(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
ターポリマーにおいて、エチレン由来単位と1−ブテン由来単位の総含量が4.5重量%〜7.0重量%の範囲である、請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の容器。
【背景技術】
【0002】
プロピレンターポリマーで製造された物品は当該技術分野において公知である。
【0003】
プロピレンターポリマーは、プロピレンホモポリマーに対して、より優れた衝撃性、より低い剛性率、及びより優れた透明性を特徴とすることから用いられている。しかし、一部の場合において、特に互いに相反する特性が求められる場合において、これら特性の間に許容可能な均衡を見出すことは難しい。例えば、所定の柔軟性が求められる場合、これは一般に多くの量のキシレン可溶性画分の存在下に得られ、多くの量のキシレン可溶性画分が、これらを食品接触製品に適さないようにする。
【0004】
さらに、WO98/58971には、互いに連結されたスラリー及び気相反応器を含むプロピレン、エチレン及び他のα−オレフィンのターポリマーの製造工程が開示されている。該工程は、エチレン−対−ブテンの比率を0.3未満に示すポリマー生成物の製造のためのカスケードで連結された2個以上の反応器の組み合わせを用いることを含む。該ターポリマー生成物に関する短所は溶融温度が低すぎて、結果としてプロセスウインドーが狭いということである。
【0005】
WO2009/019169は、2個の互いに連結された重合領域を含む気相反応器で製造されたプロピレン/エチレン/1−ブテンターポリマーに関する。前記ターポリマーは他の特徴の中でも、エチレン量(重量%)と1−ブテン量(重量%)との間の比率が0.1〜0.8の範囲であり、25℃におけるキシレン可溶性画分が9重量%超であり、コモノマー単位の総含量が8重量%以上であることを特徴とする。
【0006】
出願人は、これらパラメータで作業して、向上した光学特性を有する物質を得ることができることを見出した。
【発明の概要】
【0007】
したがって、本発明の目的は、容器、好ましくはプロピレン、エチレン、1−ブテンターポリマーを含む食品用容器であって、ターポリマーにおいて、
i)エチレン由来単位の含量が0.5重量%〜1.8重量%、好ましくは0.7重量%〜1.5重量%、より好ましくは0.9重量%〜1.3重量%の範囲であり、
ii)1−ブテン由来単位の含量が3.5重量%〜6.5重量%、好ましくは4.5重量%〜6.0重量%、より好ましくは5重量%〜6.0重量%、さらに好ましくは5.5重量%〜6.0重量%の範囲であり、
iii)C2重量%/C4重量%の比率が0.12〜0.22、好ましくは0.14〜0.20、より好ましくは0.15〜0.20の範囲であり、C2重量%がエチレン由来単位の重量%、C4重量%が1−ブテン由来単位の重量%であり、
iv)エチレン由来単位と1−ブテン由来単位の総含量が4.2重量%〜7.5重量%、好ましくは4.5重量%〜7.0重量%で含まれ、
v)ISO 1133に準拠して、230℃、2.16kgで測定されたメルトフローレートMFRが、20〜80g/10min、好ましくは25〜70g/10min、より好ましくは31〜52g/10minの範囲であり、
vi)25℃におけるキシレン可溶性画分が7.0重量%未満、好ましくは6.0重量%未満、より好ましくは5.5重量%未満であり、
vii)融点が140℃超であり、好ましくは140℃〜152℃で含まれ、より好ましくは141℃〜148℃で含まれる。
【0008】
本発明において、ターポリマーという用語は、単にプロピレン、エチレン及び1−ブテン由来単位のみを含むポリマーを意味し、これら3個のコモノマー由来単位の含量の総和が100重量%である。
【0009】
好ましくは、本発明のターポリマーはヘキサンに可溶性の画分(FDA 21 77:1520に準拠してフィルムで測定される)を3.4重量%未満、好ましくは3.0重量%未満、より好ましくは2.0重量%未満で有する。
【0010】
好ましくは、本発明のターポリマーは1mmプラークで測定された光沢を120%超、より好ましくは125%超、さらに好ましくは128%超で有する。
【0011】
