(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記シャッター装置本体が複数設けられ、それぞれの前記シャッター装置本体には前記本体側装置が配置され、1つの前記操作側装置で少なくとも2つのシャッター装置本体の前記シャッターカーテンの開閉操作が可能である請求項1乃至3のいずれか一項に記載のシャッター装置。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の上記した作用及び利得は、次に説明する発明を実施するための形態から明らかにされる。以下本発明を図面に示す実施形態に基づき説明する。しかし本発明は当該実施形態に限定されるものではない。
【0016】
図1は、1つの実施形態に係るシャッター装置1が建物に取り付けられた状態において、当該シャッター装置1を室外側正面から見た図である。ここで
図1では、シャッター装置1が閉鎖され、通路又は空間が仕切られている姿勢が表されている。
【0017】
シャッター装置1は、シャッター装置本体10及び開閉操作手段20を備えている。
【0018】
シャッター装置本体10は、建物の開口や通路等に対して配置されており、ガイドレール11、まぐさ12、シャッターカーテン13、ケース14、ブラケット15、電動開閉機16、巻取りシャフト17、及びシャッター制御装置18を備えている。
シャッター装置本体10は公知のシャッター装置に備えられる上記各部材と同様の部材を用いることができる。以下に簡単に説明する。
【0019】
ガイドレール11は、所定の間隔を有して平行に立設された2本の長尺部材で、横断面が略コ字状に形成されている。ガイドレール11は当該コ字状である開口部を対向させるように設置される。まぐさ12は2つのガイドレール11、11の上部を渡すように取り付けられた長尺部材である。
【0020】
シャッターカーテン13は、上下に連結された複数のスラット13a、及び下端に設けられた座板13bを備えている。スラット13aは、シャッターカーテン13の閉鎖の姿勢で、長手方向を水平に、幅方向を鉛直に配置される長尺の略板状の部材である。そして上下方向に隣り合うスラット13aの端部同士が、所定の回動が許容されるように連結されている。これにより巻取りが可能となる。座板13bは、最下端のスラット13aに沿って配置される矩形断面を有する長尺部材で、その内側にスラット13aの下部を包含するように取り付けられている。
シャッターカーテン13の左右両端部が2本のガイドレール11、11のコ字状の開口から内側に包含されるように配置される。このときシャッターカーテン13はガイドレール11、11に固定はされないので、ガイドレール11、11の長手方向には移動が可能であり、これと直交する方向(
図1の紙面奥/手前方向、室内外方向)の移動は制限される。これによりシャッターカーテン13を適切にガイドレール11、11に沿って上下にガイドして移動させることができる。
【0021】
ケース14は、2つのガイドレール11の上部を渡すように配置され、ブラケット15、電動開閉機16、巻取りシャフト17、及びシャッター制御装置18の大部分をその内側に隠蔽する箱状の部材である。これにより各構成部材を塵埃等から保護し、装置寿命伸ばしたり、装置の動作の信頼性を向上させたりすることができる。
【0022】
ブラケット15は、後述する巻取りシャフト17の軸受けとなる複数の板材で、ケース14の内側左右方向両端部のそれぞれに、面を対向するように並列されている。
【0023】
電動開閉機16は、電気により回転駆動して巻取りシャフト17を回転させる機器である。これには例えば電動モータを挙げることができる。電動開閉機16は、一方のブラケット15に固定される。例えば電動開閉機16の正転によりシャッターカーテン13の巻き取られ、逆転によりシャッターカーテン13の巻き戻しが行われる。
【0024】
巻取りシャフト17は、シャッターカーテン13の左右幅方向(
図1の紙面左右方向)に沿って2つのブラケット15、15間を渡されるように水平に設けられた円筒状の部材で、該円筒の中心軸を軸として回動可能に設置されている。上記のように巻き取りシャフト17は、電動開閉機16により回動される。
一方、巻取りシャフト17の外周の所定部分にシャッターカーテン13の上端が固定されている。
【0025】
シャッター制御装置18は、シャッターカーテン13の巻き取り(上昇)、巻き戻し(降下)、停止等に関する各機器からの信号を受信し、シャッターカーテン13を実際にどのように動作させるかを判断するとともに、その判断結果を機器に命令する装置である。後述する開閉操作手段20からの指令もシャッター制御装置18により受信される。
シャッター制御装置18の構成は特に限定されるものではないが、例えば信号を受信して取り込む入力部、どのように動作すべきかが決められたプログラムを格納しておくROM、演算を実行する中央演算子、各種信号や演算結果を一時的に記憶して演算領域として機能するRAM、及び結果を外部に出力する出力部等を備えた電気回路により構成されている。これにより、シャッター装置1が現時点においてどのような動作をすべきかを適切に判断することができ、利便性と安全性、及び動作の信頼が図られる。
【0026】
