(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記動作制御部は、前記ステイプラーを、前記用紙束の最後にステイプルすべき箇所に対応した位置まで移動させるのと同時に、前記用紙束シフト部に、前記用紙束の排出位置に前記用紙束を移動させる、請求項1に記載の後処理装置。
前記動作制御部は、前記ステイプラーに、前記用紙束に最後にステイプルさせた後予め定められた時間が経過するまでに、次の用紙束をステイプルさせない場合、前記ステイプラーを前記ホームポジションに戻させる、請求項1に記載の後処理装置。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の一実施形態にかかる後処理装置およびこれを備える画像形成装置について、図面を参照して説明する。
図1は、本発明の一実施形態にかかる後処理装置の構造を示す図である。
【0012】
後処理装置1は、パンチ部10と、用紙束シフト部20と、ステイプル部30と、排紙部40とを有している。当該後処理装置1は、画像形成装置2の用紙排出口3から排出された画像形成後の用紙を、用紙受入口50を介して受け入れるように画像形成装置2に接続されている。また、後処理装置1と画像形成装置2とは、図示しない通信ケーブルで接続されており、後述する通信インターフェイス部70(
図5参照)を介して互いにデータの通信可能である。
【0013】
用紙受入口50から供給された用紙は搬送ローラー対61,62,63により搬送される。後処理装置1の装置内の所定の位置で、パンチ処理やステイプル処理等の後処理が用紙または用紙束に施され、後処理後の用紙または用紙束が用紙排出口64から排紙部40の排紙トレイ41に排出される。
【0014】
排紙部40は、昇降機構42を備えている。昇降機構42は、不図示の駆動源から付与される駆動力により回動する2つのプーリー43と、当該2つのプーリー43に張架されてプーリー43の回動に伴って回動するベルト44とを備えている。排紙トレイ41は、その側部がベルト44に取り付けられており、排出された用紙束の上面が適当な高さになるように昇降機構42により昇降される。
【0015】
パンチ部10は、後処理機能としてのパンチ処理が指示された場合、図示しないモーターが回動駆動することによりカム11が回動する。当該カム11が回動することでパンチ刃12が上下動して、用紙受入口50に供給された用紙の所定の箇所を穿孔する。後処理装置1には、用紙幅方向に所定の間隔で2個のカム11およびパンチ刃12が設けられおり、搬送される用紙の先端部又は後端部に2個の孔が穿孔される。
【0016】
ステイプル部30は、ステイプル処理対象の用紙束が積載される専用の処理トレイ31と、用紙束の幅方向(用紙束の排出方向に直交する方向)にスライド移動可能なステイプラー32とを備えている。
【0017】
図2は、ステイプラー32のスライド機構を示す図である。ステイプル部30の筐体部分には、用紙束の幅方向に沿って延びた案内部34が設けられている。ステイプラー32は、後述する動作制御部102(
図5参照)による制御の下で駆動部33によって駆動され、用紙束の幅方向(図中の矢印X方向)にスライド移動することにより、処理トレイ31に積載された用紙束の所定箇所をステイプルする。
【0018】
ステイプル部30の筐体部分には、さらに、ステイプラー32の位置を検出するための位置センサー35が設けられている。当該位置センサー35は、例えば、所謂反射型の光センサーであって、ステイプラー32が予め定められたホームポジションに位置する場合にhighレベルの信号を出力し、予め定められたホームポジションに位置しない場合にlowレベルの信号を出力する。
【0019】
図3(A)、
図3(B)および
図3(C)は、ステイプル部30によるステイプル処理での用紙の流れを示す図である。
【0020】
