(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記申込受信処理手段は、前記顧客端末に保険料変更を可能とするアプリケーションを提供し、かつ前記顧客端末からの保険料変更操作に応答して前記生保システムと通信することにより、変更後の保険料の情報を前記顧客端末に提供する、請求項1に記載の銀行システム。
前記申込受信処理手段は、前記保険料の変更が行われたことを条件として、内容変更があったことを示すフラグに予め定められた値をセットすることにより前記データベースを更新する、請求項2に記載の銀行システム。
前記顧客端末からのアクセスに応答して前記銀行システムによる認証処理が行われた後、前記申込受信処理手段は、顧客IDに関連付けられる顧客識別情報に基づいて前記顧客マスタを検索し、前記顧客IDに対応する設計書番号が前記顧客マスタ内に存在する場合に、前記データベースに問い合わせを行って、閲覧可能な保険商品の設計書のデータを顧客端末に提供する、請求項1に記載の銀行システム。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。
図1は、本発明に係る銀行システム100を含むシステム全体の概要図である。
図1を参照すると、銀行システム100は、共同ゲートウェイ(GW)サーバ110を介して1または複数の生保システム120a、120b、120c(本明細書では説明の便宜上、これらを一括して「生保システム120」と呼ぶこととする)にネットワークを経由して接続されることが可能である。銀行システム100と、生保システム120との間のネットワークとして、専用線を例にして説明するが、本発明で利用可能なネットワークは専用線に限定されることはなく、同様の機能を果たす他の種類のネットワークを利用することも可能である。
【0016】
銀行システム100は、周知の勘定系システムの他、インターネット(登録商標)を通じて残高照会や振込、振替などの銀行のサービスを提供するインターネットバンキング(IB)システム130を備えることができる。銀行システム100およびIBシステム130は、生保システム120と通信することにより、生保システム120によって提供される、保険窓販支援のためのアプリケーションを利用することができる。すなわち、銀行の営業担当者などは、保険窓販支援のためのアプリケーションを通じて、任意の生命保険会社の保険商品の情報にアクセスし、設計書を作成するためのデータを入力することによって設計書を作成することができる。
【0017】
銀行システム100は、顧客端末140a、140b、140c(本明細書では説明の便宜上、これらを一括して「顧客端末140」と呼ぶこととする)とインターネットなどを通じて接続可能であり、例えば、顧客端末140は、IBシステム130が提供する1または複数の銀行のサービスを利用することができる。顧客は、顧客端末140を操作してIBシステム130にアクセスし、さらに生保システム120とも通信することにより、当該顧客のために作成された設計書のデータを参照することができる。設計書のデータは、生保システム120内に記憶され、顧客端末140からのアクセスに応じて銀行システム100(IBシステム130)を通じて顧客端末140に提供されることが可能であるが、本発明の一実施形態では、生保システム120が設計書のデータを銀行システム100に所定の周期で送信しておき、銀行システム100が受信した設計書のデータを銀行システム100内(例えば、設計書DB207内)に格納しておき、顧客端末140からのアクセスに応じて顧客端末140に設計書のデータを提供してもよい。
【0018】
共同GWサーバ110は、銀行システム100と、1または複数の生保システム120とを仲介する機能を果たすことができるコンピュータである。共同GWサーバ110は、銀行システム100を運営する銀行によって管理/運営されてもよく、あるいは任意の第三者によって管理/運営されてもよいASP(Application Service Provider)サーバとすることが可能である。
【0019】
生保システム120のそれぞれは、生保システム120のそれぞれを管理/運営する生命保険会社などによって提供される保険商品のデータを銀行システム100に対して提供し、顧客の所望の保険商品に対する設計書を作成するためのアプリケーション機能を提供し、顧客のために作成された1または複数の設計書のデータを格納することができる。保険商品のデータは、各生保システム120内の保険商品のデータベースに格納されることが可能であり、1または複数の設計書のデータは、各生保システム120内の契約データベースに格納されることが可能である。設計書を作成するための元データは銀行システム100および/またはIBシステム130内に格納されることも可能である。