(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記アーカイブイメージが、隣接するタイルのシーケンスとして配列され、各タイルが、約25ミクロン(μm)以下の関連する長さと、約25μm以下の関連する幅とを有する、
請求項1に記載の光学媒体。
前記イメージが、動径方向に展開する一連のバンドに、前記中心回転軸のまわりに同心円状に配列され、各イメージが、当該イメージの角度位置に関連して方向づけられた、
請求項6に記載の光学媒体。
前記アーカイブイメージが、複数の隣接するイメージタイルとして配列され、前記制御データが、前記イメージタイルと隣接する少なくとも1つの識別(ID)タイルを含む、
請求項11に記載のシステム。
前記リードバック装置が、メモリ内のデータベース構造にアクセスして、前記名目上同一の複数の複製基板のうちの少なくとも1つの選択された複製基板からの前記制御データの検出に応じて、選択されたアーカイブイメージの相対位置を識別する、
請求項14に記載のシステム。
基板であって、複数のアーカイブイメージを人間が知覚可能な形式で前記基板の表面に記憶し、かつ、前記人間が知覚可能なイメージの、前記表面からの光学的再生を補助するための制御データを前記アーカイブイメージと関連付けて記憶する基板を含み、
前記アーカイブイメージが、隣接するタイルのシーケンスとして配列され、各タイルが、約25ミクロン(μm)以下の関連する長さと約25μm以下の関連する幅とを有する、
光学媒体。
前記アーカイブイメージが、前記光学媒体の記録層上に、隣接するタイルのシーケンスとして配列され、各タイルが、関連する長さ及び幅を有し、前記制御データが、少なくとも1つの識別(ID)タイルを含み、当該少なくとも1つの識別(ID)タイルが、前記アーカイブイメージに隣接し、前記タイルそれぞれの長さ及び幅と関連して選択された、関連する長さ及び幅を有する、
請求項17に記載の光学媒体。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本開示の種々の実施形態は、一般に、特別に構成された基板(光ディスクの形式でもよい)を使用してアーカイブイメージを記憶し取得するための装置及び方法を対象とする。後で説明されるように、少なくとも幾つかの実施形態では、ドキュメントページの形式の複数のイメージが基板(担体)上にエンボス加工される。識別情報、メタデータ、コンピュータ可読データファイルなどの制御情報もアーカイブ基板上に形成されてもよい。ユーザが記憶イメージにアクセスし取り出すために、特別に構成されたリードバックシステムが使用される。
【0013】
本開示のアーカイブ基板は、アーカイブイメージをコンピュータデータの形式で記憶する従来の光ディスクと異なり、一般に、人間による知覚用にイメージを示すために大きい倍率を適用する必要はあるが、アーカイブイメージを人間が知覚可能(読取り可能)な形式で基板に直接記憶するように構成される。このようにして、符号化デジタルデータの形式で記憶された、人間が読取り不能でコンピュータ読取り可能なファイルにアクセスするためのコーデック、様々なバージョンのソフトウェア、ドライバなどを使用する必要なしに、またそのようなファイルを人間が読取り可能なフォーマットに変換する必要なしに、イメージを直接的な光学手段によって再生(復元)することができる。これにより、現世代のコンピュータシステムとストレージフォーマットの旧式化に関係なく、イメージが将来も再生(復元)できるようになり、時間が経ったとしてもイメージを新しい世代の読取り装置及び媒体フォーマットに変換する必要がなくなる。
【0014】
本明細書に開示された様々な実施形態のこれらの及び他の特徴及び利点は、最初に、アーカイブイメージ基板100の様々なフォーマットをそれぞれ示す
図1A〜
図1Bを参照することにより理解できる。基板100は、アーカイブ用光ディスクとも呼ばれ、幾つかのアーカイブイメージ102が配列された回転可能な円盤形基板である。
図1A〜
図1Bに示されたものと別に、他の形式、タイプ、形状、様式及び構成のアーカイブ基板を使用できることを理解されよう。
【0015】
イメージ102は、
図1Aでは行列状に配列され、
図1Bでは同心円状に配列される。
