特許第6047222号(P6047222)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6047222
(24)【登録日】2016年11月25日
(45)【発行日】2016年12月21日
(54)【発明の名称】燃料ノズル構造
(51)【国際特許分類】
   F23R 3/28 20060101AFI20161212BHJP
   F02C 7/22 20060101ALI20161212BHJP
【FI】
   F23R3/28 B
   F02C7/22 C
   F23R3/28 A
【請求項の数】14
【外国語出願】
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2015-242776(P2015-242776)
(22)【出願日】2015年12月14日
(65)【公開番号】特開2016-118380(P2016-118380A)
(43)【公開日】2016年6月30日
【審査請求日】2016年2月17日
(31)【優先権主張番号】14/580,301
(32)【優先日】2014年12月23日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390041542
【氏名又は名称】ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ
(74)【代理人】
【識別番号】100137545
【弁理士】
【氏名又は名称】荒川 聡志
(74)【代理人】
【識別番号】100105588
【弁理士】
【氏名又は名称】小倉 博
(74)【代理人】
【識別番号】100129779
【弁理士】
【氏名又は名称】黒川 俊久
(74)【代理人】
【識別番号】100113974
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 拓人
(72)【発明者】
【氏名】ナヤン・ビノドバーイー・パテル
(72)【発明者】
【氏名】デュエイン・ダグラス・トムスン
(72)【発明者】
【氏名】マイケル・ジョン・マッカラン
(72)【発明者】
【氏名】ケヴィン・ヴァンダヴォーダ
【審査官】 米澤 篤
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−255944(JP,A)
【文献】 特開2004−325068(JP,A)
【文献】 国際公開第2014/078694(WO,A1)
【文献】 特開2012−132672(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0259976(US,A1)
【文献】 特開2009−041848(JP,A)
【文献】 特開2004−028566(JP,A)
【文献】 特開2012−47408(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F23R 3/28
F02C 7/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガスタービンエンジン用の燃料ノズル装置(19)であって、
中心線軸と平行に延び、前方端と後方端との間に延びる略円筒形外面(88)と、前記外面を通る複数の開口部(94)とを有する環状外側本体(36)と、
前記外側本体内方に配置され、そこから半径方向外方に延びる燃料支柱(104)の環状アレイを含む環状主噴射リング(24)と、
前記主噴射リング内に周方向に延びる主燃料ギャラリ(76)と、
各々が前記主燃料ギャラリと連通し、前記燃料支柱の1つを通って延びる複数の主燃料オリフィス(78)と、
前記主噴射リングを前記外側本体に結合し、半径方向への制御された撓みを可能にしながら、前記主リングの位置を軸方向及び側方方向に実質的に剛に位置決めるように構成された懸架構造(138)と、
を含む、装置。
【請求項2】
前記懸架構造は、
前記開口部の後方に前記外側本体から半径方向内方に延びる環状フランジと、
前記フランジから前方に略軸方向に延び、前記主噴射リングの半径方向内側に通る環状内側アームと、
前記主噴射リングから軸方向前方に延びる環状外側アームと、
前記主噴射リングの軸方向前方の位置で前記内側アームと前記外側アームを相互接続するU字湾曲部と、
を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
バッフルが、前記フランジから前方に略軸方向に延び、前記主噴射リングの半径方向外側に通り、
前記バッフルは、前記燃料支柱が通る開口部を含む、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記バッフルの前方端は、前記開口部の前方で前記外側本体に結合される、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