開閉操作手段20は、操作手段として使用者が自分の意思によりシャッターカーテン13を巻取り(上昇)、停止、巻戻し(降下)させるための操作をする手段である。開閉操作手段20は、本体側装置21と操作側装置31とを備えている。
図2には
図1のうち開閉操作手段20に注目した図を示した。
【0027】
本体側装置21は、開閉操作手段20のうちシャッター装置本体10に常設される装置であり、具体的にはガイドレール11に配置されている。ガイドレール11への本体側装置21への取り付け位置は特に限定されることはなく室外側正面、側面等が挙げられる。高さ方向位置も特に限定されることはないが、使用者が操作側装置31を着脱容易であるような位置であることが好ましい。
図3に本体側装置21の正面図(
図3(a))、及び
図3(a)にIIIb−IIIbで示した線に沿った断面図(
図3(b))を表した。
図2、
図3からわかるように、本体側装置21は、ケース22、接続端子23、作動スイッチ24、シリンダー錠25、及び作動板26を備えている。
【0028】
ケース22は、接続端子23、作動スイッチ24、シリンダー錠25、及び作動板26を内包し、本体側装置21の外郭を形成する箱状である。また、ケース22には、そのフタ22b側に接続端子23の一端(操作側装置31との接続側)が露出する孔22cを有している。この孔22cは、後述する操作側装置31の接続端子34が貫通して接続端子23に接続することができる大きさに形成されている。
【0029】
接続端子23は、操作側装置31が接続される端子である。具体的には接続端子23は操作側装置31からの操作に関する電気信号を本体側装置21に受け入れることが可能な接続端子である。このように、接続端子23は電気信号を伝達することができればよく、具体的な接続端子の種類は特に限定されるものではない。
さらに、接続端子23は、シャッター装置本体10のシャッター制御装置18に電気的に接続され、操作側装置31からの信号をシャッター制御装置18に伝達する。
【0030】
作動スイッチ24は、本体側装置21と操作側装置31との電気的な接続の許容及び禁止を切り替えるスイッチである。従って、作動スイッチ24が「入」の状態となれば本体側装置21と操作側装置31との電気的な接続が許容される。一方作動スイッチが「切」の状態では電気的な接続が禁止される。
本実施形態は作動スイッチ24はアクチュエータ24aが具備され、該アクチュエータ24aが押圧されている間スイッチが「入」となる。
【0031】
シリンダー錠25は、鍵を差し込み、回転させることにより施錠及び開錠を切り替える錠装置である。本実施形態ではシリンダー錠25はその回転軸に板25aが固定されており、施錠及び開錠における回転動作に追随して板25aが回動するように形成されている。
【0032】
作動板26はその一端に折り曲げ部26aが設けられた板状の部材であり、接続端子23の一端側(操作側装置31との接続側)が貫通可能な孔26bが設けられている。この孔26bは、後述する操作側装置31の接続端子34は貫通することができない大きさに形成されている。
【0033】
以上説明したような各構成部材が次のように組み合わされて本体側装置21とされている。
図3(b)からわかるようにケース22の底22aに接続端子23及び作動スイッチ24が上下方向に並べて配置される。このとき、ケース22のフタ22bに設けられた孔22cから接続端子23の一端側である接続部がケース22のフタ22b側に露出するように配置される。
さらにケース22のフタ22bには、作動スイッチ25の下方にシリンダー錠25が配置される。ここでシリンダー錠25のうち鍵を差し込み操作する部分がフタ22bより外側に配置されて露出し、板25aがケース22内に納められる。
【0034】
作動板26は、
図3(b)からわかるように、その一端がケース22内の上部に回動可能に取り付けられ、折り曲げ部26aを具備する他端側が下部となるとうに上下に延びるように配置されている。作動板26は、ケース22のフタ22bの裏側(底22a側)に隣接して該フタ22bに沿って配置される。
図3(b)に表される施錠状態の姿勢で作動板26と他の部材との関係は次の通りである。
接続端子23については、該接続端子23の一端のみが作動板26の孔26b内に配置され、作動板26が移動しない限りは作動板26が邪魔して操作側装置31を接続端子23に接続することができないように位置づけられる。
作動スイッチ24については、該作動スイッチ24とフタ22bとの間に作動板26が配置され、作動スイッチ24のアクチュエータ24aは押圧されず、「切」の姿勢が保持されている。
シリンダー錠25については、該シリンダー錠25の板25aが上方に延び、板25aとフタ22bとの間に作動板26の折り曲げ部26aが配置される。すなわち、この姿勢では作動板26は上部の支点を中心に回動しようとしても下端の折り曲げ部26aが板25a及びフタ22bにより阻害され、回動することができないように構成されている。
開錠に伴う本体側装置21の動作については後で説明する。
【0035】
操作側装置31は、
図2に表れているように操作部32、ケーブル33及び接続端子34を備えている。
操作部32は、シャッターの開閉をはじめとする各種操作ボタンが配置され、操作されたボタンに応じた信号を発信する部位である。このような部位は従来のシャッター装置と同様の装置を適用することができる。