ターポリマーのMFRを達成するため、より低いMFRを有するポリマーを熱分解することも可能である。ポリマーを熱分解するため、過酸化物のような公知の熱分解剤を用いてもよい。熱分解によって、生成物のMFRを微調整することができる。
【0012】
ターポリマーは、プロピレン系シーケンスのアイソタクチック型の立体規則性を有し、これは、15重量%未満であるキシレン抽出物の低い値により明らかである。
【0013】
FDA 21 77:1520に準拠して測定されるヘキサン抽出物は、2重量%未満、好ましくは1.9重量%未満、より好ましくは1.7重量%以下である。
【0014】
さらに、好ましくは本発明の容器には低い値のヘイズが付与される。(壁厚が0.4mmの容器における)ヘイズは5.0%未満、好ましくは4.0%未満、より好ましくは3.8%未満である。
【0015】
壁厚が0.4mmである容器の最上部の荷重は200N超、好ましくは250N超である。
【0016】
本発明の容器は、射出成形のような当該技術分野で一般に公知である方法により得ることができる。
【0017】
本発明の容器用ターポリマーは、1つ以上の重合工程において重合によって製造可能である。このような重合はチーグラー−ナッタ触媒の存在下で行われてもよい。前記触媒の必須成分は、少なくとも1つのチタン−ハロゲン結合を有するチタン化合物、及び電子供与体化合物を含む固体触媒成分であり、上記の2つの化合物は活性形態のマグネシウムハライド上に保持されている。さらに他の必須成分(共触媒)は、アルミニウムアルキル化合物のような有機アルミニウム化合物である。
【0019】
本発明の工程に一般に用いられる触媒は、周囲温度におけるキシレン不溶性の値が90%超、好ましくは95%超であるポリプロピレンを製造することができる。
【0020】
上述した特徴を有する触媒は特許文献において公知であり、米国特許4,399,054、及びヨーロッパ特許45977に記載された触媒が特に有利である。他の例は米国特許4,472,524で確認することができる。
【0021】
前記触媒で用いられる固体触媒成分は、電子供与体(内部供与体)として、エーテル、ケトン、ラクトンからなる群より選ばれる化合物、N、P、及び/又はS原子を含有する化合物、及びモノカルボン酸及びジカルボン酸のエステルを含む。
【0022】
特に好適な電子供与体化合物は、フタル酸のエステル及び下記式の1,3−ジエーテルである。
【数1】
【0023】
上記式において、R
I及びR
IIは同一であるか又は異なってもよく、C
1−C
18アルキル、C
3−C
18シクロアルキル又はC
7−C
18アリールラジカルであり;R
III及びR
IVは同一であるか又は異なってもよく、C
1−C
4アルキルラジカルであるか;又は2位の炭素原子が5、6又は7個の炭素原子、又は5−n又は6−n’個の炭素原子、及びそれぞれn個の窒素原子であり、N、O、S及びSiからなる群より選ばれるn’個のヘテロ原子から構成された環状又は多環構造に属する1,3−ジエーテルであり、ここで、nは1又は2であり、n’は1、2又は3であり、上記構造は2個又は3個の不飽和構造を含み(シクロポリエン系構造)、選択的に他の環状構造と共に縮合されるか、又は、直鎖もしくは分枝状アルキルラジカル、シクロアルキル、アリール、アラルキル、アルカリルラジカル及びハロゲンからなる群より選ばれる1つ以上の置換基で置換されるか、又は、他の環状構造と縮合され、縮合された環状構造に結合されてもよい上述した置換体の中の1つ以上で置換され、上述したアルキル、シクロアルキル、アリール、アラルキル又はアルカリルラジカル、及び縮合された環状構造の中の1つ以上は選択的に炭素原子、水素原子、又は両者に対する置換体として1つ以上のヘテロ原子を含む。
【0024】
このようなタイプのエーテルは、公開されたヨーロッパ特許出願361493及び728769に記載されている。
【0025】
前記ジエーテルの代表的な例としては、2−メチル−2−イソプロピル−1,3−ジメトキシプロパン、2,2−ジイソブチル−1,3−ジメトキシプロパン、2−イソプロピル−2−シクロペンチル−1,3−ジメトキシプロパン、2−イソプロピル−2−イソアミル−1,3−ジメトキシプロパン、9,9−ビス(メトキシメチル)フルオレンである。
【0026】
