(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0024】
発明の詳細な説明
記載
延伸PTFEなどの延伸フルオロポリマーメンブレンは、生来的に疎水性であり、そしてもっともしばしば、水を通過させる前に、溶媒により表面湿潤化させ又は予備湿潤化させる変性を要求する。延伸フルオロポリマーメンブレンは多くの用途で使用され、その用途としては、限定するわけではないが、ろ過、衣料及びアパレル、電子ワイヤ及びケーブル、及び、カテーテルを含む医学デバイスが挙げられる。ろ過などのこれらの用途の幾つかにおいて、延伸フルオロポリマーメンブレンが親水性であり、そして水又は液体を第一の表面から第二の表面に通過させうることが望ましい。延伸フルオロポリマーメンブレンを親水性とするための従来の技術は厚さ又は透過性を低減する、又は、非永久親水性を提供するなどの欠点を有する。本明細書中に記載のコーティングされた延伸フルオロポリマーは、しかしながら、透過性の非常に低い損失を提供し、幾つかの実施形態においては、永久親水性を提供する均一なコーティングを含む。
【0025】
本明細書中に記載されるとおりのコーティングは、蒸気から堆積され、溶液塗布よりも厚さ及び透過性を有効に維持する。延伸フルオロポリマーメンブレンの溶液塗布は実質的な厚さの低減及び透過性の低減をもたらすことがある。
【0026】
フルオロモノマーを含む配合物は延伸フルオロポリマーメンブレン上にコーティングされて、親水性コーティングを生じることが驚くべきことに発見された。コーティング配合物中のフルオロモノマー成分は延伸フルオロポリマーメンブレン表面のより完全な湿潤性を提供し、そしてコーティングの均一性及び深さを向上させることが判った。フルオロモノマーなしでそして本明細書中に記載されるとおりでは、親水性コーティングは有効には延伸フルオロポリマーメンブレン上に吸着せず、幾つかの実施形態において、延伸フルオロポリマーメンブレンのコーティングされていない表面上に親水性表面を提供しないであろう。
【0027】
1つの実施形態において、真空チャンバー中に延伸フルオロポリマーメンブレンを配置し、ここで、コーティング配合物を含む蒸気を延伸フルオロポリマーメンブレン上に及び/又はその中に堆積させる。コーティングは第一の表面及び/又は第二の表面に適用されることができ、そして複数の工程で、ロールツーロールプロセス又はバッチプロセスのいずれかでコーティングされうる。例えば、材料の単一の片を真空チャンバー中に配置し、第一のコーティング工程で第一面上にコーティングし、その後、第二のコーティング工程で第二面上にコーティングすることができる。幾つかの場合に、材料の単一の片は第一のコーティング工程及び第二のコーティング工程の間に、逆さにするなどにより再配置されうる。延伸フルオロポリマーメンブレンを高エネルギー源に暴露して、コーティング工程の間又は後にコーティングを架橋することができる。延伸フルオロポリマーメンブレンが多段階コーティング工程でコーティングされるときに、コーティング配合物は各工程で同一であることができ、又は、2つ以上の工程で異なる成分を含むことができる。例えば、第一のコーティング配合物を第一のコーティング工程で適用し、第二のコーティング配合物を第二のコーティング工程で適用することができる。さらに、第一のコーティング配合物はフルオロモノマーを含むことができ、そして第二のコーティング配合物は非湿潤化親水性モノマーを含むことができる。延伸フルオロポリマーメンブレンは多段階工程にて配合物でコーティングされた後に、高エネルギー源に暴露されうる。
【0028】
延伸フルオロポリマーメンブレンのロールは連続プロセス又はロールツーロールプロセスでコーティングされることができ、ここで、延伸フルオロポリマーメンブレンは真空チャンバー中に配置され、そして例えば、ドラムの周囲でペイオフからテークアップに巻き取られる。コーティング配合物は上記のとおり、単一工程又は多段階工程で堆積されうる。高エネルギー源は延伸フルオロポリマーメンブレン上に配合物が凝縮されたものを高エネルギー源に暴露することができるように配置されうる。
【0029】
延伸フルオロポリマーメンブレンをコーティング配合物でコーティングした後に、UV及び紫外光、可視光、電子ビーム又は熱などの高エネルギー源に付し、モノマーを架橋して、コーティングを形成することができる。任意の適切な高エネルギー源を使用して、ポリマーを開始しそして架橋することができる。対流熱又は赤外(IR)熱への暴露などの高エネルギー源として熱を使用することができる。暴露の温度は60℃を超え、又は、90℃を超え、又は、60℃〜90℃、又は、60℃〜150℃であることができる。任意の有効な時間及び温度を用いて、コポリマーを架橋することができる。しかしながら、コーティングされた延伸フルオロポリマーメンブレンをコーティングを実質的に分解する温度及び時間で暴露することがないように注意しなければならない。紫外(UV)光を高エネルギー源として約400W/インチで使用することができ、又は、有効量の架橋を行うために適切な任意の他の出力及び暴露時間を用いることができる。電子ビームを高エネルギー源として約10kV、100mampsで使用し、又は、十分な架橋を提供するための任意の他の有効な電圧及びアンペアで使用することができる。
