(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
環状の継鉄を構成すると共に前記継鉄の周方向に分割された複数の継鉄構成部と、それぞれ前記継鉄構成部から前記継鉄の径方向に突出された複数のティース部とを一体に有する複数のコア構成部と、
それぞれ前記ティース部に巻回された巻回部を複数有する複数の巻線と、
前記各コア構成部に一体化され前記ティース部と前記巻回部とを絶縁する絶縁部を複数有すると共に、前記複数の絶縁部を連結する連結部を有する複数のインシュレータと、
を備え、
前記複数のインシュレータの各々に前記複数のコア構成部が組み付けられることにより、互いに独立して形成された複数のグループのステータ構成部が構成され、
前記複数のグループのステータ構成部の各々では、隣り合う前記複数のコア構成部が他のグループの前記コア構成部の少なくとも1個分以上の隙間を空けて配置されており、
前記複数のグループのステータ構成部が互いに組み付けられた状態では、前記隙間に他のグループのコア構成部が配置され、
前記各巻線は、前記複数の巻回部を接続すると共に、前記連結部に配線された複数の渡り線を有し、
前記複数の連結部は、前記継鉄の径方向及び軸方向のいずれか一方向、又は、それらを組み合わせた方向に間隙を有して配置され、
前記複数の連結部のうちいずれかの連結部には、他のグループの前記渡り線が通過する切欠きが形成されている、
ステータ。
前記一対の巻回部のうち前記ティース部に緩み方向に巻回されている巻回部と前記一対の巻回部の間の渡り線とは、前記ティース部から導出された導出部によって繋がれており、
前記インシュレータには、前記導出部が係止された凸部が形成され、
前記一対の巻回部のうち前記ティース部に緩み方向に巻回されている巻回部は、前記導出部が前記凸部に係止されることにより緩みが規制されている、
請求項7に記載のステータ。
前記ステータ構成部形成工程と前記ステータ形成工程との間において、前記複数のグループのステータ構成部の各々について前記巻回部を押圧して圧縮変形させる圧縮工程を備えた、
請求項10に記載のステータの製造方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1に記載の技術を例えばインナロータタイプの回転電機に用いられる電機子に適用した場合、複数の歯部は、各継鉄構成部の径方向内側に向けて突出することになる。このため、コイルを各継鉄構成部の径方向外側からフライヤ装置のフライヤによって巻回することが困難となる。従って、コイルを各継鉄構成部の径方向内側からノズル装置のノズルによって巻回する必要があるが、この場合には、ノズルが通過するスペースを確保する必要があるため、コイルの高占積化が困難となり、回転電機の小型化に不利となる。また、ノズル装置を用いる場合には、フライヤ装置を用いる場合に比して巻線の巻回速度が低いため、コイルを巻回する工程の高速化、ひいては、設備台数削減による低コスト化に不利となる。
【0005】
なお、フライヤ装置は、フライヤを歯部の周囲を旋回するように円運動させながら、可変フォーマでコイルを整列させて歯部に巻回する装置であり、ノズル装置は、ノズルを歯部の周囲に旋回させる工程とノズルを軸方向にスライドさせる工程とを交互に繰り返してコイルを歯部に巻回する装置である。
【0006】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであって、ブラシレスモータに用いられるステータについて、小型化及び低コスト化を実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
環状の継鉄を構成すると共に前記継鉄の周方向に分割された複数の継鉄構成部と、それぞれ前記継鉄構成部から前記継鉄の径方向に突出された複数のティース部とを一体に有する複数のコア構成部と、それぞれ前記ティース部に巻回された巻回部を複数有する複数の巻線と、前記各コア構成部に一体化され前記ティース部と前記巻回部とを絶縁する絶縁部を複数有すると共に、前記複数の絶縁部を連結する連結部を有する複数のインシュレータと、を備え、前記複数のインシュレータの各々に前記複数のコア構成部が組み付けられることにより、互いに独立して形成された複数のグループのステータ構成部が構成され、
前記複数のグループのステータ構成部の各々では、隣り合う前記複数のコア構成部が
他のグループの前記コア構成部の少なくとも1個
分以上の隙間を空けて配置されており、前記複数のグループのステータ構成部が互いに組み付けられた状態では、前記隙間に他のグループのコア構成部が配置され、
前記各巻線は、前記複数の巻回部を接続すると共に、前記連結部に配線された複数の渡り線を有し、前記複数の連結部は、前記継鉄の径方向及び軸方向のいずれか一方向、又は、それらを組み合わせた方向に間隙を有して配置され、前記複数の連結部のうちいずれかの連結部には、他のグループの前記渡り線が通過する切欠きが形成されている。
【0008】
このステータは、上記構成により、例えば、次の要領で製造される。すなわち、先ず、各インシュレータの絶縁部にコア構成部を一体化して、複数のグループ毎にサブアッセンブリを形成する。続いて、この各サブアッセンブリの各ティース部に径方向外側から巻線を巻線巻回装置を用いて巻回して、複数のグループ毎にステータ構成部を形成する。そして、この複数のステータ構成部を互いに組み付けてステータを形成する。以上の要領により、ステータは製造される。
【0009】
ここで、このステータでは、継鉄が周方向に分割された複数の継鉄構成部によって構成されている。このため、継鉄の径方向に複数のティース部が突出されたタイプのブラシレスモータに用いられるステータであっても、上述のように、複数のグループ毎にサブアッセンブリを形成し、この各サブアッセンブリの各ティース部に径方向外側から巻線を巻線巻回装置を用いて巻回することができる。従って、巻線の高占積化が可能となり、ステータの小型化を実現することができる。
【0010】
しかも、上述のように、継鉄は、周方向に複数の継鉄構成部に分割されているので、例えば、継鉄が軸方向に複数の継鉄構成部に分割された場合に比して、ステータを軸方向に小型化することができる。
【0011】
また、複数のグループ毎にサブアッセンブリを形成し、この各サブアッセンブリの各ティース部に径方向外側から巻線を巻回するので、巻線を巻回する工程の高速化、ひいては、設備台数削減によりステータの低コスト化を実現することができる。
【0012】
さらに、複数のグループのステータ構成部の各々では、隣り合う複数のコア構成部が少なくとも1個以上の隙間を空けて配置されている。従って、上述の如く、各サブアッセンブリの各ティース部に径方向外側から巻線を巻線巻回装置を用いて巻回する場合でも、巻線巻回装置が他のコア構成部と干渉することを抑制することができる。
