(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記支持体の底面に接触させて弾性体を設け、無負荷時に前記支持体とシートフレームとを離隔させ、乗員の着座による負荷を受けた際、弾性体のたわみにより前記支持体も下降し始めることを特徴とする請求項1に記載のシートクッション。
前記支持体の下方に弾性体を設け、無負荷時から前記支持体の端部とシートフレームとが接続状態にあり、負荷直後から前記支持体がシートフレームを支点として曲げ変形し始めることを特徴とする請求項1に記載のシートクッション。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来の一般的なシートクッションではクッション材としてウレタンフォームが使用されており、クッション性が極めて高く快適性に優れているため今も尚、多用されている。しかし、該ウレタンフォームはリサイクル性能に劣るという問題があった。さらに、シートクッションは一般的なクッション性の他に、自動車の運動に伴い乗員に加えられる前後左右の加速度に対し、乗員の身体を最適な位置で支える機能も求められる。長時間の乗車時の疲労を軽減するためにも最適な位置で身体を支える必要がある。このため非常に軽量で軟質なウレタンフォームのみでは機能を満足することができず、ある程度の剛性を得るためにはウレタンフォームの密度を一定以上の密度とする必要があり、このため軽量化が進まないという問題があった。
【0007】
特許文献1に記載の技術は、乗員による荷重を支えるネット素材がシートクッション周囲に設置されたシートフレームに引き込まれ強固に固定されており、乗員の着座により加えられた荷重はネット素材を通じ最終的にシートフレームの剛性により支えられていた。従ってシートフレームの構造は一定以上の強度を保たねばならず、このため従来のクッション材に相当するネット素材自体の重量は軽量であるものの、シートフレームの重量は増加傾向にあり全体としての重量軽減効果が十分ではないという問題があった。
【0008】
さらに、ネット素材のクッション性は主に素材の伸びによって得られるため限定されており、長期間の使用によりたるみが発生し商品性に劣る傾向にもあった。またシートフレームに平面的なネット素材を張架する構造であるため、基本的なシートクッションの形状は平面的であり、乗員の身体を最適な位置で支えるために必要な三次元形状を得ることが困難であり、その結果、乗員に不快感を与えるという問題があった。これは自動車の運動によって乗員へ横Gが加えられる際等、不安定なハンモック状のネット素材では乗員の身体を安定して支えることができないからである。
【0009】
次に、特許文献2の技術については、スプリングプレートは外形略矩形の板状発泡体であり該スプリングプレートの乗員が着座する側には横方向に複数の溝が形成されている。しかし、溝部が浅いと柔軟性を与えることができず、溝部が深ければクッション材が撓む際、わずかに残った溝部底部の連結部分へ過大な引っ張り力が集中し大きな伸び変形が発生するため復元不能な永久変形を生じる、あるいは破断する恐れが高かった。溝底部にある連結部分が一部でも破壊されれば支えを一気に失いクッション材全体の見かけ硬さが急激に低下し、クッション材としての機能が大きく損なわれる。従って破壊を回避するためクッション材の撓みを一定以上に設計することが事実上困難であり、十分な着座時のフィット感及び快適性を付与することが困難であった。
【0010】
また、特許文献2の技術は、乗員の体格に応じて、高さの異なるブロックを適宜選択することにより個人的に良好な着座感を得ることができるとの記載があるが、乗員は体重の軽重によって着座する前に自分に適する高さのブロックに変えなければならないという、現実的には実施困難な対応をしなければならないという問題があった。
【0011】
そこで、本発明の目的は、乗員の着座時のフィット感やクッション性に富み、軽量化を実現でき、リサイクル性に富むシートクッションを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明において、合成樹脂発泡体とは、柔軟で曲げ変形が可能であり、かつ復元性に優れたものであり、JIS K7221−2:2006記載の方法(23℃±2℃、相対湿度50±5%の雰囲気下でスキンを取り除いた長さ350mm
、幅100mm、厚さ25mmの試験片を支点間距離300mm、試験速度20±1mm/minで撓みが最大90mmとなるまで荷重を加え、荷重撓み曲線を記録する。)に準じて測定した曲げ撓みが20mm以上、かつ20mm撓み時の荷重が2〜100Nの合成樹脂発泡成形体を指す。具体的には発泡ポリプロピレン、発泡ポリエチレン、その他ポリオレフィン系樹脂発泡体、あるいは改質ポリスチレン系樹脂発泡体などを指す。前記合成樹脂発泡体には、ビーズ発泡成形体が含まれ、ビーズ発泡成形体としては、ポリプロピレン系ビーズ発泡成形体、ポリエチレン系ビーズ発泡体などがあげられる。
【0013】
材料の具体的選定にあたっては、更に長さ400mm程度の棒状又は板状の試験片の両端を支持し、中央を25mm前後押し下げ30分間保持し、その後荷重を解放した直後にサンプルの変形からの回復が90%以上あることが望ましい。あるいは従来のウレタンフォーム製のシートクッションで行なわれていた試験に準じ、両端を支持したサンプルの中央部を所定回数繰り返し押し下げ変形させ、その後に測定された残留歪み(残留変位量ともいう。)が所定量以下であることが望ましい。
【0014】
このような条件を満たす材料として、例えば発泡ポリプロピレンの密度0.06g/cm
3〜0.015g/cm
3、より好ましくは密度0.035g/cm
3〜0.015g/cm
3、または発泡ポリエチレンの密度0.08g/cm
3〜0.03g/cm
3などが好ましい。一方、柔軟性に乏しく曲げ変形により容易に破断の恐れがある硬質発泡ウレタンや発泡ポリスチレンなどは好ましくない。
【0015】
発明者らは軽量化を図るために材料の検討を進めた。連続気泡構造であるウレタンフォームに変わりうる素材の例として、一般に独立気泡構造を持つ合成樹脂発泡体は、従来からシートクッションのクッション材として一般に用いられてきたウレタンフォームに比し、軽量で剛性に富みリサイクルも容易である等の利点を持っていたが、圧縮方向での撓み、復元力をクッションとして使用する場合、内包する空気の反発力により発泡体の変形に伴い反力が急激に高まる傾向にあるため、クッション性に欠け硬く感じられ快適性に劣っていた。
【0016】
また一般に独立気泡構造を持つ合成樹脂発泡体は、ウレタンフォームと同様、圧縮方向に撓ませクッション材として使用する場合、長期間の使用に従い徐々に回復力を失いクリープが発生する。これは気泡を構成する樹脂皮膜の繰り返し変形による疲労と内包する空気の圧力低下によるところが大きい。従って長期間使用される自動車用シートクッションの素材としては好ましいものではなかった。
【0017】
そこで、発明者らは合成樹脂発泡体の物性を様々な角度から分析することにより、従来の一般的なクッション材として使用されてきた圧縮方向に撓ませる構造ではなく、曲げ変形が可能で復元性に優れた合成樹脂発泡体からなる支持体の曲げ変形とその回復性をクッション材として利用する方法が最適であることを見出し本発明に至った。