【0030】
1つの実施形態において、延伸フルオロポリマーメンブレンは、例えば、Goreの米国特許第3,953,566号明細書に一般的に記載されるような多孔性延伸ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を含む。延伸可能なフルオロポリマーは、1つの実施形態において、PTFEホモポリマーを含むことができる。別の実施形態において、PTFE、延伸可能な変性PTFE及び/又はPTFEの延伸コポリマーのブレンドを使用することができる。適切なフルオロポリマー材料の限定しない例は、例えば、Brancaの米国特許第5,708,044号明細書、Baillieの米国特許第6,541,589号明細書、Sabolらの米国特許第7,531,611号明細書、Fordの米国特許出願公開第11/906,877号明細書、及び、Xuらの米国特許出願公開第12/410,050号明細書に記載されている。1つの実施形態において、延伸フルオロポリマーは延伸PTFEを含み、別の実施形態において、延伸フルオロポリマーはPTFEから本質的になる。本明細書中に記載されるとおりの延伸フルオロポリマーメンブレンは用途に要求される特性の所望の組み合わせを達成するように任意の適切なミクロ構造を含むことができる。1つの実施形態において、延伸フルオロポリマーはGoreの米国特許第3,953,566号明細書に記載されるようなフィブリルにより相互連結されたノードのミクロ構造を含むことができる。別の実施形態において、延伸フルオロポリマーは実質的にフィブリルのみのミクロ構造を含むことができる。延伸フルオロポリマーはメンブレン又はシートの形態であることができ、そして2層以上の延伸フルオロポリマーメンブレンを含むことができる。延伸フルオロポリマーメンブレンの層は異なるミクロ構造を有することができる。
【0031】
コーティング配合物はフルオロモノマーを含むことができ、該モノマーは少なくとも1種のフッ素を含み、例えば、フルオロアクリレート又はペルフルオロアクリレート、ペルフルオロアルキル−2−ヒドロキシプロピルメタクリレートを含む。非湿潤化モノマーは親水性モノマーを含むことができ、そして延伸フルオロポリマーメンブレンの表面エネルギーよりも少なくとも5ダイン/cm高い表面エネルギーを有するモノマーを含むことができる。非湿潤化モノマーの例としては、限定するわけではないが、アクリル酸、2−カルボキシエチルアクリレート、メトキシポリエチレングリコールアクリレート及びカプロラクトンアクリレートが挙げられる。他の非湿潤化モノマーはヒドロキシル基を含み(すなわち、アリルアルコール及び2−ヒドロキシエチルアクリレート)、アミノ基を含み(すなわち、アリルアミン、2−(N,N−ジメチルアミノ)エチルアクリレート及びアミノスチレン)、ホスホン基を含み(すなわち、ビニルホスホン酸)、また、スルホンモノマー(すなわち、ビニルスルホン酸)を含む。これらのモノマーの表面エネルギーを表5に提供する。1つの実施形態において、延伸フルオロポリマーメンブレンは表面エネルギーが約17ダイン/cmである延伸PTFEであり、そして非湿潤化モノマーは表面張力が少なくとも5以上、約10以上又は約20以上である。非湿潤化モノマーは延伸フルオロポリマーよりも表面エネルギーが約5ダイン/cmを超えて高く、ほとんどの場合に、延伸フルオロポリマーメンブレンの表面を容易に湿潤させ得ない。
【0032】
延伸フルオロポリマーメンブレンのコーティング方法は、
図4Bに示すとおりの真空チャンバー30に延伸フルオロポリマーメンブレン10のロールをドラム34の周囲に配置する工程を含む。その後、メンブレンが配合物蒸気52及びUV光源42に暴露されるようにしてドラムを回転させることができる。配合物蒸気52は延伸フルオロポリマーメンブレン10上で凝縮し、延伸フルオロポリマーメンブレン10上に凝縮した配合物56を提供する。凝縮した配合物56を有する延伸フルオロポリマーメンブレン10を、その後、UV光42に付し、それにより、配合物ポリマーの少なくとも一部を架橋させる。架橋ポリマーコーティング58を有する延伸フルオロポリマーメンブレン10を、その後、テークアップロール36の周囲に巻き取る。延伸フルオロポリマーメンブレンはドラム周囲で1つより多くの配合物蒸気に暴露されうるものと考えられた。第一の配合物蒸気はドラムの周囲の1つの箇所で延伸フルオロポリマーメンブレンに暴露され、そして第二の配合物はドラム周囲の第二の箇所で延伸フルオロポリマーメンブレンに暴露されうる。第一の配合物及び第二の配合物は、本明細書中で上記されるとおり、同一であっても、又は、異なる成分を含んでいてもよい。さらに、UV光などの1つ以上の高エネルギー源はドラムの周囲に配置されうる。1つの実施形態において、1つ以上の高エネルギー源は2つ以上の蒸気体積の間に配置されうる。
