(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
第1環状フランジ部を有する第1部材と、第2環状フランジ部を有する第2部材と、前記第1部材の前記第1環状フランジ部と前記第2部材の前記第2環状フランジ部との間に介在されるシール体と、を備え、前記第1環状フランジ部、前記第2環状フランジ部及び前記シール体の貫通孔を挿通してボルトを装着し、前記ボルトの雄ねじ部にナットを螺着して前記第1環状フランジ部及び前記第2環状フランジ部を結合するフランジ結合構造において、
前記シール体は、金属製プレートから形成された環状基部と、前記環状基部に一体的に設けられた弾性シール部とを有し、前記貫通孔は、前記環状基部に周方向に間隔をおいて複数設けられ、また前記弾性シール部は、前記環状基部の全体を覆うように設けられ、前記シール体の前記環状基部の片面側には、前記環状基部に接するように硬質材料からなる第1突部が設けられ、その他面側には、前記環状基部に接するように硬質材料からなる第2突部が設けられ、前記第1突部と前記第2突部とが前記弾性シール部に覆われ、前記シール体の前記弾性シール部が前記第1部材の前記第1環状フランジ部と前記第2部材の前記第2環状フランジ部の間をシールすることを特徴とするフランジ結合構造。
前記シール体の前記第1突部は、前記環状基部の片面側に周方向に間隔をおいて複数設けられ、また前記シール体の前記第2突部は、前記環状基部の他面側に周方向に間隔をおいて複数設けられていることを特徴とする請求項1に記載のフランジ結合構造。
前記第1突部は、前記環状基部の一部を前記環状基部の片面側に折曲することにより形成され、前記第2突部は、前記環状基部の一部を前記環状基部の他面側に折曲することにより形成されて構成することを特徴とする請求項1または請求項4に記載のフランジ結合構造。
前記環状基部は、第1及び第2金属製プレートから形成され、前記環状基部の前記第1突部は、前記第1金属製プレートの周方向の複数部位を折曲することにより形成され、また前記環状突部の前記第2突部は、前記第2金属製プレートの周方向の複数部位を折曲することにより形成され、前記第1金属製プレートと前記第2金属製プレートとは、前記第1突部が前記シール体の片面側に、また前記第2突部が前記シール体の他面側となるように重ね合わされて前記環状基部を構成することを特徴とする請求項1または請求項4に記載のフランジ結合構造。
前記シール体の前記環状基部の内周部には、表面を粗くするための粗面加工及び/又は貫通するための穴加工が施されていることを特徴とする請求項1及び請求項4から請求項6のいずれか一項に記載のフランジ結合構造。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このようなフランジ結合構造は、例えば、
図26に示す配管構造に適用される。
図26において、この配管構造では、T字状の流路を規定するT字管102は、三つの接続管部104,106,108を備え、接続管部104は、例えば上流側に延びる管部材110に接続され、接続管部106は、例えば下流側に延びる管部材114に接続され、また接続管部108は、例えば、補修弁116を介して空気弁118に接続され、これら接続に上述したフランジ結合構造が適用される。例えば、T字管102の接続管部104と管部材110との接続は、接続管部104のフランジ部120と管部材110のフランジ部122との間にシール体124を介在させ、結合用のボルトをこれらフランジ部120、シール体124及びフランジ部122の貫通孔を通して挿通し、これらの貫通孔を通して突出するボルトの雄ねじ部にナットを螺着することによって、T字管102のフランジ部120と管部材110のフランジ部122とがシール体124を介して結合される。
【0007】
しかしながら、特許文献1及び2のフランジ結合構造では、シール機能を果たすパッキン(パッキン本体)に、結合用のボルトを挿通するための貫通孔が設けられており、それ故に、地震などが発生してフランジ結合構造に大きな曲げ応力が加わると、ボルトに対してパッキン(パッキン本体)が相対的に移動してこのパッキン(パッキン本体)が破損するおそれがあり、このパッキン(パッキン本体)が破損すると、シール性(気密性)が損なわれるおそれがある。このシール性の問題は、T字管102の接続管部108と補修弁116との間の結合構造、また補修弁116と空気弁118との間の結合構造においてより発生し易くなる。
【0008】
また、フランジ結合構造のシール体として特許文献3のものを用いた場合、封止用環体(パッキンとして機能する)が固定されていないために、地震などによって大きな曲げ応力が加わると、封止用環体が移動して変形し易く、この移動変形が大きくなると破損するおそれがあり、上述したと同様の問題がある。
【0009】
本発明の目的は、耐震性に優れるとともに、その結合作業も従来と同様に簡単に且つ容易に行うことができるフランジ結合構造を提供することである。
【0010】
本発明の他の目的は、耐震性に優れたシール体を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明に記載のフランジ結合構造は、第1環状フランジ部を有する第1部材と、第2環状フランジ部を有する第2部材と、前記第1部材の前記第1環状フランジ部と前記第2部材の前記第2環状フランジ部との間に介在されるシール体と、を備え、前記第1環状フランジ部、前記第2環状フランジ部及び前記シール体の貫通孔を挿通してボルトを装着し、前記ボルトの雄ねじ部にナットを螺着して前記第1環状フランジ部及び前記第2環状フランジ部を結合するフランジ結合構造において、
前記シール体は、金属製プレートから形成された環状基部と、前記環状基部に一体的に設けられた弾性シール部とを有し、前記貫通孔は、前記環状基部に周方向に間隔をおいて複数設けられ、また前記弾性シール部は、前記環状基部を覆うように設けられ、前記シール体の前記弾性シール部が前記第1部材の前記第1環状フランジ部と前記第2部材の前記第2環状フランジ部の間をシールすることを特徴とする。
【0012】
また、本発明に記載のフランジ結合構造では、前記シール体の前記弾性シール部は、前記環状基部の内周部の片面から内周面を通って他面まで覆うように一体的に設けられていることを特徴とする。
【0013】
また、本発明に記載のフランジ結合構造では、前記シール体の前記環状基部の片面側には、前記第1部材の前記第1環状フランジ部に当接する第1突部が設けられ、その他面側には、前記第2部材の前記第2環状フランジ部に当接する第2突部が設けられていることを特徴とする。
【0014】
また、本発明に記載のフランジ結合構造では、前記シール体の前記第1突部は、前記環状基部の片面側に周方向に間隔をおいて複数設けられ、また前記シール体の前記第2突部は、前記環状基部の他面側に周方向に間隔をおいて複数設けられていることを特徴とする。
