(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記の導体配線パターンや電磁波シールド材の導電層は、導体材料(導電性組成物)の転写後に硬化・加熱処理を行うことにより形成されるため、当該導体配線パターンの表面には導体材料を構成する導電性粒子に由来する凹凸形状が生じる。このため、外部から入射する光が当該導体配線パターンの表面で乱反射するという問題がある。一方、導体配線パターン全体の表面粗さを小さくして当該乱反射を抑制することができたとしても、導体材料と基板との接着を強固に行うことが困難になるという問題がある。
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、絶縁部材と導体パターンとを強固に接着しつつ、外部から入射する光の乱反射を抑制することができる配線体、配線基板、タッチセンサ、及び配線体の製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
[1]本発明に係る配線体は、絶縁部材と、
導電性粒子及びバインダ樹脂を含み、前記絶縁部材に接着される導体パターンと、を備え、前記導体パターンにおいて前記絶縁部材に接着される接着面
において、前記導電性粒子の一部が前記バインダ樹脂から突出しており、前記導体パターンの接着面の面粗さは、前記導体パターンにおいて前記接着面を除く他の面の面粗さよりも粗く、前記絶縁部材と前記導体パターンとの境界は、前記導体パターンの接着面の面粗さに基づいた凹凸形状に対応した凹凸形状となっていることを特徴とする。
[2]上記発明において、前記導電性粒子の平均粒径は、0.5μm〜2μmであってもよい。
[3]上記発明において、前記導体パターンの接着面の面粗さは、0.1μm〜3μmであってもよい。
【0008】
[
4]上記発明において、下記(1)式を満たしてもよい。
0.5≦B/A・・・(1)
但し、上記(1)式において、Aは前記導体パターンの断面視における最大幅であり、Bは前記導体パターンの前記断面視における最大高さである。
【0009】
[
5]上記発明において、前記他の面は、前記接着面の反対側に位置する頂辺部を有し、
前記頂辺部は、平坦部を含んでもよい。
【0010】
[
6]上記発明において、前記他の面は、前記接着面の反対側に位置する頂辺部と、前記接着面と前記頂辺部との間に位置する側部を有し、前記側部は、断面視において、前記絶縁部材から離れる方向に従い、前記導体パターンの中心に接近するように傾斜してもよい。
【0011】
[
7]前記側部は、前記絶縁部材から離れる方向に向かって凸状に形成されていてもよい。
【0012】
[
8]上記発明において、前記頂辺部と前記側部との間の角度θは、90°〜120°であってもよい。
【0013】
[
9]上記発明において、前記側部は、断面視において、前記頂辺部と繋がる第1の部分と、前記第1の部分よりも外側に位置し、前記接着面と繋がる第2の部分と、を有しており、前記側部は、断面視において、前記第1及び第2の部分を通る仮想直線と実質的に一致している、又は、前記仮想直線よりも外側に突出していてもよい。
【0014】
[
10]上記発明において、前記導電性粒子の平均直径は、前記導体パターンの幅の半分以下であってもよい。
【0015】
[
11]上記発明において、前記導体パターンの幅は、1μm〜5μmであってもよい。
【0016】
[
12]上記発明において、前記他の面側における前記配線体の乱反射率は、前記接着面側における前記配線体の乱反射率に対して相対的に小さくてもよい。
【0017】
[
13]本発明に係る配線基板は、上記配線体と、前記配線体を支持する支持体と、を備えることを特徴とする。
【0018】
[
14]本発明に係るタッチセンサは、上記配線基板を備えることを特徴とする。
【0019】
[
15]本発明に係る配線体の製造方法は、凹版の凹部に
導電性粒子及びバインダ樹脂を含む導電性材料を充填する第1の工程と、前記凹版に充填された前記導電性材料に対して乾燥、加熱及びエネルギー線の照射のうちの少なくとも1つを行い、前記導電性材料の上面に
、前記導電性粒子の一部が前記バインダ樹脂から突出した凹凸形状を形成し、前記導電性材料から導体パターンを形成する第2の工程と、前記凹凸形状に絶縁材を入り込ませる第3の工程と、少なくとも前記絶縁材及び前記導体パターンを、前記凹版から離型する第4の工程と、を備えたことを特徴とする。
【0020】
[
16]上記発明において、前記第3の工程は、前記凹凸形状に入り込んだ前記絶縁材の上に基材を配置する工程を含み、前記第4の工程は、前記導体パターンが前記絶縁材を介して前記基材に固定された状態で、前記基材、前記絶縁材及び前記導体パターンを、前記凹版から離型する工程であってもよい。
【0021】
[
17]上記発明において、下記(2)式を満たしてもよい。
0.5≦D/C・・・(2)
但し、上記(2)式において、Cは乾燥、加熱及びエネルギー線の照射のうちの少なくとも1つが行われた前記導電性材料の断面視における最大幅であり、Dは加熱又はエネルギー線を照射された前記導電性材料の前記断面視における最大高さである。
【0022】
[
18]上記発明において、前記凹部の内壁は、平坦面を含んでもよい。
【0023】
[
19]上記発明において、前記平坦面は、前記上面に対して傾斜していてもよい。