他の好適な電子供与体化合物としては、フタル酸エステル、例えばジイソブチル、ジオクチル、ジフェニル及びベンジルブチルフタレートである。
【0027】
少なくとも2個の電子供与体化合物の混合物を用いることも可能であり、該化合物の一方は供与体の総量に対して30〜90モル%の量で存在し、スクシネートから選ばれ、他方は1,3ジエーテルより選ばれる。
【0028】
上述した触媒成分の製造は多様な方法によって実施される。
【0029】
例えば、MgCl
2・nROH付加物(特に球状粒子)は、電子供与体化合物を含む過量のTiCl
4と反応し、ここで、nは一般に1ないし3であり、ROHはエタノール、ブタノール又はイソブタノールである。反応温度は一般に80℃〜120℃である。その後、固体は単離され、電子供与体化合物の存在下又は不在下でTiCl
4と再度反応し、その後分離され、全ての塩素イオンが消失するまで炭化水素のアリコートで洗浄される。
【0030】
固体触媒成分において、Tiとして示されたチタン化合物は、一般に0.5重量%〜10重量%の量で存在する。固体触媒成分に固定されて維持される電子供与体化合物の量は、一般にマグネシウムジハライドに対して5〜20モル%である。
【0031】
固体触媒成分の製造に用いられ得るチタン化合物は、チタンのハライド及びチタンのハロゲンアルコレートである。チタンテトラクロリドが好ましい化合物である。
【0032】
上述した反応によって活性形態のマグネシウムハライドが形成される。ハライドではないマグネシウム化合物、例えばマグネシウムカルボキシレートから活性形態のマグネシウムハライドの形成を誘導する他の反応は文献に公知である。
【0033】
共触媒として用いられるAl−アルキル化合物は、Al−トリアルキル、例えば、Al−トリエチル、Al−トリイソブチル、Al−トリ−n−ブチル、及び2個以上のAl原子がO原子又はN原子、或いはSO
4基又はSO
3基によって互いに結合された直鎖状又は環状Al−アルキル化合物を含む。
【0034】
一般に、Al−アルキル化合物は、Al/Ti比率が1〜1000の量で用いられる。
【0035】
外部供与体として用いられ得る電子供与体化合物は、芳香族酸エステル、例えばアルキルベンゾエート、及び特に少なくとも1つのSi−OR結合を含むケイ素化合物を含み、ここで、Rは炭化水素ラジカルである。
【0036】
ケイ素化合物の例は、(tert−ブチル)
2Si(OCH
3)
2、(シクロヘキシル)(メチル)Si(OCH
3)
2、(シクロペンチル)
2Si(OCH
3)
2、(フェニル)
2Si(OCH
3)
2及び(1,1,2−トリメチルプロピル)Si(OCH
3)
3である。
【0037】
上述した式を有する1,3−ジエーテルも有利に用いることができる。内部供与体がこれらジエーテルの中の1つである場合、外部供与体は省略できる。
【0038】
特に、上記触媒成分の他の多くの組み合わせによって、本発明によるプロピレンポリマー組成物を得ることができるとしても、好ましくは、ターポリマーはフタレートを内部供与体として含み、(シクロペンチル)
2Si(OCH
3)
2を外部供与体として含むか、又は前記1,3−ジエーテルを内部供与体として含む触媒を用いることで製造される。
【0039】
前記プロピレン−エチレン−ブテン−1ポリマーは、ヨーロッパ出願1012195に例示される重合工程で製造される。
【0040】
詳しくは、上記工程は、反応条件下において、触媒の存在下でモノマーを前記重合領域に供給するステップ、及び前記重合領域からポリマー生成物を収集するステップを含む。上記工程において、成長するポリマー粒子は迅速な流動化条件下で前記重合領域(上昇部)の中の1つ(第1)を通じて上方に向かって流れ、前記上昇部から離れて他の(第2)重合領域(下降部)に入り、この下降部を通じて粒子が重力作用下で緻密な状態で下方に向かって流れ、前記下降部から離れて上昇部に再導入され、これにより上昇部と下降部との間でポリマーの循環が構築される。
【0041】
下降部において、固体の密度が高い値に到逹し、これはポリマーの嵩密度に近接する。よって、圧力の正の増加が流れの方向に沿って得られるため、特殊な機械的手段がなくともポリマーを上昇部に再導入することが可能になる。このような方式で「ループ」循環が設定され、これは、2つの重合領域間の圧力の均衡によって、そしてシステムに導入されるヘッド損失によって限定される。
