【実施例】
【0025】
以下、実施例をもって本発明を具体的に説明する。
【0026】
(第1態様の試験例)
第1態様では、保護被覆層13にD20以上の硬度を持つ樹脂を使用し、かつ、ポリマークラッド層12の膜厚を保護被覆層13の膜厚の3.0倍以上とすることにより、耐しごき性と低励起ロスを両立したポリマークラッド光ファイバ10を作製できるようにした。
【0027】
作製した各ポリマークラッド光ファイバ10のうち番号が「C」で始まるものは、比較例を表す。表1〜6では共通する単位を省略するが、「ファイバ径」、「クラッド径」、「保護被覆径」、「クラッド膜厚」、「保護被覆層膜厚」の単位はμmであり、「励起ロス」および「励起ロス増分」の単位はdB/kmである。「ファイバ径」は光ファイバ11のガラス径、「クラッド径」および「クラッド膜厚」はそれぞれポリマークラッド層12の外径および膜厚、「保護被覆径」および「保護被覆層膜厚」はそれぞれ保護被覆層13の外径および膜厚である。「膜厚比」は、「クラッド膜厚」と「保護被覆層膜厚」との比である。
【0028】
(試験例1:番号1A〜2A、C1A〜C3A)
ファイバ径が125μmである光ファイバ11に対し、ポリマークラッド層12に屈折率1.35以下となる熱硬化型樹脂を、保護被覆層13に硬度D75の熱硬化型樹脂を使用して高NAのポリマークラッド光ファイバ10を作製した。ポリマークラッド層12の膜厚と保護被覆層13の膜厚を変化させたポリマークラッド光ファイバ10を作製し、それぞれの励起ロスを測定したところ、表1に示すように、ポリマークラッド層12の膜厚が保護被覆層13の膜厚の3倍以上となるポリマークラッド光ファイバ10では、励起ロスの値が約3dB/kmに収束した。次に、作製したポリマークラッド光ファイバ10のしごき特性を確認するため、番号1Aおよび2Aのポリマークラッド光ファイバ10(全長で20km)に2%伸びを加えながら巻き返しを実施した後、光ファイバ11内に可視光を入射して励起光漏れがないか確認したところ、励起光漏れ(輝点発生)は確認されず、また、励起ロスも変化せず、良好なしごき特性を有することが確認された。
【0029】
【表1】
【0030】
(試験例2:番号3A〜5A、C7A〜C12A)
ファイバ径を80μmとした以外は試験例1と同様にして、高NAのポリマークラッド光ファイバ10を作製した。それぞれの励起ロスを測定したところ、表2に示すように、ポリマークラッド層12の膜厚が保護被覆層13の膜厚の3倍以上となるポリマークラッド光ファイバ10では、励起ロスの値が約10dB/kmに収束した。次に、作製したポリマークラッド光ファイバ10のしごき特性を確認するため、番号3A〜5Aのポリマークラッド光ファイバ10(全長で20km)に2%伸びを加えながら巻き返しを実施した後、光ファイバ11内に可視光を入射して励起光漏れがないか確認したところ、励起光漏れ(輝点発生)は確認されず、また、励起ロスも変化せず、良好なしごき特性を有することが確認された。
【0031】
【表2】
【0032】
(試験例3:番号6A〜7A、C13A〜C18A)
ファイバ径を400μmとした以外は試験例1と同様にして、高NAのポリマークラッド光ファイバ10を作製した。それぞれの励起ロスを測定したところ、表3に示すように、ポリマークラッド層12の膜厚が保護被覆層13の膜厚の3倍以上となるポリマークラッド光ファイバ10では、励起ロスの値が約3dB/kmに収束した。次に、作製したポリマークラッド光ファイバ10のしごき特性を確認するため、番号6Aおよび7Aのポリマークラッド光ファイバ10(全長で20km)に2%伸びを加えながら巻き返しを実施した後、光ファイバ11内に可視光を入射して励起光漏れがないか確認したところ、励起光漏れ(輝点発生)は確認されず、また、励起ロスも変化せず、良好なしごき特性を有することが確認された。
【0033】
【表3】
【0034】
(試験例4:番号8A〜9A、C19A〜C24A)
