(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6046952
(24)【登録日】2016年11月25日
(45)【発行日】2016年12月21日
(54)【発明の名称】撮像装置及びその制御方法
(51)【国際特許分類】
G03B 7/28 20060101AFI20161212BHJP
H04N 5/235 20060101ALI20161212BHJP
【FI】
G03B7/28
H04N5/235
【請求項の数】12
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2012-185766(P2012-185766)
(22)【出願日】2012年8月24日
(65)【公開番号】特開2014-44267(P2014-44267A)
(43)【公開日】2014年3月13日
【審査請求日】2015年8月18日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100076428
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 康徳
(74)【代理人】
【識別番号】100112508
【弁理士】
【氏名又は名称】高柳 司郎
(74)【代理人】
【識別番号】100115071
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 康弘
(74)【代理人】
【識別番号】100116894
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 秀二
(74)【代理人】
【識別番号】100130409
【弁理士】
【氏名又は名称】下山 治
(74)【代理人】
【識別番号】100134175
【弁理士】
【氏名又は名称】永川 行光
(72)【発明者】
【氏名】久 健造
【審査官】
井亀 諭
(56)【参考文献】
【文献】
特開平06−311423(JP,A)
【文献】
特開2002−023216(JP,A)
【文献】
特開平09−037145(JP,A)
【文献】
特開2005−260738(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2010/0118204(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03B 7/28
H04N 5/235
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被写体像を撮像して画像データを出力する撮像手段と、
前記画像データを複数の領域に分割した複数の領域に関する第1の測光値と、前記複数の領域における少なくとも1つ以上の高輝度領域または低輝度領域に関する第2の測光値とを取得する測光値取得手段と、
前記測光値取得手段により取得される第1の測光値が目標値に近づくように露出を変更する露出変更手段と、を備え、
前記露出変更手段は、前記第1の測光値、前記目標値及び前記第2の測光値に基づいて第3の測光値を算出し、前記第3の測光値と基準値との差分に応じて露出を変更し、
前記第3の測光値は、前記第1の測光値が前記目標値となる場合に想定される高輝度領域又は低輝度領域に関する測光値であることを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
前記露出変更手段は、前記第3の測光値と前記基準値との差分に応じて前記第1の測光値と前記目標値との差分を補正して露出を変更することを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
前記露出変更手段は、前記第3の測光値と前記基準値との差分に応じて前記第1の測光値を補正して前記第1の測光値と前記目標値との差分を補正することを特徴とする請求項2に記載の撮像装置。
【請求項4】
前記露出変更手段は、前記第3の測光値と前記基準値との差分に応じて前記目標値を補正して前記第1の測光値と前記目標値との差分を補正することを特徴とする請求項2に記載の撮像装置。
【請求項5】
前記露出変更手段は、前記第3の測光値と前記基準値との差分が大きいほど露出を変更する量を大きくすることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項6】
前記露出変更手段は、前記第3の測光値が上限値より大きい場合、当該上限値と前記基準値との差分に応じて露出を変更することを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項7】
前記露出変更手段は、前記第3の測光値が前記基準値より大きい場合に、前記第3の測光値が前記基準値以下の場合よりも露出を低く変更することを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項8】
前記露出変更手段は、前記第1の測光値と前記目標値との差分に基づいて、1フィールドで変更する露出の量を表す露出変更量を決定することを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項9】
