(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
印刷処理を実行する印刷装置と、前記印刷処理が実行されたシートに後処理を実行する後処理装置と、シートを検査する検査装置とを有する検査システムの制御方法であって、
前記後処理装置と前記検査装置の接続構成を確認する確認工程と、
前記検査装置の上流側に存在すると前記確認工程で確認された後処理装置が前記シートに対して実行する後処理の内容について検査を行い、前記検査装置の下流側に存在すると前記確認工程で確認された後処理装置が前記シートに対して実行する後処理の内容について検査を行わないよう、前記検査装置を制御する制御工程と、
を有することを特徴とする検査システムの制御方法。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態を詳しく説明する。尚、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る本発明を限定するものでなく、また本実施形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが本発明の解決手段に必須のものとは限らない。
【0012】
図1は、本発明の実施形態に係るオンデマンド印刷システム(印刷物検査システム)の構成を示すブロック図である。ここでは印刷部101に、種々の後処理用のアクセサリ装置が取り付けられている。
【0013】
通信ライン100は、このシステムの本体(印刷部101)とアクセサリ装置間の通信を行うのに使用される。印刷部101は、給紙部104から給紙された用紙に対して印刷を行う。印刷制御部102は、ホストコンピュータ121から受信した印刷データを解析し画像データを作成すると共に、印刷部101の制御及び通信ライン100を介して各アクセサリ装置と通信を行う。操作(UI)部103は、その表示部に印刷システムに関する情報を表示し、またユーザが印刷設定を行うのに使用される各種キーなどを備えている。給紙部104は、印刷用の用紙を印刷部101に供給する。マルチインサータ部105は、別の印刷装置で印刷された用紙や仕切り紙などを挿入するのに使用される。パンチャ部106は、印刷部101で印刷された印刷済み用紙にファイリング用の穴を開ける。スタッカ部107は、印刷済み用紙を揃えて積載して保持する。くるみ製本部108は、印刷部101で印刷した用紙に対してマルチインサータ部105から表紙となる用紙を挿入し、中綴じやくるみ製本を行う。折り部109は、印刷済み用紙に対してZ折り等の折り加工を行う。トリマ部(裁断部)110は、印刷済み用紙の余分な箇所を裁断する。ステイプル/トレイ部111は、印刷済み用紙を揃えて保持したり、またホッチキスによるステイプル処理を行う。ホストコンピュータ121は、印刷部101に印刷データ等を出力する。LAN122は、ホストコンピュータ121と印刷部101の印刷制御部102とを接続している。
【0014】
図2及び
図3は、
図1で示した印刷システムに、印刷物の画像を検査するための検査装置(検査部)を追加したシステムの構成を示すブロック図である。尚、
図2及び
図3において、
図1と共通する部分は同じ記号で示し、それらの説明を省略する。
【0015】
図2のシステム構成1では、検査部201は、パンチャ部106とスタッカ部107との間に接続されている。また
図3のシステム構成2では、検査部301は、トリマ部110とステイプル/トレイ部111との間に接続されている。印刷データ130は、LAN122を介してホス
トコンピュータ121から印刷制御部102に送信される。また検査用データ131は、LAN122を介してホストコンピュータ121から検査部201或いは301に送信される。
図2は、スタッカ部107に印刷済の用紙を出力する前に、その印刷済の用紙を検査し、その後、くるみ製本処理、折り加工をする場合の構成を示す。また
図3は、印刷済の用紙の検査を行わずにステイプル/トレイ部111に製本された印刷成果物を出力する場合の構成を示す。
【0016】
図4は、実施形態に係る印刷制御部102の内部構成を示すブロック図である。
【0017】
