(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6046970
(24)【登録日】2016年11月25日
(45)【発行日】2016年12月21日
(54)【発明の名称】フィルム搬送装置及び深絞り包装機
(51)【国際特許分類】
B65G 23/36 20060101AFI20161212BHJP
B65H 20/16 20060101ALI20161212BHJP
B65B 9/04 20060101ALI20161212BHJP
【FI】
B65G23/36
B65H20/16
B65B9/04
【請求項の数】6
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2012-211988(P2012-211988)
(22)【出願日】2012年9月26日
(65)【公開番号】特開2014-65574(P2014-65574A)
(43)【公開日】2014年4月17日
【審査請求日】2015年9月25日
(73)【特許権者】
【識別番号】000206093
【氏名又は名称】大森機械工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100112689
【弁理士】
【氏名又は名称】佐原 雅史
(74)【代理人】
【識別番号】100128934
【弁理士】
【氏名又は名称】横田 一樹
(72)【発明者】
【氏名】小笠原 和広
(72)【発明者】
【氏名】川嶋 孝博
【審査官】
松井 裕典
(56)【参考文献】
【文献】
特開2005−225540(JP,A)
【文献】
特開2004−091175(JP,A)
【文献】
特開平11−278629(JP,A)
【文献】
特開2004−352444(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 23/00−23/44
B65H 20/00−20/40
B65H 23/18−23/198
B65H 26/00−26/08
B65B 9/00− 9/24
B65B 47/00−47/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
帯状のフィルムの幅方向の両脇に該フィルムに沿って配置され、互いに一体になって間欠的に走行する一対のチェーンと、
前記一対のチェーンに取り付けられ、前記フィルムの幅方向の両端を支持する複数の爪と、
上流側及び下流側に1つずつ設けられ、前記一対のチェーンを一体に駆動させる2つのモータと、を備え、
駆動開始時には、上流側のモータを駆動させ、後続して下流側のモータを前記上流側のモータよりも低速で駆動させ、
その後、前記上流側のモータと前記下流側のモータとを同じ速度で駆動させ、
駆動停止時には、前記上流側のモータを前記下流側のモータよりも低速で駆動させて前記上流側のモータを停止させ、後続して前記下流側のモータを停止させるようにして、前記チェーンを間欠的に走行させる、
ことを特徴とする、
フィルム搬送装置。
【請求項2】
前記フィルムは、包装用のものであることを特徴とする、
請求項1に記載のフィルム搬送装置。
【請求項3】
前記2つのモータは、駆動速度が個別に制御されることを特徴とする、
請求項1又は2に記載のフィルム搬送装置。
【請求項4】
前記2つのモータは、駆動開始のタイミング又は駆動停止のタイミングが個別に制御されることを特徴とする、
請求項1〜3のいずれかに記載のフィルム搬送装置。
【請求項5】
前記2つのモータによる前記一対のチェーンの送り量を補正する送り量補正手段を備えることを特徴とする、
請求項1〜4のいずれかに記載のフィルム搬送装置。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれかに記載のフィルム搬送装置を備えることを特徴とする、
深絞り包装機
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フィルム搬送装置及び深絞り包装機に関する。
【背景技術】
【0002】
薄切りハムなどの食品、その他の物品を包装するラインでは、例えば、深絞り包装機が用いられる(例えば、特許文献1参照)。深絞り包装機は、上流側から順に、下部フィルム供給部、ポケット成型部、充填部、上部フィルム供給部、真空シール部、横カット部、縦カット部などを備えている。