前記露出変更手段は、前記第3の測光値と基準値との差分に応じた補正が反映された前記第1の測光値と前記目標値との差分に基づいて、1フィールドで変更する露出の量を表す露出変更量を決定することを特徴とする請求項8に記載の撮像装置。
【請求項10】
前記第3の測光値は、前記測光値取得手段が、前記複数の領域における少なくとも1つ以上の高輝度領域に関する前記第2の測光値を取得する場合は、前記第1の測光値が前記目標値となる場合に想定される高輝度領域に関する測光値であって、前記複数の領域における少なくとも1つ以上の低輝度領域に関する前記第2の測光値を取得する場合は、前記第1の測光値が前記目標値となる場合に想定される低輝度領域に関する測光値であることを特徴とする請求項1ないし9のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項11】
前記第3の測光値は、前記第1の測光値に対する前記目標値の比と前記第2の測光値とを乗じた値であることを特徴とする請求項10に記載の撮像装置。
【請求項12】
被写体像を撮像して画像データを出力する撮像手段を有する撮像装置の制御方法であって、
前記画像データを複数の領域に分割した複数の領域に関する第1の測光値と、前記複数の領域における少なくとも1つ以上の高輝度領域または低輝度領域に関する第2の測光値とを取得する測光値取得ステップと、
前記第1の測光値が目標値に近づくように露出を変更する露出変更ステップと、を備え、
前記露出変更ステップでは、前記第1の測光値、前記目標値及び前記第2の測光値に基づいて第3の測光値を算出し、前記第3の測光値と基準値との差分に応じて露出を変更し、
前記第3の測光値は、前記第1の測光値が前記目標値となる場合に想定される高輝度領域又は低輝度領域に関する測光値であることを特徴とする撮像装置の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は動画撮影時の露出制御に関し、特に測光値に基づいて露出の補正を行う際の露出制御に関する。
【背景技術】
【0002】
デジタルビデオカメラには自動的に露出を制御する機能を有するものが多い。その手法としては、画像データから測光値を取得し、あらかじめ記憶している適正露出時の測光値と等しい値である目標値になるように、絞り、シャッタースピード、ゲイン等を制御する方法が一例として挙げられる。測光値とは例えば画面全体の画素の輝度平均値のような画像データの明るさの指標となる値である。
【0003】
測光値の生成の仕方には様々なものが提案されている。例えば、画面全体を中央部分とそれ以外の部分に分け、それらの部分の画素の輝度平均値をそれぞれ取得する。そして中央部に重みをつけた加重平均値を算出する。例えば中央部分の画素の測光値を2倍し、中央部以外の部分の画素の測光値を加算し、3で除した値が適正になるように露出を制御する。この手法では中央部に主被写体が存在する場合、中央部の主被写体に対して良好な露出とすることができる。
【0004】
また、特許文献1では上述のように測光値で露出制御しつつ、画面内の高輝度領域の情報を得て、露出制御目標値を補正する手法が提案されている。この手法では、露出制御目標値を下げて高輝度領域が明るくなりすぎることを抑制するため、画面内の高輝度領域に主被写体が存在していても主被写体に対して良好な露出とすることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−118787号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1では、複数のエリアのうち一定レベル以上の輝度レベルを示すエリアの数に基づいて露出制御目標値を決定している。そのため、露出制御目標値の変更に伴って一定レベル以上の輝度レベルを示すエリアの数が増減し、露出制御目標値が安定せず良好な露出制御を行うことができない場合がある。
【0007】
本発明は上述した課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、測光値に基づいて露出の補正を行う際の露出制御を良好にできるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係わる撮像装置は、被写体像を撮像して画像データを出力する撮像手段と、前記画像データ
を複数の領域に分割した複数の領域に関する第1の測光値
と、前記複数の領域における少なくとも1つ以上の高輝度領域または低輝度領域に関する第2の測光値
とを取得する測光値取得手段と、前記測光値取得手段により取得される第1の測光値が目標値に近づくように露出を変更する露出変更手段と、を備え、前記露出変更手段は、前記第1の測光値、前記目標値及び前記第2の測光値に基づいて第3の測光値を算出し、前記第3の測光値と基準値との差分に応じて露出を
変更し、前記第3の測光値は、前記第1の測光値が前記目標値となる場合に想定される高輝度領域又は低輝度領域に関する測光値であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、測光値に基づいて露出の補正を行う際の露出制御を良好にできる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の撮像装置の第1の実施形態であるデジタルビデオカメラの外観斜視図。
