(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6046806
(24)【登録日】2016年11月25日
(45)【発行日】2016年12月21日
(54)【発明の名称】モバイル機器のアンテナとモデムとの間のデータ交換
(51)【国際特許分類】
H04B 1/3827 20150101AFI20161212BHJP
H04M 1/00 20060101ALI20161212BHJP
【FI】
H04B1/3827
H04M1/00 R
【請求項の数】21
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2015-511641(P2015-511641)
(86)(22)【出願日】2013年5月8日
(65)【公表番号】特表2015-517761(P2015-517761A)
(43)【公表日】2015年6月22日
(86)【国際出願番号】US2013040025
(87)【国際公開番号】WO2013169831
(87)【国際公開日】20131114
【審査請求日】2015年11月18日
(31)【優先権主張番号】13/467,415
(32)【優先日】2012年5月9日
(33)【優先権主張国】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】508178054
【氏名又は名称】フェイスブック,インク.
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】トクスビグ、マイケル ジョン マッケンジー
(72)【発明者】
【氏名】ウォン、ユン キーン
(72)【発明者】
【氏名】ニコル、クレイグ マイケル
(72)【発明者】
【氏名】フローレス、エグリア ナイル
【審査官】
原田 聖子
(56)【参考文献】
【文献】
特開2006−217200(JP,A)
【文献】
特開平07−297623(JP,A)
【文献】
国際公開第2011/129983(WO,A1)
【文献】
特開2004−140815(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 1/38−1/58
H04M 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピューティングデバイスが、第1の無線プロトコルに対応する第1の共鳴周波数を有する第1アンテナを通じて信号を受信する工程であって、前記信号は、別のデバイスから前記コンピューティングデバイスへの無線通信に対応し、特定の周波数においてピーク振幅を有する、前記工程と、
前記コンピューティングデバイスが、受信された前記信号における干渉に対応する周波数レスポンスシフトを符号化しているデータにアクセスする工程であって、前記周波数レスポンスシフトは、前記第1アンテナに結合された前記コンピューティングデバイスのモデムによって、検知及び符号化される、前記工程と、
前記コンピューティングデバイスが、前記データに符号化された前記周波数レスポンスシフトに少なくとも部分的に基づいて、前記コンピューティングデバイスの周囲の状態又は動作状態を判定する工程と、
前記コンピューティングデバイスが、前記コンピューティングデバイスの前記状態の前記判定に応じて、前記周波数レスポンスシフトに少なくとも部分的に基づいて前記第1アンテナから第2の無線プロトコルに対応する第2の共鳴周波数を有する第2アンテナに役割を交換する工程であって、前記第2アンテナの共鳴周波数と前記特定の周波数との差は、前記第1アンテナの前記共鳴周波数と前記特定の周波数との差よりも小さい、前記工程と、を備える、方法。
【請求項2】
前記干渉の原因は、物体が前記コンピューティングデバイスに近接した状態になること又は物体が前記コンピューティングデバイスに接触した状態になることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記周囲の状態は、
前記コンピューティングデバイスが、ユーザと物理的に接触していることと、
前記コンピューティングデバイスが、ポケットの中に配置されていることと、
前記コンピューティングデバイスが、テーブルに配置されていることと、のうちの1つ以上を含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記コンピューティングデバイスが、前記周囲の状態又は前記動作状態に応じて、前記
コンピューティングデバイスの所定の機能を開始する工程をさらに備える、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記所定の機能は、前記コンピューティングデバイスとの物理的な接触に応じて、前記コンピューティングデバイスの動作を再開することを含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記無線通信は、実質的にグローバル・システム・フォー・モバイル・コミュニケーションズ(GSM(登録商標))の規格に従う、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記周囲の状態は、
前記コンピューティングデバイスが、職場にあることと、
前記コンピューティングデバイスが、住宅にあることと、
前記コンピューティングデバイスが、公共の場所にあることと、のうちの1つ以上を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
