(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6046791
(24)【登録日】2016年11月25日
(45)【発行日】2016年12月21日
(54)【発明の名称】ハンガー
(51)【国際特許分類】
D06F 57/00 20060101AFI20161212BHJP
【FI】
D06F57/00 370
【請求項の数】3
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2015-231717(P2015-231717)
(22)【出願日】2015年11月27日
【審査請求日】2015年12月4日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】509209753
【氏名又は名称】杉本 尚美
(72)【発明者】
【氏名】杉本 尚美
【審査官】
青木 良憲
(56)【参考文献】
【文献】
実開平07−037085(JP,U)
【文献】
実公昭50−006525(JP,Y1)
【文献】
特開2013−154150(JP,A)
【文献】
実開昭53−124134(JP,U)
【文献】
特開2001−314697(JP,A)
【文献】
特開2015−126849(JP,A)
【文献】
特開2001−232096(JP,A)
【文献】
実開平06−024690(JP,U)
【文献】
実開昭51−056226(JP,U)
【文献】
実公昭42−003324(JP,Y1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D06F 57/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
長方形状フレームの短辺の中央下方に前記長辺方向に沿って設けられた竿部を有し、前記竿部の上方に支持部を有し、 前記支持部の両端が前記フレームの短辺部中央部に固定され、前記フレームの竿部の一端 が前記短辺部の一方の辺の中央側に回動可能に取り付けられ、前記竿部を回動して折り畳 み可能とし、前記竿部の他端が前記短辺部の他方の辺の 中央側に着脱可能に係止され、前記フレームに保持用凹凸部を形成したことを特徴とする ハンガー。
【請求項2】
長方形状フレーム短辺の長さを前記フレームの長辺の長さの1/3以下としてなる請求項1 記載のハンガー。
【請求項3】
支持部に S 字状フックを有し、前記 S 字状フックの上のカーブと下のカーブの両カーブをポールへの装着部としてなる請求項1記載のハンガー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は衣類等を掛ける為のハンガーに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のハンガーは既に複数のピンチを等間隔で施したものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013−126434
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来技術のハンガーは等間隔で既成のピンチが取り付けられていて樹脂でできているために経年劣化でピンチが壊れても容易に新たにピンチを取り替えることもできないこと、ピンチを用いて衣類等を掛ける必要がある。両手で扱わないと衣類等を掛けることができない欠点がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は衣類等を様々な仕様で掛けて干すことや収納にも使用できるハンガーで、ハンガーにピンチを容易に取り替えることができ、片手で衣類等を掛けることができるハンガーを提供する。
本発明は長方形状のフレームの長辺方向の中央下方に竿部を有し、前記竿部の上方に支持部を有し、前記支持部の両端が前記フレームの短辺部中央部に固定され、前記フレームの竿部の一端が前記短辺部の一方の辺の中央部に固定され、前記竿部の他端が前記短辺部の他方の辺の中央部に係止され、前記フレームに保持用凹凸部を形成したことを特徴とするハンガーを提供する。そして、本発明の上記ハンガーにおいて、フレームの短辺の長さが、前記フレームの長辺の長さの1/3以下であるハンガーを提供する。また、本発明は支持部にS字状フックを有し、前記S字状フックの上のカーブと下のカーブの両カーブをポールに掛けることができるハンガーを提供する。
【発明の効果】
【0006】
本発明は、一定量の衣類等を小狭スペースに干したいときにも効率的に早く均等に乾かすことができ目隠しをしたい物を干すこともでき、凹凸部にピンチを取り付けることでピンチが壊れても取り替えができるので経済的にも優れ、両手で衣類等を掛けることができない時も片手で凹凸部に掛けることが可能である。収納時にはスカートに既に付いている紐を利用して複数枚掛けることができ、スカーフやネクタイやベルトなど伸ばして掛けることでたたみ皺を無くし何が掛っているか一目瞭然でコンパクトに効率良く収納が可能となる。また、移動時や収納時には折り畳んで使用できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図3】支持部より竿部端部を外した時の部分拡大図。
【
図8】ハンカチを凹凸部に直接掛けた時の使用例の拡大図。
【
図9】スカートのウエスト部にある紐を凹凸部に直接掛けた時の使用例の拡大図。
【
図10】フード付きトレーナーを干した時の使用状態図。
【
図11】本発明のハンガーを折り畳んだ時の状態図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の実施の形態を
図1から
図11に基づいて説明する。
【0009】
