特許第6046890号(P6046890)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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特許6046890蒸気タービンの装荷方法及び装荷システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6046890
(24)【登録日】2016年11月25日
(45)【発行日】2016年12月21日
(54)【発明の名称】蒸気タービンの装荷方法及び装荷システム
(51)【国際特許分類】
   F01D 17/08 20060101AFI20161212BHJP
   F01D 17/20 20060101ALI20161212BHJP
   F01D 17/24 20060101ALI20161212BHJP
【FI】
   F01D17/08 A
   F01D17/20 A
   F01D17/24 H
【請求項の数】16
【外国語出願】
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2011-255668(P2011-255668)
(22)【出願日】2011年11月24日
(65)【公開番号】特開2012-117523(P2012-117523A)
(43)【公開日】2012年6月21日
【審査請求日】2014年11月20日
(31)【優先権主張番号】12/956,810
(32)【優先日】2010年11月30日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390041542
【氏名又は名称】ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ
(74)【代理人】
【識別番号】100137545
【弁理士】
【氏名又は名称】荒川 聡志
(74)【代理人】
【識別番号】100105588
【弁理士】
【氏名又は名称】小倉 博
(74)【代理人】
【識別番号】100129779
【弁理士】
【氏名又は名称】黒川 俊久
(72)【発明者】
【氏名】ジョン・ピッシリロ
(72)【発明者】
【氏名】スティーブン・ディ・パルマ
(72)【発明者】
【氏名】ディリープ・サティアナラヤナ
【審査官】 瀬戸 康平
(56)【参考文献】
【文献】 特開平07−044205(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2007/0113562(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F01D 17/00,19/00
F01K 13/02,23/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
タービン装荷率を受け取る工程と、
現在の蒸気タービン排気温度を受け取る工程と、
前記タービン装荷率及び前記現在の蒸気タービン排気温度に少なくとも部分的に基づいて、蒸気流量ランプレートパラメータ及び蒸気温度ランプレートパラメータを制御装置で決定する工程と
(a)前記蒸気流量ランプレートパラメータに少なくとも部分的に基づいて前記蒸気タービンへの蒸気の流量を制御する工程、又は(b)前記蒸気温度ランプレートパラメータに少なくとも部分的に基づいて前記蒸気タービンへの蒸気の温度を制御する工程の少なくとも一方と、
を含み、
前記蒸気流量ランプレートパラメータ及び前記蒸気温度ランプレートパラメータを決定する工程は、前記現在の蒸気タービン排気温度が2つの所定温度の間で上昇したときに、正の勾配で増大するランプレート分割率Xを生成する関数を定義することを含み、
前記蒸気流量ランプレートパラメータは、前記タービン装荷率に前記ランプレート分割率(X)を乗じることによって決定され、
前記蒸気温度ランプレートパラメータは、前記タービン装荷率に(1−ランプレート分割率(X))を乗じることによって決定される、
蒸気タービンの装荷方法。
【請求項2】
前記蒸気流量ランプレートパラメータ及び前記蒸気温度ランプレートパラメータを決定する工程は、前記現在の蒸気タービン排気温度が上昇すると、前記温度蒸気ランプレートパラメータを小さくし、かつ、前記蒸気流量ランプレートパラメータを大きくする関数に基づいている、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記蒸気流量ランプレートパラメータ及び前記蒸気温度ランプレートパラメータを決定する工程は、前記現在の蒸気タービン排気温度が低下すると、前記温度蒸気ランプレートパラメータを大きくし、かつ、前記蒸気流量ランプレートパラメータを小さくする関数に基づいている、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記関数は、一次方程式によって定義される、請求項1から3のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
前記関数は、非線形方程式によって定義される、請求項1から3のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