【0024】
[
20]上記発明において、前記凹部の内面形状は、底面に向かって凸となる面を含んでもよい。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、導体パターンにおいて絶縁部材に接着される接着面の面粗さは、当該導体パターンにおいて接着面を除く他の面の面粗さよりも粗くなっている。このため、絶縁部材と導体パターンとを強固に接着しつつ、外部から入射する光の乱反射を抑制することができる。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0028】
図1は実施形態における配線基板を示す斜視図であり、
図2は
図1のII-II線に沿った断面図であり、
図3は
図1のIII-III線に沿った断面図であり、
図4(A)〜
図4(C)は実施形態における配線体の第1〜第3変形例をそれぞれ示す断面図である。
【0029】
本実施形態における配線基板10(配線体1)は、タッチパネル等のタッチセンサの電極基材等として用いられるものである。このようなタッチセンサは、たとえば、配線基板10(配線体1)と表示装置(不図示)とを組み合わせて、タッチ位置を検出する機能を有する入力装置として用いられる。表示装置としては、特に限定されず、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、電子ペーパー等を用いることができる。
【0030】
タッチセンサとしては、たとえば、2つの配線基板10(配線体1)を用いた投影型の静電容量方式のタッチセンサ等があるが、このようなタッチセンサでは、相互に対向配置された2つの配線基板10の一方を検出電極、他方を駆動電極として用い、この2つの電極の間に外部回路(不図示)から所定電圧を周期的に印加している。そして、たとえば、操作者の指(外部導体)が当該タッチセンサに接近すると、この外部導体とタッチセンサとの間でコンデンサ(静電容量)が形成され、2つの電極間の電気的な状態が変化する。タッチセンサは、2つの電極間の電気的な変化に基づいて、操作者の操作位置を検出することができる。
【0031】
配線基板10は、
図1に示すように、配線体1と、当該配線体1を支持する基材2と、を備えている。配線体1は、絶縁部材としての接着層3と、導電層4と、を備えている。なお、配線基板10(配線体1)の用途は、特に上記に限定されない。
【0032】
本実施形態において、導電層4は、複数の直線状の導体パターン41によって構成されたメッシュ形状(網目形状)を有している。本実施形態では、導体パターン41によって構成される各網目の形状は略正方形とされているが、特にこれに限定されず、各網目の形状が次のような幾何学的模様であってもよい。すなわち、上記網目の形状が、正三角形、二等辺三角形、直角三角形等の三角形でもよいし、平行四辺形、台形等の四角形でもよい。また、網目の形状が、六角形、八角形、十二角形、二十角形等のn角形や、円、楕円、星型等でもよい。
【0033】
このように、種々の図形単位を繰り返して得られる幾何学模様を、当該導電層4の各網目の形状として用いることができる。また、本実施形態では、導体パターン41は、直線状とされているが、線状に延在しているのであれば、特にこれに限定されず、たとえば、曲線状、馬蹄状、ジグザグ線状等にしてもよい。
【0034】
なお、導電層4の平面形状は特にこれに限定されない。例えば、メッシュ形状ではなく、直線であってもよいし、導体パターン41が曲線形状であってもよい。また、導体パターン41が平面視において不均一な幅を有していてもよい。
【0035】
基材2は、可視光線が透過可能であると共に、配線体1を支持する透明な基材である。こうした基材2を構成する材料としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリイミド樹脂(PI)、ポリエーテルイミド樹脂(PEI)、ポリカーボネート(PC)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、液晶ポリマー(LCP)、シクロオレフィンポリマー(COP)、シリコーン樹脂(SI)、アクリル樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、グリーンシート、ガラス等を例示できる。この基材2に、易接着層や光学調整層が形成されていてもよい。
【0036】
絶縁部材としての接着層3は、基材2上に導体パターン41を保持するための層であり、例えば、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、ビニル樹脂、シリコーン樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂等のUV硬化性樹脂、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、セラミックグリーンシート等の絶縁性材料から構成されている。この接着層3は、導体パターン41を支持する支持部31と、当該支持部31を除く基材2の主面21を覆う平状部32と、を有しており、それら支持部31及び平状部32は一体的に形成されている。特に限定しないが、平状部32の厚さは、5μm〜100μmの範囲内で設定することができる。
【0037】
