(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記シールドカバーと前記ステータホルダとの接続部は、前記シールドカバーの周縁部に形成された第一フランジと、前記ステータホルダの周縁部に形成され前記第一フランジと結合された第二フランジとを有している、
請求項3に記載の電動ポンプ。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような電動ポンプでは、制御基板に対する冷却性及び電磁シールド性が要求される。
【0005】
そこで、本発明は、制御基板に対する冷却性及び電磁シールド性を確保することができる電動ポンプを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するために、請求項1に記載の電動ポンプは、液体が流入するポンプ室と連通するロータ収容室の周壁部が形成されたハウジングと、前記ロータ収容室の底壁部が形成された金属製のベース部材と、前記ロータ収容室に回転可能に収容されたロータと、
前記周壁部の周囲に設けられ、前記ロータに回転磁界を形成するステータと、前記底壁部に前記ロータ収容室と反対側から重ね合わされ、前記ステータを制御する制御基板と、前記制御基板を包囲する包囲部と、前記制御基板に対する前記底壁部と反対側から前記制御基板を覆う被覆部とを有し、強磁性体により形成されたシールドカバーと、
前記ステータと前記包囲部との間に設けられて前記ステータを保持する保持部を有し、前記シールドカバーと共に前記制御基板を収容する基板収容室を形成すると共に、強磁性体により形成されたステータホルダと、を備えている。
【0007】
この電動ポンプによれば、金属製のベース部材には、ロータ収容室の底壁部が形成されており、この底壁部には、ロータ収容室と反対側から制御基板が重ね合わされている。従って、ロータ収容室に流入する液体により制御基板の熱を底壁部を介して吸収することができるので、制御基板を冷却(水冷)することができる。これにより、制御基板に対する冷却性を確保することができる。
【0008】
しかも、この電動ポンプは、強磁性体により形成されたシールドカバーを有しており、制御基板は、このシールドカバーの包囲部によって包囲されると共に、このシールドカバーの被覆部によって底壁部と反対側から覆われている。従って、この強磁性体により形成されたシールドカバーにより制御基板が遮蔽されるので、制御基板に対する電磁シールド性も確保することができる。
【0010】
また、この電動ポンプによれば、強磁性体により形成されたステータホルダが備えられており、このステータホルダは、シールドカバーと共に制御基板を収容する基板収容室を形成している。従って、この強磁性体により形成されたステータホルダにより制御基板を遮蔽する領域が拡大されるので、制御基板に対する電磁シールド性を向上させることができる。
【0011】
しかも、ステータを保持する保持部を有するステータホルダで基板収容室を形成しているので(ステータを保持する部材と基板収容室を形成する部材を兼用しているので)、部材点数の増加を抑制することができる。これにより、コストを低減することができる。
【0012】
請求項2に記載の電動ポンプは、
請求項1に記載の電動ポンプにおいて、前記ステータホルダが、前記周壁部が挿通された開口部を有し、前記ロータが、前記開口部と対向し強磁性体により形成されたヨークを有する構成とされている。
【0013】
この電動ポンプによれば、ステータホルダは、周壁部が挿通された開口部を有しているが、ロータのヨークは、強磁性体により形成されると共に、この開口部と対向している。従って、このヨークにより開口部の遮蔽性を高めることができるので、制御基板に対する電磁シールド性をより向上させることができる。
【0014】
請求項3に記載の電動ポンプは、
請求項1又は請求項2に記載の電動ポンプにおいて、前記シールドカバーが、前記電動ポンプの外形部を形成し、前記シールドカバーと前記ステータホルダ、及び、前記ステータホルダと前記ベース部材とが、それぞれ接続部を有する構成とされている。
【0015】
この電動ポンプによれば、シールドカバーは、電動ポンプの外形部を形成している。従って、シールドカバーが外気に晒されて冷却されることにより、このシールドカバーに覆われた制御基板を冷却(空冷)することができる。
【0016】
しかも、シールドカバーとステータホルダ、及び、ステータホルダとベース部材とは、それぞれ接続部を有している。従って、シールドカバーが外気に晒されて冷却されることにより、各接続部を介してベース部材を冷却することができる。これにより、このベース部材に形成された底壁部と重ね合わされた制御基板を冷却(空冷)することができるので、制御基板に対する冷却性を向上させることができる。