図1Aのイメージ102は全て同じ方向に向けられており、それに対して、
図1Bのイメージ102の向きは基板の縁の周りでのイメージの角度位置に依存する。実際には、イメージ102は、ディスクの片面(記録層)に何千又は何百万ものイメージ(例えば、ドキュメントページ)が形成されるように、実質的にもっと小さいことが理解されよう。ディスク100は、名目上120ミリメートル(mm)の最外径を有するDVDやBDディスクなどの従来の光ディスクのフォームファクタを有することが意図されるが、そのようなフォームファクタは例示にすぎず、限定的ではない。各イメージ102は、直線からなるように示されているが、他のイメージ形状を使用することができる。
【0016】
この点において、通常の人間観察者が各メッセージの内容を実際に復号するために何らかの拡大が適用される必要性があるが、各イメージ102が人間が読取り可能な形式であることに注意されたい。イメージの内容は、所望の形態をとることができる。一実施形態では、各イメージ102は、選択された言語の英数字を含むドキュメントを構成する。グラフィックス、パターン、データセットなどを含む他の形式のイメージを使用することができる。したがって、アーカイブ基板は、2色相(例えば、黒/白)又は多色相成分を有する「マイクロフイルム」又は「マイクロフィッシュ」様式媒体と類似している。
【0017】
アーカイブディスク100は、
図2に示されるように配列された、全体としての情報内容を有することが意図されている。識別(ID)フィールド104は、リードバックシステムがディスク100上のイメージの位置及び/又は内容を判断することを可能にするID情報を記憶する。幾つかの実施形態では、IDフィールドは、システムが、個々のイメージの正確な位置を迅速かつ容易に判断できるように、アーカイブイメージ102のシーケンスの開始ポイントの位置を特定することを可能にするインデックス参照ポイントを提供する。
【0018】
IDタイル104がアーカイブイメージ(ページ)102の残りと名目上同じサイズになるよう、IDフィールドは、
図1A〜
図1Bに示されているもののように、特別に構成されたタイルでよい。これにより、再生システムは、IDタイル104の位置を特定し、これを基板上の他のアーカイブイメージの位置とサイズ(例えば、長さx幅)の両方を識別する基準として使用することができる。後でより詳しく検討されるように、個々のイメージ102は、数ミクロン(a few microns)、即ちそれぞれマイクロメートル(10
-6m)のオーダー(例えば約25μm以下のオーダーなど)の長さと幅の寸法を有することができる。
【0019】
必要に応じて、個々のイメージ102の位置特定を更に可能にするために、メタデータが1つ以上のメタデータフィールド106に記憶されてもよい。メタデータは、イメージの数と様式、デートコード情報、マップ位置情報などの複数の異なるタイプの制御情報を提供することができる。
【0020】
コンピュータデータファイルが更に、108で示されたように記憶されてもよい。データファイルは任意の適切な形式をとることができ、また、ID情報やメタデータのように、(アーカイブイメージ102のような人間が知覚可能なイメージとは違った)コンピュータ読取り可能なデータの形式でよい。幾つかの実施形態では、イメージのうちの幾つか又は全てが、イメージファイル(例えば、JPEGファイル、ワード処理ファイルなど)として別に符号化され、それにより、様々なドキュメントの、人間が読取り可能なコピーとコンピュータ読取り可能なコピーの両方が同じディスク100上に記憶される。分解能によって、アーカイブイメージ102によって占有されるスペースは、イメージがデジタル形式に変換されファイルとしてディスク上に記憶された場合は、対応するデータフットプリントよりかなり小さいことがある。
【0021】
図3は、
図1A〜
図1Bのディスク100からデータを再生するように構成されたリードバックシステム110の機能ブロック表現である。モータ111が、選択されたアーカイブディスク100を選択された速度で回転させ、光学リードバック検出器112が、ディスク100の表面を光学的に走査する。検出器は、単一の検出器(例えば、CCD装置など)でもよく、ディスク100に記憶された異なったタイプのデータを検出する複数の検出装置でもよい。コンピュータデータ検出方法には、磁気的なもの、トポグラフィカルなもの、電気的なものを含めることができる。