【0042】
一般に、上昇部における迅速な流動化の条件は、関連するモノマーを含む気体混合物を前記上昇部に供給することで構築される。気体混合物の供給は、適切な場合、気体分布器手段の使用によって、ポリマーを前記上昇部に再導入する地点の下方で行われることが好ましい。上昇部への輸送気体の速度は、作動条件下での輸送速度よりも高く、好ましくは2〜15m/sである。
【0043】
一般に、上昇部から離れるポリマー及び気体状の混合物は固体/気体分離領域に伝達される。固体/気体の分離は従来の分離手段を用いるによって行われる。ポリマーは分離領域から下降部に入る。分離領域から離れる気体状の混合物は圧縮されて冷却され、適切な場合、構成モノマー及び/又は分子量調節剤の添加と共に上昇部に移送される。移送は気体状の混合物用再循環ラインによって行われてもよい。
【0044】
2つの重合領域の間で循環するポリマーの調節は、下降部から離れるポリマーの量を、固体の流れを調節するのに適した手段、例えば機械的バルブを用いて計量するによって行うことができる。
【0045】
作動パラメータ、例えば、温度はオレフィン重合工程における通常の程度であり、例えば50℃〜120℃である。
【0046】
このような第1段階のプロセスは、0.5〜10MPa、好ましくは1.5〜6MPaの作動圧力下で行うことができる。
【0047】
有利には、1つ以上の不活性気体は、不活性気体の部分圧力の和が好ましくは気体の総圧力の5〜80%の量で、重合領域で維持される。不活性気体は、例えば窒素やプロパンであってもよい。
【0048】
多様な触媒は、前記上昇部の任意の地点で上昇部まで供給される。しかし、これらは下降部の任意の地点でも供給できる。触媒は任意の物理的状態で存在してもよく、よって固体状態又は液体状態の触媒が用いられ得る。
【0049】
オレフィンポリマーに一般に用いられる通常の添加剤、充填剤及び顔料が添加されてもよく、例えば、核形成剤、拡張油、ミネラル充填剤及びその他の有機顔料や無機顔料が添加されてもよい。特に、タルク、炭酸カルシウム及びミネラル充填剤のような無機充填剤の添加は、さらに屈曲弾性率及びHDTのような一部の機械的特性を向上させる。さらにタルクは核形成効果を有し得る。
【0050】
核形成剤は、本発明の組成物に、総重量に対して0.05重量%〜2重量%、より好ましくは0.1重量%〜1重量%の範囲の量で添加される。
【0051】
本発明の目的の容器は、立方型、円錐型又は不規則形状のように多様な形状を有することができる。
【0052】
本発明のさらなる目的は、上述したようなプロピレン、エチレン、1−ブテンターポリマーである。
【発明を実施するための形態】
【0053】
下記の非制限的な実施例は、本発明をより良好に例示するために与えられる。
【0054】
実施例
下記の特性化方法は、製造されるプロピレンターポリマーの試験に用いた。
【0055】
−コモノマー含量の測定:
−コモノマーの含量を、フーリエ変換赤外分光光度計(FTIR)を用いてエアーバックグラウンドに対するサンプルのIRスペクトルを収集することで、赤外分光法によって測定し、装備のデータ獲得パラメータは以下の通りである。
−パージ時間:最小30秒
−収集時間:最小3分
−アポダイゼーション:Happ−Genzel
−解像度:2cm−1
【0056】
−サンプルの製造:
−水圧プレスを用いて、2個のアルミ箔の間で約1gのサンプルに圧力を加えることで厚いシートを得る。均一性が問題となる場合には、少なくとも2回圧力動作を行うことが好ましい。該シートから小さな部位を切り出してフィルムを成形する。好ましいフィルムの厚み範囲は0.02〜0.05cm(8〜20mils)である。
【0057】
−加圧温度は180±10℃(356゜F)であり、約10kg/cm2(142.2PSI)の圧力を約1分間加える。圧力を解除してプレスから取り外した後、サンプルを室温に冷却する。
【0058】
−ポリマーの加圧されたフィルムのスペクトルを波数(cm−1)に対する吸光度で記録する。下記の測定を用いてエチレン及び1−ブテンの含量を計算する。
【0059】
−フィルム厚みの分光標準化に用いられる、4482〜3950cm−1の結合吸収バンドの面積(At)。
【0060】