各燃料支柱は、円筒形側面を定める外周壁と、噴霧ウェルを定めるように前記外周壁の遠位端面から半径方向内方に陥凹した半径方向外方に向いた床部とを含み、
各燃料支柱は、前記外側本体内の前記開口部の1つと位置合わせされ、前記開口部と前記側面との間に定められる外周ギャップにより前記開口部から分離される、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記燃料支柱は、前記外側本体の外面を超えて半径方向外方に延びる、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
各燃料支柱は、平面図において細長く、側面を定める外周壁と、噴霧ウェルを定めるように前記外周壁の遠位端面から半径方向内方に陥凹した半径方向外方を向いた床部とを含み、
各燃料支柱は、前記外側本体内の前記開口部の1つと位置合わせされ、前記開口部と前記側面との間に定められる外周ギャップにより前記開口部から分離される、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
少なくとも1つの空気アシストポートが、前記外周壁と前記床との交差部に近い前記外周壁内に形成される、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記燃料支柱の少なくとも1つは、前記遠位端面と平行な線に沿って延びる傾斜路形状のスカーフを組み込み、前記スカーフは、前記噴霧ウェルにおいて最大半径方向深さを有し、半径方向高さにおいて外方にテーパし、前記噴霧ウェルから少し離れたところで前記遠位端面につながる、請求項7に記載の装置。
【請求項10】
各燃料支柱の前記外周壁は、平面図において涙滴形状である、請求項7に記載の装置。
【請求項11】
半径方向ギャップが、前記燃料支柱と前記外側本体との間に存在し、
各燃料支柱は、円筒形側面を定める外周壁と、前記外周壁の遠位端面から半径方向内方に陥凹した半径方向外方に向いた床部を定めるボアとを含み、
略管状のスリップシールが、各燃料支柱の前記ボア内に受けられ、前記半径方向ギャップにわたる、請求項1に記載の装置。
【請求項12】
各スリップシールは、前記外側本体の前記開口部の1つの中に固定され、滑りはめにより前記燃料支柱の前記対応するボア内に受けられる、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記主噴射リング内に配置された最小直径ののど部を含む環状ベンチェリと、
前記ベンチェリ内に配置された環状スプリッタと、
前記ベンチェリと前記スプリッタとの間に延びる外側渦ベーンのアレイと、
前記スプリッタ内に配置されたパイロット燃料噴射器と、
前記スプリッタと前記パイロット燃料噴射器との間に延びる内側渦ベーンのアレイと、
をさらに含む、請求項1に記載の装置。
【請求項14】
様々な流量で液体燃料の流れを供給するように作動可能な燃料システムと、
前記燃料システムと前記パイロット燃料噴射器との間に結合されるパイロット燃料導管と、
前記燃料システムと前記主噴射リングとの間に結合される主燃料導管と、
をさらに含む、請求項1に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガスタービンエンジンの燃料ノズルに関し、より具体的には、ガスタービンエンジン燃料ノズル用の主噴射構造に関する。
【背景技術】
【0002】
航空機のガスタービンエンジンは、燃料を燃焼させて熱をエンジンサイクルに与える燃焼器を含む。典型的な燃焼器は、液体燃料が霧化して燃焼できるように、液体燃料を空気流の流れに導入する機能を有する1つ又はそれ以上の燃料噴射器を組み込む。
【0003】
多段燃焼器は、低汚染、高効率、低コスト、高エンジン出力及び優れたエンジン運転性で作動するように開発されている。多段燃焼器において、燃焼器のノズルは、各々が燃料ノズル内の個々の燃料流路により定められる2つ又はそれ以上の別個の段を通して燃料を選択的に噴射するように作動可能である。例えば、燃料ノズルは、連続的に作動するパイロット段と、より高いエンジン出力レベルでのみ作動するメイン段とを含むことができる。燃料流量は、各々の段内で可変とすることもできる。
【0004】
メイン段は、燃料を、周囲の中央本体を通って旋回混合空気流内に吐出する複数の燃料噴射ポートを有する環状の主噴射リングを含む。このタイプの燃料ノズルに関するニーズは、燃料が、燃料ノズルのボイド内に取り込まれてそこで着火し、内部損傷、及び場合によっては誤作動を引き起こすことがないことを確実にすることである。また、燃料ジェットが混合空気流を良好に貫入することも望ましい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第8616471号明細書