【0033】
図4Bに示すとおりの配合物蒸気52は配合物88がシリンジポンプ46からエバポレータ50にポンプ送りされるときに形成し、その後、導管54をとおして真空チャンバー30に送られる。エバポレータは大きな加熱体積空間であり、ここで、配合物は蒸気へと変化する。幾つかの実施形態において、導管は配合物を蒸気に保ちそして蒸気の凝縮を無くすのに十分な温度に加熱される。配合物蒸気は、その後、エバポレータ50からノズル38に真空により引かれて、ノズル開口部40から出てきて、それが延伸フルオロポリマーメンブレン上で凝縮することができる。
【0034】
図4Bに示すとおり、延伸フルオロポリマーメンブレンはドラムにより支持されているが、任意の数の異なるメンブレン支持体及びコーティングコンフィグレーションが考えられ、限定するわけではないが、ベルト又は多孔性ベルトなどが挙げられる。さらに、延伸フルオロポリマーメンブレンはロールの間などの配合物が凝縮される領域にわたって支持されていなくてよい。1つの実施形態において、多孔性材料などの追加の材料層をメンブレン支持体の表面上にあってよく、それはコーティングの分配を補助することができる。
【0035】
延伸フルオロポリマーメンブレンをコーティングする別の方法は
図5に示すとおりの真空チャンバー70中に延伸フルオロポリマーメンブレン片10を配置する工程を含む。延伸フルオロポリマーメンブレン片10を支持体フープ78中に配置し、コーティングステージ74上に配置し、そこで、コーティング配合物蒸気52は延伸フルオロポリマーメンブレンと接触する。マスク76は入射配合物蒸気52の反対面に配置されうる。蒸気及び空気は
図5中で矢印で示されるとおり、マスク76の外周と支持体フープ78の境界との間で延伸フルオロポリマーメンブレンを通して移動することができる。配合物88はポート92中に注入でき、それはエバポレータ50を通過し、その後、導管54を通して、コーティングステージ74に入る。延伸フルオロポリマーメンブレンをコーティングした後に、それを真空チャンバーから取り出し、高エネルギー源に付して、ポリマーを架橋することができる。
図6に示すとおり、支持体フープ78中の延伸フルオロポリマーメンブレン10をUV硬化コンベア100上に配置し、そしてUV光源42を通過させることができる。ここでも、任意の異なる数のコーティング方法及び反復が考えられた。1つの実施形態において、延伸フルオロポリマーメンブレンを第一の面で第一のコーティング配合物でコーティングし、その後、コーティングステージ上で反転し、第二のコーティング配合物でコーティングすることができる。延伸フルオロポリマーメンブレンをコーティング工程の間に高エネルギー源に付すことができる。
【0036】
コーティングされた延伸フルオロポリマーメンブレンは少なくとも1つの表面に取り付けられた支持体材料を含むことができる。支持体材料は、限定するわけではないが、織物もしくは不織布材料、フエルト、布帛又は別のフルオロポリマーなどを含むことができる。コーティングされた延伸フルオロポリマーメンブレンは、また、少なくとも一部分にチューブ、繊維、ロッドなどを含むことができる。
【0037】
試験方法
比表面積
比表面積は材料の特性であり、材料1グラムあたりの物理的表面積を特徴化するために使用される。特に、多孔性材料を特徴化するために使用される。本明細書中に使用するときに、m
2/gの単位で表現される比表面積はCoulter SA3100ガス吸着アナライザ (Beckman Coulter Inc. Fullerton CA)でのBrunauer-Emmett-Teller (BET)法を用いて測定された。測定を行うために、延伸フルオロポリマーメンブレンの中心からサンプルを切断し、そして小さいサンプルチューブ中に入れた。サンプルの質量は約0.1〜0.2グラムであった。チューブをBeckman Coulter, Fullerton CAからのCoulter SA-Prep Surface Area Outgasser (Model SA-Prep, P/n 5102014)中に入れ、そして110℃で2時間ヘリウムによりパージした。サンプルチューブを、その後、SA-Prep Outgasserから取り出しそして計量した。サンプルチューブを、その後、SA3100ガス吸着アナライザに入れ、そしてBET表面積分析を、自由空間を計算するためのヘリウム及び吸着質ガスとしての窒素を用いて計器指示書により行った。
【0038】
孔サイズ−バブルポイント測定
バブルポイントは多孔性材料中の最大孔サイズの相対測定値である。バブルポイントが高いほど、最大孔サイズは小さい。多孔性材料は湿潤化液体で濡れ、そしてサンプルの1つの面のガス圧は、サンプルを通る流れを測定している間に増加する。孔から液体を除去するのに要求される最低圧力はバブルポイントと呼ばれる。バブルポイント及び平均流れ孔サイズはキャピラリーフロープロモータ (Porous Materials, Inc., Ithaca NYからのModel CFP 1500AEXL)を用いてASTM F31 6-03の一般教示により測定した。サンプルメンブレンをサンプルチャンバー中に入れ、そして約20ダイン/cmの表面張力を有するSilWickシリコーン流体(Porous Materials Inc.から入手可能)で濡らした。サンプルチャンバーのボトムクランプは2.54cm直径の孔を有した。Capwinソフトウエアを用いて、以下のパラメータを下記の表1に示した。