前記蒸気流量ランプレートパラメータは、前記蒸気タービンへの蒸気の流量が増加する変化の割合の測定値を含み、前記蒸気温度ランプレートパラメータは、前記蒸気タービンへの蒸気の温度が上昇する変化の割合の測定値を含む、請求項1から5のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
前記蒸気タービンへの蒸気の流量を制御する工程は、前記蒸気流量ランプレートパラメータに少なくとも部分的に基づいて、一つ以上の蒸気迂回路を調整することを含む、請求項1から6のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
前記蒸気タービンへの蒸気の温度を制御する工程は、前記蒸気温度ランプレートパラメータに少なくとも部分的に基づいて、一つ以上の過熱低減器を調整することを含む、請求項1から7のいずれかに記載の方法。
【請求項9】
蒸気タービン排気路に対応付けられた一つ以上の温度センサと通信する制御装置と、ガスタービンと前記蒸気タービンの間の一つ以上の蒸気迂回路と、前記蒸気タービンの一つ以上の過熱低減器とを含む、蒸気タービンの装荷システムであって、前記制御装置は、
タービン装荷率を受け取る工程と、
前記蒸気タービン排気路に対応付けられた前記一つ以上の温度センサから現在の蒸気タービン排気温度を受け取る工程と、
前記タービン装荷率と、前記現在の蒸気タービン排気温度とに少なくとも部分的に基づいて、蒸気流量ランプレートパラメータ及び蒸気温度ランプレートパラメータを決定する工程と
(a)前記蒸気流量ランプレートパラメータに少なくとも部分的に基づいて前記蒸気タービンへの蒸気の流量を制御する工程、又は(b)前記蒸気温度ランプレートパラメータに少なくとも部分的に基づいて前記蒸気タービンへの蒸気の温度を制御する工程の少なくとも一方と、
を実行するように動作でき、
前記制御装置は、前記蒸気流量ランプレートパラメータ及び前記蒸気温度ランプレートパラメータを決定する関数であって、前記現在の蒸気タービン排気温度が2つの所定温度の間で上昇したときに正の勾配で増加するランプレート分割率(X)を生成し、前記蒸気流量ランプレートパラメータが、前記タービン装荷率に前記ランプレート分割率(X)を乗じることによって決定され、前記蒸気温度ランプレートパラメータが、前記タービン装荷率に(1−ランプレート分割率(X))を乗じることによって決定される関数を含む、
システム。
【請求項10】
前記制御装置は、前記蒸気流量ランプレートパラメータ及び前記蒸気温度ランプレートパラメータを決定する関数であって、前記現在の蒸気タービン排気温度が上昇すると、前記温度蒸気ランプレートパラメータを小さくし、かつ、前記蒸気流量ランプレートパラメータを大きくする関数を含む、請求項に記載のシステム。
【請求項11】
前記制御装置は、前記蒸気流量ランプレートパラメータ及び前記蒸気温度ランプレートパラメータを決定する関数であって、前記現在の蒸気タービン排気温度が低下すると、前記温度蒸気ランプレートパラメータを大きくし、かつ、前記蒸気流量ランプレートパラメータを小さくする関数を含む、請求項9または10に記載のシステム。
【請求項12】
前記関数は一次方程式によって定義される、請求項9から11のいずれかに記載のシステム。
【請求項13】
前記関数は非線形方程式によって定義される、請求項9から11のいずれかに記載のシステム。
【請求項14】
前記蒸気流量ランプレートパラメータは、前記蒸気タービンへの蒸気の流量が増加する変化の割合の測定値を含み、前記蒸気温度ランプレートパラメータは、前記蒸気タービンへの蒸気の温度が上昇する変化の割合の測定値を含む、請求項9から13のいずれかに記載のシステム。
【請求項15】
前記蒸気タービンへの蒸気の流量を制御するために、前記制御装置は、前記蒸気流量ランプレートパラメータに少なくとも部分的に基づいて一つ以上の蒸気迂回路を調整し、前記蒸気タービンへの蒸気の温度を制御するために、前記制御装置は、前記蒸気温度ランプレートパラメータに少なくとも部分的に基づいて、一つ以上の過熱低減器を調整する、請求項9から14のいずれかに記載のシステム。
【請求項16】
タービン装荷率及び現在の蒸気タービン排気温度に少なくとも部分的に基づいて、蒸気流量ランプレートパラメータ及び蒸気温度ランプレートパラメータを制御装置で決定する工程と、
前記蒸気流量ランプレートパラメータと前記蒸気温度ランプレートパラメータの関係を定義し、
前記関係に基づいて、装荷中の蒸気タービンへの蒸気流量の増加率を、制御装置で調整し、
前記関係に基づいて、装荷中の前記蒸気タービンへの蒸気の温度の上昇率を調整し、
前記関係は、前記現在の蒸気タービン排気温度が2つの所定温度の間で上昇したときに正の勾配で増加するランプレート分割率(X)を生成する関数を含み、前記蒸気流量ランプレートパラメータが、前記タービン装荷率に前記ランプレート分割率(X)を乗じることによって決定され、前記蒸気温度ランプレートパラメータが、前記タービン装荷率に(1−ランプレート分割率(X))を乗じることによって決定される、
蒸気タービンの装荷方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して制御システムに関し、特に、蒸気タービンの装荷方法及び装荷システムを提供することに関する。