【発明の概要】
【0006】
このニーズは、パージを行い、高速空気流への燃料流の浸透を助ける空気流を生成するように構成された噴射構造を組み込む燃料ノズルを提供する、本発明により対処される。
【0007】
本発明の一態様によると、ガスタービンエンジン用の燃料ノズル装置が、中心線軸と平行に延び、前方端と後方端との間に延びる略円筒形外面と、外面を通る複数の開口部とを有する環状外側本体と、外側本体内方に配置され、そこから半径方向外方に延びる燃料支柱の環状アレイを含む主噴射リングと、主噴射リング内に周方向に延びる主燃料ギャラリと、各々が主燃料ギャラリと連通し、燃料支柱の1つを通って延びる複数の主燃料オリフィスと、主噴射リングを外側本体に接続し、半径方向への制御された撓みを可能にしながら、主リングの位置を軸方向及び側方方向に実質的に剛に位置決めするように構成された懸架構造と、を含む。
【0008】
本発明の別の態様によると、懸架構造は、開口部の後方へ外側本体から半径方向内方に延びる環状フランジと、フランジから前方に略軸方向に延び、主噴射リングの半径方向内側に通る環状内側アームと、主噴射リングから軸方向前方に延びる環状外側アームと、主噴射リングの軸方向前方の位置で内側アームと外側アームを相互接続するU字湾曲部とを含む。
【0009】
本発明の別の態様によると、バッフルが、フランジから前方に略軸方向に延び、主噴射リングの半径方向外側に通り、バッフルは、燃料支柱が通る開口部を含む。
【0010】
本発明の別の態様によると、バッフルの前方端は、開口部の前方で外側本体に接続される。
【0011】
本発明の別の態様によると、各燃料支柱は、円筒形側面を定める外周壁と、噴霧ウェルを定めるように外周壁の遠位端面から半径方向内方に陥凹した半径方向外方に向いた床部とを含み、各燃料支柱は、外側本体内の開口部の1つと位置合わせされ、開口部と側面との間に定められる外周ギャップにより開口部から分離される。
【0012】
本発明の別の態様によると、燃料支柱は、外側本体の外面を超えて半径方向外方に延びる。
【0013】
本発明の別の態様におると、各燃料支柱は、平面図において細長く、側面を定める外周壁と、噴霧ウェルを定めるように外周壁の遠位端面から半径方向内方に陥凹した半径方向外方に向いた床部とを含み、各燃料支柱は、外側本体内の開口部の1つと位置合わせされ、開口部と側面との間に定められる外周ギャップにより開口部から分離される。
【0014】
本発明の別の態様によると、少なくとも1つの空気アシストポートが、外周壁と床部との交差部に近い外周壁内に形成される。
【0015】
本発明の別の態様によると、燃料支柱の少なくとも1つは、遠位端面と平行な線に沿って延びる傾斜路形状のスカーフを組み込み、スカーフは、噴霧ウェルにおいて最大半径方向深さを有し、半径方向高さにおいて外方にテーパし、噴霧ウェルから少し離れたところで遠位端面につながる。
【0016】
本発明の別の態様によると、各燃料支柱の外周壁は、平面図において涙滴形状である。
【0017】
本発明の別の態様によると、半径方向ギャップが、燃料支柱と外側本体との間に存在し、各燃料支柱は、円筒形側面を定める外周壁と、外周壁の遠位端面から半径方向内方に陥凹した半径方向外方に向いた床部を定めるボアとを含み、略管状スリップシールが、各燃料支柱のボア内に受けられ、半径方向ギャップにわたる。
【0018】
本発明の別の態様によると、各スリップシールは、外側本体の開口部の1つの中に固定され、滑りはめにより燃料支柱の対応するボア内に受けられる。
【0019】
本発明の別の態様によると、装置は、主噴射リング内に配置された最小直径ののど部を含む環状ベンチェリと、ベンチェリ内に配置された環状スプリッタと、ベンチェリとスプリッタとの間に延びる外側渦ベーンのアレイと、スプリッタ内に配置されたパイロット燃料噴射器と、スプリッタとパイロット燃料噴射器との間に延びる内側渦ベーンのアレイとをさらに含む。
【0020】
本発明の別の態様によると、装置は、様々な流量で液体燃料の流れを供給するように作動可能な燃料システムと、燃料システムとパイロット燃料噴射器との間に結合されるパイロット燃料導管と、燃料システムと主噴射リングとの間に結合される主燃料導管とをさらに含む。
【0021】
本発明は、添付図面と併用される、以下の説明を参照して最も良く理解することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明の1つの態様により構築されるガスタービンエンジンの燃料ノズルの概略断面図。
図2】主燃料噴射構造を示す、図1の燃料ノズルの一部の拡大図。
図3図2に示される燃料噴射構造の部分斜視図。
図4】代替的な主燃料噴射構造を示す、燃料ノズルの一部の断面図。