【0017】
請求項4に記載の電動ポンプは、
請求項3に記載の電動ポンプにおいて、前記シールドカバーと前記ステータホルダとの接続部が、前記シールドカバーの周縁部に形成された第一フランジと、前記ステータホルダの周縁部に形成され前記第一フランジと結合された第二フランジとを有する構成とされている。
【0018】
この電動ポンプによれば、シールドカバーとステータホルダとの接続部は、シールドカバーの周縁部に形成された第一フランジと、ステータホルダの周縁部に形成され第一フランジと結合された第二フランジとを有している。従って、フランジを用いた接続部とすることにより、シールドカバーとステータホルダとの接続面積を確保することができるので、シールドカバーとステータホルダとの間の熱伝達性を高めることができる。これにより、ベース部材に形成された底壁部をより冷却することができるので、この底壁部と重ね合わされた制御基板に対する冷却性をより向上させることができる。
【0019】
前記課題を解決するために、
請求項5に記載の電動ポンプは、液体が流入するポンプ室と連通するロータ収容室の周壁部が形成されたハウジングと、前記ロータ収容室の底壁部が形成された金属製のベース部材と、前記ロータ収容室に回転可能に収容されたロータと、
前記周壁部の周囲に設けられ、前記ロータに回転磁界を形成するステータと、前記底壁部に前記ロータ収容室と反対側から重ね合わされ、前記ステータを制御する制御基板と、前記制御基板を包囲する包囲部と、前記制御基板に対する前記底壁部と反対側から前記制御基板を覆う被覆部とを有し、強磁性体により形成されたシールドカバーと、
前記ベース部材に形成されると共に、前記ステータと前記包囲部との間に設けられて前記ステータを保持する保持部と、を備えている。
【0020】
この電動ポンプによれば、金属製のベース部材には、ロータ収容室の底壁部が形成されており、この底壁部には、ロータ収容室と反対側から制御基板が重ね合わされている。従って、ロータ収容室に流入する液体により制御基板の熱を底壁部を介して吸収することができるので、制御基板を冷却(水冷)することができる。これにより、制御基板に対する冷却性を確保することができる。
しかも、この電動ポンプは、強磁性体により形成されたシールドカバーを有しており、制御基板は、このシールドカバーの包囲部によって包囲されると共に、このシールドカバーの被覆部によって底壁部と反対側から覆われている。従って、この強磁性体により形成されたシールドカバーにより制御基板が遮蔽されるので、制御基板に対する電磁シールド性も確保することができる。
また、この電動ポンプによれば、ベース部材は、ロータ収容室の底壁部に加えて、ステータを保持する保持部を有している(ロータ収容室の底壁部を形成する部材とステータを保持する部材を兼用している)。従って、部材点数の増加を抑制することができるので、コストを低減することができる。
【0021】
請求項6に記載の電動ポンプは、
請求項5に記載の電動ポンプにおいて、前記シールドカバーが、前記電動ポンプの外形部を形成し、前記シールドカバーと前記ベース部材とが、接続部を有する構成とされている。
【0022】
この電動ポンプによれば、シールドカバーは、電動ポンプの外形部を形成している。従って、シールドカバーが外気に晒されて冷却されることにより、このシールドカバーに覆われた制御基板を冷却(空冷)することができる。
【0023】
しかも、シールドカバーとベース部材とは、接続部を有している。従って、シールドカバーが外気に晒されて冷却されることにより、接続部を介してベース部材を冷却することができる。これにより、このベース部材に形成された底壁部と重ね合わされた制御基板を冷却(空冷)することができるので、制御基板に対する冷却性を向上させることができる。
【0024】
請求項7に記載の電動ポンプは、
請求項6に記載の電動ポンプにおいて、前記接続部が、前記シールドカバーの周縁部に形成された第一フランジと、前記ベース部材の周縁部に形成され前記第一フランジと結合された第二フランジとを有する構成とされている。
【0025】
この電動ポンプによれば、シールドカバーとベース部材との接続部は、シールドカバーの周縁部に形成された第一フランジと、ベース部材の周縁部に形成され第一フランジと結合された第二フランジとを有している。従って、フランジを用いた接続部とすることにより、シールドカバーとベース部材との接続面積を確保することができるので、シールドカバーとベース部材との間の熱伝達性を高めることができる。これにより、ベース部材に形成された底壁部をより冷却することができるので、この底壁部と重ね合わされた制御基板に対する冷却性をより向上させることができる。