【背景技術】
【0002】
複合サイクル発電システムは、一つ以上のガスタービン、熱回収蒸気発生器(「HRSG」)、及び蒸気タービンを含む。従来の複合サイクルシステムの始動手法は、ガスタービンの低い装荷限界、及び蒸気温度の上昇率を制御するガスタービン装荷レートに対する制約条件を含む。これらの限界及び制約条件は、始動事象中の大気放出量を左右し、始動時間及び装荷時間を長くし得ると共に、始動及び装荷中の燃焼消費を増やし得る。
【0003】
複合サイクル発電システムの近年の進歩のおかげで、蒸気圧を制御するための並列かつ縦続の蒸気迂回経路と、蒸気温度を制御するための端末過熱低減器の両方を利用することによって、蒸気タービンの始動とは独立したガスタービンの始動及び装荷が可能になっている。最近のこのような進歩の結果、ガスタービンは、蒸気タービンの始動要件から独立して、可能な限り素早くベース負荷まで装荷することができる。従って、蒸気の生成は、始動の初期段階でかなり高いレベルに到達できるようになっている。
【0004】
始動初期の電力生成を増やすためには、生成された蒸気を可能な限り多く消費すると有利になる。ただし、蒸気タービンの制約条件(例えば、応力、伸び差、クリアランス等)は、これらの蒸気タービン制約条件のいずれをも含まずに、すなわち過度の湿気を含むことなく、蒸気の消費を増やせる割合を制限し得る。同様の原理は、蒸気タービン及びボイラ等の複合サイクル発電システムとは別に、他の蒸気システムに装荷して、蒸気温度を制御するときにも成り立つ。従って、向上した蒸気タービンの装荷方法及び装荷システムについての要望が存在する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第7621133号明細書
【発明の概要】
【0006】
本発明の実施形態は、前述した要望の一部又は全てに対処することができる。一実施形態に従って、蒸気タービンの装荷方法を提供する。本方法は、タービン装荷率を受け取る工程と、現在の蒸気タービン排気温度を受け取る工程と、タービン装荷率及び現在の蒸気タービン排気温度に少なくとも部分的に基づいて蒸気流量ランプレートパラメータ及び蒸気温度ランプレートパラメータを決定する工程において、蒸気流量ランプレートパラメータ及び蒸気温度ランプレートパラメータが、蒸気流量ランプレートパラメータと蒸気温度ランプレートパラメータの反比例関係に少なくとも部分的に基づいて決定される工程とを含む。本方法は、(a)蒸気流量ランプレートパラメータに少なくとも部分的に基づいて蒸気タービンへの蒸気の流量を制御すること、又は(b)蒸気温度ランプレートパラメータに少なくとも部分的に基づいて蒸気タービンへの蒸気の温度を制御することの少なくとも一方を更に含む。
【0007】
他の実施形態に従って、蒸気タービンの装荷システムを提供する。本システムは、蒸気タービン排気路に対応付けられた一つ以上の温度センサと通信する制御装置、ガスタービンと蒸気タービンの間の一つ以上の蒸気迂回路、及び蒸気タービンの一つ以上の過熱低減器を含む。この制御装置は、タービン装荷率を受け取る工程と、蒸気タービン排気路に対応付けられた一つ以上の温度センサから現在の蒸気タービン排気温度を受け取る工程と、タービン装荷率及び現在の蒸気タービン排気温度に少なくとも部分的に基づいて蒸気流量ランプレートパラメータ及び蒸気温度ランプレートパラメータを決定する工程において、蒸気流量ランプレートパラメータ及び蒸気温度ランプレートパラメータが、蒸気流量ランプレートパラメータと蒸気温度ランプレートパラメータの反比例関係に少なくとも部分的に基づいて決定される工程とを実行するように動作する。制御装置は、(a)蒸気流量ランプレートパラメータに少なくとも部分的に基づいて蒸気タービンへの蒸気の流量を制御すること、又は(b)蒸気温度ランプレートパラメータに少なくとも部分的に基づいて蒸気タービンへの蒸気の温度を制御することの少なくとも一方を実行するように更に動作する。
【0008】
更に他の実施形態に従って、蒸気タービンの装荷方法を提供する。本方法は、蒸気流量ランプレートと蒸気温度ランプレートの比例関係を定義する工程と、比例関係に基づいて、装荷中の蒸気タービンへの蒸気の流量の増加率を調整する工程と、比例関係に基づいて、装荷中の蒸気タービンへの蒸気の温度の上昇率を調整する工程とを含む。
【0009】
本発明の他の実施形態及び態様は、下記の図面と組み合わせて提示する下記の説明から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】例示的実施形態に係る、複合サイクル発電システムを示す模式的ブロック図である。
図2】例示的実施形態に係る、蒸気タービンの装荷方法を示す論理ブロック図である。
図3】例示的実施形態に係る、蒸気タービンの装荷方法を示すフローチャートである。
図4】実施形態に従って、タービンのモデル化と制御の少なくともいずれかを行う制御装置を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
次に、本発明の例示的実施形態について、付属の図面を参照しながら詳述する。図には、全てではないがいくつかの実施形態が記載されている。すなわち、本発明は、多くの異なる形式で実施されてよく、本明細書に記載した実施形態に限定されると解釈されるべきではない。むしろ、これらの実施形態は、本開示が該当する法的要件を満たすように提供されるものである。同様の番号は、全体を通して同様の要素を表す。