CPU401は、この印刷制御部102の動作を制御する。ASIC(Application Specific Integrated Circuit)402は、印刷制御部102内の各機能ブロックとの接続制御を行うためのカスタムICである。ROM403は、CPU401の動作プログラムを格納している。RAM404は、CPU401の制御動作時にワークエリアを提供するととも、各種データを一時的に保存するのに使用される。HDD405は、外部記憶装置(記憶部)であるハードディスクドライブである。ネットワークインターフェース(NWI/F)部406は、LAN122と接続するためのインターフェース制御を行う。アクセサリインタフェース(ACCI/F)部407は、通信ライン100と接続するためのインターフェース制御を行う。プリンタインタフェース部408は、印刷を行う印刷部101と通信を行う。UII/F部409は、操作部103と通信を行うためのユーザインタフェース部である。
【0018】
次に、
図1のシステムにおける後処理用のアクセサリ装置の動作に関して説明する。
【0019】
マルチインサータ部105は、印刷部101で印刷した印刷物に、厚紙等の表裏紙や仕切り紙等を複数種類挿入できる。パンチャ部106は、印刷済の用紙の端部に、2穴や26穴等の穴を開けることができる。スタッカ部107は、大量の印刷済み用紙を積載して収容できる。くるみ製本部108は、印刷部101で印刷した用紙をくるんで表紙とし、中綴じ製本したり、のり付けしてくるみ製本することができる。折り部109は、印刷済の用紙に対して各種の折り加工を施すことができる。トリマ部110は、裁断加工が可能である。ステイプル/トレイ部111は、印刷済の用紙を部毎にステイプルしてオフセットスタックすることが可能である。これらの機能を取捨選択して、印刷済の用紙及び、マルチインサータ部105から挿入された用紙に対して加工処理を行って印刷成果物を作成できる。
【0020】
次に
図2で示したシステム構成1で、印刷部101で印刷しながらマルチインサータ105部から仕切り紙を挿入し、パンチャ部106で紙端にファイリング用パンチ穴を開けてスタッカ部107に格納するジョブ1を検査する動作について説明する。
【0021】
図5は、実施形態に係る印刷システムの処理を説明するフローチャートである。
【0022】
この処理は印刷システムの電源が入れられることにより開始され、まずS501で、印刷部101及びアクセサリ装置の初期化に続いてシステムとしての初期化を行う。次にS502に進み、印刷制御部102のCPU401は、接続された全てのアクセサリ装置の接続状態を確認するために、予め保存されているコンフィグ情報から各アクセサリ装置に割り付けられアドレスを基に通信を行いシステム構成を確認する。各アクセサリ装置のアドレスは、アクセサリ装置の設置時にユニークなアドレスがディップスイッチにより割り当てられる方法や、接続順にデイジーチェーンにより設定される方法等が考えられる。例えば、
図2のシステム構成1の場合は、表1で示したようにアドレスが設定される。ここでは、印刷部101と各アクセサリ装置の接続関係が示され、その前後関係による印刷済の用紙の流れに従って、上流側から昇順にアドレスが割り当てられている。
【0024】
また
図3に示すシステム構成2の場合は、表2で示したようにアドレスが設定される。
【0026】
表1と表2とを比較すると、アクセサリ装置の配列順を同じであるが、検査部の挿入位置に応じて、その検査部以降のアクセサリ装置のアドレスが変更されている。
【0027】
ホストコンピュータ121上のアプリケーションソフトウエアでページに割り付けされた印刷データは、プリンタドライバで印刷画像データに変換されてLAN122を経由して印刷制御部102に送信される。また検査用データ131は、検査部201に出力される。S504で、印刷制御部102のCPU401がジョブを受信するとS505に進む。S505では、CPU401はオペレータによる印刷設定を入力し、次にS506に進み、CPU401は、検査設定情報(表5)を入力する。そして、オペレータが、そのジョブ(ジョブ1)で指定された仕切り紙をマルチインサータ105部にセットして印刷の開始を指示するとS507で、CPU401は印刷部101による印刷を開始する。こうしてS508で全てのページの印刷が終了するとS503に進み、シャットダウン要求があればシャットダウン動作を行う。シャットダウン要求が無ければS504に進み、次の印刷ジョブ待ちとなる。
【0028】
図6は、実施形態に係る印刷システムの印刷制御部102の起動処理を説明するフローチャートである。
【0029】