【0015】
また、本発明に記載のフランジ結合構造では、前記環状基部は、第1及び第2金属製プレートから形成され、前記環状基部の前記第1突部は、前記第1金属製プレートの周方向の複数部位を折曲することにより形成され、また前記環状突部の前記第2突部は、前記第2金属製プレートの周方向の複数部位を折曲することにより形成され、前記第1金属製プレートと前記第2金属製プレートとは、前記第1突部が前記シール体の片面側に、また前記第2突部が前記シール体の他面側となるように重ね合わされて前記環状基部を構成することを特徴とする。
【0016】
また、本発明に記載のフランジ結合構造では、前記シール体の前記環状基部の内周部には、表面を粗くするための粗面加工及び/又は貫通するための穴加工が施されていることを特徴とする。
【0017】
更に、本発明に記載のシール体は、第1部材の第1環状フランジ部と第2部材の第2環状フランジ部との間に介在されるシール体において、
金属製プレートから形成された環状基部と、前記環状基部に一体的に設けられた弾性シール部とを有し、前記環状基部には、ボルトが挿通される貫通孔が周方向に間隔をおいて複数設けられ、前記弾性シール部は、前記環状基部を覆うように設けられ、前記弾性シール部が前記第1部材の前記第1環状フランジ部と前記第2部材の前記第2環状フランジ部の間をシールすることを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明に記載のフランジ結合構造によれば、第1部材の第1環状フランジ部と第2部材の第2環状フランジ部との間に介在されるシール体は、金属製プレートから形成された環状基部と、環状基部に設けられた弾性シール部とを有し、この環状基部に複数の貫通孔が設けられているので、この環状基部をボルト及びナットなどによって第1及び第2環状フランジ部間に確実に保持することができ、これによって、弾性シール部の移動が抑えられ、かかる移動による破損を防止することができる。また、環状基部に一体的に弾性シール部が設けられているので、この弾性シール部の移動を抑えてその破損を防止することができる。
【0019】
また、本発明に記載のフランジ結合構造によれば、シール体の弾性シール部は、環状基部の内周部の片面から内周面を通って他面まで覆うように一体的に設けられているので、弾性シール部と環状基部との接触面積が大きく、この弾性シール部を一層強固に環状基部に一体的に設けることができる。
【0020】
また、本発明に記載のフランジ結合構造によれば、シール体の環状基部の片面側に第1突部が設けられ、その他面側に第2突部が設けられているので、この第1突部が第1部材の第1環状フランジ部に当接することによって、シール体の片面側における弾性シール部の過度の変形を防止することができ、また第2突部が第2部材の第2フランジ部に当接することによって、シール体の他面側における弾性シール部の過度の変形を防止することができる。
【0021】
また、本発明に記載のフランジ結合構造によれば、シール体の第1突部は、環状基部の片面側に環状に設けられ、その第2突部は、環状基部の他面側に環状に設けられているので、第1突部は第1部材の第1環状フランジ部に安定的に作用してシール体の片面側における弾性シール部の過度の変形を防止することができ、また第2突部は第2部材の第2環状フランジ部に安定的に作用してシール体の他面側における弾性シール部の過度の変形を防止することができる。
【0022】
また、本発明に記載のフランジ結合構造によれば、シール体の第1突部は、環状基部の片面側に周方向に間隔をおいて複数設けられ、その第2突部は、環状基部の他面側に周方向に間隔をおいて複数設けられているので、このように構成しても、複数の第1突部は第1部材の第1環状フランジに安定して作用してシール体の片面側における弾性シール部の過度の変形を防止することができ、また複数の第2突部は第2部材の第2環状フランジに作用してシール体の他面側における弾性シール体の過度の変形を防止することができる。
【0023】
また、本発明に記載のフランジ結合構造によれば、環状基部の第1突部は、第1金属製プレートの周方向の複数部位を折曲することにより形成され、また環状突部の第2突部は、第2金属製プレートの周方向の複数部位を折曲することにより形成されるので、例えばプレス加工により第1突部及び第2突部を容易に製作することができる。また、環状基部は、第1突部がシール体の片面側に、また第2突部がシール体の他面側となるように重ね合わせて形成されるので、この環状基部を容易に製作することができる。
【0024】
また、本発明に記載のフランジ結合構造によれば、シール体の環状基部の内周部には、表面を粗くするための粗面加工及び/又は貫通するための穴加工が施されているので、環状基部と弾性シール部との接触面積がより大きくなり、これによって、弾性シール部を環状基部により強固に一体的に設けることができる。
【0025】
更に、本発明に記載のシール体によれば、その基本的構成が本発明のフランジ結合構造のシール体と実質上同一であるので、その環状基部をボルト及びナットなどによって第1及び第2環状フランジ部間に確実に固定することができ、また弾性シール部の移動を抑えてその破損を防止することができ、更に、弾性シール部を環状基部に一体的に設けることができる。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、添付図面を参照して、本発明に従うフランジ結合構造及びこれに用いるシール体の各種実施形態について説明する。
【0028】
まず、
図1及び
図2を参照して、フランジ結合構造に用いるシール体の第1の形態について説明すると、図示のシール体2は、環状基部4と、この環状基部4の内周部に一体的に設けられた環状の弾性シール部6とを備えている。環状基部4は、例えばステンレス鋼などの金属製プレートから形成される。この環状基部4には、周方向に実質上等間隔をおいて複数(この形態では、4個)の貫通孔8が設けられている。環状基部4の内周部とは、環状基部4の内周面及び内周面と隣り合う面(
図2において上面及び下面)における内周面近傍部を指す。
【0029】
弾性シール部6は、例えば合成ゴムなどから形成され、環状基部4の内周部を覆うように設けられている。
図2に示すように、弾性シール部6の外周部は径方向外方に突出しており、一方の第1シール部10は環状基部4の内周部片面(
図2において上面)を覆い、他方の第2シール部12は環状基部4の内周部の他面(
図2において下面)を覆い、第1及び第2シール部10,12を接続する接続部位14は、環状突部4の内周面を覆っている。
【0030】
弾性シール部は、
図4に示すように設けるようにしてもよい。
図4において、このシール体2’の弾性シール部6’では、環状基部4の内周面を覆う接続部位が存在せず、弾性シール部6’の第1シール部10は、環状基部4の内周部片面(
