特許第6046912号(P6046912)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6046912
(24)【登録日】2016年11月25日
(45)【発行日】2016年12月21日
(54)【発明の名称】撮像装置及びその制御方法
(51)【国際特許分類】
   H04N 5/232 20060101AFI20161212BHJP
   H04N 5/225 20060101ALI20161212BHJP
   G03B 17/18 20060101ALI20161212BHJP
   G03B 7/091 20060101ALI20161212BHJP
   G03B 15/00 20060101ALI20161212BHJP
【FI】
   H04N5/232 Z
   H04N5/225 Z
   G03B17/18 Z
   G03B7/091
   G03B15/00 B
【請求項の数】24
【全頁数】23
(21)【出願番号】特願2012-104886(P2012-104886)
(22)【出願日】2012年5月1日
(65)【公開番号】特開2013-232850(P2013-232850A)
(43)【公開日】2013年11月14日
【審査請求日】2015年4月2日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100076428
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 康徳
(74)【代理人】
【識別番号】100112508
【弁理士】
【氏名又は名称】高柳 司郎
(74)【代理人】
【識別番号】100115071
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 康弘
(74)【代理人】
【識別番号】100116894
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 秀二
(74)【代理人】
【識別番号】100130409
【弁理士】
【氏名又は名称】下山 治
(74)【代理人】
【識別番号】100134175
【弁理士】
【氏名又は名称】永川 行光
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 聡史
【審査官】 榎 一
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−192177(JP,A)
【文献】 特開2010−263353(JP,A)
【文献】 特開2005−268356(JP,A)
【文献】 特開2000−292685(JP,A)
【文献】 特開2007−103590(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 5/222〜257
G03B 7/091
G03B 15/00
G03B 17/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮影レンズを介して入射する光を光電変換して電気信号を出力する、2次元に配置された複数の光電変換部を、予め決められた数ずつまとめた複数の単位領域と、
前記撮影レンズと前記複数の光電変換部との間にあり、前記単位領域それぞれについて1つの第1のマイクロレンズを配置したマイクロレンズアレイと
を有する撮像手段と、
前記単位領域それぞれを構成する前記複数の光電変換部のうち、第1の光電変換部から出力された電気信号から、静止画像を生成する生成手段と、
前記単位領域それぞれを構成する前記複数の光電変換部のうち、第2の光電変換部から出力された電気信号に基づいて、静止画像生成以外の処理を行う処理手段とを有し、
前記第1の光電変換部は、前記第1のマイクロレンズにより集光された光を受光して電気信号を出力し、前記第2の光電変換部は、前記第1のマイクロレンズにより集光されていない光を受光して電気信号を出力し、
前記処理手段は、前記第2の光電変換部から出力された電気信号から、表示手段に表示するライブビュー画像を生成することを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
撮影レンズを介して入射する光を光電変換して電気信号を出力する、2次元に配置された複数の光電変換部を、予め決められた数ずつまとめた複数の単位領域と、
前記撮影レンズと前記複数の光電変換部との間にあり、前記単位領域それぞれについて1つの第1のマイクロレンズを配置したマイクロレンズアレイと
を有する撮像手段と、
前記単位領域それぞれを構成する前記複数の光電変換部のうち、第1の光電変換部から出力された電気信号から、静止画像を生成する生成手段と、
前記単位領域それぞれを構成する前記複数の光電変換部のうち、第2の光電変換部から出力された電気信号に基づいて、静止画像生成以外の処理を行う処理手段とを有し、
前記第1の光電変換部は、前記第1のマイクロレンズにより集光された光を受光して電気信号を出力し、前記第2の光電変換部は、前記第1のマイクロレンズにより集光されていない光を受光して電気信号を出力し、
前記処理手段は、前記第2の光電変換部から出力された電気信号から、動画像を生成することを特徴とする撮像装置。
【請求項3】
撮影レンズを介して入射する光を光電変換して電気信号を出力する、2次元に配置された複数の光電変換部を、予め決められた数ずつまとめた複数の単位領域と、
前記撮影レンズと前記複数の光電変換部との間にあり、前記単位領域それぞれについて1つの第1のマイクロレンズを配置したマイクロレンズアレイと
を有する撮像手段と、
前記単位領域それぞれを構成する前記複数の光電変換部のうち、第1の光電変換部から出力された電気信号から、静止画像を生成する生成手段と、
前記単位領域それぞれを構成する前記複数の光電変換部のうち、第2の光電変換部から出力された電気信号に基づいて、静止画像生成以外の処理を行う処理手段とを有し、
前記第1の光電変換部は、前記第1のマイクロレンズにより集光された光を受光して電気信号を出力し、前記第2の光電変換部は、前記第1のマイクロレンズにより集光されていない光を受光して電気信号を出力し、
前記処理手段は、前記第2の光電変換部から出力された電気信号から、サムネイル画像を生成することを特徴とする撮像装置。
【請求項4】
撮影レンズを介して入射する光を光電変換して電気信号を出力する、2次元に配置された複数の光電変換部を、予め決められた数ずつまとめた複数の単位領域と、
前記撮影レンズと前記複数の光電変換部との間にあり、前記単位領域それぞれについて1つの第1のマイクロレンズを配置したマイクロレンズアレイと
を有する撮像手段と、
前記単位領域それぞれを構成する前記複数の光電変換部のうち、第1の光電変換部から出力された電気信号から、静止画像を生成する生成手段と、
前記単位領域それぞれを構成する前記複数の光電変換部のうち、第2の光電変換部から出力された電気信号に基づいて、静止画像生成以外の処理を行う処理手段とを有し、
前記第1の光電変換部は、前記第1のマイクロレンズにより集光された光を受光して電気信号を出力し、前記第2の光電変換部は、前記第1のマイクロレンズにより集光されていない光を受光して電気信号を出力し、
前記処理手段は、前記第2の光電変換部からの電気信号に基づいて、測光を行うことを特徴とする撮像装置。
【請求項5】
撮影レンズを介して入射する光を光電変換して電気信号を出力する、2次元に配置された複数の光電変換部を、予め決められた数ずつまとめた複数の単位領域と、
前記撮影レンズと前記複数の光電変換部との間にあり、前記単位領域それぞれについて1つの第1のマイクロレンズを配置したマイクロレンズアレイと
を有する撮像手段と、
前記単位領域それぞれを構成する前記複数の光電変換部のうち、第1の光電変換部から出力された電気信号から、静止画像を生成する生成手段と、
前記単位領域それぞれを構成する前記複数の光電変換部のうち、第2の光電変換部から出力された電気信号に基づいて、静止画像生成以外の処理を行う処理手段とを有し、