【0013】
請求項2に記載のステータは、請求項1に記載のステータにおいて、前記ティース部が、前記継鉄構成部から前記継鉄の径方向内側に向けて突出された構成とされている。
【0014】
このように、ティース部が、継鉄構成部から継鉄の径方向内側に向けて突出されていても、継鉄が周方向に分割された複数の継鉄構成部によって構成されているので、各サブアッセンブリの各ティース部に径方向外側から巻線を巻線巻回装置を用いて巻回することができる。
【0015】
請求項3に記載のステータは、請求項1又は請求項2に記載のステータにおいて、前記絶縁部が、前記ステータ構成部の軸方向に延出する延出側壁部を有し、前記複数のグループのステータ構成部の各々では、前記ステータ構成部の接線方向に延び前記延出側壁部を通過する仮想接線に対し、一の前記コア構成部における前記継鉄構成部の周方向端部が、一の前記コア構成部と隣り合う他の前記コア構成部と反対側に位置された構成とされている。
【0016】
このステータによれば、複数のグループのステータ構成部の各々では、ステータ構成部の接線方向に延び延出側壁部を通過する仮想接線に対し、一のコア構成部における継鉄構成部の周方向端部が、一のコア構成部と隣り合う他のコア構成部と反対側に位置されている。従って、上述の如く、各サブアッセンブリの各ティース部に径方向外側から巻線を巻線巻回装置を用いて巻回する場合でも、巻線巻回装置が他のコア構成部、特に、継鉄構成部の周方向端部と干渉することを抑制することができる。
【0017】
請求項4に記載のステータは、請求項1に記載のステータにおいて、前記ティース部が、前記継鉄構成部から前記継鉄の径方向外側に向けて突出された構成とされている。
【0018】
このように、ティース部が、継鉄構成部から継鉄の径方向外側に向けて突出されていると、隣り合うティース部の先端部間の間隔を確保することができるので、各ティース部に径方向外側から巻線を巻線巻回装置を用いて巻回することができる。
【0019】
請求項5に記載のステータは、請求項4に記載のステータにおいて、隣り合う前記継鉄構成部は、凹凸嵌合部により互いに嵌合された構成とされている。
【0020】
このように、隣り合う継鉄構成部が、凹凸嵌合部により互いに嵌合されていると、継鉄の剛性を高めることができる。
【0021】
請求項6に記載のステータは、請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載のステータにおいて、前記巻回部が、押圧されて圧縮変形された構成とされている。
【0022】
このステータによれば、巻回部は、押圧されて圧縮変形されている。従って、巻回部の膨らみを抑制して、巻線の高占積化を図ることができると共に、押圧機による押圧作業のためのスペースを確保することができる。
【0023】
請求項7に記載のステータは、請求項1に記載のステータにおいて、前記複数のグループのステータ構成部の各々が、互いに異なる相の組み合わせにより構成され、前記各ステータ構成部では、前記複数のティース部が等間隔に配置され、複数の巻回部のうち前記複数のステータ構成部の中心軸を中心に対向する一対の巻回部が、同一の巻線により形成されると共に、互いに逆巻に形成された構成とされている。
【0024】
このステータによれば、各ステータ構成部では、複数のティース部が等間隔に配置されており、複数のティース部の間の間隔がそれぞれ確保されている。従って、このティース部に容易に巻線を巻回することができる。
【0025】
請求項8に記載のステータは、請求項7に記載のステータにおいて、前記一対の巻回部のうち前記ティース部に緩み方向に巻回されている巻回部と前記一対の巻回部の間の渡り線とが、前記ティース部から導出された導出部によって繋がれており、前記インシュレータには、前記導出部が係止された凸部が形成され、前記一対の巻回部のうち前記ティース部に緩み方向に巻回されている巻回部が、前記導出部が前記凸部に係止されることにより緩みが規制された構成とされている。
【0026】
このステータによれば、ティース部に緩み方向に巻回されている巻回部は、導出部が凸部に係止されることにより緩みが規制されている。従って、ティース部に緩み方向に巻回されている巻回部の緩みを抑制することができる。
【0027】
また、前記課題を解決するために、請求項9に記載のブラシレスモータは、請求項1〜請求項8のいずれか一項に記載のステータと、前記ステータが形成する回転磁界によって回転されるロータと、を備えている。
【0028】
このブラシレスモータによれば、請求項1〜請求項8のいずれか一項に記載のステータを備えているので、小型化及び低コスト化を実現することができる。
【0029】
また、前記課題を解決するために、請求項10に記載のステータの製造方法は、請求項1〜請求項8のいずれか一項に記載のステータの製造方法であって、前記各インシュレータの前記絶縁部に前記コア構成部を一体化して、複数のグループ毎にサブアッセンブリを形成するサブアッセンブリ形成工程と、前記各サブアッセンブリの前記各ティース部に径方向外側から前記巻線を巻線巻回装置を用いて巻回して、前記複数のグループ毎に前記ステータ構成部を形成するステータ構成部形成工程と、前記複数のステータ構成部を互いに組み付けてステータを形成するステータ形成工程と、を備えている。
【0030】
このステータの製造方法によれば、複数のグループ毎にサブアッセンブリを形成し、この各サブアッセンブリの各ティース部に径方向外側から巻線を巻線巻回装置を用いて巻回するので、ノズル装置を用いた場合のようにティース部の間にスペースを確保する必要がない。従って、巻線の高占積化が可能となり、ステータの小型化を実現することができる。
【0031】
また、複数のグループ毎にサブアッセンブリを形成し、この各サブアッセンブリの各ティース部に径方向外側から巻線を巻回するので、巻線を巻回する工程の高速化、ひいては、設備台数削減によりステータの低コスト化を実現することができる。
【0032】
請求項11に記載のステータの製造方法は、請求項10に記載のステータの製造方法における前記ステータ構成部形成工程と前記ステータ形成工程との間において、前記複数のグループのステータ構成部の各々について前記巻回部を押圧して圧縮変形させる圧縮工程を備えている。
【0033】
このステータの製造方法によれば、圧縮工程において、巻回部を押圧して圧縮変形させる。従って、巻回部の膨らみを抑制して、巻線の高占積化を図ることができると共に、押圧機による押圧作業のためのスペースを確保することができる。
【0034】
請求項12に記載のステータの製造方法は、請求項11に記載のステータの製造方法において、前記圧縮工程では、前記巻回部を前記ティース部の軸線方向と交差する方向から押圧する。