保険加入時に作成される設計書は、保険への加入を検討している顧客に対し、保険や保障の内容を詳しく説明するために提示する書類であり、保険の契約内容(主契約、特約などを含む)、保険料払込方法、契約者・被保険者などの情報以外にも、契約申込書、取扱報告書(補足資料含む)、受取人指定書なども含む、従来から存在する書類である。このため、本明細書では、設計書に記載される各項目についての詳細な説明は省略することとする。設計書のデータは、生保システム120のそれぞれにおいて格納されてもよいし、あるいは銀行システム100内に格納されてもよい。さらに、生保システム120のそれぞれと銀行システム100の両方に格納されるように構成されてもよく、かかる場合には、両方のデータは適時に同期されるように構成されうる。
【0020】
顧客端末140は、インターネットなどのネットワークを介して銀行システム100、特に、IBシステム130と通信可能なように接続されることが可能である。顧客端末140は、保険の申込を検討している顧客の端末であり、例えば、有線環境および/または無線環境において動作可能なパーソナルコンピュータ(PC)、タブレット型端末、ラップトップ、携帯情報端末、ユーザ機器(UE)、スマートフォンなどの任意のタイプのデバイスとすることができる。本明細書では、顧客端末140と、銀行システム100/IBシステム130との間のネットワークとしてインターネットを例にして説明するが、同様の機能を果たす他の種類のネットワークを利用することも可能である。
【0021】
図1に示されるようなシステムでは、保険への加入を検討している顧客は、銀行窓口にて提案を受けた、自らのニーズ(顧客自身が気付いていなかったものも含む)に合った1または複数の保険商品に対する、仮登録された1または複数の設計書のデータを顧客端末140を介して参照しながら保険の申込を行うことができる。さらに、顧客は、設計書のデータのうちの一部、例えば、保険料の支払方法について修正を試みるシミュレーションを顧客端末140を介して行うことができる。本発明の一実施形態では、銀行および生命保険会社で用意したいくつかのパターンを選択することによって当該シミュレーションが行われてもよいし、あるいは、顧客が任意の数値を変更することによってシミュレーションが行われてもよい。そのため、銀行の窓口に何度も行く必要がなくなり、かつインターネットなどを利用して自分で調べるよりも自らのニーズにより即した保険商品の申込が可能となる。なお、仮登録された1または複数の設計書のデータに対して有効期限(例えば、作成から1ヶ月)を設定することが可能であり、銀行システム100および/または生保システム120は、有効期限が経過したデータを無効にして顧客が参照できないようにすることができる。
【0022】
図2は、本発明に係る銀行システム100のシステム構成図である。
図2に示すように、銀行システム100は、一般的なコンピュータと同様に、バス210などによって相互に接続された制御部201、主記憶部202、補助記憶部203、インターフェース(IF)部204および出力部205を備えることができる。銀行システム100はまた、ファイル/データベースとして、顧客マスタ206および設計書DB207を備えることができる。
【0023】
制御部201は、中央処理装置(CPU)とも呼ばれ、銀行システム100内の各構成要素の制御やデータの演算を行い、また、補助記憶部203に格納されている各種プログラムを主記憶部202に読み出して実行することができる。主記憶部202は、メインメモリとも呼ばれ、受信した各種データ、コンピュータ実行可能な命令および当該命令による演算処理後のデータなどを記憶することができる。補助記憶部203は、ハードディスク(HDD)などに代表される記憶装置であり、データやプログラムを長期的に保存する際に使用される。
【0024】
図2の実施形態では、制御部201、主記憶部202および補助記憶部203を同一のサーバコンピュータ内に設ける実施形態について説明したが、他の実施形態として、銀行システム100は、制御部201、主記憶部202および補助記憶部203を複数個使用することにより、複数のサーバコンピュータによる並列分散処理を実現するように構成されることもできる。また、他の実施形態として、銀行システム100用の複数のサーバを設置し、複数サーバが一つの補助記憶部203を共有する実施形態にすることも可能である。
【0025】
IF部204は、他のシステムや装置との間でデータを送受信する際のインターフェースの役割を果たし、また、システムオペレータから各種コマンドや入力データ(各種マスタ、テーブルなど)を受け付けるインターフェースを提供することができる。出力部205は、処理されたデータを表示する表示画面や当該データを印刷するための印刷手段などを提供することができる。
【0026】