【0026】
請求項8に記載の電動ポンプは、
請求項1〜請求項7のいずれか一項に記載の電動ポンプにおいて、前記保持部に、前記包囲部に向けて延びる延長フランジが形成され、前記制御基板に、前記延長フランジと同じ側に延びる延長部が形成され、前記保持部の側方で前記延長フランジと前記延長部との間に形成された空間部に、電気部品が配置された構成とされている。
【0027】
この電動ポンプによれば、保持部の側方で延長フランジと延長部との間には、空間部が形成されており、この空間部には、電気部品が配置されている。従って、この空間部が電気部品の配置のために利用されているので、電動ポンプを小型化することができる。
【0028】
請求項9に記載の電動ポンプは、
請求項1〜請求項8のいずれか一項に記載の電動ポンプにおいて、前記底壁部に、前記ロータ収容室側に突出して前記周壁部と接続されるか、又は、前記ロータ収容室の内部に突出する突出部が形成され、前記制御基板における前記突出部と対応する位置に、発熱部品が設けられた構成とされている。
【0029】
この電動ポンプによれば、底壁部には、ロータ収容室側に突出して周壁部と接続されるか、又は、ロータ収容室の内部に突出する突出部が形成されている。従って、この突出部によりロータ収容室内の液体と底壁部との接触面積を拡大することができるので、底壁部をより冷却することができる。
【0030】
しかも、制御基板の発熱部品は、この制御基板における突出部と対応する位置に設けられている。従って、突出部を通じて発熱部品の熱を効率良く吸収することができる。これにより、発熱部品に対する冷却性を向上させることができる。
【発明を実施するための形態】
【0032】
[第一実施形態]
はじめに、本発明の第一実施形態について説明する。
【0033】
図1に示されるように、本発明の第一実施形態に係る電動ポンプ10は、ハウジング12と、ベース部材14と、ロータ16と、ステータ18と、制御基板20と、シールドカバー22と、ステータホルダ24とを備えている(
図2も適宜参照)。
【0034】
ハウジング12は、樹脂製とされている。このハウジング12は、板状のハウジング本体26と、ロータ16を収容するロータ収容室28の周壁部30とを一体に有している。ハウジング本体26の一端部には、コネクタ32が設けられており、ロータ収容室28の周壁部30は、ハウジング本体26の中央部よりも他端部寄りの位置に形成されている。この周壁部30は、円筒状に形成されており、ハウジング本体26の板厚方向一方側(矢印Z1側)に突出されている。また、この周壁部30の先端部30Aは、この先端部30Aよりも後端側の部分に比して縮径されている。
【0035】
ロータ収容室28は、開口28Aを有しており、この開口28Aは、ハウジング本体26の板厚方向他方側(矢印Z2側)に開口されている。この電動ポンプ10は、例えばエンジン冷却水を循環させるウォータポンプとして好適に用いられるものであり、ロータ収容室28は、ハウジング12が取付対象物34(例えば、自動車のエンジンブロックなど)に取り付けられた場合に、この取付対象物34に形成されたポンプ室36と連通される。
【0036】
ベース部材14は、伝熱性が高く導電性を有する金属の一例として、例えば、アルミニウム合金製とされている。このベース部材14には、ロータ収容室28の底壁部31が形成されており、この底壁部31には、接合部38及びシャフト支持部40が形成されている。この接合部38及びシャフト支持部40は、それぞれ円筒状に形成されている。
【0037】
接合部38は、シャフト支持部40の径方向外側に形成されると共に、周壁部30の先端部30Aと同軸上に形成されている。この接合部38は、ロータ収容室28側に突出しており、周壁部30の先端部30Aにおける外周部と接合されている。この接合部38の内周部と周壁部30の先端部30Aにおける外周部との間には、例えばOリング等のシール材42が設けられている。
【0038】
シャフト支持部40は、周壁部30の径方向内側に形成されており、ロータ収容室28の内部に突出されている。このシャフト支持部40の内側には、ロータ収容室28の軸方向に延びるシャフト44の一端が圧入されており、これにより、シャフト44は、シャフト支持部40に支持されている。なお、この接合部38及びシャフト支持部40は、本発明における突出部の一例である。
【0039】
ロータ16は、ロータ収容室28に回転可能に収容されている。このロータ16は、軸受46を介してシャフト44に回転可能に支持されている。このロータ16は、インペラ部材48と、ヨーク50と、マグネット52とを有している。