保護被覆層13に硬度D50の熱硬化型樹脂を使用した以外は試験例1と同様にして、高NAのポリマークラッド光ファイバ10を作製した。それぞれの励起ロスを測定したところ、表4に示すように、ポリマークラッド層12の膜厚が保護被覆層13の膜厚の3倍以上となるポリマークラッド光ファイバ10では、励起ロスの値が約3dB/kmに収束した。次に、作製したポリマークラッド光ファイバ10のしごき特性を確認するため、番号8Aおよび9Aのポリマークラッド光ファイバ10(全長で20km)に2%伸びを加えながら巻き返しを実施した後、光ファイバ11内に可視光を入射して励起光漏れがないか確認したところ、励起光漏れ(輝点発生)は確認されず、また、励起ロスも変化せず、良好なしごき特性を有することが確認された。
【0035】
【表4】
【0036】
(試験例5:番号10A〜11A、C25A〜C31A)
保護被覆層13に硬度D20の熱硬化型樹脂を使用した以外は試験例1と同様にして、高NAのポリマークラッド光ファイバ10を作製した。それぞれの励起ロスを測定したところ、表5に示すように、ポリマークラッド層12の膜厚が保護被覆層13の膜厚の3倍以上となるポリマークラッド光ファイバ10では、励起ロスの値が約3dB/kmに収束した。次に、作製したポリマークラッド光ファイバ10のしごき特性を確認するため、番号10Aおよび11Aのポリマークラッド光ファイバ10(全長で20km)に2%伸びを加えながら巻き返しを実施した後、光ファイバ11内に可視光を入射して励起光漏れがないか確認したところ、5か所の励起光漏れ(輝点発生)が確認されたが、励起ロスに変化はなく、試験例1(D75)や試験例4(D50)には劣るものの、良好なしごき特性を有することが確認された。
【0037】
【表5】
【0038】
(試験例6:番号C32A〜C39A)
保護被覆層13に硬度A80の熱硬化型樹脂を使用した以外は試験例1と同様にして、高NAのポリマークラッド光ファイバ10を作製した。それぞれの励起ロスを測定したところ、表6に示すように、ポリマークラッド層12の膜厚が保護被覆層13の1.5倍以上の領域で励起ロスの増加は認められず約3dB/kmであった。しかし、作製したポリマークラッド光ファイバ10のしごき特性を確認するため、番号C37A〜C39Aのポリマークラッド光ファイバ10(全長で20km)に2%伸びを加えながら巻き返しを実施した後、光ファイバ11内に可視光を入射して励起光漏れがないか確認したところ、しごきによる励起光漏れ(輝点発生)がいくつか確認され、励起ロスは、しごき前に比べて1.5〜3.2dB/km程度増加していた。
【0039】
【表6】
【0040】
図4に、第1態様における膜厚比と励起ロス[dB/km]との関係をグラフにまとめて示す。「125μm(D75)」は試験例1、「125μm(D50)」は試験例4、「125μm(D20)」は試験例5、「125μm(A80)」は試験例6、「80μm(D75)」は試験例2、「400μm(D75)」は試験例3である。
【0041】
(第2態様の試験例)
第2態様では、保護被覆層24にD20以上の硬度を持つ樹脂を使用し、かつ、ポリマークラッド層22と緩衝層23との合計膜厚を、保護被覆層24の膜厚の3.0倍以上とすることにより、耐しごき性と低励起ロスを両立したポリマークラッド光ファイバ20を作製できるようにした。
【0042】
作製した各ポリマークラッド光ファイバ20のうち番号が「C」で始まるものは、比較例を表す。表7〜16では共通する単位を省略するが、「ファイバ径」、「クラッド径」、「緩衝層外径」、「保護被覆径」、「クラッド膜厚」、「緩衝層膜厚」、「クラッド+緩衝層膜厚」、「保護被覆層膜厚」の単位はμmであり、「励起ロス」および「励起ロス増分」の単位はdB/kmである。「ファイバ径」は光ファイバ21のガラス径、「クラッド径」および「クラッド膜厚」はそれぞれポリマークラッド層22の外径および膜厚、「緩衝層外径」および「緩衝層膜厚」はそれぞれ緩衝層23の外径および膜厚、「保護被覆径」および「保護被覆層膜厚」はそれぞれ保護被覆層24の外径および膜厚、「クラッド+緩衝層膜厚」は、「クラッド膜厚」と「緩衝層膜厚」との合計である。「膜厚比X」は、「クラッド膜厚」と「緩衝層膜厚」との比である。「膜厚比Y」は、「クラッド+緩衝層膜厚」と「保護被覆層膜厚」との比である。
