【実施例】
【0059】
以下において、具体的な実施例により本願発明の内容を更に説明するが、本願発明の保護範囲はそれに限られない。
【0060】
実施例1:ABAを原料とする製造方法
(1)ABA製品(純度98.82%。K:5489ppm、Na:155ppm、Fe:75ppm。IRについて
図1参照)13.5g(0.05mol)を、脱イオン水326mlに投入し、撹拌しながら60℃に昇温し、5分で50gの25%アンモニア水(0.73mol)を溶解するまで滴加した。次いで、活性炭1.5gを加え、80℃に引き続き昇温し、10分間吸着・脱色させた。そして、65〜70℃で熱間ろ過し、ろ液に4.5g亜硫酸アンモニウムに再度加えた後、60〜80℃でpH7.0まで1時間ほど真空脱アンモニアを行い、室温まで冷却してろ過し、ろ過ケーキを150mlの脱イオン水でパルプにして洗浄・ろ過後、60℃で真空乾燥させて、黄色結晶産物ABAA10.8g(0.0376mol)を得た。純度は99.41%、金属イオン総含有量は176ppm(K:161ppm、Na:15ppm、Fe:0ppm)、収率は75.26%であった。そのIRについては
図2参照。IR(KBr, cm-1)3328.8(m), 1627.1(m), 1592.3(s), 1561.0(s), 1538.8(s), 1379.9(s), 1334.0(s),1311.4(s),1210.2(s), 1132.2(s), 1072.4(s), 882.5(s), 843.8(s), 790.2(s), 715.1(s), 436.8(s)。 元素分析 C14H13N3O4理論計算:C,58.53。H,4.56。N,14.63。O,22.28。実測:C,58.55。H,4.43。N,13.44。定性は4−(5−アミノ−6−ヒドロキシベンズオキサゾール−2−イル)安息香酸アンモニウム(ABAA)である。
【0061】
(2)粗ABA(文献記載のNBA水素添加法により製造され、純度94.21%、K:264ppm、Na:347ppm、Fe:132ppmであり、IRは
図1と同様である。)13.5gを取り、その他の原料及び方法はいずれも(1)と同じとして、60℃で真空乾燥させて土黄色結晶産物であるABAA7.6g(0.0265mol)を得た。純度は97.51%、金属イオン総含有量は132ppm(K16ppm、Na67ppm、Fe49ppm)、収率は52.96%であった。ABAS−IRは
図2と同様である。
【0062】
実施例2:粗ABAを原料とする製造法
粗ABA(特許ZL200610155719.8におけるNBA次亜硫酸ナトリウム還元法で製造されたものであり、純度98.22%9、含塩分10%1。K:362ppm、Na:50773ppm、Fe:239ppm。IRは
図1と類似する)20.0g(0.074mol)を取り、脱イオン水400mlに加え、撹拌しながら75℃までに昇温させた。5分間で25%アンモニア水120g(1.76mol)を溶解するまで滴加し、次いで活性炭2.0gを加え、80℃に引き続き昇温させ、10分間吸着・脱色させた。65〜70℃で熱間ろ過し、ろ液に亜硫酸アンモニウム5.0gを再度加えた後、55〜70℃でpH7.0まで1時間20分ほど真空脱アンモニアを行い、室温まで冷却してろ過し、ろ過ケーキを200mlの脱イオン水で洗浄・ろ過後、60℃で真空乾燥させて黄色結晶であるABAA製品15.8g(0.055mol)を得た。その純度は99.27%(K:34ppm、Na:3692ppm、Fe:22ppm)、収率は74.32%であった。ABAS−IRは
図2と同じである。IR(KBr,cm
-1) 3328.2(s),1627.5(s),1559.9(s), 1538.1(s), 1471.2(s),1379.4(s), 1334.0(s), 1311.1(s), 1209.5(s), 1132.5(s), 1072.8(s), 883.9(s), 843.8 (s), 789.8(s),714.6(s)。
【0063】
実施例3:ABAAを原料とする精製法
