特許第6047341号(P6047341)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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特許6047341伝導冷却式永久電流スイッチ及び超電導線材の製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6047341
(24)【登録日】2016年11月25日
(45)【発行日】2016年12月21日
(54)【発明の名称】伝導冷却式永久電流スイッチ及び超電導線材の製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01F 6/00 20060101AFI20161212BHJP
   H01L 39/20 20060101ALI20161212BHJP
   A61B 5/055 20060101ALI20161212BHJP
   G01R 33/3815 20060101ALI20161212BHJP
【FI】
   H01F6/00
   H01L39/20
   A61B5/05 332
   G01N24/06 510C
【請求項の数】13
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2012-188208(P2012-188208)
(22)【出願日】2012年8月29日
(65)【公開番号】特開2014-45158(P2014-45158A)
(43)【公開日】2014年3月13日
【審査請求日】2014年12月22日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005108
【氏名又は名称】株式会社日立製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100100310
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 学
(74)【代理人】
【識別番号】100098660
【弁理士】
【氏名又は名称】戸田 裕二
(74)【代理人】
【識別番号】100091720
【弁理士】
【氏名又は名称】岩崎 重美
(72)【発明者】
【氏名】児玉 一宗
(72)【発明者】
【氏名】田中 和英
(72)【発明者】
【氏名】一木 洋太
【審査官】 小池 秀介
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−221013(JP,A)
【文献】 特開2006−228797(JP,A)
【文献】 実開平01−137557(JP,U)
【文献】 特表2005−529832(JP,A)
【文献】 特開2007−000875(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01F 6/00−6/06
H01L 39/02−39/04
39/14−39/16
39/20
A61B 5/055
G01R 33/3815
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電流を通電するための超電導線材と、前記超電導線材を冷却する冷却ステージと、前記超電導線材を加熱するヒーターとを備えた伝導冷却式永久電流スイッチにおいて、
前記冷却ステージと前記ヒーターが形成する各々の面の間に前記超電導線材が配置され、
前記超電導線材は、
二ホウ化マグネシウムで構成する芯と、
前記芯の外周に配置され、ニオブチタンまたはステンレス鋼で構成する母材と、
前記母材の外周の一部に配置される銅と、を有し、
前記超電導線材における前記ヒーターにより加熱される部分の最外層は母材であり、前記超電導線材における前記ヒーターにより加熱されない部分の最外層は銅であることを特徴とする伝導冷却式永久電流スイッチ。
【請求項2】
請求項1において、前記冷却ステージと前記線材との間に熱抵抗体が配置されることを特徴とする伝導冷却式永久電流スイッチ。
【請求項3】
請求項2において、前記熱抵抗体が樹脂またはFRPであることを特徴とする、伝導冷却式永久電流スイッチ。
【請求項4】
請求項1において、前記二ホウ化マグネシウムの結晶構造のa軸長が0.3062〜0.3080nmの範囲にあることを特徴とする伝導冷却式永久電流スイッチ。
【請求項5】
請求項1において、前記芯に酸化マグネシウムが含まれることを特徴とする伝導冷却式永久電流スイッチ。
【請求項6】
請求項1において、記銅を介して前記線材と前記ヒーター、前記線材と前記冷却ステージとを接続することを特徴とする伝導冷却式永久電流スイッチ。
【請求項7】
請求項2において、記銅を介して前記線材と前記ヒーター、前記線材と前記熱抵抗体とを接続することを特徴とする伝導冷却式永久電流スイッチ。
【請求項8】
請求項1に記載の伝導冷却式永久電流スイッチを備えたMRI装置。
【請求項9】
請求項1に記載の伝導冷却式永久電流スイッチを備えたNMR装置。
【請求項10】
