特許第6046871号(P6046871)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6046871
(24)【登録日】2016年11月25日
(45)【発行日】2016年12月21日
(54)【発明の名称】スパッタ装置および成膜装置
(51)【国際特許分類】
   C23C 14/34 20060101AFI20161212BHJP
   H01L 21/203 20060101ALI20161212BHJP
【FI】
   C23C14/34 U
   H01L21/203 S
【請求項の数】14
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2016-536796(P2016-536796)
(86)(22)【出願日】2015年7月31日
(86)【国際出願番号】JP2015071788
(87)【国際公開番号】WO2016021496
(87)【国際公開日】20160211
【審査請求日】2016年6月3日
(31)【優先権主張番号】特願2014-162885(P2014-162885)
(32)【優先日】2014年8月8日
(33)【優先権主張国】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000227294
【氏名又は名称】キヤノンアネルバ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100076428
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 康徳
(74)【代理人】
【識別番号】100115071
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 康弘
(74)【代理人】
【識別番号】100112508
【弁理士】
【氏名又は名称】高柳 司郎
(74)【代理人】
【識別番号】100116894
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 秀二
(74)【代理人】
【識別番号】100130409
【弁理士】
【氏名又は名称】下山 治
(74)【代理人】
【識別番号】100134175
【弁理士】
【氏名又は名称】永川 行光
(72)【発明者】
【氏名】廣見 太一
(72)【発明者】
【氏名】下川 英利
(72)【発明者】
【氏名】市川 篤行
【審査官】 山田 頼通
(56)【参考文献】
【文献】 特開2000−028465(JP,A)
【文献】 特開平05−247639(JP,A)
【文献】 特開2010−163690(JP,A)
【文献】 国際公開第2011/067820(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C23C 14/00−14/58
H01L 21/203
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板に膜を形成するためのスパッタリング空間を規定する空間規定部材を有するスパッタ装置であって、
前記空間規定部材は、凹部を有し、
前記凹部の底部には、開口部が設けられ、
前記スパッタ装置は、前記開口部を前記スパッタリング空間から遮蔽する遮蔽部材を備え、
前記開口部は、前記スパッタリング空間内の圧力を計測可能な圧力計が取り付け可能に形成され、
前記遮蔽部材は、少なくとも一部が前記凹部に埋め込まれるように配置され、前記遮蔽部材は、取り外し可能であることを特徴とするスパッタ装置。
【請求項2】
前記空間規定部材が、真空チャンバの壁の少なくとも一部を構成する部材であることを特徴とする請求項1記載のスパッタ装置。
【請求項3】
前記空間規定部材が、真空チャンバの内壁を覆うように設けられた防着板であることを特徴とする請求項1記載のスパッタ装置。
【請求項4】
前記遮蔽部材は、傘形状を有することを特徴とする請求項1記載のスパッタ装置。
【請求項5】
前記遮蔽部材は、前記凹部の前記底部と前記遮蔽部材との間に隙間を有するように設けられた傘形状の第1の部材と、前記開口部の周辺部に設けられた筒状の第2の部材とからなり、前記第1の部材と前記第2の部材との間の領域が、ラビリンス構造となるように構成されていることを特徴とする請求項1記載のスパッタ装置。
【請求項6】