前記第1の光電変換部は、前記第1のマイクロレンズにより集光された光を受光して電気信号を出力し、前記第2の光電変換部は、前記第1のマイクロレンズにより集光されていない光を受光して電気信号を出力し、
前記処理手段は、前記第2の光電変換部からの電気信号に基づいて、焦点調節を行うことを特徴とする撮像装置。
【請求項6】
前記第1の光電変換部を、特定の波長域の光を通すカラーフィルタでそれぞれ覆い、
前記第2の光電変換部を、透明のフィルタで覆ったことを特徴とする請求項4または5に記載の撮像装置。
【請求項7】
隣接する複数の前記単位領域において同じ位置にある前記第2の光電変換部からの電気信号を加算して出力することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項8】
撮影レンズを介して入射する光を光電変換して電気信号を出力する、2次元に配置された複数の光電変換部を、予め決められた数ずつまとめた複数の単位領域と、
前記撮影レンズと前記複数の光電変換部との間にあり、前記単位領域それぞれについて1つの第1のマイクロレンズを配置したマイクロレンズアレイと
を有する撮像手段と、
前記単位領域それぞれを構成する前記複数の光電変換部のうち、第1の光電変換部から出力された電気信号から、静止画像を生成する生成手段と、
前記単位領域それぞれを構成する前記複数の光電変換部のうち、第2の光電変換部から出力された電気信号に基づいて、静止画像生成以外の処理を行う処理手段とを有し、
前記第1の光電変換部は、前記第1のマイクロレンズにより集光された光を受光して電気信号を出力し、前記第2の光電変換部は、前記第1のマイクロレンズにより集光されていない光を受光して電気信号を出力し、
隣接する複数の前記単位領域において同じ位置にある前記第2の光電変換部からの電気信号を加算して出力することを特徴とする撮像装置。
【請求項9】
前記第2の光電変換部は、前記単位領域において周辺の位置にあることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項10】
前記単位領域の四隅にある光電変換部のうち少なくとも1つの光電変換部を、前記第2の光電変換部として用いることを特徴とする請求項に記載の撮像装置。
【請求項11】
前記単位領域は、前記複数の光電変換部を行列状に配列して形成されていることを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項12】
前記マイクロレンズアレイは、前記入射した光前記第2の光電変換部に集光するように、複数の前記第1のマイクロレンズの間にそれぞれ形成された、複数の第2のマイクロレンズを更に有することを特徴とする請求項1乃至11のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項13】
前記第2のマイクロレンズは、該第2のマイクロレンズに隣接する複数の前記第1のマイクロレンズから等距離の位置に配置されることを特徴とする請求項12に記載の撮像装置。
【請求項14】
前記第2のマイクロレンズは、2行2列に配置された4つの前記第1のマイクロレンズから等距離の位置に配置されることを特徴とする請求項13に記載の撮像装置。
【請求項15】
前記第1のマイクロレンズと前記第2のマイクロレンズは、互いに形状が異なることを特徴とする請求項12乃至14のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項16】
前記第1のマイクロレンズと前記第2のマイクロレンズは、互いに高さが異なることを特徴とする請求項15に記載の撮像装置。
【請求項17】
前記第1のマイクロレンズと前記第2のマイクロレンズは、互いに曲率が異なることを特徴とする請求項15に記載の撮像装置。
【請求項18】
第1の光電変換部から出力された電気信号を用いて、任意の距離に合焦した静止画像を生成するリフォーカス処理を行うリフォーカス画像生成手段を更に有することを特徴とする請求項1乃至17のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項19】
撮影レンズを介して入射する光を光電変換して電気信号を出力する、2次元に配置された複数の光電変換部を、予め決められた数ずつまとめた複数の単位領域と、前記撮影レンズと前記複数の光電変換部との間にあり、前記単位領域それぞれについて1つのマイクロレンズを配置したマイクロレンズアレイとを含む撮像手段を有する撮像装置の制御方法であって、
生成手段が、前記単位領域それぞれを構成する前記複数の光電変換部のうち、第1の光電変換部から出力された電気信号から、静止画像を生成する生成工程と、
処理手段が、前記単位領域それぞれを構成する前記複数の光電変換部のうち、第2の光電変換部から出力された電気信号に基づいて、ライブビュー画像の生成、動画像の生成、サムネイル画像の生成、測光、焦点調節の少なくともいずれかを行う処理工程とを有し、
前記第1の光電変換部は、前記マイクロレンズにより集光された光を受光して電気信号を出力し、前記第2の光電変換部は、前記マイクロレンズにより集光されていない光を受光して電気信号を出力し、
前記処理工程では、前記第2の光電変換部から出力された電気信号から、表示手段に表示するライブビュー画像を生成することを特徴とする撮像装置の制御方法。
【請求項20】
撮影レンズを介して入射する光を光電変換して電気信号を出力する、2次元に配置された複数の光電変換部を、予め決められた数ずつまとめた複数の単位領域と、前記撮影レンズと前記複数の光電変換部との間にあり、前記単位領域それぞれについて1つのマイクロレンズを配置したマイクロレンズアレイとを含む撮像手段を有する撮像装置の制御方法であって、
生成手段が、前記単位領域それぞれを構成する前記複数の光電変換部のうち、第1の光電変換部から出力された電気信号から、静止画像を生成する生成工程と、
処理手段が、前記単位領域それぞれを構成する前記複数の光電変換部のうち、第2の光電変換部から出力された電気信号に基づいて、ライブビュー画像の生成、動画像の生成、サムネイル画像の生成、測光、焦点調節の少なくともいずれかを行う処理工程とを有し、
前記第1の光電変換部は、前記マイクロレンズにより集光された光を受光して電気信号を出力し、前記第2の光電変換部は、前記マイクロレンズにより集光されていない光を受光して電気信号を出力し、
前記処理工程では、前記第2の光電変換部から出力された電気信号から、動画像を生成することを特徴とする撮像装置の制御方法。
【請求項21】
撮影レンズを介して入射する光を光電変換して電気信号を出力する、2次元に配置された複数の光電変換部を、予め決められた数ずつまとめた複数の単位領域と、前記撮影レンズと前記複数の光電変換部との間にあり、前記単位領域それぞれについて1つのマイクロレンズを配置したマイクロレンズアレイとを含む撮像手段を有する撮像装置の制御方法であって、
生成手段が、前記単位領域それぞれを構成する前記複数の光電変換部のうち、第1の光電変換部から出力された電気信号から、静止画像を生成する生成工程と、
処理手段が、前記単位領域それぞれを構成する前記複数の光電変換部のうち、第2の光電変換部から出力された電気信号に基づいて、ライブビュー画像の生成、動画像の生成、サムネイル画像の生成、測光、焦点調節の少なくともいずれかを行う処理工程とを有し、
前記第1の光電変換部は、前記マイクロレンズにより集光された光を受光して電気信号を出力し、前記第2の光電変換部は、前記マイクロレンズにより集光されていない光を受光して電気信号を出力し、
前記処理工程では、前記第2の光電変換部から出力された電気信号から、サムネイル画像を生成することを特徴とする撮像装置の制御方法。
【請求項22】
撮影レンズを介して入射する光を光電変換して電気信号を出力する、2次元に配置された複数の光電変換部を、予め決められた数ずつまとめた複数の単位領域と、前記撮影レンズと前記複数の光電変換部との間にあり、前記単位領域それぞれについて1つのマイクロレンズを配置したマイクロレンズアレイとを含む撮像手段を有する撮像装置の制御方法であって、