1つ以上の非一時的なコンピュータ可読記憶媒体であって、実行時に、
第1の無線プロトコルに対応する第1の共鳴周波数を有する第1アンテナを通じて信号を受信することであって、前記信号は、別のデバイスからコンピューティングデバイスへの無線通信に対応し、特定の周波数においてピーク振幅を有する、前記受信することと、
受信された前記信号における干渉に対応する周波数レスポンスシフトを符号化しているデータにアクセスすることであって、前記周波数レスポンスシフトは、前記第1アンテナに結合された前記コンピューティングデバイスのモデムによって、検知及び符号化される、前記アクセスすることと、
前記データに符号化された前記周波数レスポンスシフトに少なくとも部分的に基づいて、前記コンピューティングデバイスの周囲の状態又は動作状態を判定することと、
前記コンピューティングデバイスの前記状態の前記判定に応じて、前記周波数レスポンスシフトに少なくとも部分的に基づいて前記第1アンテナから第2の無線プロトコルに対応する第2の共鳴周波数を有する第2アンテナに役割を交換することであって、前記第2アンテナの共鳴周波数と前記特定の周波数との差は、前記第1アンテナの前記共鳴周波数と前記特定の周波数との差よりも小さい、前記役割を交換することと、を行うように構成されている論理を具現する、媒体。
【請求項9】
前記干渉の原因は、物体が前記コンピューティングデバイスに近接した状態になること又は物体が前記コンピューティングデバイスに接触した状態になることを含む、請求項8に記載の媒体。
【請求項10】
前記無線通信は、実質的にグローバル・システム・フォー・モバイル・コミュニケーションズ(GSM(登録商標))の規格に従う、請求項8に記載の媒体。
【請求項11】
前記論理は、前記周囲の状態又は前記動作状態に応じて、前記コンピューティングデバイスの所定の機能を開始するようにさらに構成されている、請求項8に記載の媒体。
【請求項12】
前記所定の機能は、前記コンピューティングデバイスとの物理的な接触に応じて、前記コンピューティングデバイスの動作を再開することを含む、請求項11に記載の媒体。
【請求項13】
前記周囲の状態は、
前記コンピューティングデバイスが、ユーザと物理的に接触していることと、
前記コンピューティングデバイスが、ポケットの中に配置されていることと、
前記コンピューティングデバイスが、テーブルに配置されていることと、のうちの1つ以上を含む、請求項11に記載の媒体。
【請求項14】
前記周囲の状態は、
前記コンピューティングデバイスが、職場にあることと、
前記コンピューティングデバイスが、住宅にあることと、
前記コンピューティングデバイスが、公共の場所にあることと、のうちの1つ以上を含む、請求項8に記載の媒体。
【請求項15】
コンピューティングデバイスであって、
1つ以上のアンテナと、
前記アンテナのうちの1つ以上に結合されている、1つ以上の非一時的なコンピュータ可読記憶媒体と、を備え、該コンピュータ可読記憶媒体は、実行時に、
前記1つ以上のアンテナのうちの第1の無線プロトコルに対応する第1の共鳴周波数を有する第1アンテナを通じて信号を受信することであって、前記信号は、別のデバイスからの無線通信に対応し、特定の周波数においてピーク振幅を有する、前記受信することと、
受信された前記信号における干渉に対応する周波数レスポンスシフトを符号化しているデータにアクセスすることであって、前記周波数レスポンスシフトは、前記第1アンテナに結合されたモデムによって、検知及び符号化される、前記アクセスすることと、
前記データに符号化された前記周波数レスポンスシフトに少なくとも部分的に基づいて、周囲の状態又は動作状態を判定することと、
前記状態の前記判定に応じて、前記周波数レスポンスシフトに少なくとも部分的に基づいて前記第1アンテナから前記1つ以上のアンテナのうちの第2の無線プロトコルに対応する第2の共鳴周波数を有する第2アンテナに役割を交換することであって、前記第2アンテナの共鳴周波数と前記特定の周波数との差は、前記第1アンテナの前記共鳴周波数と前記特定の周波数との差よりも小さい、前記役割を交換することと、を行うように構成されている論理を具現する、コンピューティングデバイス。
【請求項16】
前記干渉の原因は、物体が前記コンピューティングデバイスに近接した状態になること又は物体が前記コンピューティングデバイスに接触した状態になることを含む、請求項15に記載のコンピューティングデバイス。
【請求項17】
前記周囲の状態は、
前記コンピューティングデバイスが、ユーザと物理的に接触していることと、
前記コンピューティングデバイスが、ポケットの中に配置されていることと、
前記コンピューティングデバイスが、テーブルに配置されていることと、のうちの1つ以上を含む、請求項16に記載のコンピューティングデバイス。
【請求項18】
前記論理は、前記周囲の状態又は前記動作状態に応じて、前記コンピューティングデバイスの所定の機能を開始するようにさらに構成されている、請求項15に記載のコンピューティングデバイス。
【請求項19】
前記所定の機能は、前記コンピューティングデバイスとの物理的な接触に応じて、前記コンピューティングデバイスの動作を再開することを含む、請求項18に記載のコンピューティングデバイス。
【請求項20】
前記無線通信は、実質的にグローバル・システム・フォー・モバイル・コミュニケーションズ(GSM(登録商標))の規格に従う、請求項15に記載のコンピューティングデバイス。
【請求項21】
前記周囲の状態は、
前記コンピューティングデバイスが、職場にあることと、