【0012】
本発明の例示的実施形態によれば、特に限定するものではないが、複合サイクル発電システムの蒸気タービン等の蒸気タービンの装荷を制御することで、蒸気流量と蒸気温度の所定の関係に基づいて、その両方のランプレート(又は、本明細書において「装荷(loading)」と同じ意味に用いられる送出の上昇率)を制御できる。蒸気タービンの蒸気流の装荷と蒸気温度の装荷の比例制御を実現して、蒸気タービンの制約条件から外れずに蒸気消費を拡張又は改善できるアルゴリズム(本明細書において「関数」又は「関係」と同じ意味で用いられる)を定義することができる。一実施形態によれば、このアルゴリズムは、蒸気流量ランピングの大きさと蒸気温度ランピングの大きさの比例関係を定義すると共に、蒸気タービン排気温度に依存するため、一連の現在のタービン排気温度に従って、一方のランプレートが大きくなり、かつ、他方のランプレートが比例して小さくなるようにする。蒸気流量と蒸気温度の各ランプレートは、タービンの概略装荷プロファイルを定義するタービン全体の装荷率にも更に依存しているが、この装荷プロファイルは、通常、蒸気と温度の少なくとも一方を制御する個別のレベルと必ずしも一致していない、いくつかのタービン制約条件に基づいている。ただし、蒸気流量ランピングと蒸気温度ランピングの比例関係は、後で説明するように、いくつかの数学的関係に従って定義することができる。効果的であるのは、上記の方法及びシステムによれば、アルゴリズムは、タービンの装荷中、一方の変化率が大きくなるにつれて、他方の変化率の増加分が小さくなる(又は完全にゼロになる)ように、蒸気流量の増大率と、蒸気温度の上昇率との間でタービン全体の装荷率を分割できる。
【0013】
一部の実施形態によれば、蒸気流量ランプレートと蒸気温度ランプレートの関係を定義するアルゴリズムは、少なくとも3つの異なる装荷プロファイルを定義し、そのうちの第1のプロファイルでは、蒸気流量が増やされ、蒸気温度の制御は、全装荷率に従って維持され、第2のプロファイルでは、第1の所定排気温度に達した時点で、蒸気流量ランピングが低減されて、蒸気温度ランピングが増大され、この状態は、所定の上限温度に達するまで継続され、第3のプロファイルでは、所定の上限排気温度に達した時点で、蒸気温度ランピングが低減されて、蒸気流量ランピングが増大される。一部の状況では、装荷中に第1の所定の排気温度以上になった時点で、タービンの装荷は、概して蒸気流量ランピング及び蒸気温度ランピングが比例(又は非線形の)関係で分配されるように行われる。これは、蒸気タービンの装荷中、温度は、高くなり始めると(例えば、高い過熱状態において)低下し、その後で再び上昇するという状態である。過熱温度のこの低下と上昇は、一般に、第1の所定の排気温度と所定の上限温度との間の前述した第2のプロファイル内で生じ得る。排気温度が低下すると、蒸気流の装荷が低減され、かつ、温度ランピングが増大され、その後、排気温度が再び上昇(部分的には温度ランピングの結果として上昇)すると、蒸気流の装荷が増大され、かつ、温度ランピングが低減される。
【0014】
次に、図1図4を参照しながら例示的実施形態について説明する。
【0015】
本明細書に記載する方法及びシステムは、電力会社の発電環境において用いられる複合サイクル発電システムを背景としたものであるが、本明細書に記載する方法及びシステムは、他の適用業務に有用性を見出すこともできる。また、本明細書に記載する原理及び教示は、特に限定するものではないが、天然ガス、ガソリン、灯油、ディーゼル燃料、及びジェット燃料等の各種の可燃性燃料を用いるタービンに適用できる。また、このような始動技術は、多軸形と一軸形両方の複合サイクルシステムと組み合わせて利用できる。従って、下記の説明は、例示することのみを目的としたものであり、限定することを意図したものではない。本明細書において、「蒸気タービン」の用語は、複合サイクル発電システムの蒸気タービンのみに限定されるのではなく、他の用途の蒸気タービン、ボイラ、又は、動作中に蒸気の流量と温度とを調整できる各種の他の機械もしくはシステムを含む。
【0016】
図1に、一実施形態に係る複合サイクル発電システム10の模式図を示す。複合サイクル発電システム10は、ガスタービン12と、発電機16に連結された蒸気タービン14とを含む。蒸気タービン14は、複数の管路によって、HRSG(Heat Recovery Steam Generator(熱回収蒸気発生器))18に接続され、蒸気タービン14の排気管は、復水器20に接続されている。前述したように、複合サイクル発電システムへの言及は例示することを目的として為されるものであり、実施形態は、複合サイクル発電システムに限定されない。
【0017】
図1に示した実施形態において、複合サイクル発電システム10は、高圧過熱器の排出端における少なくとも一つの過熱低減器22と、HRSG18内の再熱器の排出端に配置される少なくとも一つの過熱低減器24とを含む。分散構成又は冗長構成のような他の実施形態では、追加の過熱低減器を設けることができる。HRSG18は、貫流型又はドラム型の蒸発器を備え、この蒸発器は、通常の寿命及び通常のメンテナンスで、拡張又は改善されたレートでのガスタービン12の毎日の始動及び装荷に耐えることができる。