【0035】
このステータの製造方法によれば、圧縮工程において、巻回部をティース部の軸線方向と交差する方向から押圧するので、巻回部の膨らみをより一層抑制して、巻線の高占積化を図ることができる。
【0036】
請求項13に記載のステータの製造方法は、請求項11又は請求項12に記載のステータの製造方法において、前記圧縮工程では、前記巻回部を前記ティース部の軸線方向と交差する方向の両側から押圧する。
【0037】
このステータの製造方法によれば、圧縮工程において、巻回部をティース部の軸線方向と交差する方向の両側から押圧するので、巻回部をより一層圧縮変形させることができる。
【0038】
請求項14に記載のステータの製造方法は、請求項11〜請求項13のいずれか一項に記載のステータの製造方法において、前記圧縮工程では、前記巻回部への押圧方向が前記ステータ構成部の接線方向となるように、前記巻回部を押圧する。
【0039】
このステータの製造方法によれば、圧縮工程において、巻回部への押圧方向がステータ構成部の接線方向となるように、巻回部を押圧する。ここで、複数のグループのステータ構成部の各々では、隣り合う複数のコア構成部が少なくとも1個以上の隙間を空けて配置されている。従って、押圧機がコア構成部と干渉することを抑制しつつ、巻回部を押圧することができる。
【発明を実施するための形態】
【0041】
[第一実施形態]
はじめに、本発明の第一実施形態について説明する。
【0042】
図1に示される本発明の第一実施形態に係るステータ10は、インナロータタイプのブラシレスモータに用いられるものであり、
図2A〜
図2Cに示されるU相のステータ構成部12U、V相のステータ構成部12V、W相のステータ構成部12Wによって構成されている。
【0043】
なお、以下の説明において、各部材及び各部について、U相、V相、W相の区別をする場合には、符合の末尾にU,V,Wを付加し、U相、V相、W相の区別をしない場合には、便宜上、符合の末尾からU,V,Wの記載を省略する。
【0044】
図2Aに示されるように、U相のステータ構成部12Uは、複数のコア構成部14Uと、巻線16Uと、インシュレータ18Uを有して構成されている。複数のコア構成部14Uは、後述するV相の複数のコア構成部14Vと、W相の複数のコア構成部14Wとでコア20(いずれも
図1参照)を構成するものであり、それぞれ複数の継鉄構成部22Uと、複数のティース部24Uとを有している。
【0045】
複数の継鉄構成部22Uは、後述するV相の複数の継鉄構成部22Vと、W相の複数の継鉄構成部22Wとで環状の継鉄40(いずれも
図1参照)を構成するものであり、それぞれ円弧状に形成されている。複数のティース部24Uは、それぞれ継鉄構成部22Uに一体に形成されており、この継鉄構成部22Uから継鉄40(
図1参照)の径方向内側に向けて突出されている。
【0046】
巻線16Uは、U相を構成しており、複数の巻回部26Uと、複数の渡り線28Uとを有している。複数の巻回部26Uは、それぞれ後述する絶縁部32Uを介してティース部24Uに集中的に巻回されており、複数の渡り線28Uによって互いに接続されている。渡り線28Uは、後述するインシュレータ18Uに形成された連結部34Uの外周面に沿って配線されている(巻き付けられている)。また、巻線16Uの両端側の端末部30Uは、ティース部24Uからステータ10の軸方向一方側(矢印Z1側)に導出されている。
【0047】
インシュレータ18Uは、樹脂製とされており、複数の絶縁部32Uと、連結部34Uとを一体に有している。複数の絶縁部32Uは、上述の複数のティース部24Uと同数設けられている。この複数の絶縁部32Uは、絶縁本体部33Uと延出側壁部35Uを有している。絶縁本体部33Uは、上述の複数のコア構成部14Uの表面にそれぞれ一体成形や装着嵌合される等により一体化されており、コア構成部14Uに形成されたティース部24Uと巻回部26Uとを絶縁している。延出側壁部35Uは、コア構成部14U(絶縁本体部33U)よりもステータ構成部12Uの径方向内側に位置されている。この延出側壁部35Uは、連結部34Uからステータ構成部12Uの軸方向他方側(Z2側)に延出し、絶縁本体部33Uと連結部34Uとを連結している。
【0048】
連結部34Uは、複数の絶縁部32Uの軸方向一方側(Z1側)に設けられている。この連結部34Uは、リング状に形成されており、複数の絶縁部32U(より具体的には、複数の絶縁部32Uにおける延出側壁部35Uの延出端部(Z1側の端部))を連結しており、コア構成部14Uよりも径方向内側に位置されている。この連結部34Uの外周面における複数の絶縁部32Uの間には、突起状の保持部36Uが径方向外側に向けて複数突出されている。この保持部36Uは、上述の渡り線28Uを連結部34Uの軸方向他方側(矢印Z2側)から保持している。また、連結部34Uにおける複数の絶縁部32Uの間には、軸方向他方側(矢印Z2側)に開口する切欠き38Uが複数形成されている。
【0049】
図2Bに示されるV相のステータ構成部12Vは、上述のU相のステータ構成部12Uと基本的な構成は同一とされている。つまり、このV相のステータ構成部12Vは、複数の継鉄構成部22Vと、複数のティース部24Vと、巻線16Vと、インシュレータ18Vを有して構成されている。複数の継鉄構成部22Vと、複数のティース部24Vと、巻線16Vと、インシュレータ18Vは、上述の複数の継鉄構成部22Uと、複数のティース部24Uと、巻線16Uと、インシュレータ18U(いずれも
図2A参照)に相当するものである。なお、このV相のステータ構成部12Vにおいて、連結部34Vは、リング状に形成されると共に、上述のU相の連結部34U(
図2A参照)よりも小径に形成されている。また、保持部36Vは、渡り線28Vを連結部34Vの軸方向一方側(矢印Z1側)から保持しており、且つ、コア構成部14Vよりも径方向内側に位置されている。
【0050】
また、複数の絶縁部32Vは、絶縁本体部33V、延出側壁部35V、及び、径方向延出部37Vを有している。絶縁本体部33Vは、上述の複数のコア構成部14Vの表面にそれぞれ一体成形や装着嵌合される等により一体化されており、コア構成部14Vに形成されたティース部24Vと巻回部26Vとを絶縁している。延出側壁部35Vは、コア構成部14V(絶縁本体部33V)よりもステータ構成部12Vの径方向内側に位置されている。径方向延出部37Vは、連結部34Vからステータ構成部12Vの径方向外側に延出し、延出側壁部35Vは、径方向延出部37Vの延出端からステータ構成部12Vの軸方向他方側(Z2側)に延出して絶縁本体部33Vと径方向延出部37Vとを連結している。連結部34Vは、複数の絶縁部32Vの軸方向一方側(Z1側)に設けられている。この連結部34Vは、リング状に形成されて複数の絶縁部32Vを連結しており、コア構成部14Vよりも径方向内側に位置されている。