図1においては、1は本発明のハンガーをポールに掛ける時に使用するS字状フックで、上のカーブ1a又は下のカーブ1bをポールに引っ掛けてポールに吊り下げることができる。長方形フレーム2、衣類等を掛けたり紐付きピンチを掛ける時に使用する凹凸部3が12個形成されS字状フック1は支持部5の中心部に固定されている。支持部5の両端はフレーム2の両短辺の中心部と一体化されている。支持部5の下方にある竿部4は固定部4bで支持部5に固定され引掛部4aで支持部5に係止され、ここで解放可能となっている。なお、フック1、支持部5、フレーム2、竿部4はすべて金属又は樹脂で作成すればよいが望ましくは耐久性、加工性を考えると金属が良い。フック1と支持部5は例えばフック1の端部をリング状にして取り付けフック1を折り畳める構造とする。例えば支持部5の両端とフレーム2は、金型にて一体成型され、
図2,3に示すごとく、引掛け部4aをカギ状にして支持部5に引掛ける構造とする。竿部4の固定部4bは
図2,3に示すごとくリング状とし支持部5に回動可能に取り付けられている。
【0010】
図4においては、長方形フレーム2の両長辺にタオルを直接掛けピンチ6で固定し、竿部4の端部4aの係止部分を外し下着類9を通し長方形フレーム2の両長辺に掛けたタオル7,8で目隠しした使用状態である。
【0011】
図5においては、長方形フレーム2の凹凸部3に紐付きピンチ6aを掛け、そのピンチを利用してタオル12を他辺に掛けもう他辺に靴下10とハンカチ11を掛け長方形フレーム2の中央下方にある竿部4にタオル13を掛けた使用状態である。
【0012】
図6は、長方形フレーム2を加工して形成された凹凸部3(凹部3bと凸部3aを有している)の拡大図である。
図である。
【0013】
図7においては、長方形フレーム2の他辺両端にある凹凸部3にスカート14の紐を掛け、長方形フレーム2のもう他辺両端にある凹凸部3にスカート15を掛け、竿部4には、ネクタイ16、スカーフ17、パンティーストッキング18を掛け、長方形フレーム2の他辺にある凹凸部3にハンカチ19を掛けてクローゼットなどに収納した使用状態である。
【0014】
図8は、凹凸部3の凹部3bにハンカチ19を掛けた使用状態を示す。
【0015】
図9においては、長方形フレーム2にある凹凸部3にスカート15を掛けるに際してスカートひも15aを凹部3bと凸部3aに掛けた使用状態を示す。
【0016】
図10は、長方形フレーム2にある8個の凹凸部3にそれぞれ紐付きピンチ6を掛けてフード付きトレーナー20を下向きに筒状に干した使用例を示す。この図に示すようにS字状フック1の上カーブ1aまたは下カーブ1bのどちらかにポール30(破線で示す)を掛けることでポール30に対するフレーム2及び竿部4の高さを変えることができる。
【0017】
図11においては、支持部5の真下にある竿部4を回動させて支持部5と平行にし、さらにS字状フック1を回動して折り畳んだ時の状態図である。フレーム短辺h(例えば12〜18cm程度)はフレーム長辺の長さHの1/3以下とし、長辺Hを例えば45〜60cm程度にすることにより、小狭スペースに効率的に衣類等を掛けることができる。またさらにこのハンガーは、クローゼットへの収納にも使用でき、何が掛っているかも見やすい。
【0018】
本発明のハンガーは、長方形フレーム2にある凹凸部3に紐付きピンチを掛け、洗濯物のタートルネック、フード付きトレーナー等の裾を上にして逆さまにし胴まわりを筒状に干すことで布が重なり乾きにくかった部分や袖、襟、フード部分が下に広がることで衣類全体が均一に乾くことができ型崩れを少なく干すことができる。片手で凹凸部3にタオルの一端を引っ掛けて仮止めしておき、同じ手でピンチでタオルの一端を固定しておき、同タオルの他端を同片手で別の凹凸部に引っ掛けておき別のピンチで固定することができる。すなわち、以上の作業をすべて片手で行うことができる。長方形フレーム2の両サイドにタオルなどを掛け直接ピンチでタオルを固定し竿部4に下着等を掛けると目隠しして干すことができる。ハンガーのS字状フック1はポールに掛ける時フックの上下両カーブを用いて上下に位置を変えることができるので衣服と床の間の高さを変ええることができ、低い位置で干した時に上にあげることができる。また、凹凸部を利用し、紐の長さを調節し長さの異なる紐付きピンチで例えばタオルを掛け斜めに干すことで早く乾く。さらに長方形フレーム2の中央下方に竿部4があることは一段下がった状態であるために衣類等を掛けることが容易である。クローゼット内にハンガーを収納して使用するときには、ベルトやスカーフ、ネクタイ、スカート等を重ねてかけて収納することで折り皺や型崩れを無くし効率的に収納できる。
【符号の説明】
【0019】
1 S字状フック
1a 上のカーブ
1b 下のカーブ
2 長方形フレーム
3 凹凸部
3a 凸部
3b 凹部
4 竿部
4a 引っ掛け部
4b 固定部
5 支持部
6 ピンチ
6a 紐付きピンチ
7 タオル
8 タオル
9 下着
10 靴下
11 ハンカチ
12 タオル
13 タオル
14 スカート
15 スカート
15a スカート紐
16 ネクタイ
17 スカーフ
18 パンティーストッキング
19 ハンカチ
20 フード付きトレーナー
30 ポール
【要約】
【課題】一定量の衣類等を容易、多用、有効的に省スペースに掛けることを可能にし、片手で衣類等を掛けたり干したりが可能となる。
【解決手段】長方形状フレームの長辺方向の中央下方に竿部を有し、前記の竿部上方に支持部を有し、前記支持部の両端が前記フレームの短辺部中央部に固定され、前記フレームの竿部の一端が前記短辺部の一方の辺の中央部に固定され、前記竿部の他端が前記短辺部の他方の辺の中央部に着脱可能に係止され、前記フレームに保持用凹凸部を形成し、フレーム短辺h(例えば12〜18cm程度)はフレーム長辺の長さHの1/3以下、長辺H(例えば45〜60cm程度)にすることにより、小狭スペースに効率的に衣類等を掛けることができる。またさらにクローゼットへの収納にも使用でき何が掛っているか見やすいことを特徴としたハンガー。
【選択図】
図1