顧客マスタ206は、銀行顧客の基礎情報を格納する顧客マスタファイルであり、CIFとも言われるマスタファイルである。顧客が銀行との取引を新規に行う場合には、顧客マスタ206に顧客情報が登録されることになる。なお、保険への加入に際して、窓口を訪れた顧客は銀行との取引があるものの、被保険者は銀行との取引がない場合もある(例えば、夫婦のうち妻が銀行との取引があるが、夫である被保険者には銀行との取引がない場合)が、その場合には、顧客マスタ206に銀行との取引がなかった被保険者などのデータが登録されることになる。
【0027】
図3は、顧客マスタ206のデータ構造の一例を説明する図である。
図3に示すように、顧客マスタ206は、店番号301、取引先番号302、銀行口座情報303、属性情報304、および設計書番号/証券番号305を含むことができるが、これらのデータ項目に限定されることはなく他の任意のデータ項目も含むことが可能である。例えば、顧客マスタ206は、届出印鑑の印影、所有するクレジットカードの種類、暗証番号などの情報を含むように構成されてもよく、顧客が同一銀行内の複数の営業店に口座を保有する場合に、それらの口座を結びつける共通番号(例えば、「名寄せ」処理などの際に利用可能な個人識別番号)を含むように構成されてもよい。このような共通番号は、顧客を識別するための番号として使用されることが可能なため、他の金融機関の顧客マスタにも格納されることが可能である。かかる場合には、当該共通番号に基づいて、複数の金融機関が保有する顧客の情報を関連付けることも可能となる。また、顧客マスタ206は、顧客の口座情報の共通データ項目として、複数のアプリケーションで利用されることができる。
【0028】
店番号301は、銀行顧客を管理するそれぞれの営業店を識別する番号であり、取引先番号302は、当該営業店における顧客を識別する番号である。店番号301および取引先番号302を合わせてCIF番号(取引先番号)と呼ぶこともできる。すなわち、
図3の実施形態では、店番号301および取引先番号302を異なるデータ項目として示したが、両者を合わせて1つのデータ項目として構成することもできる。また、他の実施形態として、取引先番号302のみを銀行内で利用可能な顧客識別番号として利用することも可能であり、かかる場合には、ある取引先番号302は、複数の営業店に存在することはなく、その銀行内で唯一無二の番号として使用される。
【0029】
銀行口座情報303は、顧客の銀行口座の情報であり、店番号、科目、口座番号、口座名義などの情報を含むことができる。属性情報304は、顧客の氏名、カナ氏名、住所、連絡先などの情報を含むことができる。
【0030】
設計書番号/証券番号305は、顧客が加入を検討している1または複数の保険商品に関連付けられた設計書のデータの識別番号、および顧客が正式に保険に加入した際に発行される保険証券に付された証券番号を示す。設計書番号/証券番号305は、設計書DB207に格納されている設計書を作成するための元データを識別する番号として機能することもできる。なお、設計書は書面の形式で作成されるものであるため、設計書を作成するための元データとは、設計書に含まれる各種データのことを指す。
【0031】
設計書番号/証券番号305は、有効フラグを有することが可能である。有効フラグに予め定められた値(例えば、有効を示す「1」)がセットされている場合には、設計書番号/証券番号305によって識別される保険商品の設計書番号/証券番号が「既に加入済みの保険商品」の設計書番号/証券番号であることを示す。本発明において、銀行の窓口で相談した結果1または複数の設計書が作成されると、当該設計書に対応する設計書番号が当該顧客の顧客マスタ206の設計書番号/証券番号305に設定されることになる。有効フラグの初期値はNullであってよい。その後、顧客がIBシステム130を通じて正式に申し込んだ後、所定のデータ処理後に発行された証券番号が当該顧客の顧客マスタ206の設計書番号/証券番号305に設定されることになる。証券番号が設定された後、有効フラグに予め定められた値(例えば、有効を示す「1」)がセットされてよい。なお、顧客が提案された保険商品の内容を検討した結果、加入しないと判断した場合には、所定の期限が到来するなど、予め定められた条件が満たされた場合に無効を示す値(例えば、「0」)が設計書番号/証券番号305の有効フラグにセットされることになる。
【0032】
図2に戻って説明すると、設計書DB207は、顧客が加入を検討している、または既に加入済みの、1または複数の保険商品の設計書を作成するための元データを格納するデータベースである。本発明の一実施形態では、設計書DB207は、生保システム120から受信した設計書のデータを格納するようにさらに構成されることも可能である。本発明の一実施形態では、設計書DB207は、銀行システム100内に存在しているが、それぞれの生保システム120内に当該生命保険会社などが提供する保険商品に対する設計書のデータ(最終生成物たる設計書だけでなく、その元データも含む)を格納する設計書DBが存在してもよい。