【0051】
図2Cに示されるW相のステータ構成部12Wも、上述のU相のステータ構成部12Uと基本的な構成は同一とされている。つまり、このW相のステータ構成部12Wは、複数の継鉄構成部22Wと、複数のティース部24Wと、巻線16Wと、インシュレータ18Wを有して構成されている。複数の継鉄構成部22Wと、複数のティース部24Wと、巻線16Wと、インシュレータ18Wは、上述の複数の継鉄構成部22Uと、複数のティース部24Uと、巻線16Uと、インシュレータ18U(いずれも
図2A参照)に相当するものである。なお、このW相のステータ構成部12Wにおいて、連結部34Wは、リング状に形成されると共に、上述のV相の連結部34V(
図2B参照)よりも小径に形成されている。また、連結部34Wからは上述の切欠き(
図2Aの切欠き38U参照)が省かれている。また、保持部36Wは、渡り線28Wを連結部34Wの軸方向一方側(矢印Z1側)から保持しており、且つ、コア構成部14Wよりも径方向内側に位置されている。
【0052】
また、複数の絶縁部32Wは、絶縁本体部33W、延出側壁部35W、及び、径方向延出部37Wを有している。絶縁本体部33Wは、上述の複数のコア構成部14Wの表面にそれぞれ一体成形や装着嵌合される等により一体化されており、コア構成部14Wに形成されたティース部24Wと巻回部26Wとを絶縁している。延出側壁部35Wは、コア構成部14W(絶縁本体部33W)よりもステータ構成部12Wの径方向内側に位置されている。径方向延出部37Wは、連結部34Wからステータ構成部12Wの径方向外側に延出し、延出側壁部35Wは、径方向延出部37Wの延出端からステータ構成部12Wの軸方向他方側(Z2側)に延出して絶縁本体部33Wと径方向延出部37Wとを連結している。連結部34Wは、複数の絶縁部32Wの軸方向一方側(Z1側)に設けられている。この連結部34Wは、リング状に形成されて、複数の絶縁部32W(より具体的には、複数の絶縁部32Wにおける延出側壁部35Wの延出端部(径方向内側の端部))を連結しており、コア構成部14Wよりも径方向内側に位置されている。
【0053】
そして、
図2A〜
図2Cに示される如く、複数のインシュレータ18U,18V,18Wの各々に複数のコア構成部14U,14V,14Wが組み付けられることにより、互いに独立して形成された複数のグループ(U相、V相、W相のグループ)のステータ構成部12U,12V,12Wが構成されている。U相のステータ構成部12Uでは、隣り合う複数のコア構成部14Uがコア構成部14V,14W分(コア構成部2個分)の隙間を空けて配置されている。同様に、V相のステータ構成部12Vでは、隣り合う複数のコア構成部14Vがコア構成部14U,14W分の隙間を空けて配置されている。また、W相のステータ構成部12Wでは、隣り合う複数のコア構成部14Wがコア構成部14U,14V分の隙間を空けて配置されている。
【0054】
そして、
図1に示されるように、この複数のステータ構成部12U,12V,12Wは、後に詳述する如く、互いに組み付けられて、ステータ10を構成している。このようにして複数のグループのステータ構成部12U,12V,12Wが互いに組み付けられた状態では、上述の隣り合う複数のコア構成部14の間の隙間に他のグループのコア構成部14が配置されている。つまり、隣り合うU相のコア構成部14Uの間の隙間には、V相のコア構成部14V及びW相のコア構成部14Wが配置される。同様に、隣り合うV相のコア構成部14Vの間の隙間には、U相のコア構成部14U及びW相のコア構成部14Wが配置される。また、隣り合うW相のコア構成部14Wの間の隙間には、U相のコア構成部14U及びV相のコア構成部14Vが配置される。
【0055】
また、このステータ10では、複数の継鉄構成部22U,22V,22Wによって環状の継鉄40が形成されている。つまり、換言すれば、継鉄40は、周方向に複数の継鉄構成部22U,22V,22Wに分割されている。この複数の継鉄構成部22U,22V,22Wは、それぞれ両側に隣り合う一対の継鉄構成部の間に嵌合されている。
【0056】
また、複数の連結部34U,34V,34Wは、継鉄40の径方向内側に配置されている。この複数の連結部34U,34V,34Wは、継鉄40の径方向及び軸方向に間隙を有して配置されると共に、継鉄40と同軸上に設けられている。また、V相の保持部36Vは、U相の連結部34Uの内周面と嵌合されており、W相の保持部36Wは、V相の連結部34Vの内周面と嵌合されている。そして、これにより、複数の連結部34U,34V,34Wは、互いに径方向に離間した状態で保持されている。つまり、保持部36U,36V,36Wは、複数の連結部34U,34V,34Wの径方向間に設けられ、複数の連結部34U,34V,34Wを互いに径方向に離間した状態で保持する突起状のスペーサの役割も果たしている。
【0057】
さらに、上述のように、複数の連結部34U,34V,34Wが継鉄40の径方向に間隙を有して配置された状態では、V相の渡り線28Vは、U相の連結部34Uに形成された切欠き38Uの内側を通過しており(切欠き38Uに収容されており)、W相の渡り線28Wは、U相の連結部34Uに形成された切欠き38Uと、V相の連結部34Vに形成された切欠き38Vの内側を通過している(切欠き38Uと切欠き38Vとに収容されている(
図3Bも参照))。切欠き38U,38Vは、本発明における収容部の一例である。
【0058】
そして、上記構成からなるステータ10は、
図4に示されるように、ロータ50及びハウジング70と共にインナロータタイプのブラシレスモータ60を構成している。このブラシレスモータ60では、ステータ10によって回転磁界が形成されると、これによってロータ50が回転される構成とされている。なお、このブラシレスモータ60は、一例として、8極12スロットとされている。
【0059】
また、上述の複数のグループのステータ構成部12U,12V,12Wの各々では、
図6に示されるように、ステータ構成部12の接線方向に延び延出側壁部35を通過する仮想接線をXとした場合、一のコア構成部14と、この一のコア構成部14と隣り合う他のコア構成部14との配置関係は、次の通りとなっている。つまり、一のコア構成部14における継鉄構成部22の周方向端部22Aは、仮想接線Xに対し、他のコア構成部14と反対側に位置されている。なお、仮想接線Xにおける延出側壁部35の通過位置は、平面視にて延出側壁部35上であれば何処でも良い。
【0060】
また、この複数のグループのステータ構成部12U,12V,12Wの各々においては、後述するように、巻回部が押圧機104により押圧されて圧縮変形(高密度化整形)されている(