図5図4に示される燃料噴射構造の部分斜視図。
図6図5の線6−6に沿った図。
図7】代替的な主燃料噴射構造を示す、燃料ノズルの一部の断面図。
図8図7に示される燃料噴射構造の部分斜視図。
図9図8の線9−9に沿って取った図。
図10】代替的な主燃料噴射構造を示す、燃料ノズルの一部の断面図。
図11図6に示される燃料噴射構造の部分斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0023】
一般に、本発明は、噴射リングを有する燃料ノズルを提供する。主噴射リングは、該主噴射リングから燃料を流す燃料オリフィスを取り囲む制御されたギャップを通る空気流を生成するように構成された噴射構造を組み込む。主噴射リングは、実質的に運動自由度1を与える構造により支持される。
【0024】
ここで、種々の図全体を通して同一の参照番号が同じ要素を示す図を参照すると、図1は、ガスタービンエンジン燃焼器(図示せず)の空気流の流れに液体炭化水素燃料を噴射するように構成されたタイプの燃料ノズル10の例証を示す。燃料ノズル10は、各々の段が燃料ノズル10内の個々の燃料流路により定められる2つ又はそれ以上の別個の段を通して燃料を選択的に噴射するように作動可能であることを意味する、「多段」タイプのものである。燃料流量は、各々の段内で可変とすることもできる。
【0025】
燃料ノズル10は、運転ニーズに応じて様々な流量で液体燃料の流れを供給するように作動可能な公知のタイプの燃料システム12に接続される。燃料システムは、燃料を、パイロット燃料導管16に接続されたパイロット制御バルブ14に供給し、パイロット燃料導管16は、燃料を燃料ノズル10のパイロット18に供給する。また、燃料システム12は、燃料を、主燃料導管22に接続された主バルブ20にも供給し、主燃料導管22は、燃料を燃料ノズル10の主噴射リング24に供給する。
【0026】
説明のために、燃料ノズル10が使用されるエンジン(図示せず)の中心線軸と略平行な燃料ノズル10の中心線軸26を参照する。中心線軸26から始まり、半径方向外方に進むと、例示の燃料ノズル10の主要構成要素は、パイロット18、スプリッタ28、ベンチュリ30、内側本体32、主噴射リング24及び外側本体36である。これらの構造の各々を詳細に説明する。
【0027】
パイロット18は、燃料ノズル10の上流端に配置され、中心線軸26と位置合わせされ、フェアリング38で囲まれている。
【0028】
例示のパイロット18は、略円筒形の軸方向に細長いパイロット中央本体40を含む。パイロット中央本体40の上流端は、フェアリング38に結合される。パイロット中央本体40の下流端は、円錐形出口を有する収束−発散する吐出オリフィス42を含む。
【0029】
計量プラグ44は、パイロット中央本体40の中央ボア46内に配置される。計量プラグ44は、パイロット燃料導管と連通する。計量プラグ44は、燃料を計量プラグ44と中央ボア46との間に定められる供給環50に流す移送孔48を含み、また、燃料を供給環50から燃料を受け取り、吐出オリフィス42に向けて接線速度成分を有して旋回パターンで流すように配置された傾斜した噴霧孔52のアレイも含む。
【0030】
環状スプリッタ28は、パイロット噴射器18を取り囲む。環状スプリッタ28は、軸方向の順に、略円筒形の上流セクション54、最小直径ののど部56、及び下流の発散セクション58を含む。
【0031】
内側空気スワーラは、パイロット中央本体40とスプリッタ28の上流セクション54との間に延びる内側旋回ベーン60の半径方向アレイを含む。内側旋回ベーン60は、内側空気スワーラを通る空気流に渦を誘起するような形状及び配向にされる。
【0032】
環状ベンチェリ30は、スプリッタ28を取り囲む。環状ベンチェリ30は、軸方向の順に、略円筒形の上流セクション62、最小直径ののど部64、及び下流の発散セクション66を含む。外側空気スワーラを定める外側旋回ベーン68の半径方向アレイが、スプリッタ28とベンチェリ30との間に延びることができる。外側空気スワーラ68、スプリッタ28及び内側旋回ベーン60は、パイロット18を物理的に支持する。外側旋回ベーン68は、外側空気スワーラを通る空気流内に誘起するような形状及び配向にされる。ベンチェリ30のボアは、燃料ノズル10を通る、一般的に「P」と示される、パイロット空気流のための流路を定める。環状の半径方向に延びるプレートの形の熱シールド70は、発散セクション66の後方端に配置することができる。周知のタイプの断熱コーティング(TBC)(図示せず)を、熱シールド70及び/又は発散セクション66の表面上に施工することができる。
【0033】
内側本体32は、フェアリング38に結合し、主噴射リング24と、その一部分が要素72として示される燃料ノズルステムなどの固定取り付け構造との間の機械的結合部の一部として機能することができる。