−アイソタクチックの非相加的ポリプロピレンスペクトル、及び以後800〜690cm−1の範囲における1−ブテン−プロピレンランダムコポリマーの参照スペクトルの2回の適切な連続した分光学的減算後、750〜700cm−1の吸収バンドの面積(AC2)。
【0061】
−アイソタクチックの非相加的ポリプロピレンスペクトル、及び以後800〜690cm−1の範囲におけるエチレン−プロピレンランダムコポリマーの参照スペクトルの2回の適切な連続した分光学的控除後、769cm−1(最大値)の吸収バンドの高さ(DC4)。
【0062】
−エチレン及び1−ブテン含量を計算するため、既知の量のエチレン及び1−ブテンのサンプルを用いて得られたエチレン及び1−ブテンに対する補正直線が必要である。
【0063】
−エチレンの補正:
−補正直線はエチレンモル%(%C2m)に対してAC2/Atのグラフを描くことで得られる。GC2傾斜度は線形回帰から計算する。
【0064】
−1−ブテンの補正
−補正直線はブテンモル%(%C4m)に対してDC4/Atのグラフを描くことで得られる。GC4傾斜度は線形回帰から計算する。
【0065】
−未知のサンプルのスペクトルを記録した後、未知のサンプルの(At)、(AC2)及び(DC4)を計算する。サンプルのエチレン含量(%モル画分C2m)を下記のように計算する。
【数2】
【0066】
−サンプルの1,ブテン含量(%モル画分C4m)を下記のように計算する。
【数3】
【0067】
−プロピレン含量(モル画分C3m)を下記のように計算する。
【数4】
【0068】
−エチレン含量重量及び1−ブテン含量重量を下記のように計算する。
【数5】
【数6】
【0069】
−
メルトフローレート(MFR「L」):ISO 1133に準拠して、230℃、2.16kgで測定する。
【0070】
−
キシレンでの溶解性:
−ポリマー2.5g及びキシレン250mlを、冷却器及び磁気攪拌器付きガラスフラスコに導入する。温度を30分内に溶媒の沸点まで上昇させる。その後、結果として得られた透明な溶液を環流下で保持し、さらに30分攪拌する。その後、密閉されたフラスコを氷と水が入った水槽で30分間保持し、同様に25℃の恒温水槽で30分間保持する。結果として形成された固体を濾紙で迅速に濾過する。濾過された液体100mlを予め秤量したアルミニウム容器に注入し、窒素流れ下に加熱プレートで加熱し、蒸発により溶媒を除去する。その後、一定の重量が得られるまで、容器を真空下で80℃のオーブンで保持する。その後、室温でキシレンに可溶性のポリマーの重量%を計算する。
【0071】
−
屈曲弾性率:ISO 178の方法によって確認する。
【0072】
−
ヘイズ(1mmプラーク上におけるヘイズ):
−用いられた方法によって、5cm×5cm標本を1mm厚みの成形されたプラークで切り出し、ヘイズ値をG.E.1209ランプ及びフィルターC付きヘーズメータUX−10と共にガードナー光度計を用いて測定する。サンプルの不在下で測定(0%ヘイズ)し、インターセプト光ビームを用いて測定(100%ヘイズ)することで、装備を補正する。
【0073】
−測定及びコンピューター化原理は標準ASTM−D1003に与えられている。
【0074】
−試験されるプラークを下記の方法によって製造する。75mm×75mm×2mmプラークを下記の処理条件下でGBF Plastiniector G235/90射出成形機械、90トンを用いて成形する。
−軸回転速度: 120rpm
−背圧: 10bar
−溶融温度: 260℃
−射出時間: 5秒
−転換保圧: 50bar
−第1ステージ保圧: 30bar
−第2ステージ圧力: 20bar
−保圧プロファイル: 第1ステージ5秒
第2ステージ10秒
−冷却時間: 20秒
−モルド水温: 40℃
−プラークを相対湿度50%及び温度23℃で12〜48時間条件化する。
【0075】
−
容器上におけるヘイズ:
−容器上におけるヘイズを、容器壁から5cm×5cmサイズの標本を切り出し、上記と同一のヘイズ手順を用いて(1mmプラーク上で)測定した。
【0076】
−
最上部の荷重:
−23℃及び50%相対湿度で少なくとも70時間条件化した後、瓶を動力計の2個の板の間におき、10mm/minの板の応力速度で圧縮した。
【0077】
−容器が崩壊するときの応力を記録し、その値をNと記録する。最上部の荷重値は6個の容器で繰り返し測定することで得られる平均値である。