図7,
図8参照)。
【0061】
次に、上記構成からなるステータ10の製造方法について説明する。
【0062】
先ず、
図2Aに示されるように、インシュレータ18Uの絶縁部32Uにコア構成部14Uを一体化して、インシュレータ18U及び複数のコア構成部14UからなるU相のサブアッセンブリ42Uを形成する。同様に、
図2Bに示されるように、インシュレータ18Vの絶縁部32Vにコア構成部14Vを一体化して、インシュレータ18V及び複数のコア構成部14VからなるV相のサブアッセンブリ42Vを形成する。また、
図2Cに示されるように、インシュレータ18Wの絶縁部32Wにコア構成部14Wを一体化して、インシュレータ18U及び複数のコア構成部14VからなるW相のサブアッセンブリ42Wを形成する。そして、このようにして、複数のグループ(U相、V相、W相)毎にサブアッセンブリ42U,42V,42Wを形成する(サブアッセンブリ形成工程)。
【0063】
続いて、
図2Aに示されるように、U相のサブアッセンブリ42Uの各ティース部24Uに径方向外側から巻線16Uを巻線巻回装置の一例であるフライヤ装置100(
図5,
図6参照)を用いて巻回して、サブアッセンブリ42Uに複数の巻回部26Uが形成されたU相のステータ構成部12Uを形成する。なお、フライヤ装置100は、
図5に示されるように、ティース部24の周囲を旋回するように円運動して巻線16を巻回するフライヤ101と、ティース部24に巻回された巻線16を整列させる可変フォーマ102と、これらを制御する駆動回路103とを有している。
【0064】
同様に、
図2Bに示されるように、V相のサブアッセンブリ42Vの各ティース部24Vに径方向外側から巻線16Vを上述のフライヤ装置100を用いて巻回して、サブアッセンブリ42Vに複数の巻回部26Vが形成されたV相のステータ構成部12Vを形成する。また、
図2Cに示されるように、W相のサブアッセンブリ42Wの各ティース部24Wに径方向外側から巻線16Wを上述のフライヤ装置100を用いて巻回して、サブアッセンブリ42Wに複数の巻回部26Wが形成されたW相のステータ構成部12Wを形成する。
【0065】
このとき、
図2Aに示されるように、複数の渡り線28Uについては、連結部34Uの外周面に沿って配線する。また、この複数の渡り線28Uを突起状の保持部36Uによって連結部34Uの軸方向他方側(矢印Z2側)から保持する。同様に、
図2Bに示されるように、複数の渡り線28Vについては、連結部34Vの外周面に沿って配線する。また、この複数の渡り線28Vを突起状の保持部36Vによって連結部34Vの軸方向一方側(矢印Z1側)から保持する。また、
図2Cに示されるように、複数の渡り線28Wについては、連結部34Wの外周面に沿って配線する。また、この複数の渡り線28Wを突起状の保持部36Wによって連結部34Wの軸方向一方側(矢印Z1側)から保持する。
【0066】
また、
図2Aに示されるように、巻線16Uの両端側の端末部30Uについては、ティース部24Uからステータ10の軸方向一方側(矢印Z1側)に導出させる。同様に、
図2Bに示されるように、巻線16Vの両端側の端末部30Vについては、ティース部24Vからステータ10の軸方向一方側に導出させる。また、
図2Cに示されるように、巻線16Wの両端側の端末部30Wについては、ティース部24Wからステータ10の軸方向一方側に導出させる。そして、このようにして、複数のグループ(U相、V相、W相)毎にステータ構成部12U,12V,12Wを形成する(ステータ構成部形成工程)。
【0067】
また、この複数のグループのステータ構成部12U,12V,12Wの各々について、
図7,
図8に示されるように、押圧機104により巻回部26を押圧して圧縮変形させる(圧縮工程)。このとき、巻回部26をティース部24の軸線方向と交差(例えば、直交)する方向の両側から押圧する。さらに、このとき、巻回部26への押圧方向がステータ構成部12の接線方向となるように、巻回部26を押圧する。
【0068】
続いて、
図3A,
図3Bに示されるように、W相のステータ構成部12Wに対し、V相のステータ構成部12Vを周方向に所定の角度ずらした状態で、V相のステータ構成部12Vを軸方向一方側(矢印Z1側)からW相のステータ構成部12Wに組み付ける。また、V相のステータ構成部12Vに対し、U相のステータ構成部12Uを周方向に所定の角度ずらした状態で、U相のステータ構成部12Uを軸方向一方側(矢印Z1側)からV相のステータ構成部12V及びW相のステータ構成部12Wに組み付ける。
【0069】
このとき、この複数の継鉄構成部22U,22V,22Wについては、それぞれ両側に隣り合う一対の継鉄構成部の間に嵌合する。また、V相の保持部36Vについては、U相の連結部34Uの内周面に嵌合し、W相の保持部36Wについては、V相の連結部34Vの内周面に嵌合する。そして、このようにして、複数の連結部34U,34V,34Wを突起状の保持部36U,36V,36Wによって互いに径方向に離間した状態で保持する。
【0070】
さらに、このときには、V相の渡り線28Vを、U相の連結部34Uに形成された切欠き38Uの内側に通過させ、W相の渡り線28Wを、U相の連結部34Uに形成された切欠き38Uと、V相の連結部34Vに形成された切欠き38Vの内側に通過させる。そして、このようにして、複数のステータ構成部12U,12V,12Wを互いに組み付けてステータ10を形成する(ステータ形成工程)。なお、端末部30U,30V,30Wについては、図示しないバスバー等により結線する。以上の要領により、ステータ10は製造される。
【0071】
次に、本発明の第一実施形態の作用及び効果について説明する。
【0072】
本発明の第一実施形態によれば、継鉄40が周方向に分割された複数の継鉄構成部22によって構成されている。このため、継鉄40の径方向内側に向けて複数のティース部24が突出された所謂インナロータタイプのブラシレスモータに用いられるステータであっても、上述のように、U相、V相、W相毎にサブアッセンブリ42を形成し、この各サブアッセンブリ42の各ティース部24に径方向外側から巻線16をフライヤ装置100(
図5,
図6参照)を用いて巻回することができる。従って、ノズル装置を用いた場合のようにティース部24の間にスペースを確保する必要がないため、巻線16の高占積化が可能となり、ステータ10の小型化を実現することができる。
【0073】
しかも、上述のように、継鉄40は、周方向に複数の継鉄構成部22に分割されているので、例えば、継鉄40が軸方向に複数の継鉄構成部に分割された場合に比して、ステータ10を軸方向に小型化することができる。
【0074】