本実施形態における支持部31の断面形状(導体パターン41の延在方向に対する断面形状)は、
図2に示すように、基材2から離れる方向(
図2中の+Z方向)に向かって幅狭となる形状となっている。また、支持部31と導体パターン41との境界は、当該導体パターン41の下面(接着面)42の凹凸形状に対応した凹凸形状となっている。このような凹凸形状は、導体パターン41の接着面42の面粗さに基づいて形成されている。なお、
図3に示すように、導体パターン41の延在方向に沿った断面における支持部31と導体パターン41との境界も、導体パターン41の接着面42の凹凸形状に対応した凹凸形状となっている。接着面42の面粗さについては、後に詳細に説明する。
図2及び
図3においては、本実施形態における配線体1を分かり易く説明するために、支持部31と導体パターン41との境界の凹凸形状を誇張して示している。
【0038】
平状部32は、略均一な高さ(厚さ)で基材2の主面21全体に設けられている。この平状部32の高さは、支持部31の高さに対して相対的に低くなっている。このため、支持部31は平状部32に対して突出しており、当該支持部31において配線体1の剛性が向上している。なお、支持部31を除いた基材2の主面21の一部のみに平状部32が形成されていてもよい。また、特に図示しないが、平状部32の高さが支持部31の高さと等しくてもよい。また、平状部32の高さが支持部31の高さよりも大きくてもよい。
【0039】
なお、接着層3から平状部32を省略し、支持部31のみで接着層3を構成してもよい。この場合には、配線体1全体の光透過性が向上するため、当該配線体1を実装したタッチパネル等における視認性を向上することができる。本実施形態における接着層3が本発明の絶縁部材の一例に相当する。
【0040】
導電層4(導体パターン41)は、例えば、タッチセンサにおける電極や、当該電極と電気的に接続されている引出配線として機能する層である。このような導電層4は、導電性ペーストを塗布して硬化させることで形成されている。この導電層4を構成する導電性ペーストの具体例としては、導電性粉末もしくは金属塩が、バインダ樹脂、水もしくは溶剤、および各種添加剤を混合して構成される導電性ペーストを例示することができる。導電性粉末としては、銀、銅、ニッケル、スズ、ビスマス、亜鉛、インジウム、パラジウム等の金属や、グラファイト、カーボンブラック(ファーネスブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラック)、カーボンナノチューブ、カーボンナノファイバ等のカーボン系材料を挙げることができる。金属塩としては、上述の金属の塩を挙げることができる。
【0041】
この導電層4(導体パターン41)に含まれる導電性粒子としては、形成する導体パターン41の幅に応じて、例えば、0.5μm以上2μm以下の直径φ(0.5≦φ≦2)を有する導電性粒子を用いることができる。なお、導体パターン41における電気抵抗値を安定させる観点から、形成する導体パターン41の幅の半分以下の平均直径φを有する導電性粒子を用いることが好ましい。また、導電性粉末としてカーボン系材料を用いる場合、BET法により測定した比表面積が20m
2/g以上の粒子を用いることが好ましい。
【0042】
導電層4(導体パターン41)として、一定以下の比較的小さい電気抵抗値が求められる場合、導電性粉末としては金属材料を用いることが好ましいが、導電層4(導体パターン41)として、一定以上の比較的大きい電気抵抗値が許容される場合には、導電性粉末としてカーボン系材料を用いることができる。なお、導電性粒子としてカーボン系材料を用いると、メッシュフィルムのヘイズや全光線反射率を改善させる観点から好ましい。
【0043】
導電性ペーストに含まれるバインダ樹脂としては、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ビニル樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂等を例示することができる。導電性ペーストに含まれる溶剤としては、α-テルピネオール、ブチルカルビトールアセテート、ブチルカルビトール、1−デカノール、ブチルセルソルブ、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、テトラデカン等を例示することができる。なお、導電層4を構成する材料からバインダ樹脂を省略してもよい。
【0044】
導体パターン41の幅としては、50nm〜1000μmであることが好ましく、500nm〜150μmであることがより好ましく、1μm〜10μmであることがさらに好ましく、1μm〜5μmであることがさらにより好ましい。また、導体パターン41の高さとしては、50nm〜3000μmであることが好ましく、500nm〜450μmであることがより好ましく、500nm〜10μmであることがさらに好ましい。
【0045】
本実施形態の導体パターン41は、接着面42と、頂辺部43と、2つの側部44、44と、を有している。頂辺部43は、導体パターン41において接着面42の反対側に位置している。この頂辺部43は、基材2の主面21(接着層3の平状部32の上面)に対して実質的に平行となっている。
【0046】