【0033】
図4は、設計書DB207のデータ構造の一例を説明する図である。保険加入時に作成される設計書は、保険への加入を検討している顧客に対し、保険や保障の内容を詳しく説明するために提示する書類であり、保険の契約内容(主契約、特約などを含む)、保険料払込方法、契約者・被保険者などの情報以外にも、契約申込書、取扱報告書(補足資料含む)、受取人指定書なども含む、従来から存在する書類である。このため、本明細書では、設計書に記載される各項目についての詳細な説明は省略することとする。
【0034】
図4に示したように、設計書DB207は、データ項目として、保険会社コード401、設計書番号/証券番号402、受付管理ID403、保険商品名404、契約者生年月日405、契約者名406、保険内容407、保険料明細408および提案内容409を含むことができる。なお、本発明に係る設計書DB207は、これら以外の任意のデータ項目を含むことも可能であり、他の実施形態では、これらのデータ項目をさらに細分化したデータ構造を採用してもよい。
【0035】
保険会社コード401は、保険会社の識別番号を示し、設計書番号/証券番号402は、顧客に対して提示された設計書を識別するための番号、および保険証券に付された証券番号を識別するための番号である。銀行システム100が設計書を作成するために生保システム120によって提供されたアプリケーションを利用する場合、設計書を作成するための元データが銀行システム100から生保システム120に提供されて生保システム120によって設計書が作成されることになるが、設計書番号は、生保システム120によって採番される。受付管理ID403は、設計書を作成するための元データを識別する識別子であり、銀行システム100内で採番される識別番号である。受付管理ID403は、銀行システム100から生保システム120に送信されて、両システム内のデータを関連付けるために使用されることが可能である。
【0036】
保険商品名404は、顧客に提示される保険の名称(保険を識別するコードを含む)を示す。契約者生年月日405および契約者名406は、それぞれ、契約者の生年月日および氏名(カナ氏名含む)を示し、これらのデータ項目は、設計書がどの顧客に関連付けられるかを識別するためにも使用されうる。
【0037】
保険内容407は、保険の契約内容を示し、例えば、契約者、被保険者、保険金額、保険料、払込期間満了年齢、保険契約タイプ、払込回数、払込経路、手数料、保険の仕組みを説明するための仕組図(イメージ)などの情報を含むことができる。保険料明細408は、月々の払込保険料の明細を示しうる。提案内容409は、顧客に対して提案する保険料の払込パターン、例えば、具体的な保険料、払込期間満了年齢、払込回数、払込経路などの情報を含むことができる。提案内容409に含まれる情報は、生保システム120内で生成され、それらの情報が設計書DB207に格納されることが可能である。
【0038】
図2を参照しながら、銀行システム100内のシステム構成について説明したが、IBシステム130も、構成要素201〜205に対応する構成要素を有することができる。また、IBシステム130は、銀行システム100内の顧客マスタ206および設計書DB207にアクセスしてもよく、あるいは、IBシステム130内に顧客マスタ206および設計書DB207に対応するデータベース/ファイルを有するように構成されてもよい。
【0039】
図5は、保険商品の銀行窓販の際に銀行システム100およびIBシステム130によって実行される処理フローの一例を説明するフロー図である。
【0040】
S501にて、銀行の店頭にて銀行の担当者と顧客との面談が行われ、顧客が保険の加入を検討することになった場合、銀行の担当者は、銀行内の任意の端末を利用して銀行システム100にアクセスし、保険の加入を検討している顧客から提供された、設計書を作成するための元データを入力する。元データの入力の際、銀行システム100は、生保システム120によって提供されたアプリケーション(すなわち、保険商品の銀行窓販を支援するためのアプリケーション)を利用することが可能である。銀行システム100は、元データの入力に応答して受付管理ID403を発行し、当該元データと受付管理ID403を関連付けて設計書DB207に格納することができる。顧客から提供された、設計書を作成するための元データには、例えば、氏名(カナ氏名を含む)、生年月日、性別、検討している保険契約内容、などが含まれる。この時点で、設計書DB207には、設計書番号/証券番号402以外のデータ項目が格納されることになる。
【0041】
