電極兼用タッチ電極が形成され、データが表示される領域である。ベゼル領域(BA)は、アクティブ領域(AA)の外側に配置され、タッチIC100と、アクティブ領域(AA)から延在するルーティング配線とを含む各種配線が形成される領域である。
【0067】
本発明の第2の実施の形態に係るタッチセンサ内蔵型液晶表示装置のアクティブ領域(AA)は、第1方向(例えば、x軸方向またはY軸方向)から所定の角度傾斜した斜め方向と第2方向(例えば、Y軸方向またはx軸方向)から所定の角度傾斜した斜め方向に互いに交差する方向に分割された複数の共通電極兼用タッチ電極(以下、単に「タッチ電極」と称する。)(Tx12〜Tx18、Tx21〜Tx27、Tx32〜Tx38、Tx41〜Tx47、Tx52〜Tx58、Tx61〜Tx67、Tx72〜Tx78、Tx81〜Tx87、Tx92〜Tx98)を含む。本実施の形態におけるタッチ電極の配置は、第1の実施の形態におけるタッチ電極の配置から奇数行・奇数列、偶数行・偶数列のタッチ電極を取り除いた、千鳥格子配列と考えることができる。
【0068】
これらのタッチ電極(Tx12〜Tx18、Tx21〜Tx27、Tx32〜Tx38、Tx41〜Tx47、Tx52〜Tx58、Tx61〜Tx67、Tx72〜Tx78、Tx81〜Tx87、Tx92〜Tx98)のそれぞれは、四角形の第1タッチ電極と第1タッチ電極を取り囲む枠の第2タッチ電極とからなる。
【0069】
例えば、図10の一部の領域R3を示した図11に示すように、タッチ電極(Tx23)は、第1タッチ電極(Tx23a)と第2タッチ電極(Tx23b)とからなり、タッチ電極(Tx32)は、第1タッチ電極(Tx32a)と第2タッチ電極(Tx32b)とからなり、タッチ電極(Tx324)は、第1タッチ電極(Tx34a)と第2タッチ電極(Tx34b)とからなり、タッチ電極(Tx43)は、第1タッチ電極(Tx43a)と第2タッチ電極(Tx43b)とからなる。このようにすべてのタッチ電極は、第1タッチ電極と第2タッチ電極とからなる。
【0070】
そして、互いに隣接する第1タッチ電極(Tx12a〜Tx18a、Tx21a〜Tx27a、Tx32a〜Tx38a、Tx41a〜Tx47a、Tx52a〜Tx58a、Tx61a〜Tx67a、Tx72a〜Tx78a、Tx81a〜Tx87a、Tx92a〜Tx98a)は、例えば四角形をなすようにタッチリンク配線(TL11、TL12、TL21、TL22、TL31、TL32、TL41、TL42、TL51、TL52)によって互に接続されている。図11においては、4つの第1タッチ電極が1つのタッチリンク配線によって互に接続される例を示している。ただし、図11の例において、アクティブ領域(AA)の角領域と枠領域に配置された第1タッチ電極(図10のTx11a、Tx12a、Tx13a、Tx21a、Tx23a、Tx41a、Tx51a、Tx61a、Tx81a、Tx83a、Tx91a、Tx92a、Tx93a)の場合は、配置関係に応じて、3つ以下に接続されている。
【0071】
第1タッチ電極(Tx12a〜Tx18a、Tx21a〜Tx27a、Tx32a〜Tx38a、Tx41a〜Tx47a、Tx52a〜Tx58a、Tx61a〜Tx67a、Tx72a〜Tx78a、Tx81a〜Tx87a、Tx92a〜Tx98a)をこのようにグループ化するリンクライン(TLll、TL12、TL21、TL22、TL31、TL32、TL41、TL42、TL51、TL52)は、第1タッチルーティング配線(TWP1、TWP2、…TWP10)にそれぞれ接続されている。
【0072】
前述した本発明の実施の形態では、4つの第1タッチ電極が1つのリンク配線によって互に接続され、接続配線が4角形をなす例を示しているが、本発明がこれに限定されるものではなく、必要に応じて三角形、多角形、星型などになるように構成することもできる。
【0073】
なお、タッチリンク配線によって接続された第1タッチ電極のそれぞれのグループは、全体として、第1の実施の形態の第2−1タッチ電極に相当する1つの電極と考えることもできる。この場合、本実施の形態の第1タッチルーティング配線は、第1の実施の形態の第2−1タッチルーティング配線に相当すると考えることができる。
【0074】
一方、奇数行、偶数列に配列された第2タッチ電極(Tx12b、Tx32b、Tx52b、Tx72b、Tx92b;Tx14b、Tx34b、Tx54b、Tx74b、Tx94b;Tx16b、Tx36b、Tx56b、Tx76b、Tx96b;Tx18b、Tx38b、Tx58b、Tx78b、Tx98b)は、第2方向に互いに平行に配列された第2タッチルーティング配線(TWY1、TWY21、TWY3、TWY4)によって列(column)単位で接続されている。偶数行、奇数列に配列された第2タッチ電極(Tx21b、Tx23b、Tx25b、Tx27b;Tx41b、Tx43b、Tx45b、Tx47b;Tx61b、Tx63b、Tx65b、Tx67b;Tx81b、Tx83b、Tx85b、Tx87b)は、第1方向に互いに平行に配列された第3タッチルーティング配線(TWX1、TWX2、TWX3、TWX4)によって行単位で接続されている。
【0075】
前記実施の形態とは異なり、奇数行、偶数列に配列された第2タッチ電極は、第1方向に互いに平行に配列されたタッチルーティング配線によって行単位で接続し、偶数行、奇数列に配列された第2タッチ電極は、第2方向に互いに平行に配列されたタッチルーティング配線によって列単位で接続することもできる。
【0076】
