(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、住宅が建設された後であっても、新たな機器を宅内ネットワーク内に構築する場合も考えられるが、建設後であるため機器設置作業が繁雑になるおそれがあった。
このため、本発明の課題は、住宅建設後においても、新たな機器を容易に宅内ネットワークに接続可能とすることで、宅内ネットワーク全体の拡張性を高めることである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に記載の発明は、例えば
図1〜
図5に示すように、
住宅200に設けられた電力消費機器3と、太陽光発電装置2と、系統側電源1と
、制御装置6とを前記住宅200内の宅内ネットワークNでつないで自動制御するホームマネージメント拡張システム100において、
前記住宅200には、将来的に新たな機器40,50,64を複数追加して設備を拡張するための準備設備30が設けられており、
前記準備設備30は、前記住宅200の天井201に設けられた開口である天井点検口31と、前記天井点検口31の周囲に形成されたスペースSと、前記住宅200の複数箇所から前記スペースSに向かって配管された複数のCD管54,62,66,69,70と、を備え、前記複数のCD管54,62,66,69,70は、将来的に追加される前記複数の新たな機器のうち、前記制御装置6に対して通信可能に接続する必要のある機器40,50,64の接続線53,61,65が挿入されるものであり、
前記制御装置6に対して通信可能に接続する必要のある機器40,50,64の一つは拡張器40であり、この拡張器40と前記制御装置6
とを接続する
前記接続線61を挿入するための
前記CD管(第二CD管62)の一端部が前記制御装置6側に配置され、当該CD管(第二CD管62)の他端部が前
記天井点検口31
の前記スペースS側に配置され
ており、
前記制御装置6に対して通信可能に接続する必要のある機器40,50,64の一つは、蓄電池を備えた走行体91を充電するための充電装置90が接続される、前記住宅200の外壁202に設けられたジョイントボックス50であり、このジョイントボックス50と前記拡張器40とを接続する前記接続線53を挿入するための前記CD管(第一CD管54)の一端部が前記ジョイントボックス50側に配置され、当該CD管(第一CD管54)の他端部が前記天井点検口31の前記スペースS側に配置されていることを特徴している。
【0006】
請求項1記載の発明によれば、将来的に制御装置6と拡張器40とを接続する接続線61を挿入するための第二CD管62が予め設けられていて、なおかつ第二CD管62の一端部が制御装置6側、他端部が天井点検口31側に配置されているので、予め天井点検口31から制御装置6までの配線経路が第二CD管62によって確保されることになる。
また、天井点検口31には拡張器40を設置するスペースSが設けられているので、住宅建設後、新たに拡張器40を設置する場合、その設置スペースを新たに形成しなくとも、天井点検口31のスペースS内に拡張器40を収容することができる。そして、収容作業時に、拡張器40と制御装置60とを接続する接続線61を第二CD管62内に配設するだけで、拡張器40と制御装置6との電気的な接続も確保することができる。
このように、新たな拡張器40を宅内ネットワークNに構築することになっても、拡張器40の設置スペースや、配線経路の確保のための設置作業をしなくとも、容易に拡張器40を接続することができる。
したがって、住宅建設後においても、新たな拡張器40を容易に宅内ネットワークNに接続可能とすることができ、宅内ネットワークN全体の拡張性を高めることが可能となる。
【0008】
また、将来的に走行体91の蓄電池に充電する充電装置90を接続すべきジョイントボックス50が住宅200の外壁202に設けられているので、住宅200の建設時においては、蓄電池を備えた走行体91を家主が所持していなかったものの、建設後、当該走行体91を新たに購入した場合であっても、予め設置されているジョイントボックス50を介して充電装置90を設置することができる。
また、ジョイントボックス50と拡張器40とを接続する接続線53を挿入するための第一CD管54が予め設けられていて、なおかつ第一CD管54の一端部がジョイントボックス50側、他端部が天井点検口31側に配置されているので、予め天井点検口31からジョイントボックス50までの配線経路が第一CD管54によって確保されることになる。