請求項1において、前記母材はMgB2を生成させる熱処理時の温度でマグネシウムと反応しない材質であることを特徴とする伝導冷却式永久電流スイッチ。
【請求項11】
請求項10において、前記母材はニオブチタンであることを特徴とする伝導冷却式永久電流スイッチ。
【請求項12】
請求項10において、前記母材はステンレス鋼であることを特徴とする伝導冷却式永久電流スイッチ。
【請求項13】
電流を通電するための超電導線材と、前記超電導線材を冷却する冷却ステージと、前記超電導線材を加熱するヒーターとを備えた伝導冷却式永久電流スイッチの製造方法において、
前記冷却ステージと前記ヒーターが形成する各々の面の間に前記超電導線材が配置され、
前記超電導線材は、
二ホウ化マグネシウムで構成する芯と、
前記芯の外周に配置され、ニオブチタンまたはステンレス鋼で構成する母材と、
前記母材の外周の一部に配置される銅と、を有し、
前記超電導線材の製造にあたり、
内層がニオブチタン、外層が銅の二重金属管に、マグネシウムとホウ素の混合粉を充填する工程と、
前記二重金属管を伸線加工する工程と、
前記二重金属管の前記ヒーターにより加熱される部分の銅を除去する工程を有することを特徴とする伝導冷却式永久電流スイッチの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、伝導冷却式永久電流スイッチ、MRI装置、NMR装置に関する。
【背景技術】
【0002】
NMR(核磁気共鳴分析)装置や医療用MRI(磁気共鳴イメージング)装置などのように時間的変動が極めて小さい磁場を用いる機器では、永久電流モードという運転方式が望ましい。永久電流モードとは、外部電源により超電導コイルに所定の電流を流して磁場を発生させた後、超電導コイルの正極と負極をゼロ抵抗で短絡し、外部電源の電流をゼロにすることで得られる。超電導コイルはゼロ抵抗の閉回路となるため、電流は減衰することなく超電導磁石は所定の磁場を発生し続けることができる。このとき、超電導コイルの正極と負極を短絡するための素子を永久電流スイッチという。永久電流スイッチには、次の特性が要求される。
(1)超電導コイルに流す電流と同等の電流をゼロ抵抗で通電できる。
(2)外部制御、例えばヒーター加熱により、超電導状態(オン状態)と常電導状態(オフ状態)を切り替えられる。
(3)オフ状態では高抵抗である。例えば、数オーム程度あるとよい。
【0003】
一方、これまで液体ヘリウムに浸漬して使用してきた超電導磁石であるが、1980年代に高温超電導体が発見されるとともに、冷凍機技術の発展により、伝導冷却方式で運転することも可能になってきた。伝導冷却方式とは、冷凍機を用いて超電導磁石を熱伝導により冷却する方法である。ただし、高温超電導体の代表格である銅酸化物超電導体は、磁束クリープによる中心磁場の時間的変動が大きいため、基本的には永久電流モードで運転することはなかった。
【0004】
2001年、二ホウ化マグネシウムという新たな高温超電導体が発見された。臨界温度が39Kであり、銅酸化物超電導体より臨界温度は低いものの、磁束クリープの問題が小さい。そのため、伝導冷却方式で永久電流モード運転できる超電導磁石への適用が期待されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−179413号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
伝導冷却方式の超電導磁石における永久電流スイッチでは、そのオン/オフのためのヒーターによる入熱はそのまま冷凍機の熱負荷となる。上記特許文献のものでは、冷凍機の熱負荷を低減することを考慮しているが、なるべく少ない入熱で永久電流スイッチをオン/オフすることによるスイッチングの高速化は十分考慮されていない。
【0007】
本発明の目的は、少ない入熱で永久電流スイッチを高速にオン/オフすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明は、電流を通電するための超電導線材と、前記超電導線材を冷却する冷却ステージと、前記超電導線材を加熱するヒーターとを備えた伝導冷却式永久電流スイッチにおいて、前記冷却ステージと前記ヒーターが形成する各々の面の間に前記超電導線材が配置され、前記超電導線材の芯が二ホウ化マグネシウムであり、前記芯の外周に配置される母材が40Kにおいて10μΩcm以上の抵抗率を有する材料であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、少ない入熱で永久電流スイッチを高速にオン/オフすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】臨界電流密度と外部磁場の関係を示す図。
図2】電気抵抗率と温度の関係を示す図。
図3】線材とヒーター線を巻き枠に巻いた従来図。
図4】二重金属管にマグネシウムとホウ素の混合粉末が充填された線材の断面図。
図5図4の二重金属管の外層を除去した第一の形態に係る線材の断面図。
図6】第一の形態に係る永久電流スイッチの斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