前記コンピューティングデバイスが、住宅にあることと、
前記コンピューティングデバイスが、公共の場所にあることと、のうちの1つ以上を含む、請求項15に記載のコンピューティングデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、方法、1つ以上の非一時的なコンピュータ可読記憶媒体、及びモバイル機器に関する。
【背景技術】
【0002】
スマートフォン、タブレット機器、ラップトップコンピュータ等のモバイル電子機器は、表示画面を有するハンドヘルドのコンピューティングデバイスの場合がある。モバイル機器によって、タッチ(接触)入力や小型キーボードが提供され得る。モバイル機器は、例えば、ショートメッセージサービス(SMS)、マルチメディアメッセージングサービス(MMS)、電子メール、インターネットアクセス、近距離無線通信(赤外線、ブルートゥース(登録商標))、仕事用アプリケーション、ゲーム、又は写真撮影等の1つ以上のアプリケーションを実行するために汎用コンピューティング性能を有することがある。スマートフォンは、ある地理的エリア内を移動中に無線周波数(RF)の通信リンクを通じて提供される、汎用コンピューティング性能及び汎用電話通信性能を有する特定の種類のモバイル機器である。スマートフォンは、公衆電話網やモバイルインターネットアクセスへの接続のためにセルラネットワークに接続する。
【図面の簡単な説明】
【0003】
【
図2】例示的なモバイル機器の例示的な内部の構成要素を示す図。
【
図3】例示的なモバイル機器の例示的な通信構成要素を示す図。
【
図4A】例示的なモバイル機器の例示的な使用を示す図。
【
図4B】例示的なモバイル機器の例示的な信号を示す図。
【
図5】モバイル機器の周囲の状態又は動作状態を判定するための例示的な方法を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0004】
請求項1に記載されている本発明の第1態様によれば、モバイル機器のアンテナを通じて受信される信号におけるレスポンスシフトを符号化しているデータにアクセスする工程であって、信号は、別の機器から当該モバイル機器への無線通信に対応し、レスポンスシフトは、アンテナに結合されたモバイル機器のモデムによって、検知及び符号化される、工程と、データに符号化されたレスポンスシフトに少なくとも部分的に基づいて、モバイル機器の周囲の状態又は動作状態を判定する工程とを(少なくとも)有し又は備える、方法が提供される。
【0005】
請求項8に記載されている本発明のさらなる態様によれば、1つ以上の非一時的なコンピュータ可読記憶媒体であって、実行時に、モバイル機器のアンテナを通じて受信される信号におけるレスポンスシフトを符号化しているデータにアクセスし、信号は、別の機器から当該モバイル機器への無線通信に対応し、レスポンスシフトは、アンテナに結合されたモバイル機器のモデムによって、検知及び符号化されることと、データに符号化されたレスポンスシフトに少なくとも部分的に基づいて、モバイル機器の周囲の状態又は動作状態を判定することと、を行うように構成されている論理を具現する、媒体が提供される。
【0006】
請求項15に記載されている本発明のさらなる態様によれば、機器、好適にはモバイル機器であって、1つ以上のアンテナと、本発明による、好適には、請求項1乃至7のいずれか一項に記載の1つ以上の非一時的なコンピュータ可読記憶媒体とを備える、機器が提供される。
【0007】
さらに記載され得る本発明のさらなる別態様では、機器であって、1つ以上のアンテナと、1つ以上のアンテナに結合されている、1つ以上の非一時的なコンピュータ可読記憶媒体とを備え、その媒体は、実行時に、アンテナのうちの少なくとも1つを通じて受信される信号におけるレスポンスシフトを符号化しているデータにアクセスし、信号は、別の機器から当該機器への無線通信に対応し、レスポンスシフトは、アンテナのうちの少なくとも1つに結合された機器のモデムによって、検知及び符号化されることと、データに符号化されたレスポンスシフトに少なくとも部分的に基づいて、機器の周囲の状態又は動作状態を判定することと、を行うように構成されている論理を具現する、機器が提供される。
【0008】
有利な、好適な、及び/又は具体的な実施形態が、従属項に記載されている。従属項の全ての特徴は、本発明の任意の態様による(モバイル)機器に対して等しく記載され得る。
【0009】
方法、媒体、装置のうちの少なくとも1つの好適な実施形態では、レスポンスシフトは、周波数、位相、又は振幅のレスポンスシフトである。
方法、媒体、装置のうちの少なくとも1つの有利な実施形態では、レスポンスシフトは、信号に対する干渉によって生じ、好適には、干渉の原因は、物体がモバイル機器に近接した状態になること又は物体がモバイル機器に接触した状態になることを含む。
【0010】
方法、媒体、装置のうちの少なくとも1つの好適な実施形態では、周囲の状態又は動作状態に応じて、モバイル機器の所定の機能が開始され、好適には、所定の機能は、モバイル機器との物理的な接触に応じて、モバイル機器の動作を再開することを含む。
【0011】
無線通信は、全ての実施形態において、実質的にグローバル・システム・フォー・モバイル・コミュニケーションズ(GSM)(登録商標)の規格に従うことが可能である。