頂辺部43は、導体パターン41の幅方向の断面において、平坦部431を含んでいる。この平坦部431は、導体パターン41の幅方向の断面において、直線状とされた部分(すなわち、曲率半径が極めて大きい部分)であり、平面度が0.5μm以下となっている。なお、平面度は、JIS法(JIS B0621(1984))により測定することができる。
【0047】
本実施形態では、平坦部431の平面度は、レーザ光を用いた非接触式の測定方法を用いて求める。具体的には、帯状のレーザ光を測定対象(たとえば頂辺部43や側部44)に照射し、その反射光を撮像素子(たとえば、2次元CMOS)上に結像させて平面度を測定する。平面度の算出方法は、対象の平面において、できるだけ離れた3点を通過する平面をそれぞれ設定し、それらの偏差の最大値を平面度として算出する方法(最大ふれ式平面度)を用いる。なお、平面度の測定方法や算出方法は、特に上述に限定されない。たとえば、平面度の測定方法は、ダイヤルゲージ等を用いた接触式の測定方法であってもよい。また、平面度の算出方法は、対象となる平面を、平行な平面ではさんだときにできる隙間の値を平面度として算出する方法(最大傾斜式平面度)を用いてもよい。
【0048】
本実施形態の平坦部431は、頂辺部43の略全体に形成されている。なお、特に上述に限定されず、平坦部は、頂辺部の一部に形成されていてもよい。この場合、たとえば、平坦部が頂辺部43の両端を含まない領域に形成されていてもよい。平坦部が頂辺部の一部に形成される場合、当該平坦部431の幅は、頂辺部43の幅に対して少なくとも1/2以上となっている。
【0049】
側部44は、接着面42と頂辺部43との間に位置している。この側部44は、頂辺部43と繋がる第1の部分44aと、接着面42と繋がる第2の部分44bと、を有している。第2の部分44bは、第1の部分44aよりも外側に位置している。
【0050】
仮想直線L(
図2中一点鎖線にて表示)は、導体パターン41の幅方向の断面において、第1及び第2の部分44a,44bを通る直線である。この仮想直線Lは、接着層3から離れるに従い、導体パターン41の幅方向の断面における中心に接近するように傾斜している。
【0051】
本実施形態の側部44は、この仮想直線Lと実質的に一致するように延在している。つまり、側部44も、接着層3から離れるに従い、導体パターン41の断面形状における中心に接近するように傾斜している。一の導体パターン41における2つの側部44,44の傾斜角度は、実質的に同一となっている。
【0052】
このような側部44は、導体パターン41の幅方向の断面において、平坦部441を含んでいる。平坦部441は、導体パターン41の幅方向の断面において、直線状とされた部分(すなわち、曲率半径が極めて大きい部分)であり、平面度が0.5μm以下となっている。本実施形態では、側部44のうち仮想直線Lと実質的に一致して延在する部分が、平坦部441を構成している。すなわち、側部44の略全体に平坦部441が形成されている。
【0053】
なお、側部44の形状は、特に上述に限定されない。たとえば、側部44は、導体パターン41の幅方向の断面において、仮想直線Lよりも外側に突出していてもよい。つまり、側部44は、導体パターン41の幅方向の断面において、仮想直線Lよりも内側に凹んでいない形状(導体パターンの裾が広がらない形状)であることが好ましい。また、本実施形態では、平坦部441は、側部44の全体に形成されているが、特にこれに限定されず、当該側部44の一部に形成されていてもよい。
【0054】
導体パターン41の側部44と接着層3における支持部31の側部311とは、滑らかに連続することにより1つの平面を形成している。この場合、支持部31の側部311は、導体パターン41の幅方向の断面において、当該支持部31の裾が広がらない形状であることが好ましい。具体的には、側部311と側部44とが繋がる部分と、側部311と平伏部32とが繋がる部分と、を通る仮想直線よりも、側部311が内側に凹んでいない形状であることが好ましい。
【0055】
導電層4を構成する導体パターン41の断面形状は、
図2に示すように略台形形状であるが、特にこれに限定されない。例えば、導体パターン41の断面形状が正方形状、長方形状等であってもよい。
【0056】
また、例えば、導体パターン41の断面形状が、
図4(A)に示すように、頂辺部43と側部44、及び頂辺部43と側部44との間に形成された第2の側部45を有していてもよい。第2の側部45は、導体パターン41の断面形状における中心線Cに向かって側部44よりも傾斜して形成されている。本実施形態では、この第2の側部45は、第2の側部45と頂辺部43とが繋がる第3の部分45aと、側部44と第2の側部45とが繋がる第4の部分45bとを通る仮想直線L2と実質的に一致して延在している。この場合、側部44の第1の部分44aと、第2の側部45の第4の部分45bとは実質的に一致している。そして、このような第2の側部45も、側部44と同様、導体パターン41の幅方向の断面において、仮想直線L2よりも内側に凹んでいない形状(導体パターンの裾が広がらない形状)であることが好ましい。また、
図4(B)に示すように、導体パターン41の断面形状が頂辺部43を有しておらず、左右の側部44同士が頂点441で繋がっていてもよい。また、
図4(C)に示すように、導体パターン41における下面(接着面)42を除く他の面が、基材2から離れる方向に向かって凸状に形成された曲面46を含んでいてもよい。なお、