【0018】
ガスタービン12及び蒸気タービン14を始動して装荷している間、過熱低減器22,24は、蒸気タービン14に設けられたHRSG18によって生成される高圧高温の再熱蒸気の温度を制御するように動作し、この制御は、高圧の部位と、中圧又は低圧の部位とにそれぞれ送出される蒸気の温度を制御すること等によって行われる。過熱低減器22,24に対する制御及び調整は、図4を参照して説明するようなタービン制御装置によって、蒸気の流量と温度のランピングアルゴリズムに従って提供される。このアルゴリズムについては、図2及び図3を参照してより詳細に説明する。
【0019】
複合サイクル発電システム10は、ガスタービン12に供給される燃料を加熱する燃料ガス加熱器26を更に含む。例示的実施形態において、このような加熱は、補助ボイラ、及び補助ボイラ蒸気出口とガス燃料ラインの間に介在する熱交換機を用いて実行できる。始動中に燃料を加熱することは、このような燃料の加熱を行わない装荷と比べ、より素早くガスタービン12に装荷するという利点を提供する。より具体的には、補助熱源による燃料の加熱は、始動中に、拡張又は改善されたレートでガスタービン装荷を実行する能力を提供する。特に、補助電源からの熱を利用して燃料を加熱することによって、拡張又は改善されたレートでの連続した装荷が実現し、最小の排出ガス量に低減して装荷を最大化することを促進できる。
【0020】
一実施形態によれば、複合サイクル発電システム10は、HRSG18から凝縮器20への迂回路28,30,32、高圧蒸気ラインから低温再熱蒸気配管への迂回路33等、一つ以上の迂回路を更に含み、これらの迂回路は、蒸気タービン給入弁が、例えば、図2及び図3を参照してより詳細に説明する、蒸気の流量及び温度のランピングアルゴリズムに従う等によって、蒸気タービン14の装荷を制御するように調整されている間の代替の高圧の蒸気流路を提供する。他の実施形態によれば、分散構成や冗長構成等において、追加の迂回路を設けることができる。迂回路28,33は、タービン制御装置からの制御コマンドに応答して、高圧蒸気の圧力と、高圧蒸気の圧力の上昇率とを制御するように調整される弁を含む。迂回路30は、蒸気タービンの装荷中、中圧制御弁が調整されている間の、高温の再熱蒸気の代替経路を提供する。蒸気迂回路32は、蒸気タービンの装荷中、蒸気タービン低圧給入弁が調整されている間の、低圧蒸気の代替経路を提供する。
【0021】
図2に、一実施形態に従って、蒸気流量ランプレートと蒸気温度ランプレートを配分することによって蒸気タービンの装荷を行う処理を表した論理ブロック図200を示す。図示した処理は、概してランプレート分割率(X)215によって決定されるような、蒸気流量ランプレート205と蒸気温度ランプレート210の例示的な関係を表したもので、このランプレート分割率(X)215は、図1を参照して概略的に説明した過熱低減器及び迂回路の少なくとも一方を制御するタービン制御装置を利用して保存されて、処理に供される。図示するように、まず、タービン全体の装荷率220が提供され、この装荷率220は、いくつかのシステム制約条件に従って決定される、蒸気タービン全体の装荷プロファイルを示す。タービン装荷率220は、期間当たりのパーセント上昇(例えば、%/分、等)として表される、蒸気タービンの装荷を上昇させる全般的割合を示す。蒸気タービンが装荷されている最中に、この装荷率220を調整できることは理解されよう。例えば、最初の始動及び装荷中、装荷率220は、装荷のより大きい増加(例えば、より多い%/分)を示すことができ、一定の時間後に、装荷率を小さくすることができる。これに応じて、制御装置は、装荷率220の現在(又は、ほぼリアルタイム)の値と、算出されたランプレート分割率215とに基づいて、蒸気流量及び蒸気温度のランプレート205,210を動的に決定するように動作できる。
【0022】
ランプレート分割率215を決定するために、関数(又はアルゴリズム)225を定義することができ、この関数225は、ランプレート分割率215が、測定又は検出された蒸気タービンの状態、例えば、排気温度、又は図2に関数225のx軸に示される過熱温度に応じて変化するように定義される。従って、蒸気タービンの排気温度や過熱温度の値に応じて、関数225がランプレート分割率215を指定する。この関数は、いくつかの数学的方程式、又は、蒸気流量ランプレートと蒸気温度ランプレートの所望の関係を規定する他の表現のいずれであってもよいことは理解されよう。例示的関数225は、蒸気流量ランプレートパラメータ205と蒸気温度ランプレートパラメータ210の比例関係、又は非線形関係を表すことができる。
【0023】