このように、充電装置90を新たに設置することになっても、充電装置90の配線経路の確保のための設置作業をしなくとも、容易に充電装置90を設置することができる。
【0009】
請求項
2記載の発明は、請求項
1記載のホームマネージメント拡張システムにおいて、例えば
図1〜
図5に示すように、
前記天井点検口31に、前記拡張器用の電源コンセント32が設けられていることを特徴としている。
【0010】
請求項
2記載の発明によれば、拡張器用の電源コンセント32が天井点検口31に設けられているので、新たな拡張器(ハブ82)を天井点検口31に設置するときに、電源確保のための工事をしなくとも予め設置されている電源コンセント31によって拡張器に電力を供給することができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、住宅建設後においても、新たな機器を容易に宅内ネットワークに接続可能とすることができ、宅内ネットワーク全体の拡張性を高めることが可能となる。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図1は本実施形態に係るホームマネージメント拡張システムの概略構成を示すブロック図である。
図1に示すように、ホームマネージメント拡張システム100は、外部の系統側電源1と、この系統側電源1と系統連系される太陽光発電装置2と、住宅200内に設けられた電力消費機器3とが、住宅200内の宅内ネットワークNでつないで自動制御するものである。
【0018】
系統側電源1は電力会社からの交流電力を供給するもので、住宅内に設けられた分電盤4に接続されている。
分電盤4には、電気機器5・・・が接続されている。電気機器(家庭内負荷)5・・・は、住宅内に備えられた冷蔵庫、洗濯機、エアコン、テレビ、照明等の家電である。
太陽光発電装置2は、分電盤4に接続された制御装置6に接続されている。
電力消費機器3には、複数の蓄電池7と蓄熱装置8とが含まれており、これらは制御装置6に接続されている。
【0019】
蓄電池7は、太陽光発電装置2によって発電された余剰の発電電力や、割安な夜間の系統電力を蓄電し、かつ、必要に応じて放電可能なものである。
蓄熱装置8は、電気給湯機であり、電力を熱エネルギーとして蓄熱できるようになっている。
そして、制御装置6では、電気機器5・・・に、系統側電源1、太陽光発電装置2、蓄電池7のうちの少なくとも一つから電力を供給し、また、その優先順位を選択できるようになっている。
【0020】
制御装置6は、過去に系統側電圧抑制が生じた際の系統側電圧変動状況、日時、外気温、気象状況等の履歴データと、現在の系統側電圧変動状況、日時、外気温、気象状況等の現在データとに基づいて、系統側電圧抑制の発生の有無を予測し、系統側電圧抑制が発生すると予測した場合に、太陽光発電装置2によって発電された余剰の発電電力を蓄電池7や、蓄熱装置8に蓄積する機能を有する。
この制御装置6には、住宅内の内壁等に設けられる表示装置9が接続されており、制御装置6は表示装置9を制御して種々の情報を表示させる。
【0021】
ここで、住宅200の建設時においては設置されていなかった機器を、建設後に新たに追加し設備を拡張する場合も考えられる。このため、住宅200には、予め将来的な拡張を考慮した準備設備30が設けられている。
図2は、住宅200内に設けられた準備設備30の概略構成を示す模式図である。この準備設備30には、将来的な設備の拡張が想定される部屋の天井に設けられた天井点検口31が備えられている。
【0022】
図3は、天井点検口31の周囲環境を示す側面図である。
図2及び
図3に示すように、天井点検口31は天井201に開口されていて、その開口の周囲には新たな機器としての拡張器40を設置するためのスペースSが形成されている。ここで、拡張器40とは、機能拡張をするために、各種電子機器と制御装置6とを電気的に接続するものである。そして、新たな拡張器40をスペースSに設置する場合、その拡張器40の発光体41が天井点検口31から見えやすいように拡張器40を設置することが好ましい。また、拡張器40の排気口も塞がないようにすることが好ましい。
また、
図2に示すように天井点検口31のスペースSには、新たな拡張器用の電源コンセント32が設けられている。