【0003】
下部フィルム供給部は、包装体数個(例えば3個)分程度の幅を有する下部フィルムを連続して供給する。ポケット成型部は、金型でプレスして下部フィルムにポケットを成型する。充填部は、ポケットに物品を充填する。上部フィルム供給部は、下部フィルムと略同じ幅の上部フィルムを連続して供給し、下部フィルムに蓋をする。真空シール部は、真空引きを行ってからフィルムをシールする。横カット部は、フィルムを横方向(幅方向)にカットして複数連(例えば3連)の包装体にする。縦カット部は、複数連の包装体を縦方向(搬送方向)にカットして、個々の包装体にする。
【0004】
このような深絞り包装機は、フィルム搬送装置によってフィルムを間欠的に搬送し、フィルムの停止時に各部で処理をする。フィルム搬送装置は、循環するチェーンに設けられた爪でフィルムの両端を支持し、チェーンを間欠的に走行させてフィルムを搬送する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第4485220号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
間欠的に走行するチェーンは、駆動開始時又は駆動停止時に伸び代部分が伸縮する。これにより、チェーンの爪で支持されるフィルムも伸縮し、シワが寄るという問題がある。
【0007】
最近の傾向としては、各種装置(1.成型されたポケットの良否を検知する装置、2.製品(物品)の有無を検知する装置、3.製品の良否を検知する装置(例えば、製品がシリンジの場合、キャップが無いときに否とする。)、4.製品の飛出しを検知する装置、5.自動供給装置(ロボットなど)、6.総トリミング装置(例えば、複数の打抜き装置)など)が設置されることにより、深絞り包装機が大型化している。深絞り包装機の大型化に伴いチェーンが長くなり、その結果、チェーンが重くなっている。このため、駆動を停止する際に慣性力によってチェーンに加わる衝撃が大きくなっている。また、チェーンが長くなることで、伸び代部分の伸縮長さが長くなっている。このような傾向から、上記問題が顕在化している。
【0008】
なお、このような諸問題は、深絞り包装機の場合に限らず、フィルムを間欠的に搬送するものであれば、他の包装機の場合に共通して想定される。
【0009】
本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであり、フィルムにシワが寄ることを防止するフィルム搬送装置及び深絞り包装機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
(1)本発明は、帯状のフィルムの幅方向の両脇に該フィルムに沿って配置され、互いに一体になって間欠的に走行する一対のチェーンと、前記一対のチェーンに取り付けられ、前記フィルムの幅方向の両端を支持する複数の爪と、上流側及び下流側に1つずつ設けられ、前記一対のチェーンを一体に駆動させる2つのモータと、を備え
、駆動開始時には、上流側のモータを駆動させ、後続して下流側のモータを前記上流側のモータよりも低速で駆動させ、その後、前記上流側のモータと前記下流側のモータとを同じ速度で駆動させ、駆動停止時には、前記上流側のモータを前記下流側のモータよりも低速で駆動させて前記上流側のモータを停止させ、後続して前記下流側のモータを停止させるようにして、前記チェーンを間欠的に走行させる、ことを特徴とする、フィルム搬送装置である。
【0011】
本発明によれば、チェーンの伸び代部分の多くの部分を、下流側のモータから上流側のモータまでの区間、すなわち、フィルムを支持しない区間に位置させることができる。これにより、フィルムを支持する区間でチェーンが伸縮することが防止される。結果、チェーンの爪で支持されるフィルムの伸縮が防止され、ひいては、フィルムにシワが寄ることが防止される。
【0012】
(2)本発明はまた、前記フィルムは、包装用のものであることを特徴とする、上記(1)に記載のフィルム搬送装置である。
【0013】
(3)本発明はまた、前記2つのモータは、駆動速度が個別に制御されることを特徴とする、上記(1)又は(2)に記載のフィルム搬送装置である。
【0014】