図3(A)に示すように、用紙受入口50から供給され搬送ローラー対61により搬送された用紙P1は、搬送ローラー対62が図中の白抜き矢印で示した方向に回動することで、搬送ローラー対62にニップされて処理トレイ31内へ搬送される。当該用紙P1は、処理トレイ31に既に積載されている用紙P2上に積載される。その後、処理トレイ31に所定枚数の用紙からなる用紙束が積載された場合、用紙束シフト部20により処理トレイ31上の用紙束が幅方向にシフトされて整合される。
【0021】
図3(B)に示すように、用紙束シフト部20により整合された用紙束P3は、ステイプル部30のステイプラー32によりステイプル針STが打ち込まれる。ステイプル針を打ち込む位置は、例えば、用紙の幅方向に対して所定の間隔を置いた2箇所(2点綴じ)又は用紙の隅の1箇所(1点綴じ)である。或いは、用紙の中央の2箇所(中綴じ)の場合もある。用紙束P3の複数箇所をステイプルする場合、ステイプラー32は、用紙束P3の1箇所をステイプルした後に用紙束P3の幅方向に移動することにより、用紙束P3の複数箇所をステイプルする。
【0022】
図3(C)に示すように、ステイプル処理後、搬送ローラー対63が図中の白抜矢印で示した方向に回動することで、ステイプル針STが打ち込まれた用紙束P3が、搬送ローラー対63にニップされて後処理装置1の外部に設けられた排紙トレイ41に向けて排出される。
【0023】
図4は、用紙束シフト部20の構成を示す図である。本図に示す例では、処理トレイ31の上面31aに用紙束Pが積載されている。用紙束シフト部20は、処理トレイ31の上面31aに設けられた一対の用紙束シフト部材(第1の用紙束シフト部材21aおよび第2の用紙束シフト部材21b)を備えている。第1の用紙束シフト部材21aおよび第2の用紙束シフト部材21bは、用紙束Pの搬送方向に沿って延びており、用紙束Pの幅方向(図中の矢印X方向)にそれぞれ独立して移動可能とされている。第1の用紙束シフト部材21aおよび第2の用紙束シフト部材21bは、後述する動作制御部102(
図5参照)による制御の下で駆動部23および駆動部24によって駆動され、用紙束Pの幅方向に移動することにより、処理トレイ31に積載された用紙束Pを幅方向に移動させる。
【0024】
処理トレイ31の上面31aには、さらに、第1の用紙束シフト部材21aの位置を検出するための位置センサー25、および第2の用紙束シフト部材21bの位置を検出するための位置センサー26が設けられている。位置センサー25は、第1の用紙束シフト部材21aが予め定められたホームポジションに位置する場合にhighレベルの信号を出力し、予め定められたホームポジションに位置しない場合にlowレベルの信号を出力する。また、位置センサー26は、第2の用紙束シフト部材21bが予め定められたホームポジションに位置する場合にhighレベルの信号を出力し、予め定められたホームポジションに位置しない場合にlowレベルの信号を出力する。
【0025】
図5は、後処理装置1の内部構成の概略を示すブロック図である。後処理装置1は、パンチ部10と、用紙束シフト部20と、ステイプル部30と、排紙部40と、搬送ローラー61、62、63と、通信インターフェイス部70と、制御ユニット100とを備えている。
【0026】
通信インターフェイス部70は、シリアル通信等の通信デバイスを有し、画像形成装置2の通信インターフェイス部に接続される。後処理装置1は、通信インターフェイス部70を介して、画像形成装置2から送信された各種指示および要求を受信するとともに、画像形成装置2に各種通知を送信する。画像形成装置2から送信される指示には、例えば、ステイプル処理をすべき旨の指示、ステイプルの種類(2点綴じ、1点綴じ、中綴じ等)を指定する指示、ステイプル処理後の用紙束を排出する排出位置を指定する指示等がある。
【0027】
制御ユニット100は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、およびROM(Read Only Memory)等から構成される。制御ユニット100は、上記のROM又は内蔵の記憶部に記憶された後処理制御プログラムが上記のCPUにより実行されることにより、制御部101、動作制御部102、および入力受付部103として機能する。なお、制御ユニット100の制御部101、動作制御部102、および入力受付部103は、前述の後処理制御プログラムに基づく動作によらず、それぞれハード回路により構成されてもよい。