また、上述のように、U相、V相、W相毎にサブアッセンブリ42を形成し、この各サブアッセンブリ42の各ティース部24に径方向外側から巻線16を巻回するので、巻線を巻回する工程の高速化、ひいては、設備台数削減によりステータの低コスト化を実現することができる。
【0075】
特に、フライヤ装置100を用いる場合には、ノズル装置を用いる場合に比して巻線16の巻回速度が高いため、巻線16を巻回する工程のより高速化、ひいては、ステータ10の更なる低コスト化を実現することができる。
【0076】
さらに、複数のグループ(U相、V相、W相)のステータ構成部12の各々では、隣り合う複数のコア構成部14がコア構成部2個分の隙間を空けて配置されている。従って、上述の如く、各サブアッセンブリの各ティース部24に径方向外側から巻線16をフライヤ装置100を用いて巻回する場合でも、フライヤ装置100が他のコア構成部14と干渉することを抑制することができる。
【0077】
また、ティース部24が、継鉄構成部22から継鉄40の径方向内側に向けて突出されていても、継鉄40が周方向に分割された複数の継鉄構成部22によって構成されているので、各サブアッセンブリの各ティース部24に径方向外側から巻線16をフライヤ装置100を用いて巻回することができる。
【0078】
また、複数のグループのステータ構成部12の各々では、
図6に示されるように、ステータ構成部12の接線方向に延び延出側壁部35を通過する仮想接線をXとした場合、一のコア構成部14における継鉄構成部22の周方向端部22Aは、仮想接線Xに対し、この一のコア構成部14と隣り合う他のコア構成部14と反対側に位置されている。従って、上述の如く、各サブアッセンブリの各ティース部24に径方向外側から巻線16をフライヤ装置100を用いて巻回する場合でも、フライヤ装置100が他のコア構成部14、特に、継鉄構成部22の周方向端部22Aと干渉することを抑制することができる。
【0079】
つまり、仮に、
図17に示されるように、一のコア構成部14における継鉄構成部22の周方向端部22Aが、仮想接線Xに対し、他のコア構成部14と同じ側に位置されていた場合には、フライヤ装置100が継鉄構成部22の周方向端部22Aと干渉する。ところが、本実施形態によれば、これを抑制することができる。
【0080】
また、巻回部26は、押圧機104により押圧されて圧縮変形(高密度化整形)されている。従って、巻回部26の膨らみを抑制して、巻線16の高占積化を図ることができると共に、押圧機104による押圧作業のためのスペースを確保することができる。
【0081】
また、圧縮工程において、巻回部26をティース部24の軸線方向と交差する方向から押圧する。従って、
図8に示されるように、ティース部24と巻回部26との間に隙間が生じていたり、巻回部26において各巻線の間に隙間が生じている場合でも、巻回部26の膨らみをより一層抑制して、巻線16の高占積化を図ることができる。特に、この圧縮工程において、巻回部26をティース部24の軸線方向と交差する方向の両側から押圧するので、巻回部16をより一層圧縮変形させることができる。
【0082】
さらに、圧縮工程において、巻回部26への押圧方向がステータ構成部12の接線方向となるように、巻回部26を押圧する。ここで、複数のグループのステータ構成部12の各々では、隣り合う複数のコア構成部14がコア構成部2個分の隙間を空けて配置されている。従って、押圧機104がコア構成部14と干渉することを抑制しつつ、巻回部26を押圧することができる。
【0083】
また、U相のステータ構成部12Uにおいて、延出側壁部35Uは、コア構成部14Uよりも径方向内側に位置されている。従って、ティース部24Uに径方向外側から巻線16Uをフライヤ装置100を用いて巻回する際に、フライヤ装置100のフライヤと延出側壁部35Uや連結部34Uが干渉することを抑制することができる。
【0084】
また、V相のステータ構成部12V、及び、W相のステータ12Wにおいて、連結部34V,34Wは、コア構成部14V,14Wよりも径方向内側にそれぞれ位置されている。従って、ティース部24V,24Wにそれぞれ径方向外側から巻線をフライヤ装置100を用いて巻回する際に、フライヤ装置100のフライヤと連結部34V,34Wが干渉することも抑制することができる。
【0085】
また、複数の継鉄構成部22は、ティース部24に一体に形成されているので、例えば、先端部が互いに薄肉状の橋渡し部で連結された複数のティース部と、このティース部の基端部を連結する継鉄とを独立した部材として有する二分割タイプのコアに比べて、各連結部での磁気ロスを抑制することができる。つまり、二分割タイプのコアでは、隣り合う一対のティース部の先端部間の橋渡し部と、一対のティース部の基端部及び継鉄の連結部との3箇所で磁気ロスが生じる。これに対し、本実施形態のステータ10では、隣り合う一対の継鉄構成部22間の連結部の1箇所で磁気ロスが生じるだけであるので、磁気ロスを低減することができる。これにより、より一層の小型化、軽量化を図ることが可能となる。
【0086】
次に、本発明の第一実施形態の変形例について説明する。
【0087】
本発明の第一実施形態において、ブラシレスモータは、一例として、8極12スロットとされていたが、磁極の数及びスロットの数は、その他の組み合わせとされていても良い。
【0088】
また、複数の巻線16U,16V,16Wの結線方法は、直列及び並列ともに、スター結線、デルタ結線とされていても良い。
【0089】
また、保持部36は、渡り線28を保持する保持部としての機能と、複数の連結部34を互いに径方向に離間した状態で保持する突起状のスペーサとしての機能を有していたが、保持部36及びスペーサがそれぞれ独立して設けられていても良い。
【0090】
また、保持部36は、全ての連結部34に形成されていたが、U相の連結部34U及びW相の連結部34Wから保持部36U,36Wが省かれる代わりに、V相の連結部34Vの外周面及び内周面にU相の連結部34Uの内周面及びW相の連結部34Wの外周面と嵌合されるスペーサが保持部36とは別に形成されていても良い。
【0091】
また、複数の連結部34U,34V,34Wは、
図9Aに示されるように、継鉄40の径方向及び軸方向に間隙を有して配置されていたが、
図9Bに示されるように、継鉄40の軸方向に間隙を有して配置されていても良く、
図9Cに示されるように、継鉄40の径方向に間隙を有して配置されていても良い。また、この場合に、複数の連結部34U,34V,34Wにおいて互いに当接(又は嵌合)された部分がスペーサとされ、このスペーサにより、複数の連結部34U,34V,34Wが互いに位置決めされても良い。また、その上で、このスペーサが渡り線28を保持する保持部としての機能を有していても良い。
【0092】