実施例2で製造されたABAA製品 (純度99.27%、K:34ppm、Na:3692ppm、Fe:22ppm)10.0gを、脱イオン水500mlに加え、撹拌しながら60℃に昇温させた。5分間で25%アンモニア水70g(1.03mol)を溶解するまで滴加し、次いで活性炭1.0gを加え、80℃に引き続き昇温させ、10分間吸着・脱色させた。65〜70℃で熱間ろ過し、ろ液に亜硫酸アンモニウム2.3gを再度加えた後、60〜80℃でpH7.5まで1時間ほど真空脱アンモニアを行い、室温まで冷却してろ過し、ろ過ケーキを150mlの脱イオン水で洗浄・ろ過後、60℃で真空乾燥させて、黄色結晶産物であるABAA精製製品8.1gを得た。純度は99.53%、金属イオン総含有量は176ppm(K:0ppm、Na:176ppm、Fe:0ppm)であり、品質が縮合級単量体レベルに達し、収率は81.0%であった。ABAA−IRについて
図3を参照。IR(KBr, cm
-1) 3329.2(s), 1627.3(s), 1592.3(s), 1561.0(s), 1538.7(s), 1379.9(s), 1334.1(s), 1311.5(s),1210.2(s),1132.3(s),1072.6(s),883.3(s),843.8(s),790.1(s),715.1(s),437.1(s)。
【0064】
実施例4〜11
実施例1〜3と同様の方法により、プロセス保護範囲(H
2O/原料質量比、NH
3/原料モル比、亜硫酸アンモニウム/原料質量比、C/原料質量比)でABAAの製造及び縮合級ABAAの試験を実施した。その結果を表1に示す。
【0065】
【表1】
【0066】
比較例1:ABASを原料とするDMF/メタノール再結晶精製法
ABAS製品(特許2:ZL200610155718.3により製造されたもので、純度;98.57%,K
+;573、Na
+;28390、Fe;109)5.0gを、DMF5.0gを、DMF−CH
3OH:150ml−50ml混合溶媒に加え、90℃に昇温させて30分間撹拌し、溶解後に活性炭0.5gを加え、95℃で吸着・脱色し、15分間で熱間ろ過し、ろ液に300mlメタノールを加えて粗生成物を析出させ、該粗生成物を順次50ml及び100mlメタノールで洗浄・ろ過した後、60℃で真空乾燥させて、浅灰色結晶である一次精製品2.6gを得た。純度98.04%、収率52%であった。IRについて
図4を参照。IR(KBr, cm
-1) 3270.2(m), 1673.5(s), 1617.8(s), 1581.0(s), 1466.9(s), 1411.0(s), 1381.6(s), 1295.7(s), 1178.7(s), 1129.1 (s), 1054.0(s), 970.0(s), 860.3(s),781.8(s),710.2(s),505.3(s)。元素分析 C14H10N2O4 理論計算:C,62.22。H,3.73。N,10.37。O,23.68。実測:C,61.86。H,3.49。N,10.85。定性は4−(5−アミノ−6−ヒドロキシベンズオキサゾール-−2−イル)安息香酸(ABA)である。金属総量を表2に示す。
【0067】
比較例2:ABAを原料とするDMF/メタノール混合溶媒再結晶精製法
ABA製品(実施例1(1)と同じ、純度98.82%。K:5489ppm、Na:155ppm、Fe:75ppm)5gを、DMF−CH
3OH:150ml−50ml混合溶媒に加え、90℃に昇温させて30分間撹拌し、溶解後に活性炭0.5gを加え、95℃で吸着・脱色し、15分間で熱間ろ過し、ろ液に300mlメタノールを加えて粗生成物を析出させ、該粗生成物を順次50ml及び100mlメタノールで洗浄・ろ過した後、60℃で真空乾燥させて、深クリーム色の結晶産物である一次精製品ABA3.95gを得た。純度98.01%、収率79.0%であった。ABA−IRは
図4と同じである。IR(KBr,cm
-1):3271.1(m),1682.7(s),1617.9(s),1581.2(s), 1467.4(s),1410.8(s),1381.0(s),1293.4(s),1178.6(s),1128.6(s),1054.4(s),971.9(s),860.6(s),781.9(s),710.4(s),505.2(s)。定性はABAである。金属総量を表2に示す。
【0068】
