(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下では、本発明の実施の形態について図面を用いて詳細に説明する。ただし、本発明は以下の説明に限定されず、本発明の趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及び詳細を様々に変更し得ることは、当業者であれば容易に理解される。したがって、本発明は、以下に示す実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。
【0015】
なお、本発明の半導体表示装置は、液晶表示装置、有機発光素子(OLED)に代表される発光素子を各画素に備えた発光装置、電子ペーパー、DMD(Digital Micromirror Device)、PDP(Plasma Display Panel)、FED(Field Emission Display)等や、トランジスタを画素部に有しているその他の半導体表示装置をその範疇に含む。
【0016】
(実施の形態1)
図1に、本発明の一態様に係る半導体表示装置のブロック図を、一例として示す。なお、本明細書では、ブロック図において、回路を機能ごとに分類し、互いに独立したブロックとして示しているが、実際の回路は機能ごとに完全に切り分けることが難しく、一つの回路が複数の機能に係わることもあり得る。
【0017】
図1に示すように、本発明の一態様に係る半導体表示装置100は、CPU101と、電源コントローラ102と、パネルコントローラ103と、画像メモリ104と、パネル105とを有する。また、パネル105は、各画素に表示素子を有する画素部106と、画素部106の動作を制御する駆動回路107とを有する。駆動回路107は、信号線駆動回路108、走査線駆動回路109などを有する。
【0018】
CPU101は、電源コントローラ102、パネルコントローラ103、及び画像メモリ104の動作を統括的に制御する機能を有する。また、CPU101は、レジスタまたはキャッシュメモリなどの緩衝記憶装置として機能する、記憶装置110を有する。記憶装置110には、CPU101が動作を行うのに必要な、使用頻度の高いデータやプログラムが記憶される。
【0019】
電源コントローラ102は、CPU101からの命令に従って、CPU101、パネルコントローラ103、及び画像メモリ104に、電源電圧及び駆動信号の供給を行うか否かを選択する機能を有する。
【0020】
画像メモリ104には、画像情報が記憶されている。画像メモリ104には、揮発性または不揮発性の記憶装置を用いることができる。揮発性の記憶装置として、例えば、DRAM(Dynamic Random Access Memory)、SRAM(Static Random Access Memory)等を、画像メモリ104に用いることができる。ただし、画像メモリ104として用いる記憶装置が不揮発性である場合、電源電圧の供給が停止されても、画像情報が保持される。よって、電源電圧の供給の停止前と再開後とで、表示される画像が一致する場合に、電源電圧の供給の再開後に、画像情報の読み込みを再度行う必要がないので、消費電力を削減することができる。
【0021】
例えば、不揮発性の記憶装置として、各メモリセルに、スイッチング素子として機能するトランジスタを有し、当該トランジスタは、シリコンよりもバンドギャップが広く、真性キャリア密度がシリコンよりも低い半導体をチャネル形成領域に含んでいる、記憶装置を用いることができる。上記記憶装置は、フラッシュメモリなどの一般的な不揮発性の記憶装置よりも、画像情報の書き込み及び読み出しの速度が高いため、高速動作が要求される画像メモリ104に用いるのに適している。
【0022】
パネルコントローラ103は、CPU101からの命令に従って、画像メモリ104から画像情報を読み出し、画像情報を含む画像信号を形成する。また、パネルコントローラ103は、CPU101からの命令に従って、画像信号に同期した駆動信号を生成する。そして、パネルコントローラ103は、画像信号及び駆動信号を、パネル105に供給する機能を有する。また、パネルコントローラ103は、CPU101からの命令に従って、電源コントローラ102からの電源電圧を、駆動回路107に供給するか否かを選択する機能を有する。
【0023】
パネルコントローラ103からの画像信号は、信号線駆動回路108に与えられる。また、パネルコントローラ103からの駆動信号は、信号線駆動回路108及び走査線駆動回路109に与えられる。
【0024】
なお、CPU101は、画像メモリ104に記憶されている画像情報に画像処理を施す機能を有していても良い。
【0025】
駆動信号はパルスによって各種回路の動作を制御するための信号であるが、回路の構成によって、その動作に必要な駆動信号の種類は異なる。例えば、駆動回路107の駆動信号には、信号線駆動回路108の動作を制御する信号線駆動回路用スタートパルス信号(SSP)、信号線駆動回路用クロック信号(SCK)、走査線駆動回路109の動作を制御する走査線駆動回路用スタートパルス信号(GSP)、走査線駆動回路用クロック信号(GCK)などが含まれる。信号線駆動回路108と走査線駆動回路109は、パネルコントローラ103からの電源電圧及び駆動信号の供給により、動作状態となる。
【0026】
また、CPU101及びパネルコントローラ103の駆動信号には、クロック信号CKなどがある。CPU101及びパネルコントローラ103は、電源コントローラ102からの電源電圧及び駆動信号の供給により、動作状態となる。
【0027】
次いで、
図1に示した半導体表示装置を例に挙げて、本発明の一態様に係る半導体表示装置100の動作の一例について説明する。
【0028】
半導体表示装置100では、CPU101、パネルコントローラ103、画像メモリ104、及び駆動回路107を連続的に動作状態とする駆動方法と、CPU101、パネルコントローラ103、画像メモリ104、及び駆動回路107を停止状態とする期間を設けることで、間欠的に動作状態とする駆動方法とを、採用することができる。連続的に動作状態とする駆動方法の場合、画素部106への画像信号の書き込みを行った後、次に画素部106への画像信号の書き込みを行うまでの間、CPU101、パネルコントローラ103、画像メモリ104、及び駆動回路107は動作状態とする。よって、
図2(A)に示すように、連続的に動作状態とする駆動方法の場合には、電源コントローラ102により、CPU101、パネルコントローラ103、画像メモリ104への電源電圧の供給が連続して行われる。
【0029】
また、半導体表示装置100では、画素部106において表示される画像が静止画である場合などに、間欠的に動作状態とする駆動方法を用いることができる。間欠的に動作状態とする駆動方法の場合、連続的に動作状態とする駆動方法の場合よりも、信号線駆動回路108と走査線駆動回路109の駆動周波数を低くすることができる。具体的に、CPU101は、間欠的に動作状態とする駆動方法の場合に、駆動回路107への電源電圧及び駆動信号の供給を停止するよう、パネルコントローラ103に命令する。
【0030】
図2(B)に示すように、パネルコントローラ103が上記命令に従って駆動回路107への電源電圧及び駆動信号の供給を停止すると、駆動回路107は停止状態になる。なお、駆動回路107への駆動信号の供給と、駆動回路107への電源電圧の供給は、同時に停止しても良いし、順に停止しても良い。ただし、駆動回路107への駆動信号の供給を停止した後に、駆動回路107への電源電圧の供給を停止することで、駆動回路107が誤動作を起こすことなく、駆動回路107を停止状態にすることができる。
【0031】
次いで、駆動回路107を停止状態にした後、CPU101は、パネルコントローラ103及び画像メモリ104への電源電圧及び駆動信号の供給を停止するよう、電源コントローラ102に命令する。
図3(A)に示すように、電源コントローラ102が上記命令に従って、パネルコントローラ103及び画像メモリ104への電源電圧及び駆動信号の供給を停止すると、パネルコントローラ103及び画像メモリ104は停止状態になる。
【0032】
なお、パネルコントローラ103及び画像メモリ104への駆動信号の供給と、パネルコントローラ103及び画像メモリ104への電源電圧の供給は、同時に停止しても良いし、順に停止しても良い。ただし、駆動回路107の場合と同様に、パネルコントローラ103及び画像メモリ104への駆動信号の供給を停止した後に、パネルコントローラ103及び画像メモリ104への電源電圧の供給を停止することで、パネルコントローラ103及び画像メモリ104が誤動作を起こすことなく、パネルコントローラ103及び画像メモリ104を停止状態にすることができる。
【0033】
パネルコントローラ103及び画像メモリ104が停止状態になった後、CPU101は、電源コントローラ102に、CPU101への電源電圧及び駆動信号の供給を停止するよう、命令する。そして、
図3(B)に示すように、上記命令に従って、電源コントローラ102がCPU101への電源電圧及び駆動信号の供給を停止すると、CPU101は停止状態になる。
【0034】
なお、CPU101への駆動信号の供給と、CPU101への電源電圧の供給は、同時に停止しても良いし、順に停止しても良い。ただし、駆動回路107、パネルコントローラ103及び画像メモリ104の場合と同様に、CPU101への駆動信号の供給を停止した後に、CPU101への電源電圧の供給を停止することで、CPU101が誤動作を起こすことなく、CPU101を停止状態にすることができる。
【0035】
上記一連の動作により、CPU101、パネルコントローラ103、画像メモリ104、及び駆動回路107への電源電圧または駆動信号の供給は、全て停止される。そして、上記電源電圧または駆動信号の供給は、次に画素部106への画像信号の書き込みが開始されるまで、停止されたままとなる。
【0036】
画素部106への画像信号の書き込みが再開される場合、画像信号の書き込みの命令が、入力装置などからCPU101及び電源コントローラ102に入力される。電源コントローラ102は、画像信号の書き込みの命令に従って、CPU101、パネルコントローラ103、画像メモリ104への電源電圧及び駆動信号の供給を再開する。
【0037】
具体的に、まず、電源コントローラ102は、画像信号の書き込みの命令に従って、CPU101への電源電圧及び駆動信号の供給を再開する。CPU101は、電源電圧の供給が再開されることで、再び動作状態となる。CPU101への駆動信号の供給と電源電圧の供給は、同時に再開しても良いし、順に再開しても良い。ただし、CPU101への電源電圧の供給を再開した後に、CPU101への駆動信号の供給を再開することで、CPU101が誤動作を起こすことなく、CPU101を動作状態にすることができる。
【0038】
次いで、CPU101は、電源コントローラ102に、パネルコントローラ103及び画像メモリ104への電源電圧及び駆動信号の供給を行うよう命令する。そして、上記命令に従って、電源コントローラ102は、パネルコントローラ103及び画像メモリ104への電源電圧及び駆動信号の供給を再開する。パネルコントローラ103及び画像メモリ104は、電源電圧及び駆動信号の供給が再開されることで、再び動作状態となる。
【0039】
なお、パネルコントローラ103及び画像メモリ104への駆動信号の供給と電源電圧の供給は、同時に再開しても良いし、順に再開しても良い。ただし、パネルコントローラ103及び画像メモリ104への電源電圧の供給を再開した後に、パネルコントローラ103及び画像メモリ104への駆動信号の供給を再開することで、パネルコントローラ103及び画像メモリ104が誤動作を起こすことなく、パネルコントローラ103及び画像メモリ104を動作状態にすることができる。
【0040】
次いで、CPU101は、パネルコントローラ103に、駆動回路107への電源電圧及び駆動信号の供給を行うよう命令する。パネルコントローラ103が上記命令に従って駆動回路107への電源電圧及び駆動信号の供給を再開することで、駆動回路107は再び動作状態となる。駆動回路107への駆動信号の供給と電源電圧の供給は、同時に再開しても良いし、順に再開しても良い。ただし、CPU101、パネルコントローラ103及び画像メモリ104の場合と同様に、駆動回路107への電源電圧の供給を再開した後に、駆動回路107への駆動信号の供給を再開することで、駆動回路107が誤動作を起こすことなく、駆動回路107を動作状態にすることができる。
【0041】
上記一連の動作により、CPU101、パネルコントローラ103、画像メモリ104、及び駆動回路107への電源電圧の供給は、全て再開される。
【0042】
なお、本発明の一態様では、静止画の表示を行う場合のみに、間欠的に動作状態とする駆動方法を適用できるわけではない。画像信号の書き換えを定期的に行い、動画を表示する場合にも、上述したような、間欠的に動作状態とする駆動方法を適用することは可能である。
【0043】
本発明の一態様では、上述したような、電源電圧の供給の停止と再開を繰り返すことで、連続的に電源電圧がCPU101、パネルコントローラ103、画像メモリ104、及び駆動回路107に供給されている場合に比べて、半導体表示装置100内の消費電力を低減させることができる。
【0044】
図4(A)に、駆動回路107における消費電力120、パネルコントローラ103及び画像メモリ104における消費電力121、CPU101における消費電力122の時間変化を、模式的に示す。
図4(A)は、CPU101、パネルコントローラ103、画像メモリ104、及び駆動回路107に、電源電圧が連続的に供給されている場合について、例示している。
【0045】
図4(A)の場合、所定の値の消費電力120乃至消費電力122が、半導体表示装置100において連続的に消費されている。
【0046】
また、
図4(B)に、駆動回路107における消費電力120、パネルコントローラ103及び画像メモリ104における消費電力121、CPU101における消費電力122の時間変化を、模式的に示す。
図4(B)は、CPU101、パネルコントローラ103、画像メモリ104、及び駆動回路107に、電源電圧が間欠的に供給されている場合について、例示している。
【0047】
上述したように、本発明の一態様では、電源電圧の供給を、駆動回路107、パネルコントローラ103及び画像メモリ104、CPU101の順に停止する。そして、本発明の一態様では、電源電圧の供給を、CPU101、パネルコントローラ103及び画像メモリ104、駆動回路107の順に再開する。よって、本発明の一態様では、
図4(B)に示すように、所定の値の消費電力120が、間欠的に消費されている。所定の値の消費電力120が消費されている期間では、画像信号の書き込みが行われる。また、本発明の一態様では、