また、連結部34は、複数の絶縁部32Uの軸方向一方側(Z1側)にのみ設けられていたが、複数の絶縁部32Uの軸方向他方側(Z2側)にのみ、又は、複数の絶縁部32Uの軸方向両側に設けられていても良い。
【0093】
また、連結部34は、継鉄40と同軸上に設けられていたが、継鉄40と同軸上に設けられていなくても良い。また、連結部34は、リング状に形成されていたが、例えば、多角形状に形成されていても良く、また、一部切欠きを有したC字状等、その他の形状とされていても良い。
【0094】
また、切欠き38U,38Vには、本発明における他の部材の一例として、渡り線28V,28Wが収容されていたが、その他の部材が収容されても良い。
【0095】
また、保持部36は、突起状に形成されていたが、例えば、ステータ10の周方向に沿って円弧状に延びていても良く、また、その他の形状とされていても良い。
【0096】
また、ステータ10は、継鉄40の径方向内側に向けて複数のティース部24が突出された所謂インナロータタイプのブラシレスモータ用とされていたが、継鉄40の径方向外側に向けて複数のティース部24が突出された所謂アウタロータタイプのブラシレスモータ用とされていても良い。
【0097】
また、本発明の第一実施形態では、巻線16を巻回するために、フライヤ装置100が用いられていたが、ノズル装置が用いられても良い。
【0098】
なお、上記複数の変形例のうち、組み合わせ可能な変形例は、適宜組み合わされても良い。
【0099】
[第二実施形態]
次に、本発明の第二実施形態について説明する。
【0100】
本発明の第一実施形態に係るステータ10は、複数のグループの一例として複数の相毎に構成されたステータ構成部12U,12V,12Wに分割されていた。しかしながら、
図10,
図11A〜
図11Cに示される本発明の第二実施形態に係るステータ120のように、複数の相が混在するグループ毎に構成されたステータ構成部12A,12B,12Cに分割されていても良い。
【0101】
この
図10,
図11A〜
図11Cに示される本発明の第二実施形態において、第一グループを構成するステータ構成部12Aは、+U相のティース部24Uと、−W相のティース部24Wとを有し、第二グループを構成するステータ構成部12Bは、+V相のティース部24Vと、−U相のティース部24Uとを有している。また、第三グループを構成するステータ構成部12Cは、+W相のティース部24Wと、−V相のティース部24Vとを有している。この例におけるブラシレスモータは、一例として、10極12スロット又は14極12スロットのモータとされている。また、−U相、−V相、−W相のティース部には、巻線が逆巻きで巻回される。本発明の第二実施形態において、上記以外の構成は、本発明の第一実施形態と同様である。また、この本発明の第二実施形態においても、上述の本発明の第一実施形態と同様の変形例を採用することが可能である。
【0102】
なお、特に図示しないが、その他の組み合わせとしては、例えば、第一グループを構成するステータ構成部12Aは、U相のティース部と、−V相のティース部とを有し、第二グループを構成するステータ構成部12Bは、+V相のティース部と、−U相のティース部とを有し、第三グループを構成するステータ構成部12Cは、+W相のティース部と、−W相のティース部とを有していても良い。
【0103】
また、第一グループを構成するステータ構成部12Aは、U相のティース部と、−U相のティース部とを有し、第二グループを構成するステータ構成部12Bは、+V相のティース部と、−V相のティース部とを有し、第三グループを構成するステータ構成部12Cは、+W相のティース部と、−W相のティース部とを有していても良い。
【0104】
さらに、第一グループを構成するステータ構成部12Aは、U相のティース部と、−U相のティース部とを有し、第二グループを構成するステータ構成部12Bは、+V相のティース部と、−W相のティース部とを有し、第三グループを構成するステータ構成部12Cは、+W相のティース部と、−V相のティース部とを有していても良い。
【0105】
また、上記以外にも、各グループを構成するステータ構成部は、その他の組み合わせからなる複数相のティース部を有していても良い。
【0106】
また、この
図10,
図11A〜
図11Cに示されるように、複数のグループのステータ構成部12A,12B,12Cの各々では、隣り合う複数のコア構成部14(ティース部)が少なくとも1個以上の隙間を空けて配置されていても良い。
【0107】
[第三実施形態]
次に、本発明の第三実施形態について説明する。
【0108】
本発明の第一及び第二実施形態において、ステータ10,120は、インナロータタイプのモータ用とされ、ティース部24は、継鉄構成部22から継鉄40の径方向内側に向けて突出されていた。しかしながら、
図12,
図13に示される本発明の第三実施形態に係るステータ130は、アウタロータタイプのモータ用とされ、ティース部24は、継鉄構成部22から継鉄40の径方向外側に向けて突出されている。また、ティース部24の先端部には、傘部23が形成されている。なお、このステータ130は、10極12スロット又は14極12スロットのモータ用とされている。この本発明の第三実施形態において、上記以外の構成は、本発明の第一及び第二実施形態と同様である。
【0109】
このように構成されていると、隣り合うティース部24の先端部間の間隔を確保することができるので、各ティース部24に径方向外側から巻線16を巻線巻回装置を用いて巻回することができる。つまり、一のティース部24における傘部23の周方向端部が、上述の仮想接線X(
図6参照)に対し、他のティース部24と同じ側に位置されていても、従来と比較し、図示しない可変フォーマ等を用いることで、フライヤ装置がティース部24(傘部23)と干渉することを抑制することができる。
【0110】
なお、この本発明の第三実施形態においては、
図13に示されるように、隣り合う継鉄構成部22が、凹凸嵌合部44により互いに嵌合されていても良い。このように構成されていると、継鉄40の剛性を高めることができる。また、この本発明の第三実施形態においても、上述の本発明の第一実施形態と同様の変形例を採用することが可能である。
【0111】
[第四実施形態]
次に、本発明の第四実施形態について説明する。
【0112】
図14に示される本発明の第四実施形態に係るステータ140は、上述の本発明の第三実施形態に係るステータ130に対し、次のように構成が変更されたものである。つまり、ステータ140は、
図15A〜
図15Cに示されるように、複数の相が混在するグループ毎に構成されたステータ構成部12A,12B,12Cに分割されている。なお、このステータ140は、一例として、10極12スロットのブラシレスモータ60に適用されている。
