【実施例1】
【0023】
以下に図面を用いて、本発明に係る車両転回装置およびそれを用いた軌道の実施形態を説明する。本実施形態における軌道は、乗客を基点と目的地との間を搬送するために、車両が往復走行するためのものである。なお、本発明における軌道とは、車両が走行するための空間を指し、軌条の有無とは無関係である。
【0024】
図1及び
図2それぞれは、基点付近の軌道の斜視図および平面図である。これらの図に示すように、軌道Aは、往路軌道1,復路軌道2、車両転回装置3を備えている。
図2に示すように、この走行軌道A上を複数の車両4が同時に走行する。なお、
図1では、軌道Aの構成を分かりやすくするために、車両や一部の構成を表していない。また、これらの図には示していないが、往路軌道1および復路軌道2は目的地側(図中右側)に延び、軌道Aの目的地側端部にも車両転回装置が備えられている。
【0025】
往路軌道1は、乗客を基点から目的地に搬送する車両4が走行するのに用いられる軌道である。そのため、基点の往路軌道1の側方には、乗客が待機し、車両4に乗り込むための乗車用プラットホーム(図示せず)が形成されている。また、目的地の往路軌道1の側方には、乗客が降車するための降車用プラットホーム(図示せず)が形成されている。
【0026】
一方、復路軌道2は、乗客を目的地から基点に搬送する車両4が走行するのに用いられる軌道である。そのため、基点の復路軌道2の側方には、乗客が車両4から降車するための降車用プラットホーム(図示せず)が形成されている。また、目的地の復路軌道2の側方には、乗客が待機し、車両4に乗り込むための乗車用プラットホーム(図示せず)が形成されている。
【0027】
図2に示すように、往路軌道1および復路軌道2は、それぞれ、車両4の走行面となる軌道面11および21を備え、軌道面11および21それぞれの両側方には一対の側壁12,13および22,23が立設されている。また、往路軌道1および復路軌道2はそれぞれ、軌道面11および21付近に、動力伝達部材11aおよび21aを備えている(
図2参照)。この動力伝達部材11a,21aは車両4に対して走行するための動力を付与するためのものである。本実施形態では、動力伝達部材11a,21aとしてドライブチェーンを用いているが、当然ながら、他の動力伝達部材を用いても構わない。
【0028】
なお、往路軌道1または復路軌道2の全長にわたって単一の動力伝達部材11a,21aを使用するのではなく、部分的に動力伝達部材を異ならせても構わない。例えば、乗車用プラットホームおよび降車用プラットホーム付近の動力伝達部材とその他の部分の動力伝達部材を異ならせ、乗車用プラットホームおよび降車用プラットホーム付近で車両4を低速走行させれば、乗客が安全に乗り降りすることができる。
【0029】
車両4は乗客を乗せて軌道面11,12上を走行するものであり、例えば、4人掛けの座席(図示せず)を備えている。この座席を折りたたみ式とし、車いす等を乗せられるようにすることも好ましい。本実施形態では、車両4はエンジンやモーター等の駆動装置を備えておらず、動力伝達部材11a,21aからの動力を受けて走行する。そのため、本実施形態における車両4の底面には、ドライブチェーンに係合可能な係合部(図示せず)を備えている。これにより、動力伝達部材11a,21aとしてのドライブチェーンが駆動されると、係合部を介して車両4に動力が伝達され、車両4は走行することができる。なお、本実施形態では、車両4は車輪(図示せず)を備えており、小さな動力で走行することが可能となっている。また、車両4の両側方には一対または複数対のガイドタイヤ(図示せず)が備えられている。このガイドタイヤが側壁の内面に当接することにより、車両4は横方向へのずれが抑制され、軌道面11,12等に対する平行姿勢を維持しつつ、安定して走行することができる。
【0030】
車両転回装置3は、車両4が往路軌道1から復路軌道2、または、復路軌道2から往路軌道1へと走行できるように、車両4の方向を転回するための装置である。
図1および
図2に示す、基点側では、復路軌道2を走行した車両4が車両転回装置3に進入し、往路軌道1へと走行できるように、方向が転換される。したがって、基点側では、復路軌道2が本発明の第1軌道に相当し、往路軌道1が本発明の第2軌道に相当する。一方、目的地側では、往路軌道1を走行した車両4が復路軌道2へと方向が転換されるため、往路軌道1が本発明の第1軌道に相当し、復路軌道2が本発明の第2軌道に相当する。すなわち、目的地側では以下の説明の往路軌道1と復路軌道2との関係が入れ代わる。