前記開口部には、前記スパッタリング空間内の圧力を計測可能な圧力計が取り付けられていることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載のスパッタ装置。
【請求項7】
前記遮蔽部材は、前記圧力計に取り付けられ、前記圧力計から取り外し可能であることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載のスパッタ装置。
【請求項8】
前記遮蔽部材は、カバーと、前記カバーを支持する支持体とを有し、前記圧力計は、凹部を有し、前記支持体は、前記圧力計の前記凹部に挿入されることによって前記圧力計に取り付けられることを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載のスパッタ装置。
【請求項9】
前記支持体は、一端が前記カバーに接続され他端が前記圧力計の前記凹部に挿入される柱状形状を有することを特徴とする請求項8に記載のスパッタ装置。
【請求項10】
前記圧力計は、一端が前記開口部に取り付けられ他端が前記圧力計に取り付けられた接続部材を介して、前記開口部に接続され、前記遮蔽部材は、前記接続部材に取り付けられることを特徴とする請求項6に記載のスパッタ装置。
【請求項11】
前記遮蔽部材は、前記接続部材から取り外し可能であることを特徴とする請求項10に記載のスパッタ装置。
【請求項12】
前記遮蔽部材は、カバーと、前記カバーを支持する柱状支持体を有し、前記柱状支持体の一端が前記カバーに接続され、前記柱状支持体の他端が前記開口部に挿入されることを特徴とする請求項1に記載のスパッタ装置。
【請求項13】
基板に膜を形成するための空間を規定する空間規定部材を有する成膜装置であって、
前記空間規定部材は、凹部を有し、前記凹部の底部には、前記空間と測定器とを連通させるための開口部が設けられ、
前記成膜装置は、前記空間と前記開口部との間の直線経路を遮断する遮蔽部材を備え、前記遮蔽部材の少なくとも一部は、前記凹部に配置され、前記遮蔽部材は、取り外し可能であることを特徴とする成膜装置。
【請求項14】
前記遮蔽部材は、カバーと、前記カバーを支持する柱状支持体を有し、前記柱状支持体の一端が前記カバーに接続され、前記柱状支持体の他端が前記開口部に挿入されることを特徴とする請求項13に記載の成膜装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スパッタ装置および成膜装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年の半導体装置の微細化に伴い、スパッタ工程においては、スパッタリングがなされるスパッタリング空間内の圧力を正確に測定することが要求されている。一方、圧力計がスパッタリング空間に晒されていると、圧力計がスパッタ膜等により汚染されるという問題がある。特に、圧力計の中で、隔膜真空計は、汚染に対して敏感である。
【0003】
特許文献1に示されたスパッタ装置は、遮蔽可能なシャッターをチャンバ内に設け、開口部に連結したイオンゲージへの膜の回りこみ量の低減を図っている。
【0004】
しかし、特許文献1のスパッタ装置においては、ウエハなどの基板上に薄膜を形成する時に、スパッタ装置内で、シャッターなどからパーティクル(異物)が発生して薄膜が汚染される場合がある。薄膜にパーティクルが存在すると、薄膜を有する半導体チップなどの製品に致命的な欠陥を生じさせ、歩留まり率の低下も招いてしまう。近年は、微細加工の進歩により、パーティクルのさらなる低減が要求される。
【0005】
また、高歩留まり率のためには安定したプロセスの再現性も欠かせない。そのためは、成膜中にもスパッタリング空間内の圧力を正確に測る必要があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2010−150572号公報
【発明の概要】
【0007】
本発明の第1の側面は、基板上に形成される膜がパーティクルによって汚染されることを低減しつつ、膜の形成中にもスパッタリング空間内の圧力を正確に測定することができ、圧力計への膜の回りこみ量(膜の形成)の低減をも可能にしたスパッタ装置を提供する。
【0008】
本発明の第1の側面は基板に膜を形成するためのスパッタリング空間を規定する空間規定部材を有するスパッタ装置を提供する。前記空間規定部材は、凹部を有する。前記凹部の底部には、開口部が設けられている。前記スパッタ装置は、前記開口部を前記スパッタリング空間から遮蔽する遮蔽部材を備えている。前記開口部は、前記スパッタリング空間内の圧力を計測可能な圧力計が取り付け可能に形成されている。前記遮蔽部材は、少なくとも一部が前記凹部に埋め込まれるように配置されている。前記遮蔽部材は、取り外し可能である。