生成手段が、前記単位領域それぞれを構成する前記複数の光電変換部のうち、第1の光電変換部から出力された電気信号から、静止画像を生成する生成工程と、
処理手段が、前記単位領域それぞれを構成する前記複数の光電変換部のうち、第2の光電変換部から出力された電気信号に基づいて、ライブビュー画像の生成、動画像の生成、サムネイル画像の生成、測光、焦点調節の少なくともいずれかを行う処理工程とを有し、
前記第1の光電変換部は、前記マイクロレンズにより集光された光を受光して電気信号を出力し、前記第2の光電変換部は、前記マイクロレンズにより集光されていない光を受光して電気信号を出力し、
前記処理工程では、前記第2の光電変換部からの電気信号に基づいて、測光を行うことを特徴とする撮像装置の制御方法。
【請求項23】
撮影レンズを介して入射する光を光電変換して電気信号を出力する、2次元に配置された複数の光電変換部を、予め決められた数ずつまとめた複数の単位領域と、前記撮影レンズと前記複数の光電変換部との間にあり、前記単位領域それぞれについて1つのマイクロレンズを配置したマイクロレンズアレイとを含む撮像手段を有する撮像装置の制御方法であって、
生成手段が、前記単位領域それぞれを構成する前記複数の光電変換部のうち、第1の光電変換部から出力された電気信号から、静止画像を生成する生成工程と、
処理手段が、前記単位領域それぞれを構成する前記複数の光電変換部のうち、第2の光電変換部から出力された電気信号に基づいて、ライブビュー画像の生成、動画像の生成、サムネイル画像の生成、測光、焦点調節の少なくともいずれかを行う処理工程とを有し、
前記第1の光電変換部は、前記マイクロレンズにより集光された光を受光して電気信号を出力し、前記第2の光電変換部は、前記マイクロレンズにより集光されていない光を受光して電気信号を出力し、
前記処理工程では、前記第2の光電変換部からの電気信号に基づいて、焦点調節を行うことを特徴とする撮像装置の制御方法。
【請求項24】
撮影レンズを介して入射する光を光電変換して電気信号を出力する、2次元に配置された複数の光電変換部を、予め決められた数ずつまとめた複数の単位領域と、前記撮影レンズと前記複数の光電変換部との間にあり、前記単位領域それぞれについて1つのマイクロレンズを配置したマイクロレンズアレイとを含む撮像手段を有する撮像装置の制御方法であって、
生成手段が、前記単位領域それぞれを構成する前記複数の光電変換部のうち、第1の光電変換部から出力された電気信号から、静止画像を生成する生成工程と、
処理手段が、前記単位領域それぞれを構成する前記複数の光電変換部のうち、第2の光電変換部から出力された電気信号に基づいて、ライブビュー画像の生成、動画像の生成、サムネイル画像の生成、測光、焦点調節の少なくともいずれかを行う処理工程とを有し、
前記第1の光電変換部は、前記マイクロレンズにより集光された光を受光して電気信号を出力し、前記第2の光電変換部は、前記マイクロレンズにより集光されていない光を受光して電気信号を出力し、
隣接する複数の前記単位領域において同じ位置にある前記第2の光電変換部からの電気信号を加算して出力することを特徴とする撮像装置の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、静止画像や動画像を撮像、記録、再生する撮像装置及びその制御方法に係わり、特に撮像装置の構成要素である撮像素子前面にマイクロレンズアレイを有する撮像装置及びその制御方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、固体メモリ素子を有するメモリカードを記録媒体として、CCD、CMOS等の固体撮像素子で撮像した静止画像や動画像を記録及び再生する電子カメラ等の撮像装置は多く存在する。
【0003】
これらの撮像装置に関する技術の一例として、固体撮像素子の前面に複数画素に対し1つの割合で並ぶマイクロレンズアレイを配置することで、撮像素子に入射する光線の入射方向の情報をも得られるような構成の撮像装置が提案されている。(例えば、非特許文献1参照)。
【0004】
このような撮像装置では、各画素からの出力信号を元に通常の撮影画像を生成する以外に、撮影された画像に対して所定の画像処理を施すことで、任意の焦点距離に焦点を合わせた画像を再構築すること(リフォーカス)なども可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【非特許文献1】Ren.Ng、他7名,「Light Field Photography with a Hand-Held Plenoptic Camera」,Stanford Tech Report CTSR 2005-02
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、前述のようなマイクロレンズアレイを有する撮像装置においては、以下のような問題があった。まず、撮影レンズのFナンバーがマイクロレンズのFナンバーよりも小さい場合、撮影レンズの焦点が合った距離にある被写体像に関しては、あるマイクロレンズを通過した像と、別のマイクロレンズを通過した像が撮像素子面でオーバーラップしてしまう。この場合、画像の再構築が叶わなくなる。逆に、撮影レンズのFナンバーがマイクロレンズのFナンバーよりも大きい場合、マイクロレンズを通過した、リフォーカスに有効な信号光が入射されない無駄な画素が発生してしまう。そのため、撮影レンズのFナンバーと、マイクロレンズのFナンバーが一致するようにマイクロレンズアレイを配置することが、最も効率的な配置となる。
【0007】
しかしながら、この最も効率的な配置においては、撮影レンズや絞り等で構成される撮像光学系の開口形状が円形である場合、撮影レンズの焦点が合った距離にある被写体からの入射光に関して、次のような特徴を有する。即ち、あるマイクロレンズを通過した光線と、その隣のマイクロレンズを通過した光線が、撮像素子面では、それぞれ互いに外接する円の内側に到達することとなる。
【0008】
この場合、どのマイクロレンズを通過した光線も到達しにくい領域が、撮像素子面上にできてしまうことになる。撮像素子が、画素を単純に2次元配列で並べた構成である場合、上記のような領域周辺にある画素は、その出力信号は後のリフォーカスに有効とは言えないため、いわば無駄な画素となってしまっている。
【0009】
また、前述のようなマイクロレンズアレイを有する撮像装置に限らず、撮像装置には、更に以下のような問題があった。即ち、一般的な撮像装置においては、測光を行って撮像装置の絞り値やシャッター秒時を決定するためのAEセンサや、焦点調節を行うためのAFセンサを、撮像用センサとは別に有することが多い。しかしながらこれらのセンサを撮像装置内に配置することは、撮像装置にとってサイズアップ及びコストアップとなるため、近年では撮像用センサに、AEセンサおよびAFセンサの機能を持たせることが望まれている。
【0010】
しかしながら、撮像用センサの画素の一部をAEセンサやAFセンサとして撮像以外の用途に使用する場合、AEセンサやAFセンサとして用いる画素の出力をそのまま画像用の信号として流用できればよいのであるが、画像用の信号としてそのまま使用できない。これは、実際にはAEセンサやAFセンサとして用いる画素の構成、例えば、カラーフィルタの色やマイクロレンズの形状等を、AEセンサやAFセンサ用に最適化しなければならないからで、画像用の信号の欠落が発生してしまうことになる。
【0011】