【0034】
形状が環状である主噴射リング24は、内側本体32を取り囲む。主噴射リング24は、以下により詳細に説明される懸架構造により、内側本体32及び外側本体36に結合される。
【0035】
主噴射リング24は、主燃料導管22によって燃料とつながって燃料が供給される主燃料ギャラリ76(図2参照)を含む。主噴射リング24内に形成された主燃料オリフィス78の半径方向アレイは、主燃料ギャラリ76と連通する。エンジンの作動中、燃料は、主燃料オリフィス78を通って吐出される。1つ又はそれ以上のパイロット燃料ギャラリ80は、主燃料ギャラリ76に近接して主燃料リング24を貫通する。エンジンの作動中、燃料は、常にパイロット燃料ギャラリ80を通って循環して主噴射リング24を冷却し、主燃料ギャラリ76及び主燃料オリフィス78のコークス化を防止する。
【0036】
環状外側本体36は、主噴射リング24、ベンチェリ30及びパロット18を取り囲み、燃料ノズル10の外側の範囲を定める。例示の実施例においては、内側本体32の後方端は、半径方向に延びるフランジ35によって外側本体36に結合される。組み立てた場合(図1参照)、外側本体36の前方端82は、ステム72に接合される。外側本体36の後方端は、熱シールド70に向けられた冷却孔86を組み込む、環状の半径方向に延びるバッフル84を含むことができる。作動中、全体的に「M」と示される混合空気流に曝される略円筒形外面88は、前方端と後方端との間に延びる。外側本体36は、ベンチェリ30及び内側本体32と協働して、二次流路90を定める。この二次流路90を通る空気は。冷却孔86を通して吐出される。
【0037】
外側本体36は、開口部94の環状アレイを含む。主燃料オリフィス78の各々は、開口部94の1つと位置合わせされる。
【0038】
外側本体36及び内側本体32は協働して、周囲の外部空気流から保護された環状の第3の空間又はボイド96を定める。主噴射リング24は、このボイド内に収容される。燃料ノズル10の内部に、先端空気流がボイド96と連通し、このボイド96に、開口部94の近くの位置の外圧を上回る小さい圧力マージンを維持するのに必要とされる最小流量を供給するための流路がもたらされる。例示の実施例において、この流路は小さな供給スロット98によってもたらされる。
【0039】
燃料ノズル10及びその構成要素は、1つ又はそれ以上の金属合金から構成することができる。好適な合金の限定されない例として、ニッケル及びコバルト・ベースの合金が挙げられる。
【0040】
燃料ノズル10の全て若しくは一部、又はその部分は、単一単体構造、一体部品、又はモノリシック構成要素の一部とすることができ、多層構造(layer−by−layer construction)又は付加製作(additive fabrication)を含む製造プロセスを用いて製造することができる(従来の機械加工プロセスのような材料除去とは対照的に)。こうしたプロセスは、「高速製造プロセス」及び/又は「付加製造プロセス」と呼ぶことができ、「付加製造プロセス」という用語は、本明細書では一般的にこうしたプロセスを指すための用語である。付加製造プロセスは、これらに限定されるものではないが、直接金属レーザ溶融(DMLM)、レーザネットシェイプ製造(LNSM)、電子ビーム焼結、選択的レーザ焼結(SLS)、インクジェット及びレーザジェットなどによる3D印刷、光造形法(SLA)、電子ビーム溶融(EBM)、レーザ技術ネットシェイピング(LENS)及び直接金属蒸着(DMD)を含む。
【0041】
主噴射リング24、主燃料オリフィス78及び開口部94は、制御された二次パージ空気経路、及び主燃料オリフィス78における空気アシストを提供するように構成することができる。図2及び図3を参照すると、開口部94は、略円筒形であり、半径方向に向けられる。
【0042】
主噴射リング24は、半径方向外方に延びる複数の隆起した燃料支柱104を含む。燃料支柱104は、円筒形側面106を定める外周壁102を含む。半径方向に向いた床部108が、外周壁102の遠位端面112から陥凹しており、外周壁102と組み合わせて噴霧ウェル192を定める。主燃料オリフィス78の各々は、主燃料ギャラリ76と連通し、燃料支柱104の1つを通り、燃料支柱104の床部108を通って出ていく。各燃料支柱104は、開口部94の1つと位置合わせされ、関連した開口部94と協働して、外周ギャップ110を定めるように位置決めされる。これらの燃料支柱104の周りの小さい制御されたギャップ110により、最小のパージ空気が貫流して、内部の先端空間又はボイド96を燃料の進入から守ることが可能になる。
【0043】