(4)本発明はまた、前記2つのモータは、駆動開始のタイミング又は駆動停止のタイミングが個別に制御されることを特徴とする、上記(1)〜(3)のいずれかに記載のフィルム搬送装置である。
【0015】
上記(3)又は(4)に記載の発明によれば、チェーンに掛かる張力を、フィルムを支持する区間で大幅に変動しないようにすることができる。これにより、フィルムを支持する区間でチェーンが伸縮することが更に防止される。結果、チェーンの爪で支持されるフィルムの伸縮が更に防止され、ひいては、フィルムにシワが寄ることが更に防止される。
【0016】
(5)本発明はまた、前記2つのモータによる前記一対のチェーンの送り量を補正する送り量補正手段を備えることを特徴とする、上記(1)〜(4)のいずれかに記載のフィルム搬送装置である。
【0017】
上記発明によれば、チェーンが伸びてしまった場合であっても、すなわち、チェーンの伸び代長さが長くなってしまった場合であっても、チェーンの送り量を補正することで、チェーン11の伸びに対処することができる。
【0018】
(6)本発明はまた、上記(1)〜(5)のいずれかに記載のフィルム搬送装置を備えることを特徴とする、深絞り包装機である。
【発明の効果】
【0019】
本発明の上記(1)〜(5)に記載のフィルム搬送装置、及び上記(6)に記載の深絞り包装機によれば、フィルムにシワが寄ることを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本発明の実施形態に係る深絞り包装機を示す概略図である。
【
図2】深絞り包装機が備えるフィルム搬送装置を示す概略図である。
【
図3】各モータの回転速度とチェーンに掛かる張力の推移の一つ目の例を示すタイミングチャートである。
【
図4】各モータの回転速度とチェーンに掛かる張力の推移の二つ目の例を示すタイミングチャートである。
【
図5】各モータの回転速度とチェーンに掛かる張力の推移の三つ目の例を示すタイミングチャートである。
【
図6】各モータの回転速度とチェーンに掛かる張力の推移の四つ目の例を示すタイミングチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態に係る深絞り包装機について詳細に説明する。
【0022】
まず、
図1を用いて、深絞り包装機1の構成について説明する。
図1は、深絞り包装機1を示す概略図である。なお、本図及び以降の各図において、一部の構成を適宜省略して、図面を簡略化する。そして、各図及び以降の各図において、大きさや長さを適宜誇張して表現する。
【0023】
図1に示される深絞り包装機1は、薄切りハムなどの物品(図示省略)を順次包装するラインで使用される。この深絞り包装機1は、後述するフィルム搬送装置10(
図2参照)によって包装用の帯状のフィルムYA1,YA2を搬送しながら、薄切りハムを順次包装する。具体的に、深絞り包装機1は、上流側から順に、下部フィルム供給部2、ポケット成型部3、充填部4、上部フィルム供給部5、真空シール部6、横カット部7、縦カット部8などに分類される。
【0024】
これら深絞り包装機1の各部は、フィルムYA1,YA2の停止時に処理を実行するように、制御ユニット(図示省略)によって統括的に制御される。制御ユニットは、CPU、RAM、及びROMなどから構成され、各種制御を実行する。CPUは、いわゆる中央演算処理装置であり、各種プログラムが実行されて各種機能を実現する。RAMは、CPUの作業領域として使用される。ROMは、CPUで実行される基本OSやプログラムを記憶する。
【0025】
下部フィルム供給部2は、包装体XA1数個(本実施形態では3個)分程度の幅を有する下部フィルムYA1を連続して供給する。ポケット成型部3は、金型(符号省略)でプレスして下部フィルムYA1にポケット(符号省略)を成型する。充填部4は、ポケットに薄切りハムを充填する。上部フィルム供給部5は、下部フィルムYA1と略同じ幅の上部フィルムYA2を連続して供給し、下部フィルムYA1に蓋をする。真空シール部6は、真空引きを行ってからフィルムYA1,YA2をシールする。
【0026】
横カット部7は、フィルムYA1,YA2を横方向(幅方向)にカットして複数連(本実施形態では3連)の包装体XA1にする。縦カット部8は、複数連の包装体XA1を縦方向(搬送方向)にカットして、個々の包装体XA1にする。