本発明は上記問題点を鑑みてなされたものであり、複数の光電変換部毎に1つのマイクロレンズが配置されたマイクロレンズアレイを有する撮像装置において、新たな構成要素を増やすことなく、撮像と撮像以外の機能とを同時に実行できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するために、本発明の撮像装置は、撮影レンズを介して入射する光を光電変換して電気信号を出力する、2次元に配置された複数の光電変換部を、予め決められた数ずつまとめた複数の単位領域と、前記撮影レンズと前記複数の光電変換部との間にあり、前記単位領域それぞれについて1つの第1のマイクロレンズを配置したマイクロレンズアレイとを有する撮像手段と、前記単位領域それぞれを構成する前記複数の光電変換部のうち、第1の光電変換部から出力された電気信号から、静止画像を生成する生成手段と、前記単位領域それぞれを構成する前記複数の光電変換部のうち、第2の光電変換部から出力された電気信号に基づいて、静止画像生成以外の処理を行う処理手段とを有し、前記第1の光電変換部は、前記第1のマイクロレンズにより集光された光を受光して電気信号を出力し、前記第2の光電変換部は、前記第1のマイクロレンズにより集光されていない光を受光して電気信号を出力し、前記処理手段は、前記第2の光電変換部から出力された電気信号から、表示手段に表示するライブビュー画像を生成することを特徴とする撮像装置。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、複数の光電変換部毎に1つのマイクロレンズが配置されたマイクロレンズアレイを有する撮像装置において、新たな構成要素を増やすことなく、撮像と撮像以外の機能とを同時に実行することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の実施形態にかかる撮像装置の概略構成を示すブロック図。
図2】実施形態における撮像装置の光学系周辺の構成を示すブロック図。
図3】第1の実施形態における撮像素子の概略構成を示す図。
図4】第1の実施形態における撮像素子の画素配列を示す図。
図5】実施形態の撮像装置における被写体からの光線軌跡図。
図6】実施形態の撮像装置における異なる位置の被写体からの光線軌跡図。
図7】実施形態の撮像装置における光線軌跡を2次元的に表した図。
図8】第1の実施形態における駆動シーケンスを説明するフローチャート。
図9】第2の実施形態における撮像素子の概略構成を示す図。
図10】第2の実施形態における駆動シーケンスを説明するフローチャート。
図11】第3の実施形態における駆動シーケンスを説明するフローチャート。
図12】第4の実施形態における撮像素子の画素配列を示す図。
図13】第4の実施形態における駆動シーケンスを説明するフローチャート。
図14】第5の実施形態における駆動シーケンスを説明するフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、添付図面を参照して本発明を実施するための最良の形態を詳細に説明する。ただし、本形態において例示される構成部品の寸法、形状、それらの相対配置などは、本発明が適用される装置の構成や各種条件により適宜変更されるべきものであり、本発明がそれらの例示に限定されるものではない。
【0016】
<第1の実施形態>
図1は、本第1の実施形態における撮像装置の概略構成を示すブロック図である。図1において、101は撮影レンズや絞りなどの光学系、102はメカニカルシャッタである。撮像素子103は、入射光を電気信号に変換する光電変換部104と電気信号を増幅させる増幅回路105とを含み、入射光を電気信号に変換する。アナログ信号処理回路106は、撮像素子103から出力される画像信号に対してアナログ信号処理を行う。アナログ信号処理回路106は、相関二重サンプリングを行うCDS回路107、アナログ信号を増幅させる信号増幅器108、水平OBクランプを行うクランプ回路109、アナログ信号をデジタル信号に変換するA/D変換器110を含む。
【0017】
タイミング信号発生回路111は、撮像素子103及びアナログ信号処理回路106を動作させる信号を発生する。駆動回路112は、光学系101及びメカニカルシャッタ102を駆動する。デジタル信号処理回路113は、画像データに対して必要な補正処理を行う画像補正回路114、画像補正回路114により補正処理されたデジタル信号を増幅させる信号増幅回路115、画像データに対し、必要な画像処理を行う画像処理回路116を含む。これらの構成により、デジタル信号処理回路113は撮影した画像データに必要なデジタル信号処理を行う。
【0018】
117は処理された画像データを記憶する画像メモリ、118は撮像装置から取り外し可能な記録媒体、119は信号処理された画像データを記録媒体118に記録する記録回路である。120は信号処理された画像データを表示する画像表示装置、121は画像表示装置120に画像を表示する表示回路である。
【0019】
システム制御部122は撮像装置全体を制御する。不揮発性メモリ(ROM)123はシステム制御部122で実行される制御方法を記載したプログラム、プログラムを実行する際に使用されるパラメータやテーブル等の制御データ、及び、キズアドレス等の補正データを記憶する。揮発性メモリ(RAM)124は不揮発性メモリ123に記憶されたプログラム、制御データ及び補正データを転送して記憶しておき、システム制御部122が撮像装置を制御する際に使用される。
【0020】
ここで、上記構成を有する撮像装置における撮影動作について説明する。なお、撮影動作に先立ち、撮像装置の電源投入時等のシステム制御部122の動作開始時において、不揮発性メモリ123から必要なプログラム、制御データ及び補正データを揮発性メモリ124に転送して記憶しておく。これらのプログラムやデータは、システム制御部122が撮像装置を制御する際に使用される。また、必要に応じて、追加のプログラムやデータを不揮発性メモリ123から揮発性メモリ124に転送したり、システム制御部122が直接不揮発性メモリ123内のデータを読み出して使用したりするものとする。
【0021】
まず、光学系101は、システム制御部122からの制御信号により、レンズ等の光学系101を駆動して、適切な明るさになるように制御された被写体像を撮像素子103上に結像させる。次に、メカニカルシャッタ102は、静止画像撮影時においては、システム制御部122からの制御信号により、必要な露光時間となるように撮像素子103の動作に合わせて撮像素子103を遮光するように駆動される。この時、撮像素子103が電子シャッタ機能を有する場合は、メカニカルシャッタ102と併用して、必要な露光時間を確保してもよい。また、メカニカルシャッタ102は、動画像撮影時及びライブビュー駆動時においては、システム制御部122からの制御信号により、撮影中は常に撮像素子103が露光されるように、開放状態で維持される。
【0022】
撮像素子103は、システム制御部122により制御されるタイミング信号発生回路111が発生する動作パルスを基にした駆動パルスで駆動される。光電変換部104において被写体像を光電変換により電気信号に変換し、増幅回路105において入射光量に応じて設定された増幅率のゲインを電気信号にかけ、アナログ画像信号として出力する。
【0023】
撮像素子103から出力されたアナログの画像信号は、システム制御部122により制御されるタイミング信号発生回路111が発生する動作パルスにより、アナログ信号処理回路106のCDS回路107でクロック同期性ノイズを除去する。更に、信号増幅器108で入射光量に応じて設定された増幅率のゲインをかけ、クランプ回路109で水平OB領域の信号出力を基準電圧としてクランプし、A/D変換器110でデジタル画像信号に変換される。
【0024】
次に、アナログ信号処理回路106から出力されたデジタル画像信号に対して、システム制御部122により制御されるデジタル信号処理回路113において、処理を行う。まず、デジタル信号に変換された画像信号に対し、画像補正回路114でキズ補正、ダークシェーディング補正などの各種画像補正処理を施す。
【0025】
その後、信号増幅回路115で入射光量に応じて設定された増幅率のゲインをかけ、画像処理回路116で色変換、ホワイトバランス、ガンマ補正等の画像処理、解像度変換処理、画像圧縮処理等の各種画像処理を行う。また、この画像処理回路116では、例えば、上述した非特許文献1に開示されている方法を用いて、リフォーカス処理(撮像素子103から出力された電気信号を元にして、任意の距離に合焦した複数の画像を生成する処理)を行うことができる。この時、画像メモリ117は、信号処理中のデジタル画像信号を一時的に記憶したり、信号処理されたデジタル画像信号である画像データを記憶したりするために用いられる。