【0018】
「発明が解決しようとする課題」に記載した課題を解決するために、請求項1に記載のシートクッション1の発明は、シートクッションパッド2を含むシートクッション1であって、前記シートクッションパッド2が、所定の間隔を設け対向させて配設し前記シートクッションパッド2の上縁部周囲に形成された縁状部材10と、JIS K7221−2:2006記載の方法に準じて測定した曲げ撓み量が20mm以上、かつ20mm撓み時の荷重が2〜100Nの合成樹脂発泡体からなる複数の独立した棒状又は板状の支持体3とを備え、前記シートクッションパッド2の形態を、前記縁状部材10間に橋架する方向に一点支持又は複数点支持の形態で、前記縁状部材10に載設、嵌設又は固設し、又は前記縁状部材10と一体成形し、該複数の支持体3を所定の間隔を空けて列設した形態とし、前記支持体3の下方へ該支持体3の曲げ変形が可能である空間部5を有することを特徴とする。
【0019】
請求項2に記載のシートクッション1の発明は、請求項1において、前記支持体3の底面に接触させて弾性体8を設け、無負荷時に前記支持体3とシートフレーム7とを離隔させ、乗員の着座による負荷を受けた際、弾性体8のたわみにより前記支持体3も下降し始めることを特徴とする。
【0020】
請求項3に記載のシートクッション1の発明は、請求項1において、前記支持体3の下方に弾性体8を設け、無負荷時から前記支持体3の端部とシートフレーム7とが接続状態にあり、負荷直後から前記支持体3がシートフレーム7を支点として曲げ変形し始めることを特徴とする。
【0021】
請求項4に記載のシートクッション1の発明は、請求項1乃至3のいずれかにおいて、前記支持体3の形態が、平面視で、直線形状、曲線形状、又は、直線を任意の角度で屈曲させた直線部分の組み合わせからなる屈曲形状であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0022】
請求項1乃至4のいずれかに記載のシートクッション1の発明は、いずれも従来一般的に使用されていたウレタンフォームを合成樹脂発泡体に置換することが可能なものであり、そのため軽量化、リサイクル性の向上が可能となるものである。また、比較的硬質でありクッション性、フィット性、耐クリープ性に劣っていた合成樹脂発泡体を使用するにもかかわらず、高いクッション性、フィット性を付与させることが可能であり、設計の自由度が高く乗員の身体を適切に支持し高い快適性を得ることができ、長期間の使用によっても従来のウレタンフォームと同等の良好な耐クリープ性を発揮するため高い商品性を有するという効果を奏する。
【0023】
さらに、シートクッションパッド2を構成する支持体3と他の部分とを合成樹脂発泡体により一体成形することにより加工コストを引き下げ、軽量化を推進できる。
【0024】
次に、請求項2に記載のシートクッション1の発明には、乗員が着座時に、支持体3全体が前記シートフレーム7に当接することなく弾性体8の弾性伸長又は弾性縮小により下降して生ずる弾性体8の上方向の反力と、乗員の体重とが釣合う第1の形態、及び、乗員が着座時に、支持体3全体が弾性体8の弾性伸長又は弾性縮小により下降し、前記支持体3の端部が前記シートフレーム7の上部に当接した後は両端支持状態で支持体3が下方に曲げ変形して生ずる上方向の反力及び弾性体8の上方向の反力と、乗員の体重とが釣合う第2の形態がある。
【0025】
第1の形態の場合には、乗員が着座すると同時に、合成樹脂発泡体からなり座面となる支持体3全体をシートフレーム7に当接させないで、支持体3を支える弾性体8による弾性体8の弾性伸長又は弾性縮小によって弾性体8の一定の反力を伴う支持体3全体の下降が始まることから、着座時から良好な着座感を得ることができる。そして、支持体3は下降しながら当接する弾性体8を支点とした曲げ変形をすることから、乗員は柔軟な印象を持ち快適な着座感を感じることができる。
【0026】
次に、第2の形態の場合には、乗員が着座すると同時に、合成樹脂発泡体からなり座面となる支持体3を第1の段階においてはシートフレーム7に当接させないで、支持体3を支える弾性体8を支点とした曲げ変形及び前記弾性体8の弾性伸長又は弾性縮小によって弾性体8の一定の反力を伴う支持体3全体の下降が始まることから、着座時から良好な着座感を得ることができる。そして、支持体3の端部がシートフレーム7に当接した第2の段階においては、前記シートフレーム7を支点とした両端支持の曲げ変形を生じさせて、支持体3の上方向の反力及び弾性体8の上方向の反力によって乗員の体重に応じたクッション性を発揮することができ、乗員は座面が十分に柔軟であるとの印象を受け、快適なクッション性を感じることができる。
【0027】
また、第1又は第2の形態のいずれにおいても、支持体3を支える弾性体8に乗員の体重がかかり荷重が弾性体8と支持体3に分散するので、合成樹脂発泡体である支持体3にかかる荷重を減じることができることから、乗員の着座による荷重を受けた際、支持体3は曲げ変形しクッション性を発揮するものの、その変形範囲は弾性域内に留めることができ、かつ弾性体8の下降が加わることから、乗員は座面が十分に柔軟であるとの印象を受け好ましい着座感を得ることができる。
【0028】
次に、請求項3に記載のシートクッション1の発明は、前記支持体3の下方、すなわち、支持体3の底面に接触させて又は支持体3の下方で離隔させて弾性体8を設け、前記支持体3の端部とシートフレーム7とが接続状態にある形態である。この形態の場合、負荷直後から前記支持体3がシートフレーム7を支点として曲げ変形し始める。無負荷時に、弾性体8を支持体3から離隔させた形態を第3の形態とし、弾性体8を支持体3に接触させた形態を第4の形態とする。
【0029】
第3の形態の場合には、着座者による押圧を受けた支持体3が下方へ曲げ変形を起し、一定以上の大きさの変形になった以降は、支持体3の下方が弾性体8に当接し、該当接以降は支持体3の曲げ変形による上方向の反力と、弾性体8の張力による上方向の反力によって支持力を高めることができるため、必要以上に身体が沈み込むのを抑制することができ、着座者の身体を適切な位置で支えることができる。
【0030】
第4の形態の場合には、着座者による押圧を受けた支持体3及び弾性体8が同時に下方へ曲げ変形を起し、支持体3の曲げ変形による反力と、弾性体8の張力によって支持力を高めることができるため、乗員の体重が大きい場合に身体が沈み込むのを抑制することができ、体重の重い乗員の身体を適切な位置で支えることができる。
【0031】
また、請求項4に記載のシートクッション1の発明は、小型のシートクッションで支持体3の両端間の距離が十分に確保できず、乗員の身体による荷重で十分な撓みを得ることができない場合、支持体3を直線形状ではなく円弧形状、又は直線を任意の角度で屈曲させた直線部分の組み合わせからなる屈曲形状に形成することで曲げ変形を受ける際の実質的な支持体3の両端間の距離を大きくすることができ十分な撓みを得られるようにできるので、設計の自由度を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【
図2】