【0031】
以下に、
図3および
図4をも参照しつつ本実施形態における車両転回装置3を説明する。なお、
図3(a)および(b)はそれぞれ、
図1における車両転回装置3のIIIA方向およびIIIB方向の側面図である。また、
図4(a)および(b)はそれぞれ、
図1におけるIVA−IVA断面図およびIVB−IVB断面図である。
【0032】
図に示すように、車両転回装置3は、略円形板状のターンテーブル31(本発明の回転部材,板状部材に相当)を備えている。ターンテーブル31の下面は回転駆動部32により支持されている。この回転駆動部32は、モーター等の動力により、ターンテーブル31を回転軸心30(
図1参照)周りに回転させる。なお、ターンテーブル31の回転は、汎用コンピュータやハードウェア等により構成される制御部(図示せず)により制御される。その際、車両4の存否,通過等を確認するためのセンサやターンテーブル31の回転角を確認するためのセンサからの出力を制御部に入力し、制御部はそれらのセンサ出力に応じてターンテーブル31の回転を制御することが好ましい。
【0033】
ターンテーブル31の上面には、回転軸心30を挟んで対称の位置に2本の溝状部31a,31bが形成されている。本実施形態では、各々の溝状部31a,31bが、第1転回軌道33,第2転回軌道34を構成している。
【0034】
図4に明確に示されているように、第1転回軌道33の軌道面33aは、長手方向(図中左右方向)に沿って、傾斜している。一方、第2転回軌道34の軌道面34aも長手方向に沿って傾斜しているが、傾斜方向が軌道面33aとは反対になっている。なお、軌道面33aの傾斜角と軌道面34aの傾斜角とは、傾斜の方向は反対であるが大きさは同じである。すなわち、第1転回軌道33と第2転回軌道34とは回転軸心30に関して点対称の関係にある。
【0035】
具体的には、ターンテーブル31が
図1に示す姿勢(本発明の第1姿勢に相当)にあるときには、第1転回軌道33の軌道面33aは、復路軌道2側(図中右側)の端部が反対側(図中左側)の端部よりも高くなっており、第2転回軌道34の軌道面34aは、往路軌道1側(図中右側)の端部が反対側(図中左側)の端部よりも低くなっている。また、ターンテーブル31が第1姿勢から回転軸心30を中心として180°回転した姿勢(本発明の第2姿勢に相当)にあるときには、第1転回軌道33の軌道面33aは、往路軌道1側(図中右側)の端部が反対側(図中左側)の端部よりも低くなっており、第2転回軌道34の軌道面34aは、復路軌道2側(図中右側)の端部が反対側(図中左側)の端部よりも高くなっている。すなわち、第1姿勢にある場合には、図中右側および左側がそれぞれ本発明の第1側および第2側に相当し、第2姿勢にある場合には、図中左側および右側がそれぞれ本発明の第1側および第2側に相当する。
【0036】
また、往路軌道1の軌道面11は、復路軌道2の軌道面21よりも低くなっている。具体的には、往路軌道1の軌道面11の高さは、第1転回軌道33の軌道面33aの第2側の端部の高さおよび第2転回軌道34の軌道面34aの第1側の端部の高さと整合するように構成されている。一方、復路軌道2の軌道面21の高さは、第1転回軌道33の軌道面33aの第1側の端部の高さおよび第2転回軌道34の軌道面34aの第2側の端部の高さと整合するように構成されている。往路軌道1の軌道面11および復路軌道2の軌道面21の高さをこのように構成することにより、ターンテーブル31が第1姿勢にあるときには、第1転回軌道33の軌道面33aの第1側の端部と復路軌道2の軌道面21とが滑らかに接続し、第2転回軌道34の軌道面34aの第1側の端部と往路軌道1の軌道面11とが滑らかに接続する。これにより、車両4は、復路軌道2から第1転回軌道33への移動および第2転回軌道34から往路軌道1への移動を滑らかに行うことができる。一方、ターンテーブル31が第2姿勢にあるときには、第1転回軌道33の軌道面33aの第2側の端部と往路軌道1の軌道面11とが滑らかに接続し、第2転回軌道34の軌道面34aの第2側の端部と復路軌道2の軌道面21とが滑らかに接続する。これにより、車両4は、復路軌道2から第2転回軌道34への移動および第1転回軌道33から往路軌道1への移動を滑らかに行うことができる。