【0026】
デジタル信号処理回路113で信号処理された画像データや画像メモリ117に記憶されている画像データは、記録回路119において記録媒体118に適したデータ(例えば、階層構造を持つファイルシステムデータ)に変換され、記録媒体118に記録される。あるいは、デジタル信号処理回路113で解像度変換処理された画像データは、表示回路121において画像表示装置120に適した信号(例えばNTSC方式のアナログ信号等)に変換されて、画像表示装置120に表示されたりする。
【0027】
ここで、デジタル信号処理回路113においては、システム制御部122からの制御信号により信号処理をせずにデジタル画像信号をそのまま画像データとして、画像メモリ117や記録回路119に出力してもよい。また、デジタル信号処理回路113は、システム制御部122から要求があった場合に、信号処理の過程で生じたデジタル画像信号や画像データの情報をシステム制御部122に出力する。画像データの情報としては、例えば、画像の空間周波数、指定領域の平均値、圧縮画像のデータ量等の情報、あるいは、それらから抽出された情報を含む。さらに、記録回路119は、システム制御部122から要求があった場合に、記録媒体118の種類や空き容量等の情報をシステム制御部122に出力する。
【0028】
次に、記録媒体118に画像データが記録されている場合の再生動作について説明する。システム制御部122からの制御信号により、記録回路119は記録媒体118から画像データを読み出す。そして、同じくシステム制御部122からの制御信号によりデジタル信号処理回路113は、読み出した画像データが圧縮画像であった場合には画像伸長処理を行い、画像メモリ117に記憶する。更に、画像メモリ117に記憶された画像データは、デジタル信号処理回路113で解像度変換処理を実施された後、表示回路121において画像表示装置120に適した信号に変換されて画像表示装置120に表示される。
【0029】
図2は、本発明にかかる撮像装置の実施形態における、光学系周辺の構成を説明するブロック図である。
【0030】
図2において、撮影レンズ201及び絞り204は光学系101を構成する。マイクロレンズアレイ202及びセンサアレイ203は、撮像素子103の構成要素である。また、205は被写体である。図2に記載されているその他の構成要素は、図1で説明したものと同じものであるため、ここでの説明は割愛する。
【0031】
駆動回路112によりメカニカルシャッタ102及び絞り204が開いている状態において、被写体205の像は、撮影レンズ201によって撮像素子103上に結像される。撮像素子103に入射した光信号は、マイクロレンズアレイ202の各マイクロレンズによって更に集光され、センサアレイ203の各画素に入射する。なお、マイクロレンズアレイ202及びセンサアレイ203の構成については、後に図4を用いて説明する。センサアレイ203に入射した光信号は、各画素において光電変換され、電気信号として出力される。その後の処理については図1を用いて説明した通りである。
【0032】
図3は、本実施形態における撮像装置の撮像素子103の概略構成を示す図である。図3(a)に示すように、撮像素子103は、複数の単位画素301が行列状に2次元に配置されている画素領域302と、周辺回路とを有している。周辺回路は垂直シフトレジスタ303と、読み出し回路304と、水平シフトレジスタ305と、出力アンプ306と、駆動信号線307と、垂直出力線308等からなる。垂直シフトレジスタ303からは、各行の画素毎に駆動信号線307を通して、駆動パルスが送出される。なお、駆動信号線307は、簡略化のため、各行毎に1本ずつ図示してあるが、実際には各行毎に複数の駆動信号線が接続される。また、同じ列の画素は同一の垂直出力線308に接続される。垂直シフトレジスタ303によって選択された行の画素信号は、垂直出力線308を通して読み出し回路304に出力され、水平シフトレジスタ305によって選択された列の画素信号から順次、出力アンプ306を通して出力される。なお、図3(a)においては、8行8列の単位画素301をもって画素領域302とする構成としたが、実際には数千行、数千列という単位で形成される。
【0033】
図3(b)は、図3(a)の単位画素301の構成を示す回路図である。図3(b)に示すように、単位画素301は、フォトダイオード401、フローティングディフュージョン部402、増幅部403、転送スイッチ404、リセットスイッチ405、選択スイッチ406を含んで構成される。
【0034】
フォトダイオード401は、単位画素301へ入射した光を受光し、その受光量に応じた信号電荷を生成する光電変換部として機能する。フローティングディフュージョン部402は、フォトダイオード401で生成され、転送された電荷を一時的に保持するとともに、保持した電荷を電圧信号に変換する電荷電圧変換部として機能する。転送スイッチ404は、転送パルス信号PTXによって駆動され、フォトダイオード401で生成された信号電荷をフローティングディフュージョン部402に転送する。リセットスイッチ405は、リセットパルス信号PRESによって駆動され、フローティングディフュージョン部402の電位を基準電位VDDにリセットする。増幅部403は、ソースフォロワMOSトランジスタであり、フローティングディフュージョン部402に保持された電荷に基づく電圧信号を増幅して、画素信号として出力する。選択スイッチ406は、垂直選択パルス信号PSELによって駆動され、増幅部403で増幅された画素信号を垂直出力線308に出力する。
【0035】
図4は本実施形態における撮像素子103を構成するセンサアレイ203の画素とマイクロレンズアレイ202との相対的な配置を示す図であり、撮像素子103を被写体側から見た様子を示している。図4(a)において、501は、再構築後の画像の1画素に相当する記録画素領域(単位領域)、502は、記録画素領域501を8行8列に分割した光電変換部ごとの分割画素であり、図3で説明した単位画素301に相当する。
【0036】
503は、記録画素領域501毎に1つずつ配置される第1のマイクロレンズ、504は、4つの記録画素領域501を跨いで配置される第2のマイクロレンズである。図4(a)に示すように、第2のマイクロレンズは、2行2列に配置された隣接する4つの第1のマイクロレンズから、等距離の位置に配置される。なお、第1のマイクロレンズ503と、第2のマイクロレンズ504は、それぞれセンサアレイ203のフォトダイオードに集光するように、それぞれの形状が定められているため、高さや曲率などは異なったものとなっている。このように異なった形状を有する第1のマイクロレンズと第2のマイクロレンズとから、マイクロレンズアレイ202が構成されている。
【0037】
本実施形態の説明においては、図4に示すように、8x8の分割画素502からなる記録画素領域501を4行4列並べたセンサアレイ203を用いて説明する。図4(b)は1つの記録画素領域501を拡大した図である。後の説明のために、本実施形態では、64個の分割画素502に対し、図4(b)のように、それぞれa00〜a77とラベルする。
【0038】
また、本第1の実施形態においては、各分割画素502は特定の波長域の光を通すカラーフィルタでそれぞれ覆われているが、一例として、ベイヤー配列のカラーフィルタにより覆われている。具体的には、分割画素a00はレッド、分割画素a01はグリーン、分割画素a10はグリーン、分割画素a11はブルーのカラーフィルタを前面に配している。その他の画素も分割画素a00、a01、a10、a11の4つの分割画素502の並びと同じ色の配列で、繰り返し配置されている。
【0039】
図5は、本実施形態の撮像装置に様々な距離の被写体から入射する光線の軌跡を示す図である。
【0040】