図1におけるB−B断面概要説明図で、(a)が底面部を有するシートクッションパッドにおける、支持体が上縁部周囲を形成する縁状部材と分離した形態の概要説明図で、(b)が底面部を有さないシートクッションパッドにおける、支持体が上縁部周囲を形成する縁状部材と分離した形態の概要説明図である。
【
図3】
図1におけるB−B断面概要説明図で、(a)が底面部を有するシートクッションパッドにおける、支持体が上縁部周囲を形成する縁状部材と一体化した形態の概要説明図で、(b)が底面部を有さないシートクッションパッドにおける、支持体が上縁部周囲を形成する縁状部材と一体化した形態の概要説明図である。
【
図4】
図1におけるA−A断面概要説明図で、(a)が底面部を有するシートクッションパッドにおける支持体の概要説明図で、(b)が底面部を有さないシートクッションパッドにおける支持体の概要説明図である。
【
図5】支持体の形状を示す説明図で、(a)は円弧形状の支持体の概要図で、(b)は直線を任意の角度で屈曲させた直線部分の組み合わせからなる屈曲形状の支持体の概要図である。
【
図6】
図1におけるA−A断面概要説明図で、底面部を有するシートクッションパッドにおける支持体の断面概要説明図である。
【
図7】
図1におけるA−A断面概要説明図で、底面部を有するシートクッションパッドにおける支持体の底面に突起部分を突設した1形態を示す断面概要説明図である。
【
図8】
図1におけるA−A断面概要説明図で、底面部を有するシートクッションパッドにおける支持体の底面の対向面に突起部分を突設した1形態を示す断面概要説明図である。
【
図9】JIS K7171、又は、ISO178に規格された曲げ試験方法を示す図で、(a)が無負荷時、(b)が55kg荷重時の図である。
【
図10】請求項2に記載の無負荷時の形態の説明図で、(a)が弾性体が張架されている形態で、(b)が弾性体がシートフレーム等に設けられた形態の説明図である。
【
図11】請求項3に記載の無負荷時の形態の説明図で、(a)が弾性体が張架され支持体と接触している形態で、(b)が弾性体が張架され支持体とは接触していない形態で、(c)は弾性体がシートフレーム等に設けられ支持体と接触している形態で、(d)は弾性体がシートフレーム等に設けられ支持体と接触していない形態の説明図である。
【
図12】本発明の第2の形態の車両用シートクッションのA−A断面図で、無負荷時の断面説明図である。
【
図13】本発明の第2の形態の車両用シートクッションのA−A断面図で、荷重がかかりシートクッションパッドがシートフレーム7に当接したときの断面概要図である。
【
図14】本発明の第2の形態の車両用シートクッションのA−A断面図で、荷重がかかりシートクッションパッドが曲げ変形中の断面概要図である。
【
図15】本発明の第2の形態でシートフレーム7の上に介挿物を設けた車両用シートクッションのA−A断面図で、無負荷時の断面説明図である。
【
図16】本発明の第2の形態でシートフレーム7の上に弾接体を設けた車両用シートクッションのA−A断面図で、無負荷時の断面説明図である。
【
図17】本発明の第2の形態でシートフレーム7の上に弾接体を設けた車両用シートクッションのA−A断面図で、荷重がかかりシートクッションパッドがシートフレーム7に当接したときの断面概要図である。
【
図18】本発明の第2の形態でシートフレーム7の上に弾接体を設けた車両用シートクッションのA−A断面図で、荷重がかかりシートクッションパッドが曲げ変形中の断面概要図である。
【
図19】本発明の第1の形態の車両用シートクッションのA−A断面図で、無負荷時の断面説明図である。
【
図20】本発明の第1の形態の車両用シートクッションのA−A断面図で、荷重がかかりシートクッションパッドが下降中の断面概要図である。
【
図21】弾性体を用いない形態の場合のA−A断面におけるシートクッションパッドの変形の説明図であって、(a)が無負荷時の状態を示し、(b)が荷重負荷時の状態を示した図である。
【
図22】乗員による荷重をかけたときのシートクッションパッドの荷重と変位との関係を説明する図であって、(a)が第2の形態の場合、(b)が第2の形態であってシートフレーム7の上に弾接体を設けた場合、(c)が第1の形態の場合、(d)がシートクッションパッドを弾性体で支持せずシートフレーム7で支持した場合を示す図である。
【
図23】本発明の車両用シートクッションの弾性体の装着タイプの例を示した図であり、(a)が第2の形態であって弾性体が座面の裏面に設けられた形態、(b)が第2の形態であって弾性体がシートクッションパッドの横方向側に設けられた形態、(c)が第2の形態であって弾性体がシートクッションパッドの表面側である座面側に設けられた形態、(d)が第1の形態であって弾性体がシートクッションパッドの脚部の下面に設けられた形態を示す説明図である。
【
図24】弾性体を張架したシートフレームの概要斜視図である。
【
図25】
図1におけるA−A断面概要説明図で、底面部を有さないシートクッションパッドで、弾性体を張架した形態の断面概要説明図である。
【
図26】弾性体の種類の説明図で、(a)がワイヤーフォームドスクリーン、(b)がSばね、(c)がコイルばね、(d)が金属板ばね、(e)がねじりコイルばね、(f)が樹脂体を示す図である。
【
図28】背形加圧治具の概要図で、(a)は平面図で、(b)は正面図で、(c)は側面図である。
【
図29】繰り返し荷重による残留変位量線図である。
【
図30】シートクッション形状での荷重―変位量線図である。
【
図31】発泡体と無発泡体とのJIS K7221−2による曲げ試験の比較図である。
【
図32】請求項3に記載の構造における圧縮―変位量線図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、本発明にかかるシートクッション1の実施形態について説明する。
【0034】
本発明にかかるシートクッション1は、シートクッションパッド2を含むシートクッション1であって、前記シートクッションパッド2が、所定の間隔を設け対向させて配設し前記シートクッションパッド2の上縁部周囲に形成された縁状部材10と、JIS K7221−2:2006記載の方法に準じて測定した曲げ撓み量が20mm以上、かつ20mm撓み時の荷重が2〜100Nの合成樹脂発泡体からなる複数の独立した棒状又は板状の支持体3とを備え、前記シートクッションパッド2の形態を、前記縁状部材10間に橋架する方向に一点支持又は複数点支持の形態で、前記縁状部材10に載設、嵌設又は固設し、又は前記縁状部材10と一体成形し、該複数の支持体3を所定の間隔を空けて列設した形態とし、前記支持体3の下方へ該支持体3の曲げ変形が可能である空間部5を有する。そして、体重55kgの乗員が着座したときに、前記体重の負荷により前記支持体3に生じる曲げ歪みが5%以内とすることもできる。
【0035】
図1乃至
図3に示すように、シートクッションパッド2の上縁部周囲を形成する縁状部材10に支持体3を固設又は一体成形させており、支持体3はシートクッションパッド2の構成要素に含まれ、シートクッションパッド2の座面を形成する。ここで、縁状部材10は、シートクッションパッド2の上縁部の全周縁部に形成されてもいいし、対向する縁部に形成されてもよい。