蒸気流量ランプレートパラメータ205と蒸気温度ランプレートパラメータ210の決定におけるランプレート分割率215の実際の効果は、概して蒸気温度ランプレートパラメータ210の上昇率に対する蒸気温度ランプレートパラメータ205の増加率の反比例関係を生成する他の方程式によって特徴付けられる。図2に示すように、1組の数式を次のように、「蒸気流量ランプレートパラメータ=ランプレート分割率(X)×装荷率」、及び「蒸気温度ランプレートパラメータ=(1−ランプレート分割率(X))×装荷率」として定義することができる。従って、ランプレート分割率215が大きくなる(例えば、排気温度や過熱温度が上昇する)と、蒸気流量ランプレートパラメータ205は増大することになるが、蒸気温度ランプレートパラメータ210は減少することになる。逆に、排気温度が低下すると、ランプレート分割率215が小さくなり、蒸気流量ランプレートパラメータ205が減少して、蒸気温度ランプレートパラメータ210が増大する。蒸気流量ランプレートパラメータ205に対して、より低い排気温度での蒸気温度ランプレートパラメータ210を大きくすることで、タービン内の蒸気温度が上昇する。蒸気流量又は蒸気温度のランプレートパラメータ205,210の減少は、必ずしも流量や温度が低下することを意味するのではなく、これらのうちの一方の増大率が小さくなるということである。例えば、蒸気流量ランプレートパラメータ205を小さくすることで、これまで送出されていた増加率よりも小さい増加率で送出される蒸気の送出処理を容易に実現できる。
【0024】
図2に記載したようにランプレート分割率215が蒸気タービンの排気温度に左右される一実施形態によれば、関数225によって表されるランピングプロファイルは一つより多く存在し得る。例えば、第1のランピングプロファイルは、所定の下限温度(例えば、図2の「10」)よりも低い排気温度である間の状態に対応したものである。この第1ランピングプロファイル中、ランプレート分割率215は、ゼロ(又は他の低い数値)に設定され、これにより、蒸気流量のランピングが一定に維持されるか、又は僅かだけ増やされるのに対し、蒸気温度は大きく上昇する。第2のランピングプロファイルは、y方向に増加勾配を有し、ランプレート分割率215がゼロから1まで増加することが示される傾斜した線によって表される。この第2のプロファイルは、下限温度と、蒸気タービンの制約条件(例えば、飽和温度、過熱、水滴形成等)に少なくとも部分的に基づいて規定され得る上限温度(例えば、図2の「40」)の間に存在することができる。従って、この上限と下限の間で排気温度が低下すると、ランプレート分割率215の値が小さくなり、その結果、蒸気流量のランピングが小さくなり、かつ、蒸気温度のランピングが大きくなる。最後に、排気温度の上端に、第3のプロファイルが存在し、この第3のプロファイルでは、上限以上の排気温度において、温度のランピングは僅かしか実行されないか又は全く実行されないが、かなり大きな(例えば、装荷率と等しい)蒸気流量のランピングが実行される。一実施形態によれば、少なくとも下限は、特定の排気状態の飽和温度に少なくとも部分的に基づいて決定され、関数225は、飽和点(例えば、図2の右から左)に近付いたときに、ランプレート分割率(X)215を大きくして、温度ランプレートを増大させ、飽和点から離れるようにする。一実施形態によれば、上限は、他のタービン制約条件に少なくとも部分的に基づいて定義される。関数225は、例示することを目的として提供されること、タービン制御装置で任意の数の数学的関係を定義して動作に組み込み、蒸気流量ランピング及び蒸気温度ランピングが互いに依存し合うように、その各ランピングのレベルを決定できることは理解されよう。
【0025】
また、図2には、蒸気流量ランプレートパラメータ205及び蒸気温度ランプレートパラメータ210を利用可能な工学単位に変換する処理も示されている。工学単位により、一つ又は複数の蒸気迂回路、及び一つ又は複数の過熱低減器への制御コマンドの発行が可能になる。一実施形態によれば、装荷率は、時間の経過に対するパーセントの上昇(例えば、%/分)で提供されるため、蒸気流量ランプレートパラメータ205は、特に限定するものではないが、秒当たりのパーセント上昇(例えば、%/秒)等、異なる単位時間に調整できる。例えば、迂回路のより正確な制御を可能にするためには、異なる単位時間が望ましいものになり得る。他の例において、蒸気流量ランプレートパラメータ205は、単位時間当たりの体積や、単位時間当たりの圧力に調整される。同様に、蒸気温度ランプレートパラメータ210は、特に限定するものではないが、華氏度数/秒等、単位時間当たりの温度変化を反映するように調整される。他の実施形態において、装荷率は、異なる単位を有していても、もしくは、装荷コマンドの異なる形式(例えば、単位時間当たりの体積、単位時間当たりの出力等)を表すものであっても、又はその両方であってもよく、これらは、必要に応じて、蒸気流量ランプレートパラメータ205及び蒸気温度ランプレートパラメータ210のそれぞれについて調整できる。
【0026】
従って、蒸気流量ランプレートパラメータ205及び蒸気温度ランプレートパラメータ210を決定して、各種の再調整及び単位調整の少なくとも一方を実行した後、タービン制御装置は、一つ以上の蒸気迂回路に制御コマンドを発行して、蒸気タービン内に蒸気を送出する割合を調整したり、一つ以上の過熱低減器に制御コマンドを発行して、蒸気タービンに送られる蒸気の温度を調整したりできるため、より効率的で、かつ比較的安全な蒸気タービンの装荷を実現できる。本発明の他の実施形態では、前述したような過熱低減器を用いる必要はなく、蒸気流量から独立して蒸気温度を制御する他の手段を利用してもよいことは理解されよう。上記のシステム及び方法をボイラに適用する一例において、ボイラの点火は、蒸気温度ランプレートパラメータ210に従って変更され、蒸気流量は、一つ以上の迂回弁を介して、蒸気流量ランプレートパラメータ205に従って制御可能である。蒸気流量から独立して蒸気温度を制御するいずれか他の適切な手段を利用することもでき、このような手段は、本明細書において広く「過熱低減器」という用語で表されている。