【0023】
準備設備30には、蓄電池を備えた走行体を充電するための充電装置90(
図5参照)が将来的に設置されることを考慮して、当該充電装置90が接続されるジョイントボックス50と、充電装置90に対して電力を供給するための走行体用のコンセント51とが設けられている。コンセント51は、配線52を介して分電盤4に電気的に接続されている。
ジョイントボックス50は、住宅200の外壁202に設けられている。ジョイントボックス50と天井点検口31のスペースSとの間には、ジョイントボックス50と拡張器40とを接続する接続線53(
図5参照)を挿入するための第一CD管54が設けられている。このため、第一CD管54の一端部がジョイントボックス50側に配置され、当該第一CD管54の他端部が天井点検口31のスペースS側に配置されている。
【0024】
そして、準備設備30における天井点検口31のスペースSと制御装置6との間には、スペースS内に拡張器40を将来的に設置する場合に、この拡張器40と制御装置6とを接続する接続線61(
図4参照)が挿入される第二CD管62が配設されている。このため、第二CD管62の一端部が制御装置6側に配置されていて、第二CD管62の他端部が天井点検口31のスペースS側に配置されている。
【0025】
また、スペースSは、上述した拡張器40とは異なる他の拡張器(第二拡張器63、ハブ82)も設置できるように十分な広さが確保されている。
そして、準備設備30には、第二拡張器63に対して新たな蓄電池80(
図5参照)を接続するための三連ジョイントボックス64が設けられている。この三連ジョイントボックス64と天井点検口31のスペースSとの間には、第二拡張器63と三連ジョイントボックス64とを接続する接続線65(
図5参照)が挿入される第三CD管66が配置されている。また、分電盤4と三連ジョイントボックス64との間には、分電盤4と三連ジョイントボックス64とを接続するための接続線67,68(
図5参照)が挿入される第四CD管69、第五CD管70が設けられている。
【0026】
次に、本実施形態に係るホームマネージメント拡張システム100を拡張する場合を
図4及び
図5に例示して説明する。
【0027】
図4は、ホームマネージメント拡張システム100に電子機器33を拡張した場合を示している。
図4に示すように、ホームマネージメント拡張システム100に対応する電子機器33を新たに設置する場合には、まず、天井点検口31のスペースSに対して拡張器40を配置する。そして、第二CD管62に接続線61を挿入して、その接続線61の一端部を制御装置6に接続し、他端部を拡張器40に接続する。接続線61には、通信用のLANケーブル611と電源供給用の電源線612とがある。
そして、電子機器33と拡張器40とを専用線81によって接続することで、電子機器33と制御装置6との電気的な接続が確保される。
【0028】
図5は、ホームマネージメント拡張システム100に蓄電池80と、走行体用の充電装置90とを拡張した場合を示している。
図5に示すように、まず、分電盤4に対してブレーカー13を組み付ける。そして、天井点検口31のスペースSに対して拡張器40と、第二拡張器63と、第三拡張器としてのハブ82とを設置する。ハブ82は、電源コンセント32に電気的に接続される。そして、第二CD管62に接続線61を挿入して、その接続線61の一端部を制御装置6に接続する。接続線61のうちLANケーブル611の他端部はハブ82に接続し、電源線612の他端部は拡張器40に接続する。また、拡張器40及び第二拡張器63には、ハブ82に接続されたLANケーブル613,614が接続される。第二拡張器63には、拡張器40に接続された電源線615が接続される。
【0029】
そして、第一CD管54に専用線である接続線53を挿入して、その接続線53の一端部をジョイントボックス50に接続し、他端部を拡張器40に接続する。そして、ジョイントボックス50の近傍に充電装置90を配置し、この充電装置90をジョイントボックス50及びコンセント51に接続する。そして、蓄電池を備えた走行体91を、充電ケーブル92を介して充電装置90に接続することで、走行体91の蓄電池が充電されることになる。ここで、走行体91はプラグインハイブリッド車(PHV)や電気自動車(EV)等の電気エネルギーで走行するものである。なお、走行体91は4輪の自動車に限らず、2輪のオートバイやスクータであってもよい。