図4において上面)の少なくとも一部を覆い、また第2シール部12は環状基部4の内周部他面(
図4において下面)の少なくとも一部を覆っており、このようなシール体2’を用いても、
図1及び
図2に示すシール体2と略同様の作用効果を達成することができる。
【0031】
このようなシール体2は、次のようにして形成することができる。即ち、固定金型(図示せず)に環状基部4をセットし、この固定金型に対して可動金型(図示せず)を移動させて型締めし、固定金型及び可動金型により規定された成形空間に、例えば合成ゴムを流し込み、このような加硫成形により、環状基部4の内周部に、図示するような弾性シール部6を一体的に形成することができる。
【0032】
このシール体2は、
図3に示すように、第1部材16の第1環状フランジ部18と第2部材20の第2環状フランジ部22との間に装着される。第1部材16の第1環状フランジ部18には、シール体2の環状基部4に設けられた複数の貫通孔8に対応して複数(この形態では、4個)の貫通孔24が設けられ、また第2部材20の第2環状フランジ部22にも、シール体2の複数の貫通孔8に対応して複数(この形態では、4個)の貫通孔26が設けられている。
【0033】
第1部材16と第2部材20との接続結合は、例えば、次の通りにして行われる。第1部材16の第1環状フランジ部18と第2部材20の第2環状フランジ部22との間にシール体2を配置し、かかる状態において、第1環状フランジ部18の貫通孔24、シール体2の環状基部4の貫通孔8及び第2環状フランジ部22の貫通孔26を通して結合用ボルト28の雄ねじ部30を挿通し、その後、第2環状フランジ部22から突出するボルト28の雄ねじ部30にナット32を螺着して締め付け、このようにして第1部材16及び第2部材20を所要の通りに接続結合することができる。このようなナット32としては、例えば、ハードロック工業株式会社が製造販売する緩み止めナット(商品名:ハードロックナット)などを用いると、更に耐震性が向上する。
【0034】
この結合状態においては、第1部材16の第1環状フランジ部18の端面(所謂、ガスケット座)と第2部材20の第2環状フランジ部22の端面(所謂、ガスケット座)との間にシール体2の弾性シール部6が圧縮された状態で介在されるので、弾性シール部6の弾性でもって第1環状フランジ部18及び第2環状フランジ部22間を確実にシールすることができる。また、シール体2の環状基部4の貫通孔8を挿通して結合用ボルト28の雄ねじ部30が延びているので、この雄ねじ部30によって環状基部4の移動が阻止され、これによってシール体2の弾性シール部6の相対的移動も抑えられる。従って、地震などによって第1及び第2部材16,20が相対的に幾分振れたとしてもシール体2の弾性シール部6の移動が抑えられ、その結果、弾性シール部6の破損を防止することができるとともに、この弾性シール部6によるシール性能を維持することができる。
【0035】
尚、第1部材16及び第2部材20は、例えば、管部材である水道管、ガス管、プラント用配管などの流体管、及び空気弁、消火栓、補修弁などの流体管に繋がれる機器であり、このシール体2は、これらを接続結合するフランジ結合構造に上述したように用いることができる。
【0036】
次に、
図5を参照して、シール体の第3の形態について説明する。この第3の形態においては、弾性シール部6がより強固に一体的となるように次のように構成されている。尚、以下の形態において、上述した形態と実質上同一のものには同一の参照番号を付し、その説明を省略する。
【0037】
図5において、このシール体2Aでは、環状基部4Aの内周部に粗面加工が施され、表面の一部に小さな凹凸が存在する粗面領域42,44,46が設けられている。この形態では、弾性シール部6の第1シール部10が設けられる環状基部4の内周部の片面に粗面領域42が設けられ、また弾性シール部6の第2シール部12が設けられる環状基部4の内周部の他面に粗面領域44が設けられ、更に環状基部4の内周面に粗面領域46が設けられている。この粗面領域42,44,46は、ショットブラスト加工、サンドブラスト加工などの粗面加工を施すことにより形成することができる。この第3の形態のその他の構成は、上述した第1の形態と実質上同一である。
【0038】
このような粗面領域42,44,46を設けた場合、環状基部4Aと弾性シール部6との接触面積が大きくなり、この環状基部4Aと弾性シール部6とをより強固に一体化することができる。
【0039】
尚、この形態では、粗面領域42,44,46を環状基部4Aの内周部の片面、他面及び内周面の全てに設けているが、これら全ての領域に設ける必要はなく、これら3つの領域の任意の一つの領域、或いはこれらのうちの任意の二つの領域に設けることによって、上述したと同様の作用効果を達成することができる。
【0040】
次いで、
図6及び
図7を参照して、シール体の第4の形態について説明する。この第4の形態においては、弾性シール部6Bがより強固に一体的となるように次のように改良が施されている。
【0041】
図6及び
図7において、この第4の形態のシール体2Bでは、環状基部4Bの内周部に連通孔48が周方向に間隔をおいて複数(この形態では、4個)設けられ、これら連通孔48は環状基部4Bの片面から他面まで連通している。この連通孔48は、穴加工を施すことによって形成することができ、その個数は適宜設定することができ、例えば6個又は8個設けるようにしてもよい。
【0042】
このように連通孔48を設けた場合、弾性シール部6Bを加硫成形する際に、合成ゴムの一部が連通孔48内に流れ込んで環状基部4Bと一体的になり、これにより、環状基部4Bと弾性シール部6Bとをより強固に一体化することができる。尚、この環状基部4Bの内周部に複数の連通孔48を設けるとともに、その内周部に上述の粗面領域(
図5に番号42,44,46で示す領域)を設けるようにしてもよく、この場合、環状基部4Bと弾性シール部6Bをより一層強固に一体化することができる。
【0043】
この第4の形態では、環状基部4Bに周方向に間隔をおいて8個の貫通孔8が設けられている。例えば8個の貫通孔8を備えたシール体2Bの場合、第1及び第2環状フランジ部に8個の貫通孔が設けられた第1及び第2部材の接続結合に用いることができるとともに、第1及び第2環状フランジ部に4個の貫通孔が設けられた第1及び第2部材の接続結合にも用いることができ、このように多数種類(例えば、4本締結用、6本締結用、8本締結用など)の貫通孔8を設けることによって、多種類の第1及び第2部材の接続締結に用いることができ、シール体2Bの標準化を図ることができる。
【0044】
次いで、
図8を参照して、シール体の第5の形態を備えたフランジ結合構造の第2の実施形態について説明する。この第2の実施形態では、シール体2Cの環状基部4Cに弾性シール部6Cの過度の変形を防止するための突部が設けられている。