【0022】
イメージ再生ブロック114は、アーカイブイメージのデジタルコピーを取得し、ホスト装置(別に示されていない)への転送を保留する出力バッファ116に出力する信号処理を提供する。データ読出しチャネル118は、コンピュータ可読データ(ID情報、メタデータ、コンピュータファイル)を復号し、必要に応じてそれをバッファ116に出力する信号処理を提供する。コントローラ120は、システム110の最上レベルの制御を提供する。
【0023】
図4は、ディスク100にデータを書き込むのに有用な書込みシステム130の機能ブロック図である。データ符号化ブロック132が、コンピュータ可読データを生成し符号化する。イメージ処理ブロック134は、ディスクに転送するための個々のイメージを作成する。データ順序付けブロック136は、書き込みビーム変調ブロック138に、ディスク(又は、複製ディスク群の作成元となることができるマスタディスク)にデータを書き込む書き込みビーム源138によって使用される1つ以上の変調信号の生成で使用されるデータシーケンスを提供する。
【0024】
様々な技術を利用してディスク100にイメージ102を書き込むことができる。幾つかの実施形態では、長期アーカイブ特性を有する材料の表面に個々のページがエッチングされる「ナノアーカイビング」と呼ばれる技術を使用することができる。
【0025】
幾つかの実施形態では、書き込みビームは、光、熱、相変化又は他の物に対する反応性材料などであるがこれらに限定されないエネルギー反応材料の被覆層を選択的に露出させる。材料は、スピンコーティング、スパッタリング、成長などであるがこれらに限定されない任意の適切な方法を使用して下にある基板に付着することができる。
【0026】
露出された材料は、射出成形プロセスで使用されて複製ディスク群を生成することができるスタンパを形成するためにメタライゼーション処理にかけられる。イメージエッチング(エンボス加工)を提供するために使用されるものと同じレーザビームレコーダ、電子ビームレコーダなどを使用して、制御情報のための光学的に検出可能なマーク(例えば、ピットとランド)を形成することができる。バーコードなどの制御情報のための他の形式が提供されてもよい。他の実施形態では、ガラスや金属などの基板材料に直接プラズマエッチングを適用することができる。
【0027】
一般に、データ内容(イメージ及びコンピュータデータ)は、1つ以上のデータ記録層に書き込まれる。この層は、基板の厚さ全体に埋め込まれてもよい。データ記録層の上に1つ以上の保護層が形成されてもよい。
【0028】
図5〜
図7は、
図4の書き込みシステムによって形成されたディスク100の異なるフォーマットを示す。
図5は、イメージエンボス加工ゾーン152とデータエンボス加工ゾーン154を有する第1の領域150を示す。それぞれのゾーンは、ディスク100内に埋め込まれた共通記録層上にあってもよく、異なる記録層上にあってもよい。
図5に示すように、データは第1の記録層に書き込まれてもよく、イメージは別の第2の記録層に書き込まれてもよい。層は、ディスク100の半径全体にわたって同一の広がりを有してもよい。
【0029】
アーカイブディスク100は、
図6の下側面154などの片側からアクセスされるように片面でよい。あるいは、アーカイブディスク100は、
図7に示すように下側面154と上側面156からアクセスされるように両面でもよい。両面アーカイブディスクは、片面ディスクの実質的に2倍のデータ記憶容量を有する傾向がある。エンボスは、ポリコートや他の保護剤の層によって基板内に封入されてもよい。あるいは、エッチングは、例えばエッチングされたガラスや金属のディスクなどの場合には、表面上に対するものでもよい。
【0030】
図8は、データ書き込みルーチン200であって、アーカイブイメージ及び制御データをディスク100に書き込むために、本開示の幾つかの実施形態にしたがって実施されてもよい段階を示す。最初に、202で、アーカイブイメージが識別され、周知の走査技術やイメージ印刷技術などによって配列されてもよい。イメージは、白黒イメージとして想定されているが、それは例示に過ぎず限定的なものではない。エンボス加工及びイメージ検出技術に応じて、グレイスケールやフルカラーのイメージングなどを含む他のスペクトルのイメージ記録が使用されてもよい。