比較例3:ABAを原料とするDMF/メタノール混合溶媒再結晶精製法
粗ABA5g(特許1:ZL200610155719.8)のスキーム(3)に基づいて、MNBの加水分解によりNMBを得て、次いでスキーム(1)に基づいて、DMF溶媒中で触媒によるNMBの水素化により調製されたABAで、純度94.21%、K:264ppm、Na:347ppm、Fe:132ppm)を取り、比較例1の配合比で原料を投入し、DMF/メタノール混合溶媒再結晶を行い、60℃で真空乾燥させて、灰色結晶3.0gを得た。純度97.42%、精製収率60.0%であった。IRは
図4と同じである。定性はABAである。金属総量を表2に示す。
【0069】
【表2】
【0070】
実施例12;ABAAの原料の一つである4−(5−アミノ−6−ヒドロキシベンズオキサゾール−2−イル)安息香酸(ABA)の製造(プログラムA加水分解後還元ワンポット一鍋法)
反応容器に4−(5−ニトロ−6−ヒドロキシベンズオキサゾール−2−イル)安息香酸メチルエステル(MNB)12g(0.038mol)、メタノール306g、水45g、及びKOH5.36g(0.096mol)を投入し、撹拌しながら75℃に回流まで昇温させ、反応物は黄色懸濁液から赤色絮状物に変化し、1時間程引き続き反応させた。次いで、順に塩化第一鉄1.2g、活性炭2.4g、80%ヒドラジン水和物10.2g(0.163mol)を投入し、75℃に回流まで昇温させ2時間程反応させ、反応液はオレンジ色に変化した。熱間ろ過して廃炭を除去し、ろ液に濃塩酸19gを滴加して、黄色固体を析出させ、ろ過及び水洗を行い、真空で乾燥して、産物ABA9.52gを得た。純度は96.2%、金属イオン(K
+、Fe
2+)総含有量は3252ppm、収率は92.25%であった。そのIRは
図1参照。IR(KBr、cm
−1)の吸収ピークの帰属分析は下記の通りである。
【0071】
3422.1 (s,水酸基OH吸収),3336.3、3270.7(m,アミノN−H特徴吸収),3099.6、2601.5(m,芳香カルボン酸O−H会合状態),1697.6(s,芳香カルボン酸C=O吸収),1616.6(s,オキサゾールC=N吸収),1580.2、1557.9(s, ベンゼン環C=C吸収),1490.7、1468.7(s,オキサゾール複素環吸収),1382.1(s,フェノール水酸基OH吸収),1327.3(s,芳香カルボン酸C−O吸収),1302.7(s,芳香族アミンC−N吸収),1278.6(s,オキサゾールC−O吸収),1220.9、1114.6(s,水酸基C−O吸収),1411.0、1053.8(s, ベンゼン環C−C骨組み吸収),860.5(s, ベンゼン環パラ位二置換C−H吸収),709.4(s,ベンズオキサゾール環特徴吸収)。
1H−NMR(DMSO)6.94, 7.04, 8.10, 8.18。定性は4−(5−アミノ−6−ヒドロキシベンズオキサゾール−2−イル)安息香酸(ABA)である。
【0072】
実施例13〜19:ABAの製造(プログラムA)
MNB12g及び80%工業ヒドラジン水和物10.2gを用い、実施例12と同様の方法により、本発明に記載のパラメータ範囲であり、且つ異なるパラメータ(メタノール、水、KOH、塩酸用量)でABAを製造した。結果を表3に示す。
【0073】
【表3】
【0074】
実施例20:ABAの製造(プログラムBの還元後加水分解ワンポット法)
反応容器に4−(5−ニトロ−6−ヒドロキシベンズオキサゾール−2−イル)安息香酸メチルエステル(MNB)10g(0.032mol)、活性炭1.98g、塩化鉄1.4g、80%ヒドラジン水和物5.9g(0.094mol)、及びメタノール202gを投入し、撹拌して回流まで昇温させ、3.5時間程反応させ、反応物は黄色から茶褐色に変化した。次いで、反応容器にNaOH4.95g(0.12mol)及び水8gを投入して3時間程反応させ、反応物は溶解しオレンジ色に変化した。熱間ろ過して廃炭を除去し、pHが6〜7になるまでろ液に濃塩酸を滴加して、黄色固体を析出させ、ろ過及び水洗を行い、真空で乾燥させて、ABA産物6.35gを得た。純度は95.34%、金属イオン(Na
+、Fe