ケーブル33は、操作部32からの信号を伝達するケーブルであり、公知のものを用いることができる。
接続端子34は、ケーブル33の端部に具備され、上記本体側装置21の接続端子23に接続し、本体側装置21と操作側装置31とを電気的に連結する端子である。
【0036】
本体側装置21と操作側装置31とは、接続端子23と接続端子34との着脱により、取り付け及び取り外しが可能とされている。
本体側装置21と操作側装置31とが離脱した状態から、本体側装置21に操作側装置31を装着することを考える。
【0037】
図3(a)、
図3(b)に示した姿勢で操作側装置31の接続端子34を本体側装置21の接続端子23に装着しようとした場合、上記したように、シリンダー錠25の板25aとケース22のフタ22bとの間に作動板26の折り曲げ部26aが配置されているため、作動板26が上部の支点を中心に回動することができない。さらにフタ22bの孔22cは接続端子34が貫通することができるものの、作動板26の孔26bは接続端子34が貫通することができないので、作動板26が移動しない限り、接続端子34を接続端子23に差し込むことができない。従って、接続端子23に操作側装置31を接続できないのでシャッターの開閉を行うことはできない。
さらに、作動板26が回動しないので、作動スイッチ24のアクチュエータ24aが押圧されず、作動スイッチ24が「切」の状態に保持される。すなわち、仮に不正に接続端子23に電気的な接続を行った場合でも作動スイッチ24が「切」状態であるためシャッターの開閉を行うことはできない。
【0038】
一方、シリンダー錠25を開錠すると本体側装置21の接続端子23に操作側装置31の接続端子34の接続をすることが可能となる。
図4に説明のための図を示した。
図4からわかるように、シリンダー錠25に矢印Aのように鍵を差し入れて、矢印Bのように回転させると板25aが回動し、下方側に延びる姿勢となる。これにより作動板26が矢印Cのようにケース22の底22a側に回動可能となる。この姿勢で操作側装置31の接続端子34を矢印Dのように本体側装置21の接続端子23に接続すれば、接続端子34は、フタ22bの孔22cは貫通し、作動板26の孔26bは貫通しないので、接続端子34が矢印Cのように作動板26のみ適切に押圧して回動させ、両者が接続される。さらに、押圧された作動板26が矢印Eのように作動スイッチ24のアクチュエータ24aを押圧するので、これにより初めて作動スイッチ24が「入」の状態となり、シャッターの開閉が可能となる。
【0039】
さらに、本実施形態では、本体側装置21と操作側装置31との間で認証をおこなうように電気的な回路を備えている。すなわち、仮に
図4に示したように機械的に両者の接続ができたとしても、本体装置21に対する適切な操作側装置31でないと認証を得ることができず、シャッターの開閉をすることができない。
このような認証回路を用いる回路構成は公知の技術を適用することができる。
【0040】
以上のように、操作側装置31が本体側装置21に対して適切に接続され、認証が確認されたときには、操作側装置31の操作部32の操作によるシャッター開閉の操作信号が本体側装置21の接続端子23を介してシャッター装置本体10のシャッター制御装置18に伝わり、開閉がおこなわれる。
【0041】
シャッター装置1によれば、次のような効果を奏するものとなる。
操作部32をシャッター装置本体10から離脱させることができるので、操作するきっかけを与えることがなく、悪戯や侵入の動機付けを絶つことが可能となる。
また、本実施形態のような本体側装置21の構造とすれば、少なくともシリンダー錠25及び操作側装置31の両者が揃わないとシャッターの開閉をすることができないので、複数の防犯手段が施されている。
さらに、上記認証の構成を用いた場合には、仮に何らかの方法により本体側装置21と操作側装置31とが接続できたとしても、両者が適切な関係にない限りシャッター装置の開閉をすることができないので、さらなる防犯性向上が図られる。
【0042】
操作側装置を着脱可能とすることにより、さらに次のような利便性向上が図られる。
従来においては、多くのシャッター装置が存在する場合、どの開閉スイッチがどのシャッターの開閉を行うためのものかが分かり難くなることがあった。これに対して本発明によれば、本体側装置が直接シャッター装置本体に備えられているので、使用者は迷うことなく開閉対象のシャッター装置を開閉することができる。特に、店舗拡大等によりシャッター装置の増設がおこなわれたときには、複数のシャッター装置の開閉スイッチが1か所にまとめられたり、逆に開閉スイッチの場所があちらこちらに分散されたりして、必ずしも操作性に優れているとはいえなかった。本発明によればこれを解消することができる。
【0043】
また、本発明によれば本体側装置は複数のシャッター装置のそれぞれに配置される必要はあるが、操作側装置はこれら複数のシャッター装置に共通の1つの操作側装置とすることもでき、必ずしも複数のシャッターごとに操作側装置を準備する必要がない。すなわち、シャッター装置本体10が複数設けられ、それぞれのシャッター装置本体10には本体側装置21が配置されても、1つの操作側装置31で2つ以上のシャッター装置本体10のシャッターカーテン13の開閉操作が可能とすることができる。これによれば操作部の数を減らすことができ、コストを削減することが可能となる。