【0030】
他方、第三CD管66に専用線である接続線65を挿入して、その接続線65の一端部を三連ジョイントボックス64に接続し、他端部を第二拡張器63に接続する。さらに、第四CD管69及び第五CD管70のそれぞれに接続線67,68を挿入して、接続線67,68の一端部を三連ジョイントボックス64に接続し、他端部を分電盤4に接続する。そして、三連ジョイントボックス64に対して、新たな蓄電池80を接続する。
これにより、ホームマネージメント拡張システム100に蓄電池80と、走行体用の充電装置90とが拡張される。
【0031】
以上のように本実施形態によれば、将来的に制御装置6と拡張器40とを接続する接続線61を挿入するための第二CD管62が予め設けられていて、なおかつ第二CD管62の一端部が制御装置6側、他端部が天井点検口31側に配置されているので、予め天井点検口31から制御装置6までの配線経路が第二CD管62によって確保されることになる。
また、天井点検口31には拡張器40を設置するスペースSが設けられているので、住宅建設後、新たに拡張器40を設置する場合、その設置スペースを新たに形成しなくとも、天井点検口31のスペースS内に拡張器40を収容することができる。そして、収容作業時に、拡張器40と制御装置6とを接続する接続線61を第二CD管62内に配設するだけで、拡張器と制御装置との電気的な接続も確保することができる。
このように、新たな拡張器40を宅内ネットワークNに構築することになっても、拡張器40の設置スペースや、配線経路の確保のための設置作業をしなくとも、容易に拡張器40を接続することができる。
したがって、住宅建設後においても、新たな拡張器40を容易に宅内ネットワークNに接続可能とすることができ、宅内ネットワークN全体の拡張性を高めることが可能となる。
【0032】
また、将来的に走行体91の蓄電池に充電する充電装置90を接続すべきジョイントボックス50が住宅200の外壁202に設けられているので、住宅200の建設時においては、蓄電池を備えた走行体91を家主が所持していなかったものの、建設後、当該走行体91を新たに購入した場合であっても、予め設置されているジョイントボックス50を介して充電装置90を設置することができる。
また、ジョイントボックス50と拡張器40とを接続する接続線53を挿入するための第一CD管54が予め設けられていて、なおかつ第一CD管54の一端部がジョイントボックス50側、他端部が天井点検口31側に配置されているので、予め天井点検口31からジョイントボックス50までの配線経路が第一CD管54によって確保されることになる。
このように、充電装置90を新たに設置することになっても、充電装置90の配線経路の確保のための設置作業をしなくとも、容易に充電装置90を設置することができる。
【0033】
また、拡張器用の電源コンセント32が天井点検口31に設けられているので、新たな拡張器(本実施形態ではハブ82)を天井点検口31に設置するときに、電源確保のための工事をしなくとも予め設置されている電源コンセント32によってハブ82に電力を供給することができる。
【0034】
なお、上記実施形態では、第二拡張器63と制御装置6とが拡張器40及びハブ82を介して接続されている場合を例示して説明しているが、第二CD管62内に接続線を挿入して、接続線の一端部を制御装置6に接続し、接続線の他端部を第二拡張器63に接続することで、第二拡張器63と制御装置6とを直接接続することも可能である。
これにより、将来的に制御装置6と第二拡張器63とを接続する接続線を挿入するための第二CD管62が予め設けられていて、なおかつ第二CD管62の一端部が制御装置6側、他端部が天井点検口31側に配置されているので、予め天井点検口31から制御装置6までの配線経路が第二CD管62によって確保されることになる。
また、天井点検口31には第二拡張器63を設置するスペースSが設けられているので、住宅建設後、新たに第二拡張器63を設置する場合、その設置スペースを新たに形成しなくとも、天井点検口31のスペースS内に第二拡張器63を収容することができる。そして、収容作業時に、第二拡張器63と制御装置6とを接続する接続線を第二CD管62内に配設するだけで、第二拡張器63と制御装置6との電気的な接続も確保することができる。