【0037】
第1転回軌道33の軌道面33aおよび第2転回軌道34の軌道面34aにはそれぞれストッパ35,36(本発明の第1車両止部,第2車両止部に相当)が備えられている。これらのストッパ35,36は、
図1におけるストッパ35のように立ち上がった姿勢(以下、車両停止姿勢と称する)と、
図1におけるストッパ36のように横倒しの姿勢(以下、車両走行姿勢と称する)と、に切り替え可能となっている。ストッパ35,36が車両停止姿勢にあるときには、車両4の前方側に備えられたバンパーまたは前輪がストッパ35,36に当接し、車両4の前進が抑制される。一方、ストッパ35,36が車両走行姿勢にあるときには、車両4は前進が阻害されず、走行可能になっている。
【0038】
本実施形態におけるストッパ35,36は、略板状部材から構成されており、その底部には棒状の当接部35a,36aが形成されている。
図4に示すように、当接部35a,36aはそれぞれ、軌道面33a,34aに形成された開口33b,34bを介してターンテーブル31の下面より下方に突出している。ストッパ35,36は、外部からの力が作用しない状態では、図示しないスプリング等の弾性を有する付勢部材によって車両停止姿勢となるように構成されている。また、本実施形態におけるストッパ35,36は、車両走行姿勢では、それぞれ、開口33b,34bを閉塞する大きさとなっている。
【0039】
本実施形態では、ストッパ35,36を車両停止姿勢から車両走行姿勢に切り換えるための特別な動力源を備えておらず、ターンテーブル31が回転する力を用いている。具体的には、往路軌道1の延長線上のターンテーブル31下方に立設されたストッパ操作部材37を備えている。本実施形態では、ストッパ操作部材37として剛性の高い板状部材を用いている。ストッパ操作部材37の高さは、その上端が、車両停止姿勢にあるストッパ35,36の当接部35a,36aの下端よりも上方となるように構成されている。一方、当接部35a,36aは、ストッパ35,36側の部位を高い剛性とし、先端側が弾性を有するように構成されている。そのため、例えば、
図5(a)の状態からターンテーブル31が回転すると、ストッパ操作部材37に当接部35aが当接する。そして、さらにターンテーブル31が回転すると、当接部35aはストッパ操作部材37によって移動が規制され、当接部35aのストッパ35側の端部には下向きの力が作用する。この力がストッパ35へ作用する付勢部材の付勢力に打ち勝って、ストッパ35は次第に車両走行姿勢へと移行する。その後、さらにターンテーブル31が回転し、ストッパ操作部材37に当接部35aの弾性を有する部分が当接すると、当接部35aはストッパ操作部材37を乗り越え、ストッパ35は付勢部材によって車両停止姿勢へと切り換えられる。
【0040】
次に、
図5を用いて車両4の転回操作時の車両転回装置3の動作を説明する。先ず、
図5(a)に示すように、車両4が復路軌道2を走行し、車両転回装置3付近に到達する。このとき、車両転回装置3は第1姿勢となっており、第1車両止部35は車両停止姿勢となっている。この状態から車両4はドライブチェーン21aの動力によりさらに前進すると、車両4の前側部分から第1転回軌道33に進入してゆく。前述したように、第1姿勢においては、第1転回軌道33の軌道面33aは図中左側が下方となるように傾斜している。そのため、車両4はドライブチェーン21aからの動力が作用しなくなった状態であっても、軌道面33aの傾斜と自重によって前進することができる。車両4がそのまま前進を続けると、
図5(b)に示すように、車両4の前輪や前方バンパーがストッパ35に当接し、車両4は停止する。
【0041】
車両4が第1転回軌道33に進入し、停止すると、制御部はターンテーブル31を回転軸心30周りに回転させる。この例では、時計回りに回転させる。このとき、ストッパ36は車両走行姿勢から車両停止姿勢に切り換えられる。
【0042】
ターンテーブル31が回転し、