【0028】
制御部101は、後処理装置1の全体的な制御を司る。
【0029】
動作制御部102は、パンチ部10、用紙束シフト部20、ステイプル部30、排紙部40、および搬送ローラー対61、62、63の動作を制御する機能を有する。当該動作制御部102による動作制御の詳細は後述する。
【0030】
入力受付部103は、画像形成装置2から送信されたステイプル処理をすべき旨の指示、ステイプルの種類を指定する指示、ステイプル処理後の用紙束を排出する排出位置を指定する指示等を、通信インターフェイス部70を介して受け付ける機能を有する。当該指示は、例えば、画像形成装置2に設けられた操作ボタンやタッチパネル機能を用いてユーザーにより入力される。
【0031】
続いて、上記の構成を備える後処理装置1の動作を説明する。なお、以下では、2部の用紙束に対して所定の間隔を置いた2箇所にステイプルする場合について説明する。
図6は、後処理装置1による処理の流れを示すフローチャートである。
図7(A)〜
図7(D)は、
図6に示す1部目のステイプル処理における用紙束シフト部20の第1の用紙束シフト部材21aおよび第2の用紙束シフト部材21bの動き、およびステイプル部30のステイプラー32の動きを示す図である。
図8(A)〜
図8(D)は、
図6に示す2部目のステイプル処理における用紙束シフト部20の第1の用紙束シフト部材21aおよび第2の用紙束シフト部材21bの動き、およびステイプル部30のステイプラー32の動きを示す図である。
【0032】
後処理装置1の入力受付部103は、まず、画像処理装置2から送信されたステイプル処理をすべき旨の指示を受け付けたか否かを判定する(ステップS10)。
【0033】
後処理をすべき旨の指示を受け付けた場合(ステップS10においてYES)、動作制御部102は、搬送ローラー対61を駆動するモーターおよび搬送ローラー対62を駆動するモーターを制御し、搬送ローラー対61および搬送ローラー対62をそれぞれ回動させて、用紙受入口50から供給された用紙を処理トレイ31内に搬送させる(ステップS11)。
【0034】
なお、入力受付部103によりパンチ処理をすべき旨の指示を受け付けている場合には、動作制御部102は、カム11を駆動するモーターを制御し、カム11を回動させて、パンチ刃12により用紙受入口50から供給された用紙の所定の箇所を穿孔させる。
【0035】
動作制御部102は、処理トレイ31に積載された一部目の用紙束の枚数が、ステイプル処理をすべき枚数に達したか否かを判定する(ステップS12)。このステイプル処理をすべき枚数は、画像形成装置2から送信され入力受付部103により受け付けられる指示に含まれている。
【0036】
ステイプル処理をすべき枚数に達している場合(ステップS12においてYES)、動作制御部102は、ステップS13の処理を実行する。
図7(A)は、ステップS13の処理における第1の用紙束シフト部材21aと第2の用紙束シフト部材21bとの動き、およびステイプル部30のステイプラー32の動きを示す図である。
【0037】
ステップS13の処理において、動作制御部102は、第1の用紙束シフト部材21aを駆動する駆動部23および第2の用紙束シフト部材21bを駆動する駆動部24を制御し、第1の用紙束シフト部材21aを図中のX1方向に移動させ、第2の用紙束シフト部材21bを図中のX2方向に移動させて、処理トレイ31に積載された用紙束Pを幅方向に移動させ、用紙束Pを整合させる。
【0038】
また、ステップS13の処理において、動作制御部102は、上記の第1の用紙束シフト部材21aおよび第2の用紙束シフト部材21bを移動させて用紙束Pを整合させる処理と同時に、ステイプル部30のステイプラー32を駆動する駆動部33を制御し、ステイプラー32を図中のX3方向に移動させることで、用紙束Pの最初にステイプルすべき箇所に対応した位置にステイプラー32を位置させる。