図4(A)〜
図4(C)の例では導体パターン41の断面形状が左右対称の形状となっているが、当該断面形状が左右非対称の形状であってもよい。
【0057】
本実施形態において、導体パターン41の側部44は、接着面42(平均面)に対して所定角度で傾斜している。導体パターン41の頂辺部43は、上述のとおり基材2の主面21(接着層3の平状部32の上面)に対して実質的に平行となっている。この場合、側部44と頂辺部43との間の角度θは、側部44における光の乱反射を抑制する観点から、90°〜170°(90°≦θ≦170°)であることが好ましく、90°〜120°(90°≦θ≦120°)であることがより好ましい。本実施形態では、側部44の一方と頂辺部43との間の角度と、側部44の他方と頂辺部43との間の角度とは、実質的に同一となっている。
【0058】
また、本実施形態では、下記(3)式が成立している。
0.5≦B/A・・・(3)
但し、上記(3)式において、Aは導体パターン41の断面視における最大幅であり、Bは導体パターン41の当該断面視における最大高さ(厚さ)である。なお、上記(3)式のB/Aは、3以下(B/A≦3)であることが好ましい。
【0059】
また、本実施形態の導体パターン41では、頂辺部43が平坦部431(平滑面)を含んでおり、接着面42の面粗さは、当該平坦部431を含む頂辺部43の面粗さよりも粗くなっている。具体的には、導体パターン41の接着面42の面粗さRaが0.1μm〜3μm程度であるのに対し、頂辺部43の面粗さRaは0.001μm〜1.0μm程度となっている。この場合、接着面42の面粗さと、頂辺部43の面粗さとの比(接着面42の面粗さに対する頂辺部43の面粗さ)は、0.01〜1未満となっている。なお、接着面42の面粗さRa0.1〜0.5μmであることが好ましく、頂辺部43の面粗さRaは0.001μm〜0.3μmであることが好ましい。また、頂辺部43の面粗さは、導体パターン41の幅(最大幅A)の5分の1以下であることが好ましい。また、接着面42の面粗さと、頂辺部43の面粗さとの比は、0.1〜1未満であることが好ましい。
【0060】
このような面粗さは、JIS法(JIS B0601(2013年3月21日改正))により測定することができる。接着面42の面粗さ及び頂辺部43の面粗さの測定は、導体パターン41における幅方向に沿って行ってもよいし(
図2参照)、導体パターン41における延在方向に沿って行ってもよい(
図3参照)。
【0061】
因みに、JIS法(JIS B0601(2013年3月21日改正))に記載されるように、ここでの「面粗さRa」とは「算術平均粗さRa」のことをいう。この「算術平均粗さRa」とは、断面曲線から長波長成分(うねり成分)を遮断して求められる粗さパラメータのことをいう。断面曲線からのうねり成分の分離は、形体を求めるのに必要な測定条件(たとえば、当該対象物の寸法等)に基づいて行われる。
【0062】
また、本実施形態では、側部44も平坦部441を含んでいる。そして、頂辺部43と同様、接着面42の面粗さは、平坦部441を含む側部44の面粗さよりも粗くなっている。具体的には、上述の接着面42の面粗さRaに対して、側部44の面粗さRaは0.001μm〜1.0μm程度となっている。なお、側部44の面粗さRaは0.001μm〜0.3μmであることが好ましい。側部44の面粗さの測定は、導体パターン41における幅方向に沿って行ってもよいし(
図2参照)、導体パターン41における延在方向に沿って行ってもよい(
図3参照)。
【0063】
頂辺部43が平坦部431を含み、側部44が平坦部441を含んでいることで、接着面42を除く他の面側(すなわち、頂辺部43及び側部44を含む面側)における配線体1の乱反射率が、接着面42側における配線体1の乱反射率に対して相対的に小さくなっている。具体的には、接着面42側における配線体1の乱反射率と接着面42を除く他の面側における配線体1の乱反射率との比(接着面42側における配線体1の乱反射率に対する接着面42を除く他の面側における配線体1の乱反射率)が0.1〜1未満となっており、0.3〜1未満であることが好ましい。
【0064】
上述した接着面と他の面との面粗さの相対的関係を有する導体パターン41Bの形状の一例について、
図5を参照しながら説明する。
図5に示すように、導電性粒子Mとバインダ樹脂Bとを含み構成される導体パターン41Bでは、複数の導電性粒子Mがバインダ樹脂B中に分散している。そして、導体パターン41Bの幅方向の断面において、接着面42Bでは、導電性粒子Mの一部がバインダ樹脂Bから突出しており、これにより、当該接着面42Bが凹凸形状となっている。一方、導体パターン41Bの幅方向の断面において、頂辺部43B及び側部44Bでは、導電性粒子M同士の間にバインダ樹脂Bが入り込み、バインダ樹脂Bが導電性粒子Mを覆っている。これにより、頂辺部43Bに平坦部431Bが形成されている。また、側部44Bに平坦部441Bが形成されている。なお、頂辺部43B及び側部44Bにおいて、導電性粒子がバインダ樹脂により覆われていることで、隣り合う導体パターン41同士の間における電気絶縁性が向上し、マイグレーションの発生が抑制される。
【0065】