図1は、例示的なモバイル機器を示す。本開示では、任意の適した物理的形状を成すモバイル機器10が意図されている。例として、限定するものではなく、モバイル機器10は、シングルボードコンピュータシステム(SBC)(例えば、コンピュータオンモジュール(COM)又はシステムオンモジュール(SOM)等)、ラップトップ若しくはノートブックのコンピュータシステム、モバイル電話、スマートフォン、携帯情報端末(PDA)、タブレットコンピュータシステム、又はこれらの2つ以上の組み合わせの場合がある。特定の実施形態では、モバイル機器10は、入力構成要素としてタッチスクリーン12を有してもよい。
図1の例では、タッチスクリーン12は、モバイル機器10の前部表面に組み入れられている。容量タッチセンサの場合、2種類の電極が存在することがある。すなわち、送り側(電極)と受け側(電極)である。これらの電極は、制御部に接続されており、その制御部は、送り側(電極)に電気パルスを加え、タッチ入力又は近接入力によって生じた容量変化を受け側(電極)から測定するように構成されている。
図1の例では、1つ以上のアンテナ14A−Bが、モバイル機器10の1つ以上の側面に組み入れられる。アンテナ14A−Bは、電流を無線波に変換したり電波を電流に変換したりする構成要素である。信号の送信中、送信機は、発振している無線周波数(RF)の電流をアンテナ14A−Bの末端に加え、アンテナ14A−Bは、加えられた電流のエネルギを電磁(EM)波として放射する。信号の受信中、アンテナ14A−Bは、入射EM波のパワーをアンテナ14A−Bの末端における電圧に変換する。電圧は、増幅のために受信機に送られてもよい。
【0012】
図2は、例示的なモバイル機器の例示的な内部の構成要素を示す。適切な場合、1つ以上のモバイル機器10は、実質的に空間的又は時間的な制限なく、本明細書において説明し又は示す1つ以上の方法の1つ以上の工程を実行できる。例として、限定するものでは
なく、1つ以上のモバイル機器10は、リアルタイム又はバッチモードで、本明細書において説明し又は示す1つ以上の方法の1つ以上の工程を実行できる。特定の実施形態では、1つ以上のモバイル機器10は、本明細書において説明し又は示す1つ以上の方法の1つ以上の工程を実行できる。特定の実施形態では、1つ以上のモバイル機器10は、本明細書において説明し又は示す機能を提供する。特定の実施形態では、1つ以上のモバイル機器10上で稼働しているソフトウェアは、本明細書において説明し又は示す1つ以上の方法の1つ以上の工程を実行し、本明細書において説明し又は示す機能を提供する。特定の実施形態は、1つ以上のモバイル機器10の1つ以上の部分を含む。
【0013】
特定の実施形態では、モバイル機器10は、プロセッサ16と、メモリ18と、記憶部22と、入力/出力(I/O)インタフェース24と、通信構成要素20と、バス26とを備える。本開示は、特定の数の特定の構成要素を特定の配置で有する特定のモバイル機器を説明し及び示しているが、本開示では、任意の適した数の任意の適した構成要素を任意の適した配置で有する任意の適したモバイル機器が意図されている。特定の実施形態では、プロセッサ16は、コンピュータプログラム又はアプリケーションを構成する命令等の命令を実行するためのハードウェアを備える。例として、限定するものではなく、命令を実行するために、プロセッサ16は、内部レジスタ、内部キャッシュ、メモリ18、又は記憶部22から命令を取得すること(すなわち、フェッチすること)ができ、その命令をデコード及び実行でき、次いで、内部レジスタ、内部キャッシュ、メモリ18、又は記憶部22に1つ以上の結果を書込できる。
【0014】
特定の実施形態では、プロセッサ16は、データ、命令、又はアドレスのための1つ以上の内部キャッシュを備えていてもよい。本開示では、適切な場合、任意の適した数の任意の適した内部キャッシュを備えるプロセッサ16が意図されている。例として、限定するものではなく、プロセッサ16は、1つ以上の命令キャッシュと、1つ以上のデータキャッシュと、1つ以上のトランスレーション・ルックアサイド・バッファ(TLB)とを備えていてもよい。命令キャッシュにおける命令は、メモリ18又は記憶部22における命令のコピーの場合があり、命令キャッシュは、プロセッサ16によるその命令の取得を高速化できる。データキャッシュにおけるデータは、プロセッサ16において実行する命令に関し演算するための、メモリ18又は記憶部22におけるデータのコピーの場合があり、プロセッサ16において実行する次の命令によるアクセスのためや、メモリ18又は記憶部22に書込むための、プロセッサ16において実行された以前の命令の結果のコピーの場合があり、又は他の適したデータのコピーの場合がある。データキャッシュは、プロセッサ16による読出動作又は書込動作を高速化できる。TLBは、プロセッサ16のために仮想アドレス変換を高速化できる。特定の実施形態では、プロセッサ16は、データ、命令、又はアドレスのための1つ以上の内部レジスタを備えていてもよい。本開示では、適切な場合、任意の適した数の任意の適した内部レジスタを備えるプロセッサ16が意図されている。適切な場合、プロセッサ16は、1つ以上の算術論理演算装置(ALU)を備える場合もあれば、マルチコアプロセッサの場合もあれば、1つ以上のプロセッサを備える場合もある。本開示は、特定のプロセッサを説明し及び示しているが、本開示では、任意の適したプロセッサが意図されている。
【0015】