図5において、被写体701aは、撮影レンズ201によってその像がマイクロレンズアレイ202を含む面Aに結像される位置に配置されている被写体である。被写体701aからの光線のうち、撮影レンズ201の最外周を通り、光軸上のマイクロレンズを介してセンサアレイ203に入射する光線を、実線で記す。
【0041】
被写体701bは、撮影レンズ201から見て、被写体701aよりも遠方にある被写体である。撮影レンズ201によって結像された被写体701bの像は、マイクロレンズアレイ202を含む面Aよりも撮影レンズ201に近い面Bに結像される。被写体701bからの光線のうち、撮影レンズ201の最外周を通り、光軸上のマイクロレンズを介してセンサアレイ203に入射する光線を、破線で記す。
【0042】
被写体701cは、撮影レンズ201から見て、被写体701aよりも近方にある被写体である。撮影レンズ201によって結像された被写体701cの像は、マイクロレンズアレイ202を含む面Aよりも撮影レンズ201から遠い面Cに結像される。被写体701cからの光線のうち、撮影レンズの最外周を通り、光軸上のマイクロレンズを介してセンサアレイ203に入射する光線を、一点鎖線で記す。
【0043】
図5で示す各光線の軌跡が示す通り、撮影レンズ201から被写体701までの距離に応じて、センサアレイ203中において入射する分割画素が異なる。このことを用いて、本構成の撮像装置は、撮影後の画像信号を再構築することにより、様々な距離の被写体に焦点を合わせた画像(リフォーカス画像)を生成することを可能としている。
【0044】
図6は、本実施形態の撮像装置に、異なる位置の被写体から入射する光線の軌跡を示す図である。
【0045】
図6において、被写体801aは、撮影レンズ201によってその像がマイクロレンズアレイ202を含む面A上のマイクロレンズ802aに結像される位置に配置されている被写体である。被写体801aからの光線のうち、撮影レンズ201の最外周を通り、マイクロレンズ802aを介してセンサアレイ203に入射する光線を、実線で記す。この光線は、センサアレイ203上の記録画素領域803aに到達する。
【0046】
被写体801bは、撮影レンズ201から見て、被写体801aと同一距離にあり、撮影レンズ201によってその像がマイクロレンズアレイ202を含む面A上のマイクロレンズ802bに結像される位置に配置されている被写体である。被写体801bからの光線のうち、撮影レンズ201の最外周を通りマイクロレンズ802bを介してセンサアレイ203に入射する光線を、破線で記す。この光線は、センサアレイ203上の記録画素領域803bに到達する。
【0047】
本発明にかかる撮像装置の実施形態においては、センサアレイ203の画素を最も効率的に使用するために、レンズ特性である、撮影レンズ201のFナンバーと、マイクロレンズのFナンバーが一致するようにマイクロレンズアレイ202を配置している。このとき、撮影レンズ201の開口径をD、撮影レンズ201からマイクロレンズアレイ202までの距離をF、記録画素領域501の1辺の長さをd、マイクロレンズアレイ202からセンサアレイ203までの距離をfとすると、以下の関係となる。
D/F=d/f
【0048】
このような配置の場合、被写体801aからの光線のうち、撮影レンズ201の最外周を通りマイクロレンズ802aを介してセンサアレイ203の記録画素領域803aに入射する光線は、図6の実線が示す通り、記録画素領域803aの中心からd/2の距離の位置に到達する。同様に、被写体801bからの光線のうち、撮影レンズ201の最外周を通りマイクロレンズ802bを介してセンサアレイ203の記録画素領域803bに入射する光線は、図6の破線が示す通り、記録画素領域803bの中心からd/2の距離の位置に到達する。この時、いずれの光線も各マイクロレンズに対応する記録画素領域からはみ出すことはないため、センサアレイ上で光信号がオーバーラップすることによって画像の再構築(リフォーカス)が叶わなくなることはない。
【0049】
図7は、本実施形態の撮像装置において、入射光線の軌跡を2次元的に記す図である。図7において、902はマイクロレンズアレイ202中の第1のマイクロレンズ、903はセンサアレイ面である。
【0050】
絞り204の中心p0を通過する光線は、センサアレイ面903と光軸が交わる点p0’に入射する。また、撮影レンズ201によってその像がマイクロレンズアレイ202を含む面に結像される位置に配置された被写体からの光線で、絞り204の開口部の外周辺上の点p1を通過する光線は、センサアレイ面903上のp1’に入射する。同様に絞り204の開口部の外周辺上の別の点p2、点p3を通過する光線は、それぞれ、センサアレイ面903上の点p2’、点p3’に入射する。
【0051】
以上のように、撮影レンズ201によってその像がマイクロレンズアレイ202を含む面に結像される位置に配置された被写体からの光線で、絞り204及びマイクロレンズ902を通過する光線は、理論上は、全て、センサアレイ面903上の円904の内側に入射し、円904の外側には到達しない。よって、センサアレイ面903上の分割画素a00、a07、a70、a77には、少量の迷光やゴースト光を除くと、第1のマイクロレンズ902を通った光線は到達しない。
【0052】
また、撮影レンズ201によってその像がマイクロレンズアレイ202を含む面に結像される位置以外の位置に配置された被写体からの光線に関しても以下のことが言える。即ち、センサアレイ面903上の分割画素a00、a07、a70、a77が受光する、リフォーカス画像生成に有効な光線は、マイクロレンズ光軸周辺の画素と比べて少なく、後のリフォーカス処理に及ぼす影響は少ない。
【0053】
つまり、記録画素領域501の四隅に位置する分割画素a00、a07、a70、a77は、撮影レンズ201及びマイクロレンズアレイ202を含む光学系と撮像素子103の特性(上述したD、F、d、fなど)に起因して、相対的に受光量が少ない。従ってリフォーカス処理に有効でない画素といえる。そのため、本発明においては、リフォーカス画像生成以外(即ち、静止画像生成以外)の用途に使用する。
【0054】
図7において、リフォーカス画像生成以外の用途で使用する分割画素(第2の光電変換部)は灰色に表示し、有効画素として使用する分割画素(第1の光電変換部)は白色のままで表示している。
【0055】
次に、図8を用いて、本発明の第1の実施形態における、リフォーカス画像生成に使用しない画素を、ライブビュー画像生成もしくは、動画像生成に用いる場合の駆動について詳細に説明する。
【0056】
図8は、本発明の第1の実施形態における駆動シーケンスを説明するフローチャートである。まずライブビュー駆動スイッチが「ON」になっているかを判定する(S101)。「ON」になっていない場合には、ライブビュー駆動スイッチの確認を繰り返す。ライブビュー駆動スイッチが「ON」であると判定された場合には、ライブビュー駆動時の読み出し設定である、記録画素領域501の四隅に位置する分割画素a00、a07、a70、a77のみを読み出す(S102)。そして、読み出した画像信号を元に、ライブビュー画像もしくは動画像を生成する(S103)。
【0057】
その状態で、次に、レリーズスイッチ等の静止画撮影スイッチが「ON」にされたかを判定する(S104)。静止画撮影スイッチが「ON」にされたと判定した場合は、全ての分割画素502を読み出し(S105)、読み出した画像信号を元に、静止画像を生成し、記録する(S106)。この際に、任意の距離に合焦した画像を生成するリフォーカス処理を行ってもよく、その場合、記録画素領域501の四隅に位置する分割画素a00、a07、a70、a77から読み出した画像信号は、静止画像生成に用いない。または、リフォーカス処理を行わずに、読み出した画像信号を静止画像としてそのまま記録しても良い。静止画撮影が完了したら、再びライブビュー駆動時の読み出しに戻り(S102)、ライブビュー撮影を再開する。
【0058】
なお、上述した例では、S105において全ての分割画素502を読み出すものとして説明した。しかしながら、本発明はこれに限るものではない。例えば、S106においてリフォーカス処理を行って画像を生成する場合には、分割画素a00、a07、a70、a77を除く分割画素から読み出しを行っても良い。