図5に示す形態では、接着面42Bにおいて導電性粒子Mの一部がバインダ樹脂Bから突出していることで、当該接着面42Bの面粗さが比較的大きくなっている。一方、頂辺部43Bにおいては、バインダ樹脂Bにより導電性粒子Mが覆われていることで、当該頂辺部43Bの面粗さが比較的小さくなっている。これにより、接着面42Bの面粗さが頂辺部43Bの面粗さよりも粗くなっている。
【0066】
また、側部44Bにおいても、頂辺部43Bと同様、バインダ樹脂Bにより導電性粒子Mが覆われていることで、当該側部44Bの面粗さが比較的小さくなっている。これにより、接着面42Bの面粗さが側部44Bの面粗さよりも粗くなっている。なお、接着面、頂辺部、及び側部の形状は、上述の面粗さの相対的関係を有していれば、
図5に示す形態に限定されない。
【0067】
次に、本実施形態における配線基板10の製造方法について説明する。
図6(A)〜
図6(E)は、本実施形態における配線基板の製造方法を説明するための断面図である。
【0068】
まず、
図6(A)に示すように、導電層4のメッシュ形状に対応する形状の凹部51が形成された凹版5を準備する。凹版5を構成する材料としては、ニッケル、シリコン、二酸化珪素などガラス類、セラミック類、有機シリカ類、グラッシーカーボン、熱可塑性樹脂、光硬化性樹脂等を例示することができる。
【0069】
このような凹部51の幅としては、50nm〜1000μmであることが好ましく、500nm〜150μmであることがより好ましく、1μm〜10μmであることがさらに好ましく、1μm〜5μmであることがさらにより好ましい。また、凹部51の高さとしては、50nm〜3000μmであることが好ましく、500nm〜450μmであることがより好ましく、500nm〜10μmであることがさらに好ましい。
【0070】
本実施形態における凹部51の内壁52は平坦面になっていると共に、当該内壁52は凹部51の底面53に向かって幅狭となるよう傾斜している(
図6(A)の引き出し図参照)。凹部51を含む凹版5の表面には、離型性を向上するために黒鉛系材料、シリコーン系材料、フッ素系材料、セラミック系材料、アルミニウム系材料等からなる離型層を形成することが好ましい。
【0071】
上記の凹版5の凹部51に対し、導電性材料6を充填する(第1の工程)。このような導電性材料6としては、上述したような導電性ペーストを用いる。また、加熱されることにより導電性が付与される材料を用いてもよい。導電性材料6を凹版5の凹部51に充填する方法としては、例えばディスペンス法、インクジェット法、スクリーン印刷法を挙げることができる。もしくはスリットコート法、バーコート法、ブレードコート法、ディップコート法、スプレーコート法、スピンコート法での塗工の後に凹部以外に塗工された導電性材料をふき取るもしくは掻き取る、吸い取る、貼り取る、洗い流す、吹き飛ばす方法を挙げることができる。導電性材料の組成等、凹版の形状等に応じて適宜使い分けることができる。
【0072】
次に、
図6(B)に示すように、凹版5の凹部51に充填された導電性材料6を加熱することにより導電層4を構成する導体パターン41を形成する。導電性材料6の加熱条件は、導電性材料6の組成等に応じて適宜設定することができる。
【0073】
この加熱処理により、導電性材料6が体積収縮する。この際、導電性材料6の上面47を除く外面は、凹部51の内壁52及び底面53に沿った平坦面を有する形状に形成される。一方、凹部51に充填された導電性材料6の上面47は、外部雰囲気と接触した状態で加熱される。このため、導体パターン41の上面47には、導電性材料6に含まれる導電性粒子の形状に基づく凹凸形状が形成される(第2の工程)。導電性材料6は、本工程において加熱硬化するため、後の工程で凹版5の凹部51から取り出しても濡れ広がりを生じない。なお、導電性材料の処理方法は加熱に限定されない。赤外線、紫外線、レーザー光等のエネルギー線を照射しても良いし、乾燥のみでもよい。また、これらの2種以上の処理方法を組合せても良い。
【0074】
また、この際、下記(4)式が成立している。
0.5≦D/C・・・(4)
但し、上記(4)式において、Cは加熱された導電性材料6の断面視における最大幅であり、Dは加熱された導電性材料6の当該断面視における最大高さ(厚さ)である(
図4(Bの引き出し図参照)。なお、上記(4)式のD/Cは、3以下(D/C≦3)であることが好ましい。
【0075】
続いて、
図6(C)に示すように、接着層3を形成するための接着性材料7を凹版5上に塗布する。このような接着性材料7としては、上述した接着層3を構成する材料を用いる。接着性材料7を凹版5上に塗布する方法としては、スクリーン印刷法、スプレーコート法、バーコート法、ディップ法、インクジェット法等を例示することができる。この塗布により、導体パターン41の凹凸形状を含む凹部51内に接着性材料7が入り込む(第3の工程)。
【0076】
続いて、
図6(D)に示すように、凹版5上に塗布された接着性材料7の上から基材2を配置する。この配置は、接着性材料7と基材2との間に気泡が入り込むことを抑制するために、真空下で行うことが好ましい。基材の材料は上述したものを例示できる。これら基材は易接着層や光学調整層が形成されていても良い。次いで、接着性材料7を固める。接着材料を固める方法としては、紫外線、赤外線レーザー光等のエネルギー線照射、加熱、加熱冷却、乾燥等を例示することができる。これにより、接着層3が形成されると共に、当該接着層3を介して基材2と導体パターン41とが相互に接着され固定される。