【0045】
図8において、第5の形態のシール体2Cは、環状基部4Cと、この環状基部4Cの内周部に設けられた弾性シール部6Cとを備え、環状基部4Cには、周方向に間隔をおいて複数(例えば、4個)の貫通孔8が設けられている。また、必要に応じて、その内周部(弾性シール部6Cが設けられる部位)に周方向に間隔をおいて複数(例えば、4個)の連通孔48を設けるようにしてもよい。かかる連通孔48及びこれに関連する構成は、
図6及び
図7に示す第4の形態と実質上同一であり、この連通孔48を設けると、上述の通り、弾性シール部6Cが環状基部4Cとより強固に一体的となるので都合が良い。
【0046】
この形態では、環状基部4Cの片面側において、連通孔48の配設部位よりも径方向外側の部位に第1リング状部材52が設けられ、かかる第1リング状部材52は、後述するように、環状基部4Cの片面側における弾性シール部6Cの過度の変形を防止する第1突部として機能する。また、環状基部4Cの他面側において、連通孔48の配設部位よりも径方向外側の部位に第2リング状部材54が設けられ、この第2リング状部材54は、後述するように、環状基部4Cの他面側における弾性シール部6Cの過度の変形を防止する第2突部として機能する。この第1及び第2リング状部材52,54は、硬質材料、例えばステンレス鋼、硬質プラスチックなどから形成することができる。
【0047】
この形態では、
図8に示すように、第1及び第2リング状部材52,54(具体的には、その内周面及び上面)を覆うように弾性シール部6Cが設けられている。また、弾性シール部6Cの片面(
図8において上面)に、径方向に間隔をおいて一対の第1環状シール突部56が設けられ、またその他面(
図8において下面)に、径方向に間隔をおいて一対の第2環状シール突部58が設けられている。この第1及び第2環状シール突部56,58は、シール性能を高めるために三つ以上設けるようにしてもよい。この第2の実施形態のフランジ結合構造のその他の構成は、上述した第1の実施形態と実質上同一である。
【0048】
この第2の実施形態のフランジ結合構造においては、シール体2Cの製作は次のようにして行われる。まず、環状基部4Cの片面の所定位置に接着剤や溶接などの固着手段によって第1リング状部材52(第1突部)を固定するとともに、その他面の所定位置に接着剤や溶接などの固着手段によって第2リング状部材54(第2突部)を固定する。そして、固定金型(図示せず)にこの環状基部4C(第1及び第2リング状部材52,54が固定されたもの)をセットし、固定金型に対して可動金型(図示せず)を移動させて型締めし、成形空間内に例えば合成ゴムを流し込み、このような加硫成形により環状基部4Cの内周部に図示するような弾性シール部6Cを一体的に形成する。
【0049】
かく加硫成形すると、第4の形態と同様に、合成ゴムの一部が環状基部4Cの連通孔48内に流入した状態で成形され、環状基部4Cと弾性シール部6Cとを強固に一体化することができる。また、第1及び第2リング状部材52,54の上面が合成ゴムによって覆われ、後述するように接続固定した際に、第1及び第2リング状部材52,54が第1及び第2部材16,20の第1及び第2環状フランジ部18,22の端面(所謂、ガスケット座60,62)に直接接触することがない。
【0050】
第1部材16と第2部材20との接続結合は、上述したと同様にして行われ、かく接続結合した状態においては、
図8から理解される如く、第1リング状部材52が合成ゴム層64を介して第1環状フランジ部18の端面(ガスケット座60)に当接し、これによって、環状基部4Cの片面側において弾性シール部6Cの弾性変形量が一定となり、この片面側における弾性変形が過度になるのを防止することができる。また、第2リング状部材54が合成ゴム層66を介して第2環状フランジ部22の端面(ガスケット座62)に当接し、これによって、環状基部4Cの他面側においても弾性シール部6Cの弾性変形量が一定となり、この他面側における弾性変形が過度になるのを防止することができる。
【0051】
また、この接続結合状態においては、シール体2Cの片面側にて、一対の第1環状シール突部56が第1環状フランジ部18の端面(ガスケット面60)に弾性的に作用するので、第1環状フランジ部18とシール体6Cとの間を確実にシールすることができ、またシール体2Cの他面側にて、一対の第2環状シール突部58が第2環状フランジ部22の端面(ガスケット面62)に弾性的に作用するので、第2環状フランジ部22とシール体6Cとの間を確実にシールすることができる。
【0052】
また、第1環状フランジ部18と第2環状フランジ部22との間にシール体6Cを介在させて、結合用ボルトとナット(いずれも図示せず)を用いて締結する際、従来では施工時の締結不良(例えば、複数の締結部分の不均一な締付けなど)により、シール体6Cの潰れ代が各部分で異なり、第1環状フランジ部18の端面(ガスケット面60)及び/又は第2環状フランジ部22の端面(ガスケット面62)が斜めになって止水不良を起こす原因となっていた。これに対して、このように第1及び第2リング状部材52,54を設けて、第1及び第2部材18,22のガスケット面60,62が合成ゴム層64,66を介して第1及び第2リング状部材52,54に当接するまで締め付けることによって、殊更、締め付け時のトルク管理を行うことなく、複数の締結部分の寸法が均一となり、これによって、施工時の締結不良を極めて簡単に防止することができるとともに、施工作業性の向上を図ることができる。
【0053】
尚、この形態では、第1及び第2突部を第1及び第2リング状部材52,54から構成してリング状に設けているが、このようにリング状に設ける必要はなく、複数の短柱状部材、弧状部材などを周方向に間隔をおいて設け、特に締付力が加わる貫通孔8の近傍にこれらを設け、これらにより第1及び第2突部を構成するようにしてもよい。
【0054】
図9は、シール体の第6の形態を示している。
図9において、この第6の形態のシール体2Gでは、その基本的構成が
図8の第5の形態と実質上同一であり、環状基部4Gの片面に第1リング状部材52が設けられ、その他面に第2リング状部材54が設けられ、第1リング状部材52は第1突部として機能し、弾性シール部6Gの片面側の弾性変形量を一定に保つ働きをし、また第2リング状部材54は第2突部として機能し、弾性シール部6Gの他面側の弾性変形量を一定に保つ働きをする。この第1及び第2リング状部材52,54は上述した第5の形態と同様にして環状基部4Gに取り付けることができる。
【0055】