【0043】
(試験例7:番号1B〜3B、C1B〜C5B)
ファイバ径は125μmとし、ポリマークラッド層22に屈折率1.35以下となる熱硬化型樹脂を、緩衝層23に硬度A20の熱硬化型樹脂を、保護被覆層24に硬度D75の熱硬化型樹脂を使用して高NAのポリマークラッド光ファイバ20を作製した。ポリマークラッド層22と緩衝層23の合計膜厚と保護被覆層24の膜厚を変化させたポリマークラッド光ファイバ20を作製し、それぞれの励起ロスを測定したところ、表7に示すように、ポリマークラッド層22と緩衝層23の合計膜厚が保護被覆層24の膜厚の1.5倍以上となるポリマークラッド光ファイバ20では、励起ロスの値が約3dB/kmに収束した。次に、作製したポリマークラッド光ファイバ20のしごき特性を確認するため、番号1B〜3Bのポリマークラッド光ファイバ20(全長で20km)に2%伸びを加えながら巻き返しを実施した後、光ファイバ21内に可視光を入射して励起光漏れがないか確認したところ、励起光漏れ(輝点発生)は確認されず、また、励起ロスも変化せず、良好なしごき特性を有することが確認された。
【0044】
【表7】
【0045】
(試験例8:番号4B〜8B、C6B〜C11B)
ファイバ径は125μmとし、ポリマークラッド層22に屈折率1.35以下となる熱硬化型樹脂を、緩衝層23に硬度A25の熱硬化型樹脂を、保護被覆層24に硬度D75の熱硬化型樹脂を使用して高NAのポリマークラッド光ファイバ20を作製した。ポリマークラッド層22と緩衝層23の合計膜厚と保護被覆層24の膜厚を変化させたポリマークラッド光ファイバ20を作製し、それぞれの励起ロスを測定したところ、表8に示すように、ポリマークラッド層22と緩衝層23の合計膜厚が保護被覆層24の膜厚の1.5倍以上となるポリマークラッド光ファイバ20では、励起ロスの値が約3dB/kmに収束した。次に、作製したポリマークラッド光ファイバ20のしごき特性を確認するため、番号4B〜8Bのポリマークラッド光ファイバ20(全長で20km)に2%伸びを加えながら巻き返しを実施した後、光ファイバ21内に可視光を入射して励起光漏れがないか確認したところ、励起光漏れ(輝点発生)は確認されず、また、励起ロスも変化せず、良好なしごき特性を有することが確認された。
【0046】
【表8】
【0047】
(試験例9:番号9B〜12B、C12B〜C17B)
ファイバ径は80μmとし、ポリマークラッド層22に屈折率1.35以下となる熱硬化型樹脂を、緩衝層23に硬度A25の熱硬化型樹脂を、保護被覆層24に硬度D75の熱硬化型樹脂を使用して高NAのポリマークラッド光ファイバ20を作製した。ポリマークラッド層22と緩衝層23の合計膜厚と保護被覆層24の膜厚を変化させたポリマークラッド光ファイバ20を作製し、それぞれの励起ロスを測定したところ、表9に示すように、ポリマークラッド層22と緩衝層23の合計膜厚が保護被覆層24の膜厚の1.5倍以上となるポリマークラッド光ファイバ20では、励起ロスの値が約10dB/kmに収束した。次に、作製したポリマークラッド光ファイバ20のしごき特性を確認するため、番号9B〜12Bのポリマークラッド光ファイバ20(全長で20km)に2%伸びを加えながら巻き返しを実施した後、光ファイバ21内に可視光を入射して励起光漏れがないか確認したところ、励起光漏れ(輝点発生)は確認されず、また、励起ロスも変化せず、良好なしごき特性を有することが確認された。
【0048】
【表9】
【0049】
(試験例10:番号13B〜16B、C18B〜C22B)