主噴射リング24は、懸架構造138によって内側本体32及び外側本体36に結合される。懸架構造138は、フランジ35から前方に略軸方向に延びる環状内側アーム140を含む。内側アーム140は、主噴射リング24の半径方向内寄りを通る。断面図において、内側アーム140は、内方へ凸状になるように湾曲し、主噴射リング24の内面148の凸状湾曲から離間配置され、これと略平行である。環状外側アーム150は、主噴射リング24から軸方向前方に延びる。U字湾曲部152は、主噴射リング24の軸方向前方の位置で、内側アーム140及び外側アーム150を相互接続する。バッフル154は、フランジ35から前方に略軸方向に延びる。バッフル154は、主噴射リング24と外側本体35との間を、主噴射リング24の半径方向外寄りを通る。断面図において、バッフルは、外方へ凸状になるように湾曲し、主噴射リング24の外面156の凸状湾曲から離間配置され、これと略平行である。バッフル154は、燃料支柱104が通る開口部158を含み、バッフルの前方端160は、開口部94の前方で外側本体36に結合される。
【0044】
懸架構造138は、半径方向への制御された撓みを可能にしながら、軸方向及び接線方向(又は側方方向)に主噴射リング24の位置を実質的に剛に位置決めするのに有効である。これは、懸架構造の要素のサイズ、形状及び配向によって達成される。特に、内側アーム140及び外側アーム150並びにU字湾曲部152は、半径方向のばね要素として機能するように構成される。実際上、主噴射リング24は、実質的に運動自由度1(「1−DOF」)を有する。
【0045】
エンジンの作動中、外側本体36は、高温空気流に曝され、従って、著しい熱膨張及び収縮を受けるが、主噴射リング24は常に液体燃料の流れにより冷却され、比較的安定したままである。懸架構造138の効果は、主噴射リング24に対する外側本体36の熱的膨張を可能にしながら、上述した外周ギャップ110のサイズを維持し、それによりパージ流の有効性を維持することである。
【0046】
図4図6は、制御されたパージ空気出口及び噴射空気アシストを提供するための代替的な構成を示す。具体的には、これらの図は、上述した主噴射リング24及び外側本体36に置き換えることができる主噴射リング224及び外側本体236の一部分を示す。主噴射リング224及び外側本体236のいずれの構造又は特徴も、本明細書では具体的に説明されず、上述した主噴射リング24及び外側本体36と同一であると考えることができる。外側本体236は、平面図において略細長の開口部294の環状アレイを含む。外側本体236は、長円形、楕円形、又は別の細長い形状とすることができる。示される具体的な例では、外側本体236は、一方の端部が他方の端部より広い幅を有する2つの凸状に湾曲した端部を有する「涙滴(teadrop−shaped)形状」である。
【0047】
主噴射リング224内に形成された主燃料オリフィス278の半径方向アレイは、主燃料ギャラリ276と連通する。主噴射リング224は、そこから半径方向外方に延びる複数の隆起した燃料支柱204を含む。燃料支柱204は、側面206を定める外周壁202を含む。平面図において、燃料支柱204は、細長く、例えば、長円形、楕円形、又は示されるような涙滴形状とすることができる。円形ボアが、燃料支柱204内に形成され、外周壁202の遠位端面212から陥凹した床部208を定め、外周壁202と組み合わせて、噴霧ウェル292を定める。主燃料オリフィス278の各々は、主燃料ギャラリ276と連通し、燃料支柱204の1つ通り、燃料支柱204の床部208を通って出ていく。各々の燃料支柱204は、開口部294の1つと位置合わせされ、関連した開口部294と協働して外周ギャップ210を定めるように位置決めされる。これらの燃料支柱204の周りの小さな制御されたギャップ210により、最小のパージ空気が貫流して、内部の先端空間を燃料の進入から保護することが可能になる。
【0048】
主噴射リング224は、内側アーム240、外側アーム250、U字湾曲部252、及びバッフル254を含む、上述した懸架構造138と実質的に同一の懸架構造238によって、内側本体32及び外側本体236に取り付けられる。
【0049】
燃料支柱204の細長い形状は、表面積を与えるので、燃料支柱204の1つ又はそれ以上の遠位端212は、傾斜路形状の「スカーフ」を組み込むように構成することができる。スカーフは、隣接する燃料オリフィス278間の局所的静圧差をもたらすように構成することができる。これらの隣接する燃料オリフィス278間の局所的静圧差を用いて、パイロットのみの作動期間中、主噴射リング224からの停滞した主燃料をパージし、主回路のコークス化を防ぐことができる。
【0050】