【0031】
段階204で、IDや他の制御データが生成される。これは、ディスク上に提供される様々なアーカイブイメージのカタログ化又はマッピングを含んでもよい。必要に応じて、この段階で、アーカイブイメージに対応するファイルを含む他のコンピュータ可読ファイルを生成したり、他の方法により提供したりすることができる。
【0032】
段階206で、ディスクをエンボス加工してイメージ及び制御データを記憶するためのシーケンスを提供する書き込みシーケンスが生成される。イメージデータは、黒/白画素マップの形式(又は、他の適切なイメージフォーマット)でよい。制御データは、固定サイズのデータブロック(又は、セクタ)の形式でよく、更に、データリードバック信号処理を支援する誤り訂正コード(ECC)を含んでもよい。
【0033】
段階208で、書き込みシーケンスを物理的マーク(エンボス)のシーケンスとしてマスタ媒体に書き込むために1つ以上の書き込みビームが変調される。マスタ媒体は、制御可能に回転されるマスタディスクでよく、書き込みビームは、当てられた書き込みビームに反応する用意された被覆材料層に当たる。前述のように、これらの段階は、LBR又はEBR、又は半導体の形成で使用されるプロセスを含む何か他の適切なプロセスなど、他の従来の光学媒体処理技術を使用して実施されてもよい。
【0034】
露出されたマスタは、段階210で、メタライゼーションや他の技術を使用するスタンパ群の生成などによって処理されて、段階212で、射出成形や他の既知のプロセスによって複製された光学媒体群が形成される。
【0035】
図9は、データ読み出しルーチン220を示す。段階222で、
図8のルーチン200によって生成されたような光学アーカイブ媒体がリードバックシステムに提供される。段階224で、光学検出器が使用されて媒体からIDや他の制御データが抽出される。段階226で、抽出データが使用されて1つ以上のアーカイブイメージの位置特定及び抽出がなされ、次に、段階228で、このアーカイブイメージはデジタル形式でホストに出力される。
【0036】
図10は、幾つかの実施形態に係る別のリードバックシステム230を示す。リードバックシステムは、選択されたアーカイブ基板100A上に光(広域スペクトル光やコヒーレント光など)や他の電磁放射(非可視スペクトルに含む)を加える光源232を含む。
【0037】
透過反射アセンブリ234は、反射された光/電磁放射の組を基板100Aからレンズ236を通り抜けて電荷結合素子(CCD)アレイ238に導き、電荷結合素子(CCD)アレイ238は、検知されたアーカイブイメージの様々な個別の画素の異なる光学応答を検出する。当てられる光スポットは、イメージの全て又はほとんどの部分が同時に検出されるようにイメージの全体又は一部分にわたってもよい。CCD238は、処理と表示のために適切なホスト装置への転送を保留するバッファメモリ239に一時的に記憶されることが可能なビットシーケンスを出力する。
【0038】
図11は、他の実施形態に係る代替のリードバックシステム240を表示する。前と同じように、リードバックシステムは、広域スペクトル光、コヒーレント光又は他の電磁放射を基板100Bに加える光源242を含む。透過反射アセンブリ244は、反射された光/放射線をレンズ246を通り抜けて投射装置248に導き、投射装置248は、図示するように、再生(復元)されたイメージをより大きいディスプレイ249に投影する。したがって、
図11の構成は、顕微鏡と似た働きをし、壁や他の表示場所に投影された、大きく拡大されたイメージを備えている。
【0039】
図12は、230や240などのリードバックシステムの更に他の態様を表示する。リードバックシステムは、XY移動機構250と回転制御機構252とを含む。XY移動機構は、リードバックシステムの再生部材の動きを基板の異なるXY座標に導く(例えば、基板は、XY平面に沿っていると想定されている)。回転制御機構246は、基板の高精度の回転位置決めを可能にする。
【0040】