【0036】
また、シートクッションパッド2は、座面となる支持体3、側面部17と下方を構成する底面部16とを含む部位から構成され、座面となる支持体3、側面部17とを含む部位から構成され、又は、座面となる支持体3のみから構成される。支持体3間には、
図4に示すように、空隙4が形成される。また、支持体3の下方には空間部5が形成される。シートクッションパッド2が座面となる支持体3のみから構成される形態の場合は前記支持体3がシートフレーム7に載設される。
【0037】
そして、シートクッション1は、
図1に示すように、少なくともシートクッションパッド2の外周面を表皮21で被覆されている。
【0038】
次に、支持体3の取付形態について説明する。
図1における表皮一部取り除き範囲30内に示すように支持体3は配設される。
図2に示すように、シートクッションパッド2が支持体3と他の部位とに分離された場合には、該支持体3はシートクッションパッド2の上縁部周囲を形成する縁状部材10の対向する一方側に一点支持で固設され、又は前記上縁部周囲を形成する縁状部材10の両側に複数点支持で固設される。また、
図3に示すようにシートクッションパッド2が支持体3と他の部位とに分離されないで一体成形された場合には、該支持体3は一点支持又は複数点支持の形態でシートクッションパッド2の上縁部周囲を形成する縁状部材10と一体成形される。支持体3が固設された側の周縁部の下方にはシートフレーム7又はワイヤー9を配置し固設側の周縁部に該支持体3の撓み時の支点となるように剛性を与えることが好ましい。
【0039】
また、各支持体3は、それぞれ隣同士の支持体3の接触によって影響を受けないように、かつそれぞれの支持体3が単独でそれぞれ異なる曲げ変形を行なえるように、互いに所定の間隔を設けてそれぞれ独立させた状態で列設される。
【0040】
個々の支持体3は空隙4によってそれぞれ他の支持体3の影響を受けないように独立しているため、個々の支持体3に全く異なる曲げ特性を与えることも容易であり、設計自由度が高まるためシートクッションに高いクッション性やフィット感を付与し、より快適性を確保することができる。このことから、シートクッションに乗員により荷重が加えられる際、身体が当接するそれぞれの支持体3の部位には、体圧分布による荷重の程度、あるいは望ましい身体の保持位置を得るため、それぞれに好ましい撓み量を与えることができる。
【0041】
引用文献2に記載したシートクッション構造では、一定以上の撓み量を得ること、部位毎に異なる望ましいクッション性や撓み量を得ること、さらには車両の運動により乗員の身体に加速度が加わる際でも身体を望ましい位置に保つための追随性を与えることが困難であったが、本発明のシートクッション構造では柔軟な各支持体3が独立し動作できるため、これらの問題を容易に解決することができる。
【0042】
次に、各支持体3間に設けられる空隙4について説明する。該空隙4は幅2mm以上15mm以下が好ましく、一つの空隙4の幅は均一でもよいし、部位によって部分的に可変させてもよい。空隙4の幅が上記範囲内であれば各支持体3が乗員の身体による荷重を受け曲げ変形を起こす際、隣合せに配設された支持体3が相互に摩擦により起こる低級音の発生や曲げ変形の阻害を抑制し、また着座時の支持体3と空隙4との凹凸感覚を更に抑制することができる。
【0043】
また、
図6乃至
図8に示すように、空隙4の幅(各支持体3間の間隔)はシートクッション表面側が狭く、下方で広く設計することが好ましい。車両の前後左右の運動により乗員へ加速度が加わり、支持体3がこれに追随して三次元的に複雑に変形する際、相互に接触することを防ぐことができるからである。
【0044】
次に、支持体3について説明する。支持体3の形態は、平面視で、水平、垂直、又は斜めを含む360°の内のいずれかの方向に、直線形状、曲線形状、又は、直線を任意の角度で屈曲させた直線部分の組み合わせからなる屈曲形状であればよい。シートクッション1の幅(前後方向)が十分広い場合には支持体3の形態は直線状であっても支持体3の曲げ撓み(乗員の押圧の大きさに対応して曲げ撓み可能な限度を意味する。)を大きくすることができるが、シートクッション1の幅が狭い場合には支持体3の曲げ撓みを大きくすることができにくい。そこで、シートクッション1の幅(前後方向)にはシートクッション1の設計上からの制限があるため支持体3に満足なスパンを確保することが困難な場合で、支持体3の曲げ撓みをより大きくする必要がある場合には、
図5(a)又は(b)に示すように、支持体3の形状を平面視で円弧形状、あるいは直線を任意の角度で屈曲させた直線部分の組み合わせからなる屈曲形状に変形させることにより、実質的な曲げを受ける支持体3としての長さを増やし効果的に必要な撓みを得ることができる。
【0045】
次に、支持体3の断面形状は、矩形、丸棒又は楕円等、任意の形状とすることができる。なお、曲げ変形時に応力が集中するのを避けるため角部には鋭角部分を有していない形状のものが好ましい。
【0046】
個々の支持体3の大きさ、すなわち幅、厚さ、長さ及び形状は使用する合成樹脂発泡体の剛性、想定される乗員の身体各部の形状、シートポジションなどによって決定される最適なクッション性や撓み量によって設計される。具体的な大きさは、支持体3の上下方向の幅は12mm以上200mm以下が好ましい。前後方向の厚みは10mm以上60mm以下が好ましい。支持体3の幅は小であるほど身体形状への追従性が高まるが、上記範囲内であることが、支持体3の耐久性とクッション性やフィット感とのバランスの観点から好ましい。また支持体3の長さは想定される乗員の身体の大きさ、シートの大きさ又は支持体3の支持形態等によって任意に定められる。
【0047】
そして、支持体3は、体重55kgの乗員が着座したときに、前記荷重により前記支持体3に生じる曲げ歪みが5%以内となるように支持体3の形態を設定することもできる。乗員の体重を55kgと設定したのは、JIS D0001−2001に規定された車両総重量算出に使用する乗員一人あたりの体重が55kgであることによる。
【0048】
シートクッション1は長期間に亘る繰り返し荷重に対して十分な耐久復元性が要求される。一般に樹脂材料に限らず金属材料等を含む固体材料では、荷重により生じる変形が弾性域以内であれば除荷後は変形が残らず元の形態に戻る。弾性域は軟鋼のような材料では応力-ひずみ線図に明確な降伏点が現れ、降伏点以前のひずみに応じて応力が直線的に上昇する部分を明確に弾性域として定義できる。しかし樹脂には明確な降伏点がなく材料は加えられた荷重により徐々に塑性変形へ移行する。特に合成樹脂発泡体は軟質であるため正確な測定が容易ではなく正確な弾性域の規定が困難である。
【0049】
そこで、発明者らは、一般成人の体重として文部科学省の調査による20歳から24歳の日本人女性の平均体重が50.76kgであること、またJIS D0001−2001に規定された車両総重量算出に使用する乗員一人あたりの体重が55kgであることを踏まえ、シートクッション設計時の乗員の体重を55kgとした場合、シートクッション1に求められる繰り返し使用後の残留歪みを商品性を保つことができる範囲内に留めるため、試作を繰り返し、条件を探索した。その結果、支持体3に荷重が負荷された際に生じる曲げ歪みをJIS K7171、又は、ISO178に規定された方法で測定される曲げ歪みの値を5%以内に留める必要があるとの結論に達した。したがって、支持体3に生じる曲げ歪みが5%以内にすれば、長期間に亘る繰り返し荷重に対して本発明によるシートクッション1はさらに耐久復元性を満足するという効果を奏する。