図4に示される断面を見ると、スカーフ220は、関連した噴霧ウェル292との境界面でその最大半径方向深さ(遠位端212に対して測定された)を有し、半径方向高さにおいて外方に傾斜又はテーパし、噴霧ウェル292から少し離れたところで遠位端面212につながる。平面図において、図5に示されるように、スカーフ220は、線222に沿って主燃料ポート278から離れるように延び、その遠位端において、横方向幅が最小幅にテーパする。線222が延びる方向は、スカーフ220の向きを定める。図5に示されるスカーフ220は、回転する又は旋回する混合空気流Mの流線と平行であり、混合空気流Mに対して関連した主燃料オリフィス278から下流に配置された遠位端を有するので、「下流」スカーフと呼ばれる。
【0051】
エンジン作動中、スカーフ220の有無及びスカーフ220の向きは、関連した主燃料オリフィス278に存在する空気静圧を決定する。混合空気流Mは「渦(swirl)」を示し、つまりその速度は、中心線軸26に対して軸方向成分及び接線方向成分の両方を有する。上述したパージ機能を達成するために、噴霧ウェル292は、エンジンの作動中、主燃料オリフィス278の異なれるものが異なる静圧に曝されるように配置することができる。例えば、スカーフ220と関連付けられていない主燃料オリフィス278の各々は、混合空気流Mにおける一般的な優勢静圧(privailing static pressure)に曝される。説明のために、本明細書では、これらは「中立圧力ポート」と呼ばれる。図5に示されるような「下流」スカーフ220と関連した主燃料オリフィス278の各々は、混合空気流Mにおける優勢静圧に対して低減した静圧に曝される。説明のために、本明細書では、これらは「低圧ポート」と呼ばれる。図示されないが、1つ又はそれ以上のスカーフ220を、下流スカーフ220の向きとは反対に配向することができる。これらは「上流スカーフ」であり、関連した主燃料オリフィス278は、混合空気流Mにおける優勢静圧に対して増大した静圧に曝される。説明のために、本明細書では、これらは「高圧ポート」と呼ばれる。
【0052】
主燃料オリフィス278及びスカーフ220は、主噴射リング224が能動的に使用されていない場合に、残りの燃料を主燃料ギャラリ276からパージするために用いることができるパージ機能を引き起こすために有効な圧力差を発生させる何らかの構成で配置することができる。例えば、正圧ポートと中立圧力ポートを交互にしてもよく、又は正圧ポートと負圧ポートを交互にしてもよい。
【0053】
図7図9は、224’で示される、図4及び図5に示される主噴射リング224の変形例を示す。主噴射リング224’及び周囲の構造は、燃料支柱204’の構成を除いて、主噴射リング224と同一とすることができる。この変形例において、燃料支柱204’は、側面206’を定める外周壁202’を含み、外周壁202’の遠位端面212’から陥凹した床部208’を定める円形ボアを組み込む。外周壁202’と組み合わせて、床部208’は、主燃料オリフィス278と連通する噴霧ウェル292’を定める。噴霧ウェル292’は、上述のようなスカーフ220’を含むことができる。各々の燃料支柱204’は、開口部294の1つと位置合わせされ、関連した開口部294と協働して外周ギャップ210’を定めるように位置決めされる。
【0054】
1つ又はそれ以上の小さい直径のアシストポート218’を、燃料支柱204’の床部208’との交差部に近い各燃料支柱204’の外周壁202’を通って形成することができる。アシストポート218’を通る空気流は、主燃料オリフィス278から、噴霧ウェル292’を通り、局所的な高速混合空気流Mに流入する燃料の貫入を容易にするための空気アシストを提供する。
【0055】
図10及び図11は、制御されたパージ空気出口及び噴射空気アシストを提供するための別の代替的な構成を示す。具体的には、これらの図は、上述した主噴射リング24及び外側本体36に置き換えることができる主噴射リング324及び外側本体336の一部分を示す。主噴射リング324及び外側本体336のいずれの構造又は特徴も、本明細書では具体的に説明されず、上述した主噴射リング24及び外側本体36と同一であると考えることができる。外側本体336は、平面図において略細長の開口部394の環状アレイを含む。外側本体336は、長円形、楕円形、又は別の細長い形状とすることができる。示される具体的な例では、外側本体336は、略円筒形であり、半径方向に配向される。
【0056】
主噴射リング324は、そこから半径方向外方に延びる複数の隆起した燃料支柱304を含む。燃料支柱304は、僅かな半径方向ギャップだけ外側本体336から離れるように半径方向に離間配置された遠位端面312から陥凹した床部308を定める、燃料支柱304内に形成された円形ボアを含む。主噴射オリフィス378の半径方向アレイは、主噴射リング324内に形成される。主燃料オリフィス378の各々は、主燃料ギャラリ376と連通し、燃料支柱304の1つを通り、燃料支柱304の床部308を通って出ていく。