【0009】
本発明の第2の側面は、パーティクルの発生を低減しつつ、基板を処理するための空間に連通した測定器の測定精度を維持するために有利な成膜装置を提供する。
【0010】
本発明の第2側面は、基板に膜を形成するための空間を規定する空間規定部材を有する成膜装置を提供する。前記空間規定部材は、凹部を有する。前記凹部の底部には、前記空間と測定器とを連通させるための開口部が設けられている。前記成膜装置は、前記空間と前記開口部との間の直線経路を遮断する遮蔽部材を備えている。前記遮蔽部材の少なくとも一部は、前記凹部に配置されている。前記遮蔽部材は、取り外し可能である。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の一実施形態に係わるスパッタ装置を示す図である。
図2】本発明の一実施形態の埋め込み式遮蔽部材の拡大図である。
図3A】比較例を示す図である。
図3B】本発明の一実施形態の埋め込み式遮蔽部材と、比較例の遮蔽部材を示す図である。
図4A図3Aに示す比較例における膜厚の評価ポイントa−fを示す図である。
図4B図3Bに示す実施形態における膜厚の評価ポイントa−fを示す図である。
図4C図3Aに示す比較例と図3Bに示す実施形態とのシミュレーション結果(形成される膜の厚さの比)を示す図である。
図5】本発明の埋め込み式遮蔽部材の第2の例を示す図である。
図6】本発明の埋め込み式遮蔽部材の第3の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1を用いて、本発明の一実施形態に係わるスパッタ装置を説明する。図1は、本発明のスパッタ装置を示す。図1のスパッタ装置は、真空チャンバ1内にスパッタリング空間を画定する防着板6(分割可能)を備え、真空チャンバ1内の基板ステージ7に載置された基板(不図示)の表面に、真空チャンバ1の上部に設けたターゲット5から飛来したスパッタ粒子(例えば金属)の薄膜を形成するものである。本実施形態では、真空チャンバ1の内壁を覆うように設けられた防着板6は、スパッタリングがなされるスパッタリング空間SSを規定する空間規定部材に相当する。
【0013】
図1のスパッタ装置は、防着板6に設けられた凹部13と、凹部13の底部に設けられた開口部8と、開口部8に取り付けられ、スパッタリング空間SS内の圧力を計測可能な圧力計16と、開口部8をスパッタリング空間SSから遮蔽する遮蔽部材14とを有する。また、図1のスパッタ装置は、防着板6にて規定されたスパッタリング空間SS内にガス(例えばアルゴン)を導入するガス導入口(不図示)と、真空チャンバ1内を排気するための排気口12とを有する。遮蔽部材14は、凹部13に埋め込まれた状態で配置されている。排気口12は、メインバルブ11に接続されている。
【0014】
図1のスパッタ装置において、防着板6は、任意的な構成要素である。図1のスパッタ装置において、防着板6がない場合、ターゲット5は、真空チャンバ1aの上部に設け、基板ステージ7は、真空チャンバ1aの下部に設け、凹部13は、真空チャンバ1aの下壁に形成することが望ましい。この場合、真空チャンバ1aのうち、ターゲット5と基板ステージ7と遮蔽部材14が設けられている部分が、真空チャンバ1の壁の少なくとも一部を構成する部材に該当する。また、真空チャンバ1bのうち、排気口12とメインバルブ12が設けられている部分が、真空チャンバ1の壁の少なくとも一部を構成しない部材に該当する。また、真空チャンバ1aが空間規定部材に該当し、真空チャンバ1a内がスパッタリング空間に該当する。
【0015】
図1のスパッタ装置では、図示されていないが、図6に示すように、開口部8に一端が取り付けられ、圧力計16に他端が取り付けられた接続部材(真空配管)17を別途設けても良い。
【0016】
更に、図1のスパッタ装置は、基板ステージ7を加熱するためのヒータと、基板ステージ7を冷却するための水冷ジャケットの少なくともいずれか1つを有しても良い。また、排気口12には、不図示の真空ポンプ(例えば、ドライポンプ、ターボ分子ポンプ)が接続されている。
【0017】