【0027】
図3に、前述した関数を利用して蒸気タービンの装荷を行う例示的方法300を示す。一実施形態によれば、本方法は、少なくともその一部をタービン制御装置で実行できる。本方法は、ブロック305において始まり、ランプレート分割率(X)の生成に用いられる関数、例えば、図2を参照して説明した関数225等が定義される。既に説明したように、この関数は、排気温度や過熱温度等、蒸気タービンの動作状態に少なくとも部分的に基づいたものであり、蒸気のランピング量又は装荷量と、温度のランピング量とを蒸気タービンに割り当てるために用いられるランプレート分割率を生成できる。
【0028】
ブロック305に続くブロック310において、図2を参照して説明したタービン装荷率220等のタービン装荷率を、タービン制御装置で受信するか、又は他の方式で取得する。前述したように、装荷率は、通常、温度ランピングに対する蒸気装荷や蒸気ランピングの比を必ずしも考慮しない、特定の時点の蒸気タービン全体の装荷プロファイルを表す。
【0029】
ブロック310に続くブロック315において、一実施形態によれば、タービンの現在の排気温度が取得される。図2を参照して説明したように、ブロック305の関数によって定義されるランプレート分割率(X)は、蒸気タービンの現在の動作状態やパラメータに従属したものである。他の実施形態において、これに代えて、又は追加して、排気温度、排気圧、湿度測定値等を利用してもよい。
【0030】
ブロック315に続くブロック320において、ランプレート分割率(X)及びタービン装荷率に基づいて蒸気流量ランプレートを決定する。例えば、一実施形態によれば、蒸気流量ランプレートは、ランプレート分割率(X)とタービン装荷率の積である。同様に、ブロック325において、ランプレート分割率(X)及びタービン装荷率に基づいて蒸気温度ランプレートを決定する。例えば、一実施形態によれば、蒸気流量ランプレートは、1からランプレート分割率(X)を引いた差にタービン装荷率を乗じることによって決定される。このように、蒸気流量及び温度のランプレートは、温度のランピングが大きくなると蒸気流量のランピングが小さくなるという反比例の関係及びその逆の関係を有するように定義される。
【0031】
ブロック330及び335において、蒸気タービンの蒸気流量及び温度のランピングが、ブロック315及び320で決定された蒸気流量ランプレートと蒸気温度ランプレートとに基づいて、タービン制御装置によって制御される。図1を参照して説明したように、一つ以上の蒸気迂回路を制御して、蒸気タービンに蒸気を送出する割合を制御できる。同様に、一つ以上の過熱低減器を制御して、送出される蒸気の温度を制御できる。
【0032】
方法300は、タービン装荷中の蒸気の流量及び温度のランピングを割り当てたブロック335の後で終了する。方法300は、蒸気タービンの装荷サイクル中(及び/又は任意の他の動作状態中)、ブロック330及び335で迂回路及び過熱低減器の少なくとも一方を調整した後でブロック305を繰り返す、又はブロック310に戻るというように、繰り返して実行できることは理解されるであろう。ブロック305に戻って繰り返す場合は、蒸気の流量及び温度のランピングの関係の再定義が可能であるため、ランプレート分割率(X)を生成する関数を再定義することができる。この再定義は、タービンの動作状態が変化する場合、周囲条件が変化する場合、又はシステムに新しい制約条件又は異なる制約条件が提供される場合に行われる。
【0033】
図4に、ブロック図を用いて、例示的実施形態に従って蒸気タービンの装荷を容易にするために用いられる例示的なタービン制御装置400を示す。具体的には、電子化された制御装置400の構成要素を用いて、タービン制御プロファイル、及び図1図3を参照して説明したような蒸気の流量ランピングと温度ランピングの関係を生成、保存、ならびに操作できると共に、蒸気迂回路及び過熱低減器に対する制御コマンドを生成して送出することを含む、タービンの制御を容易化することができる。電子化された制御装置400は、プログラム化論理420(例えば、ソフトウェア)を格納するメモリ410を含むことができ、検出した動作パラメータ、動作プロファイル、数学関数等のデータ430を格納できる。メモリ410は、オペレーティングシステム440も含む。プロセッサ450は、オペレーティングシステム440を利用して、プログラム化論理420を実行でき、その実行に、データ430を利用することもできる。データバス460は、メモリ410とプロセッサ450の間の通信を提供できる。ユーザは、キーボード、マウス、コントロールパネル、又は制御装置400とのデータの送受信が可能な各種の他のデバイス等、少なくとも一つのユーザインターフェイスデバイス470を介して制御装置400に働きかけることができる。制御装置400は、I/Oインターフェイス480を介して、動作している間はオンラインの蒸気タービンと通信し、動作していない間はオフラインのガスタービンと通信する。