図5(c)の状態になると、ストッパ35から下方に突出した当接部35aがストッパ操作部材37に当接する。この状態で、さらにターンテーブル31が回転すると、上述したように、その回転力は、ストッパ操作部材37および当接部35aを介して、ストッパ35を車両停止姿勢から車両走行姿勢に切り換える力として作用する。これにより、ストッパ35は車両停止姿勢から車両走行姿勢へ次第に変化してゆく。そして、ターンテーブル31が
図5(d)に示す第2姿勢(第1姿勢から180°回転した姿勢)となった際に、ストッパ35が車両走行姿勢となる。この状態では、第1転回軌道33の軌道面33aは図中右側が下方となるように傾斜しているため、車両4は軌道面33aの傾斜と自重により前進を開始する。そして、車両4が前進し、往路軌道1に達すると、ドライブチェーン11aからの動力を受けて往路軌道1を走行する。また、第1転回軌道33から往路軌道1に車両4が出てゆくのと略同じタイミングで、第2転回軌道34には復路軌道2から別の車両4が進入する。
【0043】
その後、
図5(a)から
図5(d)と同様に車両転回装置3の動作が行われる。ただし、上述の説明の最後では、車両転回装置3は第2姿勢となっているので、第1転回軌道33と第2転回軌道34との関係が入れ代わっている。
【実施例2】
【0044】
図6は、メンテナンス等のための機構を備えた軌道Aの実施例である。基本構成は実施例1と同様であるが、本実施例では復路軌道2の途中に副軌道5が接続されている。この副軌道5は、復路軌道2から分岐する分岐軌道51と、分岐軌道51の終端部に接続する駐機軌道52と、分岐軌道51の終端部に接続する退避軌道53と、を備えている。また、復路軌道2の、分岐軌道51との接続部分付近にはターンテーブル6が備えられている。このターンテーブル6は一つの転回軌道6aが形成されている。通常の運行時には、ターンテーブル6は、転回軌道6aが復路軌道2と平行になるように設置されており、転回軌道6aは復路軌道2の一部を形成している。一方、車両4のメンテナンス等を行うために、車両4を往路軌道1および復路軌道2上から外す際には、車両4が転回軌道6a上に乗った状態で、ターンテーブル6を回転させる。このとき、転回軌道6aが分岐軌道51と平行になるようにする。なお、車両4を副軌道5から復路軌道2に戻す際には、上述の動作と反対の動作を行えばよい。
【0045】
また、分岐軌道51と駐機軌道52との接続部分にもターンテーブル7が備えられている。ターンテーブル7は、車両4のメンテナンスを行うためのメンテナンススペースとして使用したり、車両4を駐機軌道52に向けて転回させるために使用したりすることができる。車両4が分岐軌道51に進入した状態では、ターンテーブル7の転回軌道7aと分岐軌道51とが平行になるように、ターンテーブル7を回転させておけばよい。そして、車両4を駐機軌道52に向けて転回する場合には、転回軌道7aが駐機軌道52と平行になるようにターンテーブル7を回転させる。なお、車両4を駐機軌道52から分岐軌道51に戻す際には、上述の動作と反対の動作を行えばよい。
【0046】
退避軌道53は、ターンテーブル7挟んで駐機軌道52と反対側に位置しており、車両4を一時的に対比させるために用いられる。例えば、走行中の車両4と駐機軌道52に駐機している車両4とを入れ換える際には、走行中の車両4をターンテーブル7上に載置した状態で、転回軌道7aが退避軌道53と平行となるようにターンテーブル7を回転させ、車両4を退避軌道53に移動させる。そして、駐機軌道52に駐機している車両4を転回軌道7a上に移動させ、転回軌道7aが分岐軌道51と平行となるようにターンテーブル7を回転させ、分岐軌道51を介して復路軌道2に移動させる。また、駐機軌道52に駐機している車両4のうち、先頭(最もターンテーブル7側)以外の車両4を復路軌道2に戻す際にも退避軌道53を用いることができる。例えば、
図6において、駐機軌道52に駐機している車両4のうち、最後尾の車両4を復路軌道2に戻す際には、転回軌道7aが駐機軌道52と平行となるようにターンテーブル7を回転させ、前2台の車両4を退避軌道53に移動させる。そして、最後尾の車両4を転回軌道7aに移動させ、転回軌道7aが分岐軌道51と平行となるようにターンテーブル7を回転させ、車両4を分岐軌道51を介して復路軌道2に移動させる。
【0047】