この処理は、印刷システムの電源が入れられることにより開始され、まずS601で、印刷制御部102の各ブロックを初期化してS602に進む。S602では、CPU401はROM403から動作プログラムを読み出し、RAM404をワークメモリとして使いながら動作を開始する。次にS603に進み、CPU401はまずUII/F部409に、起動中の初期画面を表示させ、その後、システムの状態及び動作内容に従って表示内容を変更する。次にS604に進み、CPU401はNWI/F部406に対して、データの送受信ができるように設定を行う。次にS605で、CPU401はプリンタI/F部408を初期設定した後、印刷動作を可能とするための設定を行う。次にS606に進み、CPU401はACCI/F部407に対して初期設定した後、HDD405に格納されているシステム構成情報を読み出し、アクセサリ装置の接続構成を確認する。ここでシステム構成に変更がある場合はS607からS608に進み、CPU401はユーザに対して確認画面を表示する。そしてS609で、ユーザが変更を確認したことを示すOKが入力されると、CPU401は、その変更内容をHDD405に格納する。一方、S609でOKでない場合、即ち、リトライの指示であれば再度S606に戻って通信を行い、接続を確認する。
【0030】
このように印刷制御部102は、起動時に、アクセサリ装置の接続構成を確認し、以前の構成と変化していれば、その接続構成をユーザに確認させることができる。
【0031】
次に
図7のフローチャートを参照して、本実施形態に係る印刷制御部102がジョブを受信して印刷を行うときの処理を説明する。尚、この処理を実行するプログラムはROM403に記憶されており、CPU401の制御の下に実行される。
【0032】
S701で、CPU401は、NWインターフェース部406がジョブを受信したと判定するとS702に進み、CPU401は、その受信したデータをRAM404に記憶する。そしてS703で、CPU401は、そのジョブの全てのデータを受信するとS704に進み、操作部103に対してUII/F部409を通して印刷待ちの表示を行う。
【0033】
次にS705に進み、CPU401は、ユーザがジョブを選択したと判定するS706に進み、そのジョブの印刷設定画面を操作部103の表示部に表示する。ここでは、例えばジョブ1であれば、マルチインサータ部105へ仕切り紙をセットするように指示し、またパンチ穴開け処理の指示があること、そして格納先がスタッカ部107であること等を表示する。これによりユーザは、その印刷設定を確認し、その設定に従ってマルチインサータ部105へ仕切り紙のセットを行った後、印刷設定を終了するとS707からS708に進み、CPU401は、操作部103に検査項目を設定する設定画面を表示する。この設定画面を使用したユーザが検査設定を行うと、その検査項目が検査部に通知されて検査部はそれに従って用紙の検査を行う。そしてS709からS710に進み、CPU401はジョブ開始画面を表示する。ここでジョブの開始が指示されるとS711に進み、CPU401はジョブの処理を開始する。
【0034】
S711で、CPU401は、受信した印刷ジョブから印刷データとページ制御データを取り出し、印刷データからビデオデータを作成する。そしてS712に進み、ページ制御データから、関係するアクセサリ装置に対して、その処理内容と処理ページを指示する。例えばジョブ1であれば、マルチインサータ部105に対しては挿入紙を格納している給紙台と挿入ページを、またパンチャ部106に対しては全ページ穴開けを、スタッカ部107に対して全てのページのスタックを指示する。そしてS713に進み、CPU401は、作成したビデオデータをプリンタI/F部408を通して印刷部101に送信して印刷する。そしてS714で、CPU401は全てのページの印刷が終了するまでビデオデータを出力し、スタッカ部107に全てのページが格納されるとS715に進み、ジョブが終了したことを操作部103に表示してユーザに知らせる。
【0035】
図8及び
図9は、ジョブ1を処理する際の操作部103の表示例を示した図である。
【0036】
図8(A)は、ジョブ1の設定画面の一例を示す図で、給紙部104及びアクセサリ部の使用の有無とジョブ1によって既に設定された情報を示した図である。先ず給紙部104(この例では給紙デッキは1つだけで「デッキ1」を選択)の「L」は下段を示している。マルチインサータ部105は、「Y」で使用を示し、詳細で「U」上段に「XX紙」をセットする設定を示している。パンチャ部106で「Y」で使用を示し、また詳細で、26穴が選択されていることを示している。そして検査部201は「Y」で使用を示し、「→」で詳細設定があることを示している。スタッカ部107では、「Y」がスタッカへの格納を示している。残りのアクセサリ装置は接続されているので表示はされているが、このジョブ1で使用する設定となっていないため、グレーで識別可能に表示されている。