【0027】
次に、
図2を用いて、フィルム搬送装置10の構成について説明する。
図2は、フィルム搬送装置10を示す概略図である。
【0028】
図2に示されるフィルム搬送装置10は、制御ユニット(深絞り包装機1と共通の制御ユニットでも、個別の制御ユニットであって深絞り包装機1の制御ユニットと連係するものでもよい。)に制御され、フィルムYA1,YA2を間欠的に搬送する。具体的に、フィルム搬送装置10は、一対のチェーン11と、複数のスプロケット12〜21と、複数の爪22と、上流側に設けられたモータ23と、下流側に設けられたモータ24と、送り量補正手段25と、などを備えている。
【0029】
一対のチェーン11は、フィルムYA1,YA2の幅方向の両脇に当該フィルムYA1,YA2に沿って配置され、複数のスプロケット12〜21に引っ掛けられている。これら一対のチェーン11は、モータ23,24の動力によって、互いに一体になって(互いに等速で)間欠的に走行する。また、一対のチェーン11には、それぞれ、複数の爪22が等ピッチで取り付けられている。
【0030】
複数の爪22は、フィルムYA1,YA2の幅方向の両端を支持する。具体的に、複数の爪22は、上流端のスプロケット21において開き、フィルムYA1を掴む。また、複数の爪22は、下流端のスプロケット12において開き、フィルムYA1、YA2を放す。
【0031】
上流側のモータ23は、例えば、ポケット成型部3と充填部4との間に設けられている。下流側のモータ24は、例えば、上部フィルム供給部5と真空シール部6との間に設けられている。これら各モータ23,24は、スプロケット18,15を回転させて、一対のチェーンを一体に駆動させる。そして、各モータ23,24は、後で詳述するように、駆動速度が個別に制御される。また、各モータ23,24は、後で詳述するように、駆動開始のタイミング又は駆動停止のタイミングが個別に制御される。
【0032】
送り量補正手段25は、例えば、一対のチェーン11の送り量を表示するモニタ(図示省略)と、このモニタの表示に基づく作業員の入力を受け付ける入力部(図示省略)と、などを備えている。制御ユニットは、入力部からの信号に基づいて、モータ23,24を駆動し、一対のチェーン11の送り量を補正する。なお、送り量補正手段25は、入力部を備えていなくてもよい。この場合、作業員は、一対のチェーン11を直接操作して、送り量を補正する必要がある。
【0033】
次に、
図3〜
図6を用いて、各モータ23,24の回転速度と一対のチェーン11に掛かる張力の関係について説明する。
図3は、各モータ23,24の回転速度とチェーン11に掛かる張力の推移の一つ目の例を示すタイミングチャートである。
図4は、各モータ23,24の回転速度とチェーン11に掛かる張力の推移の二つ目の例を示すタイミングチャートである。
図5は、各モータ23,24の回転速度とチェーン11に掛かる張力の推移の三つ目の例を示すタイミングチャートである。
図6は、各モータ23,24の回転速度とチェーン11に掛かる張力の推移の四つ目の例を示すタイミングチャートである。
【0034】
図3に示される一つ目の例は、2つのモータ23,24に関し、駆動開始のタイミング及び駆動停止のタイミングが互いに同じであり、かつ、駆動速度が互いに同じである場合である。すなわち、2つのモータ23,24を同期させて駆動する場合である。ただし、搬送区間におけるチェーン11が所定量伸びた場合(搬送区間におけるチェーン11に掛かる張力が大きくなった場合)には、自動又は手動によって、上流側のモータ23を停止させた後、下流側のモータ24を、チェーン11の伸び代分駆動させてから停止させることで対処する。なお、自動で調整する態様の場合、チェーン11の張力を検知するセンサ(図示省略)を配置することになる。
【0035】
図4に示される二つ目の例は、2つのモータ23,24に関し、駆動開始のタイミング及び駆動停止のタイミングが互いに同じであり、駆動速度が個別に制御される場合である。
【0036】