アーカイブイメージが、連続的なディスク(基板)回転の最中に取得され表示/処理されてもよいと想定されているが、他の実施形態では、ディスク/基板は、アーカイブイメージデータの移動中に一定角度方向に保持され、断続的に回転されるか他の方法で移動されて、基板とリードバックシステムとの間に必要な位置合わせを提供してもよい。同様に、記録する間、マスタ基板は連続的に回転されてもよく、又は定期的に角度方向に前進され、書き込みビームがXY平面内で前進している間に適切な位置に維持されてもよい。
【0041】
図13は、幾つかの実施形態によりフォーマットされた別の例示的な基板260を示す。基板260は、合計28個のイメージタイル262と4個のIDタイル264を含む。前述のものと同じように、イメージタイル262は、人間が見ることができる微視的視覚フォーマットで示されたドキュメントや他の情報のアーカイブイメージを構成する。したがって、もっと多くのイメージタイルが基板上に配置されるであろうこと、及び各イメージタイルは
図13に図示するものより大幅に小さくなるであろうことが想定される。
【0042】
IDタイル264は、均一に色付けされた幾何学形状、規則的又は非規則的パターンなどにおいて、完全に塗りつぶされたもののような、境界線又は他の形状の光学的に検出可能なパターンだけを提供する単純な四角形パターンとすることができる。一実施形態では、各IDタイル264は、IDタイルの角部を示し、更にはイメージタイル262の長さと幅の寸法を示す十字線マーク266などの表示を有する。
【0043】
IDタイル264のそれぞれには、固有の位置的表示267(例えば、「東」に対しては「E」)などの追加の表示が含まれてもよい。このように、4つのIDタイル264は、イメージタイルの座標基準(例えば、北、南、東び西)を提供することができる。個々のイメージタイル262の座標は、IDタイル264の1つ以上との関係で指定されてよい。あるいは、各々のIDタイル264は、名目上同一とすることができる。
【0044】
IDタイル264は、バーコード268などのデータを記憶することができる。これを使用して、イメージタイル262の内容、IDタイル264の位置などを識別することができる。そのようなデータは、バーコード、テキスト、変調データストリング、多次元バーコード、OCRなどの形式の光学的に検出可能なデータを含む任意の適切なフォーマットで記録することができる。追加的に、或いは代替的に、IDタイルは、光学的、磁気的、電気的、ソリッドステート又は他のフォーマットなどの、人間が読取り不能でコンピュータが読取り可能なフォーマットでデータを記憶することができる。IDタイルは、イメージタイルによって占有されない任意のスペース内に配置することができ、また任意の適切な形状と位置のものとすることができる。
【0045】
更に他の実施形態では、メモリ(
図13に示されない)に記憶された別のコンピュータ可読データベースに参照入力を提供するために、コンピュータ可読情報が基板260上に、例えばIDタイル264(但しこれには限定されない)などに提供される。データベースの参照は、所望のイメージタイル262の幾何学的位置の識別を可能にすることができ、リードバックシステムが所望のイメージを位置特定し取得することを可能にする。
【0046】
図14は、36個のイメージタイル272と4個のIDタイル274を有する別の例示的基板270を表示する。イメージタイル274は、前述のようにフォーマットされ、図示されたようないわゆる「角」位置を含む任意の適切な位置に配置することができる。
【0047】
図15は、36個のイメージタイル282を有する更に別の例示的な基板280を示す。対応するIDデータは、内側バンド284や外側バンド286などの1つ以上の円形IDバンド内に配列される。バンド284,286は、1つ以上のトラックに沿って配列されたコンピュータデータフォーマットを含む任意の適切なフォーマットをとることができる。このように、適切なデータトランスジューサをバンドの隣りに位置決めして、基板がトランスジューサに対して移動されたときに、バンドに記憶されたデータを再生することができる。
【0048】
図16は、
図13〜