発明者らは、二ホウ化マグネシウム超電導線材を高性能化する過程で、この超電導線材が極めて伝導冷却方式の永久電流スイッチに適していることを見出した。
【0012】
優れた永久電流スイッチ用の超電導線材とは、オン状態において必要とされる超電導電流(例えば典型的な値として400Aとしよう)を通電でき、オフ状態における線材単位長さあたりの抵抗値ができる限り高いものがよい。このような線材を用いれば、永久電流スイッチに使用する線材を短くすることができ、その結果永久電流スイッチの熱容量の低減につながる。
【0013】
本発明は、特に、NMR装置や医療用MRI診断装置などに用いられ、永久電流モードで運転する超電導磁石に適用できる。
【0014】
図1は二ホウ化マグネシウム超電導線材の芯の臨界電流密度Jcと外部磁場Bとの関係、図2はその電気抵抗率ρの温度依存性である。なお、線材は、Feを母材としてPIT(パウダー・イン・チューブ)法により作製した。PIT法とは、金属シースに粉末を充填した後に減面加工することで線材化し、焼成する製造方法である。
【0015】
永久電流スイッチは一般的には0.5T以下の低磁場の空間に設置されるが、20K、0.5T以下の磁場領域では、そのJcは4000A/mm2と非常に高い。例えば、Jcを4000A/mm2として400Aの電流を通電するのに必要な断面積は0.1mm2となる。
【0016】
一方、二ホウ化マグネシウムの臨界温度が39Kであることから、二ホウ化マグネシウム超電導線材の永久電流スイッチをオフにする場合は、線材を40Kに加熱することが想定される。このときの抵抗率は、図2の線材A〜Dに示すように10〜70μΩcmに調整することができるので、かなり広い範囲に渡って制御可能である。例えば、40Kにおける抵抗率が50μΩcmのものを用いると、二ホウ化マグネシウムの断面積0.1mm2としたときの単位長さあたりの抵抗は5Ω/mである。従って、例えば1Ωの抵抗を得るのに必要な長さは20cmで十分である。
【0017】
実際には、PIT法で線材を作製する場合には、二ホウ化マグネシウムの酸化を防止するために、二ホウ化マグネシウムの外層に母材が必要になる。母材の抵抗率は二ホウ化マグネシウムと同程度の範囲のものが好ましい。例えば40Kにおける抵抗率が50μΩcmを用い、さらに線材の断面において母材の断面積が占める割合を0.5程度とすれば、超電導線材の単位長さあたりの抵抗は2.5Ω/mとなり、例えば1Ωの抵抗を得るのに必要な長さは40cm程度と非常に短くてすむ。
【0018】
母材は、マグネシウムと反応しないような材質であるのが好ましい。二ホウ化マグネシウムを生成させる熱処理のときに、マグネシウムが母材と反応して二ホウ化マグネシウムの生成量が減ることによって、臨界電流密度が低下してしまうためである。このような材料の最も良い候補としては、ニオブチタン(40Kでの抵抗率:60μΩcm)が挙げられる。ニオブチタンは、マグネシウムと反応しにくく、抵抗率が高い材料である。その他の母材としてステンレス鋼を用いると、機械的な強度を増強することができる。
【0019】
液体ヘリウムに浸漬して冷却する永久電流スイッチであって、線材の芯をニオブチタンとする場合は、線材の長さが10m程度も必要であるため、線材1をヒーター線2と一緒に巻き枠3に巻いた構造が一般的である(図3)。しかし、本発明では線材の長さが数十cmなので巻き枠なしの構造も可能になる。通常、永久電流スイッチでは熱容量の大部分を巻き枠が占めるため、それを撤廃することにより永久電流スイッチの熱容量を極めて小さくすることが可能になる。
【0020】
本発明では、超電導線材の芯に二ホウ化マグネシウムを用いて、その母材も二ホウ化マグネシウムのような高抵抗率の材質とする。即ち、二ホウ化マグネシウムの40Kにおける抵抗率が10μΩcm以上であることから、母材の40Kにおける抵抗率も10μΩcm以上のものを用いる。このような線材にすることにより、永久電流スイッチをオフにするために必要な数オームの抵抗を、断面積が小さく長さが短い線材で実現できる。
【0021】
線材が短いので、従来のような巻き枠に線材を巻き回さなくてもよく、平面又は曲面の板部材上に線材が重ならないように配置すればよいので、配線の形状は螺旋状や蛇行形状等もとりうる。線材はスイッチをオン状態にするための冷却ステージと、オフ状態にするためのヒーターとの面間に配置されることで、線材の中で両者に挟まれている部分の線材を効率良く加熱、冷却できるため、少ない入熱でスイッチを高速にオン/オフすることができる。本発明では、冷却ステージとヒーターの面の間に線材が挟まれる構造であればよいので、冷却ステージとヒーターは平板でも、平板が湾曲していても、曲面を形成していてもよい。ただし、ある一点から板部材(冷却ステージ又はヒーター)を見たときに、ある一点から板部材上に配置された全ての線材が見渡せる程度の湾曲又は曲面に留めておくのがよい。
(発明を実施する第1の形態)