【0077】
なお、本実施形態では、接着性材料7を凹版5上に塗布した後に基材2を積層しているが、特にこれに限定されない。例えば、基材2の主面(凹版5に対向する面)に予め接着性材料7を塗布したものを凹版5上に配置することにより、接着性材料7を介して基材2を凹版5に積層してもよい。
【0078】
次いで、基材2、接着層3及び導電層4を離型し(第4の工程)、配線基板10(配線体1)を得ることができる(
図6(E)参照)。なお、
図4(A)〜
図4(C)に示す配線体については、それぞれの導体パターン41及び支持部31の形状に応じた凹部を有する凹版を用いることにより、上記と同様にして製造することができる。
【0079】
次に、本実施形態における配線体1及びその製造方法の作用について説明する。
図7は、本実施形態における配線体の作用を説明するための断面図である。
【0080】
本実施形態の配線体1では、導体パターン41における接着面42と当該接着面42以外の他の面(頂辺部43及び側部44を含む面)との面粗さ(すなわち、うねり成分を遮断した粗さパラメータ)の相対的関係に着目しており、当該接着面42の面粗さRaを他の面の面粗さRaに対して相対的に粗くしている。このため、接着層3と導体パターン41とを強固に接着しつつ、外部から入射する光の乱反射を抑制することができる。特に、導体パターン41の幅が1μm〜5μmの場合に、接着面42と他の面との面粗さの相対的関係が上述の関係を満たすことで、接着層3と導体パターン41とを強固に接着しつつ、外部から入射する光の乱反射を抑制することができるという効果を顕著に奏することができる。
【0081】
また、本実施形態における配線体1を製造する際は、上述したように、凹版5の凹部51に導電性材料6を充填した後に当該導電性材料6を加熱する。これにより、加熱後の導電性材料6の底面は、凹部51の底面53の平坦面に対応して平坦状な部分を含んでいる。このため、導電層4を構成する導体パターン41の頂辺部43は、平坦部431を含む。これにより、配線体1をタッチパネルの電極基材等として用いた際、当該配線体1の外部から入射する光の乱反射をさらに抑制することができる。この結果、配線体1を実装したタッチパネル等の視認性を向上することができる。
【0082】
同様に、本実施形態では、加熱後の導電性材料6の側面は、凹部51の内壁52の平坦面に対応して平坦状な部分を含んでいる。このため、導電層4を構成する導体パターン41の側部44は、平坦部441を含む。これにより、配線体1をタッチパネルの電極基材等として用いた際、当該配線体1の外部から入射する光の乱反射をさらに抑制することができる。この結果、配線体1を実装したタッチパネル等の視認性をさらに向上することができる。
【0083】
また、
図7に示すように、配線体1をタッチパネル等に使用する際、樹脂材料等からなるコート層8を導体パターン41の周囲に設ける場合には、導体パターン41の頂辺部43が平坦部431を含むことにより、当該導体パターン41の表面付近に気泡が形成され難くなる。これにより、配線体1をタッチパネルの電極基材等として用いた際、配線体1の外部から入射する光が当該気泡で乱反射することを抑制できる。このため、配線体1を実装したタッチパネル等の視認性をより向上することができる。また、導体パターン41の表面付近に気泡が形成され難くなることにより、当該気泡内に存在する水分によって導体パターン41が腐食してしまうことを抑制することができる。
【0084】
同様に、導体パターン41の側部44が平坦部441を含むことにより、当該導体パターン41の表面付近に気泡が形成され難くなる。これにより、配線体1をタッチパネルの電極基材等として用いた際、配線体1の外部から入射する光が当該気泡で乱反射することを抑制できる。このため、配線体1を実装したタッチパネル等の視認性をより向上することができる。また、導体パターン41の表面付近に気泡が形成され難くなることにより、当該気泡内に存在する水分によって導体パターン41が腐食してしまうことを抑制することができる。
【0085】
また、
図7に示す配線体1では、コート層8側の外部から当該配線体1の内部に入射する光が導電層4の側部44で反射しても、反射光がコート層8側から外部に漏れ出ることがほぼ無くなる。このような配線体1をタッチパネル等に実装することで、当該タッチパネル等の視認性をさらに向上することができる。
【0086】
なお、導体パターン41の幅方向における断面形状において、頂辺部43が平坦部431を含む場合には、コート層8の外面81を平坦状に形成し易くなる。これにより、当該コート層8の外面81にフィルム(不図示)を設ける場合には、コート層8の外面81によって当該フィルムを安定保持しつつ、フィルムの歪みの発生を抑制することができる。
【0087】
また、本実施形態では、側部44は、第1及び第2の部分44a,44bを通る仮想直線Lと実質的に一致するように延在している。この場合、導体パターンの幅方向の断面において、側部が仮想直線よりも内側に凹んだ形状(導体パターンの裾が広がる形状)となっていないため、配線体1の外部から入射する光の乱反射が抑えられる。このような配線体1をタッチパネル等に実装することで、当該タッチパネル等の視認性をさらに向上することができる。
【0088】