【
図2】デジタルビデオカメラの内部構成を示すブロック図。
【
図5】露出変更量算出用ΔEVと露出変更量の関係を示すグラフ。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照して詳細に説明する。
【0012】
(第1の実施形態)
図1は、本発明の撮像装置の第1の実施形態であるデジタルビデオカメラ100の外観斜視図である。
図1において、表示部28は画像や各種情報を表示する表示部である。録画スイッチ61は撮影指示を行うための操作部である。モード切替スイッチ60は各種モードを切り替えるための操作部である。コネクタ112は外部機器とデジタルビデオカメラ100とのコネクタである。操作部70はユーザーからの各種操作を受け付ける各種ボタン、十字キー等の操作部材より成る操作部である。72は電源スイッチであり、電源オン、電源オフを切り替える。記録媒体200はメモリカードやハードディスク等の記録媒体である。記録媒体スロット201は記録媒体200を格納するためのスロットである。記録媒体スロット201に格納された記録媒体200は、デジタルビデオカメラ100との通信が可能となる。
【0013】
図2は、本実施形態によるデジタルビデオカメラ100の内部構成を示すブロック図である。
図2において、撮影レンズ103はズームレンズ、フォーカスレンズを含む撮影レンズである。絞り101は光量調整に使用する絞りである。撮像部22は光学像を電気信号に変換して被写体像を撮像するCCDやCMOS素子等で構成される撮像素子である。A/D変換器23は、アナログ信号をデジタル信号に変換する。A/D変換器23は、撮像部22から出力されるアナログ信号をデジタル信号に変換するために用いられる。バリア102は、デジタルビデオカメラ100の、撮影レンズ103を覆うことにより、撮影レンズ103、絞り101、撮像部22を含む撮像系の汚れや破損を防止する。
【0014】
画像処理部24は、A/D変換器23からのデータ、又は、メモリ制御部15からのデータに対し所定の画素補間、縮小といったリサイズ処理や色変換処理を行う。また、画像処理部24では、撮像した画像データを用いて所定の演算処理が行われ、得られた演算結果に基づいてシステム制御部50が露光制御、測距制御を行う。これにより、TTL(スルー・ザ・レンズ)方式のAF(オートフォーカス)処理、AE(自動露出)処理が行われる。画像処理部24では更に、撮像した画像データを用いて所定の演算処理を行い、得られた演算結果に基づいてTTL方式のAWB(オートホワイトバランス)処理も行っている。
【0015】
A/D変換器23からの出力データは、画像処理部24及びメモリ制御部15を介して、或いは、メモリ制御部15を介してメモリ32に直接書き込まれる。メモリ32は、撮像部22によって得られA/D変換器23によりデジタルデータに変換された画像データや、表示部28に表示するための画像データを格納する。メモリ32は、所定時間の動画像および音声を格納するのに十分な記憶容量を備えている。
【0016】
また、メモリ32は画像表示用のメモリ(ビデオメモリ)を兼ねている。D/A変換器13は、メモリ32に格納されている画像表示用のデータをアナログ信号に変換して表示部28に供給する。こうして、メモリ32に書き込まれた表示用の画像データはD/A変換器13を介して表示部28により表示される。表示部28は、LCD等の表示器上に、D/A変換器13からのアナログ信号に応じた表示を行う。A/D変換器23によって一度A/D変換されメモリ32に蓄積されたデジタル信号をD/A変換器13においてアナログ変換し、表示部28に逐次転送して表示することで、電子ビューファインダとして機能し、スルー画像表示を行える。
【0017】
不揮発性メモリ56は、電気的に消去・記録可能なメモリであり、例えばEEPROMが用いられる。不揮発性メモリ56には、システム制御部50の動作用の定数、プログラム等が記憶される。ここでいう、プログラムとは、本実施形態にて後述する各種フローチャートを実行するためのプログラムのことである。
【0018】
システム制御部50は、デジタルビデオカメラ100全体を制御する。前述した不揮発性メモリ56に記録されたプログラムを実行することで、後述する本実施形態の各処理を実現する。52はシステムメモリであり、RAMが用いられる。システムメモリ52には、システム制御部50の動作用の定数、変数、不揮発性メモリ56から読み出したプログラム等を展開する。また、システム制御部50はメモリ32、D/A変換器13、表示部28等を制御することにより表示制御も行う。
【0019】
システムタイマー53は各種制御に用いる時間や、内蔵された時計の時間を計測する計時部である。モード切替スイッチ60、録画スイッチ61、操作部70はシステム制御部50に各種の動作指示を入力するための操作手段である。
【0020】