この形態では、第1リング状部材52の上面が外部に露出し、弾性シール部6Gの片面側は、第1リング状部材52の上面より片面側に突出し、接続結合した状態においてこの第1リング状部材52の上面が第1フランジ部18の端面(ガスケット座60)に直接接触する。また、第2リング状部材54の上面も外部に露出し、弾性シール部6Gの他面側は、第2リング状部材54の上面より他面側に突出し、接続接合した状態においてこの第2リング状部材54の上面が第2フランジ部22の端面(ガスケット座62)に直接接触する(尚、第1及び第2部材16,20については、
図8を参照されたい)。
【0056】
この第6の形態のシール体2Gは、第5の形態のものと同様に、上述したように合成ゴムを流し込んで加硫成形することにより、環状基部4Gと弾性シール部6Gとを一体的に形成することができる。尚、この第6の形態では、環状基部4Gの連通孔が省略されており、従って、弾性シール部6Gは、環状基部4Gの内周部においてその片面、内周面及び他面にわたって一体的に設けられる。
【0057】
この第6の形態のシール体2Gを用いた場合、その基本的構成が第4の形態と実質上同一であるので、第4の形態のものを用いた場合と略同様の作用効果が達成され、一対の第1環状シール突部56及び第2環状シール突部58が環状基部4Gに支持されていることから、第4の形態と同様に、第1フランジ部18及び第2フランジ部22の間を安定的に確実にシールすることができる。
【0058】
図10は、シール体の第7の形態を示している。この第7の形態では、第1の形態と対比して環状基部に修正が施されている。
図10において、このシール体2Dでは、環状基部4Dに設けられた貫通孔8に対応して所望厚さのワッシャ部材70,71が設けられている。ワッシャ部材70,71は、その挿通孔72,73が環状基部4Dの貫通孔8に整合するように設けられ、例えば接着剤や溶接などの固着手段によって環状基部4Dに固定される。このワッシャ部材70,71は、必ずしも上述のように固定する必要はなく、結合用ボルト(図示せず)をワッシャ部材70,71の挿通孔72,73及び環状基部4Dの貫通孔8を通して挿通して、環状基部4Dの片面側に一方のワッシャ部材70を設け、その他面側に他方のワッシャ部材71を設けるようにしてもよい。
【0059】
このシール体2Dでは、
図10に示すように、弾性シール部6の片側部はワッシャ部材70よりも片面側に突出し、その他側部は他方のワッシャ部材71よりも他面側に突出し、第1部材16の第1環状フランジ部18と第2部材20の第2フランジ部22との間に介在させて締結した状態においては、シール体2Dの弾性シール部6が第1環状フランジ部18の端面(ガスケット座60)と第2環状フランジ部22の端面(ガスケット座62)との間に位置して両者間をシールする。
【0060】
また、ワッシャ部材70は第1環状フランジ部18の凹状段部74に当接し、これによって、環状基部4Dと第1環状フランジ部18の端面(ガスケット座60)との間隔、換言すると環状基部4Dの片面側における弾性シール部6の弾性変形量が一定となり、この片面側における弾性変形が過度になるのを防止することができる。また、他方のワッシャ部材71は第2環状フランジ部22の凹状段部75に当接し、これによって、環状基部4Dと第2環状フランジ部22の端面(ガスケット座62)との間隔、換言すると環状基部4Dの他面側における弾性シール部6の弾性変形量が一定となり、この他面側における弾性変形が過度になるのを防止することができる。
【0061】
このように一方のワッシャ部材70が第1環状フランジ部18(具体的には、その凹状段部74)に当接する第1突部として機能し、他方のワッシャ部材71が第2環状フランジ部22(具体的には、その凹状段部75)に当接する第2突部として機能し、このように構成しても、
図8に示す第5の形態の第1及び第2リング状部材52,54を設けたのと同様の作用効果が得られる。
【0062】
図11は、シール体の第8の形態を示している。この第8の形態では、
図10の第7の形態のワッシャ部材70,71に代えて、短スリーブ部材79が用いられている。
図11において、このシール体2Eでは、環状基部4Eの貫通孔8内に所望長さの短スリーブ部材76が挿入され、例えば接着剤や溶接などの固着手段によって環状基部4Eに固定される。
【0063】
このシール体2Eを用いた場合、
図11から理解されるように、結合用ボルト(図示せず)は、シール体2Eの短スリーブ部材76のスリーブ孔79を通して挿通され、その一端部77は環状基部4Eから片側(
図11において上方)に突出し、その他端部78は環状基部4Eから他側(
図11において下方)に突出し、このシール体2Eを用いた場合にも上述したと同様にして所要の通りに接続結合される。
【0064】
この接続結合状態においては、シール体2Eの弾性シール部6が第1環状フランジ部18の端面(ガスケット座60)と第2環状フランジ部22の端面(ガスケット座62)との間に位置して両者間をシールする。また、短スリーブ部材76の一端部77は第1環状フランジ部18の凹状段部74に当接し、これによって、環状基部4Eの片面側における弾性シール部6の弾性変形量を一定とすることができ、また短スリーブ部材76の他端部78は第2環状フランジ部22の凹状段部75に当接し、これによって、環状基部4Eの他面側における弾性シール部6の弾性変形量を一定とすることができ、
図10の第7の形態と同様の作用効果を達成することができる。
【0065】
尚、この形態では、上述した記載から理解される如く、短スリーブ部材76の一端部77が第1環状フランジ部18(具体的には、その凹状段部74)に当接する第1突部として機能し、短スリーブ部材76の他端部78が第2環状フランジ部22(具体的には、その凹状段部75)に当接する第2突部として機能する。
【0066】
次に、
図12及び
図13を参照して、シール体の第9の形態について説明する。この第9の形態では、シール体2Fの環状基部4Fに塑性加工を施して第1及び第2突部が一体に設けられている。
【0067】
図12及び
図13において、第9の形態のシール体2Fでは、環状基部4Fに周方向に間隔をおいて複数(この形態では8個)の貫通孔8が設けられ、これら8個のうち一つおきの4個の貫通孔8に関連して第1突部が設けられ、残りの4個の貫通孔8に関連して第2突部が設けられている。
【0068】
このような環状基部4Fは、例えば、次のようにして製作することができる。即ち、環状の金属製プレートに周方向に間隔をおいて8個の貫通孔8を形成し、次いで一つおきの貫通孔8の部分に所定方向に(
図13において上方に向けて)例えばプレス加工を施して片面側(
図13において上側)に突出する第1突状部82(第1突部を構成する)を形成し、その後残りの貫通孔8の部分に所定方向と反対方向から(
図13において下方に向けて)例えばプレス加工を施して他面側(
図12において下側)に突出する第2突状部84(第2突部を構成する)を形成する。そして、このような環状基部4Fの内周部に上述したようにして弾性シール部6を一体的に設けることによって、
図12及び
図13に示すシール体2Fを製作することができる。
【0069】