S502にて、銀行システム100は、設計書DB207に格納されたデータを、保険会社コード401に関連付けられる生保システム120に送信することができる。生保システム120は、データを受信したことに応答して設計書番号を発行し、受信したデータをデータ処理して設計書のデータを作成することができる。設計書のデータは、生保システム120内のデータベース(DB)に契約データ(申込データ)として格納されることができる。上述したように、設計書のデータは、最終生成物たる設計書だけでなく、その元データも含むことができる。設計書番号は、設計書のデータを識別する番号として使用されうる。この処理により、生保システム120は、設計書番号と受付管理IDとを関連付けて記憶することができる。この後、生保システム120内で保険申込の可否について審査が行われ、申込可の場合には、S503にて受付管理IDおよび設計書番号などのデータを含むデータファイルが銀行システム100に対して送信されることになる。
【0042】
S503にて、銀行システム100は、受付管理ID、設計書番号、保険商品名(保険を識別するコードを含む)、契約者生年月日、契約者名(カナ氏名含む)、保険料などのデータを含むデータファイルを生保システム120から受信することができる。
【0043】
S504にて、銀行システム100は、S503にて受信したデータファイルから受付管理IDを読み出して、設計書DB207に格納されている対応するデータを受付管理IDをキーにして検索し、該当するデータの設計書番号/証券番号402に受信したデータファイルに含まれている設計書番号をセットして格納することができる。また、銀行システム100は、S503にて受信したデータファイルに含まれる、契約者生年月日および契約者名(カナ氏名含む)に基づいて顧客マスタ206を検索し、該当する顧客データの設計書番号/証券番号305に、S503にて受信したデータファイルに含まれる設計書番号をセットして格納することができる。この更新処理により、顧客が加入を検討している保険商品が顧客マスタ上で特定されることになる。顧客が加入を検討している保険商品を特定可能なデータ(すなわち、設計書番号)が顧客マスタ206に格納された後、IBシステム130が提供するアプリケーション内で検討対象の保険商品が閲覧可能な状態になる。
【0044】
S505にて、IBシステム130は、顧客端末140からのアクセスに応答して、顧客が検討している保険商品の設計書のデータを閲覧可能なアプリケーションを顧客端末140に提供することができる。当該アプリケーションは、生保システム120によって提供されることが可能であり、設計書のデータは、生保システム120内に格納されているデータが当該アプリケーションを通じて顧客端末140に提供される。より詳細に言えば、IBシステム130は、顧客端末140からのアクセスに応答して認証処理を行い、顧客IDに関連付けられる店番号および取引先番号(いわゆる、CIF番号)に基づいて顧客マスタ206を検索し、顧客IDに対応する設計書番号が存在する場合に、さらに設計書DB207に問い合わせ(クエリ)を行って、設計書番号に対応する保険会社コード401を識別した後、対応する生保システム120と通信を行うことにより、閲覧可能な保険商品の設計書のデータを顧客端末140に提供することができる。なお、本発明の一実施形態では、顧客IDに対応する設計書番号が存在する場合に、さらに設計書DB207に問い合わせ(クエリ)を行った上で、生保システム120と通信することなく、銀行システム100内に格納されている設計書のデータを顧客端末140に提供するようにしてもよい。顧客が検討している保険商品は、複数存在していてもよい。「複数」とは、例えば、第1の保険会社の保険商品が2件の場合もあるし、あるいは、第1の保険会社の保険商品が1件、第2の保険会社の保険商品が1件の場合もある。顧客は、顧客端末140を介して1または複数の保険商品の内容(設計書のデータ)を確認し、加入するか否かを判断し、加入すると判断した場合には申込ボタンなどを押下する。
【0045】
本発明の他の実施形態では、顧客は、IBシステム130によって提供されたアプリケーション内で保険料の変更を行うことも可能である。保険料の支払方法には複数の種類が用意されていることがある。例えば、支払方法には、加入の初期の段階での支払額が多くなり、その後少額の支払額となる「L字型」、毎月の支払額が一定となる「平準型」などがあり、また、保険料を一括で支払う「一時払」、毎月支払う「月払」、所定の期間毎に支払う「四半期払」「半年払」「年払」などがある。これらの支払方法は、周知のものであり、本明細書で示したもの以外であってもよい。顧客が保険料の変更を行う場合、IBシステム130は、変更後の支払方法について生保システム120と通信を行い、変更後データを生保システム120から受信することができる。