【0039】
ステップS13の処理後、動作制御部102は、ステイプラー32を駆動する駆動部33を制御して、用紙束Pの最初にステイプルすべき箇所に対してステイプラー32にステイプルさせる(ステップS14)。
【0040】
ステップS14の処理後、動作制御部102は、ステップS15の処理を実行する。
図7(B)は、ステップS14の処理における第1の用紙束シフト部材21aと第2の用紙束シフト部材21bとの動き、およびステイプル部30のステイプラー32の動きを示す図である。
【0041】
ステップS15の処理において、動作制御部102は、第1の用紙束シフト部材21aを駆動する駆動部23および第2の用紙束シフト部材21bを駆動する駆動部24を制御し、第1の用紙束シフト部材21aを図中のX4方向に移動させ、第2の用紙束シフト部材21bを図中のX5方向に移動させて、処理トレイ31に積載された用紙束Pを幅方向に移動させる。この際、動作制御部102は、用紙束シフト部20に用紙束Pの排出位置まで用紙束Pを移動させる。この用紙束Pの排出位置は、画像形成装置2から送信され入力受付部103により受け付けられる指示に含まれている。なお、この用紙束Pの排出位置を示す指示が画像形成装置2から送信されない場合、動作制御部102は、用紙束シフト部20に標準の排出位置まで用紙束Pを移動させる。
【0042】
また、ステップS15の処理において、動作制御部102は、上記の用紙束Pを幅方向に移動させる処理と同時に、ステイプル部30のステイプラー32を駆動する駆動部33を制御し、ステイプラー32を図中のX6方向に移動させることで、用紙束Pに次にステイプルすべき箇所に対応した位置にステイプラー32を位置させる。
【0043】
ステップS15の処理後、動作制御部102は、ステップS16の処理を実行する。
図7(C)は、ステップS15の処理における第1の用紙束シフト部材21aと第2の用紙束シフト部材21bとの動き、およびステイプル部30のステイプラー32の動きを示す図である。
【0044】
ステップS16の処理において、動作制御部102は、ステイプラー32を駆動する駆動部33を制御して、用紙束Pの次にステイプルすべき箇所に対してステイプラー32にステイプルさせる。そして、動作制御部102は、搬送ローラー63対を駆動するモーターを制御し、搬送ローラー対63を回動させて、後処理装置1の外部に設けられた排紙トレイ41に向けて用紙束Pを排出させる。
【0045】
ステップS16の処理後、動作制御部102は、ステップS17の処理を実行する。
図7(D)は、ステップS17の処理における第1の用紙束シフト部材21aと第2の用紙束シフト部材21bとの動き、およびステイプル部30のステイプラー32の動きを示す図である。
【0046】
ステップS17の処理において、動作制御部102は、第1の用紙束シフト部材21aを駆動する駆動部23および第2の用紙束シフト部材21bを駆動する駆動部24を制御し、第1の用紙束シフト部材21aを図中のX7方向に移動させ、第2の用紙束シフト部材21bを図中のX8方向に移動させる。この際、動作制御部102は、位置センサー25および位置センサー26(
図7(D)では図略)から出力される信号を参照して、第1の用紙束シフト部材21aおよび第2の用紙束シフト部材21bを、予め定められたホームポジションまで移動させる。
【0047】
また、ステップS17の処理において、動作制御部102は、上記の第1の用紙束シフト部材21aおよび第2の用紙束シフト部材21bをホームポジションに移動させる処理と同時に、ステイプル部30のステイプラー32を駆動する駆動部33を制御し、ステイプラー32を図中のX9方向に移動させる。この際、動作制御部102は、2部目に対するステイプル処理での最初にステイプルすべき箇所に対応する位置までステイプラー32を移動させる。ここで、動作制御部102は、次の用紙束の複数のステイプルすべき箇所のうち、その箇所に対応する位置がステップS15の処理においてステイプルした時にステイプラー32が位置していた位置に最も近いものを、次の用紙束の最初にステイプルすべき箇所に決定する。