表1:
パラメータ セットポイント
Maxflow (cc/m) 200000
Bublflow(cc/m) 100
F/PT (旧バブルタイム) 50
Minbpress (PSI) 0
Zerotime(sec) 1
V2incr(cts) 10
Preginc(cts) 1
Pulse delay(sec) 2
Maxpre (PSI) 500
Pulse width(sec) 0.2
Mineqtime(sec) 30
Presslew (cts) 10
Flowslew (cts) 50
Eqiter 3
Aveiter 20
Maxpdif(PSI) 0.1
Maxfdif(PSI) 50
Sartp(PSI) 1
Sartf (cc/m) 500
【0039】
透過性-ガーリーデソメータ(Gurely Desometer)
幾つかのサンプルの空気透過性をガーリーデソメータ(Gurley Densometer)を用いて測定した。ガーリー空気流試験は12.4cm水圧で6.45cm
2のサンプルをとおして100cm
3の空気が流れる秒での時間を測定する。Gurley Densometer Model 4340 Automatic Densometerを用いてサンプルを測定した。
【0040】
透過性−フレーザー(Frazier)
幾つかのサンプルの空気透過性をフレーザー試験を用いて測定した。フレーザー価は0.5インチ水又は約125Paのサンプル横断圧力低下でフィート/分でのサンプルをとおした流速の測定値である。Textest Instruments, Schwerzenbach, Switzerlandから入手可能なTextest FX3310 Air Permeability Testをフレーザー試験のために使用した。試験圧を125Paに設定した。
【0041】
比抵抗
サンプルの比抵抗を測定した透過性から計算した。
【0042】
比抵抗 (krayls) = ガーリー(gurley)(sec)×7.8344、又は、
【0043】
比抵抗(krayls) = 24.4921/フレーザー(Frazier) (fpm)
【0044】
比重
比重は材料の面積により標準化された材料の質量である。比重は測定値であり、サンプルを切断しそして切断長さ及び切断幅を測定するなどでサンプルの面積を測定し、その後、切断されたサンプルを計量することにより測定されそして計算される。測定された質量を、計算された面積で除算し、そして平方メートル当たりのグラム、g/m
2として報告する。
【0045】
親水性
メンブレンのサンプルを1つの表面上で水に付し、親水性を決定した。水の液滴(g単数又は複数)をメンブレンの1つの表面上に配置し、そして約10秒後に第二の、すなわち、反対面を評価し、水がサンプルを通過しているかどうかを決定した。ペーパータオルなどの吸水性材料を、ある場合に用いて、サンプルの水浸透性を決定した。ペーパータオルを第二の表面に接触させ、その後、評価のために取り除いた。ペーパータオルが濡れているならば、サンプルは親水性であると決定した。
【0046】
水流れ時間
下記の手順を用いて、メンブレンを通しての水流れ時間を測定した。メンブレンを試験機(Sterifil Holder 47mm Catalog Number: XX11J4750, Millipore)を横切って掛け、又は、あるサイズに切断して、試験プレート上に横たえた。試験機を脱イオン水にて充填した。33.87kPaの圧力をメンブレンを横切って課し、400mlの脱イオン水がメンブレンを通して流れる時間を測定した。
【0047】
第二の水流れ時間はサンプルが水で濡れてそして乾燥した後の400mlの脱イオン水が流れる時間である。
【0048】
水流れ時間は水の流速と反比例の相関がある。
【0049】
コーティング質量
コーティング質量をTA Instruments (159 Lukens Drive New Castle, DE 19720 USA)から入手可能なQ5000IR TGAを用いて熱重量分析(TGA)により決定した。約5mgのコーティングされた延伸フルオロポリマーメンブレンを切断し、そして高温TGAパンに入れ、そして計器中に装填した。その後、25ml/分の空気パージで、20℃/分の直線加熱速度を用いて周囲温度から1000℃までパンを加熱したときのサンプル質量をモニターした。次いで、コーティングの分解の間に起こる質量損失を測定することにより分析を行った。このプロセスは質量の一次導関数曲線vs温度プロットを使用することにより遂行する(質量損失事象は導関数曲線における最小値の間に起こるものと規定される)。