ファイバ径は400μmとし、ポリマークラッド層22に屈折率1.35以下となる熱硬化型樹脂を、緩衝層23に硬度A25の熱硬化型樹脂を、保護被覆層24に硬度D75の熱硬化型樹脂を使用して高NAのポリマークラッド光ファイバ20を作製した。ポリマークラッド層22と緩衝層23の合計膜厚と保護被覆層24の膜厚を変化させたポリマークラッド光ファイバ20を作製し、それぞれの励起ロスを測定したところ、表10に示すように、ポリマークラッド層22と緩衝層23の合計膜厚が保護被覆層24の膜厚の1.5倍以上となるポリマークラッド光ファイバ20では、励起ロスの値が約3dB/kmに収束した。次に、作製したポリマークラッド光ファイバ20のしごき特性を確認するため、番号13B〜16Bのポリマークラッド光ファイバ20(全長で20km)に2%伸びを加えながら巻き返しを実施した後、光ファイバ21内に可視光を入射して励起光漏れがないか確認したところ、励起光漏れ(輝点発生)は確認されず、また、励起ロスも変化せず、良好なしごき特性を有することが確認された。
【0050】
【表10】
【0051】
(試験例11:番号17B〜20B、C23B〜C26B)
ファイバ径は125μmとし、ポリマークラッド層22に屈折率1.35以下となる熱硬化型樹脂を、緩衝層23に硬度A50の熱硬化型樹脂を、保護被覆層24に硬度D75の熱硬化型樹脂を使用して高NAのポリマークラッド光ファイバ20を作製した。ポリマークラッド層22と緩衝層23の合計膜厚と保護被覆層24の膜厚を変化させたポリマークラッド光ファイバ20を作製し、それぞれの励起ロスを測定したところ、表11に示すように、ポリマークラッド層22と緩衝層23の合計膜厚が保護被覆層24の膜厚の1.5倍以上となるポリマークラッド光ファイバ20では、励起ロスの値が約3dB/kmに収束した。次に、作製したポリマークラッド光ファイバ20のしごき特性を確認するため、番号17B〜20Bのポリマークラッド光ファイバ20(全長で20km)に2%伸びを加えながら巻き返しを実施した後、光ファイバ21内に可視光を入射して励起光漏れがないか確認したところ、励起光漏れ(輝点発生)は確認されず、また、励起ロスも変化せず、良好なしごき特性を有することが確認された。
【0052】
【表11】
【0053】
(試験例12:番号21B〜22B、C27B〜C32B)
ファイバ径は125μmとし、ポリマークラッド層22に屈折率1.35以下となる熱硬化型樹脂を、緩衝層23に硬度A75の熱硬化型樹脂を、保護被覆層24に硬度D75の熱硬化型樹脂を使用して高NAのポリマークラッド光ファイバ20を作製した。ポリマークラッド層22と緩衝層23の合計膜厚と保護被覆層24の膜厚を変化させたポリマークラッド光ファイバ20を作製し、それぞれの励起ロスを測定したところ、表12に示すように、ポリマークラッド層22と緩衝層23の合計膜厚が保護被覆層24の膜厚の1.5倍以上となるポリマークラッド光ファイバ20では、励起ロスの値が約3dB/kmに収束した。次に、作製したポリマークラッド光ファイバ20のしごき特性を確認するため、番号21B〜22Bのポリマークラッド光ファイバ20(全長で20km)に2%伸びを加えながら巻き返しを実施した後、光ファイバ21内に可視光を入射して励起光漏れがないか確認したところ、励起光漏れ(輝点発生)は確認されず、また、励起ロスも変化せず、良好なしごき特性を有することが確認された。
【0054】
【表12】
【0055】
(試験例13:番号23B〜24B、C33B〜C37B)
ファイバ径は125μmとし、ポリマークラッド層22に屈折率1.35以下となる熱硬化型樹脂を、緩衝層23に硬度A80の熱硬化型樹脂を、保護被覆層24に硬度D75の熱硬化型樹脂を使用して高NAのポリマークラッド光ファイバ20を作製した。ポリマークラッド層22と緩衝層23の合計膜厚と保護被覆層24の膜厚を変化させたポリマークラッド光ファイバ20を作製し、それぞれの励起ロスを測定したところ、表13に示すように、ポリマークラッド層22と緩衝層23の合計膜厚が保護被覆層24の膜厚の1.5倍以上となるポリマークラッド光ファイバ20では、励起ロスの値が約3dB/kmに収束した。次に、作製したポリマークラッド光ファイバ20のしごき特性を確認するため、番号23B〜24Bのポリマークラッド光ファイバ20(全長で20km)に2%伸びを加えながら巻き返しを実施した後、光ファイバ21内に可視光を入射して励起光漏れがないか確認したところ、励起光漏れ(輝点発生)は確認されず、また、励起ロスも変化せず、良好なしごき特性を有することが確認された。