より詳細には、一つ以上の制御装置400が、数学的関係を定義し、その関係に従ってタービン装荷プロファイルを分析して、蒸気タービンの装荷中(及び/又はタービンの他の動作状態中)に用いられる制御コマンドを生成することを含む、図2図3を参照して説明した方法を実行する。また、他の外部デバイス、複数の他の蒸気タービン、及び複合サイクル発電システムの他の構成要素のうちの少なくともいずれかが、I/Oインターフェイス480を介して制御装置400と通信できることは理解されよう。例示した実施形態において、制御装置400は、蒸気タービンに対してリモートに配置されるが、蒸気タービンと共に配置されても、又は一体化されていてもよい。更に、制御装置400、及び制御装置400によって実装されるプログラム化論理420は、ソフトウェア、ハードウェア、ファームウェア、又はこれらの任意の組み合わせを含む。また、複数の制御装置400を利用でき、そのため、本明細書に記載した異なる機能が、一つ以上の異なる制御装置400において実行されることも理解されたい。
【0034】
従って、本明細書に記載した実施形態は、流量のランプレートと温度のランプレートの間の事前定義された関係に従って、蒸気タービンへの蒸気の流量及び温度のランプレートを制御することを可能にする。前述したシステム及び方法は、蒸気タービンの個々の制約条件に違反することなく、タービンの出力電力を最大化するという技術的効果を達成する。これらのシステム及び方法によって達成される他の技術的効果は、所定の関係に従って蒸気及び温度のランピングを制御することによって、始動時の水滴の形成を防止することを含む。これにより、蒸気タービン始動の初期段階における電力生産が向上することに加え、蒸気タービンの高圧区画内の腐食に起因する損失が抑制される。
【0035】
本発明の例示的実施形態に係るシステム、方法、装置、及びコンピュータプログラム製品のブロック図を参照する。このブロック図の少なくとも一部のブロック、及びブロック図内のブロックの組み合わせは、少なくとも部分的に、コンピュータプログラム命令によって実施されてよいことは理解されよう。これらのコンピュータプログラム命令は、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、専用のハードウェアベースのコンピュータ、又は機械を生成する他のプログラム可能データ処理装置に読み込むことができるため、コンピュータや他のプログラム可能データ処理装置上で実行される命令は、前述したブロック図の少なくとも一部のブロックの機能、又はブロック図内のブロックを組み合わせた機能を実施する手段を生成できる。
【0036】
これらのコンピュータプログラム命令は、コンピュータ可読メモリに格納され、コンピュータ又は他のプログラム可能データ処理装置に命令して特定の方式で機能させることができるため、コンピュータ可読メモリに格納された命令は、一つ以上のブロックに指定された機能を実施する命令手段を含む製品を生成する。コンピュータプログラム命令をコンピュータ又は他のプログラム可能データ処理装置に読み込んで、そのコンピュータ又は他のプログラム可能データ処理装置上で一連の動作ステップを実行することで、コンピュータ実装プロセスを生成できるため、コンピュータ又は他のプログラム可能データ処理装置で実行される命令は、一つ以上のブロックに指定された機能を実施するステップを提供する。
【0037】
本明細書に記載したシステムの一つ以上の構成要素、及び本明細書に記載した方法の一つ以上の要素は、コンピュータのオペレーションシステム上で動作するアプリケーションプログラムによって実施される。これらの要素は、携帯型デバイス、多重プロセッサシステム、マイクロプロセッサベース又はプログラム可能な家庭用電化製品、ミニコンピュータ、メインフレームコンピュータ等、他のコンピュータシステム構成を用いて実施される。
【0038】
本明細書に記載したシステム及び方法の構成要素であるアプリケーションプログラムは、特定の抽象データ型を実装して特定のタスクやアクションを実行するルーチン、プログラム、コンポーネント、データ構造等を含む。分散コンピュータ環境において、アプリケーションプログラム(の全体又は一部)は、ローカルメモリ内、又は他の記憶装置内に設けることができる。これに加え、又は代えて、アプリケーションプログラム(の全体又は一部)は、リモートメモリ内、又は記憶装置内に設けられてよく、通信ネットワークを介してリンクされたリモート処理装置によってタスクが実行される環境を実現できる。
【0039】
本明細書に記載した例示的説明については、その説明に関する多くの変形例及び他の実施形態が想到され、そのような変形例及び実施形態は、上記の説明及び対応する図面に示された教示の利点を有する。このように、本発明は、多くの形式で実施され、上記に記載した実施形態の例に限定されないことは理解されるであろう。従って、本発明は、開示した特定の実施形態に限定されないこと、及び変形例や他の実施形態は、付属の請求項の範囲に含まれるように意図されることを理解されたい。本明細書において特定の用語を採用したが、これらの用語は、一般的かつ説明的な意味においてのみ用いたものであり、限定することを目的としたものではない。
図1
図2
図3
図4