このシール体2Fを用いた場合、接続結合した状態においては、環状基部4Fの第1突状部82が第1フランジ部18(
図10参照(凹状段部74))に当接し、これによって、弾性シール部6の片面側の弾性変形量が一定に保たれ、またその第2突状部84が第2フランジ部22(
図10参照(凹状段部76))に当接し、これによって、弾性シール部6の他面側の弾性変形量が一定に保たれ、このようなシール体2Fを用いても第7の形態と同様の作用効果が達成される。
【0070】
次いで、
図14及び
図15を参照して、シール体の第10の形態について説明する。この第10の形態では、シール体2Hの環状基部4Hが一対の金属製プレートから構成され、塑性加工により第1及び第2突部が形成されている。
【0071】
図14及び
図15において、第10の形態のシール体2Hでは、環状基部4Hが一対のリング状の金属製プレート、即ち第1金属製プレート86及び第2金属製プレート88から構成されている。第1及び第2金属製プレート86,88は実質上同一の構成であり、以下、第1金属製プレート86(第2金属製プレート88)について説明する。
【0072】
第1金属製プレート86(第2金属製プレート88)は、例えばステンレス鋼などから形成され、その外周側に周方向に間隔をおいて複数(この形態では、4個)の貫通孔8が設けられ、これら貫通孔8を通して結合用ボルト(図示せず)が挿通される。また、第1金属製プレート86(第2金属製プレート88)の内周側には、周方向に間隔をおいて複数(この形態では、4個)の連通孔90及び突部92が設けられている。この形態では、複数の貫通孔8と複数の連通孔90及び突部92とが径方向に一致して設けられているが、このように設ける必要はなく、複数の貫通孔8と複数の連通孔90及び突部92とを周方向に千鳥状に設けるようにしてもよい。また、この形態では、貫通孔8の個数と連通孔90及び突部92の個数とが同数であるが、例えば連通孔90及び突部92の個数を貫通孔の個数よりも多く、例えば、貫通孔8の両側に設けるようにしてもよい。
【0073】
この第1金属製プレート86(第2金属製プレート88)は、例えば、次のようにして簡単に製作することができる。まず、円板状の金属製プレート86(88)の中央部をプレス加工(第1プレス加工)により打ち抜いてリング状に形成する。この第1プレス加工と同時に(又はこの第1プレス加工の後の第2プレス加工において)、円形状に打ち抜いて貫通孔8を形成するとともに、コ字状に打ち抜いて舌状片(突部92となる前の部分)を形成し、その後、この舌状片をプレス加工などによって塑性変形させ、例えば径方向内側に折曲させて突部92を形成する。
【0074】
このようにして形成した第1金属製プレート86(第2金属製プレート88)においては、
図14及び
図15から理解されるように、舌状片を折曲させた突部92が第1突部(第2突部)として機能し、舌状片を折曲させた後の開口が連通孔90として機能する。
【0075】
このシール体2Hの製作は、次のようにして行われる。まず、突部92が両側に位置するように第1及び第2金属製プレート86,88を所要の通りに重ね合わせ、必要に応じて、例えば接着剤や溶接などの固着手段によって固定又は仮止めする。この重ね合わせた状態では、
図14に示すように、第1金属製プレート86の突部92がシール体2Hの片面側に位置して第1突部として機能し、また第2金属製プレート88の突部92がシール体2Hの他面側に位置して第2突部として機能し、更に第1及び第2金属製プレート86,88の貫通孔8が整合するとともに、それらの連通孔90が整合する。
【0076】
そして、固定金型(図示せず)にこの環状基部4H(第1及び第2金属製プレート86,88)をセットし、固定金型に対して可動金型(図示せず)を移動させて型締めし、成形空間内に例えば合成ゴムを流し込み、このような加硫成形により環状基部4Hの内周部に弾性シール部6Hを一体的に形成する。
【0077】
かく加硫成形すると、第4の形態と同様に、合成ゴムの一部が環状基部4Hの連通孔90内に流入した状態で成形され、これにより、環状基部4Hと弾性シール部6Hとを強固に一体化することができる。また、第1及び第2金属製プレート86,88の突部92の上面が合成ゴムによって覆われ、接続固定した際に、これら突部92(第1突部及び第2突部)が第1及び第2部材16,20の第1及び第2環状フランジ部18,22の端面(
図10参照(所謂、ガスケット座60,62))に直接接触することがない。
【0078】
このシール体2Hを用いた接続結合状態においては、
図14から理解される如く、第1金属製プレート86の突部92(第1突部)が合成ゴム層94を介して第1部材16の第1環状フランジ部18の端面(
図10参照(ガスケット座60))に当接し、これによって、環状基部4Hの片面側における弾性シール部6Hの弾性変形が過度になるのを防止することができ、また第2金属製プレート88の突部92が合成ゴム層96を介して第2部材20の第2環状フランジ部22の端面(
図10参照(ガスケット座62))に当接し、これによって、環状基部4Hの他面側における弾性シール部6Hの弾性変形が過度になるのを防止することができる。また、弾性シール部6Hの片面側には、第1環状フランジ部18の端面(
図10参照(ガスケット面60))との間をシールする第1環状シール突部97が設けられ、またその他面側には、第2環状フランジ部22の端面(
図10参照(ガスケット面62))との間をシールする第2環状シール部98が設けられているので、上述したと同様に、第1及び第2部材16,20の第1及び第2環状フランジ部18,22(
図10参照)とシール体6Hとの間を確実にシールすることができる。更に、第1及び第2金属製プレート86,88には塑性加工(折曲加工)により突部92が形成されることで、別部材などを必要とせずに簡単に突部92を設けることができる。
【0079】
図16及び
図17を参照して、シール体の第11の形態を説明する。
図16において、このシール体2Kでは、第10の形態であるシール体2Hと同様に、一対のリング状の金属製プレート、即ち第1金属製プレート130及び第2金属製プレート132からシール体2Kの環状基部4Kが構成されるとともに、第1金属製プレート130の一部及び第2金属製プレート132の一部が折曲されて突部(第1突部134及び第2突部136)が形成される。
図17において、シール体2Kでは、環状基部4Kに周方向に間隔をおいて、複数(この形態では4個)の貫通孔8が設けられ、これら4個のうち一つおきの2個の貫通孔8に関連して第1突部134が設けられ、残りの2個の貫通孔8に関連して第2突部136が設けられている。
【0080】
このような環状基部4Kは、例えば、次のようにして製作することができる。すなわち、環状の第1金属製プレート130に周方向に間隔をおいて4個の貫通孔8を形成する。貫通孔8の径方向内側に舌状片(折曲前の第1突部134)と連通孔90を周方向に沿って交互に形成する。