図4(B)に示すように、所定の値の消費電力121が、間欠的に消費されている。なおかつ、所定の値の消費電力121が消費されている期間内に、所定の値の消費電力120が消費されている期間が含まれている。また、本発明の一態様では、
図4(B)に示すように、所定の値の消費電力122が、間欠的に消費されている。なおかつ、所定の値の消費電力122が消費されている期間内に、所定の値の消費電力121が消費されている期間と、所定の値の消費電力120が消費されている期間とが含まれている。
【0048】
図4(B)の場合、消費電力120、消費電力121、及び消費電力122が間欠的に消費されるため、
図4(A)の場合よりも、半導体表示装置100全体の消費電力を低く抑えることができる。
【0049】
なお、本発明の一態様では、半導体表示装置100の外部から、半導体表示装置100の動作状態について通知するように要求された場合などに、画像信号の書き込みが行われない期間においても、CPU101のみ動作することがあり得る。この場合、入力装置などからの命令に従って、CPU101への電源電圧の供給が再開されるが、パネルコントローラ103及び画像メモリ104への電源電圧の供給と、駆動回路107への電源電圧の供給とは、停止されたままで良い。
【0050】
図4(C)に、駆動回路107における消費電力120、パネルコントローラ103及び画像メモリ104における消費電力121、CPU101における消費電力122の時間変化を、模式的に示す。
図4(C)は、CPU101、パネルコントローラ103、画像メモリ104、及び駆動回路107に、電源電圧が間欠的に供給されている場合について、
図4(B)とは異なる例を、示している。
【0051】
図4(C)では、期間t1において、CPU101への電源電圧の供給が行われている。また、
図4(C)では、期間t1において、パネルコントローラ103及び画像メモリ104への電源電圧の供給と、駆動回路107への電源電圧の供給とは、停止されている。よって、期間t1では、所定の値の消費電力122が消費されている。
図4(C)の場合も、消費電力120、消費電力121、及び消費電力122が間欠的に消費されるため、
図4(A)の場合よりも、半導体表示装置100全体の消費電力を低く抑えることができる。
【0052】
次いで、画素部106の具体的な構成について、半導体表示装置100が液晶表示装置である場合を例に挙げて説明する。
【0053】
図5(A)に、画素部106の構成例を示す。
図5(A)では、画素部106に、走査線駆動回路によって電位が制御されるy本の走査線GL(GL1乃至GLy)と、信号線駆動回路によって電位が制御されるx本の信号線SL(SL1乃至SLx)とが設けられている。
【0054】
そして、走査線GLは、複数の画素130にそれぞれ接続されている。具体的に、各走査線GLは、マトリクス状に設けられた複数の画素130のうち、いずれかの行に設けられたx個の画素130に接続される。
【0055】
また、信号線SLは、画素部106においてx列y行に設けられた複数の画素130のうち、いずれかの列に設けられたy個の画素130に接続される。
【0056】
なお、本明細書において接続とは電気的な接続を意味しており、電流、電圧または電位が、供給可能、或いは伝送可能な状態に相当する。従って、接続している状態とは、直接接続している状態を必ずしも指すわけではなく、電流、電圧または電位が、供給可能、或いは伝送可能であるように、配線、抵抗、ダイオード、トランジスタなどの回路素子を介して間接的に接続している状態も、その範疇に含む。
【0057】
なお、回路図上は独立している構成要素どうしが接続されている場合であっても、実際には、例えば配線の一部が電極としても機能する場合など、一の導電膜が、複数の構成要素の機能を併せ持っている場合もある。本明細書において接続とは、このような、一の導電膜が、複数の構成要素の機能を併せ持っている場合も、その範疇に含める。
【0058】
図5(B)に、画素130の回路図の一例を示す。
図5(B)に示す画素130は、スイッチング素子として機能するトランジスタ131と、トランジスタ131を介して与えられた画像信号の電位に従って、その透過率が制御される液晶素子132と、容量素子133とを有する。
【0059】
液晶素子132は、画素電極と、共通電極と、画素電極と共通電極間の電圧が印加される液晶を含んだ液晶層とを有している。そして、容量素子133は、液晶素子132が有する画素電極と共通電極間の電圧を保持する機能を有している。
【0060】
液晶層には、例えば、サーモトロピック液晶またはリオトロピック液晶に分類される液晶材料を用いることができる。或いは、液晶層には、例えば、ネマチック液晶、スメクチック液晶、コレステリック液晶、または、ディスコチック液晶に分類される液晶材料を用いることができる。或いは、液晶層には、例えば、強誘電性液晶、または反強誘電性液晶に分類される液晶材料を用いることができる。或いは、液晶層には、例えば、主鎖型高分子液晶、側鎖型高分子液晶、或いは、複合型高分子液晶などの高分子液晶、または低分子液晶に分類される液晶材料を用いることができる。或いは、液晶層には、例えば、高分子分散型液晶(PDLC)に分類される液晶材料を用いることができる。
【0061】
また、配向膜を用いないブルー相を示す液晶を液晶層に用いてもよい。ブルー相は液晶相の一つであり、コレステリック液晶を昇温していくと、コレステリック相から等方相へ転移する直前に発現する相である。ブルー相は狭い温度範囲でしか発現しないため、カイラル剤や紫外線硬化樹脂を添加して温度範囲を改善する。ブルー相を示す液晶とカイラル剤とを含む液晶組成物は、応答速度が1msec以下と短く、光学的等方性であるため配向処理が不要であり、視野角依存性が小さいため好ましい。
【0062】
また液晶の駆動方法としては、TN(Twisted Nematic)モード、STN(Super Twisted Nematic)モード、VA(Vertical Alignment)モード、MVA(Multi−domain Vertical Alignment)モード、IPS(In−Plane Switching)モード、OCB(Optically Compensated Birefringence)モード、FFS(Fringe Field Switching)モード、ブルー相モード、TBA(Transverse Bend Alignment)モード、VA−IPSモード、ECB(Electrically Controlled Birefringence)モード、FLC(Ferroelectric Liquid Crystal)モード、AFLC(AntiFerroelectric Liquid Crystal)モード、PDLC(Polymer Dispersed Liquid Crystal)モード、PNLC(Polymer Network Liquid Crystal)モード、ゲストホストモードなどを適用することが可能である。
【0063】
画素130は、必要に応じて、トランジスタ、ダイオード、抵抗素子、容量素子、インダクタなどのその他の回路素子を、さらに有していても良い。
【0064】
具体的に、
図5(B)では、トランジスタ131のゲート電極が走査線GLに接続されている。トランジスタ131は、そのソース端子またはドレイン端子の一方が信号線SLに接続され、他方が液晶素子132の画素電極に接続されている。容量素子133は、一方の電極が液晶素子132の画素電極に接続されており、他方の電極が、特定の電位の与えられているノードに接続されている。なお、液晶素子132が有する共通電極にも特定の電位が与えられている。そして、共通電極に与えられる電位は、容量素子133が有する他方の電極に与えられる電位と共通であっても良い。
【0065】
液晶素子132では、画素電極と共通電極の間に与えられる電圧の値に従って、液晶分子の配向が変化し、透過率が変化する。よって、液晶素子132は、信号線SLに入力される画像信号の電位によって、その透過率が制御されることで、階調を表示することができる。
【0066】
なお、トランジスタのソース端子とは、活性層の一部であるソース領域、或いは活性層に接続されたソース電極を意味する。同様に、トランジスタのドレイン端子とは、活性層の一部であるドレイン領域、或いは活性層に接続されたドレイン電極を意味する。
【0067】
また、
図5(B)では、画素130において、一のトランジスタ131をスイッチング素子として用いている場合について示しているが、本発明はこの構成に限定されない。一のスイッチング素子として機能する複数のトランジスタを用いていても良い。複数のトランジスタが一のスイッチング素子として機能する場合、上記複数のトランジスタは並列に接続されていても良いし、直列に接続されていても良いし、直列と並列が組み合わされて接続されていても良い。
【0068】
本明細書において、トランジスタが直列に接続されている状態とは、例えば、第1のトランジスタのソース端子またはドレイン端子の一方のみが、第2のトランジスタのソース端子またはドレイン端子の一方のみに接続されている状態を意味する。また、トランジスタが並列に接続されている状態とは、第1のトランジスタのソース端子またはドレイン端子の一方が第2のトランジスタのソース端子またはドレイン端子の一方に接続され、第1のトランジスタのソース端子またはドレイン端子の他方が第2のトランジスタのソース端子またはドレイン端子の他方に接続されている状態を意味する。
【0069】
トランジスタ131が酸化物半導体などのバンドギャップが広い半導体をチャネル形成領域に含むことで、オフ電流が極めて小さく、なおかつ高耐圧であるトランジスタ131を実現することができる。そして、上記構成を有するトランジスタ131をスイッチング素子として用いることで、通常のシリコンやゲルマニウムなどの半導体で形成されたトランジスタを用いた場合に比べて、液晶素子132に蓄積された電荷のリークを防ぐことができる。
【0070】
なお、特に断りがない限り、本明細書でオフ電流とは、nチャネル型トランジスタにおいては、ドレイン端子をソース端子とゲート電極よりも高い電位とした状態において、ソース端子の電位を基準としたときのゲート電極の電位が0V以下であるときに、ソース端子とドレイン端子の間に流れる電流のことを意味する。或いは、本明細書でオフ電流とは、pチャネル型トランジスタにおいては、ドレイン端子をソース端子とゲート電極よりも低い電位とした状態において、ソース端子の電位を基準としたときのゲート電極の電位が0V以上であるときに、ソース端子とドレイン端子の間に流れる電流のことを意味する。
【0071】
酸化物半導体としては、少なくともインジウム(In)あるいは亜鉛(Zn)を含むことが好ましい。また、該酸化物半導体を用いたトランジスタの電気的特性のばらつきを減らすためのスタビライザーとして、それらに加えてガリウム(Ga)を有することが好ましい。また、スタビライザーとしてスズ(Sn)を有することが好ましい。また、スタビライザーとしてハフニウム(Hf)を有することが好ましい。また、スタビライザーとしてアルミニウム(Al)を有することが好ましい。また、スタビライザーとしてジルコニウム(Zr)を含むことが好ましい。
【0072】
また、他のスタビライザーとして、ランタノイドである、ランタン(La)、セリウム(Ce)、プラセオジム(Pr)、ネオジム(Nd)、サマリウム(Sm)、ユウロピウム(Eu)、ガドリニウム(Gd)、テルビウム(Tb)、ジスプロシウム(Dy)、ホルミウム(Ho)、エルビウム(Er)、ツリウム(Tm)、イッテルビウム(Yb)、ルテチウム(Lu)のいずれか一種または複数種を含んでいてもよい。
【0073】
例えば、酸化物半導体として、酸化インジウム、酸化スズ、酸化亜鉛、In−Zn系酸化物、Sn−Zn系酸化物、Al−Zn系酸化物、Zn−Mg系酸化物、Sn−Mg系酸化物、In−Mg系酸化物、In−Ga系酸化物、In−Ga−Zn系酸化物(IGZOとも表記する)、In−Al−Zn系酸化物、In−Sn−Zn系酸化物、Sn−Ga−Zn系酸化物、Al−Ga−Zn系酸化物、Sn−Al−Zn系酸化物、In−Hf−Zn系酸化物、In−La−Zn系酸化物、In−Pr−Zn系酸化物、In−Nd−Zn系酸化物、In−Sm−Zn系酸化物、In−Eu−Zn系酸化物、In−Gd−Zn系酸化物、In−Tb−Zn系酸化物、In−Dy−Zn系酸化物、In−Ho−Zn系酸化物、In−Er−Zn系酸化物、In−Tm−Zn系酸化物、In−Yb−Zn系酸化物、In−Lu−Zn系酸化物、In−Sn−Ga−Zn系酸化物、In−Hf−Ga−Zn系酸化物、In−Al−Ga−Zn系酸化物、In−Sn−Al−Zn系酸化物、In−Sn−Hf−Zn系酸化物、In−Hf−Al−Zn系酸化物を用いることができる。
【0074】
なお、例えば、In−Ga−Zn系酸化物とは、InとGaとZnを含む酸化物という意味であり、InとGaとZnの比率は問わない。また、InとGaとZn以外の金属元素を含んでいてもよい。In−Ga−Zn系酸化物は、無電界時の抵抗が十分に高くオフ電流を十分に小さくすることが可能であり、また、移動度も高い。
【0075】
例えば、In:Ga:Zn=1:1:1(=1/3:1/3:1/3)あるいはIn:Ga:Zn=2:2:1(=2/5:2/5:1/5)の原子比のIn−Ga−Zn系酸化物やその組成の近傍の酸化物を用いることができる。あるいは、In:Sn:Zn=1:1:1(=1/3:1/3:1/3)、In:Sn:Zn=2:1:3(=1/3:1/6:1/2)あるいはIn:Sn:Zn=2:1:5(=1/4:1/8:5/8)の原子比のIn−Sn−Zn系酸化物やその組成の近傍の酸化物を用いるとよい。
【0076】
例えば、In−Sn−Zn系酸化物では比較的容易に高い移動度が得られる。しかしながら、In−Ga−Zn系酸化物でも、バルク内欠陥密度を低減することにより移動度を上げることができる。
【0077】
なお、電子供与体(ドナー)となる水分または水素などの不純物が低減され、なおかつ酸素欠損が低減されることにより高純度化された酸化物半導体(purified Oxide Semiconductor)は、i型(真性半導体)又はi型に限りなく近い。そのため、上記酸化物半導体を用いたトランジスタは、オフ電流が著しく低いという特性を有する。また、酸化物半導体のバンドギャップは、2eV以上、好ましくは2.5eV以上、より好ましくは3eV以上である。水分または水素などの不純物濃度が十分に低減され、なおかつ酸素欠損が低減されることにより高純度化された酸化物半導体膜を用いることにより、トランジスタのオフ電流を下げることができる。
【0078】
具体的に、高純度化された酸化物半導体を半導体膜に用いたトランジスタのオフ電流が低いことは、いろいろな実験により証明できる。例えば、チャネル幅が1×10
6μmでチャネル長が10μmの素子であっても、ソース端子とドレイン端子間の電圧(ドレイン電圧)が1Vから10Vの範囲において、オフ電流が、半導体パラメータアナライザの測定限界以下、すなわち1×10