【0056】
【表13】
【0057】
(試験例14:番号C38B〜C44B)
ファイバ径は125μmとし、ポリマークラッド層22に屈折率1.35以下となる熱硬化型樹脂を、緩衝層23に硬度D20の熱硬化型樹脂を、保護被覆層24に硬度D75の熱硬化型樹脂を使用して高NAのポリマークラッド光ファイバ20を作製した。ポリマークラッド層22と緩衝層23の合計膜厚と保護被覆層24の膜厚を変化させたポリマークラッド光ファイバ20を作製し、それぞれの励起ロスを測定したところ、表14に示すように、ポリマークラッド層22と緩衝層23の合計膜厚が保護被覆層24の膜厚の1.5倍以上となるポリマークラッド光ファイバ20であっても、励起ロスの値が10dB/km以上となった。緩衝層23の膜厚を特に薄くした場合(C44B)には、励起ロスの値が約3dB/kmに収束した。
【0058】
【表14】
【0059】
(試験例15:番号C45B〜C50B)
ファイバ径は125μmとし、ポリマークラッド層22に屈折率1.35以下となる熱硬化型樹脂を、緩衝層23に針入度45の熱硬化型樹脂を、保護被覆層24に硬度D75の熱硬化型樹脂を使用して高NAのポリマークラッド光ファイバ20を作製した。ポリマークラッド層22と緩衝層23の合計膜厚と保護被覆層24の膜厚を変化させたポリマークラッド光ファイバ20を作製し、それぞれの励起ロスを測定したところ、表15に示すように、ポリマークラッド層22と緩衝層23の合計膜厚が保護被覆層24の膜厚の1.5倍以上となるポリマークラッド光ファイバ20では、励起ロスの値が約3dB/kmに収束した。しかし、作製したポリマークラッド光ファイバ20のしごき特性を確認するため、番号C48B〜C50Bのポリマークラッド光ファイバ20(全長で20km)に2%伸びを加えながら巻き返しを実施したところ、ポリマークラッド光ファイバ20の外観が変形している部分が確認され、さらに、光ファイバ21内に可視光を入射して励起光漏れがないか確認したところ、ポリマークラッド光ファイバ20の外観が変形している部分では、励起光漏れ(輝点発生)が確認された。
【0060】
【表15】
【0061】
(試験例16:番号25B〜29B)
ファイバ径は125μmとし、ポリマークラッド層22に屈折率1.35以下となる熱硬化型樹脂を、緩衝層23に硬度A25の熱硬化型樹脂を、保護被覆層24に硬度D20の熱硬化型樹脂を使用して高NAのポリマークラッド光ファイバ20を作製した。ポリマークラッド層22と緩衝層23の合計膜厚と保護被覆層24の膜厚の比を1.5に固定して、ポリマークラッド層22と緩衝層23の膜厚を振ってポリマークラッド光ファイバ20を作製し、それぞれの励起ロスを測定したところ、表16に示すように、ポリマークラッド層22の膜厚が2.5〜32.5μmの範囲で、励起ロスの値が約3dB/kmであった。次に、作製したポリマークラッド光ファイバ20のしごき特性を確認するため、番号25B〜29Bのポリマークラッド光ファイバ20(全長で20km)に2%伸びを加えながら巻き返しを実施した後、光ファイバ21内に可視光を入射して励起光漏れがないか確認したところ、励起光漏れ(輝点発生)は確認されず、また、励起ロスも変化せず、良好なしごき特性を有することが確認された。
【0062】
【表16】
【0063】
図5に、第2態様における膜厚比(表7〜16における膜厚比Y)と励起ロス[dB/km]との関係をグラフにまとめて示す。「125μm(A20)」は試験例7、「125μm(A25)」は試験例8、「80μm(A25)」は試験例9、「400μm(A25)」は試験例10、「125μm(A50)」は試験例11、「125μm(A75)」は試験例12、「125μm(A80)」は試験例13、「125μm(D20)」は試験例14、「125μm(針入度45)」は試験例15、「125μm(A25膜厚比1.5)」は試験例16である。