【0078】
−
容器衝撃試験(CIT)
−試験は二軸衝撃試験であり、容器の底を上に向かうようにして容器と同一の寸法を有するサンプルホルダーに置いた。
【0079】
−衝撃用板は直径が62mmで重量が5kgであり、600mmから落下する。その結果をジュールで示す。その結果は、10回の試験の平均である。
【0080】
−
試験される容器
−試験される容器は下記の規格を有する射出成形機械を用いて製造する。
−射出成形ユニットパラメータ:
−射出軸ストローク: 1200kN
−軸直径: 32mm
−射出体積: 102.9cm3
−軸の比率L/D: 20
−最大射出圧力: 2151bar
【0081】
−試験されるアイテムは列挙した特徴を有さなければならない。
−体積: 250cc
−表面処理: 研磨済み
−容器の形状は底が四角形の角錐台であり、ここで、最上部のベースはサイドが70mmであり、底部のベースはサイドが50mmであり、高さは80mmである。
【0082】
−
IZOD衝撃強度:
−ISO 180/1Aによって確認する。サンプルをISO 294−2によって得た。
【0083】
−
ヘキサン抽出物:
−FDA 21 77:1520に準拠して測定する。
【0084】
光沢
ヘイズに対して同一の標本で確認する。
試験に用いた装備は、入射測定のための1020 Zehntnerモデル光度計であった。標準光沢が96.2%の黒色ガラスで60゜の入射角で測定を行い、標準光沢が55.4%の黒色ガラスで45゜の入射角で測定を行うことで補正した。
【0085】
実施例1ないし2及び比較例3:
プロピレンターポリマーは非常に立体特異性であるチーグラー−ナッタ触媒の存在下でプロピレン、エチレン及びブテン−1を重合することで製造する。
【0086】
チーグラー−ナッタ触媒をヨーロッパ特許EP728769の第48行〜第55行の実施例5に従って製造した。トリエチルアルミニウム(TEA)を共触媒として用い、ジシクロペンチルジメトキシシランを外部供与体として用い、重量比を表1に示した。
【0087】
その後、上記触媒システムを、過量の液体プロピレン及びプロパンを含む反応器に移送し、25℃で11分間予備重合を行った後、これを重合反応器に導入する。
【0088】
実施例のプロピレンターポリマーを、2個の互いに連結された重合領域、上昇部及び下降部を含む単一気相重合反応器でヨーロッパ特許EP782587及びWO00/02929に記載されたように製造した。
【0089】
重合反応器に、予備重合された触媒システム、水素(分子量調節剤として用いられる)、プロピレン、エチレン及びブテン−1を気体状態で連続にかつ一定に流れるように供給することで、プロピレンターポリマーを製造する(モル%として表される供給量は表1に示す)。重合工程から出るポリマー粒子をスチーム処理し、未反応のモノマーを除去して乾燥した。
【0091】
【表1】
C2−=エチレンC3−=プロピレンC4−=ブテン
【0092】
実施例1ないし2及び比較例3のポリマー粒子を押出器に取り入れ、ここで、これらを500ppmのIrganox1010及び1000ppmの Irgafos168、及び500ppmのCaステアレート、1000ppmのGMS90及び4000ppmのNX8000と混合する。ポリマー粒子を窒素雰囲気下で二軸押出器で250rpmの回転速度、及び200℃〜250℃の溶融温度で押出する。
【0093】
得られた物質の特性を表2に記録し、比較例4はWO2009/019169の実施例1である。
【0095】
得られたポリマーを上述したように容器で成形した。容器を分析し、その結果を表3に記録する。
【0097】
表2から、本発明による物質は、総コモノマー含量が請求された範囲よりも低い比較例3、及び総コモノマー含量が請求された範囲よりも高い比較例4に比べ、向上したヘイズ及び光沢を有することが明らかに示されている。比較例4で、記録された光沢値は50μm厚みのフィルムで測定される。よって、向上度は、フィルム上の光沢値が本発明の実施例に対して記録された1mmプラーク上における光沢値と類似しているため、依然としてさらに高い。このような差異は容器特性面で増強され、ここで、本発明の実施例の容器で測定されたヘイズは比較例3よりもさらに低く、衝撃試験は比較例3よりもさらに高い。