−13A以下という特性を得ることができる。この場合、トランジスタのチャネル幅で規格化したオフ電流は、100zA/μm以下であることが分かる。また、容量素子とトランジスタとを接続して、容量素子に流入または容量素子から流出する電荷を当該トランジスタで制御する回路を用いて、オフ電流の測定を行った。当該測定では、高純度化された酸化物半導体膜を上記トランジスタのチャネル形成領域に用い、容量素子の単位時間あたりの電荷量の推移から当該トランジスタのオフ電流を測定した。その結果、トランジスタのソース端子とドレイン端子間の電圧が3Vの場合に、数十yA/μmという、さらに低いオフ電流が得られることが分かった。従って、高純度化された酸化物半導体膜をチャネル形成領域に用いたトランジスタは、オフ電流が、結晶性を有するシリコンを用いたトランジスタに比べて著しく低い。
【0079】
本発明の一態様では、オフ電流の極めて小さいトランジスタ131を用いることで、液晶素子132に与えられる電圧が保持される期間を長く確保することができる。そのため、静止画のように、連続する幾つかのフレーム期間に渡って、画素部106に同じ画像情報を有する画像信号が書き込まれる場合などは、駆動周波数を低くする、言い換えると一定期間内における画素部106への画像信号の書き込み回数を少なくしても、画像の表示を維持することができる。例えば、高純度化された酸化物半導体をチャネル形成領域に用いたトランジスタ131を用いることで、画像信号の書き込みの間隔を10秒以上、好ましくは30秒以上、さらに好ましくは1分以上にすることができる。そして、画像信号が書き込まれる間隔を長くすればするほど、消費電力をより低減することができる。
【0080】
また、画像信号の電位をより長い期間に渡って保持することができるため、画像信号の電位を保持するために、液晶素子132に容量素子133を接続しなくても、表示される画質が低下するのを防ぐことができる。よって、容量素子133を設けないことによって、或いは容量素子133のサイズを小さくすることによって、開口率を高めることができるため、半導体表示装置100の消費電力を低減させることができる。
【0081】
また、画像信号の電位の極性を、共通電極の電位を基準として反転させる反転駆動を行うことで、焼き付きと呼ばれる液晶材料の劣化を防ぐことができる。しかし、反転駆動を行うと、画像信号の極性が変化する際に信号線SLに与えられる電位の変化が大きくなるため、スイッチング素子として機能するトランジスタ131のソース端子とドレイン端子の電位差が大きくなる。よって、トランジスタ131は、閾値電圧がシフトするなどの特性劣化が生じやすい。また、液晶素子132に保持されている電圧を維持するために、ソース端子とドレイン端子の電位差が大きくても、オフ電流が低いことが要求される。トランジスタ131に、シリコンまたはゲルマニウムよりもバンドギャップが大きく、真性キャリア密度が低い酸化物半導体などの半導体を用いることで、トランジスタ131の耐圧性を高め、オフ電流を著しく小さくすることができる。よって、通常のシリコンやゲルマニウムなどの半導体で形成されたトランジスタを用いた場合に比べて、トランジスタ131の劣化を防ぎ、液晶素子132に保持されている電圧を維持することができる。
【0082】
なお、酸化物半導体膜は、単結晶、多結晶(ポリクリスタルともいう。)または非晶質などの状態をとる。好ましくは、酸化物半導体膜は、CAAC−OS(C Axis Aligned Crystalline Oxide Semiconductor)膜とする。
【0083】
CAAC−OS膜は、完全な単結晶ではなく、完全な非晶質でもない。CAAC−OS膜は、非晶質相に結晶部および非晶質部を有する結晶−非晶質混相構造の酸化物半導体膜である。なお、当該結晶部は、一辺が100nm未満の立方体内に収まる大きさであることが多い。また、透過型電子顕微鏡(TEM:Transmission Electron Microscope)による観察像では、CAAC−OS膜に含まれる非晶質部と結晶部との境界は明確ではない。また、TEMによってCAAC−OS膜には粒界(グレインバウンダリーともいう。)は確認できない。そのため、CAAC−OS膜は、粒界に起因する電子移動度の低下が抑制される。
【0084】
CAAC−OS膜に含まれる結晶部は、c軸がCAAC−OS膜の被形成面の法線ベクトルまたは表面の法線ベクトルに平行な方向に揃い、かつab面に垂直な方向から見て三角形状または六角形状の原子配列を有し、c軸に垂直な方向から見て金属原子が層状または金属原子と酸素原子とが層状に配列している。なお、異なる結晶部間で、それぞれa軸およびb軸の向きが異なっていてもよい。本明細書において、単に垂直と記載する場合、85°以上95°以下の範囲も含まれることとする。また、単に平行と記載する場合、−5°以上5°以下の範囲も含まれることとする。
【0085】
なお、CAAC−OS膜において、結晶部の分布が一様でなくてもよい。例えば、CAAC−OS膜の形成過程において、酸化物半導体膜の表面側から結晶成長させる場合、被形成面の近傍に対し表面の近傍では結晶部の占める割合が高くなることがある。また、CAAC−OS膜へ不純物を添加することにより、当該不純物添加領域において結晶部が非晶質化することもある。
【0086】
CAAC−OS膜に含まれる結晶部のc軸は、CAAC−OS膜の被形成面の法線ベクトルまたは表面の法線ベクトルに平行な方向に揃うため、CAAC−OS膜の形状(被形成面の断面形状または表面の断面形状)によっては互いに異なる方向を向くことがある。なお、結晶部のc軸の方向は、CAAC−OS膜が形成されたときの被形成面の法線ベクトルまたは表面の法線ベクトルに平行な方向となる。結晶部は、成膜することにより、または成膜後に加熱処理などの結晶化処理を行うことにより形成される。
【0087】
CAAC−OS膜を用いたトランジスタは、可視光や紫外光の照射による電気特性の変動が小さい。よって、当該トランジスタは、信頼性が高い。
【0088】
CAAC−OS膜は、例えば、多結晶である酸化物半導体スパッタリング用ターゲットを用い、スパッタリング法によって成膜する。当該スパッタリング用ターゲットにイオンが衝突すると、スパッタリング用ターゲットに含まれる結晶領域がa−b面から劈開し、a−b面に平行な面を有する平板状またはペレット状のスパッタリング粒子として剥離することがある。この場合、当該平板状のスパッタリング粒子が、結晶状態を維持したまま基板に到達することで、CAAC−OS膜を成膜することができる。
【0089】
また、CAAC−OS膜を成膜するために、以下の条件を適用することが好ましい。
【0090】
成膜時の不純物混入を低減することで、不純物によって結晶状態が崩れることを抑制できる。例えば、成膜室内に存在する不純物濃度(水素、水、二酸化炭素および窒素など)を低減すればよい。また、成膜ガス中の不純物濃度を低減すればよい。具体的には、露点が−80℃以下、好ましくは−100℃以下である成膜ガスを用いる。
【0091】
また、成膜時の基板加熱温度を高めることで、基板到達後にスパッタリング粒子のマイグレーションが起こる。具体的には、基板加熱温度を100℃以上740℃以下、好ましくは200℃以上500℃以下として成膜する。成膜時の基板加熱温度を高めることで、平板状のスパッタリング粒子が基板に到達した場合、基板上でマイグレーションが起こり、スパッタリング粒子の平らな面が基板に付着する。
【0092】
また、成膜ガス中の酸素割合を高め、電力を最適化することで成膜時のプラズマダメージを軽減すると好ましい。成膜ガス中の酸素割合は、30体積%以上、好ましくは100体積%とする。
【0093】
スパッタリング用ターゲットの一例として、In−Ga−Zn系酸化物ターゲットについて以下に示す。
【0094】
InO
X粉末、GaO
Y粉末およびZnO
Z粉末を所定のmol数で混合し、加圧処理後、1000℃以上1500℃以下の温度で加熱処理をすることで多結晶であるIn−Ga−Zn系酸化物ターゲットとする。なお、X、YおよびZは任意の正数である。ここで、所定のmol数比は、例えば、InO
X粉末、GaO
Y粉末およびZnO
Z粉末が、2:2:1、8:4:3、3:1:1、1:1:1、4:2:3または3:1:2である。なお、粉末の種類、およびその混合するmol数比は、作製するスパッタリング用ターゲットによって適宜変更すればよい。
【0095】
次いで、画素部106及び駆動回路107の動作の一例について、
図6を用いて説明する。
図6に、画素部106の動作状態の時間変化と、駆動回路107の動作状態の時間変化とを、模式的に示す。
【0096】
間欠的に動作状態とする駆動方法の場合、画素部106への画像信号の書き込みを行う期間Aと、液晶素子132などの表示素子が画像信号による階調の表示を維持している期間Bとは、交互に出現する。
図6では、期間A1〜期間A4で示す4つの期間Aと、期間B1〜期間B4で示す4つの期間Bが、交互に出現している場合を例示している。具体的に
図6では、各期間が、期間A1、期間B1、期間A2、期間B2、期間A3、期間B3、期間A4、期間B4の順に並んでいる。
【0097】
期間Aでは、駆動回路107に駆動信号及び電源電圧の供給を行うことで、信号線駆動回路108、走査線駆動回路109などの各駆動回路を動作している状態にする。
図6では、駆動回路107が動作している状態を、SSTで示す。
【0098】
走査線駆動回路109が動作状態になると、走査線駆動回路109により、画素部106の各走査線GLに接続された画素130が、順に選択される。具体的に、
図5(B)に示す画素130の場合、各走査線GLに接続されたトランジスタ131がオンになる。信号線駆動回路108が動作状態になると、走査線駆動回路109により選択された画素130に、信号線駆動回路108から画像信号が入力される。具体的に、
図5(B)に示す画素130の場合、オンのトランジスタ131を介して、画像信号の電位が液晶素子132の画素電極に与えられる。
【0099】
上述した画像信号の画素部106への入力は、他の全ての画素130において、同様に行われる。全ての画素130の表示状態が設定され、画素部106全体において、画像信号の画像情報に基づいた画像が表示される。画素部106に画像信号が書き込まれて表示状態が設定されている状態を、
図6ではWで示す。
【0100】
次いで、期間Bでは、駆動回路107への駆動信号及び電源電圧の供給を停止することで、信号線駆動回路108、走査線駆動回路109などの各駆動回路を停止状態にする。
図6では、駆動回路107が動作を停止している状態を、SSTPで示す。信号線駆動回路108が停止状態になることで、画像信号の画素部106への入力が停止する。
【0101】
また、走査線駆動回路109が停止状態になることで、走査線駆動回路109による画素部106の選択が停止する。そのため、画素部106が有する表示素子は、直前の期間Aにおいて設定された表示状態を保持する。表示素子による階調の表示が保持されている状態を、
図6ではHで示す。
【0102】
具体的に、
図6では、期間A1において設定された表示状態を、期間B1において保持する。期間A2において設定された表示状態を、期間B2において保持する。期間A3において設定された表示状態を、期間B3において保持する。期間A4において設定された表示状態を、期間B4において保持する。
【0103】
本発明の一態様では、上述したように、オフ電流が極めて小さいトランジスタ131を用いているので、期間Bのそれぞれにおける表示状態の保持を、10秒以上、好ましくは30秒以上、さらに好ましくは1分以上にすることができる。
【0104】
そして、本発明の一態様では、期間Bの長さを、入力装置などからの画像の書き換えの命令に従って、適宜変更することができる。例えば、
図6では、期間B2の終了のタイミングを、画像の書き換えの命令に従って設定している場合を例示している。
図6では、画像の書き換えの命令に従って期間B2が強制的に終了し、次いで、期間A3が開始されている。よって、
図6の場合、期間B2は、期間B1、期間B3などの、画像の書き換えの命令によらずに自動的に終了した期間Bに比べて、短い。
【0105】
なお、表示素子が表示状態を維持できる期間には限りがある。よって、表示素子が表示状態を維持できる期間を考慮し、画像の書き換えの命令がない間における、期間Bが取り得る最大の長さをあらかじめ定めておく。すなわち、静止画の表示を行う期間が、期間Bの取り得る最大の長さよりも長い場合は、画像の書き換えの命令がなくても、自動的に当該期間Bを終了させる。そして、次の期間Aにおいて同じ画像信号を画素部106に再度書き込み、画素部106において、前の期間Bにおいて保持されていた画像を、再度表示するようにする。
【0106】
本発明の一態様では、間欠的に動作状態とする駆動方法の場合において、画像の表示を維持しつつ、画像信号の画素部106への書き込み回数を大幅に削減することができる。よって、駆動回路の駆動周波数を大幅に低減することができ、半導体表示装置100の消費電力を低減することができる。
【0107】
なお、連続的に動作状態とする駆動方法では、間欠的に動作状態とする駆動方法と同様に、画素部106に画像信号を書き込む。そして、表示素子は、画像信号に応じて階調の表示を行う。しかし、間欠的に動作状態とする駆動方法の場合とは異なり、全ての画素部106に画像信号を書き込んで表示状態を設定した後に、駆動回路107を必ずしも停止状態にしなくとも良い。
【0108】
次いで、
図1に示した半導体表示装置100において、間欠的に動作状態とする駆動方法の場合に、パネルコントローラ103から駆動回路107に送られる駆動信号及び電源電圧について説明する。
【0109】
パネルコントローラ103には、電源コントローラ102により、電源電圧Vpが供給されている。また、電源コントローラ102により、クロック信号CKなどの駆動信号が入力されている。パネルコントローラ103は、入力されたクロック信号CK及び電源電圧Vpを用いて、各種電源電圧及び駆動信号を生成し、走査線駆動回路109又は信号線駆動回路108に供給する機能を有する。
【0110】
なお、パネルコントローラ103で生成される駆動信号のうち、走査線駆動回路109に入力されるスタート信号SPをスタート信号GSP、信号線駆動回路108に入力されるスタート信号SPをスタート信号SSPとする。また、パネルコントローラ103で生成される駆動信号のうち、走査線駆動回路109に入力されるクロック信号CKをクロック信号GCK、信号線駆動回路108に入力されるクロック信号CKをクロック信号SCKとする。また、パネルコントローラ103で生成される電源電圧のうち、走査線駆動回路109に入力される電源電圧Vpを電源電圧GVp、信号線駆動回路108に入力される電源電圧Vpを電源電圧SVpとする。
【0111】
なお、スタート信号GSPは、垂直同期周波数に応じたパルス信号であり、スタート信号SSPは、一走査線GLの選択期間に応じたパルス信号である。
【0112】