変更後データは、顧客端末140からの変更指示に応じて、生保システム120内のデータベースをアップデートする際に利用されてよい。また、IBシステム130は、変更後データに基づいて設計書DB207の該当するデータを更新することもできる。このため、本発明の他の実施形態では、顧客は、加入を検討している保険商品について、支払方法を所望のやり方に変更した上で申込ボタンなどを押下することができる。なお、保険料の支払方法が変更された場合、内容変更が行われたことを示す「内容変更フラグ」に所定の値をセットして格納するようにしてもよい。内容変更フラグは、保険内容407の中に存在していてもよく、生保システム120内のデータベース内に存在していてもよい。
【0046】
IBシステム130は、顧客からの申込がなされたこと(例えば、申込ボタンを押下した信号を受信)に応答して、顧客マスタ206内の、当該保険商品に対応する設計書番号/証券番号305の有効フラグに予め定められた値(例えば、有効を示す「1」)をセットすることができる。有効フラグに予め定められた値がセットされた設計書番号/証券番号305に関連付けられる、設計書DB207に格納されているデータは、「既に加入済みの保険商品」として扱われることが可能である。あるいは、S507にて受信する証券番号が設計書番号/証券番号305にセットされた際に、有効フラグに予め定められた値がセットされてもよい。
【0047】
なお、加入しないと判断し、かつ所定の期間(例えば、1ヶ月間)が経過した場合には、当該保険商品に関連する設計書のデータが無効となるよう、例えば、顧客マスタ206内の、当該保険商品に対応する設計書番号/証券番号305の有効フラグに予め定められた値(例えば、無効を示す「0」)がセットされる。無効となった場合には、対応する保険商品の設計書のデータは、銀行システム100およびIBシステム130によって使用される各種アプリケーションにおいて非公開扱い、あるいは無効扱い(例えば、画面上に表示はされるものの編集不可となる、など)となることが可能である。
【0048】
S506にて、IBシステム130は、顧客が加入を申し込んだ保険商品の受付管理IDを生保システム120に送信することができる。本発明の他の実施形態では、変更した保険料の支払方法に関するデータも合わせて送信されるように構成されてもよい。生保システム120は、受信した受付管理IDに関連付けられる契約データ(申込データ)を正規の契約データ(申込データ)として扱うために所定のデータ処理を行うことができる。このデータ処理において、当該保険商品の証券番号が発行される。
【0049】
S507にて、IBシステム130は、生保システム120から受付管理IDおよび証券番号を受信し、受信した受付管理IDに関連付けられる設計書DB207内の設計書番号/証券番号402に、受信した証券番号をセットし、その後、更新された設計書番号/証券番号402に含まれる設計書番号に基づいて顧客マスタ206内の設計書番号/証券番号305を検索し、検索した顧客マスタの設計書番号/証券番号305に、受信した証券番号をセットすることができる。
【0050】
図6は、本発明に係る銀行システム100の機能ブロック図である。これらの機能の1または複数は、銀行システム100内のIBシステム130が有していてもよい。銀行システム100は、データ処理部601、設計書番号取得部602、マッチング処理部603、申込受信処理部604、申込データ送信部605、および証券番号受信処理部606を備えることができる。銀行システム100はまた、顧客マスタ206および設計書DB207を備えることもできる。
【0051】
データ処理部601は、銀行の担当者によって入力されたデータに基づいて設計書を作成するための元データを設計書DB207に格納することができる。設計書を作成するための元データは、生保システム120によって提供される、保険商品の銀行窓販を支援するためのアプリケーションを介して格納されることが可能である。元データの格納処理は、銀行の担当者の所定の操作に応答して実行されうる。銀行の担当者によって入力されたデータは、銀行の店頭にて銀行の担当者と顧客との面談が行われ、顧客が保険の加入を検討することになった場合に、保険の加入を検討している顧客から提供されたデータに基づく。顧客から提供されたデータには、例えば、氏名(カナ氏名を含む)、生年月日、性別、検討している保険契約内容、などが含まれる。この時点で、設計書DB207には、設計書番号/証券番号402以外のデータ項目が格納されることになる。
【0052】