モード切替スイッチ60は、システム制御部50の動作モードを、動画記録モード、再生モード等のいずれかに切り替える。動画記録モードに含まれるモードとして、オート撮影モード、オートシーン判別モード、マニュアルモード、撮影シーン別の撮影設定となる各種シーンモード、プログラムAEモード、カスタムモード等がある。モード切替スイッチ60で、動画撮影モードに含まれるこれらのモードのいずれかに直接切り替えられる。あるいは、モード切り替えスイッチ60で動画撮影モードに一旦切り換えた後に、動画撮影モードに含まれるこれらのモードのいずれかに、他の操作部材を用いて切り替えるようにしてもよい。録画スイッチ61は撮影待機状態と撮影状態を切り替える。システム制御部50は、録画スイッチ61により、撮像部22からの信号読み出しから記録媒体200に動画データを書き込むまでの一連の動作を開始する。
【0021】
操作部70の各操作部材は、表示部28に表示される種々の機能アイコンを選択操作することなどにより、場面ごとに適宜機能が割り当てられ、各種機能ボタンとして作用する。機能ボタンとしては、例えば終了ボタン、戻るボタン、画像送りボタン、ジャンプボタン、絞込みボタン、属性変更ボタン等がある。例えば、メニューボタンが押されると各種の設定可能なメニュー画面が表示部28に表示される。利用者は、表示部28に表示されたメニュー画面と、上下左右4方向の十字キーやSETボタンとを用いて直感的に各種設定を行うことができる。
【0022】
電源制御部80は、電池検出回路、DC−DCコンバータ、通電するブロックを切り替えるスイッチ回路等により構成され、電池の装着の有無、電池の種類、電池残量の検出を行う。また、電源制御部80は、その検出結果及びシステム制御部50の指示に基づいてDC−DCコンバータを制御し、必要な電圧を必要な期間、記録媒体200を含む各部へ供給する。
【0023】
電源部30は、アルカリ電池やリチウム電池等の一次電池やNiCd電池やNiMH電池、Liイオン電池等の二次電池、ACアダプター等からなる。記録媒体I/F18は、メモリカードやハードディスク等の記録媒体200とのインターフェースである。記録媒体200は、撮影された画像を記録するためのメモリカード等の記録媒体であり、半導体メモリや磁気ディスク等から構成される。
【0024】
以下、
図3〜
図5を参照して、本実施形態の動作について説明する。
【0025】
本実施形態では、目標露出としたときの最大測光値が基準値を超える場合に目標露出としたときの最大測光値と基準値との差分に応じて露出を補正する例を示す。
【0026】
図3は、本実施形態における露出変更量算出処理のフローチャートである。このフローチャートにおける各処理はシステム制御部50が不揮発性メモリ56に格納されたプログラムをシステムメモリ52に展開して実行することにより実現される。
【0027】
まず平均測光値(第1の測光値)と最大測光値(第2の測光値)を取得する(S301)。
図4に本実施形態における測光値取得領域の例を示す。本実施形態では画像データを8×8の領域に分割した64の各領域の測光値を取得する。例えば画素数が1920×1080の画像データであれば、240×135画素の輝度値の平均値を64個取得する。すべての測光値を平均した値を平均測光値とする。また、平均測光値とは異なり、64の領域の測光値の中で最も大きい値(高輝度領域の値)を最大測光値とする。
【0028】
次に平均測光値が平均測光目標値に達した時に得られると思われる最大測光値である目標露出時最大測光値(第3の測光値)を以下の式を用いて算出する(S302)。
【0029】
目標露出時最大測光値=(最大測光値×平均測光目標値)/平均測光値 …(式1)
平均測光目標値はあらかじめ決められている値であり、システム制御部50は平均測光値が平均測光目標値に近づくように露出を変更する。すなわち、平均測光目標値は、画像データの平均輝度に対して目標露出である時の平均測光値と等しい値である。
【0030】
次に目標露出時最大測光値に制限(下限値)を付けた制限付き最大測光値を以下のように算出する(S303)。
【0031】
目標露出時最大測光値<最大測光基準値のとき
制限付き最大測光値=最大測光基準値
最大測光基準値<目標露出時最大測光値のとき
制限付き最大測光値=目標露出時最大測光値 …(式2)
次に補正平均測光値を以下の式を用いて算出する(S304)。
【0032】
補正平均測光値=(平均測光値×制限付き最大測光値)/最大測光基準値…(式3)
制限付き最大測光値は、目標露出時最大測光値が最大測光基準値より小さければ最大測光基準値と等しい値となる。そのような場合、式3より補正平均測光値は平均測光値となる。すなわち、最大測光値が比較的大きくなく高輝度領域が明るくなりすぎない場合には、最大測光値に基づく露出補正は行われない。一方、目標露出時最大測光値が最大測光基準値より大きければ高輝度領域が明るくなりすぎるため露出補正の必要がある。そのような場合、式3より補正平均測光値は平均測光値より大きな値となる。補正された平均測光値を平均測光目標値になるように露出を変更することで、補正平均測光値が平均測光値より大きくなれば、より露出は暗くなる。そのため、高輝度領域が明るくなりすぎることを抑制することができる。
【0033】
次に補正平均測光値と平均測光目標値の差分値(差分量)の絶対値ΔEVを以下の式で算出する(S305)。
【0034】
ΔEV=|log
2(補正平均測光値/平均測光目標値)| …(式4)