また、クロック信号GCKは、1つのクロック信号に限定されず、位相の異なる複数のクロック信号をクロック信号GCKとして用いてもよい。複数のクロック信号をクロック信号GCKとして用いることにより、走査線駆動回路109の動作速度を向上させることができる。また、クロック信号SCKは、1つのクロック信号に限定されず、位相の異なる複数のクロック信号をクロック信号SCKとして用いてもよい。位相の異なる複数のクロック信号をクロック信号SCKとして用いることにより、信号線駆動回路108の動作速度を向上させることができる。なおクロック信号GCK及びクロック信号SCKとして共通のクロック信号CKを用いてもよい。
【0113】
連続的に動作状態にあるフレーム期間では、パネルコントローラ103は、クロック信号CK及び電源電圧Vpが入力されると、電源電圧GVp、スタート信号GSP、及びクロック信号GCKの、走査線駆動回路109への供給を開始する。具体的には、まず、電源電圧GVpの供給を開始し、電源電圧GVpの供給が安定したら、次にクロック信号GCKの供給を開始した後、スタート信号GSPの供給を開始する。なお、クロック信号GCKの供給を開始する直前に、クロック信号GCKの入力される配線に、クロック信号GCKのハイレベルの電位を印加することで、当該配線の電位を安定化させておくことが好ましい。上記方法により、動作を開始する際に、走査線駆動回路109が誤動作するのを防ぐことができる。
【0114】
また、連続的に動作状態にあるフレーム期間では、パネルコントローラ103は、クロック信号CK及び電源電圧Vpが入力されると、電源電圧SVp、スタート信号SSP、及びクロック信号SCKの信号線駆動回路108への供給を開始する。具体的には、まず、電源電圧SVpの供給を開始し、電源電圧SVpの供給が安定したら、次にクロック信号SCKの供給を開始した後、スタート信号SSPの供給を開始する。なお、クロック信号SCKの供給を開始する直前に、クロック信号SCKの入力される配線に、クロック信号SCKのハイレベルの電位を印加することで、当該配線の電位を安定化させておくことが好ましい。上記方法により、動作を開始する際に、信号線駆動回路108が誤動作するのを防ぐことができる。
【0115】
走査線駆動回路109が動作を開始すると、走査線駆動回路109から走査線GLにパルスを有する走査信号SCNが入力されることで、画素部106において画素130が順次選択される。そして、信号線駆動回路108が動作を開始すると、信号線駆動回路108から信号線SLを介して選択された画素130に画像信号が入力される。画像信号が入力された画素130では、当該画像信号に従って液晶素子132などの表示素子が、階調の表示を行う。
【0116】
次に、停止状態となるフレーム期間では、パネルコントローラ103は、電源電圧GVp及びクロック信号GCKの供給を停止する。具体的には、まず、クロック信号GCKの供給を停止することで、走査線駆動回路109における走査信号SCNの供給を停止し、全ての走査線GLの選択動作を終了させる。その後、電源電圧GVpの供給を停止する。なお、供給の停止とは、例えば信号又は電圧が入力されていた配線を浮遊状態にすること、或いは、信号又は電圧が入力されていた配線に、ローレベルの電位を与えることを意味する。上記方法により、動作を停止する際に、走査線駆動回路109が誤動作するのを防ぐことができる。
【0117】
また、停止状態となるフレーム期間では、パネルコントローラ103は、電源電圧SVp及びクロック信号SCKの供給を停止する。具体的には、まず、クロック信号SCKの供給を停止することで、信号線駆動回路108における画像信号の供給を停止し、全ての信号線SLへの画像信号の入力動作を終了させる。その後、電源電圧SVpの供給を停止する。上記方法により、動作を停止する際に、信号線駆動回路108が誤動作するのを防ぐことができる。
【0118】
そして、停止状態となるフレーム期間では、画素130が有する表示素子は、連続的に動作状態にあるフレーム期間に書き込まれた画像信号の画像情報に従って、定められた階調を保持する。例えば、液晶素子132を表示素子として用いる場合、液晶素子132が有する画素電極は浮遊状態となるため、当該液晶素子132は、連続的に動作状態にあるフレーム期間に書き込まれた画像信号のデータに基づいて設定された透過率を保持する。従って、停止状態となるフレーム期間において画素部106は、連続的に動作状態にあるフレーム期間に書き込まれた画像信号のデータに基づく画像を静止画として一定期間保持する。
【0119】
次に、連続的に動作状態となるフレーム期間において、パネルコントローラ103は、上記駆動信号及び電源電圧の駆動回路107への供給を開始することで、信号線駆動回路108と走査線駆動回路109の動作を開始させる。
【0120】
上記に一例として示すように、本実施の形態の一態様に係る半導体表示装置100では、間欠的に動作状態とする駆動方法の場合において、駆動回路107への駆動信号及び電源電圧の供給を停止させ、且つ、画素部106において画像の表示を一定期間維持することができる。上記構成により、本実施の形態の一態様に係る半導体表示装置100は、消費電力を低減することができる。
【0121】
なお、本実施の形態では、パネルコントローラ103への各種駆動信号の入力が、電源コントローラ102により制御されている場合を例示しているが、本発明の一態様では、パネルコントローラ103への各種駆動信号の一部または全ての入力が、CPU101により制御されていても良い。
【0122】
次いで、本発明の一態様において、CPU101が有する記憶装置110の構成について説明する。本発明の一態様において、記憶装置110は複数の記憶素子を有する。
図8に、記憶素子200の回路図の一例を示す。
【0123】
記憶素子200は、第1記憶回路201と、第2記憶回路202と、スイッチ203と、スイッチ204と、スイッチ205と、論理素子206と、容量素子207と、を有する。第1記憶回路201は、電源電圧が供給されている期間のみデータを保持する。第2記憶回路202は、記憶部に相当する容量素子208及びトランジスタ210と、記憶部における電荷の供給、保持、放出を制御するトランジスタ209と、を有する。
【0124】
なお、記憶素子200は、必要に応じて、ダイオード、抵抗素子、インダクタなどのその他の回路素子をさらに有していても良い。
【0125】
トランジスタ209は、酸化物半導体をチャネル形成領域に含む。
【0126】
図8では、スイッチ203は、一導電型(例えば、nチャネル型)のトランジスタ213を用いて構成され、スイッチ204は、一導電型とは異なる導電型(例えば、pチャネル型)のトランジスタ214を用いて構成した例を示す。
【0127】
スイッチ203の第1の端子は、トランジスタ213のソース端子またはドレイン端子の一方に対応し、スイッチ203の第2の端子はトランジスタ213のソース端子またはドレイン端子の他方に対応し、スイッチ203はトランジスタ213のゲート電極に入力される制御信号S2によって、第1の端子と第2の端子の間の導通状態または非導通状態(つまり、トランジスタ213のオンまたはオフ)が選択される。
【0128】
スイッチ204の第1の端子はトランジスタ214のソース端子またはドレイン端子の一方に対応し、スイッチ204の第2の端子はトランジスタ214のソース端子またはドレイン端子の他方に対応し、スイッチ204はトランジスタ214のゲート電極に入力される制御信号S2によって、第1の端子と第2の端子の間の導通状態または非導通状態(つまり、トランジスタ214のオンまたはオフ)が選択される。
【0129】
トランジスタ209のソース端子またはドレイン端子の一方は、容量素子208の一対の電極のうちの一方、及びトランジスタ210のゲート電極と接続される。トランジスタ210のゲート電極をノードM2とする。
【0130】
トランジスタ210のソース端子またはドレイン端子の一方は、電位V1が与えられる配線に接続され、他方は、スイッチ203の第1の端子と接続される。スイッチ203の第2の端子はスイッチ204の第1の端子と接続される。スイッチ204の第2の端子は電位V2が与えられる配線と接続される。スイッチ203の第2の端子と、スイッチ204の第1の端子と、論理素子206の入力端子と、容量素子207の一対の電極のうちの一方とは、接続される。スイッチ203の第2の端子及びスイッチ204の第1の端子を、ノードM1とする。
【0131】
容量素子207の一対の電極のうちの他方は、一定の電位が与えられる構成とすることができる。例えば、ローレベルの電源電位(接地電位等)またはハイレベルの電源電位が与えられる構成とすることができる。容量素子207の一対の電極のうちの他方は、電位V1が与えられる配線と接続されていてもよい。容量素子208の一対の電極のうちの他方は、一定の電位が与えられる構成とすることができる。例えば、ローレベルの電源電位(接地電位等)またはハイレベルの電源電位が与えられる構成とすることができる。容量素子208の一対の電極のうちの他方は、電位V1が与えられる配線と接続されていてもよい。
図8では、容量素子207の一対の電極のうちの他方、及び容量素子208の一対の電極のうちの他方が、電位V1が与えられる配線と接続されている例を示す。
【0132】
なお、容量素子207は、寄生容量等を積極的に利用することによって省略することも可能である。容量素子208は、トランジスタ210のゲート容量等を積極的に利用することによって省略することも可能である。なお、ゲート容量とは、ゲート電極と活性層の間に形成される容量に相当する。
【0133】
トランジスタ209のゲート電極には、制御信号S1が入力される。スイッチ203及びスイッチ204は、制御信号S1とは異なる制御信号S2によって第1の端子と第2の端子の間の導通状態または非導通状態が選択され、一方のスイッチの第1の端子と第2の端子の間が導通状態のとき他方のスイッチの第1の端子と第2の端子の間は非導通状態となる。スイッチ205は、制御信号S1及び制御信号2とは異なる制御信号S3によって第1の端子と第2の端子の間の導通状態または非導通状態を選択される。
【0134】
トランジスタ209のソース端子またはドレイン端子の他方には、第1記憶回路201に保持されたデータに対応する信号が入力される。
図8では、第1記憶回路201の出力端子OUTから出力された信号が、トランジスタ209のソース端子またはドレイン端子の他方に入力される例を示した。スイッチ203の第2の端子から出力される信号は、論理素子206によってその極性が反転された反転信号となり、制御信号S3によって第1の端子と第2の端子間が導通状態となったスイッチ205を介して第1記憶回路201に入力される。
【0135】
なお、
図8では、スイッチ203の第2の端子から出力される信号は、論理素子206及びスイッチ205を介して第1記憶回路201の入力端子(
図8中、INと記載)に入力する例を示したが、本発明の一態様はこの構成に限定されない。スイッチ203の第2の端子から出力される信号が、極性を反転させられることなく、第1記憶回路201に入力されてもよい。例えば、第1記憶回路201内に、入力端子から入力された信号の極性が反転した信号が保持されるノードが存在する場合に、スイッチ203の第2の端子から出力される信号を当該ノードに入力することができる。
【0136】
図8において、電位V1と電位V2の電位差に相当する電圧が、電源電圧として記憶素子200に供給されている。第1記憶回路201には電位V1と電位V2の電位差に相当する電圧が、電源電圧として供給されていてもよい。第1記憶回路201に電源電圧が供給されない期間では、電位V1と電位V2をほぼ等電位とする。
【0137】
なお、スイッチ205は、トランジスタを用いて構成することができる。当該トランジスタはnチャネル型トランジスタであってもよいし、pチャネル型トランジスタであってもよい。また、nチャネル型トランジスタとpチャネル型トランジスタを組み合わせて用いてもよい。例えば、スイッチ205として、アナログスイッチを用いることができる。
【0138】
図8において、トランジスタ209は、酸化物半導体を含む半導体膜を挟んで上下に2つのゲート電極を有するトランジスタとすることもできる。一方のゲート電極に制御信号S1を入力し、他方のゲート電極には、制御信号S4を入力することができる。制御信号S4は、一定の電位の信号であってもよい。一定の電位は、電位V1や電位V2であってもよい。なお、半導体膜を挟んで上下に設けられた2つのゲート電極を接続し、制御信号S1を入力してもよい。トランジスタ209の他方のゲート電極に入力される信号によって、トランジスタ209の閾値電圧を制御することができる。閾値電圧を制御することで、トランジスタ209のオフ電流を更に低減することもできる。
【0139】
図8において、記憶素子200に用いられるトランジスタのうち、トランジスタ209以外のトランジスタは、チャネル形成領域に、酸化物半導体以外の半導体を含んでいても良い。例えば、トランジスタ209以外のトランジスタは、シリコンを含む半導体膜またはシリコン基板に、チャネル形成領域が形成されていても良い。
【0140】
図8における第1記憶回路201は、第1の論理素子及び第2の論理素子を有する。そして、第1の論理素子の入力端子は第2の論理素子の出力端子と接続され、第2の論理素子の入力端子は第1の論理素子の出力端子と接続された構成を有する。第1の論理素子及び第2の論理素子は、それぞれ電源電圧が供給されている期間のみ、入力された信号に対応する信号を出力する。
【0141】
また、論理素子としては、例えばインバータやクロックドインバータ等を用いることができる。
【0142】
次いで、
図8に示す記憶素子200の駆動方法について、
図9のタイミングチャートを用いて説明する。
【0143】
図9のタイミングチャートにおいて、220は第1記憶回路201に保持されているデータを示し、S1は制御信号S1の電位を示し、S2は制御信号S2の電位を示し、S3は制御信号S3の電位を示し、V1は電位V1を示し、V2は電位V2を示す。電源電圧が記憶素子200に供給されていない場合、電位V1と電位V2の電位差Vは、ほぼ0となる。M1はノードM1の電位を示し、M2はノードM2の電位を示す。
【0144】
なお、以下に示す駆動方法では、
図8に示した構成において、スイッチ203をnチャネル型トランジスタとし、スイッチ204をpチャネル型トランジスタとして、制御信号S2の電位がハイレベルの場合に、スイッチ203の第1の端子と第2の端子の間が導通状態となり、且つスイッチ204の第1の端子と第2の端子の間が非導通状態となり、制御信号S2の電位がローレベルの場合に、スイッチ203の第1の端子と第2の端子の間が非導通状態となり、且つスイッチ204の第1の端子と第2の端子の間が導通状態となる例を示す。また、スイッチ205は、制御信号S3の電位がハイレベルの場合に第1の端子と第2の端子の間が導通状態となり、制御信号S3の電位がローレベルの場合に第1の端子と第2の端子の間が非導通状態となる例を示す。また、トランジスタ209をnチャネル型トランジスタとして、制御信号S1の電位がハイレベルの場合に、トランジスタ209がオンとなり、制御信号S1の電位がローレベルの場合に、トランジスタ209がオフとなる例を示す。