【0037】
図8(B)は、マルチインサータ部105の詳細設定画面の表示例を示す図である。
【0038】
図8(A)のマルチインサータ部の「詳細」をタッチすることで、
図8(B)のマルチインサータ部の詳細設定画面に移行する。ここではインサートデッキ1に「XX紙」をセットすることを示す表示が行われる。同様に、
図8(A)のパンチャ部の「詳細」をタッチすると
図9(A)に示すパンチャ部の詳細設定が表示される。
図9(A)では、ジョブの設定として「26穴」が選択されていることを示している。
【0039】
更に、
図8(A)の検査部の「詳細」をタッチすると、
図9(B)に示すように検査部の詳細設定が表示される。
図9(B)では、斜行、かすれ、汚れ、表裏見当、インサート用紙、パンチ、トリミングに関しての検査項目のうち、トリミング以外が設定されている。そして、検査設定レベルは最も厳しい「A」と、それよりも緩い「B」が設定されている。これらの設定情報は、ジョブを受信した段階で、そのジョブで設定されているが、この詳細画面で変更することも可能である。また検査レベルの設定については、項目毎に基準を決め、厳しい方から「A」、「B」、「C」で記載している。斜行は、用紙に対して画像の傾きを割り出し、その程度によりレベルを設定する。汚れは、汚れの面積と濃度と集中度から判定する。表裏見当は、表面と裏面に印刷される内容(表とかの縦横の線の有無)と斜行度合いから判定する。本実施形態は、検査レベルに関するものではないので、これ以上の詳細に関しては省略する。
【0040】
ここでは、マルチインサータ105部から仕切り紙を挿入し、パンチャ部106により紙端にファイリング用のパンチ穴を開け、スタッカ部107に格納するジョブをジョブ1としている。そして折り部109によって印刷済み用紙を折るジョブをジョブ2、トリマ部110により裁断を行いステイプル/トレイ部111に出力するジョブをジョブ3とする。それぞれのジョブを
図2のシステム構成1及び
図3のシステム構成2で処理する場合に、各アクセサリ装置が使用されるかどうかを示したのが表3と表4である。
【0041】
表3は、システム構成1(
図2)の場合に、ジョブ1〜3で各アクセサリ装置が使用されるかどうかを示している。
【0043】
また表4は、システム構成2(
図3)の場合に、ジョブ1〜3で各アクセサリ装置が使用されるかどうかを示している。
【0045】
これら表3、表4から明らかなように、システム構成2では、検査部301は、ジョブ1では使用されず、ジョブ2とジョブ3でのみ使用される。
【0046】
また表5は、システム構成1で、操作部103で設定される検査設定情報を示しており、表6は、システム構成2で、操作部103で設定される検査設定情報を示している。尚、表5及び表6で示された「−」は、印刷ジョブにおいてアクセサリ装置の動作が必要でないもので、グレーアウトした部分は検査できない項目を示し、「A」や「B」は検査レベルを示す。
【0049】
表5では、ジョブ1をシステム構成1(
図2)で処理する場合、斜行、かすれ、汚れ、表裏見当などは検査可能で、また印刷済み用紙はスタッカ部107に格納されるように設定されている。このため、トリミングはジョブ1で指定もされなければ、検査も出来ないため、表5のような設定となる。そしてジョブ1をシステム構成2(
図3)で処理すると、検査部301はスタッカ部107よりも後ろにあるため、斜行、かすれ、汚れ、表裏見当などについても検査ができないため、表6の設定となる。
【0050】
また折り部109による折りを行うジョブ2をシステム構成1で処理する場合、斜行、かすれ、汚れ、表裏見当などは検査可能で、また折り部109で処理した後はスキャンが出来ず検査できないため表5のような設定となる。そしてジョブ2をシステム構成2で処理すると、折り部109による折り処理の後は検査部301による検査ができないため、表5の場合と同じになる。
【0051】
ジョブ2の処理時の印刷制御部102の動作は、ジョブ1の処理時と設定項目等は異なるが、基本的に同じなので、その説明を割愛する。