図15の基板260,270及び280などの基板に対してデータを記憶し、又そこからデータを再生するための、様々な実施形態により構成され操作される処理システム300についての機能ブロック図を表示する。
図16に示された様々なモジュールと操作ブロックは、ハードウェア、ソフトウェア及び/又はファームウェアで実現することができ、1つ以上のハードウェアベースの又はプログラム可能なプロセッサ及び関連するコンピュータ可読メモリによって利用される、実行可能プログラミング及び制御データを含んでもよいことが理解されよう。
【0049】
1−nと番号付けされたn個のイメージタイル302の集合が、前述の任意の適切な方法を使用して生成される。タイル302のイメージ内容のデジタル表現がメモリに一時的に記憶されてもよいと想定されている。イメージタイル302は、タイルレイアウトモジュール304に供給され、タイルレイアウトモジュール304は、個々のイメージの相対サイズ、形状及び密度を考慮に入れて関連基板の構成パターンを生成する。
【0050】
イメージタイルのメタデータ(例えば、制御データ)は、メタデータ生成モジュール306によって生成される。メタデータは、タイルの数、タイルセットの説明、最大記録領域寸法、タイルサイズ、ピクセル密度(例えば、ドットパーインチ(DPI))、後の再生動作の際に使用される関連した検索可能データベースのフォーマットを含むことができるが、これらに限定されない。
【0051】
メタデータ又はその一部分は、最終レイアウトの形成を補助するタイルレイアウトモジュール304と、記録基板上に配置される固有IDブロックを生成するIDデータ生成モジュール308とに供給されてもよい。前述のように、IDブロックは、バーコード、タグ値、幾何学的形状及び/又はパターン、並びにCD(コンパクトディスク)、DVD(デジタル多用途ディスク)、BD(ブルーレイディスク)データフォーマットなどの既存の変調方式にしたがって構成されたデータなどを含む、任意の数の適切な形式をとることができる。
【0052】
マスタパターン生成モジュール310は、タイルレイアウトモジュール304とIDデータ生成モジュール308から入力を受け取り、イメージデータをIDブロックデータと組み合わせて、基板のための最終レイアウトを生成し、前述のようにデータを基板314に転送する記録システム312に入力書き込みデータを供給する。メタデータ、ID値、位置情報などの種々の制御パラメータが、将来参照するために適切なメモリに記憶されたデータベース構造316に転送されてもよい。
【0053】
記録基板314は、前述のような適切な処理を使用して1つ以上の複製された最終基板318が形成されるもととなるマスタ基板の形式を取ってもよい。あるいは、記録基板が最終基板を構成してもよい。
【0054】
順次データ検索動作の際、リードバック装置320は、最終基板318にアクセスして1つ以上の所望のイメージを位置特定し出力する。リードバック装置320は、最終基板からIDデータを再生(復元)し、これを使用して所望のイメージの正確な位置を特定するためにデータベース構造316にアクセスしてもよい。その後で、取得されたイメージ322は、メモリに転送されるか、表示装置に表示されるか、ハードコピーに印刷されるなどによって、適切な出力装置に出力される。
【0055】
図17A〜
図17Eは、アーカイブディスクを提供するために前述の様々な実施形態にしたがって処理された例示的物理基板400の図示表現を表示している。
図17Aは、光学的に検出可能なフィーチャ402のアレイを記憶する基板400を示し、フィーチャ402は、
図16に示すような書き込みシステムを使用して、様々なホログラフィ、グラフィック及びイメージのフィーチャとして形成された。フィーチャ402は、基板400の中心回転軸404のまわりに配列される。基板400は、一般に、名目上120ミリメートル(mm)の外径を有する標準的な光ディスク(例えば、CD、DVD、BD)に合致する。
【0056】
特に関心の対象となるのは、アーカイブディスク400上の選択されたフィーチャ406であり、フィーチャ406は、一般に、約2センチメートル(cm)未満の直径を有するディスク形ゾーンを含む。フィーチャ406は、600個を超えるイメージタイル410を構成することが