特定の実施形態では、プロセッサ16によって実行されるソフトウェアは、オペレーティングシステム(OS)を備えることができる。OSは、モバイル機器10の1つ以上のハードウェア構成要素に対応したカーネル又は任意の数のデバイスドライバを備えることが可能である。例として、限定するものではなく、モバイル機器10がスマートフォンの場合、OSは、例えば、ウィンドウズ(登録商標)フォン、アンドロイド(登録商標)、シンビアン(Symbian)(登録商標)、iOS(登録商標)、又はバダ(Bada)等のモバイルオペレーティングシステムの場合がある。特定の実施形態では、1つ以上のソフトウェアアプリケーションは、モバイル機器10上で実行され得る。特定の実施形
態では、アプリケーションは、モバイル機器10にインストールされてモバイル機器10に存在するネイティブアプリケーションであってよい。例として、限定するものではなく、アプリケーション(例えば、グーグルマップ)は、タッチスクリーン上に地図を表示したり、家や会社を検索したり、地理的位置への方向を提供したりすることが可能であり、第2のアプリケーションは、電子メールに対するリモートアクセスを提供可能であり、第3のアプリケーション(すなわちウェブブラウザ)は、デバイスのユーザがインターネットのブラウジング及び検索をできるようにすることが可能であり、第4のアプリケーションは、写真を撮影したり映像を記録したりするためにカメラを制御可能であり、第5のアプリケーションは、デバイスのユーザがボイスオーバインターネットプロトコル(VoIP)又はセルラネットワークの呼出を受信したり開始したりできるようにすることが可能である。ソフトウェアアプリケーションは、ユーザインタフェース(UI)を有していてもよく、1つ以上の具体的な機能を実装してもよい。ソフトウェアアプリケーションは、具体的な機能を実装する1つ以上のソフトウェアモジュールを備えていてもよい。ソフトウェアアプリケーションの実行可能コードは、モバイル機器10のメモリ18又は記憶部22に記憶される。
【0016】
特定の実施形態では、メモリ18は、プロセッサ16が実行するための命令やプロセッサ16が演算するためのデータを記憶するためのメインメモリを含む場合がある。例として、限定するものではなく、モバイル機器10は、記憶部22又は別の転送元(例えば、別のモバイル機器10等)からメモリ18に命令をロードできる。次いで、プロセッサ16は、メモリ18から内部レジスタ又は内部キャッシュに命令をロードできる。命令を実装するために、プロセッサ16は、内部レジスタ又は内部キャッシュから命令を取得でき、その命令をデコードできる。命令の実行中又は実行後、プロセッサ16は、内部レジスタ又は内部キャッシュに1つ以上の結果(中間又は最後の結果の場合がある)を書込できる。次いで、プロセッサ16は、その1つ以上の結果をメモリ18に書込できる。特定の実施形態では、プロセッサ16は、(記憶部22又は他の場所ではなく)1つ以上の内部レジスタ若しくは内部キャッシュ、又はメモリ18における命令のみを実行し、(記憶部22又は他の場所ではなく)1つ以上の内部レジスタ若しくは内部キャッシュ、又はメモリ18におけるデータのみ演算する。
【0017】
1つ以上のメモリバス(アドレスバスとデータバスとを各々含む場合がある)は、プロセッサ16をメモリ18に結合可能である。バス26は、以下に説明するように、1つ以上のメモリバスを含む場合がある。特定の実施形態では、1つ以上のメモリ管理ユニット(MMU)は、プロセッサ16とメモリ18との間に存在しており、プロセッサ16により要求されるメモリ18へのアクセスを行う。特定の実施形態では、メモリ18は、ランダムアクセスメモリ(RAM)を含む。このRAMは、適切な場合、揮発性メモリであってよい。適切な場合、このRAMは、ダイナミックRAM(DRAM)又はスタティックRAM(SRAM)であってよい。さらに、適切な場合、このRAMは、シングルポート又はマルチポートのRAMであってよい。本開示では、任意の適したRAMが意図されている。メモリ18は、適切な場合、1つ以上のメモリを含む場合がある。本開示は、特定のメモリを説明し及び示しているが、本開示では、任意の適したメモリが意図されている。
【0018】
特定の実施形態では、記憶部22は、データ又は命令のために大容量記憶部を含む。例として、限定するものではなく、記憶部22は、ハードディスクドライブ(HDD)、フロッピー(登録商標)ディスクドライブ、フラッシュメモリ、又はこれらの2つ以上の組み合わせを含む場合がある。記憶部22は、適切な場合、取り外し可能な媒体、又は取り外し可能でない(すなわち、固定された)媒体を含む場合がある。記憶部22は、適切な場合、モバイル機器10の内部に存在する場合もあれば外部に存在する場合もある。特定の実施形態では、記憶部22は、不揮発性のソリッドステートメモリである。特定の実施
形態では、記憶部22は、リードオンリメモリ(ROM)を含む。適切な場合、このROMは、マスクプログラムROM、PROM(programmable ROM)、EPROM(erasable PROM)、EEPROM(electrically erasable PROM)、EAROM(electrically alterable ROM)、若しくはフラッシュメモリ、又はこれらの2つ以上の組み合わせの場合がある。本開示では、任意の適した物理的形状を成す大容量記憶部22が意図されている。記憶部22は、適切な場合、プロセッサ16と記憶部22との間の通信を行う1つ以上の記憶制御ユニットを含む場合がある。適切な場合、記憶部22は、1つ以上の記憶部22を含む場合がある。本開示は、特定の記憶部を説明し及び示すが、本開示では、任意の適した記憶部が意図されている。
【0019】