【0048】
ステップS17の処理後、動作制御部102は、搬送ローラー対61を駆動するモーターおよび搬送ローラー対62を駆動するモーターを制御し、搬送ローラー対61および搬送ローラー対62をそれぞれ回動させて、用紙受入口50から供給された2部目の用紙を処理トレイ31内に搬送させる(ステップS18)。
【0049】
動作制御部102は、処理トレイ31に積載された2部目の用紙束の枚数が、ステイプル処理をすべき枚数に達したか否かを判定する(ステップS19)。
【0050】
ステイプル処理をすべき枚数に達している場合(ステップS19においてYES)、動作制御部102は、ステップS20の処理を実行する。
図8(A)は、ステップS20の処理における第1の用紙束シフト部材21aと第2の用紙束シフト部材21bとの動き、およびステイプル部30のステイプラー32の動きを示す図である。
【0051】
ステップS20の処理において、動作制御部102は、第1の用紙束シフト部材21aを駆動する駆動部23および第2の用紙束シフト部材21bを駆動する駆動部24を制御し、第1の用紙束シフト部材21aを図中のX10方向に移動させ、第2の用紙束シフト部材21bを図中のX11方向に移動させて、処理トレイ31に積載された2部目の用紙束Pを幅方向に移動させ、用紙束Pを整合させる。この際、ステイプラー32は、ステップS16の処理において既に最初にステイプルすべき箇所に対応した位置まで移動しているため、移動させる必要がない。
【0052】
ステップS20の処理後、動作制御部102は、ステイプラー32を駆動する駆動部33を制御して、2部目の用紙束Pの最初にステイプルすべき箇所に対してステイプラー32にステイプルさせる(ステップS21)。
【0053】
ステップS21の処理後、動作制御部102は、ステップS22の処理を実行する。
図8(B)は、ステップS22の処理における第1の用紙束シフト部材21aと第2の用紙束シフト部材21bとの動き、およびステイプル部30のステイプラー32の動きを示す図である。
【0054】
ステップS22の処理では、動作制御部102は、ステップS15の処理と同様の処理を実行する。すなわち、動作制御部102は、第1の用紙束シフト部材21aを駆動する駆動部23および第2の用紙束シフト部材21bを駆動する駆動部24を制御し、第1の用紙束シフト部材21aを図中のX12方向に移動させ、第2の用紙束シフト部材21bを図中のX13方向に移動させて、処理トレイ31に積載された用紙束Pを幅方向に移動させる。この際、動作制御部102は、用紙束シフト部20に2部目の用紙束Pの排出位置まで用紙束Pを移動させる。また、動作制御部102は、上記の2部目の用紙束Pを幅方向に移動させる処理と同時に、ステイプル部30のステイプラー32を駆動する駆動部33を制御し、ステイプラー32を図中のX14方向に移動させることで、2部目の用紙束Pの次にステイプルすべき箇所に対応した位置にステイプラー32を位置させる。
【0055】
ステップS22の処理後、動作制御部102は、ステップS23の処理を実行する。
図8(C)は、ステップS23の処理における第1の用紙束シフト部材21aと第2の用紙束シフト部材21bとの動き、およびステイプル部30のステイプラー32の動きを示す図である。
【0056】
ステップS23の処理では、動作制御部102は、ステップS16の処理と同様の処理を実行する。すなわち、動作制御部102は、ステイプラー32を駆動する駆動部33を制御して、2部目の用紙束Pの次にステイプルすべき箇所に対してステイプラー32にステイプルさせる。そして、動作制御部102は、搬送ローラー63対を駆動するモーターを制御し、搬送ローラー63対を回動させて、後処理装置1の外部に設けられた排紙トレイ41に向けて2部目の用紙束Pを排出させる。
【0057】
ステップS23の処理後、動作制御部102は、ステップS24の処理を実行する。