2+)総含有量は4415ppm、収率は73.84%であった。得られた産物の赤外スペクトルは
図1と類同し、定性はABAである。
【0075】
実施例21〜25:ABAの製造(プログラムB)
MNB10g及び80%工業ヒドラジン水和物5.9gを用い、実施例20と同様の方法により、本発明に記載のパラメータ範囲であり、且つ異なるパラメータ(還元時間、加水分解時間、ヒドラジン水和物、NaOH)でABAを製造した。結果を表4に示す。
【0076】
【表4】
【0077】
応用実施例1:ABAAの均一重縮合によるPBO繊維の製造
自家製ガラス縮合反応器に、順にP
2O
53.2g及び83%PPA24.0gを投入した。混合物を90℃に昇温させ、透明になるまで1時間ほど撹拌して、85.0%のP
2O
5を含むPPAを形成させた。次いで、窒素を投入してやや冷却後、実施例3で製造されたABAA4.11g(0.0143mol)を投入して、13.1%(wt)の単量体濃度に配合した。110℃に昇温させ、1.5時間撹拌し溶解させ、全体的に蛍光になるまで45分間で次第に125℃に昇温させ、125℃で40分間反応させた後、1時間で150℃に次第に昇温させ、糸状になった後、また160℃に昇温させ、20分間程反応させて、縮合反応を終了させ、PBOの液晶原液を得た。この液晶原液から120℃で手作業により直接且つ連続して繊維(長さ約8〜15m)に伸糸し、中性になるまで数回の沸騰洗浄後、110℃で乾燥し、黄金色のPBO繊維を得た。測定された繊維の引張強度は3.9GPa、弾性率は152GPa、極限粘度数η=31.2dl/gであり、総収率は96.1%であった。PBO繊維のIRについて
図5参照。
【0078】
応用実施例2
自家製ガラス縮合反応器に、順に83.8%P
2O
5を含有するPPA21.3g及び実施例9で製造されたABAA3.76g(0.0131mol)を投入し、15.0%(wt)の単量体濃度に配合した。窒素の保護下で15分間で120℃に昇温させ、25分間程撹拌すると、溶解すると共に全体的に蛍光になった。120℃で1時間撹拌後、160℃に速やかに昇温させ、45分間反応させ、液晶糸状になった段階で縮合反応が終了し、PBOの液晶原液が得られた。この液晶原液から120℃で手作業により直接且つ連続して繊維(長さ約6〜8m)に伸糸し、中性になるまで数回の沸騰洗浄後、110℃で乾燥し、黄金色のPBO繊維を得た。測定された繊維の引張強度は4.05GPa、弾性率は249GPa、極限粘度数η=38.1dl/gであった。
【0079】
応用実施例3〜5
応用実施例1と同様の方法により、プロセス保護範囲(単量体濃度、P
2O
5含有量、縮合温度、縮合総時間)で試験を行った。その結果を表3に示す(応用実施例1〜2の結果も比較用に同時に示す)。
【0080】
【表5】
【0081】
応用比較例1:ABAの均一重縮合によるPBO樹脂の製造(文献;Polymer preprints, 1990,31(2),681-682)
縮合反応器に順に、ABA1.163g(4.31mmol)、P
2O
50.766g及び115%PPA18.188gを投入し、均一に撹拌後、真空度0.09MPaの減圧下、90℃で3時間、窒素を導入することにより、酸素を除去し、次いで、常圧下で12時間、反応系が透明になるまで窒素を導入した。重縮合は、120℃で3時間、次いで150℃で3時間、次いで180℃で1時間、そして最後に190〜200℃で2.5時間行われた。重縮合後、水中に導入して沈澱させ、ろ過し、ろ過ケーキをそれぞれ水で還流して12時間洗浄し、それからアセトンで還流して8時間洗浄後、175℃で3時間真空乾燥して、PBO樹脂0.94gを得た(極限粘度12.5dl/g、収率93.3%)。
【0082】
応用比較例2:
応用比較例1のABAに代えて、文献(Polymer preprints, 1990,31(2),681-682)に記載の方法により製造した精製ABA(純度97.42%、K
+:39ppm、Na
+:56ppm、Fe:7ppm)1.163gを用いる他は、応用比較例1と同様の方法により重縮合を行った。最終的に得られたPBO樹脂の極限粘度数は9.2dl/gで、紡糸性が比較的低かった。
【0083】