【0050】
曲げ歪みを5%以内とすることを説明する。前記曲げ歪みは、硬質又は半硬質プラスチックの曲げ試験方法の規格であるJIS K7171、又は、ISO178により求めることができる。まず、荷重55kgのダミーを試験体であるシートクッションの正常位置に着座させ、シートクッション各部に負荷される荷重を測定する。この結果をもとに相応する各部位の支持体に加わる荷重を求める。その後、相応する部分と等しい形状や支持形態とした実験用サンプルに、前記求めた荷重を負荷させて生じるたわみ量を測定し、支持体の支点距離、支持体の厚みとともに、JIS K7171に規定された計算式(式1)に代入し、曲げ歪みを求める。模式化した曲げ試験方法を
図9に示す。
図9(a)が無負荷時で、(b)が荷重55kgの負荷時でsmmたわみが生じたことを示している。そして、曲げ歪みは以下の関係式(式1)から算出される。
【0051】
曲げ歪みε(%)=600sh/L
2 (式1)
なお、s:たわみ(mm)、h:試験片(支持体3)の厚み(mm)、L:支点間距離(支持体を支える支点間距離)(mm)である。前記支点として支持体3と、支持体3を両端で支える脚体6又はシートフレーム7との接点部が該当する。
【0052】
したがって、体重55kgの乗員が着座したときの支持体3のたわみ(s)を測定し、支持体3を支える左右端の間の距離(L)と支持体3の厚み(h)を測定すれば、体重55kgの乗員が着座したときに、前記荷重により前記支持体3に生じる曲げ歪みを求めることができる。
【0053】
そこで、長期間に亘る繰り返し荷重に対して耐久復元性を満足させることができるための要件を、繰り返し使用後の残留歪みから求めた。その結果、シートクッション1に求められる繰り返し使用後の残留歪みを商品性を保つことができる範囲内に留めるため、試作を繰り返し、条件を探索した。その結果、支持体3に荷重が負荷された際に生じる曲げ歪みをJIS K7171、又は、ISO178に規定された方法で測定される曲げ歪みの値を5%以内に留める必要があるとの結論に達した。前記曲げ歪みを5%以内にするために、支持体3の材質、形態、断面形状及び大きさの組み合わせを検討し設定する。前記曲げ歪みを5%超になるように支持体3の構造を設定すると、少数回数の荷重に対しては耐えられるが、長期間に亘る繰り返し荷重に対して支持体の形態が復元しなくなって満足なクッション性を得ることができなる。
【0054】
体重55kgの乗員が着座したときの支持体3のたわみを5%以内に留めることによって、長期間に亘る繰り返し荷重に対して耐久復元性を満足させることができるという効果を奏する。
【0055】
次に、弾性体8について説明する。弾性体8は、合成樹脂発泡体からなるシートクッションパッド2の座面を構成する支持体3を上下動させるように設けられ、例えば、
図23(a)に示すように支持体3(シートクッションパッド2)の裏面側に当接させて設けられ、
図23(b)に示すように支持体3(シートクッションパッド2)の左右端部に横方向で設けられ、
図23(c)に示すように支持体3(シートクッションパッド2)の上側に設けられ、又は、
図23(d)に示すように支持体3(シートクッションパッド2)の脚体の下面とシートフレーム75の上面との間に設けられるなどの形態がある。いずれの形態であっても乗員が着座する際、座面が柔軟であるとの印象を持つために必要な一定の反力を伴うシートクッションパッド2(支持体3)の下降を生じせしめ、かつシートクッションパッド2に、その弾性域以上の曲げ変形を生じさせない形態であればよい。
【0056】
弾性体8は、
図24又は
図26に示すように、十分な復元力を有するものであればよく、ポリエステル等の合成繊維を高密度に紡織したベルト状のもの(
図24)、ワイヤーフォームドスクリーン(
図26(a))、Sばね(
図26(b))、コイルばね(
図26(c))、金属板ばね(
図26(d))、ねじりコイルばね(
図26(e))、ゴム、ウレタン等の弾性を有する樹脂体(
図26(f))などがあるがいずれでもよい。
図10における張架される形態の弾性体8は、例えばベルト状のもの、ワイヤーフォームドスクリーン及びSばね等が該当し、支持体3の対向面に設置された形態弾性体8は、例えばコイルばね、ねじりコイルばね等が該当する。
【0057】
支持体3、弾性体8及びシートフレーム7の位置関係において、第一に、
図10に示すように、無負荷時において弾性体8により支持体3とシートフレーム7とを離隔させる形態と、第二に、
図11に示すように、無負荷時において弾性体8の配設位置に関係なく支持体3とシートフレーム7とを接続させる形態とがある。
【0058】
図10に示すように、負荷時において弾性体8により支持体3とシートフレーム7とを離隔させる形態の場合には、負荷直後では前記支持体3全体が下降し始める構造とする。この場合の弾性体3の形態は、
図10(a)に示すように張架された形態、又は
図10(b)に示すように支持体3の対向面に設置された形態がある。
【0059】
請求項2に記載した構成が
図10に示す構造に該当し、支持体3が前記シートフレーム7に当接することなく弾性体8の弾性伸長又は弾性縮小により下降して生ずる、弾性体8の上方向の反力とが釣合う第1の形態、及び、支持体3が弾性体8の弾性伸長又は弾性縮小により下降し、前記シートフレーム7の上部に当接した後は両端支持状態で支持体3が下方に曲げ変形して生ずる上方向の反力及び弾性体8の上方向の反力とが釣合う第2の形態がある。
【0060】
ここで、比較例として、支持体3(シートクッションパッド2)の下方に弾性体8を設けず、支持体3(シートクションパッド2)をシートフレーム7で支持した両端支持梁状にしたことによって下方に曲げ変形させてクッション性を有する形態について説明する。
【0061】
図21(a)に示すように、シートフレーム7で支持した両端支持梁状で
図21(b)に示すように支持体3を曲げ変形させた場合には、
図22(d)に示すように支持体3の曲げ変形によって下方に曲がる変位量は荷重の重さに比例して線sに示すように変化し、剛性を有する支持体3でありながら乗員にはクッション性を感じさせることができる。
【0062】
しかしながら、乗員は着座した瞬間に座面の沈み込みを感じた方がより高いクッション性を感じる傾向があるのに対して、座面の沈み込みを生じさせにくかった。また、合成樹脂発泡体は弾性域が狭い傾向にあるので、体重の重い乗員が多数回着座すると弾性域を外れた変形を生じ回復ができず変形が蓄積される懸念があった。
【0063】
そこで、乗員が着座した瞬間に沈み込みを体感できるようにするため、無負荷時には、支持体3(シートクッションパッド2)が上方向の付勢状態で、支持する弾性体8によりシートフレーム7と上下方向で離隔された状態で維持され、乗員による負荷当初には、前記負荷による下方向の力に対して、支持体3(シートクッションパッド2)が前記シートフレーム7に当接することなく弾性体8の弾性伸長又は弾性縮小により下降しながら弾性体8の上方向の反力を生じさせる形態とした。