図8(D)は、ステップS24の処理における第1の用紙束シフト部材21aと第2の用紙束シフト部材21bとの動き、およびステイプル部30のステイプラー32の動きを示す図である。
【0058】
ステップS24の処理において、動作制御部102は、第1の用紙束シフト部材21aを駆動する駆動部23および第2の用紙束シフト部材21bを駆動する駆動部24を制御し、第1の用紙束シフト部材21aを図中のX15方向に移動させ、第2の用紙束シフト部材21bを図中のX16方向に移動させ、第1の用紙束シフト部材21aおよび第2の用紙束シフト部材21bを、予め定められたホームポジションまで移動させる。この際、動作制御部102は、位置センサー25および位置センサー26(
図8(D)では図略)から出力される信号を参照して、第1の用紙束シフト部材21aおよび第2の用紙束シフト部材21bを、予め定められたホームポジションまで移動させる。
【0059】
また、ステップS24の処理において、動作制御部102は、上記の第1の用紙束シフト部材21aおよび第2の用紙束シフト部材21bをホームポジションまで移動させる処理と同時に、ステイプラー32を図中のX17方向にスライド移動させる。この際、動作制御部102は、位置センサー35(
図8(D)では図略)から出力される信号を参照して、ステイプラー32を予め定められたホームポジションまで移動させる。
【0060】
すなわち、本実施の形態にかかる後処理装置1では、用紙束Pの最後のステイプル箇所をステイプルさせた後、連続して次の用紙束Pをステイプルさせる場合には、ステイプラー32をホームポジションに戻させずに、ホームポジションよりも用紙束Pの最後のステイプル箇所をステイプルさせる位置に近い次の用紙束のステイプルすべき箇所に対応した位置までステイプラー32を移動させ、次の用紙束Pの最後のステイプル箇所をステイプルさせた後、予め定められた時間が経過するまでに次の用紙束をステイプルさせない場合には、ステイプラー32をホームポジションに戻させている。
【0061】
続いて、本実施形態にかかる後処理装置1による効果を、比較例にかかる後処理装置と比較して説明する。
図9(A)〜
図9(F)は、比較例にかかる後処理装置での1部目および2部目のステイプル処理における用紙束シフト部120の第1の用紙束シフト部材121aと第2の用紙束シフト部材121bとの動き、およびステイプル部130のステイプラー132の動きを示す図である。
【0062】
比較例にかかる後処理装置は、1部目の用紙束Pの枚数が、ステイプル処理をすべき枚数に達した場合に、
図9(A)に示すように、第1の用紙束シフト部材121aを図中のX51方向に移動させ、第2の用紙束シフト部材121bを図中のX52方向に移動させて、処理トレイ131に積載された用紙束Pを幅方向に移動させ、用紙束Pを整合させる。その後、比較例にかかる後処理装置は、
図9(B)に示すように、ステイプラー132を図中のX53方向にスライド移動させることで、用紙束Pの最初にステイプルすべき箇所に対応した位置にステイプラー132を位置させる。
【0063】
この点、本実施形態にかかる後処理装置1では、第1の用紙束シフト部材21aおよび第2の用紙束シフト部材21bを移動させて用紙束Pを整合させる処理と同時に、ステイプラー32を用紙束Pの最初にステイプルすべき箇所に対応した位置まで移動させる処理を行っているため、ステイプラー32を用紙束Pの最初にステイプルすべき箇所に対応した位置まで移動させるのにかかる時間を短縮することができる。
【0064】
比較例にかかる後処理装置では、用紙束Pの最初にステイプルすべき箇所をステイプルさせた後、
図9(C)に示すように、ステイプラー132を図中のX54方向にスライド移動させることで、用紙束Pの次にステイプルすべき箇所に対応した位置にステイプラー132を位置させる。そして、比較例にかかる後処理装置は、用紙束Pの次にステイプルすべき箇所をステイプルさせた後、