【0113】
図15Aに示されるように、第一グループを構成するステータ構成部12Aは、+U相のティース部24Uと、−U相のティース部24Uと、+W相のティース部24Wと、−W相のティース部24Wとを有している。また、
図15Bに示されるように、第二グループを構成するステータ構成部12Bは、+V相のティース部24Vと、−V相のティース部24Vと、+W相のティース部24Wと、−W相のティース部24Wとを有している。また、
図15Cに示されるように、第三グループを構成するステータ構成部12Aは、+U相のティース部24Uと、−U相のティース部24Uと、+V相のティース部24Vと、−V相のティース部24Vとを有している。このように、複数のグループのステータ構成部12A,12B,12Cの各々は、互いに異なる相(U相、V相、W相)の組み合わせにより構成されている。
【0114】
また、各ステータ構成部12A,12B,12Cにおいて、複数のティース部24は、等間隔(本実施形態では、一例として、90度毎)に配置されている。
図14に示されるように、各ステータ構成部12A,12B,12Cにおいて、隣り合う一対のコア構成部14(ティース部24)の間には、他のステータ構成部のコア構成部14(ティース部24)が二個ずつ配置される。
【0115】
また、
図15Aに示されるように、−U相のティース部24Uには、巻線16Uが締め付け方向(順方向)に巻回され、+U相のティース部24Uには、巻線16Uが緩み方向(逆方向)に巻回される。つまり、巻線16Uにおける巻回部26Uと渡り線28Uとは、ティース部24Uから導出された導出部46によって繋がっている。そして、この導出部46が、ステータ構成部12Aの軸方向視にて、このステータ構成部12Aの径方向と交差している場合(コア構成部14Uと重なる場合)には、巻線16Uが締め付け方向に巻回される。一方、導出部46が、ステータ構成部12Aの軸方向視にて、このステータ構成部12Aの径方向に沿って延びている場合(コア構成部14Uと重ならない場合)には、巻線16Uが緩み方向に巻回される。
【0116】
同様に、
図15Aに示されるように、+W相のティース部24Wには、巻線16Wが締め付け方向に巻回され、−W相のティース部24Wには、巻線16Wが緩み方向に巻回される。また、
図15Bに示されるように、−V相のティース部24Vには、巻線16Vが締め付け方向に巻回され、+V相のティース部24Vには、巻線16Vが緩み方向に巻回される。また、+W相のティース部24Wには、巻線16Wが締め付け方向に巻回され、−W相のティース部24Wには、巻線16Wが緩み方向に巻回される。また、
図15Cに示されるように、+U相のティース部24Uには、巻線16Uが締め付け方向に巻回され、−U相のティース部24Uには、巻線16Uが緩み方向に巻回される。また、+V相のティース部24Vには、巻線16Vが締め付け方向に巻回され、−V相のティース部24Vには、巻線16Vが緩み方向に巻回される。
【0117】
このように、複数の巻回部26のうち複数のステータ構成部12A,12B,12Cの中心軸を中心に対向する一対の巻回部26は、同一の巻線16により形成されると共に、互いに逆巻に形成されている。なお、複数の巻線16で並列回路を構成した場合、循環電流が流れるのを防止するために、並列回路を構成せず、二系統の回路を構成するか、又は、並列回路を構成した場合でも、循環電流が発生しないように複数の並列回路の組み合わせ(所謂、キャンセル巻)とするのが望ましい。
【0118】
また、複数のステータ構成部12A,12B,12Cの中心軸を中心に対向する一対の巻回部26のうちティース部24に緩み方向に巻回されている巻回部26と一対の巻回部26の間の渡り線28とは、ティース部24から導出された導出部46によって繋がれている。
【0119】
さらに、
図16に示されるように、インシュレータ18には、凸部48が形成されており、この凸部48には、導出部46が係止されている。インシュレータ18には、上述のように、コア構成部14に一体化されてティース部24と巻回部26とを絶縁する絶縁本体部33と、連結部34からステータ構成部12の軸方向に延出して絶縁本体部33と連結部34とを連結する延出側壁部35とが形成されている。凸部48は、より具体的には、この延出側壁部35における延出方向(ステータ構成部12の軸方向と同一方向)の端部に形成されている。そして、上述の一対の巻回部26のうちティース部24に緩み方向に巻回されている巻回部26は、導出部46が凸部48に係止されることにより緩みが規制されている。
【0120】
なお、本発明の第四実施形態において、上記以外の構成は、本発明の第一乃至第三実施形態と同様である。
【0121】
この構成によれば、各ステータ構成部12では、複数のティース部24が等間隔に配置されており、複数のティース部24の間の間隔がそれぞれ確保されている。従って、このティース部24に容易に巻線16を巻回することができる。
【0122】
また、ティース部24に緩み方向に巻回されている巻回部26は、導出部46が凸部48に係止されることにより緩みが規制されている。従って、ティース部24に緩み方向に巻回されている巻回部26の緩みを抑制することができる。
【0123】
なお、この本発明の第四実施形態において、ステータ140は、
図14に示されるように、アウタロータタイプのモータ用とされ、ティース部24は、継鉄構成部22から継鉄40の径方向外側に向けて突出されていた。しかしながら、ステータ140は、インナロータタイプのモータ用とされ、ティース部24は、継鉄構成部22から継鉄40の径方向内側に向けて突出されていても良い。
【0124】
また、本発明の第四実施形態において、その他の変形例についても、上述の本発明の第一実施形態と同様の変形例を採用することが可能である。また、このステータ140は、一例として、10極12スロットのブラシレスモータに適用されていたが、14極12スロットのブラシレスモータに適用されていても良い。
【0125】
以上、本発明の一例について説明したが、本発明は、上記に限定されるものでなく、上記以外にも、その主旨を逸脱しない範囲内において種々変形して実施可能であることは勿論である。
【0126】
ところで、巻線の線材としては、一般的に銅が使用されるが、近年、コスト低減のためにアルミニウム製の巻線が注目されている。しかし、アルミニウム製の巻線では、銅製の巻線よりも引っ張り応力に対する耐久性で劣り、高速巻線機を使った従来の複雑な巻線方法では、巻線に断線が生じたり巻線の絶縁被膜に傷が生じたりする虞がある。しかしながら、上記各実施形態では、このような比較的柔軟な素材であるアルミニウム製の巻線であっても、巻線への負担が軽く、巻線を高速で巻回することが可能である。