【0052】
また裁断を行ってステイプル/トレイ部111に出力するジョブ3をシステム構成1で処理する場合、斜行、かすれ、汚れ、表裏見当などは検査可能だが、検査部201がトリマ部110よりも前にあるため、裁断された結果を検査することは出来ない。よって、表5のような設定になる。またジョブ3をシステム構成2で処理すると、検査部301がトリマ部110よりも後ろにあるため、裁断後の用紙に対して検査することが可能であり、表6のような設定となる。
【0053】
上記説明では、システム構成1で各種アクセサリ装置が接続された構成で説明したが、検査部以外のアクセサリ装置が取り外された場合には、そのアクセサリ装置による後処理が出来ない。
【0054】
図2のシステム構成1からパンチャ部106、くるみ製本部108、折り部109を削除した構成例を
図10のシステム構成3で示す。
図10のシステム構成3で、各アクセサリ装置に振られるアドレスを示したのが表7である。
【0056】
そして、
図10のシステム構成3の場合にジョブ1、ジョブ2、ジョブ3で各アクセサリ装置が使用されるかどうかを示したのが表8である。表9は、システム構成3の場合に操作部103で設定される検査設定情報を示している。
【0059】
図10のシステム構成3では、パンチャ部106がなくなったことでジョブ1はマルチインサータ105部から仕切り紙を挿入し、スタッカ部107に格納するジョブとなる。またジョブ2は折り部109がなくなったため、ステイプル/トレイ部111に出力するジョブとなる。そして、ジョブ3はそのままトリマ部110により裁断を行いステイプル/トレイ部111に出力される。
【0060】
このように、印刷システムを構成する各種アクセサリ装置の有無が変更されると、それに従ってジョブの設定及び検査設定を変更する必要が発生する。更に、検査部はその接続場所によって検査できる内容が変わるため、その接続位置に従って、検査項目や内容についても変更し、それに従って印刷物を検査することが必要となる。
【0061】
図11は、
図2と
図3でそれぞれ示された検査部201及び検査部301を配置したシステム構成図(システム構成4)を示すブロック図である。そして、その時の各アクセサリ装置に振られるアドレスを示したのが表10である。
【0063】
このように、検査部の接続位置によって、その検査内容が変更されたり、検査ができなくなる場合が発生する。検査部を2か所に設け、印刷するジョブによって操作部103からどちらの検査部で画像の検査をするかを指定することで対応することが可能である。この場合、検査を指定された検査部で行い、他方の検査部は、後段のアクセサリ装置へ用紙の搬送のみを行うようにしてもよい。
【0065】
図12は、実施形態に係る印刷システムの構成が
図11のシステム構成4の場合の印刷制御部102の動作を説明するフローチャートである。
【0066】
この処理は、印刷システムの電源が入れられることにより開始され、まずS1201で、CPU401は、印刷部101及びアクセサリ装置毎の初期化に続いてシステムとしての初期化を行う。次にS1202に進み、印刷制御部102のCPU401は、接続された全てのアクセサリ装置の接続構成を確認するために、予め保存されているコンフィグ情報から各アクセサリ装置に割り付けられたアドレスを基に通信を行いシステム構成を確認する。この後、ホストコンピュータ121のアプリケーションソフトウエアでページに割り付けされた印刷データが、プリンタドライバで印刷画像データに変換されてLAN122を経由して印刷制御部102に送信される。また検査用データは検査部401,402に出力される。S1203で、CPU401は、シャットダウン要求があればシャットダウン動作を行い、シャットダウン要求が無ければS1204に進んで、次の印刷ジョブの受信を待つ
S1204でジョブを受信し、CPU401が、その受信したジョブの印刷データ130を全て受信したと判定するとS1204からS1205に進み、オペレータにより印刷設定が行われる。次にS1206に進み、受信したジョブに合わせて、使用する検査部の切り替え設定が行われるとS1207に進み、ユーザにより入力される検査設定を受け取る。このときオペレータは、例えば、受信したジョブで指定された仕切り紙をマルチインサータ105部にセットする。こうしてCPU401は、S1208で印刷を開始する。次にS1209に進み、CPU401は、そのジョブで指示された全てのページの印刷が終了したと判定するとS1203に進む。