【0040】
インペラ部材48は、円筒状の軸部54を有しており、この軸部54は、軸受46の外周部に固定されている。また、このインペラ部材48には、ロータ収容室28の開口28Aを通じてハウジング本体26の板厚方向他方側(矢印Z2側)に突出するインペラ56が形成されている。このインペラ56は、上述のポンプ室36に収容される。そして、このポンプ室36内でインペラ56が回転すると、ポンプ室36に液体が流入されると共に、このポンプ室36から液体が吐出される。なお、ロータ収容室28は、ポンプ室36と連通されるので、ポンプ室36に液体が流入すると、ロータ収容室28は、液体で充満される。
【0041】
ヨーク50は、円環状に形成されており、軸部54の外周部に固定されている。このヨーク50は、軟鉄等の強磁性体により形成されている。マグネット52は、ヨーク50の外周部に沿う円環状又は円弧状に形成されており、ヨーク50の外周部に固定されている。
【0042】
ステータ18は、周壁部30の周囲に設けられており、この周壁部30を介してロータ16と径方向に対向されている。このステータ18は、環状のステータコア58と、このステータコア58に装着されたインシュレータ60と、このインシュレータ60を介してステータコア58に巻装された巻線62とを有している。そして、この電動ポンプ10では、ステータ18によって回転磁界が形成されると、ロータ16に対して吸引及び反発力が働き、ロータ16が回転される。
【0043】
制御基板20は、プリント基板等の基板本体64と、複数の実装部品66とを有している。基板本体64は、底壁部31にロータ収容室28と反対側から重ね合わされている。なお、基板本体64は、底壁部31との間に例えば伝熱シートや伝熱ゲル等の介在物を介して底壁部31に重ね合わされていても良い。複数の実装部品66は、基板本体64における底壁部31側と反対側の面に実装されている。
【0044】
この複数の実装部品66には、複数の発熱部品68,70が含まれている。この複数の発熱部品68,70は、例えば、ステータ18を制御するための制御素子等とされている。この複数の発熱部品68,70のうち発熱部品68は、制御基板20における接合部38と対応する位置に設けられており、発熱部品70は、制御基板20におけるシャフト支持部40と対応する位置に設けられている。つまり、発熱部品68は、その少なくとも一部が制御基板20の平面視にて接合部38の少なくとも一部と重なるように配置されており、発熱部品70は、その少なくとも一部が制御基板20の平面視にてシャフト支持部40の少なくとも一部と重なるように配置されている。
【0045】
シールドカバー22は、例えば鉄等の強磁性体により形成されている。このシールドカバー22は、上述の制御基板20及びベース部材14と後述するステータホルダ24の保持部76とを包囲する包囲部72と、制御基板20に対する底壁部31と反対側から制御基板20を覆う被覆部74とを有している。このシールドカバー22は、電動ポンプ10の外形部(つまり、電動ポンプ10の最も外側の部分であって外気に晒される部分)を形成している。
【0046】
ステータホルダ24は、例えば鉄等の強磁性体により形成されている。このステータホルダ24は、円筒状の保持部76を有している。この保持部76は、ステータ18と包囲部72との間に設けられている。この保持部76の内周部には、ステータコア58の外周部(ティースの先端部)が圧入されており、これにより、ステータ18は、保持部76によって保持されている。
【0047】
また、この保持部76におけるハウジング本体26側の端部には、この板状のハウジング本体26に沿って包囲部72に向けて延びる延長フランジ78が形成されている。さらに、上述のシールドカバー22の周縁部には、第一フランジ80が形成されており、ステータホルダ24の周縁部には、第二フランジ82が形成されている。この第一フランジ80及び第二フランジ82は、締結具等により互いに結合されている。なお、この第一フランジ80及び第二フランジ82は、シールドカバー22とステータホルダ24との接続部の一例である。
【0048】
そして、このようにしてシールドカバー22及びステータホルダ24が互いに固定されることにより、このシールドカバー22及びステータホルダ24によって基板収容室84が形成されている。この基板収容室84には、上述の制御基板20が収容されている。
【0049】