算出が困難であれば、補正平均測光値を平均測光目標値で除した値に応じて、あらかじめ用意しているテーブルからΔEVを求めてもよい。
【0035】
次にΔEVを用いて露出変更量を求める(S306)。
図5に本実施形態における露出変更量算出用ΔEVと露出変更量の関係を示すグラフを示す。
図5に基づいて露出変更量を決定する。露出変更量はΔEVの1/2の値とする。露出変更量は1フィールドごとに算出し、1フィールドごとに算出した露出変更量で露出を変更して、目標露出に近づけていく。すなわち、露出変更量は、1フィールドで変更する露出の量を表す。
【0036】
例えば平均測光目標値がA、最大測光基準値が2A、平均測光値が2A、最大測光値が8Aとすると、目標露出時最大測光値が4Aとなり、ΔEVは2EVとなり、露出変更量は1EVとなる。
【0037】
信号が飽和しておらず、被写体が変化していないとすると、1EV露出を変更すると、平均測光値はA、最大測光値は4Aとなる。この時、目標露出時最大測光値は4Aで変わらず、ΔEVは1EVとなり、露出変更量は1/2EVとなる。
【0038】
次に1/2EV露出を変更すると、平均測光値はA/√2、最大測光値は2√2・Aとなり、目標露出時最大測光値は4Aで変わらず、ΔEVは1/2EVとなり、露出変更量は1/4EVとなる。
【0039】
以上のように露出変更量を決定すれば、平均測光値と平均測光目標値と最大測光値から目標露出時の最大測光値を予想しているため、飽和信号が無く、被写体が変わらなければ、露出を変更してもこの値は変わらない。つまり、露出の補正量の変動が無くなり、露出を補正するときも露出を補正しないときと同じような露出変更量で露出を変更することができる。
【0040】
本実施形態では露出制御で平均測光値を使用する例を挙げたが、この手法に限定するものではない。画面を複数の領域に分割して加重平均した値を用いてもよい。最大測光値も同様である。高輝度領域に関する測光値であればよく、平均値の高い数個の枠の測光値を平均してもよいし、輝度の高い方から特定の画素数の測光値を平均してもよい。
【0041】
また、ΔEVの算出方法も限定するものではない。本実施形態では式3で平均測光値を補正して平均測光目標値と比較したが、平均測光目標値を補正しても同様のことができる。また平均測光目標値と平均測光値からΔEVを算出し、その後ΔEVを補正しても同様のことができる。制限付き最大測光値と最大測光基準値から求められた補正量がΔEVに反映されていればよい。
【0042】
(第2の実施形態)
第1の実施形態では、目標露出としたときの最大測光値が最大測光基準値と等しい値となるように露出を補正する例を示した。しかしながらこの手法では、極端に高輝度な被写体が映っている場合に目標露出としたときの最大測光値と基準値との差分が大きくなり、大幅に露出を補正して露出を低くしすぎてしまう。そこで、本実施形態では、第1の実施形態においてさらに露出の補正量に制限を加える手法を示す。
【0043】
露出変更量算出のフローは第1の実施形態と同様である。第2の実施形態では第1の実施形態に対して制限付き最大測光値の算出方法を変更する。
【0044】
S301とS302では第1の実施形態と同様の処理を行い、目標露出時最大測光値を算出する。S303で制限付き最大測光値を算出する際に、最大測光値の上限値として最大測光上限値を設定し、以下のように算出する。
【0045】
目標露出時最大測光値<最大測光基準値のとき
制限付き最大測光値=最大測光基準値
最大測光基準値<目標露出時最大測光値<最大測光上限値のとき
制限付き最大測光値=目標露出時最大測光値
最大測光上限値<目標露出時最大測光値のとき
制限付き最大測光値=最大測光上限値 …(式5)
制限付き最大測光値を算出した後、第1の実施形態と同じようにS304からS306の処理を行い、露出変更量を算出する。
【0046】
式5で示したように制限付き最大測光値に上限値を設ければ、制限付き最大測光値は最大測光上限値以上の値にはならない。そのため、補正平均測光値は平均測光値に最大測光上限値を乗じて最大測光目標値で除した値が上限となる。例えば、最大測光上限値が最大測光基準値の2倍であれば、補正平均測光値の上限は平均測光値の2倍となり、露出は1EV下がるように補正される。つまり、画面内にどんなに高輝度の被写体が映っていても、大幅に露出を補正することはなく露出を低くしすぎることを抑制できる。
【0047】
第1の実施形態と同様に飽和信号が無く被写体が変わらなければ、目標露出時最大測光値の露出変更による変化が少ないことは変わらない。そのため、以上のような手法で露出変更量を決定すれば、高輝度領域が明るくなりすぎることを抑制しつつ露出を低くしすぎることを抑制でき、良好な露出制御を行うことができる。
【0048】
以上、本発明をその好適な実施形態に基づいて詳述してきたが、本発明はこれら特定の実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の様々な形態も本発明に含まれる。上述の実施形態の一部を適宜組み合わせてもよい。
【0049】
例えば、上記の2つの実施形態では、高輝度領域に関する測光値に基づいて露出を低く補正する例を示したが、低輝度領域に関する測光値に基づいて露出を高く補正する場合にも本発明は適用できる。