また、本実施形態では、接着面42の面粗さRaを接着面42以外の他の面(頂辺部43及び側部44を含む面)の面粗さRaに対して相対的に粗くしていることで、当該他の面側における配線体1の乱反射率が、接着面42側における配線体1の乱反射率に対して相対的に小さくなっている。ここで、配線体1の乱反射率が小さいと、導体パターン41が白く映るのを抑え、当該導体パターン41を視認できる領域においてコントラストの低下を抑制することできる。このように、本実施形態の配線体1を実装したタッチパネル等の視認性のさらなる向上を図ることができる。
【0089】
また、本実施形態の配線体1の製造時において、加熱後の導電性材料6の上面47には、導電性材料6に含まれる導電性粒子の形状に基づく凹凸形状が形成される。すなわち、導電層4を構成する導体パターン41の下面(接着面)42には凹凸形状が形成される。この凹凸形状により、導体パターン41と接着層3との間の接触面積を増大し、当該導体パターン41と接着層3とを強固に接着することができる。一方、導体パターン41と凹版5との間の接触面は平坦状となっている。このため、導体パターン41を凹版5から離型する際の離型性を向上することができる。本実施形態では、凹版5の凹部51の内壁52が、導電性材料6(導電層4)の上面47(接着面42)に対して傾斜しており、当該凹部51が底面53に向かって幅狭となっているため、この効果をより向上することができる。なお、凹部51の内壁52が上記のように傾斜していることは、導電性材料6を充填する際(
図4(A)参照)の充填性の向上にも寄与する。
【0090】
また、導体パターン41と接着層3とを強固に接着することができることにより、配線体1の湾曲や屈曲により当該導体パターン41が接着層3から剥がれることを抑制できるため、配線体1の耐久性を向上することができる。
【0091】
さらに、導体パターン41を凹版5から離型する際の離型性が向上する効果により、加熱後の導電性材料6(導体パターン41)の断面形状を、上記(3)式及び(4)式を満たす形状とすることが可能となる。これにより、導体パターン41の断面積を増大させ、当該導体パターン41の単位長さ当たりの電気的抵抗値を低減することができる。なお、この効果は、B/A≦3及びD/C≦3である場合においてより向上する。
【0092】
上述した効果は、導体パターン41が
図4(A)〜
図4(C)に示すような形状である場合においても同様に奏することができる。
【0093】
なお、以上に説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記の実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
【0094】
例えば、
図8(A)〜
図8(E)に示すような製造方法により、配線体1Bを製造してもよい。具体的には、凹版5に導電性材料6を充填して加熱した後(
図8(A)、
図8(B))、接着性材料7Bを凹版5上に塗布し(
図8(C))、当該接着性材料7Bを固める(
図8(D))。そして、固めた当該接着性材料7B(接着体71)を基材として用い、加熱後の導電性材料6(導体パターン41)及び接着体71を凹版5から離型することにより、配線体1Bを製造することができる。このようにして製造した配線体1Bにおいても、上述した配線体1と同様の効果を奏することができる。
【0095】
また、上述の実施形態のタッチセンサは、2つの配線基板10(配線体1)を用いた投影型の静電容量方式のタッチセンサであるが、特にこれに限定されず、1つの配線基板(配線体)を用いた表面型(容量結合型)静電容量方式のタッチセンサにも、本発明を適用することができる。
【0096】
また、導電層4導体パターン)の導電性粉末として、金属材料とカーボン系材料を混合したものを用いてもよい。この場合、たとえば、導体パターンの頂辺部側にカーボン系材料を配置し、接着面側に金属系材料を配置してもよい。また、その逆で、導体パターンの頂辺部側に金属系材料を配置し、接着面側にカーボン系材料を配置してもよい。
【0097】
また、特に図示しないが、上述した実施形態における配線体1から基材2を省略しておいてもよい。この場合において、例えば、接着層3の下面に剥離シートを設け、実装時に当該剥離シートを剥がして実装対象(フィルム、表面ガラス、偏光板、ディスプレイガラス等)に接着して実装する形態として配線体を構成してもよい。また、絶縁部材側から配線体1を覆う樹脂部をさらに設け、当該樹脂部を介して、上述の実装対象に接着して実装する形態としてもよい。また、導電層4側から配線体1を覆う樹脂部を設け、当該樹脂部を介して、上述の実装対象に接着して実装する形態としてもよい。これらの場合、配線体を実装する実装対象が本発明の支持体の一例に相当する。
【0098】
さらに、上述の実施形態では、配線体は、タッチセンサ等に用いられるとして説明したが、特にこれに限定されない。たとえば、配線体に通電して抵抗加熱等で発熱させることにより当該配線体をヒーターとして用いてもよい。この場合、導電層(導体パターン)の導電性粉末としては、比較的電気抵抗値の高いカーボン系材料を用いることが好ましい。また、配線体の導電部の一部を接地することにより当該配線体を電磁遮蔽シールドとして用いてもよい。また、配線体をアンテナとして用いてもよい。この場合、配線体を実装する実装対象が本発明の支持体の一例に相当する。