【0067】
また
図11のように検査部を複数接続した場合、例えば全ての検査部は画像を読み取って画像データを出力するスキャナ機能だけを有し、画像を照合する装置を1台だけにしてもよい。この場合は、選択された検査部から出力された画像データを基に、画像の照合を行って検査することも可能である。
【0068】
図13は、
図11のシステム構成に、照合機能を行う検査制御部701を加えたシステム構成を示すブロック図である。
【0069】
図13の構成では、検査制御部701はホス
トコンピュータ121から検査用データ131を受信し、検査部401,402のそれぞれで印刷済み用紙をスキャンしたスキャンデータ(画像データ)702,703を受け取る。そして各検査部401,402における印刷済み用紙の状態を検査し、その結果をLAN122を介してホストコンピュータ121に送信することができる。
【0070】
上述の説明では、2台の検査部を別々の箇所に接続し、どちらか一方でのみ印刷物を検査し、もう一方は用紙搬送のみを行うように説明した。しかし、当然ながら2箇所で画像を検査することも可能である。
【0071】
以上、印刷システムにおける検査部の接続位置により検査設定の変更が必要になることを説明した。
【0072】
次に、ホストコンピュータ121上のアプリケーションソフトウエアでページに割り付けされた印刷データから検査用データに加工する処理について説明する。
【0073】
図14(A)と(C)は、ホストコンピュータ121から出力された印刷データ130の一例を示す図である。
図14(B)は、パンチャ部106により穴を開ける場合の検査用データであり、
図14(D)は、トリマ部110により裁断される場合の検査用データを示す。
【0074】
図14(B)の斜線が引かれた穴の部分は、検査部で紙面を読み取った時に穴が開けられているはずの部分であり、照合時には無視する領域となる。本実施形態で説明した構成では、パンチャ部106は検査部201,401よりも前段にあるため、パンチ処理が設定されれば前述したような検査用データを作成して照合を行うことになる。
【0075】
また
図14(C)は、裁断するための目安となるトンボが描かれた印刷データの一例を示す。
図2で示されたシステム構成1で検査する場合は、裁断前の印刷済の用紙を検査するため、
図14(D)で示すように、裁断される斜線で示す用紙部分は無視し、斜線部分以外に対して照合を行う。
【0076】
また
図3で示したシステム構成2で検査する場合は、裁断後の紙面を読み込んで検査するため、
図14(E)で示した裁断後の検査用データを作成して照合する。
【0077】
検査用データは、ホストコンピュータ121で印刷データから後処理設定と検査部の検査設定及び検査部の接続位置を基に作成して検査部に出力される。また、ホストコンピュータ121から出力された印刷データから後処理設定と検査部の検査設定及び検査部の接続位置をもとに検査部側で検査用データを作成することも可能である。
【0078】
マルチインサータ105で用紙を挿入する場合の検査処理について説明する。
【0079】
仕切り紙を挿入する場合は、予めホストコンピュータ121と検査部に紙種を登録しておき、印刷設定情報の入力及び検査設定情報の入力時に、その紙種を指定する。これにより、ジョブで指定された挿入紙の用紙情報と、挿入される用紙とを連携させることで検査が可能となる。また、印刷済み用紙を挿入する場合には、ホストコンピュータ121に挿入紙を印刷した場合の印刷イメージを保存しておくか、別の装置から印刷イメージを転送し、ジョブの印刷割り付け情報の挿入ページに指定する。こうして、印刷データと挿入されたページの画像データとページの割り付け情報から印刷ジョブが作成され、この印刷ジョブのデータに基づいて印刷及び検査が行われる。
【0080】
以上説明したように本実施形態によれば、種々のアクセサリ装置を接続して利用する印刷システムにおいて、アクセサリ装置によって行われる後処理により印刷済み用紙を読み取った場合の画像データが異なってくる。そのため、検査部をアクセサリ装置の1つとして接続する場合には、配置される場所により検査する内容を変更する必要がある。
【0081】
(その他の実施例)
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(又はCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。