【0145】
しかしながら、本発明の駆動方法はこれに限定されず、以下の説明における、スイッチ203、スイッチ204、スイッチ205、トランジスタ209の状態が同じとなるように、各制御信号の電位を定めることができる。
【0146】
また、電位V1をローレベルの電源電位VSSとし、電位V2をハイレベルの電源電位VDDと電源電位VSSとで切り替える場合の例を示す。電源電位VSSは、例えば接地電位とすれば良い。なお、本発明の一態様では、上記構成に限定されず、電位V2を電源電位VSSとし、電位V1を電源電位VDDと電源電位VSSとで切り替えてもよい。
【0147】
(通常動作)
図9の、期間1の動作について説明する。期間1では、電源電圧が記憶素子200に供給されている。期間1において、電位V2は電源電位VDDである。記憶素子200へ電源電圧が供給されている間は、第1記憶回路201がデータ(
図9中、dataXと表記)を保持する。この際、制御信号S3の電位をローレベルとして、スイッチ205の第1の端子と第2の端子の間は非導通状態とする。なお、スイッチ203及びスイッチ204の第1の端子と第2の端子の間の状態(導通状態、非導通状態)はどちらの状態であってもよい。即ち、制御信号S2の電位は、ハイレベルであってもローレベルであってもよい(
図9中、Aと表記)。また、トランジスタ209の状態(オン、オフ)はどちらの状態であってもよい。即ち、制御信号S1の電位は、ハイレベルであってもローレベルであってもよい(
図9中、Aと表記)。期間1において、ノードM1の電位は、ハイレベルであってもローレベルであってもよい(
図9中、Aと表記)。期間1において、ノードM2の電位は、ハイレベルであってもローレベルであってもよい(
図9中、Aと表記)。期間1の動作を通常動作と呼ぶ。
【0148】
(電源電圧供給停止前の動作)
図9の、期間2の動作について説明する。記憶素子200への電源電圧の供給を停止する前に、制御信号S1の電位をハイレベルとして、トランジスタ209をオンとする。上記動作により、第1記憶回路201に保持されたデータ(dataX)に対応する信号が、トランジスタ209を介してトランジスタ210のゲート電極に入力される。トランジスタ210のゲート電極に入力された信号は、容量素子208またはトランジスタ210のゲート容量によって保持される。よって、ノードM2の電位は、第1記憶回路201に保持されたデータに対応する信号電位(
図9中、VXと表記)となる。その後、制御信号S1の電位をローレベルとしてトランジスタ209をオフとする。上記動作により、第1記憶回路201に保持されたデータに対応する信号が第2記憶回路202に保持される。期間2の間も、制御信号S3によって、スイッチ205の第1の端子と第2の端子の間は非導通状態となる。スイッチ203及びスイッチ204の第1の端子と第2の端子の間の状態(導通状態、非導通状態)はどちらであってもよい。即ち、制御信号S2の電位はハイレベルであってもローレベルであってもよい(
図9中、Aと表記)。期間2において、ノードM1はハイレベルであってもローレベルであってもよい(
図9中、Aと表記)。期間2の動作を電源電圧供給停止前の動作と呼ぶ。
【0149】
図9の、期間3の動作について説明する。電源電圧供給停止前の動作を行った後、期間3のはじめに、電位V2を電源電位VSSとし、記憶素子200への電源電圧の供給を停止する。電源電圧の供給が停止すると、第1記憶回路201に保持されていたデータ(dataX)は消失する。しかし、記憶素子200への電源電圧の供給が停止した後においても、容量素子208またはトランジスタ210のゲート容量によって、第1記憶回路201に保持されていたデータ(dataX)に対応する信号電位(VX)が、ノードM2に保持される。トランジスタ209はオフ電流が極めて小さいため、容量素子208またはトランジスタ210のゲート容量によって保持された電位(ノードM2の電位VX)を長期間保つことができる。よって、記憶素子200は、電源電圧の供給が停止した後も、データ(dataX)を保持する。期間3は、記憶素子200への電源電圧の供給が停止している期間に対応する。
【0150】
(電源電圧供給再開の動作)
図9の、期間4の動作について説明する。電位V2を電源電位VDDにすることで、記憶素子200への電源電圧の供給を再開した後、制御信号S2の電位をローレベルとして、スイッチ204の第1の端子と第2の端子の間を導通状態とし、スイッチ203の第1の端子と第2の端子の間を非導通状態とする。この際、制御信号S1の電位はローレベルであり、トランジスタ209はオフのままである。また、制御信号S3の電位はローレベルであり、スイッチ205の第1の端子と第2の端子の間は非導通状態である。よって、スイッチ203の第2の端子及びスイッチ204の第1の端子(ノードM1)に、一定の電位である電源電位VDDを与える(以下、プリチャージ動作と呼ぶ)ことができる。ノードM1の電位は、容量素子207によって保持される。
【0151】
上記プリチャージ動作の後、期間5において、制御信号S2の電位をハイレベルとすることによって、スイッチ203の第1の端子と第2の端子の間を導通状態とし、スイッチ204の第1の端子と第2の端子の間を非導通状態とする。この際、制御信号S1の電位はローレベルのままであり、トランジスタ209はオフのままである。また、制御信号S3の電位はローレベルであり、スイッチ205の第1の端子と第2の端子の間は非導通状態である。そして、容量素子208またはトランジスタ210のゲート容量に保持された信号(ノードM2の電位VX)に応じて、トランジスタ210のオンまたはオフが選択されることで、スイッチ203の第2の端子及びスイッチ204の第1の端子(ノードM1)の電位が定まる。具体的に、トランジスタ210がオンの場合、ノードM1には電位V1(例えば、電源電位VSS)が与えられる。一方、トランジスタ210がオフの場合には、ノードM1の電位は、上記プリチャージ動作によって定められた一定の電位(例えば、電源電位VDD)のまま維持される。こうして、トランジスタ210のオンまたはオフに対応して、ノードM1の電位は電源電位VDDまたは電源電位VSSとなる。
【0152】
例えば、第1記憶回路201に保持されていた信号がデジタル値「1」に対応している場合、第1記憶回路201の出力端子OUTから出力された信号の電位は、ハイレベルである。この場合、ノードM1は、デジタル値「0」の信号に対応するローレベルの電源電位VSSとなる。一方、第1記憶回路201に保持されていた信号がデジタル値「0」に対応している場合、第1記憶回路201の出力端子OUTから出力された信号の電位は、ローレベルである。この場合、ノードM1は、デジタル値「1」の信号に対応するハイレベルの電源電位VDDとなる。つまり、第1記憶回路201に記憶されていた信号とは、異なるデジタル値に対応する電位が、ノードM1に保持されることになる。
図9において、この電位をVXbと表記する。つまり、期間2において第1記憶回路201から入力されたデータ(dataX)に対応する信号の電位が、ノードM1の電位(VXb)に変換される。
【0153】
その後、期間6において、制御信号S3の電位をハイレベルとして、スイッチ205の第1の端子と第2の端子の間を導通状態とする。この際、制御信号S2の電位はハイレベルのままである。また、制御信号S1の電位はローレベルのままであり、トランジスタ209はオフのままである。上記動作により、スイッチ203の第2の端子及びスイッチ204の第1の端子の電位(ノードM1の電位(VXb))に対応する信号は、論理素子206においてデータ(dataX)に対応する反転信号となる。当該反転信号は、第1記憶回路201に入力される。よって、第1記憶回路201は、記憶素子200への電源電圧の供給停止前に保持していたデータ(dataX)を再び保持することができる。
【0154】
図8に示す記憶素子200では、ノードM1の電位を、期間4におけるプリチャージ動作によって一定の電位(
図9では、電源電位VDD)にした後、期間5において、データ(dataX)に対応する電位VXbとするため、ノードM1の電位が所定の電位VXbに定まるまでの時間を短くすることができる。すなわち、
図8に示す記憶素子200では、スイッチ203及びスイッチ204を設けることにより、プリチャージ動作を可能とし、電源電圧供給再開後に、第1記憶回路201が元のデータを保持するまでの時間を、短くすることができる。
【0155】
本発明の一態様では、記憶装置が有する各記憶素子200に電源電圧が供給されない間は、揮発性のメモリに相当する第1記憶回路201に記憶されていたデータを、第2記憶回路202に設けられた容量素子208またはトランジスタ210のゲート容量によって保持することができる。
【0156】
また、トランジスタ209は、チャネル形成領域に酸化物半導体を含むために、オフ電流が極めて小さい。そのため、トランジスタ209を用いることによって、記憶素子200に電源電圧が供給されない場合でも、容量素子208またはトランジスタ210のゲート容量に保持された電荷が、長期間に渡り保持される。よって、記憶素子200は、電源電圧の供給が停止した間もデータを保持することが可能である。
【0157】
また、第2記憶回路202において、容量素子208またはトランジスタ210のゲート容量によって保持された信号は、記憶素子200への電源電圧の供給が再開された後、トランジスタ210の状態(オンまたはオフ)に変換されるため、トランジスタ210のドレイン電流により第2記憶回路202から上記信号を読み出すことができる。それ故、容量素子208またはトランジスタ210のゲート容量に保持された信号に対応する電位が多少変動していても、元の信号を正確に読み出すことが可能である。
【0158】
上記記憶素子200を、CPU101が有するレジスタやキャッシュメモリなどの記憶装置に用いることで、電源電圧の供給停止による記憶装置内のデータの消失を防ぐことができる。また、電源電圧の供給を停止する前の状態の待避を短時間で行うことができ、さらに、電源電圧の供給を再開した後、短時間で電源電圧供給停止前の状態に復帰することができる。よって、CPU101、さらには半導体表示装置100において、画素部106への画像信号の書き込みの完了から、次の画像信号の書き込みの開始までの時間が、60秒のように長い時間であっても、ミリ秒程度の短い時間であっても、電源電圧の供給の停止を行うことができる。そのため、消費電力を抑えることができる半導体表示装置100を提供することができる。
【0159】
なお、本発明の一態様では、CPU101が有する記憶装置の各記憶素子200が、第1記憶回路のデータを記憶する第2記憶回路を有し、第2記憶回路は、電荷の蓄積によりデータの記憶を行う記憶部と、記憶部における当該電荷の供給、保持、放出を制御するオフ電流が極めて小さいトランジスタとを有していれば良い。
図8に示した構成の記憶素子200は、本発明の一態様に相当し、CPU101が有する記憶装置の各記憶素子が、
図8に示した構成とは異なる構成を有していても良い。
【0160】
次いで、本発明の一態様に係る記憶素子200の、
図8とは異なる構成の一例について、
図16を用いて説明する。
【0161】
図16に示す記憶素子250は、第1記憶回路251と、第2記憶回路252とを有する。第1記憶回路251は、入力された信号の極性を反転させて出力する第1の論理素子253a及び第2の論理素子253bと、トランジスタ254と、トランジスタ255とを有する。第2記憶回路252は、トランジスタ257と、記憶部に相当する容量素子256とを有する。
【0162】
記憶素子250に入力されたデータを含む信号Dinは、トランジスタ254を介して第1の論理素子253aの入力端子に与えられる。第1の論理素子253aの出力端子は、第2の論理素子253bの入力端子に接続されている。第2の論理素子253bの出力端子は、トランジスタ255を介して、第1の論理素子253aの入力端子に接続されている。第1の論理素子253aの出力端子または第2の論理素子253bの入力端子の電位が、信号Doutとして後段の記憶素子250、或いは他の回路に出力される。
【0163】
なお、
図16では、第1の論理素子253a及び第2の論理素子253bとしてインバータを用いる例を示しているが、第1の論理素子253aまたは第2の論理素子253bとして、インバータの他に、クロックドインバータを用いることもできる。
【0164】
容量素子256は、記憶素子250に入力された信号Dinのデータを必要に応じて記憶できるように、トランジスタ254及びトランジスタ257を介して、記憶素子250の入力端子、すなわち信号Dinの電位が与えられるノードに接続されている。具体的に、容量素子256が有する一対の電極のうち、一方の電極は、トランジスタ257を介して第1の論理素子253aの入力端子に接続され、他方の電極は、接地電位などのローレベルの電源電位VSSが与えられているノードに接続されている。
【0165】
また、トランジスタ257は、チャネル形成領域に酸化物半導体を含んでいるため、通常のシリコンやゲルマニウムなどの半導体で形成されたトランジスタに比べて、オフ電流が極めて小さい。容量素子256におけるデータの保持期間の長さは、容量素子256に蓄積されている電荷が、トランジスタ257を介してリークする量に依存する。よって、上述したような、オフ電流の著しく小さいトランジスタ257により、容量素子256に蓄積された電荷を保持することで、容量素子256からの電荷のリークを防ぐことができ、データの保持期間を長く確保することができる。
【0166】
なお、
図16では、トランジスタ257を構成するトランジスタがシングルゲート構造である場合を例示しているが、上記トランジスタは、電気的に接続された複数のゲート電極を有することで、チャネル形成領域を複数有する、マルチゲート構造であっても良い。
【0167】
また、
図16では、トランジスタ257がトランジスタを一つだけ有する構成を示しているが、本発明はこの構成に限定されない。本発明の一態様では、トランジスタ257が、トランジスタを複数有していても良い。トランジスタ257が、スイッチング素子として機能するトランジスタを複数有している場合、上記複数のトランジスタは並列に接続されていても良いし、直列に接続されていても良いし、直列と並列が組み合わされて接続されていても良い。
【0168】
また、記憶素子250は、必要に応じて、ダイオード、抵抗素子、インダクタなどのその他の回路素子を、さらに有していても良い。
【0169】