また、図1の装置においては、圧力計16は、防着板6の内側のスパッタリング空間SSのプロセス圧力値をなるべく正確に測定するため、基板への膜の形成がなされる基板ステージ7の近くに設置されることが望ましい。図2は、埋め込み式遮蔽部材14の拡大図である。図2に模式的に示されているように、遮蔽部材14は、傘形状の構造を有することが望ましい。本明細書において、「傘形状」とは、カバー14b、および、カバー14bを支持する柱状支持体(例えば、円筒部)14aを有する形状をいう。傘形状は、キノコ形状を含みうる。カバー14bの形状は、円、楕円、角丸四角形、多角形、角丸多角形等を含みうる。遮蔽部材14は、防着板6又は真空チャンバ1内に設けられた、R部13aを有する凹部13内に配置されうる。一例において、遮蔽部材14は、凹部13には、ネジ止め等の手段によって固定されておらず、柱状支持体14aを圧力計16の凹部16aに挿入することにより取り外し可能である。メンテナンスのしやすさと、ネジに付着する膜の脱離を避けるためである。
【0018】
図3Aは、防着板60又は真空チャンバ100が凹部13を有せず、カバー14bが凹部13内に位置することなく遮蔽部材140が配置された比較例を示している。図3Bは、防着板6又は真空チャンバ1に凹部13が設けられ、カバー14bが凹部13内に位置するように遮蔽部材14が配置された本実施形態の構成が示されている。
【0019】
スパッタ粒子はコサイン則(cosine law)に従ってターゲット5から飛び出し、遮蔽部材140に飛来する。図3Aの場合、ターゲット5から飛び出したスパッタ粒子Aは、遮蔽部材140に直接飛来し、遮蔽部材140に膜を形成する。スパッタ粒子Aのエネルギーが強いため、遮蔽部材140への密着性が強い。従って、スパッタ粒子Aによって遮蔽部材140に形成された膜が剥離してパーティクルとなって基板に飛来する可能性は低い。また、図3Aの場合、コサイン則に従ってターゲット5から飛び出したスパッタ粒子B1、スパッタ粒子B2は、1回、又は複数回にわたって、防着板60又は真空チャンバ100、又は遮蔽部材140で跳ね返されて、遮蔽部材140に間接的に飛来し、遮蔽部材140に膜を形成する。特に、遮蔽部材140表面のうちターゲット5と対向しない遮蔽部材140の裏側領域は、ターゲット5から見えない部分、つまり、スパッタ粒子A、スパッタ粒子B1、スパッタ粒子B2が直接飛来しない部分である。スパッタ粒子B1、スパッタ粒子B2は、エネルギーが低下してから、遮蔽部材140の裏側領域に飛来して膜を形成するので、遮蔽部材140の裏側領域への密着性が弱い。図3Aの場合、スパッタ粒子B1、スパッタ粒子B2により遮蔽部材140の裏側領域に形成された膜が剥離してパーティクルとなって基板に飛来し、基板を汚染しうる。更に、図3Aの場合、スパッタ粒子B1、スパッタ粒子B2が圧力計に飛来し、圧力計16がスパッタ膜等により汚染されうる。
【0020】
図3Bの場合、ターゲット5から飛び出したスパッタ粒子Aは、遮蔽部材14に直接飛来し、遮蔽部材14に膜を形成する。スパッタ粒子Aのエネルギーが強いため、スパッタ粒子Aは遮蔽部材14への密着性が強い。従って、図3Aの場合と同様、遮蔽部材14に形成された膜が剥離してパーティクルとなって基板に飛来する可能性は低い。
【0021】
遮蔽部材14の表面のうちターゲット5と対向しない遮蔽部材14の裏側領域は、ターゲット5から見えない部分、つまり、スパッタ粒子A、スパッタ粒子B1、スパッタ粒子B2が直接飛来しない部分である。コサイン則に従ってターゲット5から飛び出したスパッタ粒子B1、スパッタ粒子B2は、1回、又は複数回にわたって、防着板6又は真空チャンバ1、又は遮蔽部材14によって跳ね返されて、遮蔽部材14に間接的に飛来する。図3Bの場合、スパッタ粒子B1の侵入を抑えるため、遮蔽部材14のカバー14bを防着板6又は真空チャンバ1の凹部13に配置し、遮蔽部材14の裏側領域へと至る入口20が狭くされている。従って、図3Aの場合と比較して、スパッタ粒子B1が、遮蔽部材14の裏側領域に膜を形成する確率が低い。
【0022】
遮蔽部材14をネジ止めしない場合には、例えば、図3Bに示すように、防着板6又は真空チャンバ1の開口部8に挿入可能な柱状支持体(例えば、円筒部材)14aをカバー14bの裏側の中央部などに設け、柱状支持体14aを圧力計16の凹部16aに挿入することによって遮蔽部材14を固定することが便利かもしれない。
【0023】