特定の実施形態では、I/Oインタフェース24は、モバイル機器10と1つ以上のI/O装置との間の通信のための1つ以上のインタフェースを提供する、ハードウェア、ソフトウェア、又はその両方を含む。モバイル機器10は、適切な場合、その1つ以上のI/O装置を含む場合がある。その1つ以上のI/O装置は、ユーザとモバイル機器10との間の通信を可能にし得る。例として、限定するものではなく、I/O装置は、キーボード、キーパッド、1つ以上のセンサ、タッチスクリーン、マイクロホン、モニタ、マウス、プリンタ、スキャナ、スピーカ、デジタルスチルカメラ、スタイラス、トラックボール、ビデオカメラ、別の適したI/O装置、又はこれらの2つ以上の組み合わせを含む場合がある。本開示では、任意の適したI/O装置と、それに対する任意の適したI/Oインタフェース24とが意図されている。適切な場合、I/Oインタフェース24は、プロセッサ16がその1つ以上のI/O装置を駆動することを可能にする、1つ以上のデバイスドライバ又はソフトウェアドライバを含む場合がある。I/Oインタフェース24は、適切な場合、1つ以上のI/Oインタフェース24を含んでもよい。本開示は、特定のI/Oインタフェースを説明し及び示しているが、本開示では、任意の適したI/Oインタフェースが意図されている。
【0020】
特定の実施形態では、通信構成要素20は、モバイル機器10と、1つ以上の他のモバイル機器10又は1つ以上のネットワークとの間の通信(例えば、パケット方式の通信等)のための1つ以上のインタフェースを提供する、ハードウェア、ソフトウェア、又はその両方を含む。例として、限定するものではなく、通信構成要素20は、イーサネット(登録商標)若しくは他の有線方式のネットワークと通信するためのネットワークインタフェースコントローラ(NIC)若しくはネットワークアダプタ、若しくは無線ネットワーク(例えばWi−Fi(登録商標)ネットワーク等)と通信するための無線NIC(WNIC)や無線アダプタ、又は第3世代移動通信(3G)若しくはロングタームエボリューション(LTE)のネットワークなどのセルラネットワークと通信するためのモデムを含む場合がある。本開示では、任意の適したネットワークと、そのネットワークのための任意の適した通信構成要素20とが意図されている。例として、限定するものではなく、モバイル機器10は、アドホックネットワーク、パーソナルエリアネットワーク(PAN)、ローカルエリアネットワーク(LAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)、メトロポリタンエリアネットワーク(MAN)、若しくはインターネットの1つ以上の部分、又はこれらの2つ以上の組み合わせと通信し得る。その1つ以上のネットワークのうちの1つ以上の部分は、有線の場合もあれば無線の場合もある。別例として、モバイル機器10は、無線PAN(WPAN)(例えば、ブルートゥースWPAN等)、Wi−Fiネットワーク、Wi−MAX(登録商標)ネットワーク、携帯電話ネットワーク(例えば、グローバル・システム・フォー・モバイル・コミュニケーションズ(GSM)、3G、又はLTEのネットワーク)、若しくは他の適した無線ネットワーク、又はこれらの2つ以上の組み合わせと通信し得る。モバイル機器10は、適切な場合、これらのネットワークのために任意の適した通信構成要素を含んでよい。通信構成要素20は、適切な場合、1つ以上の通信構成要素を含んでよい。本開示は、特定の通信構成要素を説明し及び示してい
るが、本開示では、任意の適した通信構成要素が意図されている。
【0021】
特定の実施形態では、バス26は、モバイル機器10の構成要素を互いに結合する、ハードウェア、ソフトウェア、又はその両方を含む。例として、限定するものではなく、バス26は、グラフィックスバス、拡張業界標準アーキテクチャ(EISA)バス、フロントサイドバス(FSB)、ハイパートランスポート(HT)相互接続、業界標準アーキテクチャ(ISA)バス、インフィニバンド相互接続、ローピンカウント(LPC)バス、メモリバス、マイクロチャネルアーキテクチャ(MCA)バス、シリアル・アドバンスド・テクノロジ・アタッチメント(SATA)バス、ビデオエレクトロニクス規格協会のローカル(VLB)バス、若しくは別の適したバス、又はこれらの2つ以上の組み合わせを含む場合がある。バス26は、適切な場合、1つ以上のバス26を含んでよい。本開示は、特定のバスを説明し及び示しているが、本開示では、任意の適したバス又は相互接続が意図されている。
【0022】
図3は、例示的なモバイル機器の例示的な通信構成要素を示す。上記において説明したように、モバイル機器の通信構成要素20は、無線通信のための1つ以上のアンテナ14A−Eと1つ以上の通信インタフェースとを含む場合がある。例として、限定するものではなく、アンテナ14A−Eは、例えば、3G、LTE、ブルートゥース、Wi−Fi、グローバルポジショニングシステム(GPS)等の無線通信プロトコルのモバイル機器10による使用をサポートしている。様々な無線通信プロトコルの各々は、特定の周波数範囲内において動作する傾向がある。本開示は、特定の無線通信プロトコルをサポートしているアンテナを説明し及び示しているが、本開示では、任意の適した無線通信プロトコルをサポートしているアンテナが意図されている。モデム28は、アンテナ14A−Eに結合され、適切な無線プロトコルに関連した特定の周波数(すなわち、共鳴周波数)において動作するようにアンテナ14A−Eを構成している。モデム28は、アンテナ14A−Eによって受信される無線通信信号を処理するように構成されている。本明細書において、モデムとは、アナログ又はデジタルの無線信号を処理したり無線通信信号の訂正を実行したりする任意の適した信号処理構成要素を含んでいる。モデム28は、通信構成要素16の論理部30又はモバイル機器のプロセッサに結合されてもよい。