本発明の第2の実施の形態において、第1〜第3ルーティング配線(TWP1、TWP2、…TWP10;TWY1、TWY2、TWY3、TWY4;TWX1、TWX2、TWX3、TWX4)は、タッチIC100に接続され、ディスプレイ駆動時には、共通電圧を供給し、タッチ駆動時には、タッチ駆動電圧を供給した後、タッチ電極の静電容量の変化をセンシングして、タッチIC100に供給する。
【0077】
本発明の第2の実施の形態は、各タッチ電極が第1タッチ電極と第2タッチ電極とで構成され斜線方向に配置されている点と、リンク配線が付加される点とを除いては、第1の実施の形態と類似している。本発明の第2の実施の形態は、第1タッチ電極を数個の単位でグループ化するために、第1−1及び第1−2タッチルーティング配線と第2−1及び第2−2タッチルーティング配線とが形成される層とは別の層上にペシベーション膜を追加形成し、その追加されるペシベーション膜上にリンク配線を形成した後にコンタクトホールを形成して、第3タッチルーティング配線を形成する点を除いては、第1の実施の形態と実質的に同じなので、説明の重複を避けるために、これ以上の説明は省略する。
【0078】
本発明の第1及び第2の実施の形態に共通して言えることは、少なくとも1つの画素電極と重なるように形成され、行方向と列方向に沿って配列された複数のタッチ電極と、行方向及び列方向の一方である第1の方向に延在し、第1の方向に沿って配置された2以上のタッチ電極を共通に接続する第1タッチルーティング配線と、行方向及び列方向の他方である第2の方向に延在し、第2の方向に沿って配置され且つ第1タッチルーティング配線に接続されていない2以上のタッチ電極を共通に接続する第1タッチルーティング配線と、第2の方向に延在し、第1タッチルーティング配線及び第2タッチルーティング配線に接続されていないタッチ電極に個々に接続された第3タッチルーティング配線と、を有することである。
【0079】
このような特徴を少なくとも有する種々の構成において、本明細書に記載した効果を奏することができる。第1タッチルーティング配線は、必ずしも偶数行或いは奇数行のいずれか一方に配置する必要はなく、例えば3行毎、4行毎、…に配置してもよい。第1タッチルーティング配線が配置されていない行の間に、複数の第1タッチルーティング配線が配置されていてもよい。第1タッチルーティング配線が列方向に延在している場合や、第2のルーティング配線についても同様である。
【0080】
次に、図12を参照して、本発明の第1及び第2の実施の形態に係るタッチセンサ一体型表示装置の駆動について説明する。図12は本発明の第1及び第2の実施の形態に係るタッチセンサ一体型表示装置において、ディスプレイ駆動期間とタッチ駆動期間との動作を説明するための図である。
【0081】
図12を参照すると、本発明の第1及び第2の実施の形態に係るタッチセンサ一体型表示装置は、1水平期間(1H)ごとにディスプレイ駆動期間とタッチ駆動期間とに時分割駆動される。
【0082】
ディスプレイ駆動期間中に共通電極兼用タッチ電極(Tx)には、第1マルチプレクサ(MUX1)によって共通電圧(Vcom)が供給され、ゲートライン(GL)には、第2マルチプレクサ(MUX2)によりピクセルのターンオン電圧(VHL)が順次印加され(残りゲートラインには、ピクセルのターンオフ電圧(VGL)が印加される)、データライン(DL)には、第3マルチプレクサ(MUX3)によりデータ電圧(Vd)が供給される。
【0083】
次に、タッチ駆動期間(TP)には、すべてのタッチ電極(Tx)に第1マルチプレクサ(MUX1)によってタッチ駆動電圧(Vtsp)が供給され、すべてのゲートライン(GL)とデータライン(DL)にも第2及び第3マルチプレクサ(MUX2、MUX3)によってタッチ駆動電圧と同じ電圧(Vtsp)が供給される。
【0084】
このように、本発明の第1及び第2の実施の形態に係るタッチセンサ一体型表示装置によれば、タッチ電極に供給されるタッチ駆動電圧と同じ電圧がゲートライン及びデータラインにも供給されるので、タッチルーティング配線とゲートラインとの間及びタッチルーティング配線とデータラインとの間に寄生容量が発生しないことになる。したがって、本発明の第1及び第2の実施の形態に係るタッチセンサ一体型表示装置によれば、寄生容量によって発生する可能性のあるタッチ感度の低下を防止することができる効果を得ることができる。
【0085】
また、本発明の第1及び第2の実施の形態に係るタッチセンサ一体型表示装置によれば、タッチ電極に接続されるタッチルーティング配線の数を大幅に減少することができるので、表示装置の大型化に伴うタッチICの大型化を防止し、装置コストを節減することができる効果を得ることができる。
【0086】
以上説明した内容を介して当業者であれば、本発明の技術思想を逸脱しない範囲で様々な変更及び修正が可能であることがわかる。たとえば、本発明の実施の形態で説明したタッチ電極の数は、説明のための例示に過ぎず、本発明の権利範囲に影響を与えるためのものではないことを理解しなければならない。したがって、本発明の技術的範囲は、発明の詳細な説明に記載された内容に限定されるものではなく、特許請求の範囲により定められなければならない。
【符号の説明】
【0087】
DL データライン
GL ゲートライン
P 画素電極
Tx タッチ電極
TWX,TWY,TWP タッチルーティング配線
TL タッチリンク配線
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7A
図7B
図8
図9A
図9B
図10
図11
図12