【0064】
前記形態とすることによって、乗員は着座した瞬間に沈み込むような快適なクッション性を感じることができるようになった。
【0065】
そこで、乗員が着座したときの支持体3(シートクッションパッド2)の変化の形態は、第1の形態として、乗員の負荷による下方向の力と、シートクッションパッド2がシートフレーム7に当接することなく弾性体8の弾性伸長又は弾性縮小により下降して生ずる弾性体8の上方向の反力とが釣合う形態がある。
【0066】
第1の形態の場合は、
図19に示すように、無負荷時には、支持体3(シートクッションパッド2)が上方向の付勢状態で支持する弾性体8によりシートフレーム7とは当接しない状態で維持され、乗員の体重が負荷されたときには、
図20に示すように、支持体3(シートクッションパッド2)は、沈み込みを開始し、弾性体8を支点とした曲げ変形をしながら乗員の負荷による下方向の力と釣合う反力に到達するまで沈み込む。
図20において、無負荷時のシートクッションパッド2(支持体3)の表面の位置hが沈み込みによって沈み込み量jになったことを示している。
【0067】
また、
図22(c)に示すように、弾性体8の弾性伸長又は弾性縮小によりシートクッションパッド2(支持体3)が下方に沈み込む変位量は荷重の重さに比例して線rに示すような変化をする。この変化によって乗員は着座した瞬間から沈み込みが停止するまでの間において座面の沈み込みを感じて高いクッション性を感じることができる。
【0068】
次に、乗員が着座したときのシートクッションパッド2(支持体3)の変化の形態のうちの第2の形態として、乗員の負荷による下方向の力と、シートクッションパッド2が弾性体8の弾性伸長又は弾性縮小により下降し、前記シートフレーム7の上部に当接した後は両端支持状態でシートクッションパッド2(支持体3)が下方に曲げ変形して生ずる上方向の反力及び弾性体8の上方向の反力とが釣合う形態がある。
【0069】
第2の形態の場合は、
図12に示すように、無負荷時には、シートクッションパッド2(支持体3)が上方向の付勢状態で支持する弾性体8によりシートフレーム7とは当接しない状態で維持され、乗員の体重が負荷されたときには、
図13に示すように、シートクッションパッド2(支持体3)が沈み込みを開始し、弾性体8を支点とした曲げ変形をしながら沈み込んでいってシートフレーム7に当接し、その後、
図14に示すようにシートクッションパッド2(支持体3)は左右のシートフレーム7を支点とした両端持ち張り構造となり、シートクッションパッド2(支持体3)は両端を支点とした曲げ変形する。
【0070】
また、第2の形態には、
図15に示すように前記シートフレーム7の前記シートクッションパッド2との当接部分に、こすれ音防止の目的で不織布等の介挿物11を挟み込む形態も含まれる。前記シートフレーム7と前記シートクッションパッド2とが直接に接しない形態であるが、前記介挿物11は弾性体ではないので、シートクッションパッド2が左右の介挿物11に当接すると同時にシートクッションパッド2が左右のシートフレーム7を支点とした両端持ち張り構造となり、シートクッションパッド2が両端を支点とした曲げ変形をする。
【0071】
そして、
図22(a)に示すように、弾性体8の弾性伸長又は弾性縮小によりシートクッションパッド2が下方に沈み込む変位量は荷重の重さに比例して線mの推移のように変化した後、シートクッションパッド2がシートフレーム7に当接した時点kからは、シートクッションパッド2の両端支持梁状の曲げ変形によって線nに示すような変化をする。この変化によって、乗員は着座当初は主に沈み込むような快適なクッション性を感じることができ、その後にはソフトタッチで着地した感じの快適なクッション性を感じることができる。
【0072】
また、第2の形態の場合には、
図16乃至
図18に示すように、シートフレーム7の上に弾接体12を設けた形態もある。この形態の場合は、無負荷時には、
図16に示すようにシートクッションパッド2が上方向の付勢状態で支持する弾性体8によりシートフレーム7及び弾接体12とは当接しない状態で維持され、乗員の体重が負荷されたときには、
図17に示すようにシートクッションパッド2が沈み込みを開始し、弾性体8を支点とした曲げ変形をしながら沈み込んでいってシートフレーム7の上部に設けた弾接体12に当接し、その後は
図18に示すように前記弾接体12が圧縮変形し、その後シートクッションパッド2は左右のシートフレーム7を支点とした両端持ち張り構造となり、シートクッションパッド2は両端を支点とした曲げ変形する。なお、本発明において、「シートフレーム7の上部に当接し」の記載は、シートクッションパッド2がシートフレーム7に当接する場合、又は、シートクッションパッド2がシートフレーム7の上部の弾接体12に当接する場合も含む。
【0073】
前記弾接体12の材質は、前記シートクッションパッド2が下降して当接し負荷がかかったら弾性限界内で圧縮変形し、前記シートクッションパッド2が上昇し離れて分離し無負荷になったら十分な復元力を有する金属板ばね、金属線状ばね、Sばね、コイルばね、ゴム、弾性を有する樹脂体などがあるがいずれでもよい。
【0074】
そして、
図22(b)に示すように、弾性体8の弾性伸長又は弾性縮小によりシートクッションパッド2が下方に沈み込む変位量は荷重の重さに比例して線mの推移のように変化した後、シートクッションパッド2がシートフレーム7の上部の弾接体12に当接した時点kからは、弾接体12の圧縮変形によって線qに示すような変化をし、前記弾接体12の圧縮後は、シートクッションパッド2の両端支持梁状の曲げ変形によって線nに示すような変化をする。線mと線nとの接続点が線qによって滑らかな屈曲になることから、乗員は着座時にまず一定の反力を伴った座面の下降が生ずることによって車両用シートクッション2が十分に柔軟であるとの印象を受け、その後、シートクッションパッド2の曲げ変形による変位が滑らかに加わって身体が支えられるため、極めて快適な着座感を得ることができる。
【0075】
また、第1又は第2の形態のいずれにおいても、乗員の体重は剛性を有するシートクッションパッド2のみならず弾性体8にもかかるので、シートクッションパッド2にかかる荷重を減じることができることから、剛性を有するために弾性域が狭いシートクッションパッド2を乗員の体重の重さにかかわらず弾性域内で使用することができる。
【0076】
次に、支持体3の下方に弾性体8を設け、無負荷時から前記支持体3の端部とシートフレーム7とが接続状態にあり、負荷直後から前記支持体3がシートフレーム7を支点として曲げ変形し始める形態(請求項3に記載の発明)について説明する。
【0077】
この形態の場合には、無負荷状態において、
図11(a)に示すように支持体3とシートフレーム7とは接し、張架された弾性体8が支持体3の底面に接触している形態、
図11(b)に示すように支持体3とシートフレーム7とは接し、張架された弾性体8が支持体3とは離隔している形態、
図11(c)に示すように支持体3とシートフレーム7とは接し、支持体3の対向面に設置された弾性体8が支持体3の底面に接触している形態、