【0023】
以上で説明したように、アンテナ14A−Eは、受信されるEM信号をアンテナ14A−Eの末端における電気信号に変換するように構成されている。アンテナ14A−Eの末端における電気信号は、モデム28に送信される。特定の実施形態では、モバイル機器が3G又はLTEのデータネットワークを通じてインターネットにアクセスする場合、第1アンテナ14Aと第2アンテナ14Bとが使用される。モデム28は、1つ以上の無線プロトコルを用いた使用のためにアンテナ14A−Bを構成する。モデム28は、以下で示すように、モバイル機器によって使用される無線プロトコルに関連した周波数範囲内において、アンテナとモデムとの間のパワー伝達の効率を最適化するように構成される。特定の実施形態では、モデム28は、モバイル機器により受信される信号におけるレスポンスシフトを符号化しているデータを論理部30に送信する。論理部30は、モデム28から受信した符号化されたレスポンスシフトのデータを処理し、受信したレスポンスシフトのデータに基づいてモバイル機器の構成の変更を開始するように構成される場合がある。特定の実施形態では、論理部30は、アプリケーションプログラミングインタフェース(API)を通じて、符号化されるシフトデータをモデム28から受信してもよい。他の特定の実施形態では、論理部30は、モデム28により受信されたレスポンスシフトのデータにおける変化に応じて、割込を受信する場合がある。本開示は、論理部とモデムとの間において情報の通信を行う特定の方法を説明しているが、本開示では、例えばAPIを使用すること、割込を使用すること、又はAPIと割込との組み合わせ等の任意の適した方法を通じて論理部とモデムとの間の情報の通信を行うことが意図されている。
【0024】
図4A−Bは、例示的なモバイル機器の例示的な使用と信号とを示している。モデム28は、無線通信信号を効率的に受信及び送信するように、モバイル機器10のアンテナを構成する。使用中、
図4Aの例において示すように、モバイル機器10は、モバイル機器10のユーザの手32によって保持されることがある。モバイル機器10の1つ以上のアンテナの近くに手32が存在することによって、アンテナにより受信される信号が変化したり干渉されたりする場合がある。例として、限定するものではなく、手32による干渉によって、周波数がシフトされる、すなわち、少なくとも部分的には手32の皮膚や血液に含まれる水分及び鉄分のために、モバイル機器10のアンテナにより受信される信号の受信が同調しなくなる。
【0025】
図4Bの例では、スペクトル34は、干渉なくアンテナが受信する無線通信信号の例示的なスペクトルを示している。スペクトル36は、1つ以上のアンテナの近くの手32の存在に伴う、無線通信信号の例示的な周波数シフトを示している。モバイル機器10のモデムは、アンテナとモデムとの間のパワー伝達の効率を高めるように、アンテナの構成を修正する。特定の実施形態では、アンテナのインピーダンスは、アンテナの共鳴周波数と、無線通信信号のピーク振幅の周波数との差が最小化されるように調節される。本開示は、信号の干渉についての特定の原因及び特性を説明し及び示しているが、本開示では、任意の適した原因による干渉や、例えば、周波数、位相、又は振幅のレスポンスシフト等の信号の干渉に関連した任意の適した特性を測定することが意図されている。
【0026】
特定の実施形態では、以上で説明したように、モバイル機器10のモデムは、アンテナの共鳴周波数のシフトに対応した情報を通信構成要素の論理部にAPIを通じて送信する。例として、限定するものではなく、無線通信信号の周波数シフトは、少なくとも部分的には、手32に伴う干渉による場合がある。別例として、周波数シフトは、少なくとも部分的には、例えばポケットの布地等の無生物による干渉に起因する場合がある。特定の実施形態では、モバイル機器10の論理部は、アンテナの共鳴周波数のシフト(受信された無線通信信号の周波数シフトを表す)の解析を通じて、様々な原因による干渉を区別できる。モバイル機器10の論理部は、異なる干渉原因による周波数シフトの量又はパターンに基づいて、手32による干渉と、モバイル機器がポケットの中に配置されることによる干渉とを区別できる。
【0027】
例として、限定するものではなく、モバイル機器10の論理部は、信号における1つの干渉原因から別の干渉原因への変化をモデムが検知することに応じて、割込を受信する場合がある。別例として、モデムから受信されるレスポンスシフトの情報は、手32又は無生物に関連するレスポンスシフトの情報と比較されることがある。この比較に基づいて、論理部は、モバイル機器10の1つ以上のアンテナを再構成するように、データをモデムに送信し得る。例として、限定するものではなく、レスポンスシフトの情報に基づいて、論理部は、モバイル機器10がユーザの手32に保持されていると判定する場合がある。判定に基づいて、論理部は、アンテナとモデムとの間のパワー伝達の効率を高めるべく、第1アンテナと第2アンテナとの役割を交換するように、構成信号をモデムに送信する場合がある。あるいは、モデムは、アンテナとモデムとの間のパワー伝達の効率を高めるべく、例えば3GからGPSへと、異なる無線通信プロトコル用に構成される1つ以上のアンテナを使用するように、モバイル機器10を構成する場合がある。
【0028】