【0057】
主噴射リング324は、内側アーム340、外側アーム350、U字湾曲部352及びバッフル354を含む、上述した懸架構造138と実質的に同一の懸架構造338によって、外側本体336に取り付けられる。
【0058】
スリップシール380は、燃料支柱304と外側本体336との間のギャップにわたって延びる。例示の実施例において、スリップシール380は、半径方向に延びるフランジ382を有する小さい円筒形チューブである。フランジ382は、開口部394の環状ラベット384内に収容される。スリップシール380は、外側本体336に対して固定される。これは、例えば、溶接又はろう付けなどの結合方法によって、達成することができる。
【0059】
スリップシール380は、滑りばめにより、すなわち小さい直径の隙間により、ボア内に収容される。作動時、主噴射リング324は、外側本体336に対して半径方向のみに移動することができ、常に、スリップシール380と係合したままである。
【0060】
上述した本発明には、幾つかの利点がある。本発明は、燃料ノズル内のボイドが燃料を取り込むのを防止し、空気流への燃料の貫入を助けるための手段を提供する。本発明はまた、燃料リング及び隣接する外側本体の相対的な熱的移動にもかかわらず、一貫したパージギャップサイズを提供する。
【0061】
上記で、ガスタービンエンジンの燃料ノズル用の主噴射構造を説明した。本明細書(添付の特許請求の範囲、要約書及び図面を含む)において開示される特徴の全て及び/又はそのように開示される任意の方法又はプロセスのステップの全ては、そうした特徴及び/又はステップの少なくとも一部が互いに排他的である組み合わせを除いて、任意の組み合わせで結合することができる。
【0062】
本明細書(添付の特許請求の範囲、要約書及び図面を含む)において開示される各特徴は、特に断りのない限り、同じ、均等な、又は類似の目的を提供する代替的な特徴に置き換えることができる。従って、特に断りのない限り、開示される各特徴は、一般的な一連の均等な又は類似の特徴のうちの一例にすぎない。
【0063】
本発明は、上記の実施形態の詳細に限定されない。本発明は、本明細書(添付の特許請求の範囲、要約及び図面を含む)において開示される特徴のうちの任意の新規な特徴、又は任意の新規な組み合わせ、又はそのように開示される任意の方法又はプロセスのステップのうちの任意の新規なステップ、又は任意の新規な組み合わせに拡張できる。
【符号の説明】
【0064】
P パイロット空気流
M 混合空気流
10 燃料ノズル
12 燃料システム
14 パイロット制御バルブ
18 パイロット
20 主バルブ
22 主燃料導管
24 主噴射リング
26 中心線軸
28 スプリッタ
30 ベンチェリ
32 内側本体
35 フランジ
36 外側本体
38 フェアリング
40 パイロット中央本体
42 吐出オリフィス
44 計量プラグ
46 中央ボア
48 移送孔
50 供給環
52 噴霧孔
54 上流セクション
56 のど部
58 発散セクション
60 内側渦ベーン
62 上流セクション
64 のど部
66 発散セクション
68 外側渦セクション
70 熱シールド
72 燃料ノズルステム
76 主燃料ギャラリ
78 主燃料オリフィス
80 パイロット燃料ギャラリ
82 前方端
84 バッフル
86 冷却孔
88 円筒形外面
90 二次流路
94 開口部
96 三次空間
98 供給スロット
102 外周壁
104 燃料支柱
106 側面
108 床部
110 外周ギャップ
112 遠位端面
138 懸架構造
140 内側アーム
148 内面
150 外側アーム
152 U字湾曲部
154 バッフル
156 外面
158 開口部
160 前方端
192 噴霧ウェル
202 外周壁
202’ 外周壁
204 燃料支柱
204’ 燃料支柱
206 側面
206’ 側面
208 床部
208’ 床部
210 外周ギャップ
210’ 外周ギャップ
212 遠位端面
212’ 遠位端面
218’ アシストポート
220 スカーフ
222 線
224 主噴射リング
224’ 主噴射リング
236 外側本体
238 懸架構造
240 内側アーム
250 外側アーム
252 U字湾曲部
254 バッフル
278 主燃料オリフィス
292 噴霧ウェル
292’ 噴霧ウェル
294 開口部
304 燃料支柱
308 床部
312 遠位端面
324 主噴射リング
336 外側本体
338 懸架構造
340 内側アーム
350 外側アーム
352 U字湾曲部
354 バッフル
376 主燃料ギャラリ
378 主燃料オリフィス
380 スリップシール
382 フランジ
384 ラベット
394 開口部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11