【0050】
X−線光電子スペクトロスコピー(XPS)を用いた表面分析
X−線光電子スペクトロスコピー(XPS)は、最も広く使用されている表面特性化技術であり、固体材料の非破壊化学分析を提供する。サンプルを単エネルギーX−線により照射し、サンプル表面の上部1〜10nmから光電子を放出させる。電子エネルギーアナライザーは光電子の結合エネルギーを決定する。約0.1〜0.2原子%の検出限界での水素及びヘリウムを除くすべての元素に対する定性的及び定量的分析が入手可能である。化学状態及び結合情報は高解像分析を用いて得られる。詳細には、この作業は単色Al K
alphaX−線ビームを用いたPhysical Electronics Quantera Scanning X-ray Microprobeを用いて行った。分光計の仕事関数は清浄な銀ホイルからの368.21eVの銀3d
5/2 結合エネルギーを用いて検量し、そして遅延線形を、銅2p
3/2 ピークと金4f
7/2 ピークとの間の848.66eVのピーク分離を用いて検量した。低エネルギーアルゴンイオン及び低エネルギー電子の組み合わせを用いて電荷補償を行った。サーベイスキャンを用いて、複数の分析スポットから表面組成を定量化し、平均及び標準偏差を得た。高解像スキャンを炭素、酸素及びフッ素領域から得て、化学結合情報を提供した。すべての高解像スペクトルをポリテトラフルオロエチレンの292.4eVの結合エネルギーと照合した。
【0051】
蛍光顕微鏡検査
蛍光顕微鏡検査をC-Apochromat 40x, 1.2NA 水補正レンズ及び543nm及び488nmレーザでZeiss LSM 510顕微鏡を用いて行った。ローダミンB染料をコーティングのためのトレーサとして用いた。Nuncチャンバースライドを用いて、画像形成の間にサンプルを保持した。
【0052】
各サンプルの両面をNuncチャンバースライドに取り付けたサンプルの小セクションから分析した。ガラスブロックをサンプル上に配置した。Nuncチャンバースライド及びガラスブロックの間のサンプルを水/染料溶液(0.5g/ml)で濡らした。西洋カミソリでセクション分けすることにより断面を調製した。セクション分けした縁をガラスブロックの1つの縁に沿って向け、セクション分けしたサンプルをガラスブロックに取り付けた。セクション分けした縁を画像形成できるようにセクション分けした縁を下にして、ガラスブロックをNuncチャンバースライドに対して垂直に向けた。これを各サンプルに対して繰り返した。
【0053】
1つの回収された画像では、蛍光画像(赤)はサンプル中のコーティングの位置を示し、一方、反射画像(緑)はコーティングされていない領域を示す。これらの2つの画像の合成物が実施例において示されている。
【0054】
走査型電子顕微鏡観察
走査型電子顕微鏡観察をHitachi SU-8000 FESEMを用いて行った。フィルムサンプルの小セクションを導電性接着剤を用いてアルミニウムスタブに取り付けた。画像形成の前に、取り付けられたサンプルに、白金の導電性コーティングをEmitech K550Xスパッタコータを用いて適用した。
【0055】
定義
本明細書中に使用されるときに、配合物は1種以上のコポリマーモノマー及び/又は架橋剤を含むことができる。
【0056】
本明細書中に使用されるときに、延伸フルオロポリマーメンブレン上のコーティングに関して、形状適合性はコーティングが延伸フルオロポリマーメンブレンのノード表面及びフィブリル表面を親水性とするように被覆することを意味する。
【実施例】
【0057】
一般に、Bacinoらの米国特許第7,306,729号(B2)明細書の教示に従って製造され、
図1Aに示されそして表1にメンブレンAとして記載されている延伸フルオロポリマーメンブレンを、本明細書中に記載されるとおりのコポリマーによりコーティングし、延伸フルオロポリマーメンブレンを親水性とした。
図1Aに示す延伸フルオロポリマーメンブレンは実質的にフィブリルのみのミクロ構造を有しており、本明細書中、メンブレンAと呼ぶことにする。
【表1】
【0058】
図4Aに示すとおり、真空チャンバー30中でドラム34の周囲にメンブレンAの片を巻きそしてテープした。
図4Aに示すとおり、メンブレンAはドラム34から離れた面の第一の表面62及びドラムに面している第二の表面64となるように向けられている。真空チャンバーはCHA Industries, Fremont, CAから入手可能なCHA Mark 50であり、ノズル38及びUV光源42に適合されていた。真空チャンバーへのドアを閉じ、そしてチャンバーを20トルの圧力にポンプダウンした。シリンジポンプに配合物を装填した。18質量%の3−ペルフルオロヘキシル−2−ヒドロキシプロピルアクリレート湿潤化モノマー、80質量%のアクリル酸非湿潤化モノマー及び2質量%のエチレングリコールジアクリレート架橋剤を混合することにより配合物を調製した。