同様に、環状の第2金属製プレート132に周方向に間隔をおいて4個の貫通孔8を形成する。貫通孔8の径方向内側に舌状片(折曲前の第2突部136)と連通孔90を周方向に沿って交互に形成する。
【0081】
第1金属製プレート130の舌状片と第2金属製プレート132の連通孔90、及び、第1金属製プレート130の連通孔90と第2金属製プレート132の舌状片を重なるように配置する。そして、第1金属製プレート130の舌状片を第2金属製プレート132の連通孔90に向けて折曲させて第2金属製プレート132を挟み込むようにプレス加工するとともに、第2金属製プレート132の舌状片を第1金属製プレート130の連通孔90に向けて折曲させて第1金属製プレート130を挟み込むようにプレス加工する。このようにして、第1金属製プレート130の舌状片が第2金属製プレート132を抱き込み、第2金属製プレート132の舌状片が第1金属製プレート130を抱き込むことによって、第1金属製プレート130及び第2金属製プレート132は一体的に構成される。
【0082】
このようにして形成した第1金属製プレート130(第2金属製プレート132)においては、
図16及び
図17から理解されるように、舌状片を折曲させた第1突部134(第2突部136)として機能し、舌状片を第1金属製プレート130(第2金属製プレート132)側に折曲させた際に設けられる開口が連通孔90として機能する。
【0083】
このシール体2Kの製作は、次のようにして行われる。固定金型(図示せず)にこの環状基部4K(第1金属製プレート130及び第2金属製プレート132)をセットし、固定金型に対して可動金型(図示せず)を移動させて型締めし、成形空間内に例えば合成ゴムを流し込み、このような加硫成形により環状基部4Kの内周部に弾性シール部6Kを一体的に形成する。
このように、シール体2Kを製作する際に、第1金属製プレート130及び第2金属製プレート132とを、予め仮止めする必要がないため、製作コストの削減を図ることができる。
【0084】
次いで、
図18〜
図20を参照して、金属プレート(環状基部を構成する)の他の実施形態について説明する。この変形形態では、一枚の金属プレートからシール体の環状基部4Jが構成され、第10の実施形態と同様に、塑性加工により第1及び第2突部が形成されている。
【0085】
図18〜
図20において、このシール体の環状基部4Jは、一枚の金属製プレート、即ち金属プレート99から構成されている。金属製プレート99は、第10の形態と同様に、例えばステンレス鋼から形成され、その外周部に周方向に間隔をおいて複数(この形態では、4個)の貫通孔8が設けられ、これら貫通孔8を通して結合用ボルト(図示せず)が挿通される。また、この形態では、複数の貫通孔8の各々の両側に連通孔90及び突部92A,92Bが設けられている。
図18において、時計方向に見て貫通孔8の下流側に位置する突部92Aは、
図19に示すように、金属プレート99(環状基部4J)の片面側に折曲されて第1突部として機能し、時計方向に見て貫通孔8の上流側に位置する突部92Bは、
図20に示すように、金属プレート99(環状基部4J)の他面側に折曲されて第2突部として機能する。
【0086】
この形態では、各貫通孔8の両側に連通孔90及び突部(第1突部92A、第2突部92B)を設けているが、このように設ける必要はなく、複数の貫通孔8と複数の連通孔90及び突部(第1突部92A,第2突部92B)とを周方向に千鳥状に設けるようにしてもよく、或いは複数の連通孔90及び突部(第1突部92A,第2突部92B)を複数の貫通孔8と径方向に一致して設けるようにしてもよい(この場合、連通孔90の数と貫通孔8の数は同じとなるが、第1突部92Aと第2突部92Bとが交互に配置されるので、第1及び第2突部92,92Bの数は貫通孔8の数の半分となる)。
【0087】
この金属製プレート99は、第10の形態と同様に、例えば、次のようにして簡単に製作することができる。まず、円板状の金属製プレート89の中央部をプレス加工(第1プレス加工)により打ち抜いてリング状に形成する。この第1プレス加工と同時に(又はこの第1プレス加工の後の第2プレス加工において)、円形状に打ち抜いて貫通孔8を形成するとともに、コ字状に打ち抜いて舌状片(突部92A,92Bとなる前の部分)を形成し、その後この舌状片を所要の通りに塑性変形させて突部(第1突部92A,92B)を形成する。
【0088】
具体的には、
図18にて時計方向に見て貫通孔8の下流側に位置する舌状片は、
図19に示すように、金属プレート99(環状基部4J)の片面側に径方向内側に折曲されて第1突部92Aが形成され、かく折曲することにより、第1突部92Aに対応する連通孔90が形成される。また、時計方向に見て貫通孔8の上流側に位置する舌状片は、
図20に示すように、金属プレート99(環状基部4J)の他面側に径方向内側に折曲されて第2突部92Bが形成され、かく折曲することにより、第2突部92Bに対応する連通孔90が形成される。
【0089】
この金属製プレート99からなる環状基部4Jは、第10の形態と略同様の方法でもって加硫成形することにより、環状基部4Jの内周部に弾性シール部(図示せず)を一体的に形成し、シール体を構成することができる。
【0090】
尚、上述した形態では、金属製プレート99の複数の部位を打ち抜いて舌状片とし、これら舌状片を所要の通りに折曲して突部(第1突部92A,第2突部92B)としているが、このような形状に限定されず、例えばE字状、凹凸状などの他の形状に打ち抜いて複数の舌部を有する舌状片を形成し、舌状片の複数の舌部を金属製プレート99(環状基部4J)の片面側又は他面側、或いは両面側にそれぞれ折曲して突部(第1突部92A、第2突部92B)を形成するようにしてもよい。
【0091】
また、上述した実施形態では、金属製プレート99の舌状片を径方向内側に折曲させて突部(第1突部92A,第2突部92B)を形成しているが、これに限定されず、この舌状片を径方向外側に、又は周方向横側に折曲させて突部(第1突部92A,第2突部92B)を形成するようにしてもよい。
【0092】
図21から
図23は、シール体の第12の形態を示している。
図21において、この第12のシール体2Lでは、一枚のリング状の金属プレートからシール体2Lの環状基部4Lが構成される。
図22及び
図23に示すように、環状基部4L全体を合成ゴムによって覆っている。
【0093】
図21において、第12のシール体2Lは、環状基部4Lと、この環状基部4L全体を覆うように設けられた弾性シール部6Lと、環状基部4Lの片面に設けられる第1リング状部材52と、環状基部4Lの他面に設けられる第2リング状部材54とを備え、環状基部4Lには、周方向に間隔をおいて複数(例えば、4個)の貫通孔8が設けられている。