【0059】
静止画撮影スイッチが「ON」にされていないと判定した場合は、続けて、ライブビュー駆動スイッチが「OFF」になっているかを判定する(S107)。ライブビュー駆動スイッチが「OFF」になっていないと判定された場合は、ライブビュー撮影を継続し(S102)、「OFF」になったと判定された場合は、一連の動作を終了する。
【0060】
上記の通り本第1の実施形態によれば、リフォーカス可能な静止画像と、リフォーカスを行わないライブビュー画像及び動画像を、1つの撮像素子で同時に信号蓄積し、生成することが可能になる。
【0061】
<第2の実施形態>
次に、本発明にかかる第2の実施形態について説明する。本第2の実施形態は、リフォーカス画像生成に使用しない画素を、ライブビュー画像生成もしくは、動画像生成に用いる場合に、より高速にライブビュー画像もしくは動画像を読み出し可能とするものである。なお、本第2の実施形態における撮像装置は、撮像素子103の構成を除いて、上述した第1の実施形態で説明したものと同様であるため、第1の実施形態と異なる構成について以下に説明する。
【0062】
図9は、本第2の実施形態における、撮像素子103の概略構成を示す回路図であり、第1の実施形態で図3(a)を参照して説明した構成の代わりに用いられる。なお、各単位画素301(図4に示す分割画素502に相当する)の構成は、図3(b)で説明したものと同様である。
【0063】
図9に示すように、撮像素子103は、複数の単位画素301が行列状に配置されている画素領域302と、周辺回路とを有している。なお、図9において、図3(a)の構成要素と同一の構成要素には同じ参照番号を付し、説明を省略する。スイッチ1301は、垂直出力線308aと308cとを短絡させるスイッチ、スイッチ1302は、垂直出力線308bと308dとを短絡させるスイッチである。
【0064】
図9においては、記録画素領域501が2x2の4領域分、配列されている場合を示している。本第2の実施形態においては、静止画像生成のために全画素から読み出す場合においては、スイッチ1301及びスイッチ1302を開状態とすることで、全画素の信号出力を、それぞれ独立に読み出す。
【0065】
一方、ライブビュー画像もしくは動画像生成のために、図7で説明した、各記録画素領域501の四隅に位置する分割画素a00、a07、a70、a77のみを読み出す場合においては、スイッチ1301及びスイッチ1302を閉状態とする。これにより、水平方向に隣接する記録画素領域501の分割画素a00同士やa07同士を、読み出し回路により読み出す前に加算して読み出すことができる。そのため、分割画素a00、a07、a70、a77をそれぞれ独立に読み出す場合よりも高速に読み出すことを可能としている。
【0066】
なお、図9においては、水平に並ぶ2つの記録画素領域501における分割画素502を加算して読み出す構成としたが、本発明はこれに限定されず、より多くの記録画素領域501の分割画素502をまとめて加算する構成としても構わない。
【0067】
また、加算する画素の組み合わせとして、垂直方向に並ぶ2つの記録画素領域501における分割画素502を読み出し回路304内で加算する構成を組み合わせても構わない。
【0068】
図10は、本発明の第2の実施形態における駆動シーケンスを説明するフローチャートである。まずライブビュー駆動スイッチが「ON」になっているかを判定する(S201)。「ON」になっていない場合には、ライブビュー駆動スイッチの確認を繰り返す。ライブビュー駆動スイッチが「ON」であると判定された場合には、ライブビュー駆動時の読み出し設定である、記録画素領域501の四隅に位置する分割画素a00、a07、a70、a77を加算した後(S202)、加算した信号を読み出す(S203)。そして、読み出した画像信号を元に、ライブビュー画像もしくは動画像を生成する(S204)。
【0069】
その状態で、次に、レリーズスイッチ等の静止画撮影スイッチが「ON」にされたかを判定する(S205)。静止画撮影スイッチが「ON」にされたと判定した場合は、全ての分割画素502を加算せずに読み出し(S206)、読み出した画像信号を元に、静止画像を生成し、記録する(S207)。この際に、任意の距離に合焦した画像を生成するリフォーカス処理を行ってもよく、その場合、記録画素領域501の四隅に位置する分割画素a00、a07、a70、a77から読み出した画像信号は、静止画像生成に用いない。または、リフォーカス処理を行わずに、読み出した画像信号を静止画像としてそのまま記録しても良い。静止画撮影が完了したら、再びライブビュー駆動時の読み出しに戻り(S202)、ライブビュー撮影を再開する。
【0070】
なお、上述した例では、S206において全ての分割画素502を読み出すものとして説明した。しかしながら、本発明はこれに限るものではない。例えば、S207においてリフォーカス処理を行って画像を生成する場合には、分割画素a00、a07、a70、a77を除く分割画素から読み出しを行っても良い。
【0071】
静止画撮影スイッチが「ON」にされていないと判定した場合は、続けて、ライブビュー駆動スイッチが「OFF」になっているかを判定する(S208)。ライブビュー駆動スイッチが「OFF」になっていないと判定された場合は、ライブビュー撮影を継続し(S202)、「OFF」になったと判定された場合は、一連の動作を終了する。
【0072】
上記の通り本第2の実施形態によれば、リフォーカス可能な静止画像と、リフォーカスを行わないライブビュー画像及び動画像を、1つの撮像素子で同時に信号蓄積し、生成するとともに、ライブビュー画像及び動画像を高速で読み出すことが可能になる。
【0073】
<第3の実施形態>
次に、本発明にかかる第3の実施形態について説明する。本第3の実施形態は、リフォーカス画像生成に使用しない画素を、サムネイル画像生成に用いるものである。なお、本第3の実施形態における撮像装置は、図1図9を用いて説明した第1の実施形態のものと同様であるため、ここでは説明を省略する。
【0074】
図11は、本発明の第3の実施形態における駆動シーケンスを説明するフローチャートである。図11に示す処理は、レリーズスイッチ等の静止画撮影スイッチが「ON」にされると実行される。本第3の実施形態では、まず、分割画素502を全て読み出す(S301)。続けて、デジタル信号処理回路113において、読み出した画素信号のうち、記録画素領域501の四隅に位置する分割画素a00、a07、a70、a77からの出力信号を用いて、サムネイル画像を生成する(S302)。生成されたサムネイル画像は、画像表示装置121に表示し、画像記録媒体118に記録する(S303)。
【0075】
次に、図4のS106と同様の処理により、S301で読み出した全ての分割画素502の画像信号を元に静止画像を生成して記録し(S305)、一連の動作を終了する。
【0076】
以上の通り本第3の実施形態によれば、リフォーカス可能な静止画像と、リフォーカスを行わないサムネイル画像を、1つの撮像素子で同時に信号蓄積し、生成することが可能となる。
【0077】
なお、本第3の実施形態の撮像装置の構成は、上述した構成に限定されるものではなく、例えば、第2の実施形態で説明した構成と同様に、サムネイル画像生成用の画素からの信号を、撮像素子内で加算してから出力するような構成でも構わない。
【0078】
また、通常の撮像画像用の画素信号と、サムネイル画像用の画素信号を同時に読み出す構成としたが、本発明はこれに限定されず、通常画像を先に読み出した後にサムネイル画像を読み出すシーケンスとしても構わないし、その逆でも構わない。
【0079】
<第4の実施形態>
次に、本発明の第4の実施形態について説明する。本第4の実施形態は、リフォーカス画像生成に使用しない画素を、AEセンサとして用いるものである。なお、本第4の実施形態における撮像装置は、撮像素子103の構成を除いて、上述した第1の実施形態で説明したものと同様であるため、第1の実施形態と異なる構成について以下に説明する。
【0080】