また、この制御基板20の基板本体64には、上述の延長フランジ78と同じ側に延びる延長部86が形成されている。そして、保持部76の側方で延長フランジ78と延長部86との間に形成された空間部88には、実装部品66よりも大型の電気部品90が配置されている。この電気部品90は、例えば雑防素子とされており、基板本体64における底壁部31側の面に実装されている。なお、ベース部材14には、底壁部31から延長部86と同じ側に延びる支持部92が形成されており、延長部86は、支持部92に重ね合わされている。
【0050】
また、ステータホルダ24の保持部76における底壁部31側の端部には、ロータ収容室28の軸方向に開口する開口部94が形成されており、この開口部94には、上述の周壁部30が挿通されている。さらに、上述のロータ16のヨーク50は、開口部94と対向するように配置されている。また、この開口部94の周縁部94Aは、保持部76における底壁部31側の端部から保持部76の径方向内側に向けて延びており、この開口部94の周縁部94Aには、ベース部材14に形成されたボスや周縁部等の突起部96が接続(当接)されている。この開口部94の周縁部94A及び突起部96は、ステータホルダ24とベース部材14との接続部の一例である。
【0051】
次に、本発明の第一実施形態の作用及び効果について説明する。
【0052】
本発明の第一実施形態に係る電動ポンプ10によれば、金属製のベース部材14には、ロータ収容室28の底壁部31が形成されており、この底壁部31には、ロータ収容室28と反対側から制御基板20が重ね合わされている。従って、ロータ収容室28に流入する液体により制御基板20の熱を底壁部31を介して吸収することができるので、制御基板20を冷却(水冷)することができる。これにより、制御基板20に対する冷却性を確保することができる。
【0053】
しかも、この電動ポンプ10は、強磁性体により形成されたシールドカバー22を有しており、制御基板20は、このシールドカバー22の包囲部72によって包囲されると共に、このシールドカバー22の被覆部74によって底壁部31と反対側から覆われている。従って、この強磁性体により形成されたシールドカバー22により制御基板20が遮蔽されるので、制御基板20に対する電磁シールド性も確保することができる。
【0054】
また、この電動ポンプ10には、強磁性体により形成されたステータホルダ24が備えられており、このステータホルダ24は、シールドカバー22と共に制御基板20を収容する基板収容室84を形成している。従って、この強磁性体により形成されたステータホルダ24により制御基板20を遮蔽する領域が拡大されるので、制御基板20に対する電磁シールド性を向上させることができる。
【0055】
しかも、ステータ18を保持する保持部76を有するステータホルダ24で基板収容室84を形成しているので(ステータ18を保持する部材と基板収容室84を形成する部材を兼用しているので)、部材点数の増加を抑制することができる。これにより、コストを低減することができる。
【0056】
また、ステータホルダ24は、周壁部30が挿通された開口部94を有しているが、ロータ16のヨーク50は、強磁性体により形成されると共に、この開口部94と対向している。従って、このヨーク50により開口部94の遮蔽性を高めることができるので、制御基板20に対する電磁シールド性をより向上させることができる。
【0057】
また、シールドカバー22は、電動ポンプ10の外形部を形成している。従って、シールドカバー22が外気に晒されて冷却されることにより、このシールドカバー22に覆われた制御基板20を冷却(空冷)することができる。
【0058】
しかも、シールドカバー22とステータホルダ24、及び、ステータホルダ24とベース部材14とは、それぞれ互いに接続されている。従って、シールドカバー22が外気に晒されて冷却されることにより、各接続部を介してベース部材14を冷却することができる。これにより、このベース部材14に形成された底壁部31と重ね合わされた制御基板20を冷却(空冷)することができるので、制御基板20に対する冷却性を向上させることができる。
【0059】
特に、シールドカバー22とステータホルダ24との接続部は、シールドカバー22の周縁部に形成された第一フランジ80と、ステータホルダ24の周縁部に形成され第一フランジ80と結合された第二フランジ82とされている。従って、フランジを用いた接続部とすることにより、シールドカバー22とステータホルダ24との接続面積を確保することができるので、シールドカバー22とステータホルダ24との間の熱伝達性を高めることができる。これにより、ベース部材14に形成された底壁部31をより冷却することができるので、この底壁部31と重ね合わされた制御基板20に対する冷却性をより向上させることができる。