図3Bにおいて、遮蔽部材14は、凹部13内に配置された遮蔽部材14の上面14-1と、防着板6の上面6−1又は真空チャンバ1の上面1−1とが同一平面に属するように配置されている。しかしながら、これは一構成例に過ぎず、遮蔽部材14の上面14−1と、防着板6の上面6−1又は真空チャンバ1の上面1−1とが同一平面に属しないように、遮蔽部材14は、凹部13内に完全に埋没されるように配置されてもよい。あるいは、遮蔽部材14は、カバー14bの一部が上面6−1又は真空チャンバ1の上面1−1から突出するように配置されてもよい。
【0024】
また、図3Bの隙間距離Bは、狭すぎると圧力計16などの測定器による測定に支障をきたすので、隙間距離Aとほぼ同じ程度の長さとすることが望ましい。
【0025】
図4A−Cは、図3Aに示す比較例および図3Bに示す実施形態において遮蔽部材に形成される膜の厚さをシミュレーショしたン結果を示している。図4Aは、図3Aに示す比較例における膜厚の評価ポイントa―fを示し、図4Bは、図3Bに示す実施形態における膜厚の評価ポイントa―fを示している。
【0026】
図4Cは、図3Aに示す比較例の評価ポイントa−fにおける膜厚に対する図3Bに示す実施形態の評価ポイントa−fにおける膜厚の比を示している。具体的には、図4Cには、図3Aに示す比較例の評価ポイントa−fにおける膜厚を100%としたときの図3Bに示す実施形態の評価ポイントa−fにおける膜厚の比が示されている。図3Bに示す実施形態の評価ポイントa−fにおける膜厚は、それぞれ、図3Aに示す比較例の評価ポイントa−fの膜厚の84%、82%、7%、43%、0%、7%である。
【0027】
評価ポイントa−fの全てにおいて、図3Bに示す実施形態は、図3Aに示す比較例よりも、ターゲット5から飛来したスパッタ粒子によって形成される膜が薄いことが分かる。これにより、図3Bに示す実施形態によれば、遮蔽部材14におけるパーティクルの発生を低減することができ、基板ステージ7に載置された基板上に形成される膜がパーティクルによって汚染されること、例えば、該膜にパーティクルが取り込まれることを低減することができる。また、遮蔽部材14におけるパーティクルの発生の低減は、圧力計16へのパーティクルの付着(圧力計16の汚染)を低減するために有利である。これは、圧力計16による測定の精度の維持に寄与する。特に、圧力計16が隔膜真空計である場合は、パーティクルの付着(汚染)による計測精度の低下が大きい(即ち、汚染に対して敏感である)ので、遮蔽部材14におけるパーティクルの発生の低減の意義は大きい。
【0028】
図5には、埋め込み式遮蔽部材14の第2の例が示されている。図5に示す遮蔽部材14は、凹部13の底部との間に所定隙間を有するように設けられた傘形状の第1の部材14dと、開口部8の周辺部に設けられた筒状の第2の部材14cとを含む。第1の部材14bと第2の部材14cとは、ラビリンス構造を構成している。第2の例では、ラビリンス構造は、凹形状部を有する第1の部材14bと凸形状部を有する第2の部材14cとが非接触で嵌め込まれた構造によって提供される。第1の部材14bおよび/または第2の部材14cは、防着板6又は真空チャンバ1と一体であっても良いし、防着板6又は真空チャンバ1と別体であっても良い。
【0029】
図6は、本発明の埋め込み式遮蔽部材の第3の例を示す図である。図6においては、開口部8に一端が取り付けられ、圧力計16に他端が取り付けられた接続部材(真空配管)17が設けられている。この場合、遮蔽部材14は、接続部材(真空配管)17と別部材で形成することが望ましい。
【0030】
上記の説明は、本発明をスパッタ装置に適用した例であるが、本発明は、例えば、CVD装置又はエッチング装置などの他の処理装置にも適用可能である。開口部8に接続される測定器は、圧力計16とは異なる測定器でもよい。測定器は、例えば、ガスを分析する分析装置であってもよい。開口部8は、上記の例におけるスパッタリング空間SSに対応する空間(基板を処理するための空間)と測定器とを連通させる。遮蔽部材14は、該空間と開口部8との間の直線経路を遮断するように配置される。
【0031】
本発明は上記実施の形態に制限されるものではなく、本発明の精神及び範囲から離脱することなく、様々な変更及び変形が可能である。従って、本発明の範囲を公にするために、以下の請求項を添付する。
【0032】
本願は、2014年8月8日提出の日本国特許出願特願2014−162885を基礎として優先権を主張するものであり、その記載内容の全てを、ここに援用する。
【符号の説明】
【0033】
1:真空チャンバ、5:ターゲット、6:防着板、7:基板ステージ、8:開口部、13:凹部、14:遮蔽部材、16:圧力計、17:接続部材
図1
図2
図3A
図3B
図4A
図4B
図4C
図5
図6