図17Bにおいてより明瞭に示されており、各イメージタイル410は、一冊の欽定訳聖書からのテキストの別個のページを提供している。
【0057】
410A、410B、410C及び410Dとして示された4個の個別のイメージタイル(ページ)が、
図17Cと
図17Dにおいてより詳細に示されている。イメージタイル410D及び410Eが、説明を分かり易くするために、
図17Dでは切り詰められていることが分かるであろう。
【0058】
タイル410Aは表題ページを構成し、タイル410Bは目次を構成し、タイル410C及び410Dはテキストの部分である。目次タイル410Bは、
図17Eにおいてより明瞭に示されている。確認できるように、各ページが英数字フォーマットのテキスト情報(この場合は英語)を、個別のページの内容を得ることを可能にするには十分な分解能で含んでいることが分かる。
【0059】
個々のタイルが、タイル410A及び410Bによって示されるように、互いに直に隣接していてもよく、タイル410A及び410Cによって示されるように、隣接タイル間に小さい隙間が備えられてもよい。
図17A〜
図17Fの例には示されていないが、境界線や角クロスハッチなどの他の輪郭マーカを使用して、個々のページの境界をマーキングすることができる。
【0060】
ゾーン406内の各ページは、幅が約25ミクロン(μm)(25x10
-6メートル)のオーダーであり、現行技術の電子ビームレコーダ(EBR)型書き込み装置を使って書き込まれた。必要に応じて、約20μm以下、50μm以下、100μm以下、250μm以下、500μm以下、1000μm以下のオーダーのイメージを含む、より大きなサイズ及び/又はより小さなサイズのイメージを生成することができる。幾つかの場合では、イメージの全体サイズは、個々のタイルのサイズを最大にするために、利用可能な総面積とイメージの総数とに関連して選択される。
【0061】
基板400の全体表面は、フィーチャ406内のアーカイブイメージタイル410とほぼ同じサイズのアーカイブイメージを記憶するように構成されている場合、記録層1つ当たり約100,000個以上のイメージに対応するであろうことが分かる。これは、
図17A〜
図17Eでフォーマットされたもののような欽定訳聖書全体の数百部に対応するのに十分すぎるほどである。記憶媒体上には、約1,000個のイメージタイル、約10,000個のイメージタイル、約1,000,000個のイメージタイル、及びこれらより少ない又は多い他の数を含む、他の数のイメージタイルを提供することができる。
図17A〜
図17Eに別に示されていないが、IDタイルがフィーチャ406に挿入された場合は、IDタイルは、位置を特定してフィーチャ内の残りのイメージの予想サイズを割り出すのに使用できる。その後で、(XY機構によって)IDタイルから適切なXY座標距離だけ移動させることによって、任意の特定のページにアクセスし取得することができる。
【0062】
IDタイル(又は、他のサイズ・位置特定機構)を使用する別の利点は、複製環境において、射出成型レプリカ(及び、他の形式の複製基板)の形成が、マスタ基板と比較すると、収縮や他の寸法変形を受けていることがあることである。物体は、例えば、従来の光ディスク(DVD,BD)ディスク複製技術を使用すると、約1%〜4%収縮することがある。したがって、残りのイメージの寸法に関連して選択された寸法を有するIDタイルを特定し、そのサイズを判断することによって、リードバックシステムは、それに応じて較正し、必要なイメージに正確にアクセスし取得することができる。
【0063】
一実施形態では、イメージアーカイブ基板(担体又はディスク)の1つの面又は記録層の全体が、イメージデータなどのイメージを記憶するために使用され、基板の別の面又は記録層が、イメージデータと関連付けられたコンピュータ可読データを記憶する。例えば、プログラミングの形式のコンピュータ可読データは、ホストシステム上に実行可能プログラムを提供するためにアドレス指定可能な論理データブロックの形式のコンピュータ可読データとして供給することができ、プログラミングを使用して、イメージからのイメージデータのアクセス、転送及び表示を提供することができる。本開示を鑑みて当業者は、アートワークのコピーのアーカイビング等を含む他の応用に容易に想到するであろう。