第1の論理素子253aは、ゲート電極が互いに接続されたpチャネル型トランジスタ258と、nチャネル型トランジスタ259とが、ハイレベルの電源電位VDDが与えられる第1のノードと、ローレベルの電源電位VSSが与えられる第2のノードの間において、直列に接続された構成を有する。具体的に、pチャネル型トランジスタ258のソース端子が、電源電位VDDの与えられる第1のノードに接続され、nチャネル型トランジスタ259のソース端子が、電源電位VSSの与えられる第2のノードに接続される。また、pチャネル型トランジスタ258のドレイン端子と、nチャネル型トランジスタ259のドレイン端子とが接続されており、上記2つのドレイン端子の電位は、第1の論理素子253aの出力端子の電位とみなすことができる。また、pチャネル型トランジスタ258のゲート電極、及びnチャネル型トランジスタ259のゲート電極の電位は、第1の論理素子253aの入力端子の電位とみなすことができる。
【0170】
第2の論理素子253bは、ゲート電極が互いに接続されたpチャネル型トランジスタ260と、nチャネル型トランジスタ261とが、ハイレベルの電源電位VDDが与えられる第1のノードと、ローレベルの電源電位VSSが与えられる第2のノードの間において、直列に接続された構成を有する。具体的に、pチャネル型トランジスタ260のソース端子が、電源電位VDDの与えられる第1のノードに接続され、nチャネル型トランジスタ261のソース端子が、電源電位VSSの与えられる第2のノードに接続される。また、pチャネル型トランジスタ260のドレイン端子と、nチャネル型トランジスタ261のドレイン端子とが接続されており、上記2つのドレイン端子の電位は、第2の論理素子253bの出力端子の電位とみなすことができる。また、pチャネル型トランジスタ260のゲート電極、及びnチャネル型トランジスタ261のゲート電極の電位は、第2の論理素子253bの入力端子の電位とみなすことができる。
【0171】
また、トランジスタ254は、そのゲート電極に与えられる信号Sig1によりオンまたはオフの状態が選択される。また、トランジスタ255は、そのゲート電極に与えられる信号Sig2によりオンまたはオフの状態が選択される。トランジスタ257は、そのゲート電極に与えられる制御信号Sig3によりオンまたはオフの状態が選択される。
【0172】
なお、第1の論理素子253a、第2の論理素子253bには、高速動作が要求される。よって、結晶性を有するシリコンまたはゲルマニウムをチャネル形成領域に有するトランジスタを、第1の論理素子253aが有するnチャネル型トランジスタ259、またはpチャネル型トランジスタ258として、或いは、第2の論理素子253bが有するnチャネル型トランジスタ261、またはpチャネル型トランジスタ260として用いることが、望ましい。
【0173】
なお、トランジスタ254またはトランジスタ255は、結晶性を有するシリコンまたはゲルマニウムをチャネル形成領域に有していても良い。
【0174】
次いで、
図16に示す記憶素子250の動作の一例について説明する。
【0175】
まず、データの書き込み時において、トランジスタ254はオン、トランジスタ255はオフ、トランジスタ257はオフとする。そして、第1のノードに電源電位VDDを与え、第2のノードに電源電位VSSを与えることで、第1記憶回路251に電源電圧が与えられる。記憶素子250に与えられる信号Dinの電位は、トランジスタ254を介して第1の論理素子253aの入力端子に与えられるので、第1の論理素子253aの出力端子は、信号Dinの極性が反転した電位になる。そして、トランジスタ255をオンにし、第1の論理素子253aの入力端子と第2の論理素子253bの出力端子とを接続することで、第1の論理素子253a及び第2の論理素子253bにデータが書き込まれる。
【0176】
次いで、入力されたデータの保持を、第1の論理素子253a及び第2の論理素子253bによって行う場合、トランジスタ255をオン、トランジスタ257をオフの状態にしたままで、トランジスタ254をオフにする。トランジスタ254をオフにすることで、入力されたデータは、第1の論理素子253a及び第2の論理素子253bによって保持される。このとき、第1のノードに電源電位VDDを与え、第2のノードに電源電位VSSを与えることで、第1のノードと第2のノード間に電源電圧が印加されている状態を維持する。
【0177】
そして、第1の論理素子253aの出力端子の電位には、第1の論理素子253a及び第2の論理素子253bによって保持されているデータが反映されている。よって、上記電位を読み取ることで、データを記憶素子250から読み出すことができる。
【0178】
なお、データの保持時において電源電圧の供給を停止する場合、電源電圧の供給が停止される前に、データの保持を、容量素子256において行う。容量素子256においてデータの保持を行う場合、まず、トランジスタ254はオフ、トランジスタ255はオン、トランジスタ257はオンとする。そして、トランジスタ257を介して、第1の論理素子253a及び第2の論理素子253bによって保持されているデータの値に見合った量の電荷が容量素子256に蓄積されることで、容量素子256へのデータの書き込みが行われる。容量素子256にデータが記憶された後、トランジスタ257をオフにすることで、容量素子256に記憶されたデータは保持される。トランジスタ257をオフにした後は、第1のノードと第2のノードとに、例えば電源電位VSSを与えて等電位とすることで、第1のノードと第2のノード間の電源電圧の印加を停止する。なお、容量素子256にデータが記憶された後は、トランジスタ255をオフにしても良い。
【0179】
このように、入力されたデータの保持を容量素子256において行う場合は、第1のノードと第2のノード間に電源電圧を印加する必要がないので、第1の論理素子253aが有するpチャネル型トランジスタ258及びnチャネル型トランジスタ259、或いは、第2の論理素子253bが有するpチャネル型トランジスタ260及びnチャネル型トランジスタ261を介して、第1のノードと第2のノードの間に流れるオフ電流を限りなく0に近づけることができる。したがって、データの保持時における第1記憶回路251のオフ電流に起因する消費電力を大幅に削減することができ、記憶装置、延いては記憶装置を用いた半導体表示装置の、消費電力を低く抑えることが可能となる。
【0180】
また、上述したように、トランジスタ257はオフ電流が著しく小さい。よって、上記トランジスタ257がオフである時、容量素子256に蓄積された電荷はリークしにくいため、データは保持される。
【0181】
また、容量素子256に記憶されているデータを読み出す場合は、トランジスタ254をオフとする。そして、再び、第1のノードに電源電位VDDを与え、第2のノードに電源電位VSSを与えることで、第1のノードと第2のノード間に電源電圧を印加する。そして、トランジスタ257をオンにすることで、データが反映された電位を有する信号Doutを、記憶素子250から読み出すことができる。
【0182】
次いで、
図10(A)に、CPU101が有する記憶装置の構成を一例として示す。
図10(A)に示す記憶装置は、スイッチング素子221と、記憶素子200を複数有する記憶素子群222とを有している。記憶素子群222が有する各記憶素子200には、スイッチング素子221を介して、ハイレベルの電源電位VDDが供給されている。さらに、記憶素子群222が有する各記憶素子200には、信号INの電位と、ローレベルの電源電位VSSの電位が与えられている。
【0183】
図10(A)では、スイッチング素子221として、トランジスタを用いており、当該トランジスタは、そのゲート電極に与えられる制御信号SigAによりスイッチングが制御される。
【0184】
なお、
図10(A)では、スイッチング素子221がトランジスタを一つだけ有する構成を示しているが、本発明はこの構成に限定されない。本発明の一態様では、スイッチング素子221が、トランジスタを複数有していても良い。スイッチング素子221が、スイッチング素子として機能するトランジスタを複数有している場合、上記複数のトランジスタは並列に接続されていても良いし、直列に接続されていても良いし、直列と並列が組み合わされて接続されていても良い。
【0185】
また、
図10(A)では、スイッチング素子221により、記憶素子群222が有する各記憶素子200への、ハイレベルの電源電位VDDの供給が制御されているが、スイッチング素子221により、ローレベルの電源電位VSSの供給が制御されていても良い。
図10(B)に、記憶素子群222が有する各記憶素子200に、スイッチング素子221を介して、ローレベルの電源電位VSSが供給されている記憶装置の一例を示す。スイッチング素子221により、記憶素子群222が有する各記憶素子200への、ローレベルの電源電位VSSの供給を制御することができる。
【0186】
本実施の形態は、他の実施の形態と適宜組み合わせて実施することが可能である。
【0187】
(実施の形態2)
本実施の形態では、上記実施の形態に示す半導体表示装置100における、走査線駆動回路109及び信号線駆動回路108に適用可能なシフトレジスタの一例について説明する。
【0188】
図11に、本実施の形態におけるシフトレジスタの構成の一例を示す。
【0189】
図11(A)に示すシフトレジスタは、P個(Pは3以上の自然数)の単位順序回路10を用いて構成されている。
図11(A)では、P個の単位順序回路10を、それぞれ単位順序回路FF_1乃至単位順序回路FF_Pとして示す。
【0190】
単位順序回路FF_1乃至単位順序回路FF_Pのそれぞれは、スタート信号ST及びリセット信号Resが入力される。
【0191】
さらに単位順序回路FF_1乃至単位順序回路FF_Pのそれぞれは、クロック信号CK1、クロック信号CK2、及びクロック信号CK3が入力される。クロック信号CK1、クロック信号CK2、及びクロック信号CK3は、例えば第1のクロック信号(CLK1ともいう)、第2のクロック信号(CLK2ともいう)、第3のクロック信号(CLK3ともいう)、及び第4のクロック信号(CLK4ともいう)のうちのいずれか3つのクロック信号を用いることできる。第1のクロック信号乃至第4のクロック信号は、ハイレベルとローレベルの電位が繰り返し出現するデジタル信号である。なお、互いに隣り合う単位順序回路10には、互いに異なる組み合わせのクロック信号が入力されるものとする。
図11(A)に示すシフトレジスタは、第1のクロック信号乃至第4のクロック信号を用いて単位順序回路10の動作を制御する。上記構成により、動作速度を向上させることができる。
【0192】
さらに、
図11(A)に示す単位順序回路10の、具体的な回路構成の一例を
図11(B)に示す。
【0193】
図11(B)に示す単位順序回路は、トランジスタ31、トランジスタ32、トランジスタ33、トランジスタ34、トランジスタ35、トランジスタ36、トランジスタ37、トランジスタ38、トランジスタ39、トランジスタ40、トランジスタ41を有する。以下、上記全てのトランジスタがnチャネル型である場合を例に挙げて、その具体的な接続関係について説明する。
【0194】
なお、本実施の形態では、トランジスタが有するソース端子またはドレイン端子の一方を第1端子、他方を第2端子とし、単位順序回路の構成を説明する。
【0195】
トランジスタ31の第1端子は、電源電位Vaが入力され、トランジスタ31のゲート電極は、スタート信号STが入力される。トランジスタ32の第1端子は、電源電位Vbが入力され、トランジスタ32の第2端子は、トランジスタ31の第2端子に接続される。
【0196】
なお、電源電位Vaと電源電位Vbのいずれか一方はハイレベルの電位Vddであり、他方はローレベルの電位Vssである。電源電位Va及び電源電位Vbの値は、上記全てのトランジスタがpチャネル型である場合、その電位の関係は互いに入れ替わる。また、電源電位Va及び電源電位Vbの電位差が電源電圧に相当する。
【0197】
トランジスタ33の第1端子は、トランジスタ31の第2端子に接続され、トランジスタ33のゲート電極は、電源電位Vaが入力される。
【0198】
トランジスタ34の第1端子は、電源電位Vaが入力され、トランジスタ34のゲート電極は、クロック信号CK3が入力される。
【0199】
トランジスタ35の第1端子は、トランジスタ34の第2端子に接続され、トランジスタ35の第2端子は、トランジスタ32のゲート電極に接続され、トランジスタ35のゲート電極は、クロック信号CK2が入力される。
【0200】
トランジスタ36の第1端子は、電源電位Vaが入力され、トランジスタ36のゲート電極は、リセット信号Resが入力される。
【0201】
トランジスタ37の第1端子は、電源電位Vbが入力され、トランジスタ37の第2端子は、トランジスタ32のゲート電極及びトランジスタ36の第2端子に接続され、トランジスタ37のゲート電極は、スタート信号STが入力される。
【0202】
トランジスタ38の第1端子は、クロック信号CK1が入力され、トランジスタ38のゲート電極は、トランジスタ33の第2端子に接続される。
【0203】
トランジスタ39の第1端子は、電源電位Vbが入力され、トランジスタ39の第2端子は、トランジスタ38の第2端子に接続され、トランジスタ39のゲート電極は、トランジスタ32のゲート電極に接続される。
【0204】
トランジスタ40の第1端子は、クロック信号CK1が入力され、トランジスタ40のゲート電極は、トランジスタ33の第2端子に接続される。
【0205】
トランジスタ41の第1端子は、電源電位Vbが入力され、トランジスタ41の第2端子は、トランジスタ40の第2端子に接続され、トランジスタ41のゲート電極は、トランジスタ32のゲート電極に接続される。
【0206】
なお、
図11(B)において、トランジスタ33の第2端子と、トランジスタ38のゲート電極と、トランジスタ40のゲート電極との接続箇所をノードNAとする。また、トランジスタ32のゲート電極と、トランジスタ35の第2端子と、トランジスタ36の第2端子と、トランジスタ37の第2端子と、トランジスタ39のゲート電極と、トランジスタ41のゲート電極との接続箇所をノードNBとする。また、トランジスタ38の第2端子とトランジスタ39の第2端子との接続箇所をノードNCとする。また、トランジスタ40の第2端子とトランジスタ41の第2端子との接続箇所をノードNDとする。
【0207】
図11(B)に示す単位順序回路は、ノードNCの電位を第1の出力信号OUT1として出力し、ノードNDの電位を第2の出力信号OUT2として出力する。第2の出力信号OUT2は、例えば、走査線駆動回路109では、画素130を選択する走査信号SCNとして用いることができ、信号線駆動回路108では、画像信号を選択された画素130に出力するための信号として用いられる。
【0208】