データ処理部601は、設計書DB207に格納されているデータを、当該データに含まれる保険会社コード401に関連付けられる生保システム120に対して送信することができる。生保システム120は、データを受信したことに応答して設計書番号を発行し、受信したデータをデータ処理して設計書のデータを作成することができる。設計書のデータは、生保システム120内のデータベース(DB)に契約データ(申込データ)として格納されることができる。上述したように、設計書のデータは、最終生成物たる設計書だけでなく、その元データも含むことができる。この処理により、生保システム120は、設計書番号と受付管理IDとを関連付けて記憶することができる。この後、生保システム120内で保険申込の可否について審査が行われ、申込可の場合には、受付管理IDおよび設計書番号などのデータを含むデータファイルが銀行システム100に対して送信されることになる。
【0053】
設計書番号取得部602は、受付管理ID、設計書番号、保険商品名(保険を識別するコードを含む)、契約者生年月日、契約者名(カナ氏名含む)、保険料などのデータを含むデータファイルを生保システム120から受信することができる。
【0054】
マッチング処理部603は、設計書番号取得部602によって受信されたデータファイルから受付管理IDを読み出して、設計書DB207に格納されている対応するデータを受付管理IDをキーにして検索し、該当するデータの設計書番号/証券番号402に受信したデータファイルに含まれている設計書番号をセットして格納することができる。
【0055】
マッチング処理部603は、設計書番号取得部602によって受信されたデータファイルに含まれる、契約者生年月日および契約者名(カナ氏名含む)に基づいて顧客マスタ206を検索し、該当する顧客データの設計書番号/証券番号305に、設計書番号取得部602によって受信されたデータファイルに含まれる設計書番号をセットして格納することができる。この更新処理により、顧客が加入を検討している保険商品が顧客マスタ上で特定されることになる。顧客が加入を検討している保険商品を特定可能なデータ(すなわち、設計書番号)が顧客マスタ206に格納された後、IBシステム130が提供するアプリケーション内で検討対象の保険商品が閲覧可能な状態になる。
【0056】
申込受信処理部604は、顧客端末140からのアクセスに応答して、顧客が検討している保険商品の設計書のデータを閲覧可能なアプリケーションを顧客端末140に提供することができる。当該アプリケーションは、生保システム120によって提供されることが可能であり、設計書のデータは、生保システム120内に格納されているデータが当該アプリケーションを通じて顧客端末140に提供される。より詳細に言えば、IBシステム130が顧客端末140からのアクセスに応答して認証処理を行った後、申込受信処理部604は、顧客IDに関連付けられる店番号および取引先番号(いわゆる、CIF番号)に基づいて顧客マスタ206を検索し、顧客IDに対応する設計書番号が存在する場合に、さらに設計書DB207に問い合わせ(クエリ)を行って、設計書番号に対応する保険会社コード401を識別した後、対応する生保システム120と通信を行うことにより、閲覧可能な保険商品の設計書のデータを顧客端末140に提供することができる。なお、本発明の一実施形態では、顧客IDに対応する設計書番号が存在する場合に、さらに設計書DB207に問い合わせ(クエリ)を行った上で、生保システム120と通信することなく、銀行システム100内に格納されている設計書のデータを顧客端末140に提供するようにしてもよい。顧客が検討している保険商品は、複数存在していてもよい。「複数」とは、例えば、第1の保険会社の保険商品が2件の場合もあるし、あるいは、第1の保険会社の保険商品が1件、第2の保険会社の保険商品が1件の場合もある。顧客は、顧客端末140を介して1または複数の保険商品の内容(設計書のデータ)を確認し、加入するか否かを判断し、加入すると判断した場合には申込ボタンなどを押下する。
【0057】
本発明の他の実施形態では、顧客は、申込受信処理部604によって提供されたアプリケーション内で保険料の変更を行うことも可能である。保険料の支払方法には複数の種類が用意されていることがある。例えば、支払方法には、加入の初期の段階での支払額が多くなり、その後少額の支払額となる「L字型」、毎月の支払額が一定となる「平準型」などがあり、また、保険料を一括で支払う「一時払」、毎月支払う「月払」、所定の期間毎に支払う「四半期払」「半年払」「年払」などがある。これらの支払方法は、周知のものであり、本明細書で示したもの以外であってもよい。顧客が保険料の変更を行う場合、申込受信処理部604は、変更後の支払方法について生保システム120と通信を行い、変更後データを生保システム120から受信することができる。変更後データは、顧客端末140からの変更指示に応じて、生保システム120内のデータベースをアップデートする際に利用されてよい。また、申込受信処理部604は、変更後データに基づいて設計書DB207の該当するデータを更新することもできる。このため、本発明の他の実施形態では、顧客は、加入を検討している保険商品について、支払方法を所望のやり方に変更した上で申込ボタンなどを押下することができる。なお、保険料の支払方法が変更された場合、内容変更が行われたことを示す「内容変更フラグ」に所定の値をセットして格納するようにしてもよい。内容変更フラグは、保険内容407の中に存在していてもよく、生保システム120内のデータベース内に存在していてもよい。