さらに、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノンラジカル光開始剤を総モノマー質量の約2質量%に相当する量でモノマー配合物に添加した。シリンジポンプ46を付けて、そしてシリンジポンプバルブ48を開いた。その後、配合物を5ml/分の速度で、予熱された(約204℃)エバポレータ50中に通し、ここで、配合物及びラジカル光開始剤が蒸発した。蒸気52を、その後、加熱された(204℃)導管54を通して真空チャンバー30及び加熱された(約150℃)ノズル38に通過させた。その後、蒸気52を2mm幅スリット開口部40を通してノズル38から抜き出し、そして延伸フルオロポリマーメンブレン10上に送った。ドラムを13メートル/分の速度で1回転させた。凝縮した配合物56を有するメンブレンA10がドラム34の周囲を通過したときに、それはUV光源42に付され、該光源はUV-Doctors Company, Baltimore, MDから入手可能な低圧Hgランプ、B01-356A26U-1Vを有する。UV光源42を出力レベル10mAに設定した。UV光源は凝縮した配合物を硬化しそして架橋した。
【0059】
架橋コポリマー58コーティングを有する延伸フルオロポリマーメンブレンを、その後、ひっくり返し、ドラム周囲に圧迫し、それにより、第一の表面62は今度はドラム34に面するようにした。その後、コーティングプロセスを繰り返し、同一の配合物をメンブレンAの第二の表面に凝縮させそして硬化させた。
【0060】
このプロセスにより、
図1B(第一の表面)及び
図1C(第二の表面)に示すとおりの、非湿潤化モノマーをフルオロモノマーとともに架橋した、コーティングされた延伸フルオロポリマーメンブレン18を生じた。本例により製造した、コーティングされた延伸フルオロポリマーメンブレンを本明細書中に記載された試験方法により試験した。結果を上記の表1に報告する。本例により製造した、コーティングされたメンブレンは424秒の水流れ時間を有し、一方、メンブレンA、又は、コーティングされていないメンブレンは水を流さなかった。
【0061】
表面SEM画像、
図1B及び
図1Cは延伸フルオロポリマーメンブレンのミクロ構造の周囲の形状適合性コーティングを示す。示されるとおり、延伸フルオロポリマーメンブレンにコポリマーを添加することにより非常に小さい表面積がブロッキングされ、そしてガーリー時間の10.8秒から11.7秒への増加のとおり、透過性はほんのわずかにしか低減しなかった。さらに、比表面積は15m
2/g超と高いままであった。バブルポイント及び孔直径は有意に変更されなかった。コーティング後のメンブレンAの水流速は424ml/分であった。コーティングされたメンブレンAは本明細書中に記載される試験方法により親水性であった。
【0062】
メンブレンAならびに本例により製造されたメンブレンのXPS分析結果を
図1A、
図1B及び
図1C中に各SEM画像下に提供する。フッ素の濃度はコーティングされたメンブレンの第一面上で約66.6%〜42.6%低減し、そして第二面上で45%低減した。このフッ素濃度の低下及び炭素及び酸素の両方の増加は、アクリル酸を含むコーティングがメンブレンの表面上に存在していることを示す。XPSデータの要約を表2に提供する。
【表2】
【0063】
メンブレンA上のコーティングの質量はTGA法により約17%であった。TGA分析からの質量トレースを
図7に提供した。
【0064】
例2:
一般に、Brancaらの米国特許第5,814,405号明細書の教示に従って製造され、
図2Aに示されそして表4にメンブレンBとして記載されている延伸フルオロポリマーメンブレンを、本明細書中に記載されるとおりのコポリマーによりコーティングし、延伸フルオロポリマーメンブレンを親水性とした。メンブレンBを例1に記載される方法によりコーティングし、そして表4に記載される特性を有した。このプロセスにより、コポリマーでコーティングされた延伸フルオロポリマーメンブレンを生じ、それは本明細書中に記載される試験方法により親水性であった。
図2Aにより示されるとおり、メンブレンBは
図1Aに示されるメンブレンAよりもずっと大きな孔サイズを有した。
【0065】
表4に提供されるとおり、メンブレンBの水流れ時間は840秒であった。一方、例2により製造した、コーティングされたメンブレンBの水流れ時間はわずか21.4秒であった。このことは流れ時間を劇的に低下しており、延伸フルオロポリマーメンブレンのミクロ構造をとおして均一な親水性コーティングであることを示している。
【0066】
例3
メンブレンBを例1に記載の方法によりコーティングしたが、第一の表面のみをコーティングした。
図2B及び2Cは例2のコーティングされたメンブレンの第一の表面及び第二の表面を示す。さらに、
図2B及び
図2Cはコーティングがミクロ構造に均一に適用されており、形状適合性コーティングとなり、そしてコーティングの非常に小さいウェビング、ブリッジング又は凝集となったことを示す。本メンブレンの水流れ時間は表4に提供されるとおり、43.3秒であり、そして第二の流れ時間は51.1秒であった。