特定の実施形態では、モバイル機器のユーザに関連した特徴的な情報を編集するユーザプロファイルが作成されてもよい。特徴的な情報は、例えばGPS情報やアンテナからのレスポンスシフト情報等、1つ以上の情報源により収集されるデータから推測されることがある。例として、限定するものではなく、ユーザプロファイルの特徴的な情報は、ユーザが職場にいる最中にモバイル機器10を手32に保持していること、ユーザが公共の場所(例えば、レストラン)にいる最中にモバイル機器10をポケットの中に配置している
こと、又はユーザが在宅の最中にテーブルの上にモバイル機器10を配置していることを示す場合がある。特定の実施形態では、モバイル機器10の通信構成要素とセンサ構成要素とは、ユーザプロファイルに基づいて構成されてよい。例として、限定するものではなく、ユーザプロファイルに基づいてユーザが職場におりモバイル機器10を手32に保持していると判定して、構成信号によって、第1アンテナから第2アンテナへと信号のルートが変えられることがある。別例として、スピーカの音量が、ユーザプロファイルと、ユーザが公共の場所にいる最中にポケットの中にモバイル機器10を有していることとに基づいて、増大されてもよい。さらに、モバイル機器10のタッチスクリーンのタッチセンシングは、モバイル機器10がユーザのポケットの内部にあると周囲の状態が示す場合、抑制されることがある。別例として、モバイル機器10が在宅時にテーブルに配置される場合にモバイル機器10の電力消費を最小化するために、モバイル機器10のディスプレイは、暗くされる場合があり、モバイル機器のタッチスクリーンは、動作しないようにされる場合がある。タッチスクリーン及びディスプレイの動作は、ユーザがモバイル機器10に物理的に接触することを示す周囲の状態に応じて、再開されてもよい。
【0029】
図5は、モバイル機器の周囲の状態又は動作状態を判定するための例示的な方法を示している。その方法は、工程100から開始する場合があり、ここで、モバイル機器のアンテナを通じて受信される信号におけるレスポンスシフトを符号化しているデータが、アクセスされる。特定の実施形態では、その信号は、別の機器から当該モバイル機器への無線通信に対応する。特定の実施形態では、レスポンスシフトは、アンテナに結合されたモバイル機器のモデムによって、検知及び符号化される。工程102では、モバイル機器の周囲の状態又は動作状態が、データに符号化されたレスポンスシフトに少なくとも部分的に基づいて判定される。本開示は、特定の順序で行われるように、
図5の方法の特定の工程を説明し及び示しているが、本開示では、任意の適した順序で行われるように、
図5の方法の任意の適した工程が意図されている。さらに、本開示は、
図5の方法の特定の工程を実行する特定の構成要素を説明し及び示しているが、本開示では、
図5の方法の任意の適した工程を実行する任意の適した構成要素の任意の適した組み合わせが意図されている。
【0030】
本明細書では、適切な場合、コンピュータ可読記憶媒体の参照には、半導体を主材料とした若しくは他の1つ以上の集積回路(IC)(例えば、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)又は特定用途向けIC(ASIC)等)、ハードディスクドライブ(HDD)、ハイブリッドハードドライブ(HHD)、オプティカルディスク、オプティカルディスクドライブ(ODD)、光磁気ディスク、光磁気ドライブ、フロッピーディスケット、フロッピーディスクドライブ(FDD)、磁気テープ、ソリッドステートドライブ(SSD)、RAMドライブ、セキュアデジタルカード、セキュアデジタルドライブ、若しくは任意の他の適したコンピュータ可読記憶媒体、又はこれらの2つ以上の任意の適した組み合わせが含まれる場合がある。非一時的なコンピュータ可読記憶媒体は、適切な場合、揮発性、不揮発性、又は揮発性と不揮発性との組み合わせであってよい。
【0031】
本明細書において、“又は(or)”は、別様に強調して示された場合や文脈により別様に示された場合でなければ、非排他的ではなく包含的である。したがって、本明細書において、“A又はB(A or B)”は、別様に強調して示された場合や文脈により別様に示された場合でなければ、“A、B、又はその両方”を意味する。さらに、“及び(and)”は、別様に強調して示された場合や文脈により別様に示された場合でなければ、共同と別々の両方である。したがって、本明細書において、“A及びB(A and B)”は、別様に強調して示された場合や文脈により別様に示された場合でなければ、“共同して、又は別々にA及びB”を意味する。
【0032】
本開示は、当業者が理解するであろう、本明細書における例示的な実施形態に対する全ての変更、代替、変形、改変、及び修正を含む。さらに、本開示は、本明細書における各
実施形態を特定の構成要素、要素、機能、動作、又は工程を含むとして説明し及び示しているが、その実施形態のいずれも、当業者が理解するであろう、本明細書のいずれかの場所において説明し又は示した任意の構成要素、要素、機能、動作、又は工程の任意の組み合わせ又は並べ替えを含む場合がある。さらに、特定の機能を実行するように適合され、編成され、可能とされ、構成され、できるようにされ、動作可能にされ、又は動作する、装置若しくはシステム、又は装置若しくはシステムの構成要素に対する添付の特許請求の範囲における参照は、装置、システム、又は構成要素がそのように適合され、編成され、可能とされ、構成され、できるようにされ、動作可能にされ、又は動作する限り、それ又は特定の機能が作動され、スイッチが入れられ、又は解錠されているかは問わず、その装置、システム、構成要素を含んでいる。