【0058】
申込受信処理部604は、顧客からの申込がなされたこと(例えば、申込ボタンを押下した信号を受信)に応答して、顧客マスタ206内の、当該保険商品に対応する設計書番号/証券番号305の有効フラグに予め定められた値(例えば、有効を示す「1」)をセットすることができる。有効フラグに予め定められた値がセットされた設計書番号/証券番号305に関連付けられる、設計書DB207に格納されているデータは、「既に加入済みの保険商品」として扱われることが可能である。あるいは、後述するように、受信された証券番号が設計書番号/証券番号305にセットされた際に、有効フラグに予め定められた値がセットされてもよい。
【0059】
なお、加入しないと判断し、かつ所定の期間(例えば、1ヶ月間)が経過した場合には、当該保険商品に関連する設計書のデータが無効となるよう、例えば、顧客マスタ206内の、当該保険商品に対応する設計書番号/証券番号305の有効フラグに予め定められた値(例えば、無効を示す「0」)がセットされる。無効となった場合には、対応する保険商品の設計書のデータは、銀行システム100およびIBシステム130によって使用される各種アプリケーションにおいて非公開扱い、あるいは無効扱い(例えば、画面上に表示はされるものの編集不可となる、など)となることが可能である。
【0060】
申込データ送信部605は、顧客が加入を申し込んだ保険商品の受付管理IDを生保システム120に送信することができる。本発明の他の実施形態では、変更した保険料の支払方法に関するデータも合わせて送信されるように構成されてもよい。生保システム120は、受信した受付管理IDに関連付けられる契約データ(申込データ)を正規の契約データ(申込データ)として扱うために所定のデータ処理を行うことができる。このデータ処理において、当該保険商品の証券番号が発行される。
【0061】
証券番号受信処理部606は、生保システム120から受付管理IDおよび証券番号を受信し、受信した受付管理IDに関連付けられる設計書DB207内の設計書番号/証券番号402に、受信した証券番号をセットし、その後、更新された設計書番号/証券番号402に含まれる設計書番号に基づいて顧客マスタ206内の設計書番号/証券番号305を検索し、検索した顧客マスタの設計書番号/証券番号305に、受信した証券番号をセットすることができる。
【0062】
本発明の他の実施形態では、設計書DB207内に「自宅申込フラグ」を設けて、オムニチャネルにより加入された保険商品の設計書であることを明示するようにしてもよい。
【0063】
本発明の他の実施形態では、設計書DB207に相当するデータベースが各生保システム120内に存在するように構成されてもよい。かかる場合、顧客端末140がIBシステム130にアクセスした際に利用可能になるアプリケーション、および銀行の担当者が任意の端末により銀行システム100にアクセスした際に利用可能になるアプリケーションは、生保システム120によって提供されるアプリケーションとなり、当該アプリケーション内でデータの入力・更新を行う場合には、各生保システム120内の設計書DBにデータが格納されることになる。
【0064】
以上、例示的な実施形態を参照しながら本発明の原理を説明したが、本発明の要旨を逸脱することなく、構成および細部において訂正する様々な実施形態を実現可能であることを当業者は理解するだろう。すなわち、本発明は、例えば、システム、装置、方法、プログラムもしくは記憶媒体等としての実施態様を採用することが可能である。
【解決手段】銀行システム100は、顧客マスタ206と、保険商品の設計書元データを格納するDB207と、設計書元データを識別する識別子および契約者識別情報を含む設計書元データを生保システムに送信し、生保システムによって生成された、設計書元データに基づく設計書データを識別する設計書番号を含む第1のデータを受信し、生保システムによって銀行システムに提供される。銀行システムはさらに、顧客マスタの対応する顧客データに、第1のデータに含まれる設計書番号をセットし、関連する設計書データを顧客端末から閲覧可能し、設計書データに対する申込を顧客端末から受信し、申込のあった設計書データに関連する識別子を生保システムに送信し、生保システムから受信した識別子および証券番号に基づいて、顧客マスタおよびDBを更新する。