【0064】
ここで、本明細書に示された様々な実施形態が、先行技術より優れた幾つかの利点を提供できることが理解されよう。例えばDVDやBDなどであるがそれらに限定されない従来通りのサイズの機械可読光学媒体、並びに他のタイプ及び様式の基板を使用して高容量データイメージアーカイビングを提供することができる。
【0065】
アーカイブドキュメントの実際の物理(小さい)イメージを取得し記憶することによって、効率的なデータ記憶機構が提供される。データをコンピュータフォーマットで記憶するためのオーバヘッド(例えば、ヘッダ、フッタ、ECC補正データ、デコーダソフトウェアなど)は実質的に不要である。同様に、ディスク/基板からイメージを再生するためのソフトウェア変換、コーデック、アプリケーション、ドライバなどが不要なので、アクセシビリティ問題がもたらされない。したがって例えば、イメージは、アーカイブデータの再生を可能にするために特別に構成されたJPEG/GIF/MPEGなどの変換層を必要としない。必要に応じて、高倍率顕微鏡や他のイメージ再生装置が、イメージデータを直接再生するのに十分であろう。
【0066】
IDタイル(又は、他のサイズ特定機構)を使用することにより、個々のイメージの迅速な位置特定とサイズ特定が可能になるが、IDタイルは、必ずしもアーカイブイメージと全く同じサイズである必要はなく、IDタイルのサイズとイメージとの間の所定の関係を使用して容易なアクセスを補助することができる。例えば、イメージのサイズが名目上Xミクロンで、タイル(書き込み前)がちょうど1ミクロン×1ミクロンにサイズ決めされた場合、IDタイルの正確な測定により、基板上の全てのアーカイブイメージの位置とサイズを計算するために使用できるディレーティング係数を決定することができる。
【0067】
前述の様々な実施形態は、白黒ドキュメント(
図17A〜
図17Eに示された聖書からのページなど)の記憶に関して想定しているが、基礎基板と書き込みプロセスが、必要な色深度をサポートするように構成される場合は、この方法で多色イメージも記憶することができる。このように、本明細書に開示された様々な実施形態は、ノーカット映画などの視聴覚作品を記憶するように構成することができる。
【0068】
一例では、全長約120分で30フレーム/秒で表示される映画は、約30x60x120=216,000個の個別フレーム又はアーカイブイメージを必要とする。リードバックシステムは、イメージ領域からイメージを容易に抽出し、バッファリングし、投射し、一方で同時に
図15も含め、前述したもののように媒体上に形成されたトラックから対応するオーディオサウンドトラックデータを出力するよう、構成されてもよい。複数のイメージを組み合わせて個々のフレームを提供してもよい。イメージの順序付けは、
図1Bで前述したものを含むスパイラル状若しくは同心円状のパターンなどや、又は
図1Aに示されたようなラスタパターンなど、その連続出力を強化するようになされてもよい。したがって、用語「アーカイブデータ」は、大倍率の拡大の適用が要件であるとはいえ、イメージが「古い」か「新しい」かに関わらず、人間が知覚可能なイメージの形式で基板上に記憶されたデータのことを示していると幅広く理解されよう。
【0069】
様々な実施形態が、光ディスクとして示されたが、そのような実施形態は例示的なものに過ぎず、限定的なものではない。同様に、媒体の回転移動は、特に有用な操作の様式として示されているが、それもまた例示的なものに過ぎず、限定的なものではない。
【0070】
本明細書の目的のため、人間が知覚可能なイメージなどは、様々な波長スペクトルを含み、マイクロフィッシュのような可視光スペクトルに必ずしも限定されないが、代りにUV、IR、マイクロ波、並びにSEM又はAFMシステムなどによって検出できる全ての検出及び記録波長を含む他のスペクトルに拡張することができる。
【0071】
以上の説明では、本開示の様々な実施形態の多くの特徴と利点を、様々な実施形態の構造及び機能の詳細と共に示したが、この詳細な説明は、単に説明であり、詳細において、特に部材の構造と配置に関して、本開示の原理の範囲内で、添付の特許請求の範囲を表現する用語の広い一般的な意味よって示される最大範囲まで変更が行われうることを理解されたい。