【0060】
また、保持部76の側方で延長フランジ78と延長部86との間には、空間部88が形成されており、この空間部88には、大型の電気部品90が配置されている。従って、この空間部88が電気部品90の配置のために利用されているので、電動ポンプ10を小型化することができる。
【0061】
また、底壁部31には、ロータ収容室28側に突出して周壁部30と接続された接合部38と、ロータ収容室28の内部に突出するシャフト支持部40が形成されている。従って、この接合部38及びシャフト支持部40によりロータ収容室28内の液体と底壁部31との接触面積を拡大することができるので、底壁部31をより冷却することができる。
【0062】
しかも、制御基板20の発熱部品68,70は、この制御基板20における接合部38及びシャフト支持部40とそれぞれ対応する位置に設けられている。従って、接合部38及びシャフト支持部40を通じて発熱部品68,70の熱を効率良く吸収することができる。これにより、発熱部品68,70に対する冷却性を向上させることができる。
【0063】
次に、本発明の第一実施形態の変形例について説明する。
【0064】
本発明の第一実施形態において、ポンプ室36は、電動ポンプ10の取付対象物34に形成されていたが、電動ポンプ10に形成されていても良い(電動ポンプ10がポンプ室36を有していても良い)。
【0065】
また、底壁部31には、制御基板20のうちの基板本体64が重ね合わされていた。しかしながら、
図3に示されるように、基板本体64における底壁部31側の面に実装部品66が実装され、この実装部品66が底壁部31にロータ収容室28と反対側から重ね合わされていても良い。また、この場合に、実装部品66は、底壁部31との間に例えば伝熱シートや伝熱ゲル等の介在物を介して底壁部31に重ね合わされていても良く、また、発熱部品68,70は、制御基板20における接合部38及びシャフト支持部40とそれぞれ対応する位置に設けられていても良い。
【0066】
また、接合部38は、ロータ収容室28側に突出されていたが、底壁部31に凹状に形成されていても良い。同様に、シャフト44部材も底壁部31に凹状に形成されていても良い。
【0067】
また、シールドカバー22とステータホルダ24との接続部は、シールドカバー22の周縁部に形成された第一フランジ80と、ステータホルダ24の周縁部に形成された第二フランジ82とされていたが、その他の接続部分を有していても良い。
【0068】
また、ステータホルダ24とベース部材14との接続部は、保持部76に形成された開口部94の周縁部94Aと、ベース部材14に形成された突起部96とされていたが、その他の接続部分を有していても良い。
【0069】
なお、上記複数の変形例は、適宜、組み合わされて実施可能である。
【0070】
[第二実施形態]
次に、本発明の第二実施形態について説明する。
【0071】
図4,
図5に示される本発明の第二実施形態に係る電動ポンプ110は、上述の本発明の第一実施形態に係る電動ポンプ10(
図1〜
図3参照)に対し、次のように構成が変更されている。
【0072】
つまり、本発明の第二実施形態に係る電動ポンプ110において、ステータホルダ24は、円筒状に形成されている。このステータホルダ24の内周部には、ステータコア58の外周部(ティースの先端部)が圧入されている。
【0073】
また、ベース部材14は、円筒状の保持部176を有している。この保持部176は、ステータ18と包囲部72との間(より具体的には、ステータホルダ24と包囲部72との間)に設けられている。この保持部176の内側には、ステータホルダ24と共にステータ18が収容されており、ステータ18は、このステータホルダ24と共に保持部176によって保持されている。
【0074】
この保持部176におけるハウジング本体26側の端部には、この板状のハウジング本体26に沿って包囲部72に向けて延びる延長フランジ178が形成されている。さらに、ベース部材14の周縁部には、シールドカバー22の周縁部に形成された第一フランジ80と対応する位置に第二フランジ182が形成されている。この第一フランジ80及び第二フランジ182は、締結具等により互いに結合されている。なお、この第一フランジ80及び第二フランジ182は、シールドカバー22とベース部材14との接続部の一例である。
【0075】
そして、このようにしてシールドカバー22及びベース部材14が互いに固定されることにより、このシールドカバー22及びベース部材14によって基板収容室184が形成されている。この基板収容室184には、上述の制御基板20が収容されている。
【0076】