図9(D)に示すように、第1の用紙束シフト部材121aを図中のX55方向に移動させ、第2の用紙束シフト部材121bを図中のX56方向に移動させて、処理トレイ131に積載された用紙束Pを用紙束Pの排出位置まで移動させる。その後、比較例にかかる後処理装置は、
図9(E)に示すように、搬送ローラー対163を回動させて用紙束Pを排出させる。
【0065】
この点、本実施形態にかかる後処理装置1では、ステイプラー32に、用紙束Pの1箇所目をステイプルさせた後に次のステイプルすべき箇所に対応する位置に移動させるのと同時に、用紙束シフト部20に、用紙束Pをステイプラー32の移動方向と反対方向に移動させている。このため、次のステイプルすべき箇所に対してステイプルさせる際のステイプラー32の移動距離を短くすることができるので、ステイプル処理にかかる時間を短縮することができる。また、ステイプラー32を駆動するのに要する電力を抑えることができ、後処理装置1の消費電力を削減することができる。
【0066】
また、本実施形態にかかる後処理装置1では、ステイプラー32を用紙束Pの最後にステイプルすべき箇所に対応した位置まで移動させるのと同時に、用紙束シフト部20に、用紙束Pの排出位置に用紙束Pを移動させている。このため、ステイプル処理後に、用紙束Pの排出位置に用紙束Pを移動させる処理を行う必要がなく、ステイプル処理後の用紙束Pをより早くユーザーに提供することができる。
【0067】
比較例にかかる後処理装置では、ステイプル処理後、
図9(F)に示すように、第1の用紙束シフト部材121aを図中のX57方向に移動させ、第2の用紙束シフト部材121bを図中のX58方向に移動させ、ステイプラー132を図中のX59方向に移動させ、第1の用紙束シフト部材121a、第2の用紙束シフト部材121b、およびステイプラー132を、予め定められたホームポジションまで移動させる。
【0068】
そして、比較例にかかる後処理装置は、
図9(A)〜
図9(F)に示すように、2部目の用紙束Pに対して1部目の用紙束Pに対して行った処理と同様の処理を行い、2部目の用紙束Pのステイプル処理および排出処理を行う。
【0069】
この点、本実施形態にかかる後処理装置1では、ステイプラー32に、用紙束Pの最後にステイプルすべき箇所をステイプルさせた後、連続して次の用紙束Pをステイプルさせる場合、ステイプラー32をホームポジションに戻させずに、次の用紙束Pの最初にステイプルすべき箇所に対応した位置まで移動させている。また、本実施形態にかかる後処理装置1は、次の用紙束Pの複数のステイプル箇所のうち、その箇所に対応する位置が用紙束Pの最後にステイプルすべき箇所をステイプルした時にステイプラー32が位置していた位置に最も近いものを、次の用紙束Pの最初にステイプルすべき箇所に決定している。2部目以降の用紙束Pに対するステイプル処理の開始時に、ステイプラー32が既に最初にステイプルすべき箇所に対応した位置まで移動しているため、ステイプラー32を移動させる必要がなく、ステイプル処理にかかる時間を短縮することができる。また、ステイプラー32を駆動するのに要する電力を抑えることができ、後処理装置1の消費電力を削減することができる。
【0070】
以下では、上記の実施の形態で説明した内容について補足する。
【0071】
図6に示すフローチャートでは、用紙束Pに対して所定の間隔を置いた2箇所をステイプルする場合について説明したが、3箇所以上の複数箇所をステイプルする場合についても、上記と同様の処理を行うことができる。これにより、ステイプラー32の移動距離を短くすることができ、ステイプル処理にかかる時間を短縮することができる。また、ステイプラー32を駆動するのに要する電力を抑えることができ、後処理装置1の消費電力を削減することができる。
【0072】
また、ステイプル処理を施す用紙束Pのサイズが小さい場合、ステイプル箇所の間隔が狭いために、上記の実施の形態に示す処理を行ってもステイプル処理の短縮時間が小さい場合がある。このため、動作制御部102は、ステイプル箇所の間隔が予め定められた間隔よりも狭い場合には、上記の実施の形態に示す処理を実行せず、上記の比較例に示した処理を実行するとしてもよい。