なお、1段目の単位順序回路FF_1に入力されるスタート信号STには、例えば、上記実施の形態の半導体表示装置100におけるスタート信号GSP又はスタート信号STPなどが用いられる。また、2段目以降の単位順序回路FF_2乃至単位順序回路FF_Pでは、それぞれ前段の単位順序回路における第1の出力信号OUT1を、スタート信号STとして用いる。
【0209】
そして、単位順序回路FF_1乃至単位順序回路FF_P−2では、それぞれ2つ後段の単位順序回路における第1の出力信号OUT1をリセット信号Resとして用いる。また、単位順序回路FF_P−1と、単位順序回路FF_Pでは、リセット信号Resとして、例えば別途生成された信号を用いることができる。なお、P−1段目の単位順序回路FF_P−1と、P段目の単位順序回路FF_Pは、ダミーの単位順序回路として用いられる。
【0210】
次に、
図11(A)に示すシフトレジスタの動作の一例について、
図12を用いて説明する。
【0211】
図12(A)は、
図11(B)に示す単位順序回路の動作の一例を示すタイミングチャートであり、
図12(B)は、
図11(A)に示すシフトレジスタの動作の一例を示すタイミングチャートである。
【0212】
なお、
図12(A)では、
図11(A)に示す単位順序回路10が
図11(B)に示す構成を有する場合のタイミングチャートを例示している。また、
図11(B)に示す単位順序回路10におけるトランジスタ31乃至トランジスタ41のそれぞれを、全てnチャネル型とし、電源電位Vaとして電位Vddが入力され、電源電位Vbとして電位Vssが入力される場合を例に挙げて、以下説明を行う。
【0213】
図12(A)に示すように、各単位順序回路10では、選択期間61において、スタート信号STのパルスが入力されることで、トランジスタ31がオンになると、ブートストラップ動作により、ノードNAの電位が電位Vdd以上の高さになり、トランジスタ38及びトランジスタ40がオンになる。また、スタート信号STのパルスが入力されることで、トランジスタ37がオンになると、ノードNBの電位がローレベルになり、トランジスタ39及びトランジスタ41がオフになる。よって、第1の出力信号OUT1の電位がハイレベルになり及び第2の出力信号OUT2の電位がハイレベルになる。
【0214】
さらに、非選択期間62において、リセット信号Resのパルスが入力されることにより、トランジスタ36がオンになるので、ノードNBの電位がハイレベルになり、トランジスタ32、トランジスタ39及びトランジスタ41がオンになる。また、トランジスタ32がオンになることで、ノードNAの電位がローレベルになり、トランジスタ38及びトランジスタ40がオフになる。よって、第1の出力信号OUT1及び第2の出力信号OUT2の電位はローレベルに維持される。
【0215】
そして、上記動作を第1のクロック信号CLK1乃至第4のクロック信号CLK4に従って、単位順序回路10において順に行うことにより、各単位順序回路10から、
図12(B)に示すように、順次パルスがシフトする第1の出力信号OUT1及び第2の出力信号OUT2を出力することができる。
【0216】
本実施の形態で示したシフトレジスタを、上記実施の形態の半導体表示装置100が有する走査線駆動回路109または信号線駆動回路108に用いる場合、各単位順序回路10に入力される電源電圧、クロック信号CLKなどの駆動信号、1段目の単位順序回路に入力されるスタート信号SPなどの駆動信号の供給を停止することで、走査線駆動回路109及び信号線駆動回路108の動作を停止することができる。
【0217】
本実施の形態は、他の実施の形態と適宜組み合わせて実施することが可能である。
【0218】
(実施の形態3)
本実施の形態では、CPUの具体的な一形態について説明する。
図13に、CPUの構成をブロックで一例として示す。
【0219】
CPU600は、制御装置601と、演算装置に相当するALU(Arithmetic logic unit)602と、データキャッシュ603と、命令キャッシュ604と、プログラムカウンタ605と、命令レジスタ606と、主記憶装置607と、レジスタファイル608とを有する。
【0220】
制御装置601は、入力された命令をデコードし、実行する機能を有する。ALU602は、四則演算、論理演算などの各種演算処理を行う機能を有する。データキャッシュ603は、使用頻度の高いデータを一時的に記憶しておく緩衝記憶装置である。命令キャッシュ604は、制御装置601に送られる命令(プログラム)のうち、使用頻度の高い命令を一時的に記憶しておく緩衝記憶装置である。プログラムカウンタ605は、次に実行する命令のアドレスを記憶するレジスタである。命令レジスタ606は、次に実行する命令を記憶するレジスタである。主記憶装置607には、ALU602における演算処理に用いられるデータや、制御装置601において実行される命令が記憶されている。レジスタファイル608は、汎用レジスタを含む複数のレジスタを有しており、主記憶装置607から読み出されたデータ、ALU602の演算処理の途中で得られたデータ、或いはALU602の演算処理の結果得られたデータ、などを記憶することができる。
【0221】
次いで、CPU600の動作について説明する。
【0222】
制御装置601は、プログラムカウンタ605に記憶されている、次に実行する命令のアドレスに従い、命令キャッシュ604の対応するアドレスから命令を読み出し、命令レジスタ606に上記命令を記憶させる。命令キャッシュ604の対応するアドレスに、該当する命令が記憶されていない場合は、主記憶装置607の対応するアドレスにアクセスし、主記憶装置607から命令を読み出し、命令レジスタ606に記憶させる。この場合、上記命令を命令キャッシュ604にも記憶させておく。
【0223】
制御装置601は、命令レジスタ606に記憶されている命令をデコードし、命令を実行する。具体的には、上記命令に従ってALU602の動作を制御するための各種信号を生成する。
【0224】
実行すべき命令が演算命令の場合は、レジスタファイル608に記憶されているデータを用いてALU602に演算処理を行わせ、その演算処理の結果をレジスタファイル608に格納する。
【0225】
実行すべき命令がロード命令の場合は、制御装置601は、まずデータキャッシュ603の対応するアドレスにアクセスし、該当するデータがデータキャッシュ603中にあるか否かを確認する。該当するデータがある場合は、上記データをデータキャッシュ603の対応するアドレスからレジスタファイル608にコピーする。該当するデータがない場合は、上記データを主記憶装置607の対応するアドレスからデータキャッシュ603の対応するアドレスにコピーした後、データキャッシュ603の対応するアドレスからレジスタファイル608に上記データをコピーする。なお、該当するデータがない場合は、上述のように低速な主記憶装置607にアクセスする必要があるため、データキャッシュ603などの緩衝記憶装置にのみアクセスする場合よりも、命令の実行に時間を要する。しかし、上記データのコピーに加えて、主記憶装置607における当該データのアドレス及びその近傍のアドレスのデータも緩衝記憶装置にコピーしておくことで、主記憶装置607における当該データのアドレス及びその近傍のアドレスへの2度目以降のアクセスを、高速に行うことができる。
【0226】
実行すべき命令がストア命令の場合は、レジスタファイル608のデータを、データキャッシュ603の対応するアドレスに記憶させる。このとき、制御装置601は、まずデータキャッシュ603の対応するアドレスにアクセスし、該当するデータがデータキャッシュ603中に格納できるか否かを確認する。格納できる場合は、上記データをレジスタファイル608からデータキャッシュ603の対応するアドレスにコピーする。格納できない場合は、データキャッシュ603の一部領域に新たに対応するアドレスを割り振り、上記データをレジスタファイル608からデータキャッシュ603の対応するアドレスにコピーする。なお、データキャッシュ603にデータをコピーしたら直ちに、主記憶装置607にも上記データをコピーする構成も可能である。また、幾つかのデータをデータキャッシュ603にコピーした後、それらのデータをまとめて主記憶装置607にコピーする構成も可能である。
【0227】
そして、制御装置601は、命令の実行が終了すると、再度プログラムカウンタ605にアクセスし、命令レジスタ606から読み出した命令をデコード、実行するという上記動作を繰り返す。
【0228】
本発明の一態様では、データキャッシュ603や命令キャッシュ604などの緩衝記憶装置に、上記実施の形態で示した記憶装置を用いることで、電源電圧の供給停止による緩衝記憶装置内のデータの消失を防ぐことができる。また、電源電圧の供給を停止する前の状態の待避を短時間で行うことができ、さらに、電源電圧の供給を再開した後、短時間で電源供給停止前の状態に復帰することができる。よって、CPU600全体、もしくはCPU600を構成する制御装置601、ALU602などの論理回路において、画素部106への画像信号の書き込みの完了から、次の画像信号の書き込みの開始までの時間が、60秒のように長い時間であっても、ミリ秒程度の短い時間であっても、電源電圧の供給の停止を行うことができる。従って、CPU600の消費電力を小さく抑えることができる。
【0229】
本実施の形態は、他の実施の形態と適宜組み合わせて実施することが可能である。
【0230】
(実施の形態4)
本実施の形態では、
図5(B)に示した画素130を例に挙げて、本発明の一態様に係る半導体表示装置の、画素の構成について説明する。
【0231】
図14(A)に、画素の上面図を一例として示す。また、
図14(B)に、
図14(A)の一点鎖線A1―A2における断面図を示す。
【0232】
図14(A)、
図14(B)に示す画素は、走査線GLとして機能する導電膜501と、信号線SLとして機能する導電膜502と、配線COMとして機能する導電膜503と、トランジスタ131の第2端子として機能する導電膜504とを有している。導電膜501は、
図5(B)に示したトランジスタ131のゲート電極としても機能する。また、導電膜502は、トランジスタ131の第1端子としても機能する。
【0233】
基板500上には下地膜550が形成されている。下地膜550として、例えば、酸化珪素膜、酸化窒化珪素膜、窒化珪素膜、窒化酸化珪素膜、窒化アルミニウム膜、酸化アルミニウム膜、または窒化酸化アルミニウム膜のいずれか1つを単層で、或いは複数を積層させて用いることができる。特に、下地膜に、バリア性の高い絶縁膜、例えば窒化珪素膜、窒化酸化珪素膜、窒化アルミニウム膜、酸化アルミニウム膜、または窒化酸化アルミニウム膜などを用いることで、水分、または水素などの雰囲気中の不純物、或いは基板500内に含まれるアルカリ金属、重金属などの不純物が、後に形成される活性層507内、ゲート絶縁膜506内、或いは、活性層507と他の絶縁膜の界面とその近傍に入り込むのを防ぐことができる。なお、電子供与体(ドナー)となる水素が活性層507内に侵入するのを防ぐために、下地膜550内の水素濃度は、できるだけ低く抑えることが好ましい。具体的に、下地膜550内の水素濃度は、7.2×10
20cm
−3以下であることが望ましい。
【0234】
なお、本明細書において酸化窒化物とは、その組成として、窒素よりも酸素の含有量が多い物質であり、また、窒化酸化物とは、その組成として、酸素よりも窒素の含有量が多い物質を意味する。
【0235】
導電膜501、導電膜503は、下地膜550上に形成された一の導電膜を所望の形状に加工することで形成することができる。導電膜501、導電膜503上にはゲート絶縁膜506が形成されている。さらに、導電膜502、導電膜504は、ゲート絶縁膜506上に形成された一の導電膜を所望の形状に加工することで形成することができる。
【0236】
また、トランジスタ131の活性層507は、導電膜501と重なる位置においてゲート絶縁膜506上に形成されている。そして、
図14に示すように、活性層507は、ゲート電極として機能する導電膜501に完全に重なる構成を用いることが望ましい。上記構成を採用することで、基板500側から入射した光により活性層507中の酸化物半導体が劣化するのを防ぎ、よって、トランジスタ131の閾値電圧がシフトするなどの特性の劣化が引き起こされるのを防ぐことができる。
【0237】
さらに、
図14に示す画素は、活性層507、導電膜502、導電膜504を覆うように、絶縁膜512と、絶縁膜513とが順に形成されている。そして、絶縁膜513上には画素電極505が形成されており、絶縁膜512及び絶縁膜513に形成されたコンタクトホールを介して、導電膜504と画素電極505とが接続されている。
【0238】
なお、配線COMとして機能する導電膜503と、導電膜504とが、ゲート絶縁膜506を間に挟んで重なり合っている部分が、容量素子133として機能する。
【0239】
また、本実施の形態では、導電膜501とゲート絶縁膜506の間に絶縁膜508が形成されている。絶縁膜508は、導電膜501と導電膜502の間に設けられているので、導電膜501と導電膜502の間に生じる寄生容量を絶縁膜508により小さく抑えることができる。
【0240】
また、本実施の形態では、導電膜503とゲート絶縁膜506の間に絶縁膜509が形成されている。そして、絶縁膜509と重なる位置において、画素電極505上にスペーサ510が形成されている。
【0241】
なお、
図14(A)では、スペーサ510までが形成された画素の上面図を示している。
図14(B)では、スペーサ510までが形成されている基板500と対峙するように、基板514が配置されている様子を示す。
【0242】
基板514上には共通電極515が形成されており、画素電極505と共通電極515の間には液晶を含む液晶層516が設けられている。画素電極505と、共通電極515と、液晶層516とが重なる部分に液晶素子132が形成される。
【0243】
透過型の液晶表示装置の場合、画素電極505及び共通電極515は、透光性を有する導電性材料で形成することが望ましい。また、反射型の液晶表示装置の場合、共通電極515は透光性を有する導電性材料で、また、画素電極505は光を反射する導電性材料で形成することが望ましい。
【0244】
具体的に画素電極505及び共通電極515として、酸化インジウム、酸化インジウム−酸化スズ(ITO:Indium Tin Oxide)、珪素若しくは酸化珪素を含有した酸化インジウム−酸化スズ、酸化インジウム−酸化亜鉛(Indium Zinc Oxide)、酸化タングステン及び酸化亜鉛を含有した酸化インジウム、窒素を含ませたAl−Zn系酸化物半導体、窒素を含ませたZn系酸化物半導体、窒素を含ませたSn−Zn系酸化物半導体、金(Au)、白金(Pt)、ニッケル(Ni)、タングステン(W)、クロム(Cr)、モリブデン(Mo)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、銅(Cu)、パラジウム(Pd)、チタン(Ti)の他、元素周期表の第1族または第2族に属する元素、すなわちリチウム(Li)やセシウム(Cs)等のアルカリ金属、およびマグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)等のアルカリ土類金属、およびこれらを含む合金(MgAg、AlLi)、ユウロピウム(Eu)、イッテルビウム(Yb)等の希土類金属およびこれらを含む合金などを用いることができる。なお、画素電極505及び共通電極515は、例えばスパッタリング法や蒸着法(真空蒸着法を含む)等により上記材料を用いて導電膜を形成した後、フォトリソグラフィ法を用いたエッチングにより当該導電膜を所望の形状に加工することで、形成することができる。