図11(d)に示すように支持体3とシートフレーム7とは接し、支持体3の対向面に設置された弾性体8が支持体3とは離隔している形態がある。
図11(b)及び(d)に示すように無負荷時に、弾性体8を支持体3から離隔させた形態を第3の形態とし、
図11(a)及び(c)に示すように無負荷時に、弾性体8を支持体3に接触させた形態を第4の形態とする。
【0078】
第3の形態の場合には、着座者による押圧を受けた支持体3が下方へ曲げ変形を起し、一定以上の大きさの変形になった以降は、支持体3の下方が弾性体8に当接し、該当接以降は支持体3の曲げ変形による上方向の反力と、弾性体8の張力による上方向の反力によって支持力を高めることができるため、必要以上に身体が沈み込むのを抑制することができ、着座者の身体を適切な位置で支えることができる。
【0079】
第4の形態の場合には、着座者による押圧を受けた支持体3及び弾性体8が同時に下方へ曲げ変形を起し、支持体3の曲げ変形による反力と、弾性体8の張力によって支持力を高めることができるため、乗員の体重が大きい場合に身体が沈み込むのを抑制することができ、体重の重い乗員の身体を適切な位置で支えることができる。
【0080】
図25は、シートフレーム7に張架されたベルト状の弾性体8が支持体3とは無負荷状態のときには離隔している形態の例である。乗員の着座による押圧を受けた支持体3が下方へ曲げ変形を起こすが、一定以上の曲げ変形となった以降は、支持体3の下方がシートフレーム7に張架された弾性体8に当接し必要以上の身体の沈み込みを抑制するとともに、該当接以降は支持体3の曲げ変形による反力と、弾性体8の張力によって着座者の身体を支える。
【0081】
これにより、乗員の身体の大きさが大きく異なる場合にもそれぞれに適するクッション性を有することができる。
【0082】
次に、
図7に示すように、シートクッション1においてシートクッションパッド2の左右の側面部17間に略水平方向に介設された棒状又は板状の支持体3の底面に突設された突起部分18、又は
図8に示すように、シートクッションパッド2の支持体3の底面の対向面上に空間部5側に突設された突起部分18について説明する。
【0083】
突起部分18の形状は、先端部が尖った鋭利な形状、先端部に丸みを有した丸み形状、又は先端部が先細りし平面部を有する先端鈍角形状平面状などがある。
【0084】
乗員の荷重により支持体3が曲げ変形し、突起部分18が対向する側にある支持体3などに当接した後は、突起部分18と支持体3とが共に乗員の体重を支持することによって必要以上に身体が沈み込むのを抑制することができる。突起部分18が圧縮変形を起こし、段階的にシートクッションの硬度を高めることができるため、より確実に着座者の身体を支持することができる。
【0085】
より好ましくは、該突起部分18は先端鋭角形状を有し、これにより突起部分18と底面部16が当接した以降生ずる反力の急激な上昇を緩和させるので乗員が底突き感を感じることを減ずることができる。
【0086】
図32は、支持体3の下方で離隔した位置にベルト状の弾性体8を設け、無負荷時から前記支持体3の端部とシートフレーム7とが接続状態にあり、負荷直後から前記支持体3がシートフレーム7を支点として曲げ変形し始める請求項3に記載した発明の構造を有する試験体を実際に試験機で押圧した例を示す。シートクッションの表面を直径100mmの半球形の治具で100mm/minの速度で30mmまで押圧した際に発生した反力を示す。最下線Vは弾性体8であるベルトのみを押圧した際の反力、中央の線Eは合成樹脂発泡体からなる支持体3のみを押圧した場合の反力、最上線Gは本発明による構造を持った試験体を押圧した際の反力を示している。
【0087】
請求項3に記載の発明による構造を持った試験体は、合成樹脂発泡体からなる支持体3の下方15mmの位置に弾性体8であるベルトを設けてあるため、合成樹脂発泡体からなる支持体3単体と、本発明の構造による試験体は試験用治具で15mm押圧するまでは全く同じ反力を発生するが、その後、合成樹脂発泡体からなる支持体3がベルト状の弾性体8に当接し、以降は合成樹脂発泡体からなる支持体3とベルト状の弾性体8がそれぞれ発生する反力が合わさり、段階的に剛性が高まることを示している。
【0088】
次に、合成樹脂発泡体について説明する。本発明における合成樹脂発泡体は、柔軟で曲げ変形が可能であり、かつ復元性に優れたものであり、JIS K7221−2:2006記載の方法(23℃±2℃、相対湿度50±5%の雰囲気下でスキンを取り除いた長さ350mm、幅100mm、厚さ25mmの試験片を支点間距離300mm、試験速度20±1mm/minで最大90mmまで荷重を加え、荷重撓み曲線を記録する。)に準じて測定した曲げ撓みが20mm以上、かつ20mm撓み時の荷重が2〜100Nの合成樹脂発泡成形体を指す。曲げ撓みが20mm未満で破壊を生じるような合成樹脂発泡成形体は、耐久性面から不適である。身体による押圧を支えるため必要となる支持体3の断面が非常に大きくなり、20mm撓み時の荷重が100N超の場合、好ましい撓み量を発生させることが困難となり、ともに好ましい設計が困難となる。具体的には発泡ポリプロピレン、発泡ポリエチレン、その他ポリオレフィン系樹脂発泡体、あるいは改質ポリスチレン系樹脂発泡体などを指す。なお、上記発泡体の中でも樹脂発泡粒子の型内成形体が、フィット感を考慮した形状自由度(設計容易性)の観点から好ましい。
【0089】
本発明で用いられる発泡粒子を構成するポリオレフィン系樹脂は、オレフィン成分単位を主成分とするポリオレフィン系樹脂であり、具体的にはポリプロピレン系樹脂やポリエチレン系樹脂、さらにそれらの2種以上の混合物などが挙げられる。なお、上記「主成分とする」とは、オレフィン成分単位がポリオレフィン系樹脂中に50重量%以上含まれることを意味し、その含有量は好ましくは75重量%以上であり、より好ましくは85重量%以上であり、さらに好ましくは90重量%以上である。
【0090】
ポリプロピレン系樹脂としては、プロピレン成分単位が50重量%以上の樹脂が挙げられ、例えば、プロピレン単独重合体、またはプロピレンと共重合可能な他のオレフィンとの共重合体等が挙げられる。プロピレンと共重合可能な他のオレフィンとしては、例えば、エチレンや、1−ブテン、イソブチレン、1−ペンテン、3−メチル−1−ブテン、1−ヘキセン、3,4−ジメチル−1−ブテン、1−ヘプテン、3−メチル−1−ヘキセンなどの炭素数4〜10のα−オレフィンが例示される。また上記共重合体は、ランダム共重合体であってもブロック共重合体であってもよく、さらに二元共重合体のみならず三元共重合体であってもよい。なお、上記共重合体中のプロピレンと共重合可能な他のオレフィンは、25重量%以下、特に15重量%以下の割合で含有されていることが好ましく、下限値としては0.3重量%であることが好ましい。また、これらのポリプロピレン系樹脂は、単独または2種以上を混合して用いることができる。ポリプロピレン系樹脂は、JIS K7161:1994(試験片:JIS K 7162(1994)記載の試験片1A形(射出成形で直接成形)、試験速度:1mm/min)に規定する引張弾性率(E)の値で600MPa以上の基材樹脂を発泡してなる樹脂発泡体であることがのぞましい。