なお、副軌道5内における車両4の走行やターンテーブル6,7の回転は、手動で行ってもよいし、モーター等の外部駆動力源を用いてもよい。また、本実施例におけるターンテーブル6,7の転回軌道6a,7aの軌道面は水平となっており、ターンテーブル31の第1転回軌道33および第2転回軌道34の軌道面33a,34aのように傾斜させる必要はない。
【0048】
なお、本実施例では、副軌道5を復路軌道2に接続したが、往路軌道1に接続しても構わない。
【0049】
〔別実施形態〕
(1)上述の実施形態では、ターンテーブル31上の車両4が往路軌道1に向けて走行する際には、軌道面33aまたは軌道面34aの傾斜と自重とによって自然に走りだすのを待っていたが、車両4の走行を促進するための機構を設けても構わない。具体的には、停止している車両4に対して走行方向の力を作用させ、車両4の初期化速度を大きくし、迅速に車両4をターンテーブル31から往路軌道へと進入させる。このような機構としては、車両4の後輪後ろ側や後部バンパーに当接して、走行方向への力を加えるカタパルトのような車両押出装置を用いることができる。例えば、第1転回軌道33(第2転回軌道34)にストッパ35(ストッパ36)と同様の機構を、ストッパ35(ストッパ36)と対称の位置に設ける。このとき、車両押出装置の立ち上がり方向は、ストッパ35(ストッパ36)の立ち上がり方向と逆方向となるようにする。すなわち、車両押出装置は、周縁側が内側に向かって立ち上がる。また、ストッパ35(ストッパ36)が車両停止姿勢にあるときには車両押出装置は立ち下がった姿勢(ストッパの車両走行姿勢と同様)であり、ストッパ35(ストッパ36)が車両走行姿勢になったときに車両押出装置は立ち上がった姿勢(ストッパの車両停止姿勢と同様)となるように制御すればよい。なお、車両押出装置の姿勢の切り換えは、ストッパ35,36のように当接部とストッパ操作部材37のような機構であっても構わないし、モーター等の動力源を用いても構わない。後者の場合には、制御部によってモーター等を制御すればよい。
【0050】
(2)上述の実施形態では、ストッパ35,36の姿勢の切り換えを当接部35,36とストッパ操作部材37とにより行ったが、モーター等の動力源を用いても構わない。この場合、制御部によってモーター等の動作を制御することが好ましい。
【0051】
(3)上述の実施形態では、第1転回軌道33または第2転回軌道34に進入した車両4は、それらの軌道面33a,34aにより正の加速度が与えられるため、車両4がストッパ35,36に当接する際の速度が大きくなり、車両4やストッパ35,36への衝撃が大きくなる場合がある。そのような衝撃は故障の原因となり、メンテナンス頻度を高める必要がある。そのため、第1転回軌道33と第2転回軌道34とに車両4に対して負の加速度を作用させる機構を備えても構わない。例えば、これらの軌道面33a,34aをグレーチングで構成したり、凹凸を形成したりすることができる。当然ながら、上述の目的を達する限りにおいて、他の機構を用いても構わない。また、ストッパ35,36の位置を車両4の走行方向の上流側に変位させても構わない。ストッパ35,36の位置をこのように変位させることにより、車両4が第1転回軌道33や第2転回軌道34を走行する距離を短くすることができる。そのため、車両4の速度が大きくなる前に、車両4をストッパ35,36に当接させることができる。
【0052】
(4)上述の実施形態では、第1転回軌道33および第2転回軌道34は、ターンテーブル31に形成された溝状部31a,31bとして構成されたが、他の構成であっても構わない。例えば、回転軸心30周りに回転可能に支持され、回転軸心を挟んで略対称に平行に延びる支持部材を設け、支持部材のそれぞれの端部に第1転回軌道33と第2転回軌道34とを支持させることもできる。このとき、第1転回軌道33の軌道面33aと第2転回軌道34の軌道面34aとは、上述の実施形態と同様に傾斜するように構成されている。この場合には、支持部材,第1転回軌道33,第2転回軌道34が本発明の回転部材を構成する。なお、当然ながら、回転部材の構成は、本発明の目的を達する限りにおいて、他の構成であっても構わない。
【0053】
(5)上述の実施形態では、車両4が軌道Aの軌道面上を走行する構成であったが、例えば、懸垂式モノレールのように車両4が軌道から吊り下げられた状態で走行する構成であっても構わない。