【0245】
なお、画素電極505と液晶層516の間、または共通電極515と液晶層516の間に、配向膜を適宜設けても良い。配向膜は、ポリイミド、ポリビニルアルコールなどの有機樹脂を用いて形成することができ、その表面には、ラビングなどの、液晶分子を一定方向に配列させるための配向処理が施されている。ラビングは、配向膜に接するように、ナイロンなどの布を巻いたローラーを回転させて、上記配向膜の表面を一定方向に擦ることで、行うことができる。なお、酸化珪素などの無機材料を用い、配向処理を施すことなく、蒸着法で配向特性を有する配向膜を直接形成することも可能である。
【0246】
また、液晶層516を形成するために行われる液晶の注入は、ディスペンサ式(滴下式)を用いても良いし、ディップ式(汲み上げ式)を用いていても良い。
【0247】
なお、基板514上には、画素間における液晶の配向の乱れに起因するディスクリネーションが視認されるのを防ぐため、或いは、拡散した光が隣接する複数の画素に入射するのを防ぐために、光を遮蔽することができる遮蔽膜517が設けられている。遮蔽膜517には、カーボンブラック、低原子価酸化チタンなどの黒色顔料を含む有機樹脂を用いることができる。または、クロムを用いた膜で、遮蔽膜を形成することも可能である。
【0248】
また、遮蔽膜517をトランジスタ131の活性層507と重なるように設けることで、基板514側から入射した光により活性層507中の酸化物半導体が劣化するのを防ぎ、よって、トランジスタ131の閾値電圧がシフトするなどの特性の劣化が引き起こされるのを防ぐことができる。
【0249】
なお、
図14では、画素電極505と共通電極515の間に液晶層516が挟まれている構造を有する液晶素子132を例に挙げて説明したが、本発明の一態様に係る液晶表示装置はこの構成に限定されない。IPS型の液晶素子やブルー相を用いた液晶素子のように、一対の電極が共に一の基板に形成されていても良い。
【0250】
なお、駆動回路をパネルに形成する場合、駆動回路に用いられるトランジスタにも、ゲート電極或いは遮蔽膜による遮光を行うことで、トランジスタの閾値電圧がシフトするなどの特性の劣化が引き起こされるのを防ぐことができる。
【0251】
本実施の形態は、他の実施の形態と適宜組み合わせて実施することが可能である。
【0252】
(実施の形態5)
本発明の一態様に係る半導体表示装置は、表示機器、パーソナルコンピュータ、記録媒体を備えた画像再生装置(代表的にはDVD:Digital Versatile Disc等の記録媒体を再生し、その画像を表示しうるディスプレイを有する装置)に用いることができる。その他に、本発明の一態様に係る半導体表示装置を用いることができる電子機器として、携帯電話、携帯型を含むゲーム機、携帯情報端末、電子書籍、ビデオカメラ、デジタルスチルカメラなどのカメラ、ゴーグル型ディスプレイ(ヘッドマウントディスプレイ)、ナビゲーションシステム、音響再生装置(カーオーディオ、デジタルオーディオプレイヤー等)、複写機、ファクシミリ、プリンター、プリンター複合機、現金自動預け入れ払い機(ATM)、自動販売機などが挙げられる。これら電子機器の具体例を
図15に示す。
【0253】
図15(A)は携帯型ゲーム機であり、筐体5001、筐体5002、表示部5003、表示部5004、マイクロホン5005、スピーカー5006、操作キー5007、スタイラス5008等を有する。表示部5003または表示部5004に、本発明の一態様に係る半導体表示装置を用いることで、消費電力の低い携帯型ゲーム機を提供することができる。なお、
図15(A)に示した携帯型ゲーム機は、2つの表示部5003と表示部5004とを有しているが、携帯型ゲーム機が有する表示部の数は、これに限定されない。
【0254】
図15(B)は表示機器であり、筐体5201、表示部5202、支持台5203等を有する。表示部5202に本発明の一態様に係る半導体表示装置を用いることで、消費電力の低い表示機器を提供することができる。なお、表示機器には、パーソナルコンピュータ用、TV放送受信用、広告表示用などの全ての情報表示用表示機器が含まれる。
【0255】
図15(C)はノート型パーソナルコンピュータであり、筐体5401、表示部5402、キーボード5403、ポインティングデバイス5404等を有する。表示部5402に本発明の一態様に係る半導体表示装置を用いることで、消費電力の低いノート型パーソナルコンピュータを提供することができる。
【0256】
図15(D)は携帯情報端末であり、第1筐体5601、第2筐体5602、第1表示部5603、第2表示部5604、接続部5605、操作キー5606等を有する。第1表示部5603は第1筐体5601に設けられており、第2表示部5604は第2筐体5602に設けられている。そして、第1筐体5601と第2筐体5602とは、接続部5605により接続されており、第1筐体5601と第2筐体5602の間の角度は、接続部5605により変更が可能となっている。第1表示部5603における映像を、接続部5605における第1筐体5601と第2筐体5602との間の角度に従って、切り替える構成としても良い。また、第1表示部5603及び第2表示部5604の少なくとも一方に、位置入力装置としての機能が付加された半導体表示装置を用いるようにしても良い。なお、位置入力装置としての機能は、半導体表示装置にタッチパネルを設けることで付加することができる。或いは、位置入力装置としての機能は、フォトセンサとも呼ばれる光電変換素子を半導体表示装置の画素部に設けることでも、付加することができる。第1表示部5603または第2表示部5604に本発明の一態様に係る半導体表示装置を用いることで、消費電力の低い携帯情報端末を提供することができる。
【0257】
図15(E)はビデオカメラであり、第1筐体5801、第2筐体5802、表示部5803、操作キー5804、レンズ5805、接続部5806等を有する。操作キー5804及びレンズ5805は第1筐体5801に設けられており、表示部5803は第2筐体5802に設けられている。そして、第1筐体5801と第2筐体5802とは、接続部5806により接続されており、第1筐体5801と第2筐体5802の間の角度は、接続部5806により変更が可能となっている。表示部5803における映像の切り替えを、接続部5806における第1筐体5801と第2筐体5802との間の角度に従って行う構成としても良い。表示部5803に本発明の一態様に係る半導体表示装置を用いることで、消費電力の低いビデオカメラを提供することができる。
【0258】
本実施の形態は、他の実施の形態と適宜組み合わせて実施することができる。
【0259】
(実施の形態6)
本実施の形態では、画像メモリとして用いるのに適している、記憶装置の構成について説明する。
図7に、記憶装置が有するメモリセル701の具体的な構成例を示す。
【0260】
なお、本実施の形態では、トランジスタが有するソース端子またはドレイン端子の一方を第1端子、他方を第2端子として、メモリセル701の構成を説明する。
【0261】
図7(A)に示すメモリセル701は、スイッチング素子として機能するトランジスタ703と、容量素子720とを有する。トランジスタ703のゲート電極は、ワード線WLに接続されている。また、トランジスタ703は、その第1端子がデータ線DLに接続されており、その第2端子が容量素子720の一方の電極に接続されている。容量素子720の他方の電極は、接地電位などの固定電位が与えられているノードに、接続されている。
【0262】
図7(A)に示すメモリセル701では、画像情報の書き込み時にトランジスタ703がオンになり、データ線DLから画像情報を含む信号の電位が、トランジスタ703を介して容量素子720の一方の電極に与えられる。そして、上記信号の電位に従って、容量素子720に蓄積されている電荷量が制御されることで、メモリセル701への画像情報の書き込みが行われる。
【0263】
次いで、画像情報の保持時には、トランジスタ703がオフになり、容量素子720において電荷が保持される。トランジスタ703は、酸化物半導体などのバンドギャップの広い半導体を含むため、オフ電流が極めて小さいという特性を有している。そのため、容量素子720に蓄積された電荷はリークしづらく、トランジスタ703にシリコンなどの半導体を用いた場合に比べ、長い期間に渡って画像情報の保持を行うことができる。
【0264】
画像情報の読み出し時には、トランジスタ703がオンになり、データ線DLを介して容量素子720に蓄積された電荷が取り出される。そして、上記電荷量の違いを読み取ることにより、画像情報を読み出すことができる。
【0265】
図7(B)に示すメモリセル701は、スイッチング素子として機能するトランジスタ703と、トランジスタ721及び容量素子722とを有する。トランジスタ703のゲート電極は、第1ワード線WLaに接続されている。また、トランジスタ703は、その第1端子が第1データ線DLaに接続されており、その第2端子がトランジスタ721のゲート電極に接続されている。トランジスタ721は、その第1端子が、第2データ線DLbに接続されており、その第2端子が、所定の電位が与えられているノードに接続されている。容量素子722が有する一対の電極は、一方がトランジスタ721のゲート電極に接続され、他方が第2ワード線WLbに接続されている。
【0266】
図7(B)に示すメモリセル701では、画像情報の書き込み時にトランジスタ703がオンになり、第1データ線DLaから画像情報を含む信号の電位が、トランジスタ703を介してトランジスタ721のゲート電極に与えられる。そして、上記信号の電位に従って、トランジスタ721のゲート容量、及び容量素子722に蓄積される電荷量が制御されることで、メモリセル701への画像情報の書き込みが行われる。
【0267】
次いで、画像情報の保持時には、トランジスタ703がオフになり、トランジスタ721のゲート容量、及び容量素子722に蓄積された電荷が保持される。上述したように、トランジスタ703は、酸化物半導体などのバンドギャップの広い半導体を含むため、オフ電流が極めて小さいという特性を有している。そのため、蓄積された上記電荷はリークしづらく、トランジスタ703にシリコンなどの半導体を用いた場合に比べ、長い期間に渡って画像情報の保持を行うことができる。
【0268】
画像情報の読み出し時には、第2ワード線WLbの電位を変化させる。容量素子722が有する一対の電極の電位差は、電荷保存則により維持されたままなので、第2ワード線WLbの電位の変化は、トランジスタ721のゲート電極に与えられる。トランジスタ721は、そのゲート容量に蓄積されている電荷量によって閾値電圧が変化している。よって、トランジスタ721のゲート電極の電位が変化することで得られるトランジスタ721のドレイン電流の大きさから、蓄積されている電荷量の違いを読み取ることにより、画像情報を読み出すことができる。
【0269】
なお、トランジスタ721は、その活性層に、酸化物半導体などのバンドギャップの広い半導体が用いられていても良い。或いは、トランジスタ721の活性層に、非晶質、微結晶、多結晶、または単結晶の、シリコン、またはゲルマニウムなどの半導体が用いられていても良い。メモリセル701内の全てのトランジスタの活性層に、酸化物半導体膜を用いることで、プロセスを簡略化することができる。また、記憶素子として機能するトランジスタ721の活性層に、例えば、多結晶または単結晶のシリコンなどのように、酸化物半導体よりも高い移動度が得られる半導体を用いることで、メモリセル701からの画像情報の読み出しを高速で行うことができる。
【0270】
図7(C)に示すメモリセル701は、一つのデータ線DLが、第1データ線DLaと第2データ線DLbの機能を併せ持っている点において、
図7(B)に示すメモリセル701と異なっている。具体的に、
図7(C)に示すメモリセル701は、スイッチング素子として機能するトランジスタ703と、トランジスタ723及び容量素子724とを有する。トランジスタ703のゲート電極は、第1ワード線WLaに接続されている。また、トランジスタ703は、その第1端子がデータ線DLに接続されており、その第2端子がトランジスタ723のゲート電極に接続されている。トランジスタ723は、その第1端子がデータ線DLに接続されており、その第2端子が、所定の電位が与えられているノードに接続されている。容量素子724が有する一対の電極は、一方がトランジスタ723のゲート電極に接続され、他方が第2ワード線WLbに接続されている。
【0271】
図7(C)に示すメモリセル701は、画像情報の書き込み、保持、読み出しなどの動作は、
図7(B)に示すメモリセル701と同様に行うことができる。
【0272】
また、トランジスタ723は、その活性層に、酸化物半導体などのバンドギャップの広い半導体が用いられていても良い。或いは、トランジスタ723の活性層に、非晶質、微結晶、多結晶、または単結晶の、シリコン、またはゲルマニウムなどの半導体が用いられていても良い。メモリセル701内の全てのトランジスタの活性層に、酸化物半導体膜を用いることで、プロセスを簡略化することができる。また、トランジスタ723の活性層に、例えば、多結晶または単結晶のシリコンなどのように、酸化物半導体よりも高い移動度が得られる半導体を用いることで、メモリセル701からの画像情報の読み出しを高速で行うことができる。
【0273】
図7(A)乃至
図7(C)に示したメモリセル701を有する記憶装置は、フラッシュメモリなどの一般的な不揮発性の記憶装置よりも、画像情報の書き込み及び読み出しの速度が高いため、高速動作が要求される画像メモリに用いるのに適している。
【0274】
また、
図7(A)乃至
図7(C)に示したメモリセル701を有する記憶装置は、長い期間に渡って画像情報の保持を行うことができる。よって、上記記憶装置を画像メモリとして用いる場合、半導体表示装置への電源電圧の供給が停止されても、画像メモリが有する画像情報は消失しにくい。よって、電源電圧の供給の停止前と再開後とで、表示される画像が一致する場合に、電源電圧の供給の再開後に、画像情報の読み込みを再度行う必要がないので、消費電力を削減することができる。
【0275】
本実施の形態は、他の実施の形態と適宜組み合わせて実施することができる。