応用比較例3:ABAの均一重縮合によるPBO樹脂の製造(特許1:ZL200610155719.8)
縮合反応器にABA1.8g(実施例1(1)と同じ、純度98.82%。K:5489ppm、Na:155ppm、Fe:75ppm)、PPA19.48g、P
2O
59gを投入し、窒素を導入した。撹拌しながら120℃に昇温させて3時間反応させ、色はオレンジになった。160℃に昇温させて3時間反応させ、色は橙褐色になり、乳光の現象が現れた。180℃に引き続き昇温させて2時間反応させ、色は緑褐色になった。最後に、200℃に昇温させて3時間反応させ、色は深緑になり、均一縮合が終了した。冷却し、かつ縮合物を100mL/回の水中に入れ、60℃に昇温させ、撹拌して2回洗浄し(必要により、縮合物を細かく切って洗浄する)、105℃で10時間乾燥して、PBO縮合物1.76gを得た。測定された特性粘度[η]は10.31dl/g(30℃、MSA)であった。
【0084】
応用比較例4:ABASの均一重縮合によるPBO樹脂の製造(特許2:ZL200610155718.3)
縮合反応器に1.8gABAS(純度98.57%、K
+:573ppm、Na
+:28390ppm、Fe:109ppm、DMFは未検出)、19.48gPPA、及び9gP
2O
5を投入し、更に窒素を導入した。撹拌しながら120℃に昇温させ、3時間反応させた後、反応液はオレンジ色となった。それから更に160℃に昇温させ、3時間反応させた後、反応液は橙褐色となり、乳白光現象が現れた。引き続き180℃に昇温させ、2時間反応させた後、反応液は緑褐色となった。最後に、200℃に昇温させ、3時間反応させ、反応液が深緑食となった段階で均一重縮合が終了した。その後冷却し、かつ縮合物を100mLの水中に投入し、60℃に昇温させ、撹拌して2回洗浄処理し(必要に応じて、縮合物を細かく切って洗浄する。)、105℃で10時間乾燥し、PBO縮合物1.76gを得た。測定された特性粘度[η]は13.1dl/g(30℃、MSA)であった。
【0085】
【表6】
【0086】
応用実施例6:ABAAと3−ヒドロキシ−4−アミノ安息香酸(HABA)共縮合による、R(ポリ−2,6−ベンズオキサゾール(PBO
O))で変性されたPBO樹脂及び繊維の製造
(1)R−PBO(PBO
O:PBOユニット鎖レート1.7:1.0)繊維の合成
縮合反応器にPPA19.66gを投入し、加熱して80℃に昇温させ、P
2O
54.75gを投入し、撹拌して溶解後、原料単量体である3−ヒドロキシ−4−アミノ安息香酸(HABA)1.5g及び実施例10で製造されたABAA1.5gをそれぞれ投入し、100℃に昇温させて3時間反応させ、次いで130℃に昇温させて1時間反応させ、反応液の粘度が大きく、撹拌し難くなった。その後、150℃に昇温させると、反応液の粘度が低くなり、流動性がよくなり、また1時間反応させて、共縮合反応は終了した。手作業で伸糸後、中性になるまで熱湯で数回洗浄し、100℃で乾燥し、ポリ−2,6−ベンズオキサゾール(PBO
O)を主とするR−PBO繊維を得た。極限粘度数は14.6dL/g、分解温度は641.6℃であった。繊維−IRについて
図6−aを参照。繊維強度は2.86GPaであった。
【0087】
(2)R−PBO(PBO
O:PBOユニット鎖レート0.44:1.0)繊維の合成
縮合反応器にPPA23.68gを投入し、80℃に昇温させ、P
2O
55.95gを投入し、撹拌して溶解後、HABA0.89g及び実施例10で製造されたABAA3.55gを投入し、0.5時間反応させ、120℃に昇温するまで反応させ、0.5時間反応後、温度が126℃に上昇すると、気泡が生じ、底部に蛍光が出現し、130℃に昇温させ、1時間反応後、撹拌すると液晶現象が現れ、更に1時間反応させ、140℃に昇温させ、0.5時間反応後、気泡がなくなり、155℃に引き続き昇温させ、0.5時間反応させ、170℃に昇温すると、共縮合反応が終了した。手作業で伸糸後、中性になるまで熱湯で数回洗浄し、100℃で乾燥してPBOを主とするR−PBO繊維を得た。糸の強度は非常に高く、色は比較的薄い。極限粘度数は16.1dL/g、分解温度は669.8℃であった。繊維−IRについて
図6−bを参照。繊維強度は3.23GPaであった。