【0091】
ポリエチレン系樹脂としては、エチレン成分単位が50重量%以上の樹脂が挙げられ、例えば、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−プロピレン−ブテン1共重合体、エチレン−ブテン1共重合体、エチレン−ヘキセン1共重合体、エチレン−4メチルペンテン1共重合体、エチレン−オクテン1共重合体等、さらにそれらの2種以上の混合物が挙げられる。
【0092】
そして、前記合成樹脂発泡体の具体的選定にあたっては、長さ400mm程度の棒状の試験片の両端を支持し、中央を25mm前後押し下げ30分間保持し、その後荷重を解放した後にサンプルの変形からの回復が90%以上ある材料、又は、従来のウレタンフォーム製のシートクッションで行なわれていた試験に準じ、両端を支持したサンプルの中央部を所定回数繰り返し押し下げ変形させ、その後に測定された残留歪みが所定量以下である材料が望ましい。該所定回数又は該所定量は各車両メーカーが従来材料を選定するときに任意に定めていた仕様に従う。
【0093】
このような条件を満たす材料として、例えば発泡ポリプロピレンの密度0.06g/cm
3〜0.015g/cm
3、より好ましくは密度0.035g/cm
3〜0.015g/cm
3、又は発泡ポリエチレンの密度0.08g/cm
3〜0.03g/cm
3などが好ましい。このような材料はJIS K7221−2:2006記載の方法(23℃±2℃、相対湿度50±5%の雰囲下でスキンを取り除いた長さ350mm、幅100mm、厚さ25mmの試験片を支点間距離300mm、試験速度20±1mm/minで最大90mmまで荷重を加え、荷重撓み曲線を記録する。)に準じて行う試験において、曲げ撓み20mm時の荷重が2〜100Nであり曲げに対する柔軟性と共に曲げ剛性にも優れているが、一方従来から一般に用いられていた軟質ウレタンフォームは曲げ剛性が0.46Nと大きく劣るため、本発明のシートクッションを構成する材料としては適切でない。
【0094】
以下に、合成樹脂発泡体を使用した場合のクリープ性や曲げ剛性について説明する。まず、クリープ性を評価するために、JIS K 6767:1999による圧縮永久歪を測定した。縦50mm、横50mm、厚み25mmの試験片を25%歪んだ状態に圧縮し、温度23℃±2℃において22時間放置する。圧縮終了24時間後の厚さを測定する。なお、圧縮永久歪は、圧縮永久歪(%)=(試験片元厚み(mm)−圧縮終了24時間後の厚さ(mm))÷試験片元厚み(mm)×100で求めた。
【0095】
試験の結果、45倍ポリプロピレン発泡粒子成形体の圧縮永久歪は11%であった。一方、同測定方法による発泡ポリウレタンの圧縮永久歪は2%以下である。このことは、従来、シートクッションのクッション材として一般に用いられて圧縮変形によりクッション性を発揮するウレタンフォームに対し、単純に合成樹脂発泡体に置き換えたのみでは圧縮永久歪が発生し、当初のクッション性の維持が困難であり商品性が低下することが示されている。
【0096】
次に、
図28に示すような背形の加圧治具40(平面視で楕円形の左右方向長さ440mm、奥行(幅)290mm、正面視で高さ60mm)を用いサンプル板41を常温下で5,000回、10,000回、15,000回繰り返し490Nの荷重を加え押圧した後の残留変位量を測定し負荷耐久性試験として実施した。なお、合成樹脂発泡体を曲げ変形させた場合の残留変位量を調査するために、
図27に示したように発泡ポリプロピレン45倍発泡品である厚さ20mm、幅(奥行)600mmの平板状のサンプル板41を340mmの間隔で両端支持とし供した。該負荷耐久性試験の結果を
図28に示す。
【0097】
図29より、従来のウレタンフォームに要求される仕様は、残留変位量は5mm(
図29で線C)以下であるのに対して、本発明の合成樹脂発泡体の場合(
図29で線D)は、残留変位量は2.5mmであり、前記仕様の範囲内であることが示されている。
【0098】
したがって、
図29から、曲げ変形が可能で復元性に優れた合成樹脂発泡体の曲げ変形による撓みとその回復性をクッション材として使用する場合、従来から用いられてきたウレタンフォームに匹敵する、あるいは上回る耐クリープ性を有することが示されている。
【0099】
前記耐クリープ性がウレタンフォームを上回るのは、合成樹脂発泡体を支持体3として使用する場合、中央部が押し下げられ曲げ変形が発生する際、部材の各部にはそれぞれ引っ張り、圧縮、せん断等が働き、部材が変形するが、このそれぞれの変形の程度が従来のように、部材を単純に圧縮することによってクッション材とする場合の直接的な変形量と比べて少なく回復性を損なわぬ弾性域内に止まるからである。
【0100】
次に、
図30は、両端支持された合成樹脂発泡体からなる支持体3を使用したシートクッション型試験体と、従来構造のウレタンフォームを使用したシートクッション型試験体を、
図28に示すような背形の加工治具40で圧縮速度100mm/minで押圧した際、発生する反力を比較した例である。ウレタンフォームを使用した試験体の大きさは幅650mm、長さ350mm、厚さ100mmであり、合成樹脂発泡体を使用した試験体は長さ350mm、幅50mm、厚さ30mmの発泡ポリプロピレン45発泡品を2mmの間隔を空けて複数列設した形状である。
図30に示す細線Uは比較用に用意された、一般にシートクッションに使用されるウレタンフォームの荷重―変位量線図であり、太線Pは本発明による合成樹脂発泡体からなる支持体3の中央を押し曲げた際の荷重―変位量線図である。また、押し下げたときの荷重―変位量線をu1及びp1に示し、押し下げ後に開放したときの荷重―変位量線をu2及びp2に示した。
【0101】
図30から、比較的硬質である合成樹脂発泡体からなる支持体3によっても、曲げ変形によりクッション性を得る構造とした場合、従来のウレタンフォームとほぼ等しい柔軟性が得られることを示されている。
【0102】
次に、
図31は合成樹脂発泡体の例として発泡ポリプロピレンを選択し、同等の樹脂からなる無発泡の樹脂板(厚み1mm)からなるサンプルと、発泡ポリプロピレン45倍発泡品からなるサンプル(厚み45mm)をJIS K7221−2:2006(23℃±2℃、相対湿度50±5%の雰囲気下でスキンを取り除いた長さ350mm、幅25mm、サンプル重量同等、厚さ任意の試験片を支点間距離300mm、試験速度20±1mm/minで最大90mmまで荷重を加え、荷重撓み曲線を記録した。)に準じ両端支持し、この中央部を押し下げた場合の荷重―変位量線図である。幅を25mmに一定にし、サンプル重量が同等になるように厚みを調整した。無発泡の樹脂板の場合を荷重―変位量線
図Mで表し、発泡ポリプロピレン45倍発泡品からなるサンプルの場合を荷重―変位量線
図Hで表している。
【0103】
図31より、共にサンプルの重量は等しいが、発泡体とすることによって曲げ剛性が大きく高まることが示されている。従来、発泡体を曲げ変形させクッション材として使用することは一般的ではなかったが、発泡体を使用することにより同等の曲げ剛性を獲得するに必要な部品重量を減少させうる、すなわちシートクッション1の軽量化が図れることが示されている。