【0067】
図3Aは例3のコーティングされたメンブレンの断面の蛍光顕微鏡画像を示す。断面のボトムに沿った白色領域63、又は、第二の表面64はフッ素を示す。コーティングはこの比較的に厚いサンプルをとおしてほとんど完全に浸透した。20μmスケールバー65は画像上に提供されており、コーティングされた延伸フルオロポリマーメンブレンが約80μmの厚さであることを示した。例3のメンブレンは本明細書中に記載の試験方法により親水性であった。
【0068】
メンブレンBならびに本例により製造されたメンブレンのXPS分析結果を
図2A、
図2B及び
図2C中に各SEM画像下に提供する。フッ素の濃度はコーティングされたメンブレンの第一面上で約66.4%〜41.5%低減し、そして第二面上で58.8%低減した。このフッ素濃度の低下及び炭素及び酸素の両方の増加は、アクリル酸を含むコーティングがメンブレンの表面上に存在していることを示す。XPSデータの要約を表3に提供する。
【表3】
【0069】
例4
メンブレンBを、CHAマーク50真空チャンバーを用いてコーティングした。メンブレンBのロールをペイオフ32上に配置し、そしてドラム34の周囲からテークアップ36に通した。例1に記載の配合物及びコーティング方法に従った。第一の表面62をコーティングした後に、テークアップロールをペイオフに向けて移動し、第二の表面が今度はドラムから離れるように材料を通した。ここでも、例1に記載の配合物及びコーティング方法に従った。この連続プロセスはコーティングされた延伸フルオロポリマーメンブレンを提供し、それは本明細書中に記載される試験方法により親水性であった。例4のメンブレンの水流れ時間及び第二の水流れ時間はそれぞれ48.4秒及び46.9秒であった。
【0070】
メンブレンBのフレーザー価は7.2であり、例4のコーティングされた延伸フルオロポリマーメンブレンのフレーザー価は7.1であった。空気透過性は増加しておらず、そのことはコーティングが形状適合性であり、そしてメンブレンの有意な面積をブロッキングしていなかったことを示唆する。
図8に提供したTGA分析によるコーティングの質量は約10.75%であった。ここでも、最小の透過性又は比抵抗の変化と組み合わされたこの質量百分率は形状適合性コーティングであることを示す。
【0071】
例5:
メンブレンBをコポリマーでコーティングして親水性とした。
図5に示すように、延伸フルオロポリマーメンブレンB10のサンプルを70mm直径のフープ78中で支持し、真空チャンバー70内のコーティングステージ74に配置した。真空チャンバー70はPALL Corp. Port Washington, NYから入手可能な変性液体ろ過キャニスタモデルHFBE3J1A41からなった。約70mm直径の金属ディスクを延伸フルオロポリマーメンブレンの上に配置し、マスク76として作用させた。真空チャンバー70を閉止し、そして真空ポンプ82を開始し、そして真空バルブ80を開いた。シリンジ90に0.4mlの配合物88を装填した。18質量%の3−ペルフルオロヘキシル−2−ヒドロキシプロピルアクリレート湿潤化モノマー、80質量%のアクリル酸非湿潤化モノマー及び2質量%のエチレングリコールジアクリレート架橋剤を混合することによって配合物を製造した。さらに、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノンラジカル光開始剤をモノマー配合物に、総モノマー質量の約2質量%に相当する量で添加した。チャンバー内の圧力をセンサー84によりモニターした。チャンバーが1.0トルの真空圧力に到達したときに、0.5mlの配合物88をシリンジ90からポート92に注入し、そして供給バルブ86を開いた。配合物を注入した後に配合物供給バルブ86を閉止した。配合物88をエバポレータ50に通過させ、その後、配合物蒸気52を、加熱テープ98で加熱された部分を有する導管54を通過させた。その後、配合物蒸気はコーティングステージを通過し、延伸フルオロポリマーメンブレンへと通過した。延伸フルオロポリマーメンブレンの第一面は蒸発された配合物に面する側であった。マスクはサンプル上のおよそ中心にあり、矢印により示しているとおり、空気及び追加の配合物蒸気が通過してフープの周縁あたりの開口領域を出ていった。
【0072】
その後、真空ポンプの出力を止め、そして真空チャンバーを開放した。マスクを延伸フルオロポリマーメンブレンサンプルから取り外した。その後、
図6に描かれているとおり、サンプルを真空チャンバーから取り出し、Fusion Systems, Gaithersburg, MD から入手可能なP300、コンベアUV硬化システム100を通過させた。フープ78をUV光源と面する第一面を有するコンベア上に配置し、そして約4.6m/分の速度で走らせた。
【0073】
その後、サンプルを、第二面、すなわち、第一面の反対面が蒸発配合物に対面するようにコーティングステージ上に戻した。真空チャンバーを閉止し、本例に記載のとおりのコーティング及び硬化方法を第二面について繰り返した。