【0094】
第6の形態のシール体2Gと同様に、第1リング状部材52は、環状基部4Lの片面側における弾性シール部6Lの過度の変形を防止する第1突部として機能する。また、第2リング状部材54は、環状基部4Lの他面側における弾性シール部6Lの過度の変形を防止する第2突部として機能する。
【0095】
この形態では、
図21に示すように、第1リング状部材52、第2リング状部材54及び環状基部4Lの全体を覆うように弾性シール部6Lが設けられている。また、弾性シール部6Lの片面(
図21において上面)に、径方向に間隔をおいて一対の第1環状シール突部56が設けられ、またその他面(
図21において下面)に、径方向に間隔をおいて一対の第2環状シール突部58が設けられている。
【0096】
第1環状シール突部56及び第2環状シール突部58が設けられることで、第1部材16と第2部材20の接続結合状態において、第1環状シール突部56及び第2環状シール突部58は第1部材16の第1環状フランジ部18の端面(
図10参照(ガスケット座60))、もしくは、第2部材20の第2環状フランジ部22の端面(
図10参照(ガスケット座62))に当接するため、第1環状シール突部56および第2環状シール突部58に大きな圧力が生じる。そのため、第1環状シール突部56と第1部材16の第1環状フランジ部18の端面(
図10参照(ガスケット座60))、及び、第2環状シール突部58と第2部材20の第2環状フランジ部22の端面(
図10参照(ガスケット座62))はそれぞれ密着性が向上する。また、第1環状シール突部56及び第2環状シール突部58には、大きな変形が生じるため、シール体2Lの組み付け誤差を吸収することができ、密封性及び耐水圧性に優れている。
なお、第1環状シール突部及び第2環状シール突部が設けられるシール体(例えば、
図8、
図9、
図14、及び、
図16に示す実施形態)においても、同様の効果が生じる。
【0097】
シール体2Lの製作は次のようにして行われる。まず、環状基部4Lの片面の所定位置に接着剤や溶接などの固着手段によって第1リング状部材52(第1突部)を固定するとともに、その他面の所定位置に接着剤や溶接などの固着手段によって第2リング状部材54(第2突部)を固定する。そして、固定金型(図示せず)にこの環状基部4L(第1リング状部材52及び第2リング状部材54が固定されたもの)をセットし、固定金型に対して可動金型(図示せず)を移動させて型締めし、成形空間内に例えば合成ゴムを流し込み、このような加硫成形により環状基部4Lの内周部に図示するような弾性シール部6Lを一体的に成形する。
【0098】
第1リング状部材52、第2リング状部材54及び環状基部4Lの全体を弾性シール部6Lによって覆うことで、シール体2Lは防水及び絶縁される。そのため、環状基部4Lが地中を流れる電流による電食や錆によって腐食することを防止できる。ゆえに、環状基部4Lを構成する材料としてステンレスより安価な鉄を用いることができ、コストを低減できる。
また、環状基部4Lを構成する材料としてステンレスを用いることで、万一、弾性シール部6Lが損傷したとしても、錆等を生じる恐れがなく、耐久性の向上につながる。
【0099】
図22及び
図23に示すように、シール体2Lに鍔部140が設けられることで、例えば
図26に示す管部材110と接続管部材104、接続管部材106と管部材114、管部材110と図示しない上流側の管部材、或いは、管部材114と図示しない下流側の管部材などのように、横方向に設置された管路間にシール体2Lを、介在させる際、鍔部140を用いて結合用ボルト28と貫通孔8との微調整が可能となるため、シール体2Lの装着性が向上する。
【0100】
図24から
図25は、シール体の第13の形態を示している。
図24において、この第13のシール体2Mでは、一枚のリング状の金属プレートからシール体の環状基部4Mが構成されるとともに、金属プレートが折曲されて突部150が形成される。
図25(a)に示すように、環状基部4M全体を合成ゴムによって覆っている。
【0101】
図25(a)において、第13のシール体2Mは、環状基部4Mと、この環状基部4M全体を覆うように設けられた弾性シール部6Mと、を備え、環状基部4Mには、周方向に間隔をおいて複数(この形態では、4個)の貫通孔8が設けられている。突部150は、周方向に間隔をおいて複数(この形態では、8個)設けられる。
【0102】
このような環状基部4Mは、例えば、次のようにして製作することができる。すなわち、環状基部4Mの周方向に間隔をおいて4個の貫通孔8を形成する。貫通孔8よりも径方向内側における周方向に間隔をおいて突部150を形成する部分を中心に径方向内側と径方向外側に向けてそれぞれコの字状に環状基部4Mを打ち抜いて舌状片(折曲前の突部150)を形成する。舌状片は、
図25(b)に示すように、その先端部の幅W1がその基端部の幅W2よりも小さい略台形状に形成されている。このように、舌状片を先端の幅が狭い略台形状に打ち抜くことで、プレス加工を施しやすくできる。各舌状片は、塑性変形させる向きが逆になるように、プレス加工によって径方向内側に形成された舌状片を径方向外側に塑性変形させるとともに、径方向外側に形成された舌状片を径方向内側に塑性変形させて突部150に形成される。
【0103】
このように、突部150が環状基部4Mに設けられることで、突部150の径方向内側及び径方向外側にそれぞれ連通孔152が設けられるため、弾性シール部6Mを加硫成形する際に、合成ゴムの一部が連通孔152内に流れ込んで環状基部4Mと一体的になり、これにより、環状基部4Mと弾性シール部6Mとをより強固に一体化することができる。
【0104】
図25(a)に示すように、シール体2Mに鍔部140が設けられることで、例えば
図26に示す管部材110と接続管部材104、接続管部材106と管部材114、管部材110と図示しない上流側の管部材、或いは、管部材114と図示しない下流側の管部材などのように、横方向に設置された管路間にシール体2Mを、介在させる際、鍔部140を用いて結合用ボルト28と貫通孔8との微調整が可能となるため、シール体2Mの装着性が向上する。
【0105】
なお、以上の実施形態において、環状基部をコの字状に打ち抜く際に、
図25(b)に示すように、舌状片の先端の幅が狭くなるように打ち抜くことで、プレス加工を施しやすくできる。
図25(b)に示す実施形態では、舌状片の形状を略台形状としている。また、環状基部の孔あけや打ち抜き加工などにより、バリなどが発生した際には、弾性シール部を損傷する可能性があるので、バリなどを取り除く面取りなどの処理を施すのが好ましい。
【0106】
以上、本発明に従うフランジ結合構造の各種実施形態及びこれに用いるシール体の各種形態について説明したが、本発明はこれらの形態に限定されず、本発明の範囲を逸脱することなく種々の変更乃至修正が可能である。