また、基板本体64に形成された延長部86は、延長フランジ178と同じ側に延びると共に、ベース部材14の底壁部31に対して包囲部72側に突出されている。そして、保持部176の側方には、延長フランジ178と延長部86との間に空間部188が形成されており、この空間部188には、上述の大型の電気部品90が配置されている。
【0077】
なお、本発明の第二実施形態において、上記以外の構成は、上述の本発明の第一実施形態と同様である。
【0078】
次に、本発明の第二実施形態の作用及び効果について説明する。
【0079】
本発明の第二実施形態に係る電動ポンプ110によっても、金属製のベース部材14には、ロータ収容室28の底壁部31が形成されており、この底壁部31には、ロータ収容室28と反対側から制御基板20が重ね合わされている。従って、ロータ収容室28に流入する液体により制御基板20の熱を底壁部31を介して吸収することができるので、制御基板20を冷却(水冷)することができる。これにより、制御基板20に対する冷却性を確保することができる。
【0080】
しかも、この電動ポンプ110は、強磁性体により形成されたシールドカバー22を有しており、制御基板20は、このシールドカバー22の包囲部72によって包囲されると共に、このシールドカバー22の被覆部74によって底壁部31と反対側から覆われている。従って、この強磁性体により形成されたシールドカバー22により制御基板20が遮蔽されるので、制御基板20に対する電磁シールド性も確保することができる。
【0081】
また、ベース部材14は、ロータ収容室28の底壁部31に加えて、ステータ18を保持する保持部176を有している(ロータ収容室28の底壁部31を形成する部材とステータ18を保持する部材を兼用している)。従って、部材点数の増加を抑制することができるので、コストを低減することができる。
【0082】
また、シールドカバー22は、電動ポンプ110の外形部を形成している。従って、シールドカバー22が外気に晒されて冷却されることにより、このシールドカバー22に覆われた制御基板20を冷却(空冷)することができる。
【0083】
しかも、シールドカバー22とベース部材14とは、互いに接続されている。従って、シールドカバー22が外気に晒されて冷却されることにより、シールドカバー22との接続部を介してベース部材14を冷却することができる。これにより、このベース部材14に形成された底壁部31と重ね合わされた制御基板20を冷却(空冷)することができるので、制御基板20に対する冷却性を向上させることができる。
【0084】
特に、シールドカバー22とベース部材14との接続部は、シールドカバー22の周縁部に形成された第一フランジ80と、ベース部材14の周縁部に形成され第一フランジ80と結合された第二フランジ182とされている。従って、フランジを用いた接続部とすることにより、シールドカバー22とベース部材14との接続面積を確保することができるので、シールドカバー22とベース部材14との間の熱伝達性を高めることができる。これにより、ベース部材14に形成された底壁部31をより冷却することができるので、この底壁部31と重ね合わされた制御基板20に対する冷却性をより向上させることができる。
【0085】
また、保持部176の側方で延長フランジ178と延長部86との間には、空間部188が形成されており、この空間部188には、大型の電気部品90が配置されている。従って、この空間部188が電気部品90の配置のために利用されているので、電動ポンプ110を小型化することができる。
【0086】
また、底壁部31には、ロータ収容室28側に突出して周壁部30と接続された接合部38と、ロータ収容室28の内部に突出するシャフト支持部40が形成されている。従って、この接合部38及びシャフト支持部40によりロータ収容室28内の液体と底壁部31との接触面積を拡大することができるので、底壁部31をより冷却することができる。
【0087】
しかも、制御基板20の発熱部品68,70は、この制御基板20における接合部38及びシャフト支持部40とそれぞれ対応する位置に設けられている。従って、接合部38及びシャフト支持部40を通じて発熱部品68,70の熱を効率良く吸収することができる。これにより、発熱部品68,70に対する冷却性を向上させることができる。
【0088】
なお、本発明の第二実施形態においても、上述の本発明の第一実施形態と同様の変形例を採用することが可能である。
【0089】
以上、本発明の一態様について説明したが、本発明は、上記に限定されるものでなく、上記以外にも、その主旨を逸脱しない範囲内において種々変形して実施可能であることは勿論である。