図12は、本第4の実施形態における記録画素領域501におけるカラーフィルターの配置図であり、図4(b)の代わりに用いられる。図4(b)に示す配列との違いは、分割画素502のうち、記録画素領域501の四隅にある4つの分割画素a00、a07、a70、a77の前面に配されたカラーフィルタを透明としていることである。これは、これらの分割画素a00、a07、a70、a77をリフォーカス画像生成には用いず、被写体の輝度を求める、いわゆるAEセンサとして用いるためである。
【0081】
図13は、本第4の実施形態における駆動シーケンスを説明するフローチャートである。本第4の実施形態においては、まず、静止画撮影の準備を開始する静止画撮影準備スイッチSW1が「ON」になっているかを判定する(S401)。「ON」になっていない場合には、静止画撮影準備スイッチSW1の確認を繰り返す。静止画撮影準備スイッチSW1が「ON」であると判定された場合には、記録画素領域501の四隅に位置する分割画素a00、a07、a70、a77のみを読み出す(S402)。続けて、読み出した出力信号を元に被写体の輝度を測定する、測光を行う(S403)。この測光の結果をもとに、シャッター秒時や絞り値など、露光量を制御する撮影条件を決定する(S404)。
【0082】
その状態で、次に、レリーズスイッチ等の静止画撮影スイッチSW2が「ON」にされたかを判定する(S405)。静止画撮影スイッチSW2が「ON」にされていないと判定した場合は、静止画撮影準備スイッチSW1が「ON」になっているかの判定に戻る(S401)。
【0083】
静止画撮影スイッチSW2が「ON」にされたと判定した場合は、全ての分割画素502を読み出し(S406)、読み出した画像信号を元に、静止画像を生成し、記録する(S407)。この際に、任意の距離に合焦した画像を生成するリフォーカス処理を行ってもよく、その場合、記録画素領域501の四隅に位置する分割画素a00、a07、a70、a77から読み出した画像信号は、静止画像生成に用いない。または、リフォーカス処理を行わずに、読み出した画像信号を静止画像としてそのまま記録しても良い。静止画撮影が完了したら、一連の動作を終了する。
【0084】
上記の通り本第4の実施形態によれば、リフォーカス可能な静止画像と、被写体の輝度を検出するAE信号を、1つの撮像素子で同時に信号蓄積し、生成することが可能となる。
【0085】
なお、本第4の実施形態の撮像装置の構成は、上述した構成に限定されるものではなく、例えば、第2の実施形態で説明した構成と同様に、AE用の画素からの信号を、撮像素子内で加算して出力するような構成でも構わない。
【0086】
また、本第4の実施形態においては、図12を用いて説明したように、AE用画素のカラーフィルタは、透明のフィルタであるものとして説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、図4(b)の構成と同様に色が付いていても構わない。このような構成においては、被写体の色温度を検出する光源検知も可能となる。
【0087】
<第5の実施形態>
次に、本発明の第5の実施形態について説明する。本第5の実施形態は、リフォーカス画像生成に使用しない画素を、AFセンサとして用いるものである。なお、本第5の実施形態においては、第4の実施形態で図12を参照して説明した記録画素領域502と同様に、記録画素領域501の四隅に位置する4つの分割画素a00、a07、a70、a77のカラーフィルタを透明とする。
【0088】
図14は、本第5の実施形態における駆動シーケンスを説明するフローチャートである。本第5の実施形態においては、まず、静止画撮影の準備を開始する静止画撮影準備スイッチSW1が「ON」になっているかを判定する(S501)。「ON」になっていない場合には、静止画撮影準備スイッチSW1の確認を繰り返す。静止画撮影準備スイッチSW1が「ON」であると判定された場合には、記録画素領域501の四隅に位置する分割画素a00、a07、a70、a77のみを読み出す(S502)。続けて、読み出した出力信号を元に被写体までの距離を測定する、いわゆる「測距」(または、焦点状態の検出)を行う(S503)。具体的には、1つの第2のマイクロレンズ504の下にある分割画素a00、a07、a70、a77は、撮影レンズに対して互いに異なる瞳領域を通過した光を受光している。そのため、これらの情報を用いると、被写体までの距離の算出(または、焦点状態の検出)を行うことが可能である。この測距(または焦点状態の検出)の結果をもとに、撮影レンズのフォーカス位置を決定する焦点調節を行う(S504)。
【0089】
その状態で、次に、レリーズスイッチ等の静止画撮影スイッチSW2が「ON」にされたかを判定する(S505)。静止画撮影スイッチSW2が「ON」にされていないと判定した場合は、静止画撮影準備スイッチSW1が「ON」になっているかの判定に戻る(S501)。
【0090】
静止画撮影スイッチSW2が「ON」にされたと判定した場合は、全ての分割画素502を読み出し(S506)、読み出した画像信号を元に、静止画像を生成し、記録する(S507)。この際に、任意の距離に合焦した画像を生成するリフォーカス処理を行ってもよく、その場合、記録画素領域501の四隅に位置する分割画素a00、a07、a70、a77から読み出した画像信号は、静止画像生成に用いない。または、リフォーカス処理を行わずに、読み出した画像信号を静止画像としてそのまま記録しても良い。静止画撮影が完了したら、一連の動作を終了する。
【0091】
上記の通り本第5の実施形態によれば、リフォーカス可能な静止画像と、被写体までの距離を検出するAF信号を、1つの撮像素子で同時に信号蓄積し、生成することが可能となる。
【0092】
以上説明したように、本発明にかかる第1から第5の実施形態によれば、記録画素領域内に静止画像生成以外(リフォーカス画像生成以外)の用途に用いる画素を配置する。これにより、新たな構成要素を増やすことなく、主となる撮像以外の様々な機能を同時に実行できる撮像装置を実現することが可能となる。
【0093】
なお、図1図14を用いて本発明の実施形態にかかる撮像装置の実施形態について説明してきたが、本発明はこれに限定されることはなく、様々な形態をとることが可能である。
【0094】
例えば、本発明にかかる撮像装置の実施形態の画素構成においては、画素の構造をわかりやすく説明するため、1つの記録画素領域として、分割画素を8x8画素並べた構成とした。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではなく、様々な数及び形状の分割画素を有する構成としても構わない。
【0095】
また、上述した第1から第5の実施形態においては、第2のマイクロレンズ504を有するものとしたが、第2のマイクロレンズ504を有さない撮像素子を用いた撮像装置にも、本発明を適用することが可能である。
【0096】
また、本発明にかかる撮像装置の実施形態の画素構成においては、絞り204及び第1のマイクロレンズ902を通過し、後のリフォーカス処理に利用する光線の受光量が小さい画素をリフォーカス画像生成用途以外の用途に使用する画素とするとした。しかしながら、本発明はこれに限定されず、リフォーカス処理に利用可能だが、その光線の受光量が小さい画素及びその周辺の画素といったように、画像信号以外の特殊用途に使用する分割画素を増やすような構成としても構わない。
【0097】
また、図1を用いて説明した、本発明の実施形態においては、画像の再構築などの画像処理を、撮像装置の構成要素の一つであるデジタル信号処理回路113で行うものとして説明した。しかしながら、必ずしもこの画像処理の実施が撮像装置の内部で行われる必要はない。具体的には、画像処理手段を、撮像装置とは別の装置、例えばPC(パーソナルコンピュータ)などに設けておき、撮像装置で得られた撮像データをPCへ転送し、PCにおいて画像処理を施すようにすることも可能である。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14