【0074】
このプロセスにより、非湿潤化モノマーをフルオロモノマーとともに架橋した、コーティングされた延伸フルオロポリマーメンブレンを生じた。本例により製造された延伸フルオロポリマーメンブレンを本明細書中に記載の試験方法により試験し、そして結果を表4に報告する。水流れ時間及び第二の水流れ時間はそれぞれ31.3秒及び29秒であった。サンプルは疎水性であった。
【0075】
例6:
メンブレンBは例5に記載されるとおりにコーティングされたが、第一面のみをコーティングし、そしてUV硬化システムを通した。追加のコーティングのために真空チャンバー中にサンプルを戻さなかった。サンプルを本明細書中に記載の試験方法により試験した。データを表4に報告する。水流れ時間及び第二の水流れ時間はそれぞれ18秒及び29秒であった。サンプルは本明細書中に記載される試験方法により親水性であった。本例により製造した、コーティングされたメンブレンの低い流れ時間及び親水性はコーティングがこの比較的に厚いサンプルをとおして有効に浸透したことを示す。
【0076】
その後、真空ポンプを、パワーオフし、そして真空チャンバーを開いた。マスクを延伸フルオロポリマーメンブレンから取り外した。その後、
図6に描かれているとおり、サンプルを真空チャンバーから取り出し、そしてFusion Systems, Gaithersburg, MDから入手可能なP300、コンベアUV硬化システム100を通過させた。第一面がUV光源に面するようにしてフープ78をコンベア上に置き、約4.6m/分の速度で通過した。
【0077】
その後、第二面、すなわち、第一面の反対面が蒸発配合物に対面するようにしてサンプルをコーティングステージ上に戻した。真空チャンバーを閉止し、そして本例に記載のとおりのコーティング及び硬化方法を第二面について繰り返した。
【0078】
このプロセスにより、非湿潤化モノマーをフルオロモノマーとともに架橋した、コーティングされた延伸フルオロポリマーメンブレンを生じた。本例により製造された延伸フルオロポリマーメンブレンを本明細書中に記載の試験方法により試験し、そして結果を表4に報告する。水流れ時間及び第二の水流れ時間はそれぞれ19秒及び24秒であった。サンプルは疎水性であった。
【0079】
例7:
メンブレンBを例5に記載の方法によりコーティングしたが、配合物を延伸フルオロポリマーメンブレンに順次に注入しそしてコーティングした。チャンバーが真空圧力1.0トルに到達したときに、3−ペルフルオロヘキシル−2−ヒドロキシプロピルアクリレート湿潤化モノマーを含む約0.1mlの第一の配合物をシリンジからポートに注入し、そして供給バルブを開放した。配合物を注入した後に配合物供給バルブを閉止した。約10秒後に、約0.4mlの第二の配合物を注入した。第二の配合物を、98質量%のアクリル酸非湿潤化モノマー及び2質量%のエチレングリコールジアクリレート架橋剤を混合することにより製造した。さらに、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノンラジカル光開始剤をモノマー配合物に、総モノマー質量の約2質量%に相当する量で添加した。第二の配合物をシリンジからポートに注入し、そして供給バルブを開いた。第二の配合物を注入した後に配合物供給バルブを閉止した。その後、第二面となるようにサンプルを逆さまにした。
【0080】
比較例1:
メンブレンBを例6に記載の方法によりコーティングしたが、フルオロモノマーを配合物に添加しなかった。シリンジ90に、98質量%のアクリル酸非湿潤化モノマー及び2質量%のエチレングリコールジアクリレート架橋剤を含む配合物88を装填した。本例により製造した、コーティングされた延伸フルオロポリマーメンブレンは、それぞれ第一の水流れ及び第二の水流れが165及び300秒で、水流れがほとんどなかった。
【0081】
本例はフルオロモノマーをコーティング組成物中に含まないときに、親水性コーティングは延伸フルオロポリマーメンブレン上にあまり有効に吸着しないことを示す。
【表4】
【表5】
【0082】
上述されそして下記の特許請求される教示に関することに加え、上述されそして下記の特許請求される特徴の様々な組み合わせを有するデバイス及び/又は方法は考えられる。それゆえ、本記載は下記の特許請求される独立の特徴の任意の可能な組み合わせを有する他のデバイス及び/又は方法にも関する。
【0083】
多くの特徴及び利点はデバイス及び/又は方法の構造及び機能の詳細と組み合わせた種々の変更を含めて先行の記載に示されてきた。本開示は例示のみを意図し、それゆえ、網羅し尽くしたとは意図しない。種々の変更が、添付の特許請求の範囲が表している用語の広い一般的な意味により示される完全な範囲に対して、本発明の原理の組み合わせを含めて、特に、物品の構造、材料、要素、成分、形状、サイズ及び部品の配置になされてよいことが当業者に明らかであろう。これらに種々の変更が添付の特許請求の範囲及びの精神及び範囲を逸脱しない程度まで、その変更は本発明中に包含されることが意図される。