図4図5に線材の断面図を示す。内層がニオブチタン5、外層が銅4の二重金属管を準備し、1:2のmol比率でよく混合したマグネシウムとホウ素の混合粉末を充填した。次いで、二重金属管を繰り返し引抜加工することで減面してφ0.7mmの直径にした。この線材を50%に希釈した硝酸に浸漬することで、外周の銅4を除去した。このとき、線材断面は図5のようになり、母材5と芯6を併せた線材直径はφ0.5mmとなった。
【0022】
線材を800℃で1hr焼成した後、20K、0.5Tの臨界電流Icを測定すると600Aであり、超電導磁石に十分適用可能なレベルであることがわかった。一方、永久電流スイッチをオフにするための温度を40Kとすると、40Kにおける単位長さあたりの電気抵抗は3Ω/mであり、1Ωの抵抗率を得るのに33cmの線材長でよいことがわかった。
【0023】
線材長が33cmであれば、従来のようにボビンに線材を巻く必要がない。そこで、図6に示すように、平板上に螺旋状に配線することとした。線材を螺旋状に曲げた後に、ステンレス製の治具に固定して、800℃で1hr焼成することで、二ホウ化マグネシウムの線材を生成させ、治具から取り外した。本実施形態では、FRP製の熱抵抗体7の上に線材1を設置し、樹脂で接着した。さらに線材の上部に、ステンレスの配線がされたフィルム状のヒーター8を載せてこれも樹脂で固定した。
【0024】
これらを真空断熱されたクライオスタット内の20KGM(Gifford−MacMahon)冷凍機の冷却ステージ9の上に取り付けた。熱抵抗体をヒーターと冷却ステージとの間に設けることにより、ヒーター8で線材1を加熱したときに、冷却ステージに伝わる量を低減することができる。FRPの他に樹脂を用いてもよい
GM冷凍機を運転して、永久電流スイッチを20Kに冷却した。この状態で永久電流スイッチに通電し、400Aを抵抗ゼロであることを確認した。次いで、ヒーター8を1Wの入力で加熱した状態で、永久電流スイッチに100mAの電流を通電して発生電圧を計測することで、その抵抗を測定すると1.3Ωの抵抗が得られ、1Wの入力で十分に永久電流スイッチとして機能することを確認した。
(発明を実施する第2の形態)
本実施形態では、超電導線材の芯の原料にマグネシウムとホウ素だけでなく、SiC、B4Cなどの炭化物を添加すると、二ホウ化マグネシウムの結晶におけるBの一部がCに置換されることで電子散乱中心が導入され、二ホウ化マグネシウムの40Kにおける抵抗率がさらに増大され、線材の単位長さあたりの抵抗率を増大させることができるので、永久電流スイッチの配線に必要な線長をさらに短くできて、よりコンパクトにすることができる。
【0025】
二ホウ化マグネシウムの結晶におけるBの一部がCに置換されると、X線回折により評価される結晶のa軸長がCの実効置換量に応じて短くなることが知られている。一方、C置換量が増大すると二ホウ化マグネシウムが超電導状態を維持できる温度(臨界温度Tc)が低下するので、その臨界電流密度が不足する事態が生じる。そこで、炭化物の添加量は、a軸長が0.3062〜0.3080nmの範囲にあるように調整するのがよい。
(発明を実施する第3の形態)
二ホウ化マグネシウムの40Kにおける抵抗率をさらに増大させるのに、マグネシウムを余分に配合した状態で二ホウ化マグネシウムを生成させた後に、200℃程度の温度で大気中加熱することで、反応せず残留したマグネシウムを酸化させてもよい。酸化マグネシウムは絶縁体であり、その部分は電流経路とならないため、実効的な二ホウ化マグネシウムの断面積が減少して抵抗率が増大する。
【0026】
典型的なPIT線材の二ホウ化マグネシウムの充填率は50〜60体積%程度であり、この充填率が30体積%より低下すると二ホウ化マグネシウムの粒子が不連続となり、連続した電流経路が失われるので、酸化マグネシウムの充填率は多くても20体積%とするのがよい。また、5体積%以下であると抵抗率はあまり増加しない。
マグネシウムを余分に配合する代わりにホウ素を余分に配合しても抵抗率が増加する。
ホウ素単体は低温で電気抵抗率が増大するため、余分に配合して、反応せず残留したホウ素も実効的な電流路を減少させる役割をもつ。この場合も二ホウ化マグネシウムの充填率は30体積%以上、ホウ素の充填率は5〜20体積%とする。また、ホウ素と酸化マグネシウムの両方を配合し、合計の充填率を5〜20体積%としてもよい。
(発明を実施する第4の形態)
第1の形態では線材の最外層の銅を除去したが、これを除去するのはヒーター加熱する部分だけでよく、それ以外の部分を残しておくと、線材をヒーターと熱抵抗体(またはヒーターと冷却ステージ)に半田付けしやすくなる。
(発明を実施する第5の形態)
本発明で得られた永久電流スイッチは、特に伝導冷却により20K程度で永久電流モード運転するような超電導磁石に用いることで、冷凍機に対して大きな熱負荷をかけることなく、超電導状態と常電導状態を切換えることができる。特に、NMR装置、医療用MRI診断装置などに適用すると有効である。
【符号の説明】
【0027】
1・・・線材
2・・・ヒーター線
3・・・巻き枠
4・・・銅
5・・・ニオブチタン(母材)
6・・・二ホウ化マグネシウム(芯)
7・・・熱抵抗体
8・・・ヒーター
9・・・冷却ステージ
図1
図2
図3
図4
図5
図6