具体的に、駆動開始時には、上流側のモータ23を下流側のモータ24よりも高速で駆動させて、搬送区間(フィルムYA1,YA2を爪で支持している区間)におけるチェーン11を緩み気味にして搬送する。その後、各モータ23,24を同じ速度で駆動させてチェーン11に掛かる張力を一定にして搬送する。駆動停止時には、上流側のモータ23を下流側のモータ24よりも低速で駆動させて、搬送区間におけるチェーン11が張るようにして停止させる。この一連の流れを繰り返すことで、チェーン11を間欠的に走行させる。
【0037】
図5に示される二つ目の例は、2つのモータ23,24に関し、駆動開始のタイミング及び駆動停止のタイミングが個別に制御され、駆動速度が互いに同じである場合である。
【0038】
具体的に、駆動開始時には、上流側のモータ23を先行して駆動させて、搬送区間におけるチェーンを緩み気味にする。その後、下流側のモータ24を後続して駆動させてチェーン11に掛かる張力を一定にして搬送する。駆動停止時には、上流側のモータ23を先行して停止させて、搬送区間におけるチェーンが張るようにする。その後、下流側のモータ24を後続して停止させる。この一連の流れを繰り返すことで、チェーン11を間欠的に走行させる。
【0039】
図6に示される三つ目の例は、上記の二つの例を組み合わせた場合である。すなわち、2つのモータ23,24に関し、駆動開始のタイミング及び駆動停止のタイミングが個別に制御され、駆動速度が個別に制御される場合である。
【0040】
具体的に、駆動開始時には、上流側のモータ23を先行して駆動させて、搬送区間におけるチェーンを緩み気味にする。その後、下流側のモータ24を後続して、上流側のモータ23よりも低速で駆動させて、チェーン11に掛かる張力を徐々に一定にしながら搬送する。その後、各モータ23,24を同じ速度で駆動させてチェーン11に掛かる張力を一定にして搬送する。駆動停止時には、上流側のモータ23を下流側のモータ24よりも低速で駆動させて、搬送区間におけるチェーン11が徐々に張るようにする。その後、上流側のモータ23を先行して停止させて、搬送区間におけるチェーン11が張るようにする。その後、下流側のモータ24を後続して停止させる。この一連の流れを繰り返すことで、チェーン11を間欠的に走行させる。
【0041】
このように、深絞り包装機1が備えるフィルム搬送装置10によれば、チェーン11の伸び代部分の多くの部分を、下流側のモータ24から上流側のモータ23までの区間、すなわち、フィルムYA1,YA2を支持しない区間に位置させることができる。これにより、フィルムYA1,YA2を支持する区間でチェーン11が伸縮することが防止される。結果、チェーン11の爪22で支持されるフィルムYA1,YA2の伸縮が防止され、ひいては、フィルムYA1,YA2にシワが寄ることが防止される。
【0042】
そして、2つのモータ23,24の駆動速度が個別に制御されるので、あるいは、2つのモータ23,24の駆動開始のタイミング又は駆動停止のタイミングが個別に制御されるので、チェーン11に掛かる張力を、フィルムYA1,YA2を支持する区間で大幅に変動しないようにすることができる。これにより、フィルムYA1,YA2を支持する区間でチェーン11が伸縮することが更に防止される。結果、チェーン11の爪22で支持されるフィルムYA1,YA2の伸縮が更に防止され、ひいては、フィルムYA1,YA2にシワが寄ることが更に防止される。
【0043】
また、送り量補正手段25を備えているので、チェーン11が伸びてしまった場合であっても、すなわち、チェーン11の伸び代長さが長くなってしまった場合であっても、チェーン11の送り量を補正することで、チェーン11の伸びに対処することができる。
【0044】
本発明は、上記実施形態に限られるものではなく、その趣旨及び技術思想を逸脱しない範囲で種々の変形が可能である。
【0045】
すなわち、上記実施形態において、各構成や各部の範囲、位置、大きさ、長さ、順番、形状、材質、向き、数量などは適宜変更できる。
【0046】
あるいは、上記実施形態では、深絞り包装機1が備えるフィルム搬送装置10を例に説明したが、本発明のフィルム搬送装置は、フィルムを間欠的に搬送するものであれば、他の包装機が備えるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0047】
1 深絞り包装機
10 フィルム搬送装置
11 チェーン
22 爪
23,24 モータ
25 送り量補正手段
YA1 